JPH06184369A - 微生物崩壊性樹脂組成物およびそれから製造された成形物 - Google Patents

微生物崩壊性樹脂組成物およびそれから製造された成形物

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JPH06184369A
JPH06184369A JP35581792A JP35581792A JPH06184369A JP H06184369 A JPH06184369 A JP H06184369A JP 35581792 A JP35581792 A JP 35581792A JP 35581792 A JP35581792 A JP 35581792A JP H06184369 A JPH06184369 A JP H06184369A
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JP
Japan
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carbonate
weight
polycaprolactone
pellet
peroxy
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Application number
JP35581792A
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English (en)
Inventor
Takashi Inoue
尚 井上
Katsuhiko Hayashi
勝彦 林
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリカプロラクトン100重量部、ポリオレフ
ィン系樹脂1〜250重量部およびポリオレフィン系樹
脂にペルオキシ基含有重合体をグラフト反応させたグラ
フト共重合体1〜50重量部からなる微生物崩壊性樹脂
組成物およびそれから製造された成形物。 【効果】本組成物は3成分が均一に相溶しているので、
成形性に優れ、有用な物性を悪化させず、この組成物か
らの成形物に悪影響を及ぼすことがない。また、成形物
は、優れた微生物崩壊性を有し、しかも機械的強度、耐
熱性、耐低温脆化性等に優れたもので、フィルム、シー
ト等の各種成形物として幅広く使用できる。特に土壌中
の微生物によって分解されるので、生物分解性包装フィ
ルム、生物分解性包装袋、生物分解性ゴミ袋やその他の
生物分解性成形品等として好適であり、環境美化に貢献
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカプロラクトン系の微生
物崩壊性樹脂組成物およびそれから製造された成形物に
関する。本発明の樹脂組成物は加工性に優れ、機械的強
度、耐熱性、耐低温脆化性、微生物崩壊性等に優れたも
のであり、フィルム、シート、パイプ、ボトル、棒、
板、箱、フィラメント、ファイバー、織布、不織布、積
層物等に成形され、包装用資材、農業用資材、建築用資
材、漁業用資材、医療用資材、一般産業用資材等として
利用される。
【0002】
【従来の技術】ポリカプロラクトンはε−カプロラクト
ンの開環重合反応によって得られる熱可塑性高分子であ
り、その結晶溶融温度は60℃と低く、引張強度、靱性
および他の樹脂との相溶性に優れ、そして土壌中の微生
物により崩壊する性質を有するので広範囲に用途を有す
る。例えば、整形外科用キャスト、ギブス材料またはイ
ンベストメント鋳造法もしくはロストワックス鋳造法等
の精密鋳造法に用いられる消失模型、熱融着型一時接着
布、プラスチック製粘土、歯科印象採取用トレー、モー
ルド離型剤、顔料分散剤、外科用モノフィラメント縫合
糸、微生物崩壊性繊維、微生物崩壊性不織布等としてポ
リカプロラクトンは現在広く用いられている。また、ポ
リカプロラクトンから製造されるフィルムは低融点、微
生物崩壊性、高い機械的強度等に特徴を有するので、多
くの用途開発が近年期待されており、その製造方法の確
立が望まれてきた。しかしながら、60℃というポリカ
プロラクトンの極端に低い結晶溶融温度と、結晶溶融温
度以上での急激な溶融張力低下により製膜が非常に困難
であり、これまでポリカプロラクトンの空冷インフレー
ション法によるフィルムの製造について報告する文献は
なかったため、本特許出願人はポリカプロラクトンを用
いて空冷インフレーション法によって製造するための装
置を先に出願したが(特開平4−148918号)、特
定の装置を使用しなければならず、一般のポリエチレン
インフレーション装置が使用できなく不便であった。ま
た、インフレーション以外の成形方法も加工条件が制約
され、特定の装置を用いなければならずコストアップと
なり不便であった。また、製造された各種成形物の物
性、特に機械的強度、耐熱性等の改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況を考慮してなされたものであり、ポリカプロラクトン
の優れた物性を生かしながら、さらにその加工性、機械
的強度、耐熱性、耐低温脆化性等を改良した新素材を提
供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリカプ
ロラクトンに各種のポリマーを配合したところ、ポリオ
レフィン系樹脂を配合した場合、加工性、機械的強度、
耐熱性、耐低温脆化性がかなり改善されることを見出し
たが、同時に、ポリカプロラクトンとポリオレフィン系
樹脂は配含比率が特定の場合は、相溶性が悪く該組成物
を電子顕微鏡で観察すると海/島構造になっており、成
形物の表面が荒れており、予想される物性よりもかなり
悪いことが判明したので、両者の相溶性を向上させるた
め、各種の共重合体を配合し試験を行ってみたところ、
特定の共重合体を配合した場合、良好な結果が得られる
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、ポリカプロラクトン
100重量部、ポリオレフィン系樹脂1〜250重量部
およびポリオレフィン系樹脂にペルオキシ基含有重合体
をグラフト反応させたグラフト共重合体1〜50重量部
からなる微生物崩壊性樹脂組成物に関する。
【0006】本発明において用いられるポリカプロラク
トンは、ε−カプロラクトンの開環重合反応により生成
され、ε−カプロラクトン単独またはジオール例えばエ
チレングリコールまたはジエチレングリコール等とを触
媒の存在下で反応させて得られる重合体であり、微生物
崩壊性を有するものである。この反応において用いられ
る触媒としては有機スズ化合物、有機チタン化合物、有
機ハロゲン化スズ化合物が一般的であり、その添加量は
0.1〜5000ppmである。反応温度は100〜2
30℃の範囲が好ましく、不活性気体中で重合させるこ
とが好ましい。このポリカプロラクトンの製法は例えば
特公昭35−189号、同35−497号、同40−2
3917号、同40−26557号、同43−2473
号、同47−14739号、特開昭56−49728
号、同58−61119号等に開示されている。
【0007】本発明においてポリオレフィン系樹脂とは
エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィン
との共重合体、エチレンと酢酸ビニルまたはエチルアク
リレートとの共重合体、エチレン以外のα−オレフィン
の単独重合体、α−オレフィンと共重合可能なビニルモ
ノマーとの共重合体等を意味する。具体的には、高圧法
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、気相法直鎖状低密度ポリ
エチレン、気相法超低密度ポリエチレン、エチレン−プ
ロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、イ
ソブチレン−イソプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブ
デン−1等を意味し、これ等単独または2種以上を混合
して使用してもよい。本発明においてポリオレフィン系
樹脂はポリカプロラクトン100重量部に対して1〜2
50重量部配合する。ポリオレフィン系樹脂が1重量部
以下であるとポリカプロラクトンの加工性、物性等の改
良効果がなく、250重量部以上配合するとポリカプロ
ラクトンの最大の特徴である微生物崩壊性が発現しなく
なる。また250重量部以上の領域ではポリカプロラク
トンとポリオレフィン系樹脂は海/島構造をとらず完全
に相溶化しており、相溶化剤の助けを借りる必要がな
い。
【0008】本発明においてグラフト共重合体とは上記
のように、ポリオレフィン系樹脂にペルオキシ基含有重
合体をグラフト反応させて得たものである。ここにおい
てポリオレフィン系樹脂とは、上記に定義したものであ
り、特にエチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、アイ
オノマー等が望ましい。上記のペルオキシ基含有重合体
とは、例えば1種または2種以上のビニル単量体100
重量部当たりペルオキシ基含有単量体0.1〜10重量
部および10時間の半減期を得るための分解温度が40
〜90℃であるラジカル重合開始剤を上記ビニル単量体
とペルオキシ基含有単量体の合計量100重量部当たり
0.01〜5重量部加え、よく攪拌しながら温度60〜
80℃で2〜4時間懸濁重合を行い、重合転化率が95
%以上となり、重合が完了したことを確認して得ること
ができる。また、ペルオキシ基含有重合体は、上記のよ
うに得たペルオキシ基含有重合体の入っている懸濁液中
に、上記と同種または異種のビニル単量体を1種または
2種以上投入し、重合温度70〜85℃で重合を再開
し、重合が完了した後、重合物をろ過、水洗、乾燥して
得られるペルオキシ基含有ブロック共重合体であっても
よい。上記したビニル単量体とは、具体的にはビニル芳
香族単量体、例えばスチレン;核置換スチレン、例えば
メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、
イソプロピルスチレン、クロルスチレン;α−置換スチ
レン、例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ン;(メタ)アクリル酸エステル単量体、例えば、(メ
タ)アクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル;
(メタ)アクリロニトリル;ビニルエステル単量体、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
また、ハロゲン化ビニルまたはビニリデン(特に塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン)、ビニルナフタレン、ビニルカ
ルバゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水
マレイン酸、その他のビニル型単量体も使用することが
でき、これらは単独でまたは2種以上が混合して用いら
れる。これらのうち、特に好ましいのはビニル芳香族単
量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、アクリロニ
トリル単量体であり、いずれかがビニル単量体中、少な
くとも50重量%存在することが望ましい。そして特に
親水性または固体のビニル単量体は、油溶性単量体中に
溶解して使用するのが望ましい。また、上記ペルオキシ
基含有単量体としては、t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオキシア
クリロイロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキ
シエチルカーボネート、クミルペルオキシアクリロイロ
キシエチルカーボネート、p−イソプロピルクミルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、
t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエ
チルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチアルカーボネー
ト、クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシア
クリロイロキシエトキシエチルカーボネート、t−アミ
ルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカー
ボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタクリ
ロイロキシエトキシエチルカーボネート、1,1,3,
3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシ
エトキシエチルカーボネート、クミルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート、p−イソプ
ロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエ
チルカーボネート、t−ブチルペルオキシアクリロイロ
キシイソプロピルカーボネート,t−アミルペルオキシ
アクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキ
シルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ
アクリロイロキシイソプロピルカーボネート、クミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、
p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタク
リロイロキシイソプロピルカーボネート、t−アミルペ
ルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシ
メタクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ブ
チルペルオキシアリルカーボネート、t−アミルペルオ
キシアリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシアリ
ルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルペルオ
キシアリルカーボネート、p−メンタンペルオキシアリ
ルカーボネート、クミルペルオキシアリルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネート、t−
アミルペルオキシメタリルカーボネート、t−ヘキシル
ペルオキシメタリルカーボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシメタリルカーボネート、p
−メンタンペルオキシメタリルカーボネート、クミルペ
ルオキシメタリルカーボネート、t−ブチルペルオキシ
アリロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオキシ
アリロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキ
シアリロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキ
シメタリロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオ
キシメタリロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペ
ルオキシメタリロキシエチルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシアリロキシイソプロピルカーボネート、t−
アミルペルオキシアリロキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシアリロキシイソプロピルカ
ーボネート、t−ブチルペルオキシメタリロキシイソプ
ロピルカーボネート、t−アミルペルオキシメタリロキ
シイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ
メタリロキシイソプロピルカーボネート等を例示するこ
とができる。中でも好ましくは、t−ブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブ
チルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオ
キシメタリルカーボネート等である。上記のラジカル重
合開始剤としては、具体的に以下のものを挙げることが
できる(カッコ内は10時間半減期温度を表す):ジイ
ソプロピルペルオキシジカーボネート(40.5℃)、
ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート(40.5
℃)、ジミリスチルペルオキシジカーボネート(40.
9℃)、ジ(2−エトキシエチル)ペルオキシジカーボ
ネート(43.4℃)、ジ(メトキシイソプロピル)ペ
ルオキシカーボネート(43.5℃)、ジ(2−エチル
ヘキシル)ペルオキシジカーボネート(43.5℃)、
t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート(44.7
℃)、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキ
シジカーボネート(46.5℃)、t−ブチルペルオキ
シネオデカノエート(46.5℃)、t−ヘキシルペル
オキシネオヘキサノエート(51.3℃)、t−ブチル
ペルオキシネオヘキサノエート(53℃)、2,4−ジ
クロロベンゾイルペルオキシド(53℃)、t−ヘキシ
ルペルオキシピバレート(53.2℃)、t−ブチルペ
ルオキシピバレート(55℃)、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルペルオキシド(59.5℃)、オクタノ
イルペルオキシド(62℃)、ラウロイルペルオキシド
(62℃)、クミルペルオキシオクトエート(65.1
℃)、アセチルペルオキシド(68℃)、t−ブチルペ
ルオキシ−2−エチルヘキサノエート(72.5℃)、
m−トリオイルペルオキシド(73℃)、ベンゾイルペ
ルオキシド(74℃)、t−ブチルペルオキシイソブチ
レート(78℃)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(90
℃)等。本発明においてポリオレフィン系重合体とペル
オキシ基含有重合体とのグラフト化反応は例えば150
〜300℃での溶融下、混練機、押出機あるいは射出成
形機等を用いて行う方法、あるいは溶剤中100〜30
0℃に加熱して行う方法が挙げられるが特に制限はな
い。グラフト化反応においてポリオレフィン系重合体と
ペルオキシ基含有重合体の使用割合はその合計量を10
0重量%とすると、ポリオレフィン系共重合体が50〜
80重量%である。この範囲をはずれたものは相溶化効
果が発現せず望ましくない。上記範囲内にある製品とし
ては、例えば日本油脂株式会社よりモディパーAシリー
ズ(商品名)として各種のグラフト共重合体が市販され
ているものがある。本発明においてはグラフト共重合体
をポリカプロラクトン100重量部に対して1〜50重
量配合する。1重量部以下であると相溶化効果が発現せ
ず、50重量部以上であると機械的強度、耐熱性等が悪
化し望ましくない。
【0009】本発明の微生物崩壊性樹脂組成物には上記
必須成分の他に、酸化防止剤、耐候性改良剤、紫外線吸
収剤、着色剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、防曇
剤、架橋剤、難燃剤、防錆剤、抗菌剤、防藻剤、香料、
可塑剤、加工助剤等を配合してもよい。
【0010】本発明の樹脂組成物はバンバリミキサー、
ヘンシュルミキサー、コニーダー、多軸押出機、リボン
ブレンダー等で配合混練され、押出成形機、射出成形
機、圧縮成形機、カレンダー成形機、Tダイキャスト成
形機、吹込成形機、回転式成形機等により、フィルム、
シート、パイプ、ボトル、棒、板、箱、フィラメント、
ファイバー、織布、不織布、積層物等に成形され、包装
用資材、農業用資材、建築用資材、漁業用資材、医療用
資材、一般産業用資材等として利用される。本発明は、
このような本発明の微生物崩壊性樹脂組成物から製造さ
れた成形物にも関する。これらの成形物は使用後、自然
環境に廃棄された場合、微生物によって崩壊されるので
環境美化に役立つ。
【0011】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想を体現するものは本発明の
範囲内に包含される。なお、以下の実施例において、M
IおよびFIはそれぞれメルトインデックスおよびメル
トフローインデックスを意味し、JISK7210の表
1の条件4(190℃,試験荷重21.18N)および
条件7(190℃,試験荷重211.82N)にて測定
した値で、共に単位はg/10分である。
【0012】実施例1 ポリカプロラクトン(UCC社製,商品名TONE P
−787,MI=3.8)100重量部、直鎖状低密度
エチレン−ブテン−1共重合体(日本ユニカー製,商品
名GS−650,MI=0.78,密度0.921g/
ml)200重量部、グラフト共重合体(日本油脂製,
商品名モディパーA1400,アクリロニトリル−スチ
レン共重合体30重量%と高圧法低密度ポリエチレン7
0重量%をグラフトした共重合体)33重量部を配合
し、160℃で10分間、バンバリーミキサーで加熱混
練し、造粒機でペレットを得た。このペレットのMIは
3.4、FIは135であり、加工性が改良されている
ことが判明した。また、このペレットのビカー軟化点を
測定したところ75.5℃であり、ポリカプロラクトン
単独の軟化点54.6℃より大幅に改善されたことが判
明した。このペレットを原料として、160℃、50k
g/cm2 で圧縮成形機により厚さ0.2mmのシート
を得、引張強さ、伸びを測定したところ、それぞれ25
0kg/cm2 、720%であり非常に改善されてい
た。また、このペレットを原料としてプラコー製40m
m押出機により25m3 /分の風量で冷却しながら環状
ダイスからブローアップ比2.2、160℃で押出した
ところ、厚さ150μmのフィルムが得られた。
【0013】比較例1 実施例1において、グラフト共重合体を使用しなかった
以外は実施例1と同様な実験を行った。このペレットの
MIは1.8、FIは87であり、加工性は改良されて
いなかった。また、このペレットのビカー軟化点は7
1.3℃であり実施例1のものより低かった。このペレ
ットを原料として、160℃、50kg/cm2 で圧縮
成形機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強さ、
伸びを測定したところ、それぞれ111kg/cm2
60%であり、実施例1のものよりかなり劣っていた。
【0014】実施例2 ポリカプロラクトン(UCC社製,商品名TONE P
−787,MI=3.8)100重量部、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(日本ユニカー製,商品名NUC−3
760,MI=2.5,密度0.941g/ml,酢酸
ビニル含有量18重量%)50重量部、グラフト共重合
体(日本油脂製,商品名モディパーA6200,メチル
メタアクリレート重合体30重量%とエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体70重量%をグラフトした共重合体)12
重量部を配合し、160℃で10分間、バンバリーミキ
サーで加熱混練し、造粒機でペレットを得た。このペレ
ットのMIは3.2、FIは235であり、加工性が改
良されていることが判明した。また、このペレットのビ
カー軟化点を測定したところ68.6℃であり、ポリカ
プロラクトン単独の軟化点54.6℃より大幅に改善さ
れたことが判明した。このペレットを原料として、16
0℃、50kg/cm2 で圧縮成形機により厚さ0.2
mmのシートを得、引張強さ、伸びを測定したところ、
それぞれ228kg/cm2 、750%であり非常に改
善されていた。また、このペレットを原料としてプラコ
ー製40mm押出機により25m3 /分の風量で冷却し
ながら環状ダイスからブローアップ比2.5、150℃
で押出したところ厚さ80μmのフィルムが得られた。
【0015】比較例2 実施例2において、グラフト共重合体を使用しなかった
以外は実施例2と同様な実験を行った。このペレットの
MIは2.6、FIは167であり、加工性は改良され
ていなかった。また、このペレットのビカー軟化点は6
5.3℃であり、実施例2のものより低かった。このペ
レットを原料として、160℃、50kg/cm2 で圧
縮成形機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強
さ、伸びを測定したところ、それぞれ83kg/c
2 、360%であり実施例2のものよりかなり劣って
いた。
【0016】実施例3 ポリカプロラクトン(UCC社製,商品名TONE P
−787,MI=3.8)100重量部、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体(日本ユニカー製,商品名D
PDJ−6169,MI=6,密度0.931g/m
l,エチルアクリレート含有量18重量%)20重量
部、グラフト共重合体(日本油脂製,商品名モディパー
A5100,スチレン重合体30重量%とエチレン−エ
チルアクリレート共重合体70重量%をグラフトした共
重合体)25重量部を配合し、160℃で10分間、バ
ンバリーミキサーで加熱混練し、造粒機でペレットを得
た。このペレットのMIは5.3、FIは245であ
り、加工性が改良されていることが判明した。また、こ
のペレットのビカー軟化点を測定したところ66.4℃
であり、ポリカプロラクトン単独の軟化点54.6℃よ
り大幅に改善されたことが判明した。このペレットを原
料として、160℃、50kg/cm2 で圧縮成形機に
より厚さ0.2mmのシートを得、引張強さ、伸びを測
定したところ、それぞれ213kg/cm2 、650%
であり非常に改善されていた。また、このペレットを原
料としてプラコー製40mm押出機により25m3 /分
の風量で冷却しながら環状ダイスからブローアップ比
2.1、140℃で押出したところ厚さ50μmのフィ
ルムが得られた。
【0017】比較例3 実施例3において、グラフト共重合体を使用しなかった
以外は実施例3と同様な実験を行った。このペレットの
MIは4.6、FIは167であり、加工性は改良され
ていなかった。また、このペレットのビカー軟化点は6
5.3℃であり、実施例3のものより低かった。このペ
レットを原料として、160℃、50kg/cm2 で圧
縮成形機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強
さ、伸びを測定したところ、それぞれ83kg/c
2 、360%であり、実施例3のものよりかなり劣っ
ていた。
【0018】実施例4 ポリカプロラクトン(UCC社製,商品名TONE P
−787,MI=3.8)100重量部、高圧法低密度
ポリエチレン(日本ユニカー製,商品名NUCG−56
51,MI=0.9,密度0.941g/ml)85重
量部、グラフト共重合体(日本油脂製,商品名モディパ
ーA1400,アクリロニトリル−スチレン共重合体3
0重量%と高圧法低密度ポリエチレン70重量%をグラ
フトした共重合体)45重量部を配合し、160℃で1
0分間、バンバリーミキサーで加熱混練し、造粒機でペ
レットを得た。このペレットのMIは2.5、FIは2
15であり、加工性が改良されていることが判明した。
また、このペレットのビカー軟化点を測定したところ7
3.8℃であり、カプロラクトン単独の軟化点54.6
℃より大幅に改善されたことが判明した。このペレット
を原料として、160℃、50kg/cm2 で圧縮成形
機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強さ、伸び
を測定したところ、それぞれ246kg/cm2 、61
3%であり非常に改善されていた。また、このペレット
を原料としてプラコー製40mm押出機により25m3
/分の風量で冷却しながら環状ダイスからブローアップ
比2.1、140℃で押出したところ厚さ30μmのフ
ィルムが得られた。
【0019】比較例4 実施例4において、グラフト共重合体を使用しなかった
以外は実施例4と同様な実験を行った。このペレットの
MIは1.3、FIは141であり、加工性は改良され
ていなかった。また、このペレットのビカー軟化点は7
0.4℃であり実施例4のものより低かった。このペレ
ットを原料として、160℃、50kg/cm2 で圧縮
成形機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強さ、
伸びを測定したところ、それぞれ183kg/cm2
487%であり、実施例4のものよりかなり劣ってい
た。
【0020】実施例5 ポリカプロラクトン(UCC社製,商品名TONE P
−787,MI=3.8)100重量部、ポロプロピレ
ン(東燃化学製,商品名E200,FI=0.5,密度
0.90g/ml)2重量部、グラフト共重合体(日本
油脂製,商品名モディパーA3100,スチレン重合体
30重量%とポリプロピレン70重量%をグラフトした
共重合体)2重量部を配合し、190℃で10分間、バ
ンバリーミキサーで加熱混練し、造粒機でペレットを得
た。このペレットのMIは3.4、FIは248であ
り、加工性が改良されていることが判明した。また、こ
のペレットのビカー軟化点を測定したところ58.7℃
でありカプロラクトン単独の軟化点54.6℃より改善
されたことが判明した。このペレットを原料として、1
60℃、50kg/cm2 で圧縮成形機により厚さ0.
2mmのシートを得、引張強さ、伸びを測定したとこ
ろ、それぞれ236kg/cm2 、607%であり改善
されていた。また、このペレットを原料として中空成形
機により180℃で洗浄用ボトルを製造した。
【0021】比較例5 実施例5において、グラフト共重合体を使用しなかった
以外は実施例5と同様な実験を行った。このペレットの
MIは3.1、FIは217であり、加工性は改良され
ていなかった。また、このペレットのビカー軟化点は6
0.3℃であり、実施例5のものより低かった。このペ
レットを原料として、160℃、50kg/cm2 で圧
縮成形機により厚さ0.2mmのシートを得、引張強
さ、伸びを測定したところ、それぞれ217kg/cm
2 、589%であり、実施例5のものよりかなり劣って
いた。
【0022】微生物崩壊性試験 実施例1〜5において得られたサンプルを10〜25℃
の土壌中に6ヵ月埋めておいた後取り出してみたところ
すべて元の形状を失っており微生物崩壊性があることが
判明した。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の微
生物崩壊性樹脂組成物は、ポリカプロラクトン、ポリオ
レフィン系樹脂、および特定のグラフト共重合体からな
るもののであり、3成分が均一に相溶しているので、成
形性に優れ、有用な物性を悪化させることなく、そして
この組成物からの成形物に悪影響を及ぼすことがない。
また、本発明の上記組成物から製造された成形物は、優
れた微生物崩壊性を有し、しかも機械的強度、耐熱性、
耐低温脆化性等に優れたものであり、フィルム、シー
ト、パイプ、ボトル、棒、板、箱、フィラメント、ファ
イバー、織布、不織布、積層物等の各種成形物として幅
広く使用できる。特に土壌中の微生物によって分解され
るので、生物分解性包装フィルム、生物分解性包装袋、
生物分解性ゴミ袋やその他の生物分解性成形物等として
好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカプロラクトン100重量部、ポリ
    オレフィン系樹脂1〜250重量部およびポリオレフィ
    ン系樹脂にペルオキシ基含有重合体をグラフト反応させ
    たグラフト共重合体1〜50重量部からなる微生物崩壊
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微生物崩壊性樹脂組成物
    から製造された成形物。
JP35581792A 1992-12-18 1992-12-18 微生物崩壊性樹脂組成物およびそれから製造された成形物 Pending JPH06184369A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996019935A1 (de) * 1994-12-23 1996-07-04 Licentia Patent-Verwaltungs-Gmbh Filter und filterbeutel für staubsauger
JP2005248160A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Osaka Gas Co Ltd 生分解性プラスチック材料及び成形体
JP2005281424A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Unitika Ltd ブロック共重合体、その製造方法、および樹脂組成物

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JP2005248160A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Osaka Gas Co Ltd 生分解性プラスチック材料及び成形体
JP2005281424A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Unitika Ltd ブロック共重合体、その製造方法、および樹脂組成物

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