JPH0437529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、前部の止め金部に止め金解錠用の押
釦を具えた化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 この種コンパクトは周知のように、化粧品皿、
またパフ皿付きの場合はパフ皿の止め金を設ける
前部に凹所を凹設し、この凹所に、上面を蓋前部
裏面に接しさせ、かつ背後に所要の空間を設けて
押釦を枢支配設し、止め金解錠時にこの押釦の下
部を前面から押込んで縦方向に回動させ、この回
動で蓋前部を押上げて止め金を解錠している。

「考案が解決しようとする問題点」 上記押釦式によれば、軽い操作力で容易に止め
金が解錠でき便利である。しかし、押釦を押込む
と止め金が解錠し、蓋が半開状態となるので、例
えばハンドバツグ等に入れて携帯中に押釦が他物
に当つたりすると動作してコンパクトが半開し、
化粧料がバツグ内のごみで汚れたりする懸念があ
る。また、押釦は適当な遊びを設けて枢支配設し
てあるので、持ち運び或いは扱い中に揺動しコト
コトと耳障りな音を発する難点がある。

本考案は、止め金解錠用の押釦に左右方向スラ
イド可能なスライドピースを付設し、このスライ
ドピースから押釦背後に、常時この押釦を前面側
に押圧し、そしてスライド位置により押釦の押込
みをロツクし、また、ロツク解除する弾性鎖錠片
を延設し、押釦の不用意な動作と揺動を防止する
ようにした化粧用コンパクトを得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案では前面凹所１に止め金解錠用押釦２を
枢支配設した化粧用コンパクトにおいて、前記押
釦２を、前面板３の少なくとも一方の側縁部背後
に後方への突出し部４を設けた形状とし、この押
釦２の前面板３に、この前面板３の前面、背面に
添う部材５ａ，５ｂを有して左右方向スライド可
能なスライドピース５を設け、このスライドピー
ス５の背面部材５ｂから、押釦２を前面側に押圧
し、かつ遊端６が前記突出し部４背後の空間に位
置して押釦２の押込みをロツクする弾性鎖錠片７
を延設してなり、止め金解錠時、スライドピース
５をスライドして弾性鎖錠片７の遊端６を突出し
部４背後から前面板３背後に移動させ、押釦２の
押込みロツクを解除するようにしている。

「作用」 上記において、常時は第１図ａ，ｂの如く止め
金が施錠して蓋８は閉蓋状態を保持している。こ
の常時においては、スライドピース５は第４図ａ
のように押釦２の略中央に位置させておく。この
位置にて弾性鎖錠片７の遊端６は押釦２の突出し
部４背後にあつてこの突出し部４背後空間を埋め
ており、従つて押釦２を押込むことができず、止
め金解錠、開蓋動作はロツクされている。

化粧に当つては、スライドピース５を同図ｂの
ように左方にスライドさせ、これにより弾性鎖錠
片７の遊端６を突出し部４背後から前面板３背後
に移動させ、押釦２の押込みロツクを解除する。
従つて、この後同図ｃのように押釦２を弾性鎖錠
片７に抗し押込めばよい。これにより蓋８前部を
押上げて止め金が解錠できる。

しかして上記において、押釦２は弾性鎖錠片７
の反力で常時前面に押圧されているので、揺動す
ることなく、従つてコトコトといつた耳障りな音
を発したりしない。

「実施例」 本考案の化粧用コンパクトは、止め金解錠用の
押釦２にスライドピース５を左右方向スライド可
能に、かつこの押釦２を前面側に押圧するよう付
設し、このスライドピース５のスライドによる位
置の変化により押釦２の押込み動作をロツク、ま
たロツク解除するようにし、そしてその揺動を防
止するようにした点に特徴を有する。

尚、この実施例では、パフ付きのコンパクトの
例を示し、パフ皿９の上面部に片開きの蓋８付き
の化粧品皿１０を配設し、また前面凹所１はパフ
皿９に形成しており、この化粧品皿１０と蓋８は
後端部を並設したヒンジでパフ皿９後端に枢着
し、また止め金は蓋８とパフ９の前部間に形成し
ている。

従つて、パフ１１取出しの場合は化粧品皿１０
を蓋８付きの状態で開き、化粧時には蓋８のみを
開く。勿論、本考案はパフ付きでなくてもよい。

パフ皿９は、前面中央部に凹所１を凹設し、こ
の凹所１の前向き壁の上部に止め金の一方の係合
突起１２を突設している。このパフ皿９は深めで
あり、従つてパフ１１は下半部に収納してある。

化粧品皿１０は、上部周縁の外向きフランジ１
３を前記パフ皿９上端面に載置し、従つてこのパ
フ皿９上半部に収納されるように配設してある。

蓋８は裏面中央部に鏡１４を貼着し、前部寄り
裏面から係合部材１５を垂設し、この係合部材１
５下部背面に止め金の他方の係合突起１６を突設
し、またこの係合部材１５前面側の前部裏面を平
坦面としている。

押釦２は、前面板３上端に、蓋８前部裏面の平
坦面に接合する平坦な上面板１７を設け、この上
面板１７の後部側中央部に係合部材１５を通す切
欠き１８を設け、また前面板３の左右両端背後に
突出し部４となる側板を設け、この突出し部４，
４上部外面に枢支溝１９，１９を形成し、これら
枢支溝１９，１９を後方に抜けさせた導入溝２
０，２０を介し凹所１の左右の横向き壁面のピン
に係合し、凹所１の前向き壁面との間に所要の空
間を設けて縦方向回動可能に枢支配設してある。
また前面板３の下端縁の中央部を切欠き、この切
欠き部２１の下端縁に前後に突出する係合突条２
２，２２を設けている。

スライドピース５は、前面部材５ａと背面部材
５ｂの下端中央部を細巾の結合片５ｃで結合した
断面Ｕ字形とし、前面部材５ａ背後、背面部材５
ｂ前面にそれぞれ係合突条を設け、これら係合突
条を前記係合突条２２，２２に係合して押釦２下
部にこれを両面から挾持するよう設け、かつ左右
方向スライド可能に設けている。

このスライドピース５は、背面部材５ｂから弾
性鎖錠片７を斜め後方に延設し、その遊端６を肉
厚としている。この遊端６は、押釦２の背後突出
し部４と凹所１の前向き壁面の空所に入り込む略
同寸法となつている。またこの弾性鎖錠片７は遊
端６を凹所１の前向き壁面に軽く付けた状態で配
設され、従つて常時押釦２を反力で前面側に押込
んでおり、従つて押釦２をよう揺動することな
く、コトコトといつた耳障りな音を発するような
ことはない。

このスライドピース５は、結合片５ｃが切欠き
部２１の右端に当接したとき押釦２の略中央に位
置し、このとき弾性鎖錠片７の遊端６は突出し部
４背後にあつて押釦２の押込みロツクし、結合片
５ｃが切欠き部２１の左端に当接するまで左方に
スライドすると、弾性鎖錠片７の遊端６は突出し
部４背後から外れ。ロツクが解除される。

尚、このスライドピース５の取付けは図示構造
に限らない。例えば押釦２の前面板３の中央部に
左右方向のスリツトを明け、このスリツトを挿通
するピンを介しスライド可能に設けることもでき
る。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

「考案の効果」 上記したように本考案では、止め金解錠用の押
釦２に左右方向スライド可能なスライドピース５
を付設し、このピース５から押釦２背後に、常時
この押釦２を前面側に押圧し、そしてスライド位
置により押釦２の押込みをロツクし、また、ロツ
ク解除する弾性鎖錠片７を設けたので、押釦２の
不用意な動作と揺動による耳障りな音が防止でき
る。しかも操作は、スライドピース５を僅かの距
離スライドさせるのみであり、簡便で何の面倒も
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案化粧用コンパクトの一実
施例の正面図と縦断面図、第２図は同実施例の押
釦の外形斜視図、第３図は同押釦の分解斜視図、
第４図ａ，ｂ，ｃは同実施例の作用を説明するた
めの図で、第１図ｂのＡ−Ａ線断面図である。 ２……押釦、５……スライドピース、７……弾
性鎖錠片、８……蓋、９……パフ皿、１０……化
粧品皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面凹所１に止め金解錠用押釦２を枢支配設し
   た化粧用コンパクトにおいて、前記押釦２を、前
   面板３の少なくとも一方の側縁部背後に後方への
   突出し部４を設けた形状とし、この押釦２の前面
   板３に、この前面板３の前面、背面に添う部材５
   ａ，５ｂを有して左右方向スライド可能なスライ
   ドピース５を設け、このスライドピース５の背面
   部材５ｂから、押釦２を前面側に押圧し、かつ遊
   端６が前記突出し部４背後の空間に位置して押釦
   ２の押込みをロツクする弾性鎖錠片７を延設して
   なり、止め金解錠時、スライドピース５をスライ
   ドして弾性鎖錠片７の遊端６を突出し部４背後か
   ら前面板３背後に移動させ、押釦２の押込みロツ
   クを解除するようにした化粧用コンパクト。