JPH0621375Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧用コンパクトに係る。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 従来、化粧用コンパクトは、扁平な身と蓋とを後部で枢
着し、前部で閉蓋係止手段を講じている。

その閉蓋係止手段の一つに、身及び蓋の前面に一連の切
欠を形成し、該切欠にこれを塞ぐように断面逆Ｌ字状で
上部の水平片が後方へ向かうロックピースを可動に配し
て、中間部にて身に横軸で枢着し、かつ、該ロックピー
スの上部水平片内縁とこれに対応する身の適所に、相互
に係合する係合突起を設けるとともに、該ロックピース
の下部垂直片内面にその係合状態を維持させる弾性体を
設けて、閉じた蓋を係止保持させて成り、その閉蓋係止
態勢において、ロックピースを下部垂直片にて弾性体に
抗して押圧回動させることにより、その閉蓋係止を解除
させるようにしたものがある（実開昭62-177406号公
報）。

また、他の一つに、身の前面乃至蓋の前部下面に一連の
凹部を設け、該凹部内に断面逆Ｌ字状で上部の水平片が
前方へ向かうレバーを可動に内装して、コーナー部で身
に横軸で枢着し、該レバーの下部垂直片内縁とこれに対
応する身の適所に、相互に係合する係合突起を設けると
ともに、該レバーの上部水平片上面にその係合状態を維
持させる弾性片を一体に設けて、閉じた蓋を係止保持さ
せて成り、その閉蓋係止態勢において、レバーを上部水
平片にて弾性片に抗して押圧回動させることにより、そ
の閉蓋係止を解除させるようにしたものがある（実開昭
61-23907号公報）。

しかし、これらの閉蓋係止手段では、ロックピースやレ
バーを、操作容易なピアノタッチ操作で解除させること
ができず、また、前者では、開蓋後に身の前部にロック
ピースが突出して邪魔になる欠点があり、後者では、開
蓋後に身の前部に大きな凹部が表出し、見映えが悪くな
り、商品価値が低下する欠点がある。

本考案は、これらの欠点を除去しようとするものであ
る。

「課題を解決するための手段」 上記目的達成のため、本考案は、扁平な身１と蓋２とを
後部で枢着して成る化粧用コンパクトにおいて、身１の
前面から蓋２の上面にかけて身１で垂直部分31かつ蓋２
で水平部分32をなす一連の断面逆Ｌ字状の凹段部３を形
成し、該凹段部３内の身１の垂直部分31に係止突条33を
横設し、また、該凹段部３内には、その係止突条33と係
合する逆Ｌ字形のフック４を凹段部形状に順応させて内
装してコーナー部で横軸にて蓋２に小回動可能に枢着
し、更に、該フック４の後部内面に弾性片43を一体に形
成して、該弾性片を上記水平部分32で蓋２に圧接させた
ことを特徴とする。

「作用」 如上の構成であり、身１には、化粧料Ａを収容したドラ
ムＢを装填して使用するが、蓋２を閉じた状態では、逆
Ｌ字形のフック４が自体の弾性片43の弾力を頼りに係止
突条33へ乗り越え係合しており、その閉蓋係止態勢を維
持している。

開蓋の際には、例えば人指し指などでそのフック４の上
面を弾性片43に抗して押し下げると、該フック４はわず
かに回動して係止突条33から離脱し、開蓋状態となる。

なお、蓋２がトーションスプリング等で開蓋方向に付勢
されていると、フック４を押し下げた後、その指を放せ
ば、蓋２は自動的に開蓋する。また、蓋２がそのように
付勢されていない場合には、上述のようにしてフック４
を押し下げた後、例えば拇指などをフック４の下縁にか
けてその蓋２を引き上げればよい。

「実施例」 以下、図示の実施例について説明する。

図において、１は扁平で方形の身、２は、該身に対応す
る扁平で方形の蓋であり、これらは後部で相互に枢着５
し、前部で閉蓋係止手段を講じている。

３は、身１の前面から蓋２の上面にかけて一連に形成し
た閉蓋係止手段たる断面逆Ｌ字状の凹段部、４は、該凹
段部内に小回動可能に内装し、かつ、蓋２に枢着した閉
蓋係止手段たる逆Ｌ字形のフックである。６は、身１の
内周に嵌合固定した縁材、７は、蓋２の内周に貼着した
鏡である。

以上の各部材は、それぞれ適宜合成樹脂により成形して
成る。

凹段部３は、身１の前面から蓋２の上面にかけて身１で
垂直部分31かつ蓋２で水平部分32をなす一連の断面逆Ｌ
字状に形成し、身１の側の垂直部分31には、係止突条33
を横設し、また、蓋２の側の水平部分32をやや深く形成
し、該水平部分32には、前部左右に一対の片持ち軸34,3
4を突設している。

フック４には、下端内縁に上記係止突条33と係合する係
合突条41を形成し、コーナー部の両側に軸孔42,42を設
けて、上記軸34,34に可動に嵌合させ、また、後端から
内側へ彎曲する弾性片43を一体に突設して、該弾性片を
凹段部３の水平部分32にて蓋２へ圧接させている。

「考案の効果」 本考案によれば、閉蓋係止手段の解除に際し、人指し指
などでフック４の上面を弾性片43に抗して押し下げれば
よく、ピアノタッチで極めて容易に解除させることがで
きる。したがって、蓋２をトーションスプリング等で開
蓋方向に付勢させれば、フック４の押し下げ後、その指
を放せば、蓋２が自動的に開蓋し、いわゆるワンタッチ
で開蓋させることができる。また、蓋２をそのように付
勢させない場合でも、そのフック４の下縁に拇指などを
かけて単に蓋を開けるとほぼ同様にして容易に開蓋させ
ることができる。

更に、フック４が蓋２の側にあるので、開蓋後に身１の
前部にて突出して邪魔になるようなことはなく、また、
身１の前部には、断面逆Ｌ字状の凹段部３の内、垂直部
分31だけを形成するのであるから、開蓋後に身の前部に
大きな凹部が表出して見映えが悪くなることも、これに
よる商品価値の低下も生じない。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例で、第１図は、截断側面図、第
２図は、動作状態を示す截断側面図、第３図は、分割斜
視図である。 １……身、２……蓋 ３……凹段部、４……フック ６，７……縁材、８……鏡 33……係止突条、34……弾性片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扁平な身１と蓋２とを後部で枢着して成る
   化粧用コンパクトにおいて、身１の前面から蓋２の上面
   にかけて身１で垂直部分31かつ蓋２で水平部分32をなす
   一連の断面逆Ｌ字状の凹段部３を形成し、該凹段部３内
   の身１の垂直部分31に係止突条33を横設し、また、該凹
   段部３内には、その係止突条33と係合する逆Ｌ字形のフ
   ック４を凹段部形状に順応させて内装してコーナー部で
   横軸にて蓋２に小回動可能に枢着し、更に、該フック４
   の後部内面に弾性片43を一体に形成して、該弾性片を上
   記水平部分32内で蓋２に圧接させたことを特徴とする化
   粧用コンパクト。