JPH0630602B2 - 非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体の新規な製造法 - Google Patents

非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体の新規な製造法

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JPH0630602B2
JPH0630602B2 JP62002730A JP273087A JPH0630602B2 JP H0630602 B2 JPH0630602 B2 JP H0630602B2 JP 62002730 A JP62002730 A JP 62002730A JP 273087 A JP273087 A JP 273087A JP H0630602 B2 JPH0630602 B2 JP H0630602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α−アミラーゼ活性測定用基質として有用な
非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体の新規な製造
法に関する。
〔発明の背景〕 試料、特にヒト生体内の唾液、膵液、血液、尿中のα−
アミラーゼ活性の測定は医学上の診断において重要であ
る。例えば、膵炎、膵臓癌、耳下腺炎においては、血液
や尿中のα−アミラーゼ活性は通常の値に比べて著しい
上昇を示す。
α−アミラーゼ活性の測定方法については、これまで種
々の方法が発表されているが、大別すると、でんぷん、
アミロース、アミロペクチン等の長鎖の天然物及びその
修飾物を使用する方法と、グルコース残基数が4〜7個
のオリゴサッカライド及びその誘導体を使用する方法の
2種に分けられる。
しかしながら、最近では、例えばマルトテトラオース、
マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプ
タオース等のオリゴサッカライドを基質に用いる方法
(特開昭50-56998号公報、特開昭53-37096号公報)やp
−ニトロフェノール等の原色体を還元末端に結合したオ
リゴサッカライドを用いる方法(特開昭54-51892号公
報)等、均一で構造の明確な基質を用いる方法がこれま
で多く使用されてきたデンプンを用いる方法に代わって
アミラーゼ測定法の主流となりつつある。
これらの方法では通常、測定用共役酵素としてα−グル
コシダーゼ(E.C.3.2.1.20;α−D−グルコシドグルコ
ヒドロラーゼ)又はグルコアミラーゼ(E.C.3.2.1.3;
1,4−α−D−グルカングルコヒドロラーゼ)、又はβ
−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21;β−D−グルコシド
グルコヒドロラーゼ)を必要とする。
こらの共役酵素は、α−1,4−グルコシド結合を有する
糖鎖の非還元性末端からα−1,4−グルコシド結合を加
水分解するエキソタイプの酵素であり、α−アミラーゼ
反応に関係なく基質を分解してしまう欠点を有する。こ
の為これら共役酵素を用いる上記測定法に於ては、測定
用試液が不安定で、試薬盲検値が極めて高くそれにより
測定精度を著しく悪くしていた。さらに測定に充分な量
のグルコアミラーゼ、あるいはα−グルコシダーゼを使
用できず、正確で且つ精度の高い測定法の組立が困難で
あった。
かかる問題点を解決すべく、本発明者らは、これまで数
種の新規な修飾オリゴサッカライドを合成し、これらを
用いるα−アミラーゼ活性の測定法について特許出願し
ている。
例えば、α−アミラーゼ活性を測定するに際し、グルコ
ースが4〜7個からなる直鎖状オリゴサッカライドの非
還元末端グルコースの6位の一級アルコール(-CH2OH)が
一般式-CH2Rで表わされる基で置換された下記構造式を
有するオリゴサッカライド誘導体を基質として使用する
α−アミラーゼ活性の測定法がある(特開昭59-51800
号)。
(式中、右端のグルコース単位は還元性基、kは2〜5
の整数であり、Rは、例えば2−ピリジルアミノ基を表
わす。) これらの基質は、均一で構造が明確でありα−グルコシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ又はグルコアミラーゼの基
質とならない点に特徴を有している。しかしながら、こ
れらの基質を用いてα−アミラーゼ活性を測定するに
は、高速液体クロマトグラフィー法によるか、或はα−
グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ又はグルコアミラ
ーゼを共役酵素に用いて生成するグルコースを測定する
方法によらねばならず、前者は特殊な機器を必要とする
点、後者は検体中に含まれるグルコースにより影響を受
ける点等に問題があった。
そこで、本発明者らは更に研究を重ね、このような問題
のないα−アミラーゼ活性測定法を見出し、これを特許
出願している(特開昭61-83195号)。
即ち、グルコースが4〜7個からなる直鎖状オリゴサッ
カライドの非還元末端グルコースの6位の一級アルコー
ル(-CH2OH)が-CH2R0 1で示される基で置換され、更に、
還元末端グルコースの1位水酸基がフェノキシ基若しく
は置換フェノキシ基又はウンベリフェリル基で置換され
た、下記構造式〔1〕、 〔式中、n0は2〜5の整数であり、R0 1は有機残基を表
わし、R0 2を表わす。(但し、R0 3〜R0 6は水素、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基又はハロゲンを表わし、夫夫同じであっても異な
っていても良く、R0 7は水素、低級アルコキシ基、ハロ
ゲン又はニトロ基を表わす。また、R0 8は水素、メチル
基又はトリフルオロメチル基を表わす。)〕 で示されるオリゴサッカライド誘導体を基質として用い
るα−アミラーゼ活性測定法がそれである。この測定法
は従来のα−アミラーゼ活性測定法が有する種々の問題
点を全て解決した優れた測定法ではあるが、基質として
用いる非還元末端修飾オリゴサッカライドが、デキスト
リンやアミロースを出発原料とする従来の製法によって
では極めて低収率でしか得ることができず、その製法が
反応工程が長く、煩雑な製法であることと相俟って実用
化(企業化)に際し問題が残る。一方、シクロマルトデ
キストリングルカノトランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)
が、シクロデキストリンとアクセプターに作用し、還元
末端にアクセプターが結合した直鎖状オリゴサッカライ
ドを生成することは以前から知られていた(J.Am.Chem.
Soc.72巻,1202〜1205頁,1949年)。しかしながら修飾
したシクロデキストリンとアクセプターにこれを作用さ
せた場合に同様に還元末端にアクセプターが結合した直
鎖状オリゴサッカライドが得られるか否かについては詳
らかではなく、特開昭60-237998号公報にはこれの可能
性を示唆する記載があるが、同公報に開示されている方
法に従ってこれを行っても実際には目的物は得られな
い。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、α−アミラーゼ活性測定用基質として
有用な非還元末端修飾オリゴサッカライドが容易に且つ
収率よく得られる製造方法を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明は、1分子当たり1個の修飾グルコース(即ち、
6位の水酸基が修飾されたグルコース又は6位がカルボ
キシル基に置き換ったグルコース)を含む修飾シクロデ
キストリンに、アクセプターとしてのグルコース、マル
トース、マルトトリオース若しくはこれらの還元末端グ
ルコースの1位の水酸基が置換された誘導体の存在下、
シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ
を作用させ、然る後、グルコアミラーゼ又はα−グルコ
シダーゼを作用させることを特徴とする、非還元末端グ
ルコースの6位が置換され、且つ還元末端にアクセプタ
ーが結合した非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
の製造法の発明である。
本発明の製造法で用いられる修飾シクロデキストリンと
しては1分子当たり1個の修飾グルコースを含むものが
挙げられる。
修飾グルコースとしては、6位の水酸基が、例えば、2
−ピリジルアミノ基,3−ピリジルアミノ基等の如く蛍
光性を有する置換基、アニリノ基,メチルアニリノ基,
ヒドロキシアニリノ基,カルボキシフェニルアミノ基の
如くUV吸収を有する置換基、メトキシ基,エトキシ基
等のアルコキシ基、カルボキシメトキシ基,ヒドロキシ
エトキシ基,ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基,
ピリジルメチルオキシ基等の置換アルコキシ基、塩素,
臭素等のハロゲン原子、ヒドラゾノ基、フェニルヒドラ
ゾノ基又はアミノ基等で置換されたグルコース、若しく
はグルコースの6位の-CH2OH基が-COOH基で置き換った
グルクロン酸等が挙げられる。
本発明の製造法で用いられるアクセプターとしては、グ
ルコース、マルトース、マルトトリオース若しくはこれ
らの還元末端グルコースの1位の水酸基が置換された誘
導体が挙げられる。マルトテトラオース以上のオリゴサ
ッカライドでは反応が遅く、且つ副反応が起るので好ま
しくない。一方、グルコース鎖が長くなると、反応初期
の主生成物のグルコース鎖も長くなる。従って、目的物
のグルコース鎖長に従って、上記グルコース鎖長1〜3
のアクセプターを適宜選択して用いればよい。
アクセプターとして用いられるグルコース、マルトース
又はマルトトリオースの誘導体の還元末端グルコースの
1位の水酸基の置換基としては、例えば (但し、R3〜R6は水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン酸基又は
ハロゲンを表わし、夫々同じであっても異なっていても
良く、また、R3とR5又はR4とR6とが結合して芳香環
を形成していてもよい。R7は水素、低級アルコキシ
基、ハロゲン又はニトロ基を表わす。また、R8は水
素、メチル基又はトリフルオロメチル基を表わし、R9
は水素又はハロゲンを表わす。)で示される、置換基を
有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していても
よいナフトキシ基、置換基を有していてもよいウンベリ
フェリル基又は置換基を有していてもよいインドキシル
基等が挙げられる。また、これら1位水酸基の置換基の
具体例としては、例えば、p−ニトロフェノキシ基、m
−ニトロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基、p−
クロロフェノキシ基、2,6−ジクロロフェノキシ基、o
−メトキシフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、
o−メチルフェノキシ基、o−カルボキシフェノキシ
基、o−スルホフェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−
スルホ−1−ナフトキシ基、2−カルボキシ−1−ナフ
トキシ基、ウンベリフェリル基、4−メチルウンベリフ
ェリル基、インドキシル基等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
本発明の製造法で用いられるシクロマルトデキストリン
グルカノトランスフェラーゼ(以下、CGTaseと略す。)
の起源、由来に特に限定はなく、例えば、バチルス マ
セランス由来のもの、バチルス メガテリウム由来のも
の、クレプシェラ ニューモニエ由来のもの、アルカリ
細菌由来のもの等、いずれの由来のものにてもよい。
また、本発明の製造法で用いられるグルコアミラーゼ又
はα−グルコシダーゼの起源、由来についても特に限定
はない。
本発明の製造法で用いられる修飾シクロデキストリン
は、α,β又はγ−シクロデキストリンを原料とし、例
えば、メソッド イン カーボハイドレイトケミストリ
ーI(1962)〜V(1965)アカデミック プレス 等に記載
の各種修飾グルコースの製法に準じて、これを目的とす
る修飾基を導入するための各種反応試剤と反応させるこ
とにより容易に得られる。α,β,γ−いずれのシクロ
デキストリンを選ぶかは任意であり目的とする修飾オリ
ゴサッカライド誘導体のグルコース鎖長に応じてそれら
が最も収率よく得られるものを適宜選択すればよい。
アクセプターの存在下修飾シクロデキストリンにCGTase
を作用させて反応させる際の反応時のpHは用いるCGTase
の由来により若干異なるが、通常6〜8である。同pHに
保つために用いられる緩衝剤は酵素反応を阻害しないも
のであればいずれにてもよく、例えば、グッドの緩衝
剤、酢酸アンモニウム、炭酸塩、リン酸塩等が挙げられ
る。
本発明の製造法で用いられる修飾シクロデキストリンの
濃度は通常1〜50mmol/、またアクセプターの濃
度は通常5mmol/以上、溶解度限界までであるが、
修飾シクロデキストリンとアクセプターのモル比は前者
1に対し後者が5以上であることが望ましい。また、本
発明の製造法で用いられるCGTaseの使用量は通常50〜50
00U/mであり、反応は通常20〜50℃で行われ
る。CGTaseによる酵素反応終了後は加熱によりこれを失
活させる(例えば90℃以上で10分間以上)か、pHを
変動させて(例えばpH4.0以下)その作用を失わしめ
る。
グルコアミラーゼ又はα−グルコシダーゼによる反応
は、通常その至適pH(通常4〜6)で行われ、その使用
量は、いずれも通常5〜100U/mである。
本発明の製造法によれば、α−アミラーゼ活性測定用基
質として、或はヒトα−アミラーゼの各アイソザイム活
性の分別測定用基質として有用な非還元末端修飾オリゴ
サッカライドを簡単な反応操作で、収率よく得ることが
できる。
本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法の測定原
理は概略次の通りである。
(式中、Gはグルコース単位を表わし、R1は非還元末
端グルコースの6位の置換基を表わし、m1とm2はその
和が2から5である1以上の整数を表わし、OR2は還元
末端グルコースの1位に置換された置換基を有していて
もよいフェノキシ基、置換基を有していても良いナフト
キシ基、置換基を有していてもよいウンベリフェリル基
又は置換基を有していてもよいインドキシル基を表わ
す。) 即ち、先ず始めに、本発明に係る非還元末端修飾オリゴ
サッカライド誘導体に試料中のα−アミラーゼが作用し
て、非還元末端グルコースの6位の一級アルコール(-CH
2OH)がR1なる基で置換された と、還元末端グルコースの1位に置換基を有していても
よいフェノキシ基、置換基を有していても良いナフトキ
シ基、置換基を有していてもよいウンベリフェリル基又
は置換基を有していてもよいインドキシル基がついたGm
2-G-OR2が生成し、次いで、このGm 2-G-OR2にグルコアミ
ラーゼ、α−グルコシダーゼ又はβ−グルコシダーゼ等
の共役酵素が作用して、(m2+1)GとR2-OHが生成する。こ
のR2-OHを、例えばR2-OHがp−ニトロフェノールの如き
ニトロフェノール類の場合には、直接その吸収スペクト
ルを(例えば405nmに於ける吸光度を)測定することに
より、また、R2-OHが、例えばフェノール、o−クロロ
フェノール、2,6−ジクロロフェノール、p−メトキシ
フェノール等の如きニトロ基をもたない(ニトロ基をも
っていても良いが)フェノール類或はナフトール類の場
合には、カテコールオキシダーゼ、ラッカーゼ、チロシ
ナーゼ又はモノフェノールオキシダーゼの如き酸化酵素
類又はヨウ素酸、過ヨウ素酸の如き酸化剤を作用させて
或はまた、パーオキシダーゼと過酸化水素とを作用させ
て、4−アミノアンチピリン、3−メチル−2−ベンゾ
チアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等のカプラーとカップリ
ング(酸化縮合)させ、生成する色素の吸収スペクトル
を測定することにより、或はR2-OHがウンベリフェロ
ン、4−メチルウンベリフェロンの如く蛍光を有する化
合物の場合には、その蛍光強度を測定することにより、
更にはR2-OHがインドキシルの場合には、酸化されて生
成するインジゴ色素の吸収スペクトルを測定することに
より、夫々試料中のα−アミラーゼ活性を求めることが
できる。
本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法に於て、
基質として用いる本発明に係る非還元末端修飾オリゴサ
ッカライド誘導体の濃度は特に限定されるものではない
が、通常約0.1〜10mMが好ましく用いられる。
本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法に於て測
定対象となる試料は、α−アミラーゼを含有する検体な
ら何れを用いてもよく、例えば生体成分として血液、血
清、尿等があげられる。
共役酵素のグルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ又は
β−グルコシダーゼとしては、特に限定されないが例え
ば動物、植物、微生物由来のものが利用出来、夫々単独
で、或は組み合せて用いられる。これら共役酵素の使用
量は通常0.5〜50単位/m、好ましくは2〜20単位
/mである。
また、本発明を実施する測定条件として、反応温度は特
に限定されないが、好ましくは約25〜40℃であり、
反応時間は目的により自由に選択できる。
至適pHとしては特に限定されないが、pH約6〜8が好ま
しい例である。至適pHを維持する緩衝剤は自由に選択で
き、例えば、リン酸塩、トリスハイドロキシメチルアミ
ノメタン−塩酸、グッドの緩衝剤などが任意に選ばれ
る。
さらにα−アミラーゼの賦活剤として、例えば塩化ナト
リウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等が使用され
る。
共役酵素の作用により遊離したフェノール類又はナフト
ール類とカップリング(酸化縮合)させるカプラーとし
ては、4−アミノアンチピリン、3−メチル−2−ベン
ゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)、p−アミノ−N,N−
ジエチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。フェノール類又はナフトール類とカプ
ラーとをカップリング(酸化縮合)させる為の酸化酵素
としては、ラッカーゼ、カテコールオキシダーゼ、チロ
シナーゼ又はモノフェノールオキシダーゼ等が挙げられ
るが、これらは例えば、動物、植物、微生物由来のもの
が、いずれも利用でき、通常0.2〜10単位/m、好
ましくは0.5〜4単位/mの範囲で使用される。ま
た、カップリング(酸化縮合)させる為の酸化剤として
は、ヨウ素酸又は/及びその塩、過ヨウ素酸又は/及び
その塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
は、その非還元末端グルコースの6位の一級アルコール
(-CH2OH)が各種置換基に置換されている為、そのままで
はグルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ又はβ−グル
コシダーゼの基質とはならず、しかも水に易溶で、α−
アミラーゼとの親和性に優れているので、α−アミラー
ゼの良好な特異基質となる。従って、本発明に係る非還
元末端修飾オリゴサッカライド誘導体を基質として用い
る測定法に於ては、副反応が起らず試薬盲検値は極めて
小さく、測定用試液が極めて安定である。また、単一の
化合物を基質とすることから、反応の化学量論が成立
し、α−アミラーゼの動力学的検知が可能となる。
また、本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド
誘導体を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定法に
於ては、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、イソ
マルターゼ又はβ−グルコシダーゼ等の共役酵素を充分
に使用することができるので、α−アミラーゼ反応以降
の反応速度が速く、より正確で精度のよいα−アミラー
ゼ活性の測定を行うことができる。
更に、本発明に係る測定法に於ては、検出を遊離してく
るニトロフェノール類若しくはインジゴ色素類の吸収ス
ペクトルを測定するか、若しくは遊離してくるフェノー
ル類又はナフトール類を4−アミノアンチピリン、MBTH
等と酸化カップリングし、その色素の吸収スペクトルを
測定するか、又は遊離してくるウンベリフェロン類の蛍
光強度を測定することにより行なうので、検体中に共存
するグルコース、マルトース等の糖類や、アスコルビン
酸、ビリルビン等の還元性物質の影響を殆んど受けな
い。
本発明に係るアミラーゼ活性の測定方法は、一定条件で
の反応速度を測定するレイトアッセイでも、あるいは反
応停止剤を使用するエンドポイントアッセイとしてもよ
く、いずれの測定方法も実施可能である。
また、本発明に係る測定法は自動分析装置への適応性も
良く、必要に応じて用手法、自動分析のいずれにて行な
うも可である。
更にまた、本発明の基質を用いた場合には、色素の呈色
を測定する、所謂比色法で測定を行なうことができるの
で、簡便な試験紙法や反応試薬を含有させた多層分析シ
ート(多層一体型定量分析フィルム)を使用する所謂乾
式定量法にも応用することができる。
本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体
は、また、本発明者らが別に特許出願した特願昭61−
181564号に記載の唾液腺由来のα−アミラーゼと膵由来
のα−アミラーゼの分別測定法、即ち、α−アミラーゼ
の加水分解作用を受けて生じる分解生成物に、基質特異
性の異なる2種以上の共役酵素を作用させ、生じる成績
体を測定することによって、ヒト膵由来のα−アミラー
ゼとヒト唾液腺由来のα−アミラーゼの分別測定を行
う、α−アミラーゼアイソザイムの分別測定法にも効果
的な基質として充分使用可能である。
以下に実施例及び参考例を示すが本発明はこれら実施
例、参考例により何ら限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1.p−ニトロフェニル O−6−デオキシ−6
−〔(2−ピリジル)アミノ〕−α−D−グルコピラノ
シル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−
(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→
4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α
−D−グルコピラノシド(以下、FG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−6−デオキシ−6〔(2−ピリジル)アミ
ノ〕−β−シクロデキストリン(以下、F−β−CDと略
す。) の合成 β−シクロデキストリン20g,DCC(ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド)30.4gをDMSO(ジメチルスルホキシ
ド)120mに溶解し、ジクロル酢酸2.6mを加え
て室温で30分撹拌した。シュウ酸12.8gをメタノール
50mに溶解したものをこれに加え、2M炭酸ナトリ
ウム水溶液でpH9とした。2−アミノピリジン1.6gを
水200mに溶解したものをこれに加え、更にピリジ
ンボラン3.6gを加えて65〜70℃で2時間反応させ
た。水700mを加えて不溶物を去し、塩酸でpH7
とした後水素化ホウ素ナトリウム2.4gを加え室温で1
時間反応させた。塩酸を加えpH3として過剰の水素化ホ
ウ素ナトリウムを分解し、後アンモニア水を加えてpH7.
0とした。アセトン2を加え析出した沈澱を取して
F−β−CD3.0gを得た。
元素分析 C47H74O34N2 (2)FG5Pの合成 F−β−CD10g,p−ニトロフェニル α−グルコシ
ド10gを10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)1
に溶解しCGTase1000kUを添加して37℃で5時間反応
させた。次いで酢酸でpH4.0とした後、グルコアミラー
ゼ(リゾプス ニベウス由来)を20kU添加し、37℃
で10時間反応させた。反応液を凍結乾燥後、50mM酢
酸で平衡化したBio-GelP-2(Bio-Rad社)を充填したカラ
ム(30×1500mm)で精製を行ない、FG5P1.1gを得た。
p−ニトロフェニル α−グルコシド10gの代りにp
−ニトロフェニル β−グルコシド10gを用い、同様
に反応、後処理を行ってFG5Pのβ体2.5gを得た。
尚、構造の確認は特開昭61-83195号公報に記載の同化合
物の確認方法に従って行った。
実施例2.p−ニトロフェニル O−(2−O−カルボ
キシメチル)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)
−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グ
ルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシ
ド(以下、CMG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−O−カルボキシメチル−β−シクロデキスト
リン(以下、CM−β−CDと略す。)の合成 β−シクロデキストリン15.0g,水酸化ナトリウム13.5
gを水120mに溶解し、10%モノクロル酢酸水溶
液90mを加えて25℃で5時間撹拌した。6N塩酸
でpH7.0としたのちアセトン600mを加えて析出し
た結晶を取し、CM−β−CD12gを得た。
元素分析 C44H75O37N MW1210(NH4塩) (2)CMG5Pの合成 CM−β−CD10g,p−ニトロフェニルグルコシド10
gを10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)1に溶
解し、CGTase1000kUを添加して37℃で5時間反応させ
た。次いで酢酸でpH4.0とした後、グルコアミラーゼを
20kU添加し、37℃で10時間反応させた。反応液を
凍結乾燥後、50mM酢酸で平衡化したBio-GelP-2(Bio-R
ad社)を充填したカラム(30×1500mm)で精製を行な
い、CMG5P3gを得た。
実施例3.フェニル O−(α−D−グルコピラノシル
ウロニック酸)−(1→4)−O−α−D−グルコピラ
ノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−
(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1→
4)−α−D−グルコピラノシド(以下、カルボキシル
G5Pと略す。)の合成 (1)モノカルボキシル−β−シクロデキストリン(以
下、カルボキシル−β−CDと略す。)の合成 β−シクロデキストリン50gを水1に溶解し、プラ
チナ−カーボン(10%)5g,イソプロパノール2.5
mを加えて、撹拌下、70℃で空気を50m/min
の流速で通じた。1M炭酸水素ナトリウム溶液を滴下し
てpHを中性に保ちながら2.5時間反応させた後、過
し、液をイオン交換クロマトグラフィー(DowexI)
に付し、カルボキシル−β−CD10.5gを得た。
元素分析 C42H71O36N MW1165(NH4塩) (2)カルボキシルG5Pの合成 カルボキシル−β−CD10g,フェニル α−グルコシ
ド10gを10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)1
に溶解し、CGTase1000kUを添加して37℃で1時間反
応させた。次いで酢酸でpH4.0とした後グルコアミラー
ゼを20kU添加し、37℃で10時間反応させた。反応
液を凍結乾燥後20mM酢酸で平衡化したBio-GelP-2(Bio
-Rad社)を充填したカラム(30×2400mm)で精製を行な
い、カルボキシルG5P1.2gを得た。
得られたカルボキシルG5P中のフェニル基に対するグル
コース残基の数を次のようにして測定した。カルボキシ
ルG5Pを1.4N塩酸−メタノールで90℃,2時間メタノ
リシスした。濃縮後、トリメチルシリル化し、2%OV-1
7(0.4×200cm)のカラムを用い、110℃から250℃
まで4℃/分の昇温プログラムを用いて、グルコース量
を定量した。また、フェニル基は、0.1M酢酸中での2
65nmの吸光度から定量した。その結果カルボキシルG5
Pのグルコース/フェノールの比は3.9であった。
上で得た結果と、カルボキシルG5Pがグルコアミラーゼ
の作用を受けないことから、カルボキシルG5Pの構造
は、次のものであると考えられる。
本化合物のマススペクトルを第1図に示す。
実施例4.O−6−デオキシ−6−〔(2−ピリジル)
アミノ〕−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O
−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D
−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコ
ピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシ
ル−(1→4)−D−グルシトール(以下、FG6Rと略
す。)の合成 実施例1の(1)と同様にして得たF−β−CD10g及び
マルトトリイトール50gを10mM酢酸アンモニウム緩
衝液(pH6.5)1に溶解し、CGTase1000kUを添加して
37℃で5時間反応させた。次いで酢酸でpH4.0とした
後グルコアミラーゼを20kU添加し、37℃で10時間
反応させた。反応液を凍結乾燥後、50mM酢酸で平衡化
したBio-GelP-2(Bio-Rad社)を充填したカラム(30×15
00mm)で精製を行ない、FG6R1.2gを得た。
実施例5.フェニル O−(6−アミノ−6−デオキ
シ)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グ
ルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラ
ノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシド(以
下、アミノG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−6−O−p−トルエンスルホニル β−シク
ロデキストリンの合成 β−シクロデキストリン5.0gをピリジン100mに溶解
し、p−トルエンスルホニルクロリド0.8gを加えて4
℃で15時間撹拌した。減圧濃縮後、活性炭を充填した
カラム(5×60cm)にチャージし、水,30%エタノー
ル,25%n−プロパノール、各々3で溶出させた。
25%n−プロパノール画分を集め減圧濃縮し6−O−
p−トルエンスルホニル−シクロデキストリン0.7gを
得た。
(2)モノ−6−アジド−6−デオキシ−β−シクロデキ
ストリンの合成 6−O−p−トルエンスルホニル β−シクロデキスト
リン1.0gを80mの水に溶解し、窒化ナトリウム1
gを加えて95℃,90分反応させた。反応後反応液を
減圧濃縮しゲル過(Bio-GelP-2)により分離精製して
モノ−6−アジド−6−デオキシ−β−シクロデキスト
リン0.7gを得た。
(3)アミノG5Pの合成 モノ−6−アジド−6−デオキシ−β−シクロデキスト
リン0.5g,フェニル α−D−グルコピラノシド0.5g
を10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)50mに
溶解し、CGTase50kUを添加して37℃で2時間反応させ
た。次いで酢酸でpH4.0とした後グルコアミラーゼ1kU
を添加し、37℃で10時間反応させた。反応液に10
%−パラジウム−カーボン0.1gを加え25℃で撹拌下
水素ガスを8時間吹き込んだ。反応液を凍結乾燥後、ゲ
ル過(Bio-GelP-2)により分離精製してアミノG5P80m
gを得た。
得られたアミノG5P中のフェニル基に対するグルコース
残基の数を次のようにして測定した。アミノG5Pを1.4N
塩酸−メタノールで90℃,2時間メタノリシスした。
濃縮後、トリメチルシリル化し、2%OV-17(0.4×20
0cm)のカラムを用い、110℃から250℃まで4℃
/分の昇温プログラムを用いて、グルコース量を定量し
た。また、フェニル基は0.1M酢酸中での265nmの吸
光度から定量した。その結果、アミノG5Pのグルコース
/フェノールの比は3.6であった。
上で得た結果と、アミノG5Pがグルコアミラーゼの作用
を受けないこと及びTLC板上でニンヒドリンによる発色
が観察されたことより、アミノG5Pの構造は次のもので
あると考えられる。
本化合物のマススペクトルを第2図に示す。
実施例6.p−ニロトフェニル O−(6−O−ベンジ
ル)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グ
ルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラ
ノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシド(以
下、BG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−O−ベンジル−β−シクロデキストリン(以
下、ベンジル−β−CDと略す。)の合成 β−シクロデキストリン15g,水酸化ナトリウム13.5
gを水120mに溶解し、塩化ベンジル15mを加
えて10℃で2時間撹拌反応させた。反応後6N塩酸で
pH7.0としたのちアセトン1を加えて析出した沈澱を
取し、ベンジル−β−CD5gを得た(2位,3位,6
位置換体の混合物)。
(2)BG5Pの合成 ベンジル−β−CD10g,p−ニトロフェニルα−D−
グルコピラノシド10gを10mM酢酸アンモニウム緩衝
液(pH6.5)1に溶解し、CGTase1000kUを添加して3
7℃で5時間撹拌反応させた。次いで酢酸でpH4.0とし
た後、グルコアミラーゼを20kU添加し、37℃で10
時間反応させた。反応液を凍結乾燥後、50mM酢酸で平
衡化したBio-GelP-2(Bio-Rad社)を充填したカラム(30
×1500mm)で精製を行ない粗BG5P(2位,3位,6位置
換体の混合物)1.6gを得た。これを、逆相の高速液体
クロマトグラフィーで分離精製し、6位置換体180mg
を得た。(2位置換体700mg,3位置換体650mg) HPLC:含量96%〔カラム:充填剤シリカゲルZ−OD
S,5C18(和光純薬工業(株)商品名,10×300m
m),溶出液10%CH3CN−0.1%AcOHと90%CH3CN-0.1
%AcOHとの直線的グラジェント,流速3m/min,305
nmで測定〕 IR:第3図の通り。1 H-NMR:第4図の通り。
また、実施例3,実施例5と同様にして求めたBG5Pのグ
ルコース/p−ニトロフェノールの比は3.8であった。
上で得た結果と、BG5Pがグルコアミラーゼの作用を受け
ないことから、BG5Pの構造は、次のものであると考えら
れる。
実施例7.p−ニトロフェニル O−(6−O−メチ
ル)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グ
ルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラ
ノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシド(以
下、MG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−O−メチル−β−シクロデキストリン(以
下、メチル−β−CDと略す。)の合成 β−シクロデキストリン10g,水酸化ナトリウム13.5
gを水120mに溶解し、ジメチル硫酸2.7gを加え
て10℃で2時間撹拌反応させた。反応後6N塩酸でpH
7.0としたのちアセトン1を加えて析出した沈澱を
取し、メチル−β−CD2gを得た。
(2)MG5Pの合成 メチル−β−CD10g,p−ニトロフェニル α−D−
グルコピラノシド10gを10mM酢酸アンモニウム緩衝
液(pH6.5)1に溶解し、CGTase1000kUを添加して3
7℃で5時間撹拌反応させた。次いで酢酸でpH4.0とし
た後、グルコアミラーゼを20kU添加し、37℃で10
時間反応させた。反応液を凍結乾燥後、50mM酢酸で平
衡化したBio-GelP-2(Bio-Rad社)を充填したカラム(30
×1500mm)で精製を行ない粗MG5P(2位,3位,6位置
換体の混合物)1.5gを得た。これを逆相の高速液体ク
ロマトグラフィーで分離精製し、6位置換体160mgを
得た。(2位置換体680mg,3位置換体560mg)。
HPLC:含量93%(測定条件は実施例6と同じ。)。
また、実施例3,実施例5と同様にして求めたMG5Pのグ
ルコース/p−ニトロフェノールの比は3.9であった。
上で得た結果と、MG5Pがグルコアミラーゼの作用を受け
ないことから、MG5Pの構造は、次のものであると考えら
れる。
実施例8.p−ニトロフェニル O−(6−ブロモ−6
−デオキシ)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)
−O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グ
ルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシ
ド(以下、BrG5Pと略す。)の合成 (1)モノ−6−ブロモ−6−デオキシ−β−シクロデキ
ストリン(以下、Br−β−CDと略す。)の合成 実施例5の(1)の方法に準じて合成したモノ−6−O−
p−トルエンスルホニル β−シクロデキストリン5g
をDMF250mに溶解しリチウムブロマイド15gを
加えて2時間還流反応させた。反応液を減圧濃縮後アセ
トン500mを加えて析出した沈澱を取しモノ−6
−ブロモ−6−デオキシ−β−シクロデキストリン2.3
gを得た。
(2)BrG5Pの合成 Br−β−CD 1g、p−ニトロフェニル α−D−グル
コピラノシド1gを10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH
6.5)100mに溶解しCGTase100kUを添加して37℃
で5時間撹拌反応させた。次いで酢酸を加えてpH4.0と
した後、グルコアミラーゼを2000U加えて37℃で10
時間撹拌反応させた。反応液を濃縮し50mM酢酸で平衡
化したBio-GelP-2(Bio-Rad社)を充填したカラム(30×
1500mm)で精製をおこないBrG5P0.16gを得た。
HPLC:含量97%(測定条件は実施例6と同じ。)。1 H-NMR:第5図の通り。
また、実施例3,実施例5と同様にして求めたBrG5Pの
グルコース/p−ニトロフェノールの比は3.6であっ
た。
上で得た結果と、BrG5Pがグルコアミラーゼの作用を受
けないことから、BrG5Pの構造は、次のものであると考
えられる。
参考例1.α−アミラーゼ活性の測定 〔測定試液〕 実施例6で得たBG5P30mgをグルコアミラーゼ400単
位、α−グルコシダーゼ300単位及び20mmol/
塩化カルシウムを含む50mmol/2−(N−モルホ
リノ)エタンスルホン酸(MES)-NaOH緩衝液(pH6.9)3
0mに溶解し、測定試液とした。
〔測定操作〕
測定試液2mに検体血清100μを加え、37℃に
加温し、この反応液の波長405nmに於ける吸光度変化
を測定した。
別に、α−アミラーゼ活性既知の標準検体を用い、上記
と同様に操作し、検量関係を求め、この検量線から検体
のα−アミラーゼ活性を求めた。このときの標準検体の
各希釈段階に於けるα−アミラーゼ活性(Somogyi単位
/d)と波長405nmに於ける1分間当りの吸光度増
加量(ΔA)との関係を第6図に示す。
第6図より明らかな如く、α−アミラーゼ活性(Somogy
i単位/d)に対してプロットした吸光度増加量(Δ
A/min)を結ぶ検量線は原点を通る直線となり、検量
線は良好な定量性を示している。
参考例2.α−アミラーゼ活性の測定 〔測定試液〕 実施例6と同様にして得たBG6P36mgをグルコアミラー
ゼ400単位、α−グルコシダーゼ300単位及び20mm
ol/塩化カルシウムを含む50mmol/MES-NaOH緩
衝液(pH6.9)30mに溶解し、測定試液とした。
〔測定操作〕
測定試液2mに検体血清100μを加え、37℃に
加温し、この反応液の波長405nmに於ける吸光度変化
を測定した。
別に、α−アミラーゼ活性既知の標準検体を用い、上記
と同様に操作し、検量関係を求め、この検量線から検体
のα−アミラーゼ活性を求めた。このときの標準検体の
各希釈段階に於けるα−アミラーゼ活性(Somogyi単位
/d)と波長405nmに於ける1分間当りの吸光度増
加量(ΔA)との関係を第7図に示す。
第7図より明らかな如く、α−アミラーゼ活性(Somogy
i単位/d)に対してプロットした吸光度増加量(Δ
A/min)を結ぶ検量線は原点を通る直線となり、検量
線は良好な定量性を示している。
参考例3.α−アミラーゼ活性の測定 〔測定試液〕 実施例8で得たBrG5P30mgをグルコアミラーゼ400
単位、α−グルコシダーゼ300単位及び20mmol/
塩化カルシウムを含む50mmol/MES-NaOH緩衝液
(pH6.9)30mに溶解し、測定試液とした。
〔測定操作〕
測定試液2mに検体血清100μを加え、37℃に
加温し、この反応液の波長405nmにおける吸光度変化
を測定した。
別に、α−アミラーゼ活性既知の標準検体を用い、上記
と同様に操作し、検量関係を求め、この検量線から検体
のα−アミラーゼ活性を求めた。このときの標準検体の
各希釈段階に於けるα−アミラーゼ活性(Somogyi単位
/d)と波長405nmに於ける1分間当りの吸光度増
加量(ΔA)との関係を第8図に示す。
第8図より明らかな如く、α−アミラーゼ活性(Somogy
i単位/d)に対してプロットした吸光度増加量(Δ
A)を結ぶ検量線は原点を通る直線となり、検量線は良
好な定量性を示している。
〔発明の効果〕
本発明は、α−アミラーゼ活性測定用基質として、或は
ヒトα−アミラーゼの各アイソザイム活性の分別測定用
基質として有用な非還元末端修飾オリゴサッカライドの
新規で且つ効果的な製造法を提供するものであり、本発
明の方法によれば、 非還元末端修飾オリゴサッカライドが簡単な反応操作
で、収率よく得ることもできるので、これらを基質とし
て用いるα−アミラーゼ活性測定法或は同アイソザイム
の分別測定法の実用化(企業化)に寄与するところ甚だ
大なる点。及び 本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導
体は従来のα−アミラーゼ活性測定用基質が有する問題
点を一切有さず、しかも合成が容易で収率よくこれを得
ることができるので、実用化(企業化)が可能な優れた
α−アミラーゼ活性測定法を提供し得るものである点。
に顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々実施例3及び実施例4で得られ
た本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導
体のFAB−マススペクトルを示す(装置JeolHX-100)。 第3図は実施例6で得られた本発明に係る非還元末端修
飾オリゴサッカライド誘導体のIRチャートを示す。 第4図及び第5図は、夫々実施例6及び実施例8で得ら
れた本発明に係る非還元末端修飾オリゴサッカライド誘
導体の1H-NMRチャートを示す。 第6図,第7図及び第8図は、夫々参考例1,参考例2
及び参考例3に於て得られた検量線を示し、横軸の各α
−アミラーゼ活性(Somogyi単位/d)について得ら
れた吸光度増加量(ΔA/min)を縦軸に沿ってプロッ
トした点を結んだものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子当たり1個の修飾グルコース(即
    ち、6位の水酸基が修飾されたグルコース又は6位がカ
    ルボキシル基に置き換ったグルコース)を含む修飾シク
    ロデキストリンに、アクセプターとしてのグルコース、
    マルトース、マルトトリオース若しくはこれらの還元末
    端グルコースの1位の水酸基が置換された誘導体の存在
    下、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラ
    ーゼを作用させ、然る後、グルコアミラーゼ又はα−グ
    ルコシダーゼを作用させることを特徴とする、非還元末
    端グルコースの6位が置換され、且つ還元末端にアクセ
    プターが結合した非還元末端修飾オリゴサッカライド誘
    導体の製造法。
  2. 【請求項2】修飾グルコースが、6位の水酸基が2−ピ
    リジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基の如く蛍光性を
    有する置換基、アニリノ基,メチルアニリノ基,ヒドロ
    キシアニリノ基,カルボキシフェニルアミノ基の如くU
    V吸収を有する置換基、メトキシ基,エトキシ基等のア
    ルコキシ基、カルボキシメトキシ基,ヒドロキシエトキ
    シ基,ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基,ピリジ
    ルメチルオキシ基等の置換アルコキシ基、塩素,臭素等
    のハロゲン原子、ヒドラゾノ基、フェニルヒドラゾノ基
    又はアミノ基で置換されたグルコース、若しくはグルク
    ロン酸である特許請求の範囲第1項に記載の製造法。
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EP87110023A EP0252525B1 (en) 1986-07-11 1987-07-10 Alpha-amylase assay using modified oligosaccharide and process for producing said modified oligosaccharide
AT87110023T ATE97131T1 (de) 1986-07-11 1987-07-10 Verfahren zur bestimmung von alpha-amylase unter anwendung von modifizierten oligosacchariden und verfahren zu deren herstellung.
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