JPH0621616Y2 - クイックチェンジ式工具保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として一対のサイドカッタを保持具本体に
取付ける構成のクイックチェンジ式工具保持装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、一対のサイドカッタを保持具本体に取付けるもの
としては、上記一対のサイドカッタを一体として形成
し、この一体物のサイドカッタを保持具本体に締付ボル
トによって固定するもの、あるいは、一対のサイドカッ
タを個々に締付ボルトによって保持具本体に取付けるも
のが知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記一体物のサイドカッタを保持具本体
に取付ける方式にあっては、重量が重くなって、作業能
率が悪い上に、安全性の点においても問題がある。

また、一対のサイドカッタを別々の締付ボルトによって
保持具本体に取付けるものにおいては、締付ボルトの数
が２個以上となるため、締付作業が多く作業能率が悪い
という問題がある。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、一対の工具（サイドカッタ）を保持具
本体に連続してかつ容易に取付けることができ、取付作
業性が良好なクイックチェンジ式工具保持装置を提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、保持具本体の先
端に、リング状の第１の工具が嵌め込まれ、上記保持具
本体と第１の工具との間に第１のクイックチェンジ機構
が設けられ、かつ上記保持具本体に、上記第１の工具の
凹所に係脱するボールプランジャが設けられ、また、上
記保持具本体の先端に、リング状の第２の工具が、上記
第１の工具に接触、離間自在に設けられ、さらに、上記
第２の工具を取付ける押圧具が上記保持具本体に設けら
れると共に、上記押圧具と第２の工具との間に第２のク
イックチェンジ機構が設けられる一方、上記各クイック
チェンジ機構は、上記保持具本体あるいは押圧具に形成
された外突起と、上記各工具に形成され、かつ上記外突
起に係合する内突起とから構成されたものである。

〔作用〕

本考案のクイックチェンジ式工具保持装置にあっては、
リング状の第１の工具を保持具本体に嵌め込み、保持具
本体のボールプランジャを上記第１の工具の凹所に係止
した状態で、第１のクイックチェンジ機構によって上記
第１の工具を保持具本体に取付け、リング状の第２の工
具を保持具本体に設けた押圧具に第２のクイックチェン
ジ機構によって取付けて、第２の工具を第１の工具に押
し付ける。また、上記各工具を保持具本体から取外す場
合には、第２のクイックチェンジ機構を解除して、第２
の工具を保持具本体に設けた押圧具から外した後、第１
のクイックチェンジ機構を解除して、第１の工具を保持
具本体から取外す。この場合、上記第２のクイックチェ
ンジ機構を解除して、第２の工具を押圧具から外す際
に、保持具本体のボールプランジャが第１の工具の凹所
に係止しているから、第１の工具が第２の工具とともに
つれ動くことがなく、従って、第１の工具が第２の工具
と同時に保持具本体から脱落することがない。

〔実施例〕

以下、第１図ないし第６図に基づいて本考案の一実施例
を説明する。

図中符号１は保持具本体であり、この保持具本体１の先
端部外周には、等間隔に複数の（第４図において４個
の）の外突起２がそれぞれ形成されている。そして、こ
の保持具本体１の先端部には、リング状の第１サイドカ
ッタ（工具）３が着脱自在に嵌着され、この第１のサイ
ドカッタ３の内周部には、複数の（第２図において４個
の）内突起４がそれぞれ等間隔に形成されている。この
内突起４には、上記外突起２と互いに係合するための薄
肉部５が形成されている。また、上記保持具本体１に
は、上記第１のサイドカッタ３の凹所６に嵌まり込むボ
ールプランジャ７が設置されている。さらに、保持具本
体１の先端面には、ワッシャ８が取付ボルト９によって
着脱自在に設けられており、このワッシャ８の先端側外
周には、複数個の（４個あるいは６個の）外突起１０が
等間隔に形成されており、この外突起１０と保持具本体
１との間には、リング状の第２のサイドカッタ（工具）
１１の複数個の（４個あるいは６個の）内突起１２が上
記各外突起１０に係脱自在に嵌め込まれている。そし
て、上記ワッシャ８の外突起１０が上記第２のサイドカ
ッタ１１の内突起１２を保持具本体１側に押圧すること
により、この第２のサイドカッタ１１のリング状の押圧
部１３が上記第１のサイドカッタ３を保持具本体１に押
し付け固定するようになっている。

また、上記保持具本体１の先端面外周に形成された切欠
凹部１４には、上記ワッシャ８の保持具本体１側に形成
された切欠凹所１５に嵌合されかつ上記第２のサイドカ
ッタ１１の内突起１２に当接して該第２のサイドカッタ
１１を駆動するドライブキー１６が、固定ボルト１７に
よって取付けられている。

なお、上記保持具本体１の外突起２と第１のサイドカッ
タ３の内突起４の薄肉部５とによって第１のクイックチ
ェンジ機構１８が、かつワッシャ８の外突起１０と第２
のサイドカッタ１１の内突起１２とによって第２のクイ
ックチェンジ機構１９がそれぞれ構成されている。ま
た、図中符号２０は、ワッシャ８に装着されたスプリン
グ、２１，２２は、それぞれ各サイドカッタ３，１１に
装着されたスローアウェイチップを示している。

上記のように構成されたクイックチェンジ式工具保持装
置において、保持具本体１に第１、第２のサイドカッタ
３，１１を取付ける場合には、まず、保持具本体１の先
端面にワッシャ８を取付ボルト９によって緩めに取付け
た状態で、保持具本体１の先端部外周に第１のサイドカ
ッタ３を嵌め付けて、所定角度回動することにより、保
持具本体１の外突起２と第１のサイドカッタ３の内突起
４の薄肉部５を嵌合する。この時、保持具本体１の外突
起２の回動方向前方側の端面２ａが第１のサイドカッタ
３の内突起４の突起本体の端面４ａに当接すると共に、
保持具本体１のボールプランジャ７が第１のサイドカッ
タ３の凹所６に嵌まり込む。次いで、第２のサイドカッ
タ１１をワッシャ８に嵌め付けて、所定角度回動するこ
とにより、ワッシャ８の外突起１０と第２のサイドカッ
タ１１の内突起１２とを係合する。この場合、保持具本
体１に固定されたドライブキー１６が上記第２のサイド
カッタ１１の内突起１２の一つに当接する。この状態に
おいて、取付ボルト９を締付けると、ワッシャ８が保持
具本体１側に接近し、これにより、ワッシャ８の外突起
１０が第２のサイドカッタ１１の内突起１２を保持具本
体１側に押し付ける。この結果、第２のサイドカッタ１
１の押圧部１３が第１のサイドカッタ３を保持具本体１
に押圧し、従って、両サイドカッタ３，１１が保持具本
体１に強固に固定される。このようにして、第１、第２
のサイドカッタ３，１１は、取付ボルト９を締付けるこ
とにより、順次、円滑に保持具本体１にセットされる。
また、各クイックチェンジ機構１８，１９およびボール
プランジャ７によって、縦型式工作機械において使用す
る場合に、各サイドカッタ３，１１の抜け防止として働
く。このため、第１のサイドカッタ３をセットする動作
と、第２のサイドカッタ１１をセットする動作が別々と
なり、比較的計量のサイドカッタ３，１１を２個簡単な
操作で取付ける作業となるから、作業性が大幅に向上す
る。

上記のようにして保持具本体１に取付けられた両サイド
カッタ３，１１は、それぞれ、第１のクイックチェンジ
機構１８及びドライブキー１６を介して保持具本体１か
ら回転力を伝達されて切削が行なわれる。

また、上記サイドカッタ３，１１を保持具本体１から取
外す場合には、まず、取付ボルト９を緩めて、ワッシャ
８と第２のサイドカッタ１１との間の係合状態を緩くし
た後に、第２のサイドカッタ１１を所定角度回動させ
て、ワッシャ８から外す。この時、第１のサイドカッタ
３と保持具本体１とはボールプランジャ７によって係合
されているから、第２のサイドカッタ１１の回動に伴っ
て第１のサイドカッタ３がつれ廻ることはなく、従っ
て、第２のサイドカッタ１１が取外された際に同時に第
１のサイドカッタ３が脱落することはない。そして、第
２のサイドカッタ１１が取外された後に、第１のサイド
カッタ３を所定角度回動させることにより、保持具本体
１の外突起２と第１のサイドカッタ３の内突起４との係
合状態を解除して、第１のサイドカッタ３を保持具本体
１、ワッシャ８から取外す。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、保持具本体の先端に、
リング状の第１の工具が嵌め込まれ、上記保持具本体と
第１の工具との間に第１のクイックチェンジ機構が設け
られ、かつ上記保持具本体に、上記第１の工具の凹所に
係脱するボールプランジャが設けられ、また、上記保持
具本体の先端に、リング状の第２の工具が、上記第１の
工具に接触、離間自在に設けられ、さらに、上記第２の
工具を取付ける押圧具が上記保持具本体に設けられると
共に、上記押圧具と第２の工具との間に第２のクイック
チェンジ機構が設けられる一方、上記各クイックチェン
ジ機構は、上記保持具本体あるいは押圧具に形成された
外突起と、上記各工具に形成され、かつ上記外突起に係
合する内突起とから構成されたものであるから、リング
状の第１の工具を保持具本体に嵌め込み、保持具本体の
ボールプランジャを上記第１の工具の凹所に係止した状
態で、第１のクイックチェンジ機構によって上記第１の
工具を保持具本体に取付け、リング状の第２の工具を保
持具本体に設けた押圧具に第２のクイックチェンジ機構
によって取付けて、第２の工具を第１の工具に押し付け
ることにより、一対の工具を保持具本体に連続してかつ
容易に取付けることができ、取付作業性の向上を図るこ
とができる。また、上記各工具を保持具本体から取外す
場合には、第２のクイックチェンジ機構を解除して、第
２の工具を保持具本体に設けた押圧具から外した後、第
１のクイックチェンジ機構を解除して、第１の工具を保
持具本体から取外す。この場合、上記第２のクイックチ
ェンジ機構を解除して、第２の工具を押圧具から外す際
に、保持具本体のボールプランジャが上記第１の工具の
凹所に係止しているから、第１の工具が第２の工具とと
もにつれ動くことがなく、従って、第１の工具が第２の
工具と同時に保持具本体から脱落することを防止でき
て、各工具を順番にかつ円滑に取外すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の一実施例を示すもので、
第１図は断面図、第２図は第１のサイドカッタの正面
図、第３図は第２図のIII−III線に沿う断面図、第４図
は保持具本体の正面図、第５図は側面図、第６図は第２
のクイックチェンジ機構部の正面図である。 １……保持具本体、 ２……外突起、 ３……第１のサイドカッタ（工具）、 ４……内突起、６……凹所、７……ボールプランジャ、 ８……ワッシャ（押圧具）、 １０……外突起、 １１……第２のサイドカッタ（工具）、 １２……内突起、 １８……第１のクイックチェンジ機構、 １９……第２のクイックチェンジ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】保持具本体の先端に、リング状の第１の工
   具が嵌め込まれ、上記保持具本体と第１の工具との間に
   第１のクイックチェンジ機構が設けられ、かつ上記保持
   具本体に、上記第１の工具の凹所に係脱するボールプラ
   ンジャが設けられ、また、上記保持具本体の先端に、リ
   ング状の第２の工具が、上記第１の工具に接触、離間自
   在に設けられ、さらに、上記第２の工具を取付ける押圧
   具が上記保持具本体に設けられると共に、上記押圧具と
   第２の工具との間に第２のクイックチェンジ機構が設け
   られる一方、上記各クイックチェンジ機構は、上記保持
   具本体あるいは押圧具に形成された外突起と、上記各工
   具に形成され、かつ上記外突起に係合する内突起とから
   構成されたことを特徴とするクイックチェンジ式工具保
   持装置。