JPH09255806A - 空洞含有ポリエステルフイルム - Google Patents

空洞含有ポリエステルフイルム

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JPH09255806A
JPH09255806A JP29826996A JP29826996A JPH09255806A JP H09255806 A JPH09255806 A JP H09255806A JP 29826996 A JP29826996 A JP 29826996A JP 29826996 A JP29826996 A JP 29826996A JP H09255806 A JPH09255806 A JP H09255806A
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polyester
film
void
thermoplastic resin
thickness
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JP29826996A
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English (en)
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Katsuya Ito
勝也 伊藤
Atsushi Taga
敦 多賀
Toshiro Yamada
敏郎 山田
Katsufumi Kumano
勝文 熊野
Akito Hamano
明人 濱野
Katsuro Kuze
勝朗 久世
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は前記の欠点、即ち空洞含有ポリエステ
ルフイルム内部の空洞発現剤や空洞の大きさ、厚み等を
改良することにより、生産性を向上させ、表層の強度が
高く描画性の良い記録紙などの好適な材料を提供せんと
するものである。 【解決手段】ポリエステルとポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1
軸に配向することにより得られる微細な空洞を多数有す
る空洞含有ポリエステルフイルムにおいて、該フイルム
中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の
長軸径が1〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径と
厚さの比が2〜100であることを特徴とした空洞含有
ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベル、ポスタ
ー、記録紙、包装材料などに用いる際、インキやコート
剤などの濡れ性と接着性が改良されたフイルム内部に微
細な空洞を多量に含有した描画性を有するポリエステル
フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面平滑性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るが、この中でもポリエチレンテレフタレートを代表と
するポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いとい
う点で優れており、広範な用途展開が可能である。ポリ
エステルを主原料とした紙と類似した機能を有するフイ
ルムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフイル
ム内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエス
テルフイルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2−
2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処理
(マット剤をバインダーとともに積層する方法)などに
よって表面を粗面化する方法、などが開示されている。
これらの中で、(1)の微細な空洞をフイルム内部に多
量に含有させる方法には、フイルム自体を軽量化できる
点や適度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可
能になるという利点がある。微細な空洞をフイルム内部
に生成させる方法として、従来、ポリエステルと相溶し
ないポリマーを押出機で溶融混練し、ポリエステル中に
該ポリマーを微粒子状に分散させたシートを得て更に該
シートを延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発
生させる方法が開示されている。空洞発生のため用いら
れるポリエステルに相溶しないポリマー(以下、空洞発
現剤と呼ぶ)としては、ポリオレフィン系樹脂(たとえ
ば特開昭49−134755号公報)やポリスチレン系
樹脂(たとえば特公昭49−2016号公報、特公昭5
4−29550号公報)やポリアリレート樹脂(たとえ
ば特公昭58−28097号公報)など多数提案されて
いる。これらの中でポリスチレンとポリプロピレンは、
空洞ができやすい点や安価である点で好ましい。しか
し、ポリスチレンまたはポリプロピレンを空洞発現剤と
して得られた空洞含有ポリエステルフイルムは、空洞発
現剤や空洞の大きさ、厚み等が不適切であると、製膜中
の破断やテンターでのクリップはずれが多数回起こるた
め、生産性が著しく劣るという欠点があった。また、フ
イルムの厚さ方向の強度が劣るため、テープなどを接着
した後にそれを剥がすと、フイルム表層も共に剥げると
いう欠点もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の欠点、
即ち空洞含有ポリエステルフイルム内部の空洞発現剤や
空洞の大きさ、厚み等を改良することにより、生産性を
向上させ、表層の強度が高く描画性の良い記録紙などの
好適な材料を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ポリエス
テルとポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂が混合さ
れた重合体混合物を少なくとも1軸に配向することによ
り製造される微細な空洞を多数有する空洞含有ポリエス
テルフイルムにおいて、該フイルム中に存在するポリエ
ステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が長軸径が1
〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径と厚さの比が
2〜100であることを特徴とした空洞含有ポリエステ
ルフイルムに関するものである。ここで図1〜8に空
洞、ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂及びこれら
の長軸径、厚み等を示す。
【0005】本発明でいうポリエステルとはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳
香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合
させて製造されるポリエステルである。これらのポリエ
ステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応
させて製造されるほか、芳香族ジカルボン酸のアルキル
エステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重
縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコ
ールエステルを重縮合させる等の方法によって製造され
る。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいは
ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられ
る。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、
第三成分を共重合したものであってもよい。いずれにし
ても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、
ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6
−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80
モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリ
エステルが好ましい。本発明に用いられるポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂は、上記したポリエステルに
非相溶性のものであれば制限なく用いることができる
が、300℃以下で融解するものであり、かつ、押出し
温度において安定性の良好なものが好ましい。
【0006】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ア
イオノマー樹脂EPラバー等の共重合オリオレフィン樹
脂、ポリスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重合
体、スチレン−ブタンジエン−アクリルニトリル共重合
体等のポリスチレン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂等を挙
げることができる。これらの中で、ポリオレフィン系樹
脂及びポリスチレン系樹脂が特に好適である。
【0007】本発明の該ポリエステルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる。
この他にも予め混練機によって両樹脂を混練したものを
更に押出機より溶融押出しして、固化する方法や、ポリ
エステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを溶融
押出しして固化する方法などによっても得られる。固化
して得た重合体は通常、無配向もしくは弱い配向状態の
ものである。また、該ポリエステル中に該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂が、球状もしくは楕円球状、
もしくは糸状など様々な形状で分散した形態をとってい
る。その分散径は、球状のもので直径、0.1〜30μ
mである。該重合体混合物には、用途に応じて顔料、着
色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加すること
も可能である。こうして得た重合体混合物は、更に速度
差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップ
に把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)
や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーシ
ョン延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理す
る。このときに分散された該ポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂と該ポリエステルとの界面ではく離が起こ
り重合体混合物に空洞が多数発生する。
【0008】したがって該ポリエステルに混合させる該
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的と
する空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全
体に対して1重量%〜35重量%が好ましい。1重量%
未満では、ボイドの生成量を多くすることに限界があ
り、目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆
に、40重量%以上では、ポリエステルフイルムの持つ
耐熱性や強度が著しく損なわれる。
【0009】本発明における最も重要な点として、該フ
イルム中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性
樹脂の長軸径が1〜50μm、厚さが10μm以下、長
軸径と厚さの比が2〜100であることである。ポリエ
ステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が50μm以
上、厚さが10μm以上になると、発現する空洞が大き
くなりすぎるため、フイルムの厚さ方向の強度が劣り、
(従来の技術)の項で記したようなフイルム表層の剥離
の原因や、生産時の破断の原因となる。また、ポリエス
テルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径と厚さの比が2
未満では、ポリエステルとポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂の接合面が小さくなるためにフイルムの厚さ
方向の強度が劣り(従来の技術)の項で記したようなフ
イルム表層の剥離の原因となる。更にポリエステルに非
相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が1μm未満又は長軸径
と厚さの比が100以上では、空洞含有率が低くなり好
ましくない。
【0010】該重合体混合物を配向処理する条件は、空
洞の生成と密接に関連がある。したがって本目的を達す
るための条件はたとえば、最も一般的に行われている遂
次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の連続
シートを長手方向にロール延伸した後に巾方向にテンタ
ー延伸する遂次2軸延伸法の場合以下の様になる。ロー
ル延伸においては多数の空洞を発生させるため、温度を
該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の2次転移温
度+10℃以下、倍率を1.2〜5倍とするのが好まし
い。テンター延伸においては破断せずに安定製膜するた
め、温度を該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の
2次転移温度+10℃以上、倍率を1.2〜5倍とする
のが好ましい。
【0011】したがって、該ポリエステルに混合させる
該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂は2次転移温
度が70〜130℃の範囲であることが好ましく、それ
に相当する樹脂には例えばポリスチレンやポリメチルペ
ンテン等が挙げられる。延伸配向処理した空洞含有フイ
ルムは、130℃以上好ましくは180℃以上で熱固定
処理を行うと高温での寸法安定性を向上させることがで
きる。又、一軸方向にのみ配向させた空洞含有フイルム
は、収縮性フイルムや易引裂き性フイルムなどに有用で
ある。本発明は、配向処理によって空洞を発生させた空
洞含有ポリエステルフイルムに関するものであるので、
少なくとも1軸に配向させることが必要である。
【0012】作用 本発明において、主としてエチレンテレフタレート繰り
返し単位から構成されたポリエステルを用いるのは、該
空洞含有ポリエステルフイルムの耐熱性や機械的強度を
満足させるためである。本発明において、該ポリエステ
ルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合し、重合体混合物を
得るのは、該ポリエステル中に該ポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散させて、次の配向
処理によって生じる空洞の核を作るためである。
【0013】本発明において、該重合体混合物を少なく
とも1軸に配向するのは、重合体混合物に多数の微細な
空洞を発生させるためである。空洞を発生させることに
よってフイルムの軽量化でき、作業性が良くなり、面積
当たりの価格も安くなる。又空洞を含有することによっ
て柔軟性が増し、印刷、転写を行う時に鮮明な印刷、印
字が可能となる。更に空洞を含有することによって、光
線隠蔽性や白さが得られる。また、フイルム表面にも該
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂に由来する突起
が多数形成され、鉛筆やボールペンによる筆記が可能に
なる。特に本発明において重要であるのは、該フイルム
中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の
長軸径が1〜50μm、厚さ10μm以下、長軸径と厚
さの比が2〜100であることである。
【0014】ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の
長軸径が50μm以上、厚さが10μm以上になると、
発現する空洞が大きくなりすぎるため、フイルムの厚さ
方向の強度が劣り、(従来の技術)の項で記したような
フイルム表層の剥離の原因や、生産時の破断の原因とな
る。また、ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長
軸径と厚さの比が2未満では、ポリエステルとポリエス
テルに非相溶性の熱可塑性樹脂の接合面が小さくなるた
めにフイルムの厚さ方向の強度が劣り(従来の技術)の
項で記したようなフイルム表層の剥離の原因となる。更
にポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が1
μm未満又は長軸径と厚さの比が100以上では、空洞
含有が低くなり好ましくない。
【0015】(実施例)次に本発明の実施例及び比較例
を示す。本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0016】2)フイルム中のポリエステルに非相溶性
の熱可塑性樹脂の長軸径、厚さ及び長軸径と厚さの比 フイルムを断面方向にミクロトームで切り出し、四酸化
ルテニウム(ルテニウムクロライドハイドライトと次亜
塩素酸ナトリウムを反応させたもの)で染色したものを
透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM-200CX型)で20か
所写真を撮り、それぞれを画像処理装置ルーゼックスII
D(ニレコ社製)で測定、集計した。この場合、ポリエ
ステル、ポリスチレン又は、ポリメチルペンテン及び空
洞の違いは四酸化ルテニウムの染色の度合が以下のよう
に異なる点から判断した。 ポリエステル・・・薄い灰色 ポリスチレン・・・白色 ポリメチルペンテン・・・濃い灰色 空洞・・・黒色
【0017】3)空洞の長軸径 2)項に同じ
【0018】4)フイルムの見掛け比重 フイルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出して、それの厚みを50点測定し平均厚みtμ
mとし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、
下式によって計算した。 見掛け比重(−)=(W/5×5×t)×10000
【0019】5)フイルムの空洞含有率 下式によって計算した。 空洞含有率(体積%)=100×(1−真比容積/見掛
け比容積) 但し、真比容積=x1/d1+x2/d2+x3/d3+…+x1/d1+ … 見掛け比容積=1/フイルムの見掛け比重 上式におけるx1はi成分の重量分率、d1はi成分の真比
重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の値
は、ポリエチレンテレフタレート1.40、アナターゼ
型二酸化チタン3.90、一般用ポリスチレン樹脂1.
05、ポリメチルペンテン樹脂0.83を用いた。
【0020】6)フイルムの表面剥離強度 フイルム表面にテープ(ニチバン社製 セロテープ CT-
18)を5cm貼りつけ、十分密着させる。その後、フイ
ルムが動いたりしないためにテープの周囲を手で押さ
え、フイルムと平行方向にテープを剥ぐ。その剥いだテ
ープの面積に対するフイルム付着面積の割合により以下
のようにランク分けした。 ○・・・0〜10% △・・・11〜70% ×・・・71%以上
【0021】実施例1 原料として(1)固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレート樹脂90重量%と(2)メルトフローインデ
ックス3.0g/10分一般用ポリスチレン10重量%
を、2軸スクリュー押出機でT−ダイスより285℃で
溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロールに密着同化
し、ひき続きロール延伸機で80℃で3.2倍縦延伸を
行い、更にひき続きテンターで140℃で3.4倍横延
伸し、220℃で熱固定し、半透明のポリエステルフイ
ルムを得た。このフイルムの空洞含有率は11体積%で
あり、テープによる表層剥離は全く起こらなかった。ま
た破断は全くなかった。
【0022】実施例2 実施例1においてポリエチレンテレフタレート樹脂を9
0重量%から82重量%減らし、アナターゼ型二酸化チ
タン8重量%(予め(1)の樹脂の一部と混練したも
の)を加えた以外は全く同様にして、白色不透明の空洞
含有フイルムを得た。これの空洞含有率は18体積%で
あり、テープによる表層剥離は全く起こさず製膜中に破
断はなかった。フイルム内部を観察すると、大部分はポ
リスチレンが偏平な状態で存在する空洞であるが、二酸
化チタンが存在する空洞もみられた。
【0023】実施例3 実施例2においてポリエチレンテレフタレート樹脂を8
2重量%から72重量%に減らし、一般用ポリスチレン
を10重量%から20重量%に増やした以外は全く同様
にして、白色不透明の空洞含有フイルムを得た。これの
空洞含有率は29体積%であり、テープによる表層剥離
はほとんど起こさず、また製膜中に破断はほとんどなか
った。フイルム内部を観察すると、ポリスチレンが偏平
な形で存在する空洞が多数みられた。
【0024】実施例4 実施例1において、一般用ポリスチレンのかわりにポリ
メチルペンテンを用いた以外は全く同様にして半透明の
ポリエステルフイルムを得た。これの空洞含有率は18
体積%であり、テープによる表層剥離は全く起こらなか
った。また製膜中破断は全くなかった。
【0025】比較例1 実施例2においてポリエチレンテレフタレート樹脂を9
0重量%から52重量%に減らし、一般用ポリスチレン
を10重量%から40重量%に増やした以外は全く同様
にして空洞含有フイルムを得た。これの空洞含有率は3
8重量%でテープにより表面剥離を起こした。また、製
膜中の破断は多数回あった。フイルム内部を観察すると
ポリスチレンと空洞の長軸径が大きくなっていることが
わかった。
【0026】比較例2 実施例2においてテンターの温度を100℃にした以外
は全く同様にして空洞含有フイルムを得た。これの空洞
含有率は21重量%でテープによる表層剥離を比較例1
よりも少ないが起こした。フイルム内部を観察すると、
実施例2に比べてポリスチレンが球に近い形のものがい
くつかみられた。
【0027】比較例3 実施例2においてテンターの温度を90℃にした以外は
全く同様にして空洞含有フイルムを得た。これの空洞含
有率は24重量%でテープによる表層剥離を起こした。
また製膜中は破断が多発した。フイルム内部を観察する
と実施例2、比較例2に比べて、ポリスチレンが球形に
なっていた。
【0028】比較例4 実施例3においてテンターの温度を100℃にした以外
は全く含有フイルムを得た。これの空洞含有率は28重
量%でテープによる表層剥離を起こした。また製膜中は
破断が多発した。フイルム内部を観察するとポリスチレ
ンの厚さが10μm以上のものもみられ、実施例3に比
べて空洞の長軸径が大きくなっていた。
【0029】比較例5 実施例2においてロール延伸機の温度を80℃から12
0℃に上げた以外は全く同様にして空洞含有フイルムを
得た。これの空洞含有率は3体積%であった。フイルム
内部を観察するとポリスチレンが長軸方向に糸状に伸
び、空洞がほとんどみられなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフイルム
およびその積層体は、従来のポリスチレンやポリプロピ
レンを空洞発現剤として用いて得られる空洞含有ポリエ
ステルフイルムと同様に、通常の空泡を含まないポリエ
ステルフイルムに無い、軽量性、柔軟性、隠蔽性、艶消
し性、描画性などを有しているとともに、従来のポリス
チレンやポリプロピレンを空洞発現剤として用いて得ら
れる空洞含有ポリエステルフイルムに比べ、該フイルム
製造時において製膜中の破断やテンターでのクリップは
ずれ等の発生頻度が押さえられており生産性が高く、低
コストで製造でき、かつ空洞発現剤や空洞の大きさ、厚
み等が適切であるため、テープなどによる表層剥離も起
こさず描画性にも優れている。従って本発明の空洞含有
ポリエステルフイルムは、ラベル、ポスター、記録紙、
包装材料などの極めて広い分野で使用できる。
【0031】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 重合体混合物の未延伸シートの断面方向の模
式図。
【図2】 図1の未延伸シートを延伸した後の断面の方
向の模式図。
【図3】 延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂と空洞の断面方向の模式図。
【図4】 延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂の断面方向の模式図。
【図5】 重合体混合物の未延伸シートの表面の模式
図。
【図6】 図5の未延伸シートを延伸した後の表面の模
式図。
【図7】 延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂と空洞の表面の模式図。
【図8】 延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂の表面の模式図。
【符号の説明】
1.フイルム中のポリエステル 2.フイルム中のポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹
脂 3.フイルム中の空洞 a.空洞の長軸径 b.空洞の厚さ c.空洞の短軸径 d.ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径 e.ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の厚さ f.ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の短軸径 X.フイルムの厚さ方向 Y.フイルムの短軸方向 Z.フイルムの長軸方向 ここでフイルムの長軸と短軸は任意の方向とし、a≧
c、d≧fとなるように定義する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02 (72)発明者 熊野 勝文 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 久世 勝朗 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルとポリエステルに非相溶性
    の熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも
    1軸に配向することにより得られる微細な空洞を多数有
    する空洞含有ポリエステルフイルムにおいて、該フイル
    ム中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
    の長軸径が1〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径
    と厚さの比が2〜100であることを特徴とした空洞含
    有ポリエステルフイルム。
JP29826996A 1996-11-11 1996-11-11 空洞含有ポリエステルフイルム Pending JPH09255806A (ja)

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JP29826996A JPH09255806A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 空洞含有ポリエステルフイルム

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