JPH0629865Y2 - 操作ノブの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、操作ノブを揺動操作するスイッチの操作ノブ
の取付け構造に関するものである。

（従来の技術） 一般に、部材のワンタッチ取付け構造は、取付け部材又
は被取付け部材のいずれか一方に爪等の凸部を設け、他
方に該凸部が嵌入する凹部を設けて、取付け部材の押込
み力によりいずれか一方を強制的に弾性変形させて凸部
と凹部を係合させるようになっている。

同様に、操作ノブを揺動操作するスイッチの操作ノブの
ワンタッチ取付け構造は、ケース又は操作ノブのいずれ
か一方に支軸を突設し、他方に当該支軸が嵌合する軸受
部とを設けるとともに、支軸が突設された部分又は軸受
部が設けられた部分の少なくともいずれか一方を弾性部
材で形成し、操作ノブをケースに押し込んで当該弾性部
材を強制的に撓ませることにより支軸と軸受部を嵌合さ
せるようになっている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前記従来の操作ノブの取付け構造では、
弾性部材を変形させるのに必要な力をそのまま操作ノブ
の押込み力として加えなければならなず、組付けが非常
に困難であった。また、部品寸法にバラツキがあって直
接手で取り付けることが困難なものは、治具を使用して
取り付けざるを得なかった。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、手で簡
単に取り付けることができる操作ノブの取付け構造を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため、本考案は、ケースに揺動可
能に軸支され、上方から押し込み操作するようにした操
作ノブの取付け構造において、 ケース又は操作ノブのいずれか一方に支軸を突設し、他
方に当該支軸が嵌合する軸受部と、該軸受部の近傍に取
付け時に支軸が当接する傾斜面とを設けて、支軸が突設
された部分又は軸受部が設けられた部分の少なくともい
ずれか一方を軸方向に弾性変形可能に形成するととも
に、ケースに操作ノブの回動範囲を規制するストッパー
を形成し、該ストッパーにケースの内側から当接する当
接部を操作ノブに形成することにより、操作ノブの取付
け時に、操作ノブの当接部をケースのストッパーにケー
スの内側から当接するとともに、支軸と傾斜面を当接し
て、支軸と傾斜面の当接点に対し操作ノブの当接部と反
対側の部分を押し込んで取り付けるようにしたものであ
る。

（作用） 前記構成によれば、操作ノブの当接部がケースのストッ
パーにケースの内側から当接し、傾斜面と支軸が当接す
るように操作ノブをケースに位置決めした後、傾斜面と
支軸の当接点に対し当接部と反対側の部分を押し込むこ
とにより、操作ノブは、当該部を中心として回動し、て
この作用により傾斜面と支軸の当接点に押込み力より大
きな押圧力が作用する。この押圧力の傾斜面に垂直方向
の分力により支軸又は軸受部のいずれか一方が軸方向に
撓んで支軸は軸受部に嵌合する。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従って説明する。

第４図は本考案を適用したスイッチを示し、スイッチ本
体１と、ケース２と、操作ノブ３と、からなっている。

スイッチ本体１は、第１図に示すように、一端に接点を
有し、中間を揺動自在に支持された可動片４を備えたも
ので、両側（第１図中、手前側と奥側）には後述するケ
ース２に取り付けるための爪部５，５が形成されてい
る。

ケース２は、前記スイッチ本体１を収容するとともに、
操作ノブ３を揺動可能に軸支するもので、第１図に示す
ように、下方に前記スイッチ本体１の爪部５，５が係止
する矩形の開口部６，６が形成されている。また、第１
図，第３図に示すように、両側上端部内面には軸受部
７，７が形成され、該軸受部７，７の上方に傾斜面８，
８が形成されている。この軸受部７，７を形成した壁面
に直角な壁面（第１図中左側の壁面）の上端には内方に
突出する第１ストッパー９が形成され、該第１ストッパ
ー９に対向する側には第２ストッパー１０が形成されて
いる。さらに、このケース２の外面には、第４図に示す
ように、当該スイッチが取り付けられるパネル１１の外
面に当接する鍔部１２，１２と、パネル１１内面に係止
する弾性片１３，１３とが形成されている。

操作ノブ３は、第１図，第３図に示すように、両側外面
に支軸１４，１４が突設され、前記ケース２の軸受部
７，７に回動可能に嵌合するようになっている。また、
この操作ノブ３の内側には、第４図に示すように、コイ
ルばね１５とボール１６が収容されるコイルばね収容部
１７が形成されるとともに、前記ケース２に形成した第
１ストッパー９に第４図中下方向から当接する第１当接
部１８と、第２ストッパー１０に同図中左方向から当接
する第２当接部１９とが形成されている。

以上の構成からなるスイッチの操作ノブ３のケース２へ
の取付けは、まず、第２図に示すように、操作ノブ３の
第１当接部１８をケース２の第１ストッパー９に同図中
下方向（すなわちケース２の内側）から当接させ、操作
ノブ３の支軸１４をケース２の傾斜面８に同図中上方向
（すなわちケース２の外側）から当接させる。

そして、操作ノブ３の支軸１４に対して第１当接部１８
とは反対側の操作ノブ３の外面を、第２図に示すよう
に、力Ｐで押し付けると、第１当接部１８と第１ストッ
パー９との当接点を支点として同図中時計回り方向に回
動しようとするため、操作ノブ３の支軸１４は、第３図
に示すように、ケース２の傾斜面８を力Ｆで押圧する。
これにより、ケース２は押圧力Ｆの傾斜面８に垂直方向
の分力を受けて、外側すなわち第３図中右方向に撓み、
支軸１４は軸受部７に嵌合する。

このときの押圧力Ｆは、てこの作用により、押付け力Ｐ
よりも大きいため、従来のように直接支軸１４の近傍を
押し付けるよりも、軽い押付け力で済むことになり、取
付けが簡単である。

次に、操作ノブ３のコイルばね収容部１７にコイルばね
１５を挿入して先端にボール１６を保持した状態で、ス
イッチ本体１をケース２に挿入してゆくと、爪部５，５
が開口部６，６に係止してスイッチ本体１はケース２に
装着されるとともに、ボール１６がスイッチ本体１の可
動片４にコイルばね１５の付勢力により圧接する。

そして、このスイッチのパネル１１への取付けは、パネ
ル１１の開口部にスイッチをスイッチ本体１側から挿入
して押し付ければよく、これにより、弾性片１３，１３
が開口部の縁に当接して内方に撓み、鍔部１２，１２が
パネル１１の縁外面に係止すると同時に、弾性片１３，
１３の先端がパネル１１の縁内面に係止して取り付けら
れる。

以上のようにして組み付けられたスイッチは、操作ノブ
３の両端を押圧することにより、支軸１４を中心に回動
可動である。そして、第４図に示すように、操作ノブ３
の右端が押圧されて操作ノブ３が時計回り方向に回動
し、第１当接部１８が第１ストッパー９に当接した状態
では、ボール１６が可動片４の支点の同図中左側に位置
して接点を閉成する。また、その状態から操作ノブ３の
左端が押圧されて操作ノブ３が反時計回り方向に回動
し、第２当接部１９が第２ストッパー１０に当接した状
態では、ボール１６が可動片４の支点の右側に位置して
接点が開成する。

なお、前記実施例ではケース２に軸受部，傾斜面８を設
け、操作ノブ３に支軸１４を設けたが、これとは逆に、
ケースに支軸を、操作ノブに軸受部，傾斜面を設けるよ
うにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、操作
ノブの当接部をケースのストッパーに当接させて、てこ
の作用により支軸を軸受部に嵌合させるため、操作ノブ
をケースに取り付ける際に加える力が小さくて済み、取
付けが極めて容易である。また、操作ノブの当接部とケ
ースのストッパーとは操作ノブのスイッチ操作時におけ
るストッパー機能も兼ねるため、構造が簡単であるとい
う効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したスイッチの分解断面図、第２
図は操作ノブを取り付ける途中の状態を示すスイッチの
分解断面図、第３図は第２図のＩ−Ｉ線断面図、第４図
は操作ノブ及びスイッチ本体の取付け状態を示すスイッ
チの断面図である。 ２……ケース、３……操作ノブ、７……軸受部、８……
傾斜面、９……第１ストッパー、１４……支軸、１８…
…第１当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケースに揺動可能に軸支され、上方から押
   し込み操作するようにした操作ノブの取付け構造におい
   て、 ケース又は操作ノブのいずれか一方に支軸を突設し、他
   方に当該支軸が嵌合する軸受部と、該軸受部の近傍に取
   付け時に支軸が当接する傾斜面とを設けて、支軸が突設
   された部分又は軸受部が設けられた部分の少なくともい
   ずれか一方を軸方向に弾性変形可能に形成するととも
   に、ケースに操作ノブの回動範囲を規制するストッパー
   を形成し、該ストッパーにケースの内側から当接する当
   接部を操作ノブに形成することにより、操作ノブの取付
   け時に、操作ノブの当接部をケースのストッパーにケー
   スの内側から当接するとともに、支軸と傾斜面を当接し
   て、支軸と傾斜面の当接点に対し操作ノブの当接部と反
   対側の部分を押し込んで取り付けるようにしたことを特
   徴とする操作ノブの取付け構造。