JPS6315022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば自動工具交換装置付のフライ
ス盤に付設し、切削工具交換の際、主軸から外し
た工具のアーバを保持するために使用するアーバ
保持器に関するものである。

従来のこの種のアーバ保持器は、筒形の保持器
本体の中にアーバのテーパ部を差込み、保持器の
端面のキーとアーバのフランジの切欠とを係合さ
せて回らないようにするが、アーバは保持器に単
に落し込み的に差込むものであるから、切削工具
を着脱するとき力を入れ過ぎるとアーバが動いて
不安定である。

又保持器に差込まれたアーバの端のドローイン
グボルトをつかんで引込むことによりアーバを固
定するものもあるが、油圧、スプリングあるいは
ねじ機構で引込む構成であるため、構造が複雑で
高価なものである。

本考案は従来の切削工具交換用アーバ保持器が
持つ上記の問題点を解決するもので、保持器に差
込まれたアーバのドローイングボルトを引つ張る
機構として平面カムを用いることにより、保持器
に対しアーバを簡単迅速に着脱できるようにした
ことを特徴とする。

以下図面について本考案アーバ保持器の構造を
説明すると、１は工作機械の脇の台枠等の上に横
向きに固定する筒形の保持器本体で、締付ボルト
通し穴２を有する座３が左右両側に張出してい
る。

保持器本体１はアーバＡのテーパ部Ｔを受入れ
保持できる内径と長さ並びに内面形状を有し、そ
のアーバ差込側の口４の周縁にアーバＡのフラン
ジＦが当る段部５がある。その環状段部５の少な
くとも１ケ所にアーバＡのフランジＦの切欠Ｃに
係合する回り止めキー６がボルト７で取付けられ
ている。又上記環状段部５の底にフランジＦを受
けるゴムパツキン様の弾性環８が張付けられてい
る。

保持器本体１のアーバ差込口４と反対側の端面
にアーバＡのドローイングボルトＢが突き出る口
９が開いている。そのボルト突出口９の略下半周
に沿つた円弧状の***面１０が形成されている。

上記***面１０がある側の本体端面に、握柄１
１を有するクランプ部材１２がその端面に沿つて
揺動できるように支点軸１３で取付けられてい
る。クランプ部材１２の中央にはドローイングボ
ルトＢの首下部Ｎに係合する切欠溝１４があり、
その切欠溝１４は、クランプ部材１２の支点軸１
３を中心とする円弧形をしている。

そして上記円弧状***面１０とクランプ部材１
２の当接縁１５・１６は、クランプ部材１２の揺
動支点（軸）１３から水平を基準にして上に約10
度の角度で延びる線上で当接するように設定され
ている。

上記当接縁１５・１６は互いに向き合う斜面に
形成されていて、その勾配は例えば１mmの段差で
10度とする。クランプ部材１２は取付軸１３の軸
線方向に多少移動できるように余裕をもつて取付
けられている。

次に保持器本体１に対するアーバＡの着脱手順
を説明すると、工作機械の主軸から外した切削工
具Ｍが付いているアーバＡのテーパ部Ｔを、第１
図・第２図に示すようにクランプ部材１２を上げ
た状態で口４から本体１内に、切欠Ｃと回り止め
キー６を係合させてフランジＦが弾性環８に当る
まで差込む。そうすると反対側の口９からドロー
イングボルトＢが突出する。

握柄１１を持つてクランプ部材１２を下げるこ
とによりクランプ部材１２の弧状切欠溝１４をド
ローイングボルトＢの首下部Ｎに係合させる。

クランプ部材１２を更に強く押下げると、当接
縁１５・１６どうしが接触し、その斜面に案内さ
れてクランプ部材１２が後方に移動してドローイ
ングボルトＢを後方に引つ張る。クランプ部材１
２が本体１側の斜面を越えて***面１０の上の完
全に乗上げると、弾性環８がフランジＦによつて
圧縮され、その反発力によつてドローイングボル
トＢの頭とクランプ部材１２は堅く係合し、アー
バＡは保持器本体１に固定される。

上記のようにしてアーバＡが保持器本体１に保
持固定されている状態で工具Ｍの取外し、取付け
を行うものである。

保持器本体１からアーバＡを外すときは、握柄
１１を持つてクランプ部材１２を引上げるもの
で、本体１に対するアーバＡの引付け固定作用が
解放されてアーバＡを容易に取出すことができ
る。

本考案切削工具交換用アーバ保持器は上記の構
成であるから、保持器に対するアーバの着脱を簡
単迅速に行うことができて、アーバに対する工具
の交換時間を短縮できる効果がある。又アーバ
は、保持器本体に対する引付け固定作用と、回り
止めキーと切欠の結合による回り止め作用とによ
つて保持器本体に確実に固定されるので、アーバ
に対する工具の着脱交換に当りアーバが安定し、
着脱を容易にすると共に、その固定機構が簡単で
あるため安価に供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案アーバ保持器の使用状態の縦断
正面図、第２図はクランプ部材側の側面図、第３
図は分解斜視図、第４図・第５図はクランプ状態
を示す縦断正面図及び側面図。 Ａはアーバ、Ｔはテーパ部、Ｆはフランジ、Ｂ
はドローイングボルト、Ｎは首下部、１は保持器
本体、４は差込口、６は回り止めキー、８は弾性
環、９は突出口、１０は***面、１１は握柄、１
２はクランプ部材、１３はクランプ部材取付軸、
１４は弧状切欠溝、１５・１６は当接縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アーバのテーパ部を差込む筒形保持器本体の差
   込口の周縁に、アーバのフランジの切欠に係合す
   る回り止めキーを設けると共に、上記フランジを
   受ける弾性環を配置し、上記保持器本体の差込口
   と反対側の端面に、アーバのドローイングボルト
   突出口の略下半周を囲む***面を形成すると共
   に、その端面に沿つて揺動する握柄付のクランプ
   部材を軸で取付け、そのクランプ部材に、アーバ
   のドローイングボルトの首下部に係合する切欠溝
   を、上記取付軸を中心とする円弧状に設け、上記
   略半円状***面とクランプ部材の当接縁を斜面に
   形成した切削工具交換用アーバ保持器。