JPH062928B2 - 調整された機械的性質および被削性を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快削性棒鋼 - Google Patents

調整された機械的性質および被削性を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快削性棒鋼

Info

Publication number
JPH062928B2
JPH062928B2 JP62143441A JP14344187A JPH062928B2 JP H062928 B2 JPH062928 B2 JP H062928B2 JP 62143441 A JP62143441 A JP 62143441A JP 14344187 A JP14344187 A JP 14344187A JP H062928 B2 JPH062928 B2 JP H062928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
sulfur
manganese
niobium
steel bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62143441A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63441A (ja
Inventor
ピー.バーマン ステフアン
ビー.スミス リチヤード
エル.トンプソン リチヤード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UESUTAAN SUTEIIRU GURUUPU Inc ZA
Original Assignee
UESUTAAN SUTEIIRU GURUUPU Inc ZA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UESUTAAN SUTEIIRU GURUUPU Inc ZA filed Critical UESUTAAN SUTEIIRU GURUUPU Inc ZA
Publication of JPS63441A publication Critical patent/JPS63441A/ja
Publication of JPH062928B2 publication Critical patent/JPH062928B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/60Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/12Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing tungsten, tantalum, molybdenum, vanadium, or niobium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Metal Extraction Processes (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は硫黄およびリンの添加された快削性の冷間引抜
き棒鋼に関するものであり、さらに詳しくは、調整され
た化学的性質を有し、かつその降伏強さが調整された化
学組成によるのみでなく熱間圧延後の棒鋼の寸法ならび
に棒鋼の絞りに用いる圧下量によっても決定される棒鋼
に関するものである。
本発明の主な目的は、冷間引抜き快削性棒鋼において、
棒鋼の機械的性質、とくに降伏強さが、棒鋼の化学組成
と、棒鋼の寸法、断面および適用される圧下率にもとづ
いて決定されるような棒鋼を提供するにある。
本発明の他の目的は、冷間引抜き棒鋼において、化学組
成中の構成成分比を棒鋼の寸法に応じて最適にするに際
して棒鋼の降伏強さを希望する加工に適合させる手段を
提供するニオブを量を調整するのに応じて炭素量が減少
される快削性冷間引抜き棒鋼を提供するにある。
本発明の別の目的は、冷間引抜き快削性棒鋼において、
被削性を向上させるのに必要な性質が、化学組成と棒鋼
の物理的性質とによって最適にされている冷間引抜き快
削性棒鋼を提供するにある。
本発明のさらに別の目的は、鋼化学条件、製鋼条件、冷
間引抜き条件、及び切削条件の間の関係を最適にするこ
とによって提供される優れた被削性を有する硫黄および
リンの添加された快削性棒鋼を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、マンガン、硫黄およ
びニオブの量と比、および冷間引抜き時の変形量と変形
形状とが最適な被削性を与えるように調整された冷間引
抜き快削性棒鋼を提供するにある。
本発明のその他の目的は下記の明細書ならびに特許請求
の範囲により明確にされるものである。
硫黄、鉛、ビスマス、テルルおよびセレンのようなある
種の元素がスチールの被削性改善に有用があることは公
知である。被削性は複雑であり、十分に理解された性質
ではない。合金を、シングルポイントターニング、フォ
ーミング、ドリリング、リーミング、ボーリング、ジェ
ービング、およびねじ切りのような作業において、切削
工具を用いて切削する時の挙動から、合金組成の影響、
金属加工片の塑性変形および切削力学が容易に制別でき
ないことにも問題がある。また通常の非定常状態の引張
り実験から得られる試験結果と生産工程での切削から導
かれる切断力データから得られる結果との間に、材料の
挙動に対する現在の知識からではギャップがある。
化学組成を改変し、介在物の大きさ、形状、分布および
化学的組成を最適にすることにより、切粉の脆性を増大
し、且つ工具/切粉界面における潤滑性を増加して、快
削性棒鋼の被削性を改良する試みが長期間金属学者によ
って行われて来た。さらに、棒鋼内における磨耗性粒子
及びミクロ構造の生成を防止することが望まれている。
例えば、被削性改善の目的のために、硫黄およびリンの
添加された快削性棒鋼において、ビスマスとテルル(米
国特許第4,236,939号)、鉛、ビスマス、およびテルル
および/または硫黄(米国特許第4,244,737号)、テル
ルおよび硫黄(米国特許第4,279,646号)のような1個
以上の元素の量を変化することが行われている。しかし
ながら、かかる製品では、快削性棒鋼の被削性を向上さ
せるニーズを完全に満足していない。被削性向上のため
に、従来は、化学組成、冷間加工における圧下率または
寸法収縮率、棒鋼の寸法及び断面を最適にするというよ
りは、むしろ化学組成に対してとくに努力が払われて来
た。本発明は、化学成分とくにマンガン、硫黄およびニ
オブの最適比と、冷間加工量並びに棒鋼の最適寸法及び
最適断面とを組合せることにより、被削性を向上させる
ことをとくに指向したものである。従って、本発明にお
いては、棒鋼の化学組成、圧下率、寸法および断面が、
切削加工にとくに適合するように調整されたものであ
る。
本発明の硫黄およびリンの添加された快削性棒鋼は、0.
04重量%ないし、0.08重量%の炭素;0.6重量%ないし
1.4重量%のマンガン;0.002重量%ないし0.1重量%の
ケイ素;0.03重量%ないし0.09重量%のリン;0.25重量
%ないし0.50重量%の硫黄;0.01重量%ないし0.10重量
%のニオブ;0.004重量%ないし0.1重量%のバナジウ
ム;不純物であるニッケル、クロム、モリブデンおよび
銅の合計量が0.15重量%までで残部が鉄からなる化学組
成を有するものである。マンガン、硫黄およびニオブの
比は、適切な化学的特性を有する棒鋼を得、かつかかる
棒鋼の降伏強さを予測する上でとくに重要である。従っ
て、(マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比は1.
6ないし4.0であり、〔(マンガンの重量%)−1.62×
(硫黄の重量%)〕/(ニオブの重量%)の比は2ない
し51である。
棒鋼の降伏強さ、従ってその被削性は原材料、寸法およ
び圧下率によって決定される。原材料は、圧延機から得
られる製品の種類を考慮して、熱間圧延コイル、直径が
5cm(2インチ)までの熱間圧延棒、および直径が少な
くとも5cm(2インチ)の熱間圧延棒であることができ
る。特定の寸法に熱間圧延され、そして適当な長さに切
断された原材料は、ついで冷間引抜きされる。冷間引抜
きにおける圧下率または寸法収縮率も、最終製品である
棒鋼の降伏強さを決定する上において極めて重要であ
る。
0.08重量%までの炭素 棒鋼の化学組成中の各種化学元素の役割と、棒鋼の被削
性と挙動とに対するこれら元素の影響を考慮して、冷間
引抜きと切削とが行われる棒鋼の加工硬化とひずみ硬化
とを低く抑えるためには、低炭素量が必須条件である。
低炭素量は硫黄およびリンの添加された棒鋼の強度を低
くし、ニッケル、クロム、モリブデンおよび鋼のような
各元素の合計量が0.15重量%を越えないようにすること
と組合わせることにより、工具−加工片界面に生成する
切粉の延性が相対的に低く、かつ脆性が高い製品が得ら
れる。各元素が前記の特定した量より増え、炭素が前記
の特定した量より減ずると、快削性製品にとって不利と
なり、切粉の延性が上昇し、脆性が低下する。さらに炭
素量が0.08重量%を超えて増えると、磨耗性粒子が増加
し、破面応力が増加する可能性が増え、そしてとくに六
辺形の冷間引抜き棒鋼の表面硬度を上昇させる。
0.6重量%ないし1.4重量%のマンガン 特定されたマンガン量は、工具の寿命に影響を与える硫
化マンガン(MnS)を主成分とする介在物を生成するうえ
で重要である。マンガンは、冷間引抜き棒鋼の硬化性を
促進し且つ強度を高める。特定の棒鋼における実際のマ
ンガンの仕様は、熱間圧延棒鋼の径、棒鋼に要求される
機械的性質および指示された切削法に依存する。マンガ
ン含量は棒鋼の寸法が大きくなるにつれて増加し、降伏
強さの目標値の上昇につれて増加する。
0.1重量%までのケイ素 ケイ素含量が増加するに従い最終製品中の磨耗性ケイ酸
塩の量が実質的に増加するので、ケイ素量は0.1重量%
までに制限する必要がある。
0.25重量%ないし0.50重量%の硫黄 硫黄は工具寿命に影響を与える硫化マンガン(MnS)を主
成分とする介在物の生成にも必要である。この理由で硫
黄含量は少なくとも0.25重量%にする必要がある。特定
の棒鋼に対する硫黄の特別の仕様は、棒鋼と寸法とマン
ガン含量とに依存する。最低の硫黄含量は原材料として
熱間圧延コイルを用いたときに適用されるが、しかし56
kg/mm2(80ksi)までの高い降伏強さを有する径の大
きき冷間引抜き棒鋼に対しては最高の硫黄含量が必要で
ある。過剰の硫黄は熱間脆性を増し、延性を低めるの
で、本発明の製品の硫黄量の上限は0.5重量%である。
0.03重量%ないし0.09重量%のリン リンは仕上面の平滑度を向上させるために必要である。
しかしながら、リンは加工硬化を増加し、切削時に生ず
る切粉の硬度を高める。従って、強度の高い冷間引抜き
棒鋼においては、高速切削作業用においてこの種の棒鋼
に習慣的に添加されているリン量(通常0.09重量%ま
で)よりも減少させる必要がある。
0.01重量%ないし0.10重量%のニオブ 本発明の棒鋼においては、強度を高め、棒鋼の半径方向
にわたって機械的性質を調整し、かつ切粉のじん性を低
めるためにニオブは必須の要素である。ニオブの仕様
は、降伏強さと棒鋼の寸法とにより異なる。ニオブは、
大きい径の冷間引抜き棒鋼の芯の硬化性を促進し、加工
硬化性を増大する。ニオブ含有棒鋼は、表面強化を最低
にし、芯を実質的に強化するために小さい圧下率で冷間
引抜きを行なうことができる。しかし、含量が特定され
た量より高くなると、ニオブの効果は強度を過剰に増大
させるので工具の寿命を減ずる。
0.1重量%までのバナジウム バナジウムは棒鋼、とくに大きい径の冷間引抜き棒鋼の
表面から芯を通しての降伏強さ、引張り強さおよび伸び
などの機械的性質を向上させる。バナジウム含量が仕様
量を超えると棒鋼の被削特性が低下する。
0.15重量%までの各元素 ニッケル、クロム、モリブデンおよび銅等の不純物は、
これらが強度や延性を上昇させ、磨耗性粒子の生成を促
進し、これら全てが棒鋼の被削特性を劣化させるので、
一般的に前記元素は被削性に対し有害である。従って、
これらの不純物は、規定された範囲内に保つ必要があ
る。
(マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比 1.6な
いし4.0にする必要があり、この比が固溶体中のマンガ
ン量とFeS介在物量とを規定する。
マンガン、硫黄およびニオブ間の関係を、 〔(マンガンの重量%)−1.62× (硫黄の重量%)〕/(ニオブの重量%) として規定したが、それは製品を強化する際のマンガン
とニオブとの相対寄与を規定するためである。マンガン
はオーステナイト分解の熱力学的変化(changing kineti
cs of austenite decomposition)を介して強度に影響を
及ぼし、ニオブは粉径を減じて析出硬化を促進する。熱
間圧延製品の寸法、冷間引抜き製品に絞る際の圧下量、
および棒鋼の最終用途における所要引張強さに応じて、
前記の比の仕様が変化する。
記載した元素に加えて、下記の元素を1種以上添加する
ことにより被削性が改善される。
0.03重量%ないし0.35重量%の鉛; 0.005重量%ないし0.05重量%のジルコニウム; 0.05重量%ないし0.25重量%のビスマス; 0.03重量%ないし0.15重量の鉛と、0.05重量%ないし0.
15重量%のビスマス; 0.006重量%ないし0.012%の窒素; 0.05重量%ないし0.25重量%のビスマスと、 0.005重量%ないし0.05重量%のテルル。
ジルコニウムは球状MnS介在物生成を促進することによ
り被削性を最高にするが、窒素はド リング作業を容易
にする切粉の脆性を促進する。
以下の表は、マンガン、硫黄およびニオブの量と熱間圧
延原材料、すなわち熱間圧延コイル、径は5cm(2イン
チ)までの熱間圧延棒鋼、または径が少なくとも5cm
(2インチ)の熱間圧延棒鋼との関係を説明するもので
ある。表には、元素の特定の組合わせによって得られる
特定の製品に対する降伏強さを表わしている。42kg/mm
2(60ksi)ないし56kg/mm2(80ksi)の範囲の降伏
強さを有する冷間引抜き棒鋼に加工されようとしてい
る、熱間圧延コイルに適用できるように、第1表には、
降伏強さと、マンガン、ニオブ、硫黄の各重量%、なら
びにこれら3元素の比についての関係が示してある。第
2表は、5cm(2インチ)までの熱間圧延棒鋼に対する
マンガン、硫黄、ニオブの仕様に関し、且つ冷間引抜き
における棒鋼断面収縮率の降伏強さに及ぼす影響を示し
ている。第3表は径が少なくとも5cm(2インチ)の熱
間圧延棒鋼に対しての、第2表と同類の内容を表わした
ものである。なお、第1表ないし第3表において、各鋼
は共通して、炭素を最大0.08重量%、リンを0.03重量
%、ケイ素を0.003重量%およびバナジウムを0.004重量
%含有する。
本発明に従ってつくられた製品の特定の例を以下に掲げ
る。
第4表はニオブ含有再浸硫および再浸燐鋼の9種類の組
成を示すものであり、表5は所定の大きさ、形状に冷間
引抜きした後の鋼の機械的性質を示すものである。また
表5には12L14と称される鋼も含めてあるが、これ
は本発明において特定された前述の含有量のニオブや炭
素を有しない鋼であり、炭素:0.10%、マンガン:0.95
%、イオウ:0.32%、リン:0.08%、ケイ素:0.003%
および鉛:0.17%という組成を有する。表5には、所定
の大きさや形状を有する12L14鋼の機械的性質を示
してある。
表5からわかるように、本発明の調製された化学的性質
を有する棒鋼は、伸びおよび絞りとして測定される延性
に実質的に変化を及ぼすことなく、高い降伏強さや引張
り強さを示している。このように本発明に従って作成さ
れた棒鋼の機械的性質は、ニオブを有せず、高含有量の
炭素、そして前述の圧下率を利用していない通常の棒鋼
よりも実質的に向上している。
表4および5に示した鋼に加え、本発明のパラメターの
範囲内にある鋼の向上した工具寿命を示すために、表6
にさらに2種類の鋼を10および11として示した。こ
れは以下の組成を有していた。鋼10−炭素:0.09%、
マンガン:0.96%、リン:0.08%、ケイ素0.003%、バ
ナジウム0.004%、イオウ:0.31%およびニオブ0.005
%、鋼11−炭素:0.08%、マンガン:0.92%、リン:
0.06%、イオウ:0.34およいニオブ0.12%。鋼10は本
発明におけるニオブノ下限含有量0.01%より少ない量の
ニオブを含有しており、一方、鋼11は本発明のニオブ
の上限含有量0.1%を上回る量のニオブを含有してい
た。
通常のねじ切り装置に使用される棒鋼の被削性を、棒鋼
に機械的操作を実施してその工具寿命を尺度として測定
した。工具寿命は満足な部品が製造されるのに費された
経過時間として規定した。向上した工具寿命は、経過時
間を最大にし、これは単位当りのコストを減少させるこ
とになる。約2倍の工具寿命を有する鋼はユーザーの最
終製品コストを著しく減少させる。
表6は鋼9、10および11の被削性を比較したもので
ある。3種類の16mm(5/8インチ)六辺形鋼をラジエ
ター取付け部品の製造のため使用した。鋼9および10
の仕上げ操作での工具寿命には実質的に違いはない。こ
れは、仕上げ操作において工作物の外径に実質的な変化
がないからである。荒加工においては、加工物の外径に
大きな変化があり、表6に鋼9を使用した場合における
工具寿命の増加を、鋼10と比較して示す。鋼11が示
す結果は、本発明に規定した0.1%以上のニオブを有す
る鋼は、快削鋼としては不十分であることを示してい
る。
12mm丸型鋼9、10および11の各々9080kg(20,000
ポンド)をディーゼルポンプノズルの製造に使用した。
表6は荒加工、仕上げまたは切断において、鋼9及び1
0の工具寿命には実質的な違いがないことを示すが、ド
リル操作においては約100%の工具寿命の差があるこ
とを示している。また、表6はニオブを0.12%含有する
鋼11は、鋼9に劣ることを示している。
快削性棒鋼における降伏強さと引張り強さの増加は、伸
びと絞りで測定される延性の減少を伴う。初期の削り操
作が行なわれる。例えば成形操作での表面仕上げ性を向
上させるためには、最適な降伏強さおよび引張り強さが
必要である。ドリル操作は、伸びおよび絞りの増加とし
て測定される延性の増加によって向上する。
表5に示した鋼12L14は、従来の快削性棒鋼として
典型的な機械的性質を示す。鋼12L14の降伏強さお
よび引張り強さは、高冷間引抜きにより増加させること
ができるが、これは伸びおよび絞りの減少として測定さ
れる延性の実質的減少を伴う。調製された量のニオブ、
少ない量の炭素および増加した圧下を有する本発明の鋼
は、伸びおよび絞りで示される延性の実質的な減少を伴
わずに、降伏強さおよび引張り強さを著しく増加させ
る。延性の減少を伴わずに、増加した降伏強さおよび引
張り強さを有する棒鋼は被削性を著しく向上させ、その
棒鋼はドリルにおいて要求される延性と、成形操作にお
いて要求される増加した降伏強さと引張り強さの両方を
有している。
実施例18 炭素 0.042重量% マンガン 0.85重量% ケイ素 0.003重量% リン 0.053重量% 硫黄 0.29重量% ニオブ 0.03重量% バナジウム 0.004重量% 鉛 0.311重量% を含む熱間圧延コイル鋼。ニッケル、クロム、モリブデ
ンおよび銅の合計量は0.15重量%までで、残余は鉄であ
る。
〔(マンガン重量%)−1.62×(硫黄重量%)〕/(ニ
オブ重量%)の比は12.7であり、(マンガン重量%)/
(硫黄重量%)の比は2.9である。硫黄の重量%はさら
に、希望する降伏強さ(ksi)に(0.0042〜0.0054)を
掛けて決定される。
実施例19 炭素 0.05重量% マンガン 0.83重量% ケイ素 0.003重量% リン 0.05重量% 硫黄 0.30重量% ニオブ 0.035重量% バナジウム 0.003重量% ビスマス 0.12重量% を含む熱間圧延コイル鋼。ニッケル、クロム、モリブデ
ンおよび銅の合計量は0.15重量%までで、残余は鉄であ
る。
〔(マンガン重量%)−1.62×(硫黄重量%)〕/(ニ
オブ重量%)の比は9.83であり、(マンガン重量%)/
(硫黄重量%)の比は2.8である。硫黄の重量%はさら
に、希望する降伏強さ(ksi)に(0.0042〜0.0054)を
掛けて決定される。
実施例20 炭素 0.04重量% マンガン 0.83重量% ケイ素 0.008重量% リン 0.048重量% 硫黄 0.35重量% ニオブ 0.04重量% バナジウム 0.04重量% 鉛 0.1115重量% ビスマス 0.10重量% を含む熱間圧延コイル鋼。ニッケル、クロム、モリブデ
ンおよび銅の合計量は0.15重量%までで、残余は鉄であ
る。
〔(マンガン重量%)−1.62×(硫黄重量%)〕/(ニ
オブ重量%)の比は6.4であり、(マンガン重量%)/
(硫黄重量%)の比は2.4である。硫黄の重量%はさら
に、希望する降伏強さ(ksi)に(0.0042〜0.0054)を
掛けて決定される。
本発明の重要な特徴は、各種の機械加工指定、種々の機
械加工性能、各種の機械加工適合性を有する棒鋼が、本
発明によってここに開示された機械的ならびに化学的性
質の組合せの範囲から選択できることである。冷間引抜
きにおける収縮率もまた降伏強さに実質的に影響を及ぼ
す。降伏強さは、冷間引抜きにおける収縮率、棒鋼をつ
くるのに用いられる熱間圧延材料の種類、ならびにマン
ガン、ニオブ、硫黄の含有率と直接に関係する。
本発明の好ましい実施態様を記載したが、これらに対し
多くの改良、改変、代替がなされ得ることを十分に理解
されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチヤード ビー.スミス アメリカ合衆国.44035 オハイオ,エリ リア,ワシントン アヴエニユー 334 (72)発明者 リチヤード エル.トンプソン アメリカ合衆国.44001 オハイオ,アム ハースト,オークハースト ストリート 709 (56)参考文献 特開 昭62−270752(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素(C)が0.04重量%ないし0.0
    8重量%、 マンガン(Mn)が0.6重量%ないし1.4重量%、 ケイ素(Si)が0.002重量%ないし0.1重量
    %、 リン(P)が0.03重量%ないし0.09重量%、 硫黄(S)が0.25重量%ないし0.50重量%、 ニオブ(Nb)が0.01重量%ないし0.10重量
    %、 バナジウム(V)が0.004重量%ないし0.1重量
    %、 不純物であるニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリ
    ブデン(Mo)および銅(Cu)の合計が0.15重量
    %まで、 残余が鉄(Fe)であり、 (マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比が1.6
    ないし4.0であって、かつ [(マンガンの重量%)−1.62×(硫黄の重量
    %)]/(ニオブの重量%)の比が2ないし51である 組成を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快
    削性棒鋼。
  2. 【請求項2】炭素(C)が0.04重量%ないし0.0
    8重量%、 マンガン(Mn)が0.6重量%ないし1.4重量%、 ケイ素(Si)が0.002重量%ないし0.1重量
    %、 リン(P)が0.03重量%ないし0.09重量%、 硫黄(S)が0.25重量%ないし0.50重量%、 ニオブ(Nb)が0.01重量%ないし0.10重量
    %、 バナジウム(V)が0.004重量%ないし0.1重量
    %、 鉛が0.03重量%ないし0.35重量%、 不純物であるニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリ
    ブデン(Mo)および銅(Cu)の合計が0.15重量
    %まで、 残余が鉄(Fe)であり、 (マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比が1.6
    ないし4.0であって、かつ [(マンガンの重量%)−1.62×(硫黄の重量
    %)]/(ニオブの重量%)の比が2ないし51である 組成を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快
    削性棒鋼。
  3. 【請求項3】ニオブ(Nb)が0.01重量%ないし
    0.06重量%である特許請求の範囲第1項記載の冷間
    引抜き棒鋼。
  4. 【請求項4】ニオブ(Nb)が0.06重量%を超えて
    0.1重量%までである特許請求の範囲第1項記載の冷
    間引抜き棒鋼。
  5. 【請求項5】炭素(C)が0.04重量%ないし0.0
    6重量%、 マンガン(Mn)が0.6重量%ないし1.15重量
    %、 ケイ素(Si)が0.002重量%ないし0.1重量
    %、 リン(P)が0.03重量%ないし0.06重量%、 硫黄(S)が0.25重量%ないし0.40重量%、 ニオブ(Nb)が0.01重量%ないし0.07重量
    %、 バナジウム(V)が0.004重量%ないし0.1重量
    %、 不純物であるニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリ
    ブデン(Mo)および銅(Cu)の合計が0.15重量
    %まで、 残余が鉄(Fe)であり、 (マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比が2.0
    ないし3.5であり、 [(マンガンの重量%)−1.62×(硫黄の重量
    %)]/(ニオブの重量%)の比が2ないし51であっ
    て、かつ (硫黄の重量%)=(0.0042〜0.0054)×(希望する降
    伏強さ(ksi)) である組成を有する熱間圧延コイル鋼から成形される特
    許請求の範囲第1項記載の冷間引抜き棒鋼。
  6. 【請求項6】冷間引抜きの断面収縮率が熱間圧延棒の1
    5%ないし30%である特許請求の範囲第1項記載の冷
    間引抜き棒鋼。
  7. 【請求項7】断面が5cm(2インチ)までの熱間圧延
    棒によってつくられていて、かつ 炭素(C)が0.04重量%ないし0.08重量%、 マンガン(Mn)が0.7重量%ないし1.30重量
    %、 ケイ素(Si)が0.002重量%ないし0.1重量
    %、 リン(P)が0.03重量%ないし0.09重量%、 硫黄(S)が0.28重量%ないし0.50重量%、 ニオブ(Nb)が0.02重量%ないし0.08重量
    %、 バナジウム(V)が0.004重量%ないし0.1重量
    %、 不純物であるニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリ
    ブデン(Mo)および銅(Cu)の合計が0.15重量
    %まで、 残余が鉄(Fe)であり、 (マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比が2.0
    ないし3.2であり、 [(マンガンの重量%)−1.62×(硫黄の重量
    %)]/(ニオブの重量%)の比が4ないし51であ
    り、かつ (硫黄の重量%)=(0.0045〜0.0058)×(希望する降
    伏強さ(ksi)) である組成を有する特許請求の範囲第1項記載の冷間引
    抜き棒鋼。
  8. 【請求項8】断面が少なくとも5cm(2インチ)の熱
    間圧延棒からつくられ、かつ 炭素(C)が0.04重量%ないし0.08重量%、 マンガン(Mn)が0.8重量%ないし1.4重量%、 ケイ素(Si)が0.002重量%ないし0.1重量
    %、 リン(P)が0.03重量%ないし0.09重量%、 硫黄(S)が0.30重量%ないし0.50重量%、 ニオブ(Nb)が0.02重量%ないし0.10重量
    %、 バナジウム(V)が0.004重量%ないし0.1重量
    %、 不純物であるニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリ
    ブデン(Mo)および銅(Cu)の合計が0.15重量
    %まで、 残余が鉄(Fe)であつて、 (マンガンの重量%)/(硫黄の重量%)の比が2.0
    ないし3.5であり、 [(マンガンの重量%)−1.62×(硫黄の重量
    %)]/(ニオブの重量%)の比が5ないし25であ
    り、かつ (硫黄の重量%)=(0.0045〜0.0063)×(希望する
    降伏強さ(ksi)) である組成を有する特許請求の範囲第1項記載の冷間引
    抜き棒鋼。
JP62143441A 1986-06-10 1987-06-10 調整された機械的性質および被削性を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快削性棒鋼 Expired - Lifetime JPH062928B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US87254486A 1986-06-10 1986-06-10
US872544 1986-06-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63441A JPS63441A (ja) 1988-01-05
JPH062928B2 true JPH062928B2 (ja) 1994-01-12

Family

ID=25359800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62143441A Expired - Lifetime JPH062928B2 (ja) 1986-06-10 1987-06-10 調整された機械的性質および被削性を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快削性棒鋼

Country Status (9)

Country Link
JP (1) JPH062928B2 (ja)
KR (1) KR880000615A (ja)
BR (1) BR8702911A (ja)
CA (1) CA1301489C (ja)
DE (1) DE3718772C2 (ja)
FR (1) FR2601697B1 (ja)
GB (1) GB2191506B (ja)
IT (1) IT1206025B (ja)
MX (1) MX168196B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6395109B1 (en) 2000-02-15 2002-05-28 Cargill, Incorporated Bar product, cylinder rods, hydraulic cylinders, and method for manufacturing
JP3929029B2 (ja) 2002-03-12 2007-06-13 三菱製鋼株式会社 含硫黄快削鋼
EP1580287B1 (en) 2002-11-15 2008-01-16 Nippon Steel Corporation Steel excellent in machinability and method for production thereof

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3424576A (en) * 1968-04-23 1969-01-28 Lukens Steel Co Free machining steels
US3634073A (en) * 1969-07-09 1972-01-11 United States Steel Corp Free-machining steel, articles thereof and method of making
ZA75241B (en) * 1974-08-14 1976-01-28 Inland Steel Co Leaded steel bar
JPS55138064A (en) * 1979-04-10 1980-10-28 Daido Steel Co Ltd Free-cutting steel having excellent rolling fatigue strength
DE3009491A1 (de) * 1979-03-14 1980-09-25 Daido Steel Co Ltd Stahl fuer das kaltschmieden und verfahren zu seiner herstellung
FR2456785A1 (fr) * 1979-05-17 1980-12-12 Daido Steel Co Ltd Acier de decolletage contenant des inclusions determinees et un procede de sa preparation
ATE10652T1 (de) * 1979-06-08 1984-12-15 Henrik Giflo Gegen dynamische beanspruchungen widerstandsfaehiger hochfester automatenstahl.
JPS62270752A (ja) * 1986-05-19 1987-11-25 Daido Steel Co Ltd 窒化処理性に優れた快削鋼

Also Published As

Publication number Publication date
CA1301489C (en) 1992-05-26
FR2601697A1 (fr) 1988-01-22
FR2601697B1 (fr) 1989-08-11
KR880000615A (ko) 1988-03-28
GB8713199D0 (en) 1987-07-08
BR8702911A (pt) 1988-03-08
DE3718772A1 (de) 1987-12-17
JPS63441A (ja) 1988-01-05
IT8748036A0 (it) 1987-06-09
IT1206025B (it) 1989-04-05
GB2191506A (en) 1987-12-16
DE3718772C2 (de) 1994-02-17
MX168196B (es) 1993-05-11
GB2191506B (en) 1990-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5801529B2 (ja) 曲げ疲労強度が高く、繰り返し応力による変形量の小さい熱間鍛造用非調質鋼およびその部品の製造方法
JPH1096048A (ja) プラスチック用金型の製造で用いられる溶接修復可能な鋼
JP4797673B2 (ja) 非調質部品の熱間鍛造方法
JP3141735B2 (ja) プラスチック成形金型用鋼
WO2004059023A1 (ja) 変寸抑制特性に優れた冷間ダイス鋼
JP5474615B2 (ja) 鍛造性に優れるマルテンサイト系ステンレス快削鋼棒線
JP2005336553A (ja) 熱間工具鋼
JPH062928B2 (ja) 調整された機械的性質および被削性を有する硫黄およびリンの添加された冷間引抜き快削性棒鋼
US4880479A (en) Cold drawn free-machining resulfurized and rephosphorized steel bars having controlled mechanical properties and controlled machinability
JP3297500B2 (ja) 被削性の優れた高強度棒鋼
JP6687047B2 (ja) 熱間圧延鋼材
JPH04154936A (ja) 析出硬化型窒化用鋼
JPH04116139A (ja) 被削性に優れたプラスチック成形用金型鋼
JP4949100B2 (ja) 冷間鍛造性と被削性に優れたオーステナイト系ステンレス快削鋼
JP2002088450A (ja) 熱間工具鋼
WO1987004731A1 (en) Corrosion resistant stainless steel alloys having intermediate strength and good machinability
JPH07150244A (ja) 冷間加工用フェライトステンレス鋼の製造方法
JP2003034842A (ja) 切屑処理性に優れた冷間鍛造用鋼
JPH0353383B2 (ja)
JP2002088443A (ja) 塑性加工用熱間工具鋼
JP2001115234A (ja) プリハードン熱間工具鋼
JP2560760B2 (ja) 高速度工具鋼
JPS63219527A (ja) 冷間加工性にすぐれたフエライトステンレス鋼の製造方法
JP3361473B2 (ja) 高耐摩耗低合金高速度工具鋼
JPH08199287A (ja) 耐折損性に優れた強靭耐摩耗鋼