JPH06250364A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH06250364A
JPH06250364A JP5064736A JP6473693A JPH06250364A JP H06250364 A JPH06250364 A JP H06250364A JP 5064736 A JP5064736 A JP 5064736A JP 6473693 A JP6473693 A JP 6473693A JP H06250364 A JPH06250364 A JP H06250364A
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JP
Japan
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water
group
washing
solution
tank
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JP5064736A
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Minoru Yamada
稔 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 水洗水や安定化液に化34〜化36で表わさ
れるキレート剤の少なくとも1種以上と、ジアルデヒド
系化合物、炭素数6以上の直鎖アルキル基を少なくとも
1つ有するベタイン化合物および炭素数8以上の直鎖ア
ルキル基を少なくとも1つ有する4級アンモニウム化合
物のうちの少なくとも1種以上とを含有させる。 〔RはHまたはOH:n=1,2:x=1,2,3:y
=0,1,2:x+y=3〕 〔A=H、アルキルまたはフェニル:R=HまたはO
H:m=0,1,2:z=1,2〕 〔R〜R=H、OH、脂肪族基または芳香族基:W
=二価の連結基:M〜M=Hまたはカチオン〕 【効果】 低補充化した水洗処理や安定化処理において
も水あかの発生を防止することができる。また、これら
の処理廃液は生分解性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法に関するものであり、特に水洗槽または
安定化槽に水あかが発生するのを防止した処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えばハロゲン化銀黒白写真感光材料は
露光後、現像−定着−水洗、次いで乾燥という工程で処
理されるが、このような処理に関しては近年環境保全の
問題や、水資源の問題が重要視されている。
【0003】このため、大量に(例えば感光材料1m2
り4〜20リットル)使用される水洗水を減少する方法
が提案されている。例えば水洗槽を多槽構成にして向流
水洗する技術としては、S. R. Goldwasser, "Water flo
w rate in immersion-Washing or motion picture fil
m, "J. SMPTE, 64,248〜253,May(19
55)が知られており、この方法はカラー写真感光材料
の自動現像機で一般的に適用されている。
【0004】また、X−レイ感光材料や印刷用感光材料
の自動現像機では処理する時間だけ水洗水の電磁弁が開
いて水洗水を供給して、少しでも節水しようとする装置
上の工夫が一般化されつつある。
【0005】これらシート状の黒白感光材料をローラ搬
送して処理する自動現像機では、一槽式か、これに予備
水洗槽をつけたものか、あるいは高々2槽式の水洗槽と
して、感光材料1m2当り0.5リットルより多い水洗水
補充量とする水洗方式を採らざるを得ない。
【0006】ところで、水洗槽内にて、水洗水が滞留す
ると、水あかが発生し、2、3週間もすると、機壁がぬ
るつき藻状物を生じたりする。また、自動現像機を停止
し数日間放置すると浮遊物が発生しついには感光材料に
付着したり、またフィルターの目づまりを引き起したり
する。
【0007】このため、定期的にこれらを除去するため
に水洗槽やローララックを洗浄しなくてはならない。
【0008】そして、ローラ搬送系では、水あかが一旦
発生すると、搬送機構部品が多いため、ローラ、ギヤ、
ラックの洗浄はきわめて大変な作業となる。
【0009】そこで、水あか低減のため、キレート剤を
水洗水に添加することが提案されている(特開昭61−
2149号、特開昭62−153952号、特公平2−
3977号等)。しかし、キレート剤だけでは充分に水
あかの発生を防止することができない。
【0010】一方、ジアルデヒド系化合物を適用するこ
と〔 Research Disclosure 20526 (May, 1981)、特公平
2−3977号等〕や、カチオン界面活性剤を適用する
こと(特願平2−287606号等)、両性界面活性剤
を適用すること(特願平2−409729号等)も提案
されている。
【0011】また、本出願人は、さらに水あか防止の効
果を向上させるものとして、ジアルデヒド化合物とキレ
ート剤とを併用することを提案している(特願平3−3
49906号、特願平4−327984号)。ここで用
いられているキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTP
A)、ニトリロ三酢酸(NTA)などのアミノポリカル
ボン酸系の化合物やアミノポリホスホン酸系の化合物で
ある。
【0012】これらのキレート剤をはじめ、一般に汎用
されているキレート剤は生分解性が悪く、これらの処理
廃液を含む廃液を、例えば都市下水の端末処理に用いら
れている活性汚泥法により処理すると分解しにくいとい
う問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生分
解性に優れた薬品を用い、水洗槽や安定化槽における補
充液量を低減したときでも、水あかの発生を防止するこ
とができるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の構成によって達成される。 (1) 自動現像機を用いて、ハロゲン化銀黒白写真感
光材料を少なくとも現像して定着する工程を含む工程で
処理したのち、水洗および/または安定化する工程で処
理する方法において、前記水洗処理に用いる水洗水およ
び/または安定化処理に用いる安定化液に、下記化4、
化5および化6で表わされるキレート剤のうちの少なく
とも1種以上と、ジアルデヒド系化合物、炭素数6以上
の直鎖のアルキル基を少なくとも1つ有するベタイン化
合物および炭素数8以上の直鎖アルキル基を少なくとも
1つ有する4級アンモニウム化合物のうちの少なくとも
1種以上とを含有させるハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】〔化4において、Rは水素原子またはヒド
ロキシ基を表わす。nは1または2を表わす。xは1、
2または3を表わし、yは0、1または2を表わし、x
+yは3である。化5において、R0 は水素原子または
ヒドロキシ基を表わす。mは0、1または2を表わす。
zは1または2を表わす。Aは水素原子、アルキル基ま
たはフェニル基を表わす。化6において、R1 、R2
3 、R4 、R5 およびR6 はそれぞれ水素原子、脂肪
族基、芳香族基またはヒドロキシ基を表わす。Wは炭素
原子を含む二価の連結基を表わす。M1 、M2 、M3
よびM4 はそれぞれ水素原子またはカチオンを表わ
す。〕 (2) 前記水洗水および/または安定化液に、ジアル
デヒド系化合物のうちの少なくとも1種以上を含有させ
るとき、ジアルデヒド系化合物のうちの少なくとも1種
以上を含有し、かつpH0.5〜6.0の溶液として添
加する上記(1)のハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法。 (3) 前記水洗水および/または安定化液に、ジアル
デヒド系化合物のなかのジアルデヒド系重亜硫酸塩付加
物のうちの少なくとも1種以上を含有させるとき、水洗
水および/または安定化液のpHが7〜9である上記
(1)または(2)のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法。
【0019】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0020】本発明は、自動現像機(以下、「自現機」
ということもある。)を用いて実施するものであり、主
にX−レイ感光材料や印刷用感光材料のような黒白感光
材料の処理に適用される。
【0021】この場合、水洗水や安定化液には水あか防
止剤として化4〜化6で表されるキレート剤のうちの少
なくとも1種とジアルデヒド系化合物、ベタイン化合物
および4級アンモニウム化合物のうちの少なくとも1種
以上とを併用する。これにより、これら処理液の補充量
が少ないときであっても水あかの発生を防止することが
できる。
【0022】これら処理液の補充液量が少なくなると、
処理廃水の公害負荷が大きくなるが、本発明では生分解
性に優れたキレート剤を用いているので、例えば活性汚
泥法によって廃液を処理するとき、その処理が容易にな
る。従来、汎用されているアミノポリカルボン酸系の化
合物やアミノポリホスホン酸系の化合物は生分解性が悪
いことが問題となっていたが、本発明はこれを解決する
ものである。本発明に用いられるキレート剤は化4〜化
6で表わされる化合物である。
【0023】化4について説明すると、Rは水素原子ま
たはヒドロキシ基を表わす。xは1〜3の整数、yは0
または1〜2の整数を表わし、x+y=3の関係にあ
る。また、nは1〜2の整数を表わす。化4で表わされ
るキレート剤の具体例を以下に示す。
【0024】
【化7】
【0025】これも含め、特開平3−180842号に
記載の化合物も例示することができる。また、合成法に
ついては、この記載を参照することができる。
【0026】次に、化5について記すと、R0 は水素原
子またはヒドロキシ基を表わす。mは0または1〜2の
整数を表わし、zは1〜2の整数を表わす。Aは水素原
子、アルキル基またはフェニル基を表わす。
【0027】Aで表わされるアルキル基は、置換されて
いてもよく、アルキル基部分の炭素数は1〜3であるこ
とが好ましく、置換基を有する場合の置換基としては、
カルバモイル基(無置換カルバモイル基、モノアルキル
置換カルバモイル基等)、アミノ基(メチルスルホニル
アミノ基等)、アルキルチオ基、複素環基(チアゾール
基等)などが挙げられる。また、フェニル基は置換され
ていてもよく、置換基を有する場合の置換基としてはヒ
ドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、ヒドロキシ
アルキル基などが挙げられる。化5で表わされるキレー
ト剤の具体例を以下に示す。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】なお、このほか、化5で表わされるキレー
ト剤の具体例については特願平4−180611号を参
考にすることができる。また、合成法についてもこれを
参照することができる。
【0032】次に、化6で表わされるキレート剤につい
て述べる。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
表わされる脂肪族基は直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基またはアルキニル基であり、炭素数1
ないし10のものが好ましい。脂肪族基としてはより好
ましくはアルキル基であり、さらに炭素数1ないし4の
アルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ま
しい。
【0033】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
で表わされる芳香族基としては、単環または2環のアリ
ール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げら
れ、フェニル基がより好ましい。
【0034】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
で表わされる脂肪族基、芳香族基は置換基を有していて
もよく、例えばアルキル基(例えばメチル、エチル)、
アラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケニル基
(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフェニ
ル、p−メチルフェニル)、アミノ基(例えばジメチル
アミノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、
スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミ
ノ)、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基(例
えばフェニルオキシ)、スルファモイル(例えばメチル
スルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(メチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、スルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル基
(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、シ
アノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリー
ルオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニ
ル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アル
コキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、ア
シルオキシ基(例えばアセトキシ)、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基な
どが挙げられ、可能な場合にはその解離体または塩であ
ってもよい。
【0035】上記置換基で炭素原子を有する場合、好ま
しくは炭素数1ないし4のものである。
【0036】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
として好ましくは水素原子またはヒドロキシ基であり、
水素原子がより好ましい。
【0037】Wで表わされる二価の連結基は好ましくは
下記一般式(W)で表わすことができる。
【0038】一般式(W) −(W1 −D)u −(W2v
【0039】式中、W1 およびW2 は同じであっても異
なっていてもよく、炭素数2から8の直鎖または分岐の
アルキレン基(例えばエチレン、プロピレン)、炭素数
5から10のシクロアルキレン基(例えば1,2−シク
ロヘキシレン)、炭素数6から10のアリーレン基(例
えば0−フェニレン)、炭素数7から10のアラルキレ
ン基(例えば0−キシレニル)またはカルボニル基を表
わす。Dは−O−、−S−、−N(RW )−、二価の含
窒素ヘテロ環基を表わす。RW は水素原子または−CO
OMa 、−PO3b 、Mc 、−OHもしくは−SO3
d で置換されてもよい炭素数1から8のアルキル基
(例えばメチル)もしくは炭素数6から10のアリール
基(例えばフェニル)を表わす。Ma 、Mb 、Mc およ
びMd はそれぞれ水素原子またはカチオンを表わす。カ
チオンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナ
トリウム、カリウム)、アンモニウム(例えばアンモニ
ウム、テトラエチルアンモニウム)やピリジニウムなど
を挙げることができる。Wで表わされる連結基は置換基
を有していてもよく、置換基としては例えばR1 からR
4 の置換基として挙げたものが適用できる。
【0040】二価の含窒素ヘテロ環基としてはヘテロ原
子が窒素である5または6員環のものが好ましく、イミ
ダゾリル基のように隣接した炭素原子にてW1 およびW
2 と連結しているものがさらに好ましい。
【0041】W1 およびW2 としては炭素数2から4の
アルキレン基が好ましい。
【0042】uは0から3の整数を表わし、uが2また
は3のときにはW1 −Dは同じであっても異なっていて
もよい。uは0から2が好ましく、0または1がさらに
好ましく、0が特に好ましい。vは1から3の整数を表
わし、vが2または3のときにはW2 は同じでも異なっ
てもよい。vは好ましくは1または2である。Wの具体
例としては例えば以下のものが挙げられる。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】化6において、M1 、M2 、M3 およびM
4 で表わされるカチオンとしては、アルカリ金属(例え
ばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム
(例えば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)
やピリジニウムなどを挙げることができる。
【0046】化6で表わされるキレート剤の具体例を以
下に示す。
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】化6で表わされるキレート剤の具体例につ
いては、特願平4−129769号を参考にすることが
できる。また、合成法については、特開昭63−199
295号、特開平3−173857号等を参照すること
ができる。
【0050】化4〜化6のキレート剤は、Mg2+との安
定度定数(log KML)が4〜20のものである。また、
化4〜化6のキレート剤は修正SCAS試験法による分
解性で示すと70%以上となり、生分解性に優れるもの
である。
【0051】これらのキレート剤は1種のみで用いても
2種以上を併用してもよい。水洗水あるいは安定化液へ
の添加量は、1リットル当り0.005〜5g 、好まし
くは0.01〜1g とすればよい。このような量とする
ことによって、水中の金属イオンを捕集する能力が充分
となり、水あかの発生を防止することができる。
【0052】化4〜化6で表わされるキレート剤ととも
に用いられるジアルデヒド系化合物、ベタイン化合物、
4級アンモニウム化合物について説明する。
【0053】このなかで、ジアルデヒド系化合物は、化
15、化16で表わされるものが好ましい。
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】化15、化16において、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アルコキシ基であって、お互いに同じであっても異
なってもよい。
【0057】r、s、tは0、1、2、3の整数であ
る。Mは水素原子、アンモニウム、アルカリ金属を表わ
す。アルカリ金属はLi、Na、Kである。
【0058】ジアルデヒド系化合物として、具体的に
は、グルタルアルデヒド、α−メチルグルタルアルデヒ
ド、β−メチルグルタルアルデヒド、マレインジアルデ
ヒド、サクシンジアルデヒド、メトキシサクシンジアル
デヒド、メチルサクシンジアルデヒド、α−メトキシ−
β−エトキシグルタルアルデヒド、α−n−ブトキシグ
ルタルアルデヒド、α,α−ジメトキシサクシンジアル
デヒド、β−イソプロピルサクシンジアルデヒド、α,
α−ジエチルサクシンジアルデヒド、ブチルマレインジ
アルデヒド、またはこれらの重亜硫酸塩付加物等が挙げ
られる。これらの中で最も好ましい化合物はグルタルア
ルデヒドまたはこの重亜硫酸塩付加物である。
【0059】本発明で用いるベタイン化合物は炭素数6
以上の直鎖アルキル基を少なくとも1つ有するベタイン
化合物であるが、その中でも化17または化18で表わ
される化合物が好ましく用いられる。炭素数を6以上と
するのは、炭素数を6未満とすると水あかを防止する効
果が十分に得られないからである。
【0060】
【化17】
【0061】
【化18】
【0062】化17、化18において、R11、R12、R
13はそれぞれアルキル基(このアルキル基は置換されて
いるものも含む。またアルキル鎖の途中が酸素原子、フ
ェニレン基、アミド基、シリコーン原子で連結されてい
るものも含む)を表す。R11、R12、R13の総炭素数は
40以下である。
【0063】R11、R12、R13は互いに結合してNを含
む環を形成してもよい。
【0064】R11、R12、R13の好ましい例をしては、
メチル基、エチル基、オクチル基、ヘキサデシル基、オ
クタデシル基、−CH2 CH2 OH、−(CH2 CH2
O)iH(iは2〜10の整数である)、R14−Ph−
OCH2 CH(OH)CH2−、R15−CONH(CH2
3 −、R16SO2 NH2 CH2 CH2 −、Ph−C
2 −、R17−Ph−CH2 −、(Phはフェニル基ま
たはフェニレン基を表わす。R14、R15、R16、R17
炭素数1〜18のアルキル基を表わす)などが挙げられ
る。
【0065】Lは二価の連結基を表わす。好ましい例と
しては−(CH2j −(jは1〜6である)である。
【0066】また、本発明のベタイン化合物の他の好ま
しい例としてはジメチルポリシロキサン(シリコーンオ
イル)の側鎖に、化19、化20の基が結合した化合物
を挙げることができる。
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】化19、化20において、R12、R13、L
は、化17、化18におけるものと同義である。以下に
ベタイン化合物の好ましい具体例を挙げる。
【0070】
【化21】
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】本発明で用いる4級アンモニウム化合物は
炭素数8以上の直鎖アルキル基を少なくとも1つ有する
4級アンモニウム塩であるが、その中でも化24で表わ
される化合物が好ましく用いられる。炭素数を8以上と
するのは炭素数が8未満となると水あかを防止する効果
が十分に得られないからである。
【0074】
【化24】
【0075】化24において、R21は2価の連結基を表
わす。A1 は水素原子または化25で表わされる基を表
わす。R22、R23、R24はそれぞれアルキル基(このア
ルキル基は置換されているものを含む。またアルキル鎖
の途中が酸素原子、フェニレン基、アミド基、シリコン
原子で連結されているものを含む)を表す。R21
22、R23、R24の総炭素数はA1 が水素原子の場合は
40以下であり、A1 が化25の基
【0076】
【化25】
【0077】の場合は、R21、R22、R23、R24の総炭
素数は45以下である。X- はアニオンを表わす。
【0078】R21の好ましい例としては、−(CH2
e −(ここでeは1〜10の整数である)を挙げること
ができる。
【0079】R22、R23、R24の好ましい例としては、
メチル基、エチル基、オクチル基、ヘキサデシル基、オ
クタデシル基、−CH2 CH2 OH、−(CH2 CH2
O)f H(fは2〜10の整数を表わす)、化26の基
【0080】
【化26】
【0081】(化26において、R25は炭素数6〜16
のアルキル基を表わす)、R26−CONH(CH23
−(ここで、R26は炭素数7〜17のアルキル基を表わ
す)、化27の基
【0082】
【化27】
【0083】(化27において、 R27は水素原子また
は炭素数1〜16のアルキル基を表わす)、−CH2
ONHCH2 CH2 OH、−(CH23 −Si−(C
33 、−(CH23 −Si−(OCH33 など
が挙げられる。
【0084】Xの好ましい例としては、塩素イオン、臭
素イオン、沃素イオン、p−トルエンスルホン酸イオン
を挙げることができる。
【0085】また、本発明の4級アンモニウム塩の他の
好ましい例としては、シリコーン油の側鎖に化25の基
が結合した化合物を挙げることができる。以下に、4級
アンモニウム化合物の具体例を示す。
【0086】
【化28】
【0087】
【化29】
【0088】ジアルデヒド系化合物、ベタイン化合物、
4級アンモニウム化合物は、各々の化合物のなかの1種
を用いても2種以上を併用してもよい。また、異種化合
物間で2種以上を併用してもよい。
【0089】なかでも、ジアルデヒド系化合物を用いる
ことが好ましい。また、ベタイン化合物と4級アンモニ
ウム化合物との併用なども好ましい。
【0090】ジアルデヒド系化合物を水洗水または安定
化液に添加する場合の添加量は、1リットル当り0.0
05〜1g 、好ましくは0.01〜0.5g とすればよ
い。そして、特に、ジアルデヒド重亜硫酸塩付加物を用
いるとき、水洗水、安定化液のpHを7〜9とすること
が好ましい。このようなpHとすることによりジアルデ
ヒド系重亜硫酸塩付加物が解離してフリーのジアルデヒ
ド系化合物となる。pHが低いと、例えば濃厚液キット
として保存する間中は重亜硫酸塩付加物のままで存在し
て安定であるが、水あか防止効果が得られない。このよ
うな使い方で特開昭57−97530号とは異なる。
【0091】また、ベタイン化合物の添加量は、水洗水
または安定化液1リットル当り3mgから溶解度まで、好
ましくは5mgから500mgとするのがよい。
【0092】4級アンモニウム化合物の添加量は、水洗
水または安定化液1リットル当り3mgから溶解度まで、
好ましくは5mgから500mgがよい。
【0093】なお、ジアルデヒド重亜硫酸塩付加物以外
のジアルデヒド系化合物、ベタイン化合物、4級アンモ
ニウム化合物を添加する場合の水洗水、安定化液のpH
には特に制限はないが、通常pH2〜9とする。
【0094】ジアルデヒド系化合物とキレート剤による
水あか防止効果は、両者を適量使用して得られるもので
ある。すなわち、ジアルデヒド系化合物も多量に使用す
れば水あか防止効果は得られるが、廃液の公害負荷、安
全性を考慮すると多量に使用することはできず、一方キ
レート剤のみでは充分な効果が得られない。
【0095】また、ベタイン化合物や4級アンモニウム
化合物とキレート剤との併用による効果は、使用する系
(定着液持込み量、Al含有量、ローラー形態など)に
もよるが、化17、化18のベタイン化合物におけるR
11、R12、R13、あるいは化24の4級アンモニウム化
合物におけるR22、R23、R24の炭素数が13以上とな
ると水洗水や安定化液中で白ダクしたり、水洗槽ローラ
ーに付着物を生じたりするので、このような場合におい
て発揮される。すなわち、白ダクや付着物の発生を防止
することによって水あかの発生を防止することができ
る。
【0096】特に、定着液中に硬膜剤としてアルミニウ
ム塩が使用されたときには、水洗水または安定化液中
に、処理される感光材料(フィルム等)によって持ち込
まれたアルミニウム塩が白ダク、沈澱を生じることがあ
るので、とりわけキレート剤がその抑制にも効果を発揮
して好ましい。
【0097】本発明において、キレート剤と上記化合物
とを水洗水または安定化液に添加するときの添加の順序
および方法などには特に制限はない。キレート剤と上記
化合物とは別々に添加しても同時に添加してもよい。ま
た、すべて固体状態で添加しても、液体状態で添加して
もよい。さらには一方のみを固体状態で添加し、他方を
液体状態で添加することもできる。
【0098】また、使用する水洗水や安定化液に事前に
混合したり、直接水洗槽や安定化槽に添加してもよい。
また自現機の稼働の終了時に水洗槽や安定化槽に添加し
てもよい。
【0099】また、感光材料を処理する毎に自現機水洗
槽や安定化槽または水洗水や安定化液に一定の割合で添
加してもよい。さらには、自現機が稼働中、感光材料の
処理をしているときでも処理していないときでも一定の
割合で添加してもよい。また、自現機の待機中と感材の
処理中とで添加量や添加頻度をかえてもよく、待機中に
添加量や添加頻度を多くしたり、感材の処理中に少なく
してもよい。さらには、水洗浴または安定化浴を循環ポ
ンプを使用して攪拌し、キレート剤と上記化合物が浴中
に均一に存在するようにすることはより好ましい。
【0100】このようななかでも、添加方法としては液
状添加が好ましく、キレート剤と上記化合物とを含有す
る溶液を添加する方が操作上好ましいが、キレート剤を
含有する溶液と上記化合物を含有する溶液とを別々に添
加してもよい。
【0101】このような溶液(「水あか防止剤」とい
う。)におけるキレート剤の濃度は10〜200g/l 、
好ましくは20〜100g/l とする。キレート剤と併用
する化合物の濃度は、ジアルデヒド系化合物の場合1〜
200g/l 、特に5〜100g/l であることが好まし
い。またベタイン化合物、4級アンモニウム化合物の場
合は、1〜100g/l 、好ましくは5〜50g/l とすれ
ばよい。
【0102】このなかで、好ましく用いられるジアルデ
ヒド系化合物の場合は、水あか防止剤のpHを0.5〜
6.0、さらには2〜5.5とすることが好ましい。こ
の場合、キレート剤とジアルデヒド系化合物とを含有す
る1液型の水あか防止剤とするときは、このもののpH
を上記範囲とし、また、別々に含有させた2液型の水あ
か防止剤とするときは、ジアルデヒド系化合物を含有す
る水あか防止剤を上記範囲のpHとすればよい。このよ
うなpH範囲とすることにより、ジアルデヒド系化合物
を含む水あか防止剤のキット安定性が充分である上に水
あか防止の効果が充分に得られる。これに対し、pHが
高くなるとジアルデヒド系化合物のキット中での安定性
が悪く、水あか防止剤として使用しようとするときに
は、充分な水あか防止能を発揮しなくなる。
【0103】ジアルデヒド系化合物を含有しない水あか
防止剤であるときの水あか防止剤のpHには特に制限は
ないが、通常1〜9とする。なお、pHの調整はNaO
H等の添加によって行えばよい。
【0104】また、ベタイン化合物、4級アンモニウム
化合物を用いるとき、水あか防止剤中には消泡作用を有
するポリエチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤を使
用してもよい。
【0105】本発明において、水あか防止剤の添加を実
施する自現機の水洗処理部の一構成例が図1に示されて
いる。図1の水洗処理部は、水あか防止剤を添加すると
ともに、使用済みの水洗水、例えばオーバーフロー液を
水洗槽とは異なる別槽に貯留し、この槽で酸化処理して
排水するものである。この酸化処理により、特に水洗水
量を少なくしたとき処理廃液のCOD等を低くすること
ができる。
【0106】図1に示すように、水洗処理部1は、水洗
水Wを満たした水洗タンク(水洗槽)11を有する。こ
の水洗タンク11において、例えば現像、定着処理した
後の黒白感光材料を水洗処理する。
【0107】水洗タンク11には、バルブ31あるいは
バルブ32を介して水道水源15から水が供給されるよ
うになっている。バルブ31は大量の水を供給するとき
に用いるものであり、バルブ32は少量の水を供給する
ときに用いるものである。
【0108】また、水洗処理部1は、上記の液状の水あ
か防止剤120が収納されたタンク12を有し、このタ
ンク12からポンプ21を介して水洗タンク11内に水
あか防止剤120が供給される構成となっている。そし
て、水洗タンク11には、タンク11内の水洗水Wを循
環する循環ポンプ23が設置されている。この循環ポン
プ23は、水あか防止剤120が供給されたとき、一定
時間、水洗水Wを攪拌するものである。
【0109】さらに、水洗タンク11のオーバーフロー
口11aあるいはバルブ33を介し、水洗タンク11か
ら排出された液140を貯留するストックタンク(貯留
槽)14が設置されている。
【0110】また、酸化剤を含有する溶液130が収納
された13が設置されており、タンク13からストック
タンク14内にポンプ22を介して溶液130が供給さ
れる構成となっている。
【0111】ストックタンク14内の液140は、オー
バーフロー口14aあるいはバルブ34を介して排出さ
れるようになっている。
【0112】次に、図1の構成の水洗処理部1の使用法
等を、図2に示すタイミングチャートを参考にして述べ
る。
【0113】まず、処理を開始するに際し、自現機本体
の電源をオンにする。これと同時に、水洗タンク11に
は水道水源15から大量水供給用バルブ31を介して必
要量の水が供給される。このとき、ほぼ同時に水あか防
止剤120がタンク12内からパルスポンプ等である注
入ポンプ21を介して所定量供給されて、水洗水Wが水
洗タンク11内に満たされる。この水あか防止剤120
の供給直後において、所定時間(1〜5分程度)、循環
ポンプ23の作動により水洗水Wを攪拌することが好ま
しい。この攪拌は供給開始の時点から行うこともでき
る。
【0114】この状態で、感材の処理が行われる(運転
信号)。
【0115】この感材の処理量に応じて、水道水源15
から少量水供給用バルブ32を介して水が補充され、水
あか防止剤120が水洗タンク11内に、例えばノズル
から水をかぶりながら、水の補充とともに所定量添加さ
れる。
【0116】一方、感材の処理量に応じて、水洗水Wが
補充されるとともに、水洗タンク11からオーバーフロ
ーされ、オーバーフロー液がストックタンク14内に一
定量貯留すると、タンク13から酸化剤溶液130がス
トックタンク14内に所定量供給される。この酸化剤溶
液130の供給は、貯留量が所定量に達したとき、ある
いは所定量増加したとき行われる。
【0117】このような操作を感材の処理中にて行う。
【0118】そして、感材の処理を終了し、自現機本体
の電源をオフにする。
【0119】このとき、ほぼ同時に、水洗タンク11か
らバルブ33を介して水洗タンク11内の水洗水Wは排
出され、ストックタンク14内に貯留する。ストックタ
ンク14内に水洗水Wの排水が貯留すると、タンク13
から酸化剤溶液130が所定量供給される。酸化剤溶液
130が添加されて酸化反応が十分進行した段階でスト
ックタンク14から液140をバルブ34を介して排水
する。
【0120】さらに、水洗タンク11には、洗浄のた
め、水道水源15からバルブ33を介して水が供給さ
れ、上記と同様にストックタンク14内に水洗水Wの排
水が貯留することになる。この排水には上記と同様の酸
化処理がなされ、排水が行われる。
【0121】その後、水洗タンク11に、洗浄のため、
再度水が供給されるが、このときストックタンク14内
に貯留する液140は、処理剤成分も水あか防止剤もほ
とんど含有されない状態の水となるので、酸化剤の添加
は行わなくてもよい。そして、その後、ストックタンク
14から排水する。
【0122】なお運転を終了するにあたり、感材の処理
量によっては、すでにストックタンク14内の液量がほ
ぼタンク容量に達しているときがある。このときは、酸
化剤の溶液を添加してから酸化反応が十分進行するよう
に0.5〜5時間程度静置して排水すればよく、その後
水洗タンクの水抜きを行うようにすればよい。また、自
現機の運転を終了したのちにおいて水洗タンク内に水洗
水を満たした状態とするときには、この間中、水あか防
止剤120を所定量、所定時間、所定時間間隔で添加す
ることが好ましい。
【0123】上記において、水あか防止剤120の1回
当たりの添加量は、水とともに供給する場合、前述のよ
うに水洗水W中の水あか防止剤120中の薬品の濃度が
一定範囲となるようにすればよい。また、これにかえ
て、前述のように、所定時間間隔で添加してもよく、こ
の場合の1回当たりの添加量は、0.5〜10ml、好ま
しくは1〜5mlとすればよく、この添加量を0.2〜5
分程度の時間で添加するようにすればよい。また、この
ときの添加の時間間隔は5〜30分程度とする。さら
に、前述のように感材の処理量に応じて1回当たりの添
加量あるいは時間間隔を変更してもよい。例えば、感材
の処理頻度が少ないとき、あるいは単に水洗タンクに水
洗水を満たしておくときなどには、添加量を増加した
り、時間間隔を短くしたりすることが好ましい。
【0124】上記における酸化剤溶液130の1回当た
りの添加量は、酸化剤の種類、濃度によっても異なる
が、5〜500ml、好ましくは5〜300mlとすればよ
く、感材の処理量等に応じて生ずる排水1リットルに対
し、3〜300mlの添加量とすればよい。また、酸化剤
添加終了後、酸化反応を十分進行させるため、0.5〜
5時間程度静置して排水することが好ましい。
【0125】このような構成とすることによって、水洗
タンク内の水あかを防止することができる。また、スト
ックタンク内から排水される廃水のCODは130〜2
50ppm となり、公害負荷の減少したものとなる。さら
には、硫化銀の生成による水洗タンク部材や感材の汚染
も生じることはない。
【0126】また、水あか防止剤120を収納する容器
12は、容器12内の水あか防止剤120の残量を検知
する、例えばフロート式レベルセンサーまたは重量セン
サーを具備するものなどとすればよく、水あか防止剤1
20の供給を水あか防止剤120の残量を検知しながら
行うことが好ましい。これについては特願平4−290
798号の記載を参照することができる。
【0127】以上においては、水あか防止剤を直接水洗
タンクに供給するものとしたが、前述のように所定量の
水あか防止剤を水洗水に含有させ、この水洗水を水洗タ
ンクに供給するものとしてもよい。
【0128】また、酸化処理は、酸化剤の添加のみなら
ず、ストックタンク14内で電解酸化する方法によって
もよい。
【0129】なお、水洗水の補充量が0であるときは、
処理が終了して自現機の運転を停止した時点で水洗タン
クの水抜きを行い、その後は前記と同様の操作を行えば
よい。また、補充量が0のときの水あか防止剤の添加
は、水洗タンク中の水洗水1リットル当たり0.5〜2
0ml、好ましくは1〜10mlとすればよい。
【0130】本発明に用いる酸化剤の溶液は、H22
の溶液、NaClOなどの次亜塩素酸塩の溶液等が好ま
しい。これらの酸化剤は、酸化能力、廃水の毒性、安全
性上好ましいからである。また、NaClO溶液等にお
いては炭酸塩と併用することが好ましい。
【0131】H22 溶液は0.1〜30%、好ましく
は0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%の濃度
とすればよい。また、次亜塩素酸塩の溶液であるNaC
lO溶液は有効塩素濃度0.1〜6%、好ましくは0.
5〜6%、さらに好ましくは1〜6%とすればよい。こ
れについても特願平4−290798号の記載を参照す
ることができる。
【0132】本発明における水洗水、安定化液の補充量
は、感材1m2当り0〜15リットル、さらには0〜8リ
ットル、特には0〜5リットルとすることが好ましい。
特に0〜3リットルのような節水水洗においても水あか
の発生を防止することができる。
【0133】なお、自動現像機において、定着液の水洗
槽または安定化浴への持ち込み量は、処理する感光材料
の種類、処理液の温度等の条件により異なるが、通常
は、処理する感光材料1m2当り5〜50ml、特に、7〜
30mlが好ましい。
【0134】現像液の定着槽への持ち込み量および定着
液の水洗槽または安定化浴への持ち込み量をより少なく
するために、隣接する処理槽間に予備水洗槽や水洗水シ
ャワー等を設け、予備水洗を行う構成とすることもでき
る。
【0135】また、定着槽には電解法を利用した銀回収
装置を連結して適宜定着液内の銀を回収し、定着液中の
銀濃度を例えば1g/l 以下に維持しながら処理すること
が好ましい。
【0136】次に、本発明において代表的に使用される
処理液として、現像液、定着液および水洗水(安定化
液)について説明する。
【0137】本発明において、現像液に用いる現像主薬
には、良好な性能を得やすいという点で、ジヒドロキシ
ベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組合
せ、またはジヒドロキシベンゼン類とp−アミノフェノ
ール類の組合せが好ましい。また、アスコルビン酸類を
ハイドロキノン類の代替として用いてもよい。
【0138】本発明に用いるジヒドロキシベンゼン系現
像主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノ
ン、ブロムハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロ
キノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジ
ブロムハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノ
ンなどがあるが、特にハイドロキノンが好ましい。
【0139】本発明に用いるp−アミノフェノール系現
像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、
p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)
−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノール、p
−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかでもN−
メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0140】本発明に用いる3−ピラゾリドン系現像主
薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−
ピラゾリドン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル4−メチル
−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがあ
る。
【0141】現像主薬は、通常0.001〜1.2モル
/リットルの量で用いられるのが好ましい。
【0142】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、
亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫
酸カリウムなどがある。亜硫酸塩は、0.2モル/リッ
トル以上、特に0.4モル/リットル以上が好ましい。
また、上限は2.5モル/リットルとするのが望まし
い。
【0143】現像で用いる現像液のpHは、8.5〜1
3の範囲のものが好ましく、より好ましくはpH9〜1
2である。
【0144】pHの設定のために用いるアルカリ剤に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸
カリウムのようなpH調整剤を含む。
【0145】特開昭62−186259号(ホウ酸
塩)、特開昭60−93433号(例えば、サッカロー
ス、アセトオキシム、5−スルホサルチル酸)、リン酸
塩、炭酸塩などの緩衝剤を用いてもよい。
【0146】また、上記現像液には硬膜剤を用いてもよ
い。この硬膜剤としては、ジアルデヒド系硬膜剤または
その重亜硫酸塩付加物が好ましく用いられるが、その具
体例を挙げれば、グルタルアルデヒド、またはこの重亜
硫酸塩付加物などがある。
【0147】上記成分以外に用いられる添加剤としては
臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムのような
現像抑制剤:エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、
メチルセロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノー
ル、メタノールのような有機溶剤:1−フェニル−5−
メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンツイミダ
ゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系
化合物、5−ニトロインダゾール等のインダゾール系化
合物、5−メチルベンツトリアゾール等のベンツトリア
ゾール系化合物などのカブリ防止剤を含んでもよく、Re
search Disclosure 第176巻、No.17643、第XXI 項
(1978年、12月号)に記載された現像促進剤や、さらに
必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化
剤、特開昭56−106244号記載のアミノ化合物な
どを含んでもよい。
【0148】本発明においては、現像液に銀汚れ防止
剤、例えば特開昭56−24347号に記載の化合物を
用いることができる。
【0149】また、現像液には、特開昭56−1062
44号、ヨーロッパ公開特許0136582号に記載の
アルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いることが
できる。
【0150】定着液は定着剤としてチオ硫酸塩を含む水
溶液であり、pH3.8以上、好ましくは4.0〜7.
0を有する。さらに好ましくはpH4.2〜5.5であ
る。
【0151】定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムなどがあるが、定着速度の点からチオ
硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適
宜変えることができ、一般には約0.1〜約3モル/リ
ットルである。
【0152】定着液には、硬膜剤として作用する水溶性
アルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩
化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどが
ある。本発明の方法は定着液中にアルミニウム塩を含ん
だ方がより好ましい。
【0153】定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン
酸、りんご酸、グリコール酸、あるいはそれらの誘導体
を単独で、あるいは2種以上、併用することができる。
これらの化合物は定着液1リットルにつき0.01モル
/リットル〜0.3モル/リットルが特に有効である。
【0154】定着液には所望により保恒剤(例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼
酸)、pH調整剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のある
キレート剤や特開昭62−78551号記載の化合物を
含むことができる。
【0155】本発明に使用する水洗水は、水洗槽に供給
する前に前処理として、フィルター部材やまたは活性炭
のフィルターを通して、水中に存在するゴミや遊離塩素
および有機物質を除去すると一層、好ましいことがあ
る。
【0156】本発明の化合物は、水洗水、あるいは種々
の添加剤を含有する安定化液と称される水洗水にも、防
ばい手段として有効である。
【0157】防ばい手段として知られている、特開昭6
0−263939号に記された紫外線照射法、同60−
263940号に記された磁場を用いる方法、同61−
131632号に記されたイオン交換樹脂を用いて純水
にする方法、特開昭62−115154号、同62−1
53952号、同62−220951号、同62−20
9532号に記載の防菌剤を用いる方法を併用すること
ができる。
【0158】さらには、M.W.Beach,"Microbiological G
rowths in Motion-picture Processing" SMPTE Journal
Vol. 85(1976)、R.O.Deegan,"Photo Processi
ng Wash Water Biocides"J.Imaging Tech.Vol.10,N
o. 6(1984)および特開昭57−8542号、同
57−58143号、同58−105145号、同57
−132146号、同58−18631号、同57−9
7530号、同57−157244号などに記載されて
いる防菌剤、防ばい剤、界面活性剤などを必要に応じ併
用することもできる。
【0159】さらに、水洗浴(あるいは安定化浴)に
は、必要に応じ、R.T.Kreiman 著、J.Image.Tech.Vol.
10,(6)242頁(1984)に記載されたイソチ
アゾリン系化合物、Research Disclosure 第205巻、
No. 20526(1981年、5月号)に記載されたイ
ソチアゾリン系化合物、同第228巻、No. 22845
(1983年、4月号)に記載されたイソチアゾリン系
化合物、特開昭62−209532号に記載された化合
物などを、防菌剤(Microbiocide)として、必要に応じ併
用することもできる。
【0160】その他、「防菌防ばいの化学」堀口博著、
三共出版(昭和57)、「防菌防ばい技術ハンドブッ
ク」日本防菌防ばい学会・技報堂(昭和61)に記載さ
れているような化合物を含んでもよい。
【0161】本発明の方法においては、特開昭63−1
8350号に記載のスクイズローラー洗浄槽を設けるこ
ともできる。また、特開昭63−143548号のよう
な水洗工程の構成をとることも好ましい。
【0162】さらに、本発明の方法で水洗ないし安定化
浴に防ばい手段を施した水を処理に応じて補充すること
によって生ずる水洗槽からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号に記載されて
いるようにその前の処理工程である定着能を有する処理
液に利用することは有効である。
【0163】上記の現像時間は、5秒から3分、好まし
くは8秒から2分であるが、その現像温度は18℃〜5
0℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。
【0164】本発明によれば定着温度と時間は約18℃
〜約50℃で5秒〜3分が好ましく、20℃〜40℃で
6秒〜2分がより好ましい。この範囲内で十分な定着が
でき、残色を生じない程度に増感色素を溶出させること
ができる。
【0165】水洗(ないし安定浴)の温度と時間は0〜
50℃で5秒〜3分が好ましく、10℃〜40℃で5秒
〜2分がより好ましい。
【0166】本発明によれば、現像、定着および水洗
(ないし安定化)された写真材料は水洗水をしぼり切
る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥
は約40℃〜約100℃で行なわれ、乾燥時間は周囲の
状態によって適宜変えられるが、通常は約5秒〜3分で
よく、特により好ましくは40〜80℃で約5秒〜2分
である。
【0167】本発明の処理システムでDry to Dryで10
0秒以下の現像処理をするときには、迅速処理特有の現
像ムラを防止するために特開昭63−151943号明
細書に記載されているようなゴム材質のローラを現像タ
ンク出口のローラに適用することや、特開昭63−15
1944号明細書に記載されているように現像液タンク
内の現像液攪拌のための吐出流速を10m/分以上にする
ことやさらには、特開昭63−264758号明細書に
記載されているように、少なくとも現像処理中は待機中
より強い攪拌をすることがより好ましい。
【0168】本発明の感光材料の処理方法には、写真感
光材料として、特に限定はなく、一般の黒白感光材料が
主として用いられる。特にレーザー光源用写真材料や印
刷用感材並びに、医療用直接撮影X−レイ感材、医療用
間接撮影X−レイ感材、CRT画像記録用感材マイクロ
フィルムなどに用いることもできる。
【0169】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶形を有する
いわゆるレギュラー粒子でもよく、また球状などのよう
な変則的な結晶形を持つもの、双晶面などの結晶欠陥を
持つもの、平板粒子あるいはそれらの複合形でもよい。
【0170】ハロゲン化銀の粒径は、狭い分布を有する
単分散乳剤でもよく、あるいは広い分布を有する多分散
乳剤でもよい。
【0171】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、公知の方法で製造でき、例えばResearch Disclosur
e、No. 17643(1978年12月)、22〜23
頁、"I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)"
および同、No. 18716(1979年11月)、64
8頁に記載の方法に従うことができる。
【0172】本発明に用いられる写真乳剤は、グラフキ
デ著「写真の化学と物理」、ポールモンテル社刊(P.Gla
fkides,Chemie et Physique Photographique Paul Mont
el.1967)、ダフイン著「写真乳剤化学」、フォー
カルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Ch
emistry (Focal Press,1966)、ゼリクマンら著
「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.
L.Zelikman et al,Makingand Coating Photographic Em
ulsion. Focal Press,1964)などに記載された方法
を用いて調製することができる。
【0173】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
成時には粒子の成長をコントロールするためにハロゲン
化銀溶剤として例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダン
アンモニウム、チオエーテル化合物(例えば米国特許第
3271157号、同3574628号、同37041
30号、同4297439号、同4276374号な
ど)、チオン化合物(特開昭53−144319号、同
53−82408号、同55−77737号など)、ア
ミン化合物(例えば特開昭54−100717号など)
などを用いることができる。
【0174】本発明においては、水溶性ロジウム塩や水
溶性イリジウム塩を用いることができる。
【0175】本発明における可溶性銀塩と可溶性ハロゲ
ン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合
法、それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。
【0176】粒子を銀イオン過剰の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される
液相中のpAg を一定に保つ方法、すなわちいわゆるコン
トロールド・ダブルジェット法を用いることができ、こ
の方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に
近いハロゲン化銀乳剤が与えられる。
【0177】本発明の方法で用いるハロゲン化銀乳剤は
化学増感していることが好ましい。化学増感する場合
は、通常のイオウ増感、還元増感、貴金属増感およびそ
れらの組合せが用いられる。
【0178】さらに具体的な化学増感剤としては、アリ
ルチオカルバミド(Allyl thiocarbamide) 、チオ尿素、
チオサルフェート、チオエーテルやシスチンなどの硫黄
増感剤;ポタシウムクロロオーレイト、オーラスチオサ
ルフェートやポタシウムクロロパラデート(Potassium c
hloro Palladate)などの貴金属増感剤:塩化スズ、フェ
ニルヒドラジンやレダクトンなどの還元増感剤などを挙
げることができる。
【0179】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
公知の分光増感色素によって必要に応じて分光増感され
る。用いられる分光増感色素としては例えばヘイマー
著、“ヘテロサイクリック・コンパウンズ−ザ・シアニ
ン、ダイズ・アンド・リレイティッド・コンパウン
ズ”,ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(1964年
刊)(F.M.Hamer,"Heterocyclic Compounds-The Cyanine
Dyes and Related Compounds",John Wiley & Sons(1
964)やスターマー著、“ヘテロサイクリック・コン
パウンズ−スペシャル、トピックス・イン・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー”,ジョン・ウイリー・アンド
・サンズ(1977年刊)(D.M.Sturmer."Heterocyclic
Compound-Special Topics in Heterocylic Chemistr
y",John Wiley &Sons(1977)・などに記載されて
いる、シアニン、メロシアニン、ロダシアニン、スチリ
ル、ヘミシアニン、オキソノール、ベンジリデン、ホロ
ポーラーなどを用いることができるが、特にシアニンお
よびメロシアニンが好ましい。
【0180】本発明で好ましく使用しうる増感色素とし
ては、特開昭60−133442号、同61−7533
9号、同62−6251号、同59−212827号、
同50−122928号、同59−1801553号等
に記載された一般式で表わされるシアニン色素、メロシ
アニン色素等が挙げられる。具体的には、特開昭60−
133442号の第(8)〜(11)頁、特開昭61−
75339号の第(5)〜(7)頁、第(24)〜(2
5)頁、特開昭62−6251号の第(10)〜(1
5)頁、特開昭59−212827号の第(5)〜
(7)頁、特開昭50−122928号の第(7)〜
(9)頁、特開昭59−180553号の第(7)〜
(18)頁等に記述されているスペクトルの青領域、緑
領域、赤領域あるいは赤外領域にハロゲン化銀を分光増
感する増感色素を挙げることができる。
【0181】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含窒素
異節環核機であって置換されたアミノスチルベン化合物
(例えば米国特許第2933390号、同363572
1号に記載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮
合物(例えば米国特許第3743510号に記載のも
の)、カドミウム、アザインデン化合物などを含んでも
よい。米国特許第3615613号、同3615641
号、同3617295号、同3635721号に記載の
組合せは特に有用である。
【0182】上記の増感色素はハロゲン化銀1モル当り
5×10-7モル〜5×10-2モル、好ましくは1×10
-5モル〜1×10-3モル、特に好ましくは2×10-6
5×10-4モルの割合でハロゲン化銀写真乳剤中に含有
される。
【0183】前記の増感色素は、直接乳剤層へ分散する
ことができる。また、これらはまず適当な溶媒、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソル
ブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒
などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することも
できる。また、溶解に超音波を使用することもできる。
また、前記の増感色素の添加方法としては米国特許34
69987号明細書などに記載されるように、色素を揮
発性の有機溶媒に溶解し、溶液を親水性コロイド中に分
散し、この分散物を乳剤中に添加する方法、特公昭46
−24185号などに記載のように、水不溶性色素を溶
解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物
を乳剤へ添加する方法、特公昭61−45217号に記
載のように、水不溶性色素を水系溶媒中にて機械的に粉
砕、分散させ、この分散物を乳剤へ添加する方法:米国
特許第3822135号明細書に記載のように、界面活
性剤に色素を溶解し、溶液を乳剤中へ添加する方法;特
開昭51−74624号に記載のようなレッドシフトさ
せる化合物を用いて溶解し、溶液を乳剤中へ添加する方
法;特開昭50−80826号に記載のように色素を実
質的に水を含まない酸に溶解し、溶液を乳剤中に添加す
る方法などが用いられる。その他、乳剤への添加には米
国特許第2912343号、同3342605号、同2
996287号、同3429835号などに記載の方法
も用いられる。また上記の増感色素は適当な支持体上に
塗布される前にハロゲン化銀乳剤中に一様に分散してよ
いが、勿論ハロゲン化銀乳剤の調製のどの過程にも分散
することができる。例えば化学増感時もしくはその前で
もよいし、米国特許第4183756号、同42256
66号に従ってハロゲン化銀粒子形成時またはその前後
でもよい。化学増感時もしくはその前または粒子形成時
やその前後に増感色素を添加すると増感色素がハロゲン
化銀へ強く吸着することが知られているが、本発明では
このような作り方をして、ハロゲン化銀乳剤を用いた感
材の残色も問題なく改良することができる。
【0184】上記の増感色素に、さらに他の増感色素を
組合せて用いることができる。例えば米国特許第370
3377号、同2688545号、同3397060
号、同3615635号、同3628964号、英国特
許第1242588号、同1293862号、特公昭4
3−4936号、同44−14030号、同43−10
773号、米国特許第3416927号、特公昭43−
4930号、米国特許第2615613号、同3615
632号、同3617295号、同3635721号な
どに記載の増感色素を用いることができる。
【0185】本発明に用いうる硬膜剤としては例えばア
ルデヒド化合物、米国特許3288775号等に記載さ
れている活性ハロゲンを有する化合物、米国特許第36
35718号等に記載されている反応性エチレン性不飽
和基を持つ化合物、米国特許第3091537号等に記
載されているエポキシ化合物、ムコクロル酸のようなハ
ロゲノカルボキシアルデヒド等の有機化合物が知られて
いる。中でもビニルスルホン型硬膜剤が好ましい。さら
には高分子硬膜剤も好ましく用いることができる。
【0186】高分子硬膜剤としては活性ビニル基、ある
いはその前駆体となる基を有するポリマーが好ましく、
中でも特開昭56−142524号に記載されているよ
うな、長いスペーサーによって活性ビニル基、あるいは
その前駆体となる基がポリマー主鎖に結合されているよ
うなポリマーが特に好ましい、上記の硬膜剤の添加量
は、使用する硬膜剤の種類やゼラチン種によって異な
る。
【0187】迅速処理においては、乳剤層および/また
はその他の親水性コロイド層中に現像処理工程において
流出するような有機物質を含有させることが好ましい。
流出する物質がゼラチンの場合は硬膜剤によるゼラチン
の架橋反応にかかわらないゼラチン種が好ましく、例え
ばアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチンなどがこれに
該当し、分子量は小さいものが好ましい。一方、ゼラチ
ン以外の高分子物質としては米国特許第3271158
号に記載されているようなポリアクリルアミド、あるい
はまたポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンな
どの親水性ポリマーを有効に用いることができ、デキス
トランやサッカロース、プルランなどの糖類も有効であ
る。中でもポリアクリルアミドやデキストランが好まし
く、ポリアクリルアミドは特に好ましい物質である。こ
れらの物質の平均分子量は好ましく2万以下、より好ま
しくは1万以下が良い。この他に、Research Disclosur
e第176巻、No. 17643、第VI項(12月号、1
978年)に記載されたカブリ防止剤や安定化剤を用い
ることができる。
【0188】本発明の処理方法は、米国特許第4224
401号、同4168977号、同4166742号、
同4311781号、同4272606号、同4221
857号、同4243739号等に記載されているヒド
ラジン誘導体を用いて超硬調で感度の高い写真特性を得
ることができるハロゲン化銀感光材料の画像形成処理に
応用できる。
【0189】ヒドラジン誘導体としては、Research Dis
closure Item23516(1983年11月号、P.3
46)およびそこに引用された文献の他、米国特許第4
080207号、同4269929号、同427636
4号、同4278748号、同4385108号、同4
459347号、同4560638号、同447892
8号、英国特許第2011391B、特開昭60−17
9734号に記載されたものを用いることができる。ヒ
ドラジン誘導体は、ハロゲン化銀1モルあたり1×10
-6モルないし5×10-2モル含有されるのが好ましく、
特に1×10-5モルないし2×10-2モルの範囲が好ま
しい添加量である。
【0190】また、この場合においては用いる現像液に
は硬調化促進剤として米国特許第4269929号記載
のアミノ化合物を含有させるのが好ましい。
【0191】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0192】実施例1 富士写真フイルム(株)製の医療用X−レイ感材、RX、
Super HR-S、Super HR-A、Super HR-Lを蛍光スクリーン
を使ってX線露光した後、定位置で感材を自現機に挿入
した処理量比で順に30%、50%、10%、10%と
してランニング実験を行った。
【0193】1日の平均処理量は四切サイズで約200
枚である。
【0194】このとき、自現機、処理液等は、以下のも
のを用いた。これらは、いずれも富士写真フイルム
(株)製のものである。
【0195】自現機:FPM5000 処理液:現像液 RD−3 スターター RDー3S 定着液 富士F
【0196】処理工程は、以下のとおりとし、水洗水に
は水道水を使用した。
【0197】 処理工程 温度 時間 タンク液量 現像 35℃ 25秒 22リットル 定着 30℃ 20秒 15.5リットル 水洗 17℃ 11秒 15リットル スクイズ 8秒 乾燥 50℃ 20秒
【0198】スターターの使用量は現像補充液1リット
ル当り20mlとした。
【0199】上記自現機の現像タンク内に現像補充液を
収納した。次に、スターターを440ml秤取し、これを
現像タンク内に添加した。その後、さらに現像補充液を
オーバーフローする寸前まで添加し、これを現像スター
ト液とした。
【0200】一方、定着タンク内には、定着補充液をオ
ーバーフローする寸前まで満たした。
【0201】なお、四切サイズ1枚当り現像補充液は4
0ml、定着補充液は45ml、補充した。
【0202】現像液の定着浴への持ち込み量、定着液の
水洗浴への持ち込み量は四切サイズの感材1枚当りそれ
ぞれ、平均約2.2ml、2.0mlであった。
【0203】水洗水は現像処理中は毎分5リットル補充
した。
【0204】この実験における1分間当りの最大現像処
理量は四切サイズで7枚であった。
【0205】この水洗タンクに表1〜表4に示すように
水あか防止剤を自現機の稼働時間の1時間当り、感材を
処理していても、いなくても関係なく5mlずつ補充し
た。このときの水あか防止剤の補充装置および方法は次
のとおりである。定着パルスポンプは日本フィーダー工
業(株)製 ZA−11−PEC−HWS−100型
(逆止弁、サイホン止めチャッキバルブ付)、水あか防
止剤ストックタンクは2リットル(ポリエチレン製)、
タイマーはオムロン(株)製 デジタルウィークリータ
イムスイッチH5−S型、水あか防止剤吐出ノズルを上
記ポンプの吐出先端に内径2mmのビニルホースを接続
し、上記タイマーを使用して10分間に1回1分間の割
合でポンプより水あか防止剤を吐出供給した。
【0206】水洗タンクの水は、実験中、全く抜かなか
った。
【0207】これらの実験について、水あか発生の状況
と生分解性を以下のように評価した。結果を表1〜表4
に示す。
【0208】水あか発生の状況 処理を実施する日の毎朝、最初の処理感材を大角サイズ
(14インチ×14インチ)とし、そのとき以前の実際
の処理に使用した四切サイズ(10インチ×12イン
チ)では通過しない水洗タンク中のローラーの部分に付
着する水あかがフィルムに転写され始めた日を水あか発
生の日として評価した。
【0209】生分解性 修正SCAS試験法により各処理日の廃水の分解性を調
べ、処理実験中のいずれの日の廃液においても、70%
以上のとき分解性ありと判断し、「優れる」と評価し、
70%未満のとき「劣る」と評価した。
【0210】
【表1】
【0211】
【表2】
【0212】
【表3】
【0213】
【表4】
【0214】表1〜表4の結果より本発明の効果は明ら
かである。ただし、実験No. 10から明らかなように、
ジアルデヒド系化合物を含む水あか防止剤ではpHが高
くなるとキット安定性が悪くなるため、適切なpHを選
択する必要がある。また、実験No. 8から明らかなよう
に、ジアルデヒド系重亜硫酸塩付加物を用いたときは、
水あか防止能を得る上で水洗水のpHを選択する必要が
ある。
【0215】実施例2乳剤の調製 水1リットルに臭化カリウム5g 、ゼラチン25.6g
、チオエーテル OH(CH2)2S(CH2)2S(CH2)2OH の5%水
溶液2.5mlを添加し、66℃に保った溶液中へ、攪拌
しながら硝酸銀8.33g の水溶液と臭化カリウム5.
94g および沃化カリウム0.726g を含む水溶液を
ダブルジェット法により45秒かけて添加した。次いで
臭化カリウム2.9g を添加した後、硝酸銀8.33g
を含む水溶液を24分かけて添加し、その後化30の二
酸化チオ尿素を0.1mg添加した。
【0216】
【化30】
【0217】その後、25%アンモニア水溶液20ml、
50%硝酸アンモニウム水溶液10mlを添加して20分
間物理熟成したのち、1Nの硫酸240mlを添加して中
和した。
【0218】引き続いて硝酸銀153.34g の水溶液
と臭化カリウムおよび沃化カリウムを含む水溶液をpAg
8.2に保ちながらコントロールダブルジェット法で4
0分かけて添加した。
【0219】この時の量は添加終了時の流量が添加開始
時の流量9倍になるように加速した。
【0220】添加終了後2Nのチオシアン酸カリウム1
5mlを添加し、さらに1%の沃化カリウム水溶液45ml
を30秒かけて添加した。
【0221】このあと、温度を35℃に下げ、沈降法に
より可溶性塩類を除去したのち、40℃に昇温してゼラ
チン76g とプロキセル76mgおよびフェノキシエタノ
ール760mgを添加し、水酸化ナトリウムと臭化カリウ
ムにより乳剤のpHを6.50に、pAg を8.20に調整
した。
【0222】温度を56℃に昇温した後、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
186mgを添加し、その10分後に化31の増感色素を
520mg添加した。
【0223】
【化31】
【0224】得られた乳剤は全粒子の投影面積の総和の
99.5%がアクペクト比3以上の粒子からなり、アス
ペクト比2以上のすべての粒子についての平均の投影面
積直径は1.48μm 、標準偏差25.6%、粒子の厚
みの平均は0.195μm 、アスペクト比は7.6、ト
ータルヨウド含量は全銀量に対して3.2モル%であっ
た。
【0225】乳剤塗布液の調製 上記の乳剤に対してハロゲン化銀1モル当り下記の薬品
を下記の量添加して塗布液とした。
【0226】 ・ポリマーラテックス(ポリ(エチルアクリレート/ メタクリル酸):共重合比97/3) 25.0g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド) 3.0g エタン ・2,6−ビス−(ヒドロキシアミノ)−4−ジエルアミノ −1,3,5−トリアジン 80mg ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 4.0g ・ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量 60万) 1.0g ・ポリアクリルアミド(平均分子量 4.5万) 24g
【0227】支持体の調製 ブルーに着色した厚さ175μm のポリエチレンテレフ
タレートベースの両面に下記の塗布量の下塗層を設けた
ベースを準備した。
【0228】 ・ゼラチン 84mg/m2 ・化32のポリマー 60mg/m2
【0229】
【化32】
【0230】 ・化33の染料 17mg/m2
【0231】
【化33】
【0232】感光材料の調製 前記塗布液を下記組成の表面保護層塗布液と同時に前記
の支持体の両面に塗布した。塗布銀量は片面当り1.8
5g /m2であった。表面保護層は各成分が下記の塗布量
になるように調製した。
【0233】表面保護層の内容 ・ゼラチン 1.15g /m2 ・ポリアクリルアミド(平均分子量 4.5万) 0.25g /m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 40万) 0.02g /m2 ・p−t−オクチルフェノキシジグリセリルブチルスルホン 化物のナトリウム塩 0.02g /m2 ・ポリ(重合度10)オキシエチレンエチルエーテル 0.035g /m2 ・ポリ(重合度10)オキシエチレン−ポリ(重合度3) オキシグリセリル−p−オクチルフェノキシエーテル 0.01g /m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 0.0155g /m2 ・2−クロロハイドロキノン 0.154g /m2 ・C817SO3 K 0.003g /m2 ・C8F17SO2N(C3H7)-(CH2-CH2O)4-(CH2)4-SO3Na 0.001g /m2 ・C8F17SO2N(C3H7)-(CH2-CH2O)15H 0.003g /m2 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μm ) 0.025g /m2 ・ポリ(メチルメタクリレート/メタクリレート) (共重合比7/3 平均粒径2.5μm ) 0.020g /m2
【0234】このようにして、塗布膜の膨潤百分率23
0%の感光材料を作製した。
【0235】現像処理 濃縮液の調製 <現像液> Part A 水酸化カリウム 330g 亜硫酸カリウム 630g 亜硫酸ナトリウム 255g 炭酸カリウム 90g ホウ酸 45g ジエチレングリコール 180g ジエチレントリアミン五酢酸 30g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプトテトラゾール 0.75g ハイドロキノン 450g 水を加えて 4125ml
【0236】 Part B ジエチレングリコール 525g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g 氷酢酸 102.6g 5−ニトロインダゾール 3.75g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 34.5g 水を加えて 750ml
【0237】 Part C グルタルアルデヒド(50wt/wt%) 150g 臭化カリウム 15g メタ重亜硫酸カリウム 105g 水を加えて 750ml
【0238】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol% ) 200ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.03g 亜硫酸ナトリウム 15g ホウ酸 4g 1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−5−メルカプトテトラゾール 1g 酒石酸 3.2g 氷酢酸 45g 水酸化ナトリウム 15g 硫酸(36N) 3.9g 硫酸アルミニウム 10g 水を加えて 400ml pH 4.68
【0239】処理液の調製 上記現像液濃縮液を下記の容器に各パート毎に充填し
た。この容器はパートA、B、Cの各容器が容器自身に
よって一つに連結されているものである。
【0240】また、上記定着液濃縮液も同種の容器に充
填した。
【0241】まず、現像タンク内にスターターとして、
酢酸54g と臭化カリウム55.5g を含む水溶液30
0mlを添加した。
【0242】上記容器に入った処理液剤を逆さにして自
現機の側面に装着されている処理液ストックタンクの穿
孔刃にさしこんでキャップ部分を打ち破り充填した。
【0243】これらの現像液、定着液を次のような割合
で自現機の現像タンク、定着タンクに、それぞれ自現機
に設置されている定量ポンプを使って満たした。
【0244】また、感材が四切サイズ換算で8枚処理さ
れる毎にも、この割合で、処理剤原液と水とを混合して
自現機のタンクに補充した。
【0245】 現像液 A剤 55ml B剤 10ml C剤 10ml 水 125ml pH 10.50
【0246】 定着液 濃縮液 80ml 水 120ml pH 4.62
【0247】水洗タンクには水道水を満たした。
【0248】自現機の構成 下記の構成の自現機を使用した。
【0249】 タンク液量 処理温度 処理パス長 処理工程時間 現像 15リットル 35℃ 613mm 13.3秒 (液面面積とタンク容量比=28cm2/ l) 定着 15リットル 32℃ 539mm 11.7秒 水洗 13リットル 17℃ 263mm 5.7秒 流水 スクイズ 295mm 6.4秒 乾燥 58℃ 368mm 8.0秒 トータル 2078mm 45.1秒
【0250】処理 前記感光材料にX線露光を与え、上記の自現機および上
記の割合に混合した各処理液を用い、上記の工程時間
で、四切サイズ(10×12インチ)1枚当り現像液は
25ml、定着液も25ml補充しながら現像処理した。
【0251】水洗水は毎分流量5リットルで、感光材料
が処理されている時間に同期して電磁弁が開いて供給さ
れた(約0.5リットル/四切サイズ1枚)。1日の平
均処理枚数は四切りサイズで約200枚である。
【0252】実施例1の実験No. 6の方法をこの水洗水
に適用して水洗水タンクから水を一切抜かないで、3ケ
月間ランニングを継続した。水あかは全く発生しない
で、処理されるフィルムに装着することなく良好な状態
を保ち維持管理が大変楽であった。また、廃液の生分解
性も良好であった。
【0253】また、得られた画像の安定性、写真性に関
しても何ら問題はなかった。
【0254】なお、夜間は、感材処理量が極端に少なく
なるため、水洗水の補充総量が減少し、よって、ジアル
デヒド系化合物およびキレート剤の濃度が昼間より高く
なる。夜間は、水洗層内等での水の流動が少ないので水
あかが発生しやすいが、このように、常時、一定に補充
することによってジアルデヒド系化合物およびキレート
剤の濃度が高まるため、水あかの発生を有効に防止する
ことができる。
【0255】実施例3 富士写真フイルム(株)製 FCR−7000システム
で感材として、CR−780、処理液としてRD−1
0、RF−10を使用し、実施例2と同じ方法で、水あ
か防止剤を添加した。1日約150枚の処理を終夜運転
しながら3ケ月間にわたって継続したが、このような現
像処理硬膜を含まない処理の中でも水あか防止効果は絶
大であった。また、廃液の生分解性も良好であった。
【0256】実施例4 実施例2の感材および自現機に対して以下の条件でラン
ニング実験を行った。毎分 水洗水流量3リットル(約
0.3リットル/四切サイズ1枚)水あか防止剤(実施
例1の実験No. 6のもの)
【0257】1日の昼間の作業が終了する午後5時前後
に自現機を停止すると、自動的に排水弁が開いて自現機
の水洗タンクの水が排水され次いで新鮮水が満たされて
再び排水され、新鮮水が満たされた後、上記水あか防止
剤を実施例1と同様なパルスポンプを使用して、水洗タ
ンクに約65ml添加した(約5ml/1リットル水洗
水)。このような状態で、夜間の緊急稼働に対して待機
した。他の条件はすべて実施例2と同じである。
【0258】このようなランニングを3ケ月続けたが、
水あかの発生は全くなく維持管理が、水あか防止剤を添
加しないときに比して容易になった。また、廃液の生分
解性も良好であった。
【0259】実施例5 富士写真フイルム(株)製のグラフィック感材用自動現
像機FG−680Aにおいて、水洗タンク部分を図1の
構成とした改造機を用いた。現像機は、同社製SGX−
D1、定着液は同社製GRF−1(チオ硫酸塩含有)を
用いた。現像タンクの容量は16.3リットル、定着タ
ンクおよび水洗タンクの容量は、ともに15リットルと
した。
【0260】感光材料は同社製FT−45(現像率の平
均値は約50%)を用い、自現機における感材の線速は
11.4mm/秒とした。現像は34℃で30秒、定着は
33℃で28.4秒、水洗は17℃で27.5秒、乾燥
は50℃で36秒とした。現像液の補充液量は75ml/
[大全サイズ(20×24インチ)1枚当り]、定着液
の補充量は50ml/[大全サイズ1枚当り]、水洗水の
補充液量は0.5 l/[大全サイズ1枚当り]とした。
【0261】ただし、定着液は、定着タンクに電解法銀
回収装置を連結して処理中および待機中は常時定着タン
クと銀回収装置との間を循環させながら、定電流をかけ
て銀を回収し、定着液内の銀濃度を0.3〜0.5g/ l
に維持した。
【0262】なお、感材が処理されていなくて、自現機
の始動時、停止時などに水洗タンクに水を満たすときの
給水量は5リットル/分とした。
【0263】図1において、水あか防止剤の溶液を収納
する容器12の容量は5リットル用とし、溶液の残量が
約200mlになったとき、ブザーがなるようにした。注
入ポンプ21はパルスポンプを用い、注入直後は2分
間、循環ポンプ23で攪拌した。
【0264】また、水あか防止剤は実施例1の実験No.
6と同じものを用いた。
【0265】水洗タンクの排水用のストックタンク14
の容量は25リットルとし、酸化剤の溶液を収納するタ
ンク13の容量は10リットルとした。酸化剤の溶液は
NaClO溶液1000mlとNa2 CO3 ・H2 O 6
0g との混合溶液を用いた。
【0266】給排水および水あか防止剤の溶液や酸化剤
の溶液の添加は図2のタイミングチャートに従って行う
ものとした。
【0267】すなわち、自現機本体のスイッチをオンと
すると同時に、水洗タンクに給水(5リットル/分)
し、水あか防止剤の溶液を5ml/分で9分間添加した。
この状態で感材の処理を開始し、大全サイズ4枚が積算
されると2リットルの水を供給するようにした。この
間、水あか防止剤の溶液は、2リットルの水を供給する
ときに同期して5ml/分で1分間添加した。
【0268】また、排水用のストックタンクに、大全サ
イズ4枚の水洗タンクのオーバーフローが貯留した時、
酸化剤の溶液を10ml添加するものとした。
【0269】この酸化剤の溶液を感材処理中に添加する
操作を1日当たり10回繰り返す割合、すなわち1日あ
たりの平均処理量を大全サイズ40枚とし、この処理の
後、自現機本体のスイッチをオフとした。その後ストッ
クタンクを1時間停止し、排水した。今度は水洗タンク
の水抜きを行い、これをストックタンクに貯留し、酸化
剤の溶液を75ml添加した。また1時間後にストックタ
ンクを排水した。一方、水抜きした後の水洗タンクには
給水して洗浄し、その後再び水抜きし、ストックタンク
に収納した。今度は酸化剤の溶液を添加することなく排
水した。水洗タンクおよびストックタンクにおける給排
水をもう一度繰り返し、1日の作業を終了した。
【0270】このような処理を3ケ月間続行する実験を
行った。
【0271】水あかは実質的には発生しなかった。水洗
水の廃水は節水したにもかかわらず、COD値から12
0以下となった。また、生分解性に優れるものであっ
た。
【0272】実施例6 特願平4−288746号の実施例1に記載された感材
試料(表1の試料3、4、5、6)、処理液、および自
現機を使って現像処理した。ただし、この自現機の水洗
タンクに実施例5の節水水あか防止システムを組み込ん
で3カ月間ランニング実験した。水洗タンク中の水あか
は発生せず、廃水のCOD値、ヨード消費量もそれぞれ
120以下、220以下を維持した。また、生分解性も
良好であった。もちろん、写真性能、乾燥性能などは、
何ら問題なかった。
【0273】
【発明の効果】本発明によれば、低補充化した節水処理
においても水あかの発生を防止することができる。ま
た、廃液の生分解性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる自現機の水洗タンク部分を示す
概略構成図である。
【図2】本発明の処理方法を説明するタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1 水洗処理部 11 水洗タンク 12 水あか防止剤の収納用タンク(容器) 13 酸化剤の溶液の収納用タンク 14 ストックタンク 21〜23 ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動現像機を用いて、ハロゲン化銀黒白
    写真感光材料を少なくとも現像して定着する工程を含む
    工程で処理したのち、水洗および/または安定化する工
    程で処理する方法において、 前記水洗処理に用いる水洗水および/または安定化処理
    に用いる安定化液に、下記化1、化2および化3で表わ
    されるキレート剤のうちの少なくとも1種以上と、ジア
    ルデヒド系化合物、炭素数6以上の直鎖のアルキル基を
    少なくとも1つ有するベタイン化合物および炭素数8以
    上の直鎖アルキル基を少なくとも1つ有する4級アンモ
    ニウム化合物のうちの少なくとも1種以上とを含有させ
    るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 【化2】 【化3】 〔化1において、Rは水素原子またはヒドロキシ基を表
    わす。nは1または2を表わす。xは1、2または3を
    表わし、yは0、1または2を表わし、x+yは3であ
    る。化2において、R0 は水素原子またはヒドロキシ基
    を表わす。mは0、1または2を表わす。zは1または
    2を表わす。Aは水素原子、アルキル基またはフェニル
    基を表わす。化3において、R1 、R2 、R3 、R4
    5 およびR6 はそれぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族
    基またはヒドロキシ基を表わす。Wは炭素原子を含む二
    価の連結基を表わす。M1 、M2 、M3 およびM4 はそ
    れぞれ水素原子またはカチオンを表わす。〕
  2. 【請求項2】 前記水洗水および/または安定化液に、
    ジアルデヒド系化合物のうちの少なくとも1種以上を含
    有させるとき、ジアルデヒド系化合物のうちの少なくと
    も1種以上を含有し、かつpH0.5〜6.0の溶液と
    して添加する請求項1のハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記水洗水および/または安定化液に、
    ジアルデヒド系化合物のなかのジアルデヒド系重亜硫酸
    塩付加物のうちの少なくとも1種以上を含有させると
    き、水洗水および/または安定化液のpHが7〜9であ
    る請求項1または2のハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。
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