JPH06287007A - 部分結晶化複合粉末及びその製造方法 - Google Patents

部分結晶化複合粉末及びその製造方法

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JPH06287007A
JPH06287007A JP7375293A JP7375293A JPH06287007A JP H06287007 A JPH06287007 A JP H06287007A JP 7375293 A JP7375293 A JP 7375293A JP 7375293 A JP7375293 A JP 7375293A JP H06287007 A JPH06287007 A JP H06287007A
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JP
Japan
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powder
partially crystallized
sintering
silicon
composite powder
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Application number
JP7375293A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Yamazaki
修良 山崎
Emiko Yokose
恵美子 横瀬
Hiromasa Isaki
寛正 伊崎
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は破壊靱性値や強度、あるいは耐衝撃
性に優れた焼結体を提供することができる部分結晶化複
合粉末を提供するものである。 【構成】 実質的にケイ素、炭素、窒素および酸素から
なる非晶微粉末を含む結晶質の窒化ケイ素および/また
は炭化ケイ素からなる粉末であって、比表面積が10〜
25m2/gで、400kg/cm2の一軸加圧によりえられる成
形体密度が1.3g/cm3 以上である部分結晶化複合粉
末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ケイ素と炭化ケイ
素の長所を取り入れた複合セラミックスを製造するのに
好適な微粉末ならびにその製造法に関する。本発明の部
分結晶化複合粉末は、ガスタービン、ディーゼルエンジ
ン、熱交換器、切削チップ、耐摩耗材、しゅう動部材等
の様々な部材を提供するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、窒化ケイ素や炭化ケイ素等の非酸
化物系セラミックスはアルミナを中心とする酸化物系セ
ラミックスに比べて高温強度や耐熱衝撃性などの高温特
性や耐摩耗性・耐食性に優れているため、その製造方法
や応用に関する研究が盛んに行われており、高温で作動
させるガスタービン、ディーゼルエンジン、熱交換器等
の耐熱構造材料あるいは切削工具、しゅう動部材などの
耐摩耗材料等にその用途が拓けつつある。高温材料とし
ての炭化ケイ素は高温での耐酸化性や強度特性及び熱伝
導度が優れている。また窒化ケイ素は耐熱衝撃性、熱膨
張係数、破壊靭性等が優れている。そのために両者の長
所を取り入れた新規材料としての複合セラミックスの開
発が最近進められている。
【0003】このような窒化ケイ素、炭化ケイ素を使用
した部材は滝に渡りつつあり、それらを精度よくしかも
安価に作製するために常圧焼結やガス圧焼結に適した材
料が要望されている。
【0004】一般に、非晶質粉末に比べて結晶化した粉
末は嵩密度、成形密度とも高いため、焼結の際の収縮率
が小さく寸法制御が容易である。このため、結晶質の窒
化ケイ素粉末や炭化ケイ素粉末を得る方法は既に数多く
知られている。なかでも窒化ケイ素については非晶質を
経由して結晶質粉末を得る方法として、例えば、特開平
4-209706号公報においては非晶質窒化ケイ素粉末及び/
または含窒素シラン化合物を1200〜1400℃における昇温
速度を10℃/min以下のもとで熱処理を行い、結晶化率10
0%の窒化ケイ素粉末をその形状、大きさを制御して製造
する方法が提案されており、また、米国特許第 4,145,2
24号ではTi化合物を非晶質の窒化ケイ素に添加し、結晶
化速度を速める方法が提案されている。
【0005】一方、窒化ケイ素と炭化ケイ素との複合粉
末について、本発明者らは、特開昭63-159204 号公報等
で示される方法によりケイ素、炭素、窒素、酸素からな
る非晶質複合粉末が製造できることを示した。さらに、
特開昭60-200813 号公報、特開昭60-235707 号公報等で
100%結晶化した窒化ケイ素と炭化ケイ素との複合粉末の
製造方法を提案した。しかしこれらには、非晶質複合粉
末を部分的に結晶化した粉末及びその製造方法について
は何ら記載されておらず、また部分結晶化した複合粉末
を用いた焼結体に関しても何ら言及さていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが先に示し
たケイ素、炭素、窒素、酸素からなる非晶質複合粉末か
ら得られた複合焼結体は、室温/高温強度、破壊靭性及
び断熱性等の機械的特性に優れている(例えば、特開昭
63-159256 号公報、特開平2-160669号公報)。この方法
によれば、用いる原料粉末の焼結性に優れているため、
常圧焼結やガス圧焼結が容易である。
【0007】しかし、この非晶質粉末は結晶質粉末に比
べて嵩密度や成形密度が低いため、特に大型焼結体を得
ようとする場合には、焼結時の結晶化に伴う収縮により
焼結体に割れが生成したり、収縮率が大きく寸法制御に
難があるなどの問題点があることが判明した。
【0008】一方、本発明者らが先に示した100%結晶化
した窒化ケイ素と炭化ケイ素との複合粉末の場合は、ホ
ットプレス、HIP焼結により得られた焼結体の高温強
度等の機械的特性は、非晶質粉末を原料とした場合より
劣り、更に常圧焼結やガス圧焼結では緻密化が困難であ
るという問題点を有していた。
【0009】本発明の目的は、特に常圧焼結やガス圧焼
結によって部材を製造するに際し、成形性、焼結性に優
れた窒化ケイ素と炭化ケイ素との複合微粉末を提供する
ことである。さらにまた本発明の目的は従来の焼結方法
によって、寸法安定性や均一性に優れ、しかも優れた機
械的特性を有する複合焼結体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の非
晶質複合粉末や100%結晶化した窒化ケイ素と炭化ケイ素
との複合粉末に認められる問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、実質的にケイ素、炭素、窒素、酸素からなる
非晶質微粉末を含む、結晶質の窒化ケイ素および/また
は炭化ケイ素からなる粉末であって、比表面積が10〜25
m2/g、 400kg/cm2の一軸加圧により得られる成型体密
度が1.3g/cm3以上である部分結晶化複合粉末が、上記目
的を達成することができることがわかった。
【0011】また、本発明の部分結晶化複合粉末は、実
質的にケイ素、炭素、窒素、水素からなる原料非晶質複
合粉末を、線速度が0.05〜30cm/secの非酸化性ガス気流
中において、1300℃以上における昇温速度を5 ℃/min以
下とし、1400℃〜1600℃で少なくとも0.5時間保持した
後焼成することにより得ることができる。
【0012】さらに部分結晶化複合粉末を原料とし、こ
れに焼結助剤を混合、乾燥し、成形後、焼結過程におい
て 1400 ℃〜1600℃で 0.5〜24時間保持し、ついで 160
0 ℃〜2300℃で液相焼結することにより、上記の問題点
を解決した焼結体を得ることができる。
【0013】本発明で得られる部分結晶化複合粉末は、
特に常圧焼結やガス圧焼結によって部材を製造するに際
し成形性、焼結性に優れているものである。
【0014】本発明の部分結晶化複合粉末について以下
に説明する。本発明における部分結晶化複合粉末とは、
非晶質微粒子、非晶質と結晶質とが混在した微粒子およ
び結晶質微粒子との混合集合物である。
【0015】このような本発明における部分結晶化複合
粉末における結晶相は、主としてα-Si3N4相、β-Si3N4
相、β-SiC相からなっており、その生成比は粉末の焼成
条件により異なる。これらはX線回折法によって生成相
を同定することが可能である。
【0016】本発明において部分結晶化複合粉末の結晶
質の量はBET 法による比表面積を指標として規定した。
本発明の部分結晶化複合粉末の比表面積は10〜25m2/gで
ある。なお非晶質複合微粉末の比表面積は28m2/g以上で
あり、微粒子結晶質複合粉末の比表面積は 9m2/g以下で
ある。本発明における比表面積10〜25m2/gは、結晶質の
量が全体の凡そ10〜80%に相当する値である。 比表面
積がこの範囲にある部分結晶化複合粉末は焼結時に割れ
が発生したりせず、緻密化が容易であり均一な焼結体を
得ることができる。一方、粉末の真密度によっても結晶
質の量を表す指標とすることができ、本発明の部分結晶
化複合粉末の真密度は 2.4〜3.1g/cm3である。
【0017】本発明で得られる部分結晶化複合粉末は大
部分が微細な粉末で構成されており、その平均粒径は0.
3 〜1μm であるが、焼成条件により数μmの大きさの
粒子が存在する場合もある。
【0018】ところで、粉末の成形性の尺度として、嵩
密度、タップ密度、圧粉体密度等があり、一般にこれら
の値が高いほど成形性は向上する。本発明では、金型に
粉末を充填してピストンで加圧する一軸加圧成形により
400kg/cm2荷重を掛けたときの圧粉体密度を測定し、こ
れを成形性の指標とした。上記の条件で測定した本発明
の目的を達成するのに好適な部分結晶化複合粉末の圧粉
体密度は、1.3g/cm3以上である。圧粉体密度が1.3g/cm3
以上である場合には、常圧焼結やガス圧焼結において緻
密化が容易であり、さらに寸法安定性が大幅に改善され
る。さらにホットプレス、HIP焼結により大口径の焼
結体を製造した場合、不均一性も改善される。
【0019】次に本発明の部分結晶化複合粉末を得る方
法を詳述する。本発明の部分結晶化複合粉末を得るため
の原料粉末は、例えば、特開昭59−77790号公
報、特開昭60−200813号公報、特開昭60−2
35707号公報等に示されるような有機ケイ素化合物
を気相反応させることにより得ることができる。
【0020】これらの有機ケイ素化合物の少なくとも一
種を不活性ガス雰囲気下で、600℃〜1600℃、好ましく
は800℃〜1400℃、特に好ましくは900℃〜1200℃の温度
範囲で気相熱分解させることにより本発明の部分結晶化
複合粉末を得る原料粉末を製造することができる。上記
の熱分解温度において、その温度が600 ℃よりも低い場
合は熱分解が十分に進行しないため好ましくなく、1600
℃よりも高い場合には、金属ケイ素または炭素の析出が
著しいため好ましくない。この際、雰囲気ガスの種類は
生成する複合粉末の組成との関係で重要である。
【0021】有機ケイ素化合物中のSi、 C 、 N の原子比
が求める非晶質粉末の組成と同様な場合には雰囲気ガス
として窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを選択
するのが好ましく、また有機ケイ素化合物中のSi、 C 、
N の原子比が求める非晶質粉末の組成と大きく異なる場
合には、その組成に応じて雰囲気ガス中にアンモニアや
水素ガスを存在させることが好ましい。このようにして
得られる実質的にケイ素、炭素、窒素、水素からなる非
晶質微粉末が本発明の原料粉末として好適なものであ
る。
【0022】本発明においては上記原料粉末を、線速度
0.05〜30cm/sec、好ましくは0.05〜5cm/sec の非酸化性
ガス気流中で焼成を行なう。原料粉末には、CH4 、H2
N2、HCN あるいは炭化水素類が含まれており、それらが
結晶化にともない放出される。このような焼成に伴って
放出されるガスは結晶化を促進し、結晶化率、粒子形状
の制御を困難にするため、速やかに系外に排出されるこ
とが必要である。従って、非酸化性ガスを雰囲気ガスと
して用いる場合、少なくとも0.05cm/sec以上の線速を持
つ気流下で焼成を行なう必要がある。
【0023】雰囲気ガスの流速を0.05cm/secよりも遅い
条件下で焼成を行うと、比表面積の値は良好であるが粉
末内に針状結晶や柱状結晶が生成し圧粉体密度が低くな
るため、本発明の目的には適さない。また、この雰囲気
ガスの線速が30cm/sec以上の場合は、ガスの消費量が大
きく不経済であったり原料粉末が飛散するため好ましく
ない。
【0024】さらに、本発明の部分結晶化複合粉末を得
るには、規定の温度条件下で一定時間保持することが重
要である。この保持時間は少なくとも0.5 時間以上、好
ましくは0.5 〜24時間で完了するような条件が選択さ
れ、そのためには保持温度を1400℃〜1600℃、好ましく
は1450℃〜1580℃の温度で実施するのが好適である。
【0025】上記の保持時間が0.5 時間より短いと、原
料粉末全体が目標温度に到達せず結晶化率にばらつきが
生じるため好ましくない。また保持温度が1400℃より低
いときは原料粉末の結晶化速度が遅いため好ましくな
く、1600℃より高いときは結晶化が急速に進行してしま
うばかりでなく、粗大粒子が多量に生じ圧粉体密度が低
下するため好ましくない。
【0026】本発明において、1300℃以上の昇温速度は
5 ℃/min以下好ましくは3 ℃/min以下にすることが必要
である。昇温速度が5 ℃/minを越えると結晶化に伴う急
激な発熱により結晶化が急速に進行して、目的とする比
表面積を有するものに制御することが困難となるのみな
らず、粗大粒子や針状結晶が生成するために成形体の密
度が低下するなど、目的とした部分結晶化複合粉末を得
ることが困難になる。また、1300℃以下の温度での昇温
速度は特に制限されないが、この温度以下で発生するガ
ス成分を充分に排出させるためにはあまり急激な昇温は
好ましくない。従って本発明においては、1300℃以下の
温度の昇温速度は20℃/min以下とすることが好ましい。
【0027】次に本発明の部分結晶化複合粉末からの焼
結体の製造方法につき詳述する。本発明において、焼結
体は上記のごとき部分結晶化複合粉末に焼結助剤を混合
し、成形後焼結炉にて所定の条件下で焼結することによ
り得られる。
【0028】本発明に使用される焼結助剤は、従来から
窒化ケイ素、炭化ケイ素に用いられているいずれのもの
も使用することができる。例えば、B 、C 、Al2O3 、Y2
O3、AlN 、SiO2、MgO 、ZrO2、Cr2O3 、Sc2O3 、HfO2
その他のランタン系酸化物等が挙げられる。これらのう
ち、Al2O3 、Y2O3、AlN 、SiO2、MgO 、ZrO2、Cr2O3、S
c2O3 、HfO2、あるいはこれら化合物の固溶体などは焼
結体の特性向上に好適である。これらは単体のみならず
炭酸塩、硝酸塩、あるいはアルコキシドや非晶質の状態
でも添加することができる。
【0029】このような焼結助剤の少なくとも一種を部
分結晶化複合粉末と共に混合するがその使用量は通常
0.1〜20重量%の範囲である。混合の方法は、従来から
用いられている乾式あるいは湿式混合法のいずれの方法
でも構わない。
【0030】この混合粉末は、必要に応じて鋳込み成
形、金型成形、あるいは射出成形等の方法によって成形
され、次の工程である焼結工程に供される。この焼結工
程での焼結方法は、通常の常圧焼結、ガス圧焼結、ホッ
トプレスあるいはHIP等の従来から実施されている手
法がそのまま適用できる。この焼結の際には十分に液相
を生成させることが必要であり、液相を生成する温度以
上で暫く保持して液相が粒子間に充分行き渡るようにし
てから、本来の焼結工程に入ることが重要であり、これ
により均一な焼結体を得ることができる。また、この保
持を行うことにより粒子内および粒界に存在する炭化ケ
イ素の量を制御することもできる。
【0031】具体的には、焼結工程において1400℃〜16
00℃で、0.5 〜24時間の保持する。この温度および保持
時間は、焼結に供される粉末の量や粉末中の炭素含有
量、焼結助剤の量、種類あるいは使用する焼結炉等によ
って上記の範囲内で最適な条件が適宜選択される。
【0032】焼結温度は通常 1600 ℃〜2300℃が選ばれ
る。例えば、代表的なホットプレス法では 1650 ℃〜18
50℃、200 〜400 kg/cm2、0.5 〜10時間の条件で焼結さ
れる。このようにして最終的に得られる焼結体は、大部
分が主としてβ相の窒化ケイ素と主としてβ相の炭化ケ
イ素から構成される。
【0033】一方、ガス圧やHIP焼結による場合に
は、窒化ケイ素の分解温度を上げることができるため焼
結温度を主として1850〜2300℃と高くすることができ
る。このような焼結法により、窒化ケイ素−炭化ケイ素
複合焼結体中の炭化ケイ素はα相に富むようになる。ま
た焼結温度によっては、焼結助剤が窒化ケイ素や炭化ケ
イ素と反応して結晶相を生成する。このことは、粒界相
を強化することになり特に高温強度を必要とされる場合
には好ましい結果となる。
【0034】このような焼結によって最終的に得られる
焼結体は、β相および/またはα相からなる炭化ケイ素
であって、平均粒径1μm 以下の炭化ケイ素粒子が粒界
に分散し、かつ数nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が
主としてβ相からなる窒化ケイ素粒子内に分散した、さ
らに焼結助剤に基づく生成相が粒界あるいは粒内に分散
した微構造からなる優れた強度特性を有する窒化ケイ素
−炭化ケイ素複合焼結体となる。
【0035】次に本発明の実施例をと比較例と共に示
す。以下に示す実施例は本発明の一例を示すものであっ
て、本発明の要旨を越えない限りこれに限定されるもの
ではない。
【0036】実施例 1〜4、比較例 1〜3 反応原料としてヘキサメチルジシラザン[(CH3)3Si]2NH
を使用し、所定の混合比のNH3/Arガスとよく混合して気
相反応させた。得られた炭素含有量 10.5 重量%の原料
粉末を窒素ガス気流中において、1300℃以上における昇
温速度を1.7 ℃/minとした。ただし比較例3は昇温速度
を6℃/min とした以外は表1に示す保持条件、窒素ガ
ス線速度で焼成した。表−1に得られた部分結晶化複合
粉末の圧粉体密度、比表面積を示す。
【0037】実施例 5、比較例 4,5 実施例3で得られた部分結晶化複合粉末(炭素含有量:
6.6重量%、炭化ケイ素22重量%に相当)ならびに非晶
質複合粉末、100%結晶質の複合粉末(炭素含有量:6.3
重量%、いずれも炭化ケイ素21重量%に相当)に、液相
を生成する焼結助剤としてY2O3 8重量%とAl2O3 4重量
% を加え、これらをエタノール中で24時間湿式混合し、
乾燥した。
【0038】これらの混合粉末を4ton/cm2の圧力で静水
圧プレスし、この成形体を9atmの加圧窒素雰囲気下にお
いて1950℃、2hs ガス圧焼結を行った。部分結晶化複合
粉末を原料として得られた焼結体は均一であり、相対密
度は 98.0%であった。一方、非晶質複合粉末を原料とし
て得られた焼結体 (比較例 4) は緻密化していたものの
焼結体に割れが生じ、100%結晶質の複合粉末を原料とし
て得られた焼結体 (比較例 5) は緻密化が十分でなかっ
た。
【0039】得られた焼結体を切断、研削して3 ×4 ×
>36 mmのサイズの試験片を作製し、機械的特性を評価し
た。室温強度は4点曲げで上部スパン10mm、下部スパン
30mm、クロスヘッドスピード 0.5mm/minで行ない、焼結
体の嵩密度はアルキメデス法により測定した。この結果
を表−2に示す。
【0040】実施例 6、比較例 6 実施例4で得られた部分結晶化複合粉末(炭素含有量:
7.9重量%、炭化ケイ素26重量%に相当)ならびに100%
結晶質の複合粉末(炭化ケイ素25重量%を含む)に、液
相を生成する焼結助剤としてY2O3 8重量%を加え、これ
らをエタノール中で24時間湿式混合し、乾燥した。
【0041】これらの混合粉末を窒素ガス中350kg/cm2
の圧力で1750℃、4hのホットプレス焼結を行なった。得
られた焼結体の透過電子顕微鏡の観察によれば、平均粒
径1μm 以下の主としてβ相の炭化ケイ素粒子が粒界に
分散し、かつ数nmから数百nmのαそうまたはβ相の
炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子内に分散したび構造を
有していた。窒化ケイ素の生成相は大部分がβ相であっ
た。
【0042】さらにX線回折によれば、窒化ケイ素と炭
化ケイ素のほかに、Y2O3とSiO2あるいはSi3N4 との反応
生成物であるSi3Y2O3 、Si3NY5O12 、Y2SiO5、Y2Si2O7
などが認められた。得られた焼結体を切断、研削して試
験片を作製し、室温強度、1400℃における強度および嵩
密度を測定した。この結果を表−3に示す。
【0043】実施例 7 実施例3で得た部分結晶化複合粉末(炭素含有量:6.
6重量%、炭化ケイ素22重量%に相当)に Y2O3 8重
量%を加え、エタノール中で湿式混合を行い乾燥した。
この混合粉末 300gを、直径150 mmの黒鉛ダイスに充填
し、10kg/cm2の圧力で形成した。その後、窒素ガス雰囲
気下で1500℃、2時間保持した後ち、350kg/cm2 の圧力
をかけ、1750℃、2時間ホットプレス焼結を行った。得
られた円盤は灰緑色の均一な焼結体であり、相対密度は
99.1%であった。
【0044】比較例 7 非晶質複合粉末 (炭素含有量 6.3重量% 、炭化ケイ素21
重量% に相当) を実施例7と同一条件で混合、成形し、
ホットプレス焼結を行って円盤状焼結体を得た。得られ
た円盤は中心部が黒色、外周部が灰緑色からなる不均一
な焼結体であった、またその相対密度は 95.2 %であっ
た。中心部の黒色部分には気孔が存在し、緻密化してい
ないことが認められた。
【0045】
【発明の効果】このような発明の方法によって得られる
部分結晶化複合粉末は、従来の非晶質複合粉末、100%結
晶質の複合粉末に比較して、常圧焼結、ガス圧焼結、ホ
ットプレス、HIP焼結等によって部材を製造するに際
して成形性、焼結性に優れた複合微粉末であり、さらに
寸法安定性や均一性に優れ、しかも優れた機械的特性を
示す複合焼結体を与えるため、ガスタービンやディーゼ
ルエンジン部材、熱交換器、切削チップ、耐摩耗材、し
ゅう動部材等の様々な形状をした部材を製造するのに好
適な出発原料である。
【0046】
【表1】 表−1 ──────────────────────────────────── 実1 実2 実3 実4 比1 比2 比3 ──────────────────────────────────── 保持温度 1450 1580 1540 1540 1350 1500 1500 (℃) ──────────────────────────────────── N2 流速 0.20 0.20 0.20 5.00 0.46 0 0.20 (cm/sec) ──────────────────────────────────── 保持時間 24 0.5 4 4 4 4 0.5 (hrs) ──────────────────────────────────── 圧粉体密度 1.39 1.44 1.60 1.32 1.20 1.26 1.17 (g/cm3) ──────────────────────────────────── 比表面積 21.1 10.5 12.3 18.2 28.7 17.8 5.0 (m2/g) ──────────────────────────────────── 注) 「実」は実施例を、「比」は比較例を示す。
【0047】
【表2】 表−2 ───────────────────────── 実施例5 比較例4 比較例5 ───────────────────────── 室温強度 85 ─ 28 (kg/mm2) ───────────────────────── 密度 3.20 3.21 2.61 (g/cm3) ───────────────────────── 注) 比較例4は焼結体に割れが生成したため測定せず
【0048】
【表3】 表−3 ────────────────────── 実施例6 比較例6 ────────────────────── 室温強度 107 102 (kg/mm2) ────────────────────── 1400 ℃強度 92 42 (kg/mm2) ────────────────────── 密度 3.32 3.31 (g/cm3) ──────────────────────

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にケイ素、炭素、窒素、酸素から
    なる非晶質微粉末を含む、結晶質の窒化ケイ素および/
    または炭化ケイ素からなる粉末であって、比表面積が10
    〜25m2/g、400kg/cm2 の一軸加圧により得られる成型体
    密度が1.3g/cm3以上である部分結晶化複合粉末
  2. 【請求項2】 実質的にケイ素、炭素、窒素、水素から
    なる原料非晶質微粉末を、線速度が0.05〜30cm/secの非
    酸化性ガス気流中において、1300℃以上における昇温速
    度を5 ℃/min以下とし、1400℃〜1600℃で少なくとも0.
    5 時間保持して後焼成することを特徴とする部分結晶化
    複合粉末の製造方法
  3. 【請求項3】 実質的にケイ素、炭素、窒素、酸素から
    なる非晶質微粉末を含む、結晶質の窒化ケイ素および/
    または炭化ケイ素からなる粉末であって、比表面積が10
    〜25m2/g、400kg/cm2の一軸加圧により得られる成型体
    密度が1.3g/cm 3以上である部分結晶化複合粉末を焼結助
    剤と混合し、成形後1400℃〜1600℃で0.5 〜24時間保持
    し、次いで1600℃〜2300℃で液相焼結することを特徴と
    する窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体の製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021079912A1 (ja) * 2019-10-23 2021-04-29 デンカ株式会社 窒化ホウ素粉末及びその製造方法、炭窒化ホウ素粉末、並びに、複合材及び放熱部材

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WO2021079912A1 (ja) * 2019-10-23 2021-04-29 デンカ株式会社 窒化ホウ素粉末及びその製造方法、炭窒化ホウ素粉末、並びに、複合材及び放熱部材
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