JPH0616542A - 医療用粘着テープもしくはシート - Google Patents

医療用粘着テープもしくはシート

Info

Publication number
JPH0616542A
JPH0616542A JP4172887A JP17288792A JPH0616542A JP H0616542 A JPH0616542 A JP H0616542A JP 4172887 A JP4172887 A JP 4172887A JP 17288792 A JP17288792 A JP 17288792A JP H0616542 A JPH0616542 A JP H0616542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medical
sheet
adhesive tape
weight
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4172887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3144895B2 (ja
Inventor
Tadao Kawamori
唯夫 河盛
Takashi Nakagawa
隆司 中川
Tamaki Yoshioka
環 吉岡
Tetsuhisa Udagawa
哲久 宇田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP17288792A priority Critical patent/JP3144895B2/ja
Publication of JPH0616542A publication Critical patent/JPH0616542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3144895B2 publication Critical patent/JP3144895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体の片面に粘着剤層が設けられた医療用
粘着テープもしくはシートにおいて、該粘着剤層が、A
−B−A型ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑
性エラストマーを5〜25重量%、炭素数10〜30の
パラフィン系および/またはナフテン系炭化水素と粘着
付与樹脂とを75〜95重量%含有するゴム系粘着剤
と、粘着剤層中に配合された水溶性高分子2〜30重量
%および多価アルコールの脂肪酸エステル2〜30重量
%とからなる医療用粘着テープもしくはシートである。 【効果】 ゴム系粘着剤の粘着性を損なうことなく貼付
時の透湿性を付与し、さらに剥離時の毛むしりや皮膚角
質剥離などの物理的刺激の殆どない低刺激性の医療用粘
着テープもしくはシートを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体の片面に粘着剤
層が設けられた医療用粘着テープもしくはシートに関
し、より詳細には、粘着性を損なうことなく貼付時の透
湿性を付与し、さらに剥離時の毛むしりや皮膚角質剥離
などの物理的刺激の殆どない低刺激性の医療用粘着テー
プもしくはシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、医療用プラスター、絆創膏、手
術用ドレシングなどの医療用粘着テープもしくはシート
は、粘着剤として天然ゴムやポリイソプレンゴムなどの
ゴム弾性体と粘着付与樹脂と軟化剤を配合してなるゴム
系粘着剤を用いたものである。しかしこのようなゴム弾
性体を主体とする粘着剤層を備えた医療用粘着テープも
しくはシートは、貼付時の粘着性が優れている反面、剥
離時にはその強い粘着力のために皮膚の角質層を剥離
し、体毛の毛むしりを招き、また透湿性がないため皮膚
にかぶれを生じさせ、炎症を来たした。
【0003】そこで、皮膚に対する刺激を和らげる方法
として、以下のような構成の医療用粘着テープもしくは
シートが提案された。
【0004】例えば、特公昭54−44688号公報に
は、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール、分子量1000以下のポリエチレン
グリコール、グリセリン、ソルビトールのような水溶性
ポリオールと、水溶性または水膨潤性高分子とをゴム系
粘着剤に配合することが提案され、また特開平1−29
7069号公報には、重量の10倍以上の水を吸収して
ゲル化膨潤する吸水性高分子(例えば、水溶性ポリマー
に架橋結合を導入したもの、具体例:三洋化成社製、サ
ンウェットIM−300、サンウェットIM−1000
MPS)をゴム系粘着剤に配合することが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ゴム系粘着剤を用いた
医療用粘着テープもしくはシートでは、上述したよう
に、貼付時の蒸れによるかぶれや皮膚刺激が問題であっ
た。また、上記提案のようにゴム系粘着剤に水溶性ポリ
オールを配合した場合、両者の相溶性が悪いため、ゴム
系粘着剤からポリオールがブリードする欠点があった。
さらにゴム系粘着剤に吸水性高分子を配合した場合、貼
付中は吸水性高分子が吸水して撥水しないため、吸水膨
潤し体積が膨張し使用中に貼付性が低下するといった問
題があった。
【0006】本発明の目的は、ゴム系粘着剤の粘着性を
損なうことなくゴム系粘着剤に透湿性を付与することに
より皮膚への刺激を和らげた低刺激性の透湿性医療用粘
着テープもしくはシートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、従来の
医療用粘着テープもしくはシートにおける上記問題点を
克服すべく鋭意検討した結果、特定のゴム系粘着剤に水
溶性高分子および多価アルコールの脂肪酸エステルを所
要量ずつ配合することにより、これら配合物質の粘着剤
に対する相溶性がよく、また粘着剤に吸湿能を持たすこ
とにより透湿性の付与が可能になり、さらにゴム系粘着
剤組成についてはスチレン系熱可塑性エラストマーに特
定のパラフィン系および/またはナフテン系炭化水素な
らびに粘着付与樹脂を配合することにより、剥離時の毛
むしりや皮膚角質剥離などの物理的刺激が殆どない医療
用粘着テープもしくはシートが得られるという知見を得
て、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明による医療用粘着テープ
もしくはシートは、支持体の片面に粘着剤層が設けられ
た医療用粘着テープもしくはシートにおいて、該粘着剤
層が、A−B−A型ブロック共重合体からなるスチレン
系熱可塑性エラストマーを5〜25重量%、炭素数10
〜30のパラフィン系および/またはナフテン系炭化水
素と粘着付与樹脂とを75〜95重量%含有するゴム系
粘着剤と、粘着剤層中に配合された水溶性高分子2〜3
0重量%および多価アルコールの脂肪酸エステル2〜3
0重量%とからなるものである。
【0009】以下、本発明による消炎鎮痛医療用粘着テ
ープもしくはシートの各構成成分、製造法等について詳
述する。
【0010】a) ゴム系粘着剤の一構成成分であるA
−B−A型ブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑
性エラストマーとしては、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(溶液粘度:300〜2000c
P(25重量%トルエン溶液);スチレン/ゴム重量
比:14/86〜21/79)、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(溶液粘度:220〜40
0cP(25重量%トルエン溶液);スチレン/ゴム重
量比:28/72〜50/50)、スチレン−エチレン
/ブチレン−スチレンブロック共重合体(溶液粘度:2
00〜1500cP(20重量%トルエン溶液);スチ
レン/ゴム重量比:13/87〜30/70)などが用
いられる。
【0011】ゴム系粘着剤中のスチレン系熱可塑性エラ
ストマーの割合は5〜25重量%である。この割合が5
重量%より少ないと、ゴム系粘着剤の凝集力が低いた
め、充分な貼付性が得られず、剥離時に糊残りなどが生
じる。また、ゴム系粘着剤中のスチレン系熱可塑性エラ
ストマーの割合が25重量%より多いと、ゴム系粘着剤
の粘着力が強くなりすぎるため、繰り返し貼付ができ
ず、剥離時に角質剥離や毛むしりが生じ、刺激性が大き
くなる。
【0012】本発明で用いられる炭素数10〜30のパ
ラフィン系炭化水素および(または)ナフテン系炭化水
素としては、軽質流動パラフィン、重質流動パラフィ
ン、ヘキサメチルテトラコサン、ヘキサメチルテトラコ
サヘキサン、α−オレフィンオリゴマーなどが例示さ
れ、これらが単独でもしくは2以上の組み合わせで用い
られる。
【0013】炭素数31以上のパラフィン系炭化水素お
よび(または)ナフテン系炭化水素は、室温で固形であ
り、粘着付与樹脂やスチレン系熱可塑性エラストマーと
の配合時に十分な軟化性がないために、良好な粘着力を
有する貼付剤は得られない。炭素数9以下のものは、軟
化性が高くなり粘着剤層が柔らかくなりすぎるため、好
ましくない。
【0014】本発明に用いられる粘着付与樹脂として
は、ロジン系樹脂(ロジン、水添ロジン、これらのエス
テルなど)、ポリテルペン樹脂、クマロン−イソデン樹
脂、石油系樹脂(脂肪族系、脂環族系など)、テルペン
−フェノール樹脂などの群より選ばれた、軟化点50〜
130℃のものが例示され、これらが単独でもしくは2
以上の組み合わせで用いられる。とりわけ、石油樹脂の
脂環族炭化水素樹脂(軟化点65〜130℃)、水添ロ
ジンのグリセリンエステル(軟化点80〜130℃)、
ポリテルペン樹脂(軟化点80〜130℃)などが好ま
しい。
【0015】粘着付与樹脂の配合割合は、貼付時の粘着
力や剥離時の毛むしりなどが起こらないように適宜決定
される。上記石油系樹脂は、ナフサ分解の際に得られる
5留分およびC9 留分に含まれているジオレフィンや
モノオレフィン類などを一般にフリーデルクラフト型触
媒の存在下にカチオン重合することによって製造される
もので、分子量500〜2,000のものが好ましく使
用される。
【0016】本発明による医療用粘着テープもしくはシ
ートのさらに好適な態様においては、パラフィン系炭化
水素および/またはナフテン系炭化水素と粘着付与樹脂
とは、重量比2:3〜3:2の範囲で配合される。その
理由は、パラフィン系炭化水素および/またはナフテン
系炭化水素と粘着付与樹脂との重量比が3:2より大き
い場合は、粘着性が不充分となったり、剥離後に糊残り
が生じたりし易いからであり、逆に、該重量比が2:3
よりも小さい場合には、剥離時に毛むしりが生じたり、
皮膚の角質層が剥離し皮膚刺激が起こり易いからであ
る。
【0017】粘着剤層中に配合される水溶性高分子とし
ては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース・
カルボキシメチルセルロースナリウムなどの水溶性のセ
ルロース誘導体、デンプン、アルファー化デンプン、デ
キストリン、シクロデキストリン、プルラン、ヒドロキ
シプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリ
ウムなどのデンプンまたはその誘導体、ポリビニルピロ
リドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコ
ールなどの水溶性合成高分子、アラビアゴム、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル、キサンタンガム、ゼラチンなどの水溶性天然高分子
などが例示される。
【0018】水溶性高分子の粒子径は、粘着剤溶液への
配合時に均一な分散物を得るために、500μm以下、
さらには200μm以下であることが好ましい。
【0019】水溶性高分子の配合量は、粘着剤層中に2
〜30重量%である。この配合量が2%未満であると貼
付剤に充分な透湿性が得られず、逆にこの配合量が30
重量%を越えると粘着剤への配合が困難であったり、貼
付性が劣るなどの問題が生じる。適度の透湿性と貼付性
を確保するには、水溶性高分子の配合量は好ましくは4
〜25重量%である。
【0020】粘着剤層中に配合される多価アルコールの
脂肪酸エステルは、ゴム系粘着剤と相溶可能なものであ
り、その具体例としては、ソルビタンカプレート、ソル
ビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタ
ンステアレート、ソルビタンオレエートなどのソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリンカプレート、グリセリン
ミリステート、グリセリンステアレート、グリセリンモ
ノオレエート、デカグリセリンラウレート、デカグリセ
リンミリスレート、デカグリセリンステアレート、デカ
グリセリンオレエート、ジグリセリルステアレート、ジ
グリセリルオレエート、テトラグリセリルステアレー
ト、テトラグリセリルオレエート、ヘキサグリセリルス
テアレート、ヘキサグリセリルオレエート、ヘキサグリ
セリルミリステート、ヘキサグリセリルラウレートなど
のグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコールス
テアリートなどのプロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンステアレートなどの
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリルオレエートなどのポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ールステアレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸
エステルが挙げられる。
【0021】多価アルコールの脂肪酸エステルの配合量
は、粘着剤層中に2〜30重量%である。この配合量が
2%未満であると貼付剤に充分な透湿性が得られず、逆
にこの配合量が30重量%を越えるとこれが粘着剤層か
らブリードしたり、貼付性がが劣るなどの問題が生じ
る。適度の透湿性と貼付性を確保するには、多価アルコ
ールの脂肪酸エステルの配合量は好ましくは4〜25重
量%である。こうして、水溶性高分子および多価アルコ
ールの脂肪酸エステルを粘着剤層中に含有せしめること
により、貼付剤に充分な透湿性が得られる。透湿度は、
60g/m2 ・24hr.未満であると、貼付感として
蒸れを感じるので、60g/m2 ・24hr.以上であ
ることが望ましい。
【0022】b) 本発明による医療用粘着テープもし
くはシートは、薬剤を含有せずに、絆創膏、手術用ドレ
ープ、テーピング用テープなどとして用いられるが、こ
の他に必要に応じて薬物を含有していてもよい。
【0023】薬物としては、経皮または経粘膜投与によ
り生体膜を透過しうるものが、特に限定なく適用でき、
たとえば、解熱消炎鎮痛剤、ステロイド系抗炎症剤、血
管拡張剤、高血圧・不整脈用剤、血圧降下剤、鎮咳去
痰、抗腫瘍剤、局所麻酔剤、ホルモン剤、喘息、アレル
ギー性鼻炎治療剤、抗ヒスタミン剤、抗凝血剤、鎮けい
剤、脳循環・代謝改善剤、抗うつ・抗不安剤、ビタミン
製剤、経口血糖降下剤、抗潰瘍剤、睡眠剤、抗生物質、
皮膚刺激薬などが例示される。
【0024】解熱消炎鎮痛剤としては、サリチル酸、サ
リチル酸メチル、サリチル酸グリコール、グリチルレチ
ン酸、グリチルリチン酸、インドメタシン、ケトプロフ
ェン、フルルビプロフェン、アンフェナックなどがあ
る。
【0025】抗ヒスタミン剤としては、ジフェンヒドラ
ミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェ
ニラミンなどがある。
【0026】皮膚刺激薬としては、メントール、ハッカ
油、カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベ
ンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、トウガラシ
(エキス)、カプサイシン、サンシシ(エキス)などが
ある。
【0027】血管拡張剤としては、硝酸イソソルビド、
4硝酸ペンタエリスリトール、ニフェジピンなどがあ
る。
【0028】薬物の添加量については、粘着剤層全体に
対し薬物を30重量%までの割合で配合することが可能
である。その理由は、薬物の配合量が30重量%を超え
ると、上述した粘着剤の機能が損なわれ、充分な貼付性
および皮膚に対する低刺激性を満足させることができな
くなるからである。
【0029】c) 本発明による医療用粘着テープもし
くはシートの粘着剤層中には、必要に応じて液状ポリマ
ー成分が配合される。液状ポリマー成分としては、ポリ
イソブチレン、ポリブテンまたは液状ポリイソプレンな
ど、A−B−A型ブロック共重合体からなるスチレン系
熱可塑性エラストマーと相溶可能なものが使用される。
貼付性の観点からは、液状ポリマー成分としてポリブテ
ンが好適である。液状ポリマー成分の添加量は、ゴム系
粘着剤中に10重量%以下であることが好ましい。その
理由は、この添加量が10重量%を越えると、充分な貼
付性および皮膚に対する充分な低刺激性を確保すること
ができないからである。
【0030】また、本発明による医療用粘着テープもし
くはシートにおける粘着剤層中には、上記薬物や液状ポ
リマー成分の他に、酸化防止剤、充填剤などを、本発明
の作用効果を阻害しない限り、適宜添加してもよい。
【0031】d) 本発明に用いられる支持体の材質と
しては、不織布、織布、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリウレタン、有孔アルミニウム箔お
よびこれらのラミネートフィルムなどが例示される。こ
れらの中で透湿性の低い材質にあっては、これに物理化
学的な加工処理を施して透湿性を付与するのが好まし
い。この処理は皮膚の蒸れすぎによるかぶれを防ぐため
である。また、上記支持体は少なくとも一方向に伸縮す
る機能を有するものであることが望ましく、かかる機能
を有しない材質のものには適宜の伸縮付与加工を施すの
がよい。支持体が伸縮機能を有すると、医療用粘着テー
プもしくはシートを身体に貼付したときに皮膚面の伸縮
に追従させることができるからである。支持体の厚みは
好ましくは5〜2,000μmである。
【0032】e) 本発明に用いられる後述の剥離紙と
しては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン
コート上質紙、ポリエチレンコートグラシン紙などの上
面にシリコン処理を施したものなどが例示される。剥離
紙の厚みは好ましくは20〜200μmである。
【0033】f) 本発明による医療用粘着テープもし
くはシートを製造する方法の代表例としては、溶剤法、
ホットメルト法が挙げられる。
【0034】溶剤法では、ゴム系粘着剤に、水溶性高分
子および多価アルコールの脂肪酸エステルを加え、さら
に必要に応じて薬物成分および/または液状ポリマー成
分、その他の添加剤を加え、これらを均一に溶解ないし
は分散する。用いられる溶媒の例としては、ゴム系粘着
剤、薬物その他と相溶性があるもの、例えば、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム、塩化メチレンが挙げられ
る。ただし、水溶性高分子のうちポリビニルピロリドン
はアルコール系溶剤でなければ溶けにくいので、先にこ
れをメタノールなどに溶かした後、他の成分と混合する
とよい。こうして得られた溶液ないしは分散液を剥離紙
(または支持体)上に展延し、乾燥を施して溶剤を除去
し、得られた粘着剤層上に支持体(または剥離紙)をラ
ミネートする。
【0035】また、ホットメルト法を適用する場合は、
ゴム系粘着剤、水溶性高分子および多価アルコールの脂
肪酸エステル、必要に応じて液状ポリマー成分、その他
の添加剤を所定量ずつ配合し、配合物を窒素置換下、温
度120〜150℃で加熱混合して溶融する。溶融後、
粘着剤の温度を100〜120°に降下し、さらに必要
に応じて加えられる薬物成分を添加し、均一に混合し
て、溶融状態の溶液を得る。ついで、この溶液を、ホッ
トメルトコーターを用いて、剥離紙(または支持体)上
に展延し、得られた粘着剤層上に支持体(または剥離
紙)をラミネートする。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成されているの
で、ゴム系粘着剤の粘着性を損なうことなく貼付時の透
湿性を付与し、さらに剥離時の毛むしりや皮膚角質剥離
などの物理的刺激の殆どない低刺激性の医療用粘着テー
プもしくはシートを提供することができる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載する。
【0038】実施例1〜12および比較例1〜10 薬物以外の成分を、表1〜表5に示す割合で配合し、得
られた配合物を窒素置換下で120〜160℃の温度で
加熱攪拌し、溶融した。溶融後、温度を100〜120
℃に降下し、薬物を添加し、均一混合により溶液を得
た。なお、実施例1では、薬物が含有されていないた
め、上記加熱攪拌後、配合物を溶融することにより、溶
液を得た。
【0039】次に、ホットメルトコーターを用いて溶融
状態の溶液を、冷却後の厚みが約200μmとなるよう
ポリエチレンコート上質紙からなる剥離紙上に展延し、
ついで粘着剤層上に支持体として厚み30μmのポリウ
レタンフィルムをラミネートした。こうして実施例1〜
12の医療用粘着テープを得た。
【0040】上記と同様にして表6〜表9に示す配合で
比較例1〜10の医療用粘着テープを作製した。
【0041】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】 なお、表1〜表9において、使用した成分の詳細は以下
のとおりである。
【0042】SIS:スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体 商品名 カリフレックスTR1107(溶液粘度:約1
600cP(25重量%トルエン溶液);スチレン/ゴ
ム重量比:14/86(シェル化学社製)) 粘着付与樹脂:脂環族飽和炭化水素樹脂 商品名 アルコンP−90(軟化点90℃、荒川化学工
業社製) 重質流動パラフィン(日興製薬社製) ポリブテン 商品名 日石ポリブテン(平均分子量約1350)(日
本石油化学社製) 水溶性高分子 ポリビニルピロリドン 商品名 コリドンK90(BASF社製) ポリビニルアルコール 商品名 P.V.A C−17(信越化学社製) メチルセルロース 商品名 メトローズ SM−15(信越化学社製) トウモロコシデンプン (和光純薬工業社製) 多価アルコールの脂肪酸エステル グリセリンモノステアレート 商品名 グリセリンモノステアレート MGS−B(日
光ケミカルズ社製) ソルビタンモノステアレート 商品名 ソルビタンモノステアレート SS−10(日
光ケミカルズ社製) プロピレングリコールモノステアレート 商品名 プロピレングリコールモノステアレート PM
SIC(日光ケミカルズ社製) ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 商品名 POE(6) ソルビタンモノステアレート TS
−106(日光ケミカルズ社製) ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート 商品名 POE(5) ソルビタンモノステアレート TM
GS−5(日光ケミカルズ社製) ポリエチレングリコールモノステアレート 商品名 POE(2) モノステアレート YMS−2(日
光ケミカルズ社製) 吸水性高分子 商品名 サンウェット IM−300 MPS(三洋化
成社製) (デンプン・アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物) 表1〜9中、SIS、重質流動パラフィン、脂環族飽和
炭化水素樹脂、ポリブテンはこれらの成分の総和に対す
る重量%で示した。また、水溶性高分子、多価アルコー
ルの脂肪酸エステル、吸水性高分子および薬物の含有量
は、粘着剤層全体に対する重量%で示した。
【0043】性能試験 実施例および比較例で得られた医療用粘着テープについ
て、つぎの方法で性能試験を行った。
【0044】<貼付試験>実施例および比較例の各医療
用粘着テープ(3×4cm)について、下記のごとく人
の皮膚に対する貼付試験を行った。すなわち、5名(健
常人、男性)の被験者の上腕に医療用粘着テープを貼り
付け、12時間経過後に、貼付性、貼付感を評価した
後、医療用粘着テープを剥離し、糊残り、剥離時の痛み
および刺激性について各医療用粘着テープを評価した。
繰り返し回数は1回とした。この貼付試験の結果を表1
0〜表14に示す。
【0045】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】 1)貼付性:12時間貼付後、医療用粘着テープが接着
している面積の試験開始時の面積に対する割合を観察し
た。
【0046】良好:貼付剤の残存接着面積が95%以上
であった 普通:貼付剤の残存接着面積が75%〜95%未満であ
った 不良:貼付剤の残存接着面積が75%未満であった。
【0047】2)糊残り:剥離後、粘着剤が皮膚上に残
るか否かを評価した。 −:剥離後、粘着剤が皮膚上に残らなかった +:剥離後、粘着剤が皮膚上に残った。
【0048】3)剥離時の痛さ:剥離時の痛みについて
官能試験で評価した。 −:特に痛みを感じなかった ±:わずかに痛みを感じた +:非常に痛みを感じた。
【0049】4)刺激性:剥離後、約1時間経過後の貼
付部位の皮膚の状態を肉眼により判定した。 −:変化なし ±:わずかに紅斑が認められる +:紅斑が認められる。
【0050】5)貼付感:貼付試験時の貼付感について
官能試験で評価した。 −:蒸れなし ±:わずかに蒸れあり +:蒸れあり。
【0051】<透湿度試験>透湿度試験は、JIS Z
0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ
法)」に準じて行った。すなわち、カップに無水塩化カ
ルシウム約12gを入れ、カップの口を医療用粘着テー
プで密閉する。試験カップを40℃、相対湿度90%の
恒温恒湿槽に入れ、24時間放置後塩化カルシウムの質
量増加を測定し、透湿度(g/m2 ・24時間)を求め
た。
【0052】表10〜表14から明らかなように、実施
例の医療用粘着テープはいずれの試験項目においても優
れていることが認められる。
【0053】これに対し、比較例4では水溶性高分子の
添加量が30重量%以上であるため、塗工時粘着剤面が
不均一であり、貼付性が不良であり、糊残りも生じた。
【0054】比較例5では多価アルコールの脂肪酸エス
テルとしてのグリセリンモノステアレートの添加量が3
0重量%以上であるため、グリセリンモノステアレート
が粘着剤層よりブリードし、貼付性が不良であり、糊残
りも生じた。
【0055】比較例7ではSISの添加量が25重量%
を越えるため、剥離時に痛みがあった。
【0056】比較例8ではSISの添加量が5重量%未
満であるため、貼付性が不良であり、糊残りを生じた。
【0057】比較例9は特公昭54−44688号公報
記載の医療用粘着テープの例であり、グリセリンが粘着
剤層よりブリードし、貼付性が不良であった。
【0058】比較例10は特開平1−297069号公
報記載の医療用粘着テープの例であり、貼付性が不良で
あった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に粘着剤層が設けられた医
    療用粘着テープもしくはシートにおいて、該粘着剤層
    が、A−B−A型ブロック共重合体からなるスチレン系
    熱可塑性エラストマーを5〜25重量%、炭素数10〜
    30のパラフィン系および/またはナフテン系炭化水素
    と粘着付与樹脂とを75〜95重量%含有するゴム系粘
    着剤と、粘着剤層中に配合された水溶性高分子2〜30
    重量%および多価アルコールの脂肪酸エステル2〜30
    重量%とからなる医療用粘着テープもしくはシート。
  2. 【請求項2】 該パラフィン系炭化水素および/または
    ナフテン系炭化水素と粘着付与樹脂との重量比が2:3
    〜3:2の範囲にある請求項1記載の医療用粘着テープ
    もしくはシート。
JP17288792A 1992-06-30 1992-06-30 医療用粘着テープもしくはシート Expired - Fee Related JP3144895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17288792A JP3144895B2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 医療用粘着テープもしくはシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17288792A JP3144895B2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 医療用粘着テープもしくはシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0616542A true JPH0616542A (ja) 1994-01-25
JP3144895B2 JP3144895B2 (ja) 2001-03-12

Family

ID=15950168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17288792A Expired - Fee Related JP3144895B2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 医療用粘着テープもしくはシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3144895B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002096434A1 (fr) * 2001-05-29 2002-12-05 Tokuhon Corporation Composition de platre
JP2011127039A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Alcare Co Ltd 粘着剤、及び該粘着剤を用いた粘着シート、並びにこれらの製造方法
JP2012532903A (ja) * 2009-07-14 2012-12-20 エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー 水蒸気透過性絆創膏
JPWO2013191187A1 (ja) * 2012-06-20 2016-05-26 株式会社 メドレックス 薬剤と有機溶媒と親油性膏体基剤と粉体を配合した貼付製剤組成物
CN107754009A (zh) * 2016-08-18 2018-03-06 浙江海创医疗器械有限公司 一种过敏性低的高粘度水胶体的制备方法及使用方法
JP2019014694A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 株式会社セニースタジオ カプサイシンを含む熱可塑性エラストマーゲル組成物を使用したダイエット用パッチ
WO2020127356A1 (de) * 2018-12-18 2020-06-25 Tesa Se Klebmasse zur verklebung auf der haut

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI20002884A (fi) * 2000-10-12 2002-04-13 Duraban Oy Elastomeerien polyalfaolefiinipehmittimet

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002096434A1 (fr) * 2001-05-29 2002-12-05 Tokuhon Corporation Composition de platre
JP2012532903A (ja) * 2009-07-14 2012-12-20 エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー 水蒸気透過性絆創膏
US11291745B2 (en) 2009-07-14 2022-04-05 Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag Water-vapor-permeable adhesive bandages
JP2011127039A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Alcare Co Ltd 粘着剤、及び該粘着剤を用いた粘着シート、並びにこれらの製造方法
EP2865376B1 (en) 2012-06-20 2019-06-05 Medrx Co., Ltd. Adhesive preparation composition obtained by blending drug, organic solvent, lipophilic ointment base, and powder
US10543275B2 (en) 2012-06-20 2020-01-28 Medrx Co., Ltd. Composition for patch preparation comprising drug, organic solvent, lipophilic mass base, and powder
JPWO2013191187A1 (ja) * 2012-06-20 2016-05-26 株式会社 メドレックス 薬剤と有機溶媒と親油性膏体基剤と粉体を配合した貼付製剤組成物
EP2865376B2 (en) 2012-06-20 2022-05-11 Medrx Co., Ltd. Adhesive preparation composition obtained by blending drug, organic solvent, lipophilic ointment base, and powder
US12016924B2 (en) 2012-06-20 2024-06-25 Medrx Co., Ltd. Composition for patch preparation comprising drug, organic solvent, lipophilic mass base, and powder
CN107754009A (zh) * 2016-08-18 2018-03-06 浙江海创医疗器械有限公司 一种过敏性低的高粘度水胶体的制备方法及使用方法
JP2019014694A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 株式会社セニースタジオ カプサイシンを含む熱可塑性エラストマーゲル組成物を使用したダイエット用パッチ
WO2020127356A1 (de) * 2018-12-18 2020-06-25 Tesa Se Klebmasse zur verklebung auf der haut
CN113366075A (zh) * 2018-12-18 2021-09-07 德莎欧洲股份公司 粘贴在皮肤上的胶粘剂物质

Also Published As

Publication number Publication date
JP3144895B2 (ja) 2001-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2790290B2 (ja) 薬学的性活性成分を含有する粘着包帯
CA2424579C (en) Ultraviolet-screening patch
JP4705301B2 (ja) 貼付剤
JP5597187B2 (ja) 粘着剤組成物及び粘着テープ
JPH03503283A (ja) 経皮性マルチポリマー薬剤デリバリーシステム
JPH09100227A (ja) 経皮ドラッグデリバリーのための固体マトリックスシステム
WO2006129745A1 (ja) 貼付剤
WO2002032431A1 (fr) Compositions pour preparations externes
JP6908729B2 (ja) ロチゴチン含有貼付剤
JPH08295624A (ja) プラスター基剤、その製造方法、該基剤を使用した外用貼 付剤
JP3499247B2 (ja) フェルビナク含有貼付剤
JP5584379B2 (ja) 経皮吸収促進剤、及びそれを含む貼付剤
JP3144895B2 (ja) 医療用粘着テープもしくはシート
JP3276188B2 (ja) 貼付剤及びその製造方法
JP3542814B2 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JP2007031322A (ja) 貼付剤
JPH09291028A (ja) 貼付剤
JPH0429927A (ja) 貼付剤
JP3525272B2 (ja) 皮膚貼付用シート
WO2006090824A1 (ja) ゲル組成物及びその製造方法
JP3495733B2 (ja) フェルビナク含有貼付剤
JPH08319234A (ja) 経皮吸収型消炎鎮痛貼付剤
JP3199770B2 (ja) 経皮投与用貼付剤及びその製造法
JPH10316559A (ja) 貼付剤
JPH05331064A (ja) 消炎鎮痛貼付剤

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080105

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090105

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees