JPH06271839A - 水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物 - Google Patents

水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物

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JPH06271839A
JPH06271839A JP8270393A JP8270393A JPH06271839A JP H06271839 A JPH06271839 A JP H06271839A JP 8270393 A JP8270393 A JP 8270393A JP 8270393 A JP8270393 A JP 8270393A JP H06271839 A JPH06271839 A JP H06271839A
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JP
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water
group
oil
higher aliphatic
fluorine
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JP8270393A
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Katsuji Ito
勝治 伊藤
Takashi Kamata
俊 鎌田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】夾雑物質や併用助剤の影響を受けることなく、
水に対する分散安定性に優れ、高い撥水撥油性と耐久性
を有する水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物を提供す
る。 【構成】高級脂肪族炭化水素基を少なくとも1個有する
高級脂肪族第3アミンと無機酸との塩からなる高級アミ
ン型界面活性剤、およびフッ素系撥水撥油剤を含むこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な水分散型フッ素系
撥水撥油剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料の撥水撥油加工が盛んに行な
われ、目的に応じた種々の組成物が提供されている。こ
れらのうち水分散型のフッ素系撥水撥油剤としては以下
の例が一般的に知られている。
【0003】(1)ポリフルオロアルキル基(以下Rf
基と記す)含有の不飽和単量体と他の重合性モノマーを
特定割合で共重合させた水分散型のポリマーラテック
ス。 (2)Rf基含有のウレタン化合物を乳化させた水分散
型撥水撥油剤。 (3)高級脂肪族の第4アンモニウム塩と高級脂肪族第
3アミンの酢酸塩からなる界面活性剤によってフッ素系
撥水撥油剤を水に分散させた水分散型フッ素系撥水撥油
剤。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水分散型フッ素系撥水
撥油剤組成物として公知の上記の例にはつぎのような問
題がある。
【0005】(1)、(2)の撥水撥油剤は、加工対象
布に付着している夾雑物質の影響で高い性能が得られな
い場合があった。また帯電防止、防シワ等の撥水撥油以
外の機能を付与する目的で加工剤を併用した場合に、フ
ッ素系撥水撥油剤の性能が充分に発揮されない等の問題
があった。これらの問題に対処するため、撥水撥油剤の
使用量を多くしたり、夾雑物質をきれいに洗い流した後
に撥水撥油加工を行う等の工夫がされたが、工程が増え
た分、工賃が高くなるという問題があった。
【0006】(3)の撥水撥油剤は(1)、(2)に比
べると夾雑物質の影響を低減できるが、併用助剤との相
溶性が悪いという問題がある。また撥水撥油剤の分散安
定性が充分でないという問題もある。
【0007】以上のように水分散型フッ素系撥水撥油剤
組成物として、未だ満足できるものが得られていないの
が現状である。
【0008】本発明の目的は、従来技術が有していた、
加工対象布に付着している夾雑物質の悪影響、併用する
加工剤の悪影響および加工剤との相溶性、分散性等の問
題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされた下記発明である。すなわち、高級脂
肪族炭化水素基を少なくとも1個有する高級脂肪族第3
アミンと無機酸との塩からなる高級アミン型界面活性
剤、およびフッ素系撥水撥油剤を含むことを特徴とする
水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物である。
【0010】本発明における高級アミン型界面活性剤
は、高級脂肪族第3アミンと無機酸との塩からなり、フ
ッ素系撥水撥油剤を安定に水に分散させる効果を有す
る。
【0011】上記高級アミン型界面活性剤における高級
脂肪族第3アミンは、分子中に高級脂肪族炭化水素基を
少なくとも1個含む構造を有するものである。高級脂肪
族炭化水素基としては直鎖状または分岐状の構造が選定
され、炭素数は8個以上、好ましくは12〜24個、さ
らに好ましくは16〜24個である。高級脂肪族第3ア
ミン分子中の高級脂肪族炭化水素基の数は水溶性の問題
から1〜2個が好ましく、1個である場合が特に好まし
い。
【0012】高級脂肪族第3アミンが高級脂肪族炭化水
素基以外の基を含有する場合には、低級脂肪族炭化水素
基および/またはオキシアルキレン部分を含む基を含有
する構造が挙げられる。
【0013】高級脂肪族第3アミンが分子中に高級脂肪
族炭化水素基を1個含有する場合の構造は、一般式RN
12 で表すことができる。ここでRは炭素数8〜2
4の高級脂肪族炭化水素基、R1 、R2 は同じ構造でも
よく異なっていてもよく、低級脂肪族炭化水素基および
/またはオキシアルキレン部分を含む基である。
【0014】低級脂肪族炭化水素基およびオキシアルキ
レン部分を含む基の構造は直鎖状、分岐状、基と基が連
結して環を形成している構造のいずれであってもよい。
【0015】低級脂肪族炭化水素基は炭素数が7個以下
の炭化水素基であり、通常の場合アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基等が挙げられる。好ましい低級
脂肪族炭化水素基としてはメチル基、エチル基が挙げら
れる。
【0016】オキシアルキレン部分を含む基としてはオ
キシアルキレンを1個含む基、あるいはオキシアルキレ
ンが2〜5個連なった基が挙げられる。好ましいオキシ
アルキレンとしてはオキシエチレン、オキシプロピレン
が挙げられる。オキシアルキレン部分は炭素原子末端側
で窒素原子と結合しており、酸素原子末端側には水素原
子、低級アルキル基のいずれが結合していてもよいが、
水素が結合している場合が好ましい。
【0017】本発明における高級脂肪族第3アミンの具
体例を化1に示すが、これらの例に限定されるものでは
ない。なおnは1〜5の整数を表す。
【0018】
【化1】C8H17N(CH3)2、C10H21N(CH3)2 、C12H25N(CH3)
2 、C14H29N(CH3)2 、C16H33N(CH3)2 、C18H37N(CH3)
2 、C20H41N(CH3)2 、C22H45N(CH3)2 、C24H49N(CH3)
2 、C8H15N(CH3)2、C10H19N(CH3)2 、C12H23N(CH3)2
C14H27N(CH3)2 、C16H31N(CH3)2 、C18H35N(CH3)2 、C
22H43N(CH3)2 、C14H29N(C2H5)2、C18H37N(C2H5)2、C22
H45N(C2H5)2、C18H37N[(C2H4O)nH]2 、C18H37N[(C3H6O)
nH]2
【0019】上記の高級脂肪族第3アミンは公知の方法
で製造できる。上記の高級脂肪族第3アミンを2種類以
上混合して用いることもできる。
【0020】本発明の高級アミン型界面活性剤におい
て、無機酸としては硫酸、塩酸、硝酸からなる群から選
ばれる酸を用いることが好ましい。無機酸は高級脂肪族
第3アミン1当量に対して0.5〜3当量から選ばれる
量を混合して用いる。
【0021】本発明の水分散型フッ素系撥水撥油剤組成
物には、高級脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付
加物からなる非イオン系界面活性剤の1種または2種以
上をさらに含ませてもよい。該非イオン系界面活性剤の
高級脂肪族アルコールは生分解性の点から、炭素数が1
2〜16個の第1あるいは第2アルコールが好ましく、
特に第2アルコールが好ましい。アルキレンオキシドと
してはエチレンオキシドが好ましく、特にエチレンオキ
シドが8〜15個付加した構造が好ましい。
【0022】本発明の高級アミン型界面活性剤の量は、
フッ素系撥水撥油剤を安定に水に分散させうる量であれ
ば特に限定されるものではないが、通常の場合、フッ素
系撥水撥油剤100重量部に対して20重量部以下、好
ましくは0.1〜10重量部を用いる。この量は他の界
面活性剤を併用する場合においても同様である。
【0023】非イオン系界面活性剤を混合して用いる場
合には、高級アミン型界面活性剤1重量部に対して0.
2〜10重量部、特には3〜8重量部を用いることが好
ましい。
【0024】本発明のフッ素系撥水撥油剤の例として
は、撥水撥油性能を与えるRf基を有する各種ポリマー
であればよく、特に限定されるものではない。
【0025】Rf基含有ポリマー中のRf基は、特に限
定されるものではないが、通常は直鎖あるいは分岐した
アルキル基あるいはアルケニル基などの炭化水素基、あ
るいは炭素原子とエーテル結合した酸素原子を有する含
酸素炭化水素基を骨格とするもので、該炭化水素基中の
水素原子の一部あるいは全部がフッ素原子に置換された
構造を有するものである。
【0026】Rf基の炭素数は4〜20個が好ましく、
これらの炭素原子のうち一個以上のフッ素原子が結合し
ている炭素の数は2個以上、好ましくは4〜18個、特
に好ましくは6〜16個がよい。また、Rf基中の炭素
に結合している全原子の数に対するフッ素原子数の割合
は60%以上、特には80%以上が好ましい。
【0027】Rf基の末端部分の構造は、通常はパーフ
ルオロアルキル基であるものが選定される。該パーフル
オロアルキル基の好ましい態様はCm2m+1(ただしm
は4〜16の整数を表す)で表されるパ−フルオロアル
キル基であり、特にmが6〜12のものが好ましい。
【0028】Rf基の末端部分の構造としては、水素原
子あるいは塩素原子を含む基、あるいはオキシポリフル
オロアルキレン含有基なども可能である。例えば、トリ
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、クロロジフル
オロメチル基等であるが、好ましい最末端構造はトリフ
ルオロメチル基である。
【0029】Rf基は、直接あるいは結合基を介して重
合性不飽和基等と結合しており、重合性不飽和基等の官
能基同志が重合することによって、あるいは他の不飽和
結合をもった単量体と共重合することによってRf基含
有ポリマーが生成する。
【0030】該Rf基含有ポリマーの構造は特に限定さ
れるものではないが、例を挙げるならば、α,β−不飽
和単量体の重合体や共重合体が好ましい。特にRf基含
有の(メタ)アクリレートをモノマーとする重合体や、
Rf基含有モノマーと共重合することができる他の不飽
和結合をもった単量体の重合した単位を1種以上含有し
ている共重合体が好ましい。
【0031】なお、以下の説明においてRf基含有の
(メタ)アクリレートをRf(メタ)アクリレートと記
す。Rf(メタ)アクリレートはRf基を1個以上有す
る(メタ)アクリレートの意味である。また、Rf基含
有モノマーと共重合することができる他の不飽和結合を
もった単量体をコモノマーと記す。
【0032】また本発明において(メタ)アクリレート
とはアクリレートとメタアクリレートの両者を意味し、
(メタ)アクリルアミド等も同様である。
【0033】該Rf(メタ)アクリレートは、1種ある
いは2種以上を混合して用いることができる。混合して
用いる場合にはRf基の炭素数が異なる化合物を2種以
上とすることができる。
【0034】好ましいRf(メタ)アクリレートの具体
例として化2で表される含フッ素モノマーが挙げられ
る。化2のRf(メタ)アクリレートは公知化合物であ
る。
【0035】
【化2】CH2 =CR3 COO−A−Rf’ (ただし、R3 は水素原子あるいはメチル基、Aは2価
の結合基、Rf’は炭素数が6〜16のRf基を表す)
【0036】化2中のAは2価の結合基を表す。例とし
て−R4 −、−R4 N(R5 )SO2 −、−R4 N(R
5 )CO−が挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。なお、R4 はアルキレン基を表し、特に炭素数が
2〜6個のアルキレン基が好ましい。またR4 は水酸基
や−OCOCH3 基等を含むものでもよい。R5 はアル
キル基、特に炭素数が4個以下のアルキル基が好まし
い。Rf’は直鎖状あるいは末端部に分岐を有するRf
基が好ましい。
【0037】具体的なRf(メタ)アクリレートの例を
化3に示すが、これらの例に限定されるものではないこ
とはもちろんである。
【0038】
【化3】CH2=CR3COOC2H4Rf' 、CH2=CR3COOCH2Rf'、CH2=
CR3COOC3H6Rf' 、CH2=CR3COOC2H4N(CH3)SO2Rf'、CH2=CR
3COOC2H4N(C3H7)SO2Rf' 、CH2=CR3COOC2H4N(C2H5)SO2R
f' 、CH2=CR3COOCH2CH(OH)CH2Rf' 、CH2=CR3COOCH(OCOC
H3)CH2Rf'
【0039】コモノマーとしては公知の種々のモノマー
が挙げられる。該コモノマーは、1種あるいは2種以上
を併用して使用できる。コモノマーの例としては、(メ
タ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニ
ル類、ハロゲン化ビニル類、オレフィン類、(メタ)ア
クリロニトリル類、不飽和カルボン酸エステル類などの
重合性不飽和基等の官能基を有する周知のコモノマーが
挙げられる。
【0040】これらのうち好ましい例としては(メタ)
アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、塩化ビニ
ルが挙げられる。また(メタ)アクリレート類のなかで
はアルキルエステル部分に水酸基、アミノ基、エポキシ
基等の官能基を有するものも使用できるが、該官能基を
有するコモノマーはコモノマーの一部として使用するこ
とが好ましい。(メタ)アクリレート類のなかで特に好
ましい例は炭素数が8個以上の長鎖炭化水素基をアルキ
ルエステル部分に含むもの、例えば2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートやステアリル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0041】上記コモノマーの例としては、以下に記す
モノマーが挙げられるが、これらの例に限られるもので
はない。
【0042】アジリジニル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アク
リレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジオール
のモノあるいはジ(メタ)アクリレート、オルガノポリ
シロキサン残基を有する(メタ)アクリレート、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)
アクリルアミド、メチロール化ジアセトンアクリルアミ
ド、(メタ)アクリルアミド。
【0043】塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニル、
ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエ
ーテル、ビニルアルキルケトン、エチレン、スチレン、
α−メチルスチレン、無水マレイン酸、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレンフッ化ビニル、アクリル酸ある
いはメタクリル酸のアルキルエステル。
【0044】Rf基含有モノマーとコモノマーの共重合
体における各々の割合は、Rf基含有モノマーが40重
量%以上が好ましく、特に50〜80重量%である場合
の共重合体が好ましい。コモノマーは、全コモノマーの
60重量%以上が(メタ)アクリレート類あるいは(メ
タ)アクリルアミド類であることが好ましい。官能基を
有する(メタ)アクリレート類をコモノマーとして使用
する場合には、全モノマーに対して1〜10重量%、好
ましくは2〜5重量%程度の量を使用することが望まし
い。
【0045】上記モノマーの重合は乳化重合法、溶液重
合法で実施できるが乳化重合法で実施するのが好まし
い。特に乳化重合法で媒体に水を使用して実施した場合
には、直接水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物を得るこ
とができる。
【0046】この場合、界面活性剤をフッ素系撥水撥油
剤に添加する時点については特に限定されるものではな
いが、フッ素系撥水撥油剤を重合する際に重合用乳化剤
として添加することが好ましい。また重合生成物の分散
安定性をさらに高めたい場合には、アルキレングルコー
ルのような水溶性溶剤を配合した水性媒体中で乳化重合
することが好ましい。溶液重合法や他の重合法で製造す
る場合には、得られたフッ素系撥水撥油剤を水に分散さ
せる際に、界面活性剤を添加することが好ましい。
【0047】上記モノマーの重合は通常の場合、公知の
重合開始剤を加えて実施する。例えば乳化重合時の重合
開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩
のような重合開始剤やγ線のような電離性放射線等を用
いることができる。また重合時に硫酸や硝酸を加えるこ
とによって、重合収率を高めることができる。
【0048】フッ素系撥水撥油剤のポリマーの平均粒子
径はできるだけ小さいことが分散安定性の面で好まし
い。本発明のフッ素系撥水撥油剤のポリマーの平均粒子
径は0.2μ以下、特には0.02〜1.5μが好まし
い。
【0049】本発明の水分散型フッ素系撥水撥油剤組成
物中のフッ素系撥水撥油剤の割合は通常の場合50重量
%以下であるが、この割合は用途、目的、処理法等によ
り当然変化するものである。通常の場合は使用時に水等
でさらに10〜100倍に希釈して使用される。例えば
本発明の水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物を繊維織
物、繊維編物に適用する場合には、フッ素系撥水撥油剤
の割合が通常0.2〜2重量%程度となるように調整し
て使用される。
【0050】本発明の水分散型撥水撥油剤組成物は、被
処理物品の種類や前記調製形態等に応じて任意の方法で
適用され得る。例えば、浸漬塗布法等のような被覆加工
の既知の方法により、被処理物の表面に付着させ乾燥す
る方法が採用される。また、必要ならばキュアリングを
行ってもよい。さらに本発明の撥水撥油剤組成物は、前
記以外の他の重合体を含有していてもよく、他の撥水剤
や撥油剤、あるいは架橋剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止
剤、染料安定剤、防シワ剤などの添加剤を適宜含有する
ことも勿論可能である。
【0051】本発明の撥水撥油剤組成物で処理され得る
被処理物としては、種々の例が挙げられる。例えば、繊
維織物、繊維編物、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石
綿、レンガ、セメント、金属および金属酸化物、窯業製
品、プラスチック等であるが、これらの例に限定されな
い。織物繊維、繊維織物の例としては、綿、麻、羊毛、
絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨ
ン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの
混合繊維の織物、編物が挙げられる。
【0052】
【実施例】以下に本発明を、実施例および比較例を挙げ
てさらに具体的に説明するが、この説明が本発明を限定
するものではないことは勿論である。また以下の実施例
中に示す撥水性、撥油性については、つぎのような尺度
で示した。すなわち、撥水性はJIS−L−1092の
スプレー法による撥水性ナンバー(表1参照)をもって
表し、撥油性は表2に示す試験溶液を試験布の上、二か
所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の浸透状態によ
り判別した(AATCC−TM118−1966)。な
お撥水性ナンバー、撥油性ナンバーに+(−)を付した
ものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを
示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】[実施例1]熱電対式温度計と電流式撹拌
機を装着したガラス製オートクレーブ(内容積1リット
ル)中に、パーフルオロアルキルエチルアクリレート
(以下FAという)[CmF2m+1CH2CH2OCOCH=CH2、mの平
均は約9]60部(重量部、以下同じ)、ステアリルア
クリレート(以下StAと記す)37部、グルシジルメ
タクリレート(以下GMAと略す)3部、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル5部、ステアリルジメチルアミ
ンの硫酸塩(第3アミンと硫酸のモル比2:1)1部、
ジプロピレングリコール60部、水175部、および重
合開始剤2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイ
ソブチラミジン)(和光純薬工業(株)品、商品名VA
−061)0.5部、硫酸0.3部を加え、撹拌しなが
ら約20分間窒素置換を行ったのち、60℃に昇温し、
重合させた。60℃で15時間保温撹拌した後冷却し、
固形分濃度31重量%のエマルションを得た。ガスクロ
マトグラフィーによる共重合反応の転化率は99.0〜
99.8%(FAに対して)、収率は95〜99%であ
った。
【0056】[実施例2]熱電対式温度計電流式撹拌機
を装着したガラス製オートクレーブ(内容積1リット
ル)中に、FA60部、ジオクチルマレエート(以下D
OMと略す)15部、モノマーA[CH2=C(CH3)-COOCH2C
H2-O-CO-NH-(CH2)6-NH-CO-O-N=C(CH3)C2H5]5部、ポリ
オキシエチレン含有ノニオン系界面活性剤B[炭素数1
2〜16の第2アルコールのポリエチレンオキシド付加
物の混合物]5部、ステアリルジメチルアミンの硝酸塩
(第3アミンと硝酸のモル比1:1)1部、水185
部、および重合開始剤VA−061を0.5部、硝酸
0.5部を加え、撹拌しながら約20分間窒素置換を行
った後、塩化ビニルモノマー(以下VCと略す)20部
を加え、60℃に昇温し、重合させた。60℃で15時
間保温撹拌した後冷却し、固形分濃度31重量%のエマ
ルションを得た。ガスクロマトグラフィーによる共重合
反応の転化率は99.0〜99.8%(FAに対して)
であった。
【0057】[実施例3、4]実施例1と同様の方法
で、モノマー、乳化剤等を変更し乳化重合を行った。用
いたモノマー、乳化剤、および重合開始剤を表3に示し
た。なお表3中のStはステアリル、Bhはベヘニルの
略であり、数字は重量部を表す。エマルション収率は総
固形分のうち安定に分散している割合を表す。また、実
施例3のベヘニルジメチルアミンの硫酸塩において、第
3アミンと硫酸のモル比は2:1であり、実施例4のス
テアリルジメチルアミンの塩酸塩において、第3アミン
と塩酸のモル比は1:1である。
【0058】[比較例1]高級脂肪族第3アミンの硫酸
塩のかわりに酢酸塩(第3アミンと酢酸のモル比1:
1)を用いたこと以外は実施例1と同様の組成で重合
し、固形分濃度30重量%のエマルションを得た。
【0059】[比較例2]高級脂肪族第3アミンの硫酸
塩のかわりにステアリルトリメチルアンモニウムクロリ
ドを用いた以外は実施例2と同様の組成で重合し、固形
分濃度30重量%の淡黄色エマルションを得た。
【0060】
【表3】
【0061】以上の方法にて得られた乳化重合エマルシ
ョンの固形分濃度を20重量%に調整してラテックス原
液とし、撥水撥油性能の試験を行った。ラテックス原液
を水で希釈して、固形分濃度を0.3重量%として撥水
撥油性能を測定した。
【0062】試験はナイロンタフタ布を用い、撥水撥油
加工前に布に付着している染色助剤を良く洗浄除去した
布(洗浄布)と洗浄除去しない布(未洗浄布)について
行い、撥水撥油処理を行った。即ち、前記のごとく希釈
したラテックス処理液に試験布を浸漬し、2本のゴムロ
ーラーの間で布をしぼって、ウエットピックアップを3
0重量%とした。次いで、110℃で90秒間乾燥し、
さらに170℃で60秒間熱処理した。洗濯耐久性はJ
IS L−0217 103法にて5回繰り返し行った
のち、100℃で3分乾燥し試験に供した。かくして得
られた試験布について撥水撥油性能を測定した結果を表
4にまとめて示した。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】本発明による水分散型フッ素系撥水撥油
剤組成物は、従来よりも水に対する分散安定性が優秀な
組成物である。本発明の組成物は布に付着している夾雑
物質あるいは併用助剤の影響を受けずに高い撥水撥油性
を付与し得る。また優れた耐久性をも発揮し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/277

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高級脂肪族炭化水素基を少なくとも1個有
    する高級脂肪族第3アミンと無機酸との塩からなる高級
    アミン型界面活性剤、およびフッ素系撥水撥油剤を含む
    ことを特徴とする水分散型フッ素系撥水撥油剤組成物。
  2. 【請求項2】高級脂肪族第3アミンが、高級脂肪族炭化
    水素基以外に低級脂肪族炭化水素基および/またはオキ
    シアルキレン部分を含む基を有する請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】高級脂肪族第3アミンが一般式RNR1
    2 (Rは炭素数8〜24の高級脂肪族炭化水素基、R
    1 、R2 は低級脂肪族炭化水素基および/またはオキシ
    アルキレン部分を含む基)で表される請求項1または2
    の組成物。
  4. 【請求項4】高級脂肪族炭化水素基が、炭素数16〜2
    4の脂肪族炭化水素基である請求項1、2または3の組
    成物。
  5. 【請求項5】無機酸が硫酸、塩酸、および硝酸からなる
    群から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項の組成物。
  6. 【請求項6】高級脂肪族アルコールのアルキレンオキシ
    ド付加物からなる非イオン系界面活性剤がさらに含まれ
    てなる請求項1〜5のいずれか1項の組成物。
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