JPH0630547Y2

JPH0630547Y2 - 車両用シートのウォークイン装置

Info

Publication number: JPH0630547Y2
Application number: JP1989072454U
Authority: JP
Inventors: 初夫早川; 幹雄本間
Original assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Current assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Priority date: 1989-06-22
Filing date: 1989-06-22
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2004-06-22
Also published as: GB9013421D0; JPH0311936U; GB2234431B; GB2234431A; US5052751A

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、例えば２ドア型自動車における前部シートに
設けられるウォークイン装置に関する。

〔従来の技術〕

２ドア型自動車においては、後部座席への乗降を容易と
するために、前部シートのシートスライドに、シートバ
ックの前傾と連動してシートスライドのロックを解除す
るようにしたウォークイン装置を設け、前部シートを前
後方向にスライドしうるようにしてあるのが一般的であ
る。

このウォークイン装置は、従来から種々提案されている
が、例えば特開昭60-94835号公報に開示されているよう
に、シートスライドのロアレール側に、ウォークイン操
作の際、前部シートを所定の中間位置に復帰固定させる
ためのロック解除用部材（ウォークインプレート）を設
けてあるものが殆んどである。

〔考案が解決しようとする課題〕

そのため、構造が複雑化するとともに、製造、組立時の
工数の増加によって、生産性は低下していた。

また、ロアレールに、ロック解除用部材を設けると、ウ
ォークイン装置を備えていない通常のシートスライド用
ロアレールとの互換性がなくなるため、２種類のロアレ
ールを用意しなければならず、製造時の工程管理や部品
管理が複雑化するとともに、製造コストが高くなる。

本考案は、上記問題点を解決するためになされたもの
で、ロック解除用部材を廃止することにより、構造の簡
素化を図り、かつ通常のロアレールと互換性を有するよ
うにして、コストの低減を可能とするとともに、円滑に
作動しうるようにした車両用シートのウォークイン装置
を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の装置は、前傾可能な
シートバックを備えるアッパーレールを、車体に固着し
たロアレールに摺動自在に嵌合するとともに、前記アッ
パーレールを適宜位置でロック保持しうる手動操作可能
のロック手段を設け、かつ前記アッパーレールに、前記
シートバックの前傾動作と連動して前記ロック手段をロ
ック解除位置に回動させるウォークインレバーを回動可
能に設け、かつ該ウォークインレバーにおける枢軸より
も前部に、ウォークインレバーの回動方向を向く案内溝
を設け、該案内溝の外側端に、ウォークインレバーの枢
軸より遠ざかる方法を向く係止溝部を連設し、前記案内
溝に、前記アッパーレールに常時平面視反時計方向に付
勢されて枢着された係止レバーのピンを、前記アッパー
レールが前方へ所要量移動し、かつウォークインレバー
がロック解除方向に回動させられたとき、ピンが前記係
止溝部内に移動することにより前記ウォークインレバー
の復帰回動を阻止して前記ロック手段をロック解除状態
に保持し、またアッパーレールの後方移動時において、
係止レバーがロアレールの前端部に当接することによ
り、ピンが前記係止溝部内より外れて前記ウォークイン
レバーが復帰回動し、ロック手段によるロック解除状態
が解除されるようにし、かつウォークインレバーの不作
動時には、ピンが前記案内溝の内側端と当接することに
より、係止レバーがロアレールから離間するように摺動
自在に係合させたことを特徴としている。

〔作用〕

乗降時においてシートバックを前傾させると、これと連
動するウォークインレバーが、ロック手段をロック解除
することにより、アッパーレールは、前後方向へ移動可
能となる。

この状態で、シートバックと一体をなすアッパーレール
を前方へ移動させると、係止レバーのピンはウォークイ
ンレバーの係止溝部に係止し、アッパーレールは、引き
続きロック解除状態に保持される。

アッパーレールを後方へ移動させると、係止レバーはロ
アレールの先端に当接して、ピンと係止溝部との係合を
強制的に外されるため、それまでのロック解除状態が解
除され、アッパーレールは、ロック手段により適宜の位
置にロックされる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、図面に基づいて説明する。

第１図は、図示しないシートクッションを載置しうるよ
うに構成された左右１対のシートスライド機構の一方
を、内方より見た図である。

(1)は、図示しない車体の床面に、図中右方を前向きと
し、かつ前後の下面に固着したブラケット(2)(3)を介し
て取付けられた、正面形が概ね上向Ｃ字形断面をなすロ
アーレルで、その内側の側壁には、前後方向に並ぶ多数
の係止孔(4)が穿設されている。

(5)は、正面形が概ねＬ字形をなす２枚の板体(5a)(5b)
を、背中合わせに重合固着して構成されたアッパーレー
ルで、その下端水平部は、前記ロアレール(1)に嵌入さ
れ、かつロアレール(1)内に転動自在に収容された複数
のローラ（図示略）により支持されて、前後方向に摺動
可能となっている。

(6)は、後部に、前記ロアレール(1)の係止孔(4)と係脱
しうるロック手段、すなわち係止片(7)を備える手動操
作可能の操作杆で、前部要所と後端部とを、それぞれア
ッパーレール(5)における内側の板体(5b)にリベット(8)
止めされたブラケット(9)及び(10)により、回動自在に
支持されている。

操作杆(6)は、その後端部に嵌挿したねじりばね(11)を
もって、常時下向き（正面視反時計方向）に付勢され、
係止片(7)が、適宜の係止孔(4)と係合することにより、
アッパーレール(5)が前後方向へ移動するのを阻止する
ようになっている。

(12)は、操作杆(6)の中間部に斜め上方を向いて固着さ
れた駆動レバーで、他方のシートスライド機構に設けら
れた同様の駆動レバーと、ワイヤー(13)をもって連結さ
れ、左右双方の係止片(7)は互いに連動して、係止孔(4)
との係脱を、左右ほぼ同時に行ないうるようになってい
る。

アッパーレール(5)の内側前方寄りには、ウォークイン
機構(14)が設けられている。

ウォークイン機構(14)は、第２図に詳細を示すように、
弧状の前後方向の長孔(15)及び円形の軸孔(16a)(16b)を
備え、かつ基端部を、アッパーレール(5)の内側面にリ
ベット(17)(17)止めされた内向水平のブラケット(18)
と、上向段状に折曲された後側のアーム(19a)の後端部
が、前記駆動レバー(12)の内側面と直交状に当接しうる
ようにして、中間部をブラケット(18)の後側の軸孔(16
a)に下方よりピン(20)枢着されたウォークインレバー(1
9)と、該ウォークインレバー(19)の前側のアーム(19b)
と前記ブラケット(18)との間を水平に回動しうるように
して、中間部よりやや基端部寄りを、ブラケット(18)の
前側の軸孔(16b)にピン(21)枢着するとともに、基端部
を、アーム(19b)に穿設された、外側端にウォークイン
レバー(19)のピン(20)より遠ざかる方向を向く係止溝部
(22a)を連設したほぼＬ字形の案内溝(22)に、ピン(23)
をもって摺動可能に係合させてなる係止レバー(24)と、
一端をブラケット(18)の後端縁に連設された下向片(18
a)に、かつ他端を係止レバー(24)の後端部に係止するこ
とにより、係止レバー(24)を常時平面視反時計方向に付
勢する引張コイルばね(25)とからなっている。

(24a)は、係止レバー(24)に上向として連設された突片
で、前記ブラケット(18)に穿設された弧状の前記長孔(1
5)と嵌合して案内されることにより、係止レバー(24)
は、長孔(15)の範囲内において回動することができる。

(26)は、図示しないシートバックの前傾と連動して、矢
印(F)方向に引かれるワイヤで、その先端は、ウォーク
インレバー(19)の前側のアーム(19b)の先端部に連結さ
れている。

係止レバー(24)の先端部は、適所より下向段状に折曲さ
れ、ウォークインレバー(19)の非作動時において、その
先端がロアレール(1)の側面と近接しうるようにしてあ
る（第３図参照）。

次に、第３図及び第４図を参照して、上記ウォークイン
機構(14)の作用について説明する。

後部座席への乗降時において、図示しないシートバック
を前傾させると、これと連動するワイヤ(26)が引張られ
て、ウォークインレバー(19)は、第３図２点鎖線示のよ
うに、ブラケット(18)に連設されたストッパ片(18b)と
当接した位置から、時計方向に回動させられる。

すると、ウォークインレバー(19)の後側のアーム(19a)
の後端が、操作杆(6)の駆動レバー(12)と当接して、こ
れを上向きに回動させるため、係止片(7)と、ロアレー
ル(1)の係止孔(4)との係合が解除され、アッパーレール
(5)は、前後方向に移動可能状態となる。

このとき、ウォークインレバー(19)の案内溝(22)と係合
しているピン(23)は、案内溝(22)の左端から右方（第３
図中下から上）に向かって相対的に移動し、さらに前方
を向く係止溝部(22a)に向かって移動しようとするが、
係止レバー(24)の先端が、ロアレール(1)の側面と当接
して、反時計方向へ回動するのが阻止されるため、ピン
(23)が、係止溝部(22a)側へ移動することはない。

従って、例えば乗降するのを途中で中止する際等におい
て、シートバックを倒した直後に再度起こすと、ウォー
クインレバー(19)が即座に復帰回動して、係止片(7)と
係止孔(4)とを係合させるため、アッパーレバー(5)を、
元の位置で再びロックすることができる。

シートバックを前傾させた状態で、アッパーレバー(5)
を前方へスライドさせると、第４図に示すように、それ
までロアレール(1)の側面と当接して、その反時計方向
へ回動するのを阻止されていた係止レバー(24)は、ロア
レール(1)の前端縁より外れて、反時計方向に回動する
ため、ピン(23)は、案内溝(22)の係止溝部(22a)内に移
動する。

その結果、ウォークインレバー(19)の反時計方向への復
帰回動は阻止され、かつ係止レバー(24)は、引張コイル
ばね(25)により反時計方向に付勢されているので、ピン
(23)が係止溝部(22a)より外れることはなく、操作杆(6)
は、ロック解除状態のまま保持される。

これにより、アッパーレール(5)を、乗降に支障のない
前限位置まで自由にスライドさせることができる。

乗降の終了時において、シートバックを起こしながら、
アッパーレール(5)（シートクッション）を後方にスラ
イドさせると、ワイヤ(26)は弛緩し、かつ係止レバー(2
4)の先端部が、ロアレール(1)の先端縁(1a)と当接し
て、時計方向に強制的に回動させられるため、ピン(23)
と係止溝部(22a)との係合は解除される。

これにより、ピン(23)は、案内溝(22)を左方（第４図中
下方）に向かって相対移動するため、ウォークインレバ
ー(19)は、反時計方向に回動し、駆動レバー(12)（操作
杆）の復帰回動をもって、それまでのロック解除状態は
解除される。

その結果、アッパーレール(5)は、ロアレール(1)におけ
る適宜の中間位置にロックされることとなる。

この場合、アッパーレール(5)のロアレール(1)に対する
ロック位置は、ロアレール(1)の前端縁(1a)に対する係
止レバー(24)、又はウォークイン機構(14)全体の取付位
置を変えるか、あるいはロアレール(1)の寸法を変える
などして、両者の当接のタイミングを調整することによ
り、任意に設定しうる。

なお、上記構成から明らかなように、前部座席の通常の
位置調整は、操作杆(6)を単独操作することにより、ウ
ォークイン機構(14)と無関係に行ないうるのは言うまで
もない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、係止レバーをロアレールの前端部に当
接させることにより、アッパーレールを所定の位置にロ
ックすることができるので、従来必要とされていたロッ
ク解除用部材を廃止することができ、構造の簡素化、並
びに製造、組立時の工数削減が可能となる。

また、アッパーレール側に、ウォークイン操作用の全て
の部材を設けてあるため、ウォークイン装置のない通常
のロアレールとも互換性を有しており、製造時の部品管
理等が簡単となり、かつコストの低減が図れる。係止レ
バーは、ピンを介してウォークインレバーの案内溝と係
合しているので、係止レバーの作動が円滑となり、ウォ
ークインレバーのロック保持及びロック解除が確実に行
われる。

しかも、係止レバーは、ウォークインレバーの不作動時
にはロアレールから離間しているので、シートの単なる
前後位置調節時等においては、係止レバーがロアレール
に擦れることがなく、不快な摺動音が発生したり、係止
レバーやロアレールの摩耗が激しくなったりすることが
ない。

したがって、アッパーレールはロアレールに対して円滑
に摺動することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の装置を備えるシートスラ
イド機構の外観図、第２図は、ウォークイン機構の分解斜視図、第３図は、ウォークイン非操作時における第１図のＸ−
Ｘ線に沿う要部の一部切欠横断平面図、第４図は、同じくウォークイン操作時における要部の一
部切欠横断平面図である。 (1)ロアレール、(5)アッパーレール (6)操作杆、(7)係止片（ロック手段） (12)駆動レバー、(14)ウォークイン機構 (18)ブラケット、(19)ウォークインレバー (22)案内溝、(22a)係止溝部 (24)係止レバー、(25)引張コイルばね

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前傾可能なシートバックを備えるアッパー
レールを、車体に固着したロアレールに摺動自在に嵌合
するとともに、前記アッパーレールを適宜位置でロック
保持しうる手動操作可能のロック手段を設け、かつ前記
アッパーレールに、前記シートバックの前傾動作と連動
して前記ロック手段をロック解除位置に回動させるウォ
ークインレバーを回動可能に設け、かつ該ウォークイン
レバーにおける枢軸よりも前部に、ウォークインレバー
の回動方向を向く案内溝を設け、該案内溝の外側端に、
ウォークインレバーの枢軸より遠ざかる方法を向く係止
溝部を連設し、前記案内溝に、前記アッパーレールに常
時平面視反時計方向に付勢されて枢着された係止レバー
のピンを、前記アッパーレールが前方へ所要量移動し、
かつウォークインレバーがロック解除方向に回動させら
れたとき、ピンが前記係止溝部内に移動することにより
前記ウォークインレバーの復帰回動を阻止して前記ロッ
ク手段をロック解除状態に保持し、またアッパーレール
の後方移動時において、係止レバーがロアレールの前端
部に当接することにより、ピンが前記係止溝部内より外
れて前記ウォークインレバーが復帰回動し、ロック手段
によるロック解除状態が解除されるようにし、かつウォ
ークインレバーの不作動時には、ピンが前記案内溝の内
側端と当接することにより、係止レバーがロアレールか
ら離間するように摺動自在に係合させたことを特徴とす
る車両用シートのウォークイン装置。