JP3495733B2 - フェルビナク含有貼付剤 - Google Patents

フェルビナク含有貼付剤

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JP3495733B2
JP3495733B2 JP2003125921A JP2003125921A JP3495733B2 JP 3495733 B2 JP3495733 B2 JP 3495733B2 JP 2003125921 A JP2003125921 A JP 2003125921A JP 2003125921 A JP2003125921 A JP 2003125921A JP 3495733 B2 JP3495733 B2 JP 3495733B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェルビナク含有
貼付剤に関し、より詳しくは、腰痛、筋肉痛、関節周囲
炎等の治療を目的とする薬効成分として消炎鎮痛薬であ
るフェルビナクを含有した消炎鎮痛貼付剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フェルビナク(Felbinac、4−ビフェニ
ル酢酸)は非ステロイド系消炎鎮痛薬フェンブフェンの
活性代謝物であり、強い消炎鎮痛作用を示す薬物であ
る。そして、この薬物は経口投与には適さないために経
皮投与製剤としての検討が行われ、これまでに上記薬物
を含有するゲル剤、液剤、パップ剤が市販されている。
しかしながら、ゲル剤、液剤においては、定量投与の困
難さ、生物学的利用率の低さ、衣服への付着、投与回数
の多さ(例えば1日に数回投与)といった問題があっ
た。又、これらゲル剤、液剤の問題を改善するためにパ
ップ剤が開発されているが、粘着力が弱いために長時間
貼付することができない、生物学的利用率が低い、薬効
の持続性が十分でないといった問題が残されていた。そ
こで、特開平4−321624号公報(特許文献1)に
おいては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体を基剤の主成分とし、クロタミトン(Crotamito
n)を必須の可溶化剤とした消炎鎮痛貼付剤の提案がな
された。
【0003】
【特許文献1】特開平4−321624号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−321624号公報に記載の消炎鎮痛貼付剤であっ
ても、以下に説明するように、消炎鎮痛薬としてフェル
ビナクを用いた場合においては未だ十分なものではない
ことを本発明者らは見出した。すなわち、上記特開平4
−321624号公報に記載の消炎鎮痛貼付剤にあって
は、薬物に対する可溶化剤としてクロタミトンを使うこ
とによる作業工程の煩雑さや、クロタミトンのブリード
(表面への浸出)による経時的な粘着力の低下が見られ
るといった点で未だ十分なものではなかった。
【0005】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、皮膚への付着性が長時間にわ
たって高水準に維持され、皮膚に対する刺激性が少なく
安全であり、製剤の安定性が良好であり、薬物の放出性
が高く抗炎症作用に優れ、薬効が長時間にわたって持続
されるフェルビナク含有貼付剤を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、従来は、可
溶化剤を含有しない分散型貼付剤にあっては薬物が結晶
状態で存在するために、薬物の経皮吸収性が低下して十
分な薬効が期待されないと当業者に認識されていた。そ
れにも拘らず、特定の成分を特定の割合で含有しかつ特
定の厚みを有するフェルビナク含有貼付剤においては、
可溶化剤を含有しない分散型貼付剤であるにも拘らず薬
物の放出性が高くかつ十分な薬理作用が長時間にわたっ
て持続され、しかも皮膚への付着性が長時間にわたって
高水準に維持され、製剤の安定性に優れ、皮膚刺激性が
少ないことを本発明者らは見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明のフェルビナク含有貼付
剤は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体10〜40重量%、ロジン系樹脂5〜30重量%、可
塑剤20〜70重量%、l−メントール0.01〜7重
量%、及び薬効成分としてのフェルビナク1.1〜10
重量%を含有する貼付剤であって、該貼付剤が前記フェ
ルビナクに対する可溶化剤であるクロタミトンを含有し
ておらず、前記フェルビナクが前記貼付剤中に半溶融状
態で分散しており、かつ前記貼付剤の厚さが50〜30
0μmである貼付剤である。
【0008】 本発明のフェルビナク含有貼付剤におい
ては、前記フェルビナクが半溶融状態、すなわち溶融し
た状態のものと微細な結晶状態のものとが共存している
状態で前記貼付剤中に均一に分散している。本発明のフ
ェルビナク含有貼付剤はまた、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤及び
l−メントールを含む基剤中に、薬効成分としてのフェ
ルビナクが含有された貼付剤であって、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体10〜40重量%、
ロジン系樹脂5〜30重量%、可塑剤20〜70重量
%、l−メントール0.01〜7重量%、及びフェルビ
ナク1.1〜10重量%を含有し、前記フェルビナクに
対する可溶化剤であるクロタミトンを含有しておらず、
かつ厚さが50〜300μmであり、前記フェルビナク
は、前記基剤中に溶融した状態のものと微細な結晶状態
のものとが共存している状態で均一に分散されており、
溶融している前記フェルビナクが前記基剤から放出され
るに従い、結晶状態で均一に分散している前記フェルビ
ナクが前記基剤中へと随時溶解していくことにより、安
定した前記フェルビナクの放出がされる、貼付剤であ
る。本発明の貼付剤の製造方法は、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤
及びl−メントール(他の添加成分を含有させる場合は
さらにそれらの成分)をそれぞれ前記の割合で混合して
混合物とし、不活性雰囲気下で加熱攪拌して溶解物と
し、続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記の割合
で前記溶解物中に添加し、熱により液体となるように撹
拌して均一な溶解物を得る工程を含む、製造方法であ
る。本発明の製造方法はまた、この工程と、前記均一な
溶解物を直接前記支持体上に展延した後に剥離被覆物で
覆うか、あるいは一旦前記均一な溶解物を剥離被覆物上
に展延した後に前記支持体上に被せて溶解物を支持体上
に圧着転写させる工程と、を含む、製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のフェルビナク含有貼付剤
においては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤及びl−メントールを
それぞれ特定の配合割合で含む基剤中に、薬効成分とし
てのフェルビナクが特定の配合割合で含有されている。
先ず、本発明の貼付剤を構成するために用いる各種基剤
成分について詳述する。
【0010】本発明にかかるスチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体とは、スチレン及びイソプレン
のブロック共重合体であって両端部にポリスチレンを有
するものであり、このようなスチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体としては、カリフレックスTR
−1107、TR−1111、TR−1112又はTR
−1117(商品名、シェル化学(株)製)、JSR
SIS−5000又は5002(商品名、日本合成ゴム
(株)製)、クインタック3530又は3421(商品
名、日本ゼオン(株)製)、ソルプレン428(商品
名、フィリップぺトロリアム(株)製)等が挙げられ、
1種又は2種以上の組合せを使用することができる。
【0011】上記スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体の配合量は、貼付剤全体の10〜40重量
%であり、好ましくは15〜35重量%である。この配
合割合にすることによって、製剤(貼付剤)の安定性、
粘着力、長時間の皮膚への付着性(付着持続性)、薬物
の経皮吸収性、薬物の分散性、剥離時の痛み、皮膚のか
ぶれの発生率等が大きく改善される。なお、上記の配合
量が10重量%未満では基剤の凝集力や保型性が低下
し、他方、上記の配合量が40重量%を越えると粘着力
の低下、膏体(貼付剤)の不均一化、作業性の低下を招
く。
【0012】本発明にかかるロジン系樹脂とは、ロジン
又はロジン誘導体をベースとする樹脂であり、ロジンエ
ステル、水添ロジンエステル、マレイン化ロジン等が好
適に用いられ得る。このようなロジン系樹脂としては、
エステルガムA、AA−G、H又はHP(商品名、荒川
化学(株)製)、ハリエスターL、S又はP(商品名、
荒川化学(株)製)、パインクリスタルKE−100
(商品名、荒川化学(株)製)、KE−311(商品
名、荒川化学(株)製)、ハーコリンD(商品名、理化
ハーキュレス(株)製)、フォーラル85又は105
(商品名、理化ハーキュレス(株)製)、ステベライト
エステル7又は10(商品名、理化ハーキュレス(株)
製)、ペンタリン4820又は4740(商品名、理化
ハーキュレス(株)製)等が挙げられ、1種又は2種以
上の組合せを使用することができる。
【0013】上記ロジン系樹脂の配合量は、貼付剤全体
の5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%
である。この配合割合にすることによって、製剤の安定
性、粘着力、付着持続性、薬物の経皮吸収性、薬物の分
散性、剥離時の痛み、皮膚のかぶれの発生率等が大きく
改善される。なお、上記の配合量が5重量%未満では粘
着力、付着持続性、薬物の分散性が低下すると共に、膏
体粘度の増加により膏体の不均一化、作業性の低下を招
く。他方、上記の配合量が30重量%を越えると薬物の
経皮吸収性、保型性が低下すると共に、剥離時の痛み、
皮膚のかぶれの発生率、べタツキ等が増加する。
【0014】本発明にかかる可塑剤とは、他の基剤成分
と相溶性がよく、基剤に柔軟性を与えるものであり、ア
ーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラ
ッカセイ油、オレフィン酸、液状ポリイソプレン、液状
ポリブテン、流動パラフィン等が好適に用いられ得る。
このような可塑剤としては、1種又は2種以上の組合せ
を使用することができるが、中でも特に流動パラフィン
が好ましい。
【0015】上記可塑剤の配合量は、貼付剤全体の20
〜70重量%であり、好ましくは30〜60重量%であ
る。この配合割合にすることによって、製剤の安定性、
粘着力、付着持続性、薬物の経皮吸収性、薬物の分散
性、剥離時の痛み、皮膚のかぶれの発生率等が大きく改
善される。なお、上記の配合量が20重量%未満では粘
着力、薬物の経皮吸収性、薬物の分散性が低下すると共
に、膏体粘度の増加により膏体の不均一化、作業性の低
下を招く。他方、上記の配合量が70重量%を越えると
製剤の安定性、凝集力、保型性が低下すると共に、剥離
時の痛み、ベタツキ等が増加する。
【0016】 本発明の貼付剤においては、前述のスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ロジン
系樹脂及び可塑剤に加えて更にl−メントールが基剤中
に含まれる。l−メントールの配合量は、貼付剤全体の
0.01〜7重量%である。この配合割合にすることに
よって、l−メントールが含まれる場合であってもフェ
ルビナクが半溶融状態で均一に分散している分散型の貼
付剤が得られる。
【0017】本発明の貼付剤においては、前述のスチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ロジン系
樹脂、可塑剤及びl−メントールを含む基剤中に、薬効
成分としてのフェルビナク、すなわち4−ビフェニル酢
酸、が特定の配合割合で含有されている。本発明の貼付
剤におけるフェルビナクの配合量は、貼付剤全体の1.
1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%、特に
好ましくは3〜7重量%である。この配合割合にするこ
とによって、薬物の経皮吸収性、薬効の持続性、薬物の
分散性等が大きく改善される。なお、上記の配合量が
1.1重量%未満では薬物の経皮吸収性、薬効の持続性
が低下し、十分な薬効が得られない。他方、上記の配合
量が10重量%を越えると薬物の分散性が悪くなり、膏
体の不均一化を招く。
【0018】そして、本発明の貼付剤は、上記フェルビ
ナクを含有しているにも拘らず、従来は必須と認識され
ていた可溶化剤であるクロタミトンを含有していない。
すなわち、本発明の貼付剤は、前述のスチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑
剤、l−メントール及びフェルビナクを含有しかつ前記
フェルビナクに対する可溶化剤であるクロタミトンを含
有しておらず、本質的にスチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤、l−メン
トール及びフェルビナクからなるものであってもよい。
【0019】このように、本発明のフェルビナク含有貼
付剤は可溶化剤であるクロタミトンを含有していないた
め、クロタミトンのブリードによる経時的な粘着力の低
下は発生せず、その使用に起因する作業工程の煩雑さも
生じない。また、本発明のフェルビナク含有貼付剤にお
いては、フェルビナクが半溶融状態で分散していること
が必要である。したがって、クロタミトン以外のフェル
ビナクに対する可溶化剤(すなわち基剤中にフェルビナ
クをその飽和溶解度以上に見掛け上溶解させることが可
能なもの)に関しても、フェルビナクが完全に溶融した
状態となる量の可溶化剤を含有していないことが必要で
あり、フェルビナクに対する可溶化剤(l−メントール
を除く)を一切含有していないことが好ましい。このよ
うに、クロタミトン以外の可溶化剤をも含有しないこと
によって、可溶化剤のブリードによる経時的な粘着力の
低下の発生がより確実に防止される傾向にある。このよ
うなクロタミトン以外の可溶化剤としては、ベンジルア
ルコール、ジイソプロパノールアミンが挙げられる。
【0020】また、上記組成を有する本発明の貼付剤に
おいては、上記可溶化剤であるクロタミトンを含有して
いないにも拘らず、フェルビナクが完全に結晶状態で基
剤中に取り込まれるのではなく、フェルビナクが基剤中
に半溶融状態、すなわち溶融した状態のものと微細な結
晶状態のものとが共存している状態、で均一に分散され
る。この場合、溶融している薬物が基剤から放出される
に従い、結晶状態で均一に分散している薬物は基剤中へ
と随時溶解していく。これにより、本発明の貼付剤にお
いては、一定速度による長時間にわたっての安定した薬
物放出が実現される。そのため、特開平4−32162
4号公報に記載の可溶化剤含有貼付剤のように薬物が可
溶化剤により溶融した状態で基剤中に存在していないに
も拘らず、本発明のフェルビナク含有分散型貼付剤にお
いても薬物の放出性が高くかつ十分な薬理作用が長時間
にわたって持続される。
【0021】本発明の貼付剤は、上記のスチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可
塑剤、l−メントール及びフェルビナクに加えて、ポリ
イソブチレンをさらに含有していることが好ましく、本
質的にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、ロジン系樹脂、可塑剤、l−メントール、ポリイソ
ブチレン及びフェルビナクからなるものであってもよ
い。
【0022】本発明にかかるポリイソブチレンとは、イ
ソブチレンの重合体であり、このようなポリイソブチレ
ンとしては、オパノールB−3、B−10、B−15、
B−50、B−100、B−200(商品名、BASF
(株)製)、ビスタネックスLM−MS、LM−MH、
MML−80、MML−100、MML−120、MM
L−140(商品名、エクソン化学(株)製)、テトラ
ックス3T、4T、5T、6T(商品名、日本石油化学
(株)製)等が挙げられ、1種又は2種以上の組合せを
使用することができる。
【0023】上記ポリイソブチレンの配合量は、貼付剤
全体の好ましくは6〜40重量%、より好ましくは6.
5〜20重量%である。この配合割合にすることによっ
て、製剤の安定性、粘着力、付着持続性、薬物の経皮吸
収性、薬物の分散性、剥離時の痛み、皮膚のかぶれの発
生率等が大きく改善される。なお、上記の配合量が6重
量%未満では粘着力、付着持続性が低下すると共に、剥
離時の痛み、皮膚のかぶれの発生率が増加する傾向にあ
る。他方、上記の配合量が40重量%を越えると保型性
が低下すると共にベタツキが増加する傾向にある。
【0024】本発明の貼付剤は、上記のスチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可
塑剤、l−メントール、フェルビナク及び所望によりポ
リイソブチレンに加えて、無機充填剤、合成高分子、粘
着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗ヒスタミン
剤、抗菌剤、香料等の他の添加成分を必要に応じてさら
に含有していてもよく、中でも酸化防止剤をさらに含有
していることが好ましい。従って、本発明の貼付剤は、
本質的にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体、ロジン系樹脂、可塑剤、l−メントール、ポリイ
ソブチレン、酸化防止剤及びフェルビナクからなるもの
であってもよい。
【0025】このような他の添加成分としては、無機充
填剤(水酸化アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウム、
合成ケイ酸アルミニウム、カオリン、酸化チタン、タル
ク、酸化亜鉛、含水シリカ、炭酸マグネシウム、リン酸
水素カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、無
水ケイ酸、ベントナイト等)、合成高分子(ポリアクリ
ル酸系ポリマー、合成ポリイソプレンゴム、ポリスチレ
ン、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−
ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレンブロック共重合体等)、粘着付与剤(テルペン樹
脂、石油系樹脂等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、没
食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)、ノルジヒドログアヤ
レチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール等)、
紫外線吸収剤(パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香
酸エステル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、サリ
チル酸エステル、アントラニル酸メチル、ウンベリフェ
ロン、エスクリン、ケイヒ酸ベンジル、シノキサート、
グアイアズレン、ウロカニン酸、2−(2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、オクタベンゾン、ジオキシベンゾン、ジ
ヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、スリンベンゾ
ン、ベンゾレルシノール、オクチルジメチルパラアミノ
ベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメー
ト等)、抗ヒスタミン剤(塩化イソペンチル、塩酸ジフ
ェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、塩酸ジフェニル
ピラリン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸トリプロリジ
ン、塩酸プロメタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、酒
石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テ
オクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマスチン、
マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ジメチンデ
ン、メキタジン等)、抗菌剤(パラオキシ安息香酸エス
テル、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン
酸、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、4−イソプロピル
−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチ
ルフェノール、ヒノキチオール、クレゾール、2,4,
4−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、3,4,4’−トリクロロカルバニド、クロロブタ
ノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム
等)、清涼剤又はl−メントール以外の香料等が挙げら
れる。
【0026】このような他の添加成分の配合量は、貼付
剤全体の好ましくは0.01〜7重量%、より好ましく
は0.1〜5重量%である。これらの他の添加成分のう
ち、酸化防止剤の配合量は貼付剤全体の好ましくは0.
1〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%であ
る。上記の配合量が上記下限未満では経時による基剤の
劣化が起こり、膏体残り、ベタツキ等が増加する傾向に
あり、他方、上記の配合量が上記上限を越えると製剤の
凝集力、保型性が低下し、剥離時の痛み、ベタツキ等が
増加する傾向にある。
【0027】上記の諸成分を用いて調製される本発明の
貼付剤(貼付剤層)の厚み(後述する支持体及び剥離被
覆物の厚みは含まない)は50〜300μmであり、好
ましくは80〜200μmである。この範囲内の厚みに
することによって、粘着性、凝集力、付着持続性、剥離
時の痛み等が大きく改善される。なお、上記の厚みが5
0μm未満では粘着性や付着持続性が低下し、他方、上
記の厚みが300μmを越えると凝集力や保型性が低下
する。
【0028】このような本発明の貼付剤は伸縮性に富ん
でおり、縦横自由自在に伸縮する。このように本発明の
貼付剤は優れた付着性と共に高い伸縮率を有しているこ
とによって、従来の可溶化剤含有貼付剤では使用するこ
とが困難であった伸縮性に富んだ支持体を使用すること
が可能となり、高水準の貼付感が達成される。
【0029】上記本発明のフェルビナク含有貼付剤は、
以下の優れた諸特性を有する。 1)油性の貼付剤とすることで優れた付着性を有し、
肘、膝などの屈曲部にも長時間剥がれることなく貼付す
ることができる。 2)薬物を飽和溶解度以上の濃度で半溶融状態で分散さ
せているために、期待される薬効が長時間にわたり発現
される。 3)水を含まない油性基剤であるために、貼付部位の保
温効果に優れ、慢性の炎症等にも使用できる。 4)可溶化剤、吸収促進剤等を使用しないため作業行程
が簡便になり、なおかつ製剤の経時安定性にも優れる。 5)油性の貼付剤とすることで厚みを薄くでき、貼付中
のフィット感に優れる。 6)従来の可溶化剤含有貼付剤(硬膏剤)は、その粘着
性が十分でなかったため、その大きさは80cm2以下
程度に制限されていた。それに対して本発明の貼付剤
は、可溶化剤を含有していないことに起因して粘着性が
著しく高く、その大きさを100cm2以上にすること
が可能である。このように本発明の貼付剤は、従来のパ
ップ剤と同等の大きさにすることが可能であり、しかも
パップ剤よりも粘着性及び伸縮性に優れる。
【0030】上記本発明の貼付剤は支持体上に展延され
ていることが好ましい。このような支持体としては、本
発明の貼付剤からの薬物の放出に影響しないものが望ま
しく、伸縮性又は非伸縮性のものが用いられ得る。本発
明に使用可能な支持体としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウ
レタン等の合成樹脂のフィルム、シート、シート状多孔
質体、シート状発泡体、織布又は不織布;紙;織布;不
織布;これらの積層体等が挙げられる。
【0031】これらの貼付剤支持体の中でも、伸縮性を
有する支持体が好ましく、特に伸縮性ポリエステル織布
が好適である。また、このような伸縮性ポリエステル織
布としては、試料幅50mm、試料長200mm及び伸
長強度200mm/minの測定条件での30%モジュ
ラス(引張り強度)試験において、縦方向強度200g
〜3kg及び横方向強度100g〜600gを示すもの
が好ましい。更に、本発明にかかる前記支持体の目付
(単位面積当たりの重量)は100±30g/m 2であ
ることが好ましい。
【0032】前述のように本発明の貼付剤は高い伸縮率
を有しているため、従来の可溶化剤含有貼付剤では使用
することが困難であった伸縮性に富んだ支持体、特に好
ましくは伸縮性ポリエステル織布を使用することが可能
となる。このように伸縮性を有するポリエステル織布を
用いることにより、本発明の貼付剤は以下の点で優れる
傾向にある。すなわち、i)従来の可溶化剤含有貼付剤
は、動きが激しい関節部位等の屈曲部に貼着しても、そ
の動きのために剥離し易かった。それに対して、本発明
の貼付剤においては、ポリエステル織布が皮膚の動きに
伴って縦、横自在に伸縮するため、つっぱり感が少な
く、長時間にわたってしっかりと貼着される。ii)ポリ
エステル織布が適度な柔軟性を有するため、貼り易くか
つ剥がし易い。iii)投錨性が向上し(支持体中に膏体
がしみ込みかつ粘着力が保持される)、伸縮性が保持さ
れる。
【0033】次に、本発明のフェルビナク含有貼付剤の
製造方法の好適な一例について説明する。
【0034】先ず、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤及びl−メント
ール(ポリイソブチレン、他の添加成分等を含有させる
場合はさらにそれらの成分)をそれぞれ所定の割合で混
合して混合物とし、窒素等の不活性雰囲気下で加熱攪拌
して溶解物とする。撹拌時の温度は110〜200℃が
好ましく、撹拌時間は30〜120分間が好ましい。続
いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添
加し、好ましくは110〜200℃で好ましくは5〜3
0分間撹拌して均一な溶解物を得る。なお、この溶解物
中では、フェルビナクは熱により液体となっていること
が好ましい。
【0035】次に、この溶解物を通常の方法で直接支持
体上に展延した後に剥離被覆物で覆うか、あるいは一旦
この溶解物を剥離被覆物上に展延した後に支持体上に被
せて溶解物を支持体上に圧着転写させても良い。このよ
うな剥離被覆物としては、剥離処理(剥離しやすくする
ための処理)を施した剥離紙、セロファン、又はポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フ
ィルム等が挙げられる。以上の製造方法によって、基剤
中にフェルビナクが半溶融状態で均一に分散している本
発明の貼付剤が得られる。
【0036】なお、前記製造方法における各基剤成分、
薬効成分、その他の添加成分を配合する順序は、その一
例を述べたに過ぎず、本発明の貼付剤の製造方法はこの
配合順序の方法に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】以下、本発明のフェルビナク含有貼付剤につ
いて実施例、参考例及び比較例を示してより具体的に説
明するが、本発明のフェルビナク含有貼付剤は下記の実
施例に記載のものに限定されるものではない。なお、実
施例、参考例及び比較例中、「部」及び「%」とは特に
明記しない限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意
味する。
【0038】 参考例1 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25.0部 (商品名:カリフレックス TR−1107) 流動パラフィン 47.0部 ロジン系樹脂 12.0部 (商品名:エステルガムH) ポリイソブチレン 10.0部 (商品名:オパノール B−10) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 5.0部。
【0039】上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤
を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外
の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下、130
〜180℃で40〜90分間攪拌して溶解物とした。続
いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添
加し、130〜180℃で3〜20分間攪拌して均一な
溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステ
ルからなる織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが50
μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステ
ルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断した
ところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に分散してい
る分散型の貼付剤が得られた。また、使用したポリエス
テル織布は、30%モジュラス試験(試料幅50mm、
試料長200mm、伸長強度200mm/min、オー
トグラフAGS−100B(島津製作所製)を使用)に
おいて縦方向強度が210〜300g、横方向強度が1
00〜170gのものであり、110±20g/m2
目付を有するものであった。
【0040】 参考例2 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 30.0部 (商品名:カリフレックス TR−1111) 流動パラフィン 39.0部 ロジン系樹脂 20.0部 (商品名:パインクリスタルKE−100) ポリイソブチレン 6.0部 (商品名:オパノール B−50) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 4.0部。
【0041】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を100μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0042】 参考例3 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 20.0部 (商品名:カリフレックス TR−1112) 流動パラフィン 46.0部 ロジン系樹脂 15.0部 (商品名:ステベライトエステル7) ポリイソブチレン 15.0部 (商品名:オパノール B−100) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 3.0部。
【0043】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を140μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0044】 参考例4 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 23.0部 (商品名:カリフレックス TR−1117) 流動パラフィン 40.0部 ロジン系樹脂 25.0部 (商品名:KE−311) ポリイソブチレン 8.0部 (商品名:オパノール B−200) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 3.0部。
【0045】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を300μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0046】 参考例5 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 20.0部 (商品名:JSR SIS−5000) 流動パラフィン 41.0部 ロジン系樹脂 15.0部 (商品名:フォーラル105) ポリイソブチレン 20.0部 (商品名:ビスタネックス LM−MS) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 3.0部。
【0047】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を200μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0048】 参考例6 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 15.0部 (商品名:JSR SIS−5002) 流動パラフィン 58.0部 ロジン系樹脂 15.0部 (商品名:ステベライト10) ポリイソブチレン 7.0部 (商品名:ビスタネックス LM一MH)) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 4.0部。
【0049】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を80μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤を
作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に分
散している分散型の貼付剤が得られた。
【0050】 参考例7 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 35.0部 (商品名:クインタック3530) 流動パラフィン 35.0部 ロジン系樹脂 15.0部 (商品名:フォーラル85) ポリイソブチレン 10.0部 (商品名:ビスタネックス MML−140) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 4.0部。
【0051】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を160μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0052】 参考例8 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25.0部 (商品名:クインタック3421) 流動パラフィン 30.0部 ロジン系樹脂 22.0部 (商品名:ペンタリン 4820) ポリイソブチレン 15.0部 (商品名:テトラックス 3T) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 フェルビナク 7.0部。
【0053】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を120μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0054】 実施例1 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25.0部 (商品名:ソルプレン428) 流動パラフィン 36.0部 ロジン系樹脂 25.0部 (商品名:ハーコリンD) ポリイソブチレン 7.5部 (商品名:テトラックス 5T) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 l−メントール 0.5部 フェルビナク 5.0部。
【0055】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を160μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0056】 実施例2 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 15.0部 (商品名:クインタック3421) 流動パラフィン 40.0部 ロジン系樹脂 10.0部 (商品名:ハリエスターL) ポリイソブチレン 30.0部 (商品名:テトラックス 6T) ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部 l−メントール 1.0部 フェルビナク 3.0部。
【0057】処方を上記処方に変更し、貼付剤層の厚み
を180μmとした以外は参考例1と同様にして貼付剤
を作製したところ、フェルビナクが半溶融状態で均一に
分散している分散型の貼付剤が得られた。
【0058】実施例3 ポリイソブチレンを配合しなかった以外は実施例1と同
様にして貼付剤を作製した。
【0059】参考例9 貼付剤層の厚みを50μmとした以外は参考例3と同様
にして貼付剤を作製した。
【0060】参考例10 貼付剤層の厚みを80μmとした以外は参考例3と同様
にして貼付剤を作製した。
【0061】参考例11 貼付剤層の厚みを200μmとした以外は参考例3と同
様にして貼付剤を作製した。
【0062】参考例12 貼付剤層の厚みを300μmとした以外は参考例3と同
様にして貼付剤を作製した。
【0063】 比較例1 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 20.0部 (商品名:カリフレックス TR−1112) 流動パラフィン 52.0部 ロジン系樹脂 15.0部 (商品名:KE−311) ポリイソブチレン 5.0部 (商品名:テトラックス4T) ジブチルヒドロキシトルエン 2.0部 クロタミトン 5.0部 フェルビナク 1.0部。
【0064】処方を上記処方に変更、すなわちフェルビ
ナクの可溶化剤としてクロタミトンを配合した以外は参
考例5と同様にして貼付剤を作製したところ、フェルビ
ナクが可溶化剤により完全に溶融した状態で存在する溶
解型の貼付剤が得られた。なお、本比較例においては、
フェルビナクをクロタミトンに溶解して前記溶解物中に
添加した。
【0065】比較例2 薬効成分であるフェルビナクを配合しなかった以外は参
考例5と同様にして貼付剤を作製した。
【0066】比較例3 貼付剤層の厚みを30μmとした以外は参考例3と同様
にして貼付剤を作製した。
【0067】比較例4 貼付剤層の厚みを350μmとした以外は参考例3と同
様にして貼付剤を作製した。
【0068】試験例1(安定性試験:粘着力) 実施例2、参考例3、参考例5、参考例7及び比較例1
で得られた貼付剤の粘着力の安定性を以下のようにして
評価した。すなわち、各貼付剤(大きさ10cm×14
cm)の製造直後(初期)のもの、40℃で3ヶ月保存
したもの、40℃で6ヶ月保存したものの粘着力を、プ
ローブタック試験法(使用装置:PROVETACK TESTER)に
より測定した。得られた結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示した結果から明らかなように、実
施例2、参考例3、参考例5、参考例7で得られた貼付
剤の粘着力の安定性は良好であったが、比較例1で得ら
れた貼付剤の粘着力はクロタミトンのブリードにより経
時的に低下した。
【0071】試験例2(安定性試験:ヘアレスマウス皮
膚透過試験) 参考例5及び比較例1で得られた貼付剤の初期のもの及
び40℃で6ヶ月保存したものを用い、以下のようにし
てヘアレスマウス皮膚透過試験を行った。すなわち、ヘ
アレスマウス(雌、7週令)の剥離した背部皮膚に直径
10mmに切り取った貼付剤を貼付し、真皮側がレセプ
ター相になるようにフロースルー型セルに装着した。そ
して、レセプター液(pH7.4のリン酸バッファー)
を0.8ml/hrの流速で流し、レセプター液中に透
過してきたフェルビナクの量をHPLCを用いて測定し
た。得られた結果を図1に示す。
【0072】図1に示した結果から明らかなように、参
考例5で得られた貼付剤は40℃で6ヶ月保存した後で
あっても安定した薬物放出性を示し、比較例1で得られ
た貼付剤に比べて薬物放出性が長時間にわたって安定し
て持続した。
【0073】試験例3(カラゲニン足浮腫試験) 体重135g前後のWistar系雄性ラットを1群1
5匹ずつで使用した。参考例5で得られた貼付剤、比較
例2で得られた貼付剤、市販フェルビナク含有パップ剤
(商品名:セルタッチ、日本レダリー(株)製)をそれ
ぞれ3cm×4cmサイズに裁断し、それぞれの貼付剤
(又はパップ剤)をラットの右後足に4時間貼付した後
に除去し、直ちに1%カラゲニン溶液0.1mlを同部
位へ皮下注射して反応を惹起させた。反応惹起から3時
間後に足容積を測定し、注射前の足容積に基づいて浮腫
率を算出した。得られた結果を図2に示す。なお、コン
トロールは、貼付剤(又はパップ剤)の貼付を行なわな
かった例である。
【0074】図2に示した結果から明らかなように、カ
ラゲニン足浮腫に対して、フェルビナクを含有しない比
較例2で得られた貼付剤では影響は認められなかった
が、参考例5で得られた貼付剤は強い抗炎症作用を示
し、その強さは市販フェルビナク含有パップ剤と同等で
あった。
【0075】試験例4(付着性試験) 健康成人男女30名に実施例1及び実施例3で得られた
貼付剤(大きさ10cm×14cm)をそれぞれ左右の
膝に貼付し、約6時間後に付着性と剥離時の痛みの判定
を以下の基準に従って行った。
【0076】[判定基準] (付着性) 完全に付着 5点、端の部分剥離 4点、1/3以上剥
離 3点、1/2以上剥離 2点、完全脱落 1点 (剥離時の痛み) 痛くない 5点、あまり痛くない 4点、少し痛い 3
点、痛い 2点、非常に痛い 1点 30名のスコアの平均値を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2に示した結果から明らかなように、実
施例1及び実施例3で得られた貼付剤は何れも付着性が
良好であるが、実施例1で得られた貼付剤は更に良好な
付着性を備えると共に剥離時の痛みも少なく使用上非常
に優れた貼付剤であるといえる。
【0079】試験例5(付着性試験) 参考例3、9、10、11及び12、並びに比較例3及
び4で得られた貼付剤(大きさ10cm×14cm)を
それぞれ健康成人男女30名の膝に貼付し、約6時間後
に付着性の判定を以下の基準に従って行った。
【0080】[判定基準] (付着性) 完全に付着 5点、端の部分剥離 4点、1/3以上剥
離 3点、1/2以上剥離 2点、完全脱落 1点 30名のスコアの平均値を表3に示す。
【0081】試験例6(安定性試験:保型性) 参考例3、9、10、11及び12、並びに比較例3及
び4で得られた貼付剤(大きさ10cm×14cm)を
それぞれ50℃で2ケ月保管した後に形状の評価を以下
の基準に従って行った。
【0082】[判定基準] 良好な形状を保っていた:○ 若干の膏体のはみ出しが観察された:△ ひどい膏体のはみ出しが観察された:× 得られた結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】表3に示した結果から明らかなように、参
考例3、9、10、11及び12で得られた貼付剤に関
しては付着性、50℃で2ケ月保存後の形状とも良好で
あったが、比較例3で得られた貼付剤は付着性が十分な
ものではなく、比較例4で得られた貼付剤は50℃で2
ケ月保存後の形状が十分なものではなかった。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可溶化剤であるクロタミトンを含有しない分散型貼付剤
であるにも拘らず薬物の放出性が高くかつ十分な薬理作
用(抗炎症作用)が長時間にわたって持続され、しかも
皮膚への付着性が長時間にわたって高水準に維持され、
製剤の安定性に優れ、皮膚刺激性が少ないフェルビナク
含有貼付剤を得ることが可能となる。
【0086】従って、本発明によって外用の消炎鎮痛貼
付剤として有用なフェルビナク含有貼付剤を提供できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘアレスマウスによる皮膚透過試験の結果を示
すグラフである。
【図2】ウサギによるカラゲニン足浮腫試験の結果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 29/00 A61P 29/00 (56)参考文献 特開 平8−291055(JP,A) 特開 平7−238014(JP,A) 特開 昭55−133310(JP,A) 国際公開98/024423(WO,A1) 国際公開96/008245(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/192 A61K 9/70 A61K 47/10 A61K 47/32 A61K 47/34 A61P 29/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
    ク共重合体10〜40重量%、ロジン系樹脂5〜30重
    量%、可塑剤20〜70重量%、l−メントール0.0
    1〜7重量%、及び薬効成分としてのフェルビナク1.
    1〜10重量%を含有する貼付剤であって、該貼付剤が
    前記フェルビナクに対する可溶化剤であるクロタミトン
    を含有しておらず、前記フェルビナクが前記貼付剤中に
    半溶融状態で分散しており、かつ前記貼付剤の厚さが5
    0〜300μmである貼付剤。
  2. 【請求項2】 前記フェルビナクが溶融した状態のもの
    と微細な結晶状態のものとが共存している状態で前記貼
    付剤中に均一に分散している、請求項1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
    ク共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤及びl−メントール
    を含む基剤中に、薬効成分としてのフェルビナクが含有
    された貼付剤であって、 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体10
    〜40重量%、ロジン系樹脂5〜30重量%、可塑剤2
    0〜70重量%、l−メントール0.01〜7重量%、
    及びフェルビナク1.1〜10重量%を含有し、前記フ
    ェルビナクに対する可溶化剤であるクロタミトンを含有
    しておらず、かつ厚さが50〜300μmであり、
    記フェルビナクは、 前記基剤中に溶融した状態のものと微細な結晶状態のも
    のとが共存している状態で均一に分散されており、溶融
    している前記フェルビナクが前記基剤から放出されるに
    従い、結晶状態で均一に分散している前記フェルビナク
    が前記基剤中へと随時溶解していくことにより、安定し
    た前記フェルビナクの放出がされる、貼付剤。
  4. 【請求項4】 ポリイソブチレン6〜40重量%をさら
    に含有する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載
    の貼付剤。
  5. 【請求項5】 酸化防止剤0.1〜5重量%をさらに含
    有する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の貼
    付剤。
  6. 【請求項6】 伸縮性ポリエステル織布からなる支持体
    を更に備える、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記
    載の貼付剤。
  7. 【請求項7】 前記伸縮性ポリエステル織布が、試料幅
    50mm、試料長200mm及び伸長強度200mm/
    minの測定条件での30%モジュラス試験において、
    縦方向強度200g〜3kg及び横方向強度100g〜
    600gを示すものである、請求項6記載の貼付剤。
  8. 【請求項8】 前記支持体の目付が100±30g/m
    である、請求項6又は7記載の貼付剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記
    載の貼付剤の製造方法であって、 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ロ
    ジン系樹脂、可塑剤及びl−メントール(他の添加成分
    を含有させる場合はさらにそれらの成分)をそれぞれ前
    記の割合で混合して混合物とし、不活性雰囲気下で加熱
    攪拌して溶解物とし、続いて、薬効成分であるフェルビ
    ナクを前記の割合で前記溶解物中に添加し、熱により液
    体となるように撹拌して均一な溶解物を得る工程を含
    む、製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8のうちのいずれか一項に
    記載の貼付剤の製造方法であって、 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ロ
    ジン系樹脂、可塑剤及びl−メントール(他の添加成分
    を含有させる場合はさらにそれらの成分)をそれぞれ前
    記の割合で混合して混合物とし、不活性雰囲気下で加熱
    攪拌して溶解物とし、続いて、薬効成分であるフェルビ
    ナクを前記の割合で前記溶解物中に添加し、熱により液
    体となるように撹拌して均一な溶解物を得る工程と、 前記均一な溶解物を直接前記支持体上に展延した後に剥
    離被覆物で覆うか、あるいは一旦前記均一な溶解物を剥
    離被覆物上に展延した後に前記支持体上に被せて溶解物
    を支持体上に圧着転写させる工程と、を含む、製造方
    法。
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