JPH06277728A - 板クラウン制御設定方法 - Google Patents

板クラウン制御設定方法

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JPH06277728A
JPH06277728A JP5066941A JP6694193A JPH06277728A JP H06277728 A JPH06277728 A JP H06277728A JP 5066941 A JP5066941 A JP 5066941A JP 6694193 A JP6694193 A JP 6694193A JP H06277728 A JPH06277728 A JP H06277728A
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JP
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crown
plate
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plate crown
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JP5066941A
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Yoshio Oike
美雄 大池
Junji Sato
準治 佐藤
Tomoya Dobashi
智也 土橋
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板幅端に近い位置で板クラウンを推定する
際、ロールプロフィルに起因する誤差と圧延材の幅拡が
り変形特性に起因する誤差を分離して推定し、高精度の
板クラウン制御を実現する。 【構成】 先行材の圧延後の板クラウンを板幅端から距
離が異なる2点以上の位置で測定し、該先行材の圧延条
件を用いて、測定位置に対応する板クラウンを板クラウ
ン推定モデルで計算し、板幅端からの距離が大きい位置
での測定値と計算値との差異に基づいて板幅端からの距
離が小さい位置におけるロールプロフィルに起因する推
定誤差を算出し、板幅端からの距離が小さい位置での差
異を前記ロールプロフィルの推定誤差に圧延材の幅拡が
り変形特性に起因する推定誤差が加わったものとして幅
拡がり変形特性に起因する推定誤差を算出し、これらの
推定誤差によりモデルを修正して次材のクラウン制御機
構の制御量を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板圧延における板クラウ
ンの制御設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延材の板クラウンを目標通りに制御し
ようとする場合、与えられる圧延条件から板クラウンを
実用的な精度で推定できるモデルが必要である。このモ
デルは板クラウンを形成する物理現象に着目すると、次
のように大別することができる。 (1)ロールの弾性変形の計算モデル (2)圧延材の幅拡がり変形特性の計算モデル (3)ロールプロフィルの計算モデル このうち、(1)は周知の「分割モデル」あるいは弾性
有限要素法を用いた計算技術が確立されており、これら
の計算結果をもとにしたオンラインモデルも作成され、
実用的な精度で推定できることが確認されている。
【0003】(2)については従来は圧延実験結果をも
とにしたモデル化がなされ、近年は剛塑性有限要素法を
用いた解析がなされているが、ロールバイトでの幅方向
の不均一変形にともなうロールバイト入出側での応力状
態の変化は剛塑性有限要素法では十分に表現出来ない。
板クラウンはロールバイト入出側での応力状態により大
きく変化することは張力のフィードバック効果としてよ
く知られている。したがって、圧延材の幅拡がり変形特
性の違いによる板クラウンの変化を実用的な精度で推定
できるオンラインモデルはまだない。
【0004】(3)については、ロールの摩耗や熱膨張
を推定するオンラインモデルが作成され、実用されてい
るが、実圧延におけるロール冷却水のかかり方、あるい
は個々のロールの摩耗特性のバラツキ等、モデルでは表
現が困難な変動要因のため、ある程度のバラツキを許容
せざるを得ないのが実態である。以上の理由で、板クラ
ウン制御を行うに際して、純粋に板クラウン推定モデル
のみを用いてクラウン制御機構を制御するには精度上限
界がある。この問題点に対して、特公昭63−2584
5号では先行材の板クラウン測定値と板クラウン推定モ
デルで求めた計算値の誤差がロールプロフィルの推定誤
差に起因するものとして、その誤差を算出、学習して次
材の設定計算を行う方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、板クラ
ウンは板幅方向の板厚偏差を管理するための指標であ
り、その評価すなわち板クラウンの測定は一般に板幅端
から50mm以内の板幅端に近い位置で行われている。
板幅端近傍では圧延材の幅拡がり変形特性が急激に変化
する。前述したように圧延材の幅広がり変形特性を十分
な精度で推定できるモデルは未だ確立されていない。し
たがって、このように板幅端に近い位置で板クラウンを
推定する場合のモデルの誤差は、圧延材の幅広がり変形
特性の推定誤差に起因する割合が大きい。このため、板
クラウンの推定誤差をロールプロフィルの推定誤差とし
て学習する方法では学習項として推定されるロールプロ
フィルの誤差が圧延材の幅拡がり変形特性の誤差によっ
て変動する問題点がある。
【0006】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、板クラウン推定モデルにより板幅端に近い位置で板
クラウンを推定する際、ロールプロフィルに起因する誤
差と、圧延材の幅拡がり変形特性に起因した誤差を各々
分離して推定し、これらの推定誤差によりモデルを修正
し、高精度の板クラウン制御を実現することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、板クラウン推
定モデルを用いて目標板クラウンを得るためのクラウン
制御機構の制御量を決定する板クラウン制御設定方法に
おいて、先行材の圧延後の板クラウンを板幅端からの距
離が異なる2点以上の位置で測定するとともに、該先行
材の圧延条件を用いて、測定位置に対応する各々の板ク
ラウンを推定モデルで計算し、板クラウンの測定値と計
算値の差異のうち、板幅端からの距離が大きい位置での
差異はロールプロフィルの推定誤差Aに起因するものと
して該推定誤差Aを算出し、板幅端からの距離が小さい
位置での差異は前記推定誤差Aに基づいて算出した当該
位置でのロールプロフィルの推定誤差Bと圧延材の幅拡
がり変形特性の推定誤差Cとを加えたものに起因するも
のとして後者の推定誤差Cを算出し、これらの推定誤差
B,Cにより板クラウン推定モデルを修正して次材のク
ラウン制御機構の制御量を決定することを発明の構成と
するものである。
【0008】
【作用】板クラウン推定誤差の二大要因であるロールプ
ロフィルの推定誤差と圧延材の幅拡がり変形特性の推定
誤差のうち、圧延材の幅拡がり変形特性は板幅端部で大
きく変化するが、板幅端部を除く部分での板クラウンの
推定誤差はロールプロフィルの推定誤差Aが支配的であ
るため、該推定誤差Aは容易に算出される。一方、板幅
端部を含む部分での板クラウンの推定誤差には当該位置
におけるロールプロフィルの推定誤差Bに圧延材の幅拡
がり変形特性の推定誤差Cが加算される。この際、前者
の推定誤差Bは、ロールプロフィルに応じて前記推定誤
差Aから容易に計算される。よって、後者の推定誤差C
も算出することができる。したがって、本発明法によれ
ば、板クラウン推定モデルの誤差を物理現象の特性を踏
まえて学習するため、板クラウン推定誤差を減少でき、
板クラウン制御精度を大幅に向上することができる。
【0009】
【実施例】実施例の説明に先立って、まず板クラウン制
御に用いる板クラウン推定モデルについて簡単に説明す
る。板クラウン推定モデルは種々のものが紹介されてお
り、特定する必要はないが、ここでは第33回塑性加工
連合講演会講演論文集143頁に紹介されているモデル
を用いる。
【0010】ロールの弾性変形を代表するパラメータと
して、板幅方向の圧延圧力分布が均一な場合に形成され
る板クラウンCh *(以下、二次元クラウンと呼ぶ)を
次式で表す。 Chi*=api・Pi +aFi・Fi +aRi・CRi (1) ここに、Pは圧延荷重、Fはロールベンディング力、C
R は板クラウン定義点に対応するロールクラウンであ
り、初期メカニカルクラウンとロール摩耗プロフィルお
よびサーマルプロフィルを合成したものから求められ
る。aP 、aF 、a R はロール寸法、ロールシフト量等
のミル諸元と圧延材の板幅によって定まるモデル係数、
添字iはスタンド番号である。
【0011】実際の圧延では、圧延材の幅拡がり変形や
入側板クラウン(前スタンドでの板クラウン)のために
板幅方向の圧延圧力分布は均一とはならないため、
(1)式を修正して次式で板クラウンCh を表す。 Chi=(1−ηi )Chi*+ηi (hi /hi-1 )Chi-1 (2) ここに、hは板幅中央板厚、ηはクラウン遺伝係数と呼
ばれるものであり、次式で表される。
【0012】
【数1】
【0013】ここに、ld は接触弧長、ξは形状変化係
数と呼ばれる圧延材の幅拡がり変形特性を表すパラメー
タ、Kはロールと圧延材との幾何学的接触領域と板幅方
向座標の関数、Aは圧延材の強度と板幅方向座標の関数
である。記述を簡略化するため、板クラウンを板幅中央
板厚で除した値(比率クラウンと呼ばれる)を用いて
(2)式を表現すると次式となる。
【0014】 Ci =(1−ηi )Ci *+ηi i-1 (4) ここに、Ci *は二次元クラウンを出側の板幅中央板厚
で除した値、Ci-1 は入側板クラウンを入側の板幅中央
板厚で除した値である。以下、図面を参照しながら本発
明をホットストリップミルでの板クラウン制御に適用し
た場合の実施例について説明する。本実施例では、ミル
のスタンド数は7段であり、各スタンドにはクラウン制
御機構としてロールベンディング装置が備えられてい
る。ロールベンディング装置から出力されるロールベン
ディング力は、後述のフローチャートの動作を実現する
プログラムが組み込まれた板クラウン制御装置により制
御される。
【0015】図1は本発明を適用したホットストリップ
ミルでの板クラウン制御の全体フローチャートを示す。
制御量の設定計算に関しては、周知であるので詳細な説
明は省略するが、圧延材の鋼種、サイズ、目標板クラウ
ン等の圧延指令情報とともに、板厚制御システムで計算
された各スタンドの圧延荷重および入出側板厚を制御装
置に入力する(ステップA1,A2)。つぎに、目標板
クラウンを満足し、かつ仕上ミル各スタンド間での平坦
度が最小となるように、仕上ミル各スタンド出側での狙
い板クラウンを決定する(ステップA3)。最後に、組
替後の圧延ロールの圧延履歴データから別途計算されて
いるロール摩耗プロフィルとサーマルプロフィルを用い
て板クラウン定義点に対応するロールクラウンを算出し
(ステップA4)、板クラウン推定モデルにより、仕上
ミル各スタンド出側での狙い板クラウンを実現するクラ
ウン制御機構、ここではロールベンディング力の制御量
を決定する。前記板クラウン推定モデルは、下記の学習
計算により先行材の圧延後に逐次修正される。
【0016】図2は、本発明法の狙いである学習計算の
フローチャートを示しており、該学習計算では、仕上ミ
ル最終スタンド(第7スタンド)出側の板プロフィルメ
ータにて、先行材の圧延後の板クラウンを板幅端からの
距離が異なる2点以上の位置で測定する(ステップB
1)とともに、先行材の実績圧延条件に基づいて、板ク
ラウン推定モデルにより各測定位置に対応する板クラウ
ンを計算する。本実施例では板幅端からの距離が大きい
位置としては板幅端から75mmの位置、板幅端からの
距離が小さい位置としては板幅端から25mmの位置に
ついて、2点で板クラウンを測定した。
【0017】まず、板幅端から75mmの位置での仕上
ミル最終スタンド出側で測定された板クラウンと板クラ
ウン推定モデルにより計算された板クラウンを比率クラ
ウンに換算したものを、それぞれCA fI、CC fIとする
と、板幅端から75mmの位置での学習すべき比率クラ
ウン誤差ΔCfIは次式から算出される(ステップB
2)。
【0018】 ΔCfI=CA fI−CC fI (5) ここに、添字Iは板幅端から75mmの位置の値である
ことを示す。前述したように、板幅端から75mmの位
置では圧延材の幅拡がり変形はあまり変化しないため、
学習すべき比率クラウン誤差ΔCfIをロールクラウンの
推定誤差に置き換える。ここでは、ロールプロフィルの
計算モデルの誤差傾向は各スタンドで同じと考え、ロー
ルクラウンの計算誤差ΔCRI即ち各スタンドにおけるロ
ールクラウン修正量は各スタンドで一定とする。(1)
式および(4)式より、iスタンドにおけるロールクラ
ウンの計算誤差ΔCRIによる比率クラウンの推定誤差Δ
iIは次式で表される。
【0019】 ΔCiI=(aRi/hi )(1−ηiI)ΔCRI+ηiIΔC(i-1)I (6) 仕上ミル最終スタンド出側の板クラウンに対する第1ス
タンドの入側におけるラフバークラウンの影響は小さい
ため、ΔC01=0とし、(6)式を第一スタンドから逐
次計算すると、ΔCfIは次式で表される。 ΔCfI=(α7 +η7I(α6 +η6I(α5 +η5I(α4 +η4I(α3 + η3I(α2 +η2IαI ))))))ΔCRI (7) ここに、αi =(aRi/hi )(1−ηiI)である。
【0020】(5)式と(7)式よりΔCRIが求まる
(ステップB3) つぎに、板幅端から25mmの位置での仕上ミル最終ス
タンド出側で測定された板クラウンと板クラウン推定モ
デルにより計算された板クラウンを比率クラウンに換算
したものを、それぞれCA fo、CC foとすると、板幅端
から25mmの位置での学習すべき比率クラウン誤差Δ
foは次式となる。
【0021】 ΔCfo=CA fo−CC fo (8) ここに、添字Oは板幅端から25mmの位置の値である
ことを示す。板クラウン推定モデルによるCC foの算出
にあたっては、(5)式と(7)式より求めたΔCRI
板幅端から75mmの位置に対応するロールクラウンで
あるため、ロールプロフィルを二次曲線と仮定して、板
幅端から25mmの位置に対応するロールクラウンの修
正量ΔCROを次式で求める(ステップB4)
【0022】
【数2】
【0023】ここに、Bは板幅である。このΔCROを用
いて、ロールプロフィル計算モデルで推定された板幅端
から25mmの位置のロールクラウンCROを修正し、
(1)式と(4)式を用いて板幅端から25mmの位置
でのCC fOを算出する。このCC fOはロールプロフィル
の誤差を修正したものであり、残された誤差は前述した
ように圧延材の幅拡がり変形特性の推定誤差によるもの
と考え、学習すべき比率クラウン誤差ΔCfOをクラウン
遺伝係数ηの推定誤差に置き換える。
【0024】クラウン遺伝係数ηの修正方法としては、
種々の方法が考えられるが、ここではクラウン遺伝係数
ηの誤差傾向は各スタンドで同じと考え、各スタンド同
一の修正係数βを掛けたものが正しいクラウン遺伝係数
を表すものとする。修正したクラウン遺伝係数を用いる
と(4)式は次のように表される。 Ci =(1−βηi )Ci *+βηi i-1 (10) (10)式を第一スタンドから最終スタンドまで逐次計
算したものが仕上ミル最終スタンド出側で測定された比
率クラウンCA fOと等しくなる条件より次式が得られ
る。
【0025】 CA fO=(1−βη7O)C7O+βη7O(1−βη6O)C6O +β2 η6Oη7O(1−βη5O)C5O +β3 η5Oη6Oη7O(1−βη4O)C4O +β4 η4Oη5Oη6Oη7O(1−βη3O)C3O +β5 η3Oη4Oη5Oη6Oη7O(1−βη2O)C2O +β6 η2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O(1−βη1O)C1O +β7 η1Oη2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O0O (11) ここに、ηiOはiスタンドでの板幅端から25mmの位
置でのクラウン遺伝係数である。同様に(4)式を第一
スタンドから最終スタンドまで逐次計算したものは板ク
ラウン推定モデルの計算値CC fOであるから次式が得ら
れる。
【0026】 CC fO=(1−η7O)C7O+η7O(1−η6O)C6O +η6Oη7O(1−η5O)C5O +η5Oη6Oη7O(1−η4O)C4O +η4Oη5Oη6Oη7O(1−η3O)C3O +η3Oη4Oη5Oη6Oη7O(1−η2O)C2O +η2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O(1−η1O)C1O +η1Oη2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O0O (12) (11)式、(12)式を(8)式に代入することによ
り、板幅端から25mmの位置で学習すべき比率クラウ
ン誤差ΔCfOは次式で与えられる(ステップB5)。
【0027】 ΔCfo=(1−β)η7O(C7O−C6O) +(1−β2 )η6Oη7O(C6O−C5O) +(1−β3 )η5Oη6Oη7O(C5O−C4O) +(1−β4 )η4Oη5Oη6Oη7O(C4O−C3O) +(1−β5 )η3Oη4Oη5Oη6Oη7O(C3O−C2O) +(1−β6 )η2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O(C2O−C1O) +(1−β7 )η1Oη2Oη3Oη4Oη5Oη6Oη7O(C1O−C0O) (13) (13)式はβについての高次方程式であるが、βはそ
の性質上1に近い狭い範囲の値であるため、ニュートン
法等の繰り返し計算で容易に解を求めることができる
(ステップ6)。なお、(13)式の第7項のラフバー
比率クラウンC0Oは通常測定されていない。クラウン遺
伝係数ηは0〜1の範囲の値で、かつ前段スタンドほど
小さな値となるため、(13)式の各項は後の項ほど絶
対値が小さくなる。第7項は前半の各項より2オーダー
小さい値となるため、ここでは無視して計算した。
【0028】以上により、先行材の圧延における板クラ
ウンの誤差をロールクラウンの誤差と圧延材の幅拡がり
変形特性としてのクラウン遺伝係数の誤差に分離して学
習できた。つぎに、この学習結果を次材の板クラウンの
推定に反映させる方法について述べる。学習計算では板
幅端から25mmと75mmの2点の位置での板クラウ
ンを用いたが、設定計算で制御の対象となる板クラウン
は通常1点の位置である。本実施例では板幅端から25
mmの位置を対象として板クラウンの制御を行う。
【0029】まず、(9)式で求めたΔCROをロールプ
ロフィル計算モデルで算出した各スタンドにおける板幅
端から25mmの位置でのロールクラウンCRiに加算
し、(1)式を用いて二次元クラウンを計算する。先行
材と次材で板幅が異なる場合は、圧延材とロールとの接
触幅が変わるため、ロールクラウンを二次曲線と仮定し
て、次式でΔCROを修正する。次式において、添字jは
次材、j−1は先行材を表す。尚、この修正計算は後述
の修正係数βの読み出しの際に実行してもよい。
【0030】
【数3】
【0031】つぎに、クラウン遺伝係数の学習結果を次
材に反映する方法について述べる。基本的には、(3)
式で計算される各スタンドにおける板幅端から25mm
の位置でのクラウン遺伝係数ηiOに(13)式で求めた
βを掛けたものを用いて、(2)式にて第一スタンドか
らの板クラウンを逐次計算する。前述したように、現状
のクラウン遺伝係数の計算モデルは、圧延材の寸法や圧
延時の比率クラウンの変化傾向すなわち、中伸び圧延か
耳波圧延かの違いによる圧延材の幅拡がり変形特性の変
化を必ずしも的確に表現できていないため、学習計算で
求めたβには圧延材の板厚および板クラウンによる傾向
が見られる。
【0032】したがって、ここでは圧延成品の板厚で5
区分、板クラウンで3区分、合計15のグループに分
け、各グループ別のテーブルにおいて、先行材が属する
グループの欄に算出したβを記憶し(ステップB7)、
このテーブルに記憶された値の中から次材の属するグル
ープのβを選択し(ステップB8)、次材のクラウン遺
伝係数を修正する(ステップB9)。βのテーブルへの
記憶に際しては、よく知られている指数平滑法により、
次式でテーブル値を書き替えた。
【0033】 βk =γβk j +(1−γ)βk j-1 (15) ここに、添字kはグループの番号、j−1はこれまでの
テーブル値、jは今回の学習計算で得られた値である。
γはテーブル値書き替えの重み係数であり、ここでは
0.3とした。図3は以上に詳述した本発明の学習計算
方法を適用して前記実施例のホットストリップミルを用
いて圧延した結果を示す。図には圧延成品の板厚、板幅
と学習計算で求められたロールクラウン修正量ΔCRO
クラウン遺伝係数の修正係数βも併せて示す。板クラウ
ン実績値は板クラウン目標値すなわち学習量を修正して
板クラウン推定モデルで計算した板クラウンと非常によ
く一致している。特に成品の板厚および目標板クラウン
が大きく変化した場合でも板クラウン実績値の目標値か
らのハズレは小さく、本発明の学習計算方法が的確に板
クラウン推定モデルを修正していることがわかる。すな
わち、成品の板厚および目標板クラウンが大きく変化し
た場合はクラウン遺伝係数の修正係数βが変化してお
り、この修正効果により目標通りの板クラウンが得られ
ている。なお、ロールクラウン修正量ΔCROにはあまり
急激な変化は見られず、このことはロール摩耗プロフィ
ルやサーマルプロフィルは徐々にしか変化しないという
物理現象を反映しているものと思われる。
【0034】叙上の実施例では、ロールベンディング装
置による制御について説明したが、ロールクロス、可変
クラウンロール等のクラウン制御装置を用いる場合で
も、本発明と同様にして学習計算を行い、圧延結果から
得られた誤差に基づいて、逐次板クラウン推定モデルを
修正することにより、板クラウンの高精度制御が可能に
なる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、先行材の板クラウンを
板幅端からの距離が異なる2点以上の位置で測定し、板
幅端に近い位置における板クラウンの誤差をロールプロ
フィルに起因する誤差と圧延材の幅拡がり変形特性に起
因する誤差とに分離して算出し、これらの推定誤差に基
づいて板クラウン推定モデルを修正するので、板クラウ
ン推定誤差を従来に比して大幅に減少させることがで
き、板圧延特に板幅端部での圧延材の幅拡がり変形が大
きい熱間圧延における板クラウンを精度よく制御するこ
とが可能であり、圧延成品の品質および歩留りを著しく
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る板クラウン制御の全体フローチャ
ートである。
【図2】実施例に係る板クラウン推定モデルの学習計算
を示すフローチャートである。
【図3】実施例に係る板クラウン制御精度を示すグラフ
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板クラウン推定モデルを用いて目標板ク
    ラウンを得るためのクラウン制御機構の制御量を決定す
    る板クラウン制御設定方法において、 先行材の圧延後の板クラウンを板幅端からの距離が異な
    る2点以上の位置で測定するとともに、該先行材の圧延
    条件を用いて、測定位置に対応する各々の板クラウンを
    推定モデルで計算し、 板クラウンの測定値と計算値の差異のうち、板幅端から
    の距離が大きい位置での差異はロールプロフィルの推定
    誤差Aに起因するものとして該推定誤差Aを算出し、 板幅端からの距離が小さい位置での差異は前記推定誤差
    Aに基づいて算出した当該位置でのロールプロフィルの
    推定誤差Bと圧延材の幅拡がり変形特性の推定誤差Cと
    を加えたものに起因するものとして後者の推定誤差Cを
    算出し、 これらの推定誤差B,Cにより板クラウン推定モデルを
    修正して次材のクラウン制御機構の制御量を決定するこ
    とを特徴とする板クラウン制御設定方法。
JP5066941A 1993-03-25 1993-03-25 板クラウン制御設定方法 Pending JPH06277728A (ja)

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CN104858243A (zh) * 2014-02-26 2015-08-26 宝山钢铁股份有限公司 一种基于凸度控制的宽薄板平面形状控制方法
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CN104858243A (zh) * 2014-02-26 2015-08-26 宝山钢铁股份有限公司 一种基于凸度控制的宽薄板平面形状控制方法
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