JPH06133756A - 玉葱食酢の製造方法 - Google Patents

玉葱食酢の製造方法

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JPH06133756A
JPH06133756A JP4288979A JP28897992A JPH06133756A JP H06133756 A JPH06133756 A JP H06133756A JP 4288979 A JP4288979 A JP 4288979A JP 28897992 A JP28897992 A JP 28897992A JP H06133756 A JPH06133756 A JP H06133756A
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JP
Japan
Prior art keywords
vinegar
onion
acetic acid
fermentation
smell
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Pending
Application number
JP4288979A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Ukon
雅道 右近
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAGA BINEGAA KK
Original Assignee
SAGA BINEGAA KK
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Publication date
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食酢本来の調味効果を保持しつつ、その酢酸
臭を無くした食酢の製造方法を得る。 【構成】 玉葱をアルコール発酵させて玉葱中に存在す
るプロピルメルカブタンを初めとして硫化アリルなどの
機能性物質を含浸させた食酢の原料である玉葱醪を得、
この玉葱醪を、5〜10℃の温度で2〜4週間熟成させ
た後、静置式酢酸発酵法で醸造する。 【効果】 従来の食酢に有った酢酸臭や不快臭を抑制
し、マイルドな香りの食酢を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、玉葱に含有する成分を
利用した酢酸臭を主とする不快臭が無い食酢の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】食酢は清涼感のある酸味を呈する酸性調
味料で、酸による殺菌、あるいは防腐効果をもってい
る。また魚介類は、その酸によって蛋白質の変成をもた
らし、魚介類をしめる作用をしたり、さらに生臭さをも
抑えたり、野菜類等の色をも美くしくしたりする効果も
ある これら化学作用ばかりでなく、物理的効果においては、
酸の作用により食品の物理性(テクッチャー)を変え、
良い食品へと品質を改良する力もある。
【0003】このような食酢は、古来は苦酒(加良佐
介)としての食酢や、酸乳に含有する乳酸等が広く用い
られていたが、今世紀初めから、アルコールを酢酸菌に
よって酢酸発酵させたものが広まり、特に第二次世界大
戦以後は言わばアルコール酢が隆盛を極めてきた。
【0004】一般にこのような食酢の醸造方法として、
原料醪の発酵を早める為に発酵桶(タンク)内の原料醪
を強制通気攪拌操作する全面発酵法と、原料醪を静置し
て酢酸発酵させる静置発酵法とがある。
【0005】強制通気攪拌法は、発酵期間を大幅に短縮
することができ、しかも大型タンクによる連続発酵が可
能で、食酢の大量醸造技術として普及している。一方、
静置発酵法は、食酢の醸造技術として古くから定着して
いるもので、発酵期間が長くかかることから、一時期減
少傾向にあったが、いわゆる手作りによる本格的な食酢
製品が出来ることから、最近その良さが見直されてい
る。
【0006】また、このような食酢の製造に用いられる
食酢醪は、その原料によって異なった品質のものがで
き、従来この食酢醪の原料として、米,麦,酒粕等の穀
類、またその他に葡萄,林檎等を始めとした果実が用い
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、食酢原料
醪の種類に応じて様々な風味の食酢が開発されており、
さらに食酢は疲労回復効果、減塩効果などの付加的な効
果も有することから、その需要が最近特に増大の傾向に
ある。
【0008】しかしながら、従来の食酢は何れも食酢特
有の酢酸臭が強く、この点が食酢普及の最大の阻害要因
となっている。
【0009】この対策として、例えば熱処理や化学処理
によって、その原因物質を取り除く種々の試みがなされ
ているが、食酢の主成分である有機酸の濃度低下等を招
く等その成功例はいまだ無い そこで、本発明において解決すべき課題は、食酢本来の
調味効果を保持しつつ、その酢酸臭を無くした食酢の製
造方法を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、食酢におけ
る酢酸臭を無くすため、食酢原料醪として種々の材料に
ついて鋭意研究を重ねた結果、玉葱がその効果を有する
ことを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】すなわち、本発明の食酢は、玉葱をアルコ
ール発酵させた玉葱醪を主原料とすることによって上記
課題を解決したもので、玉葱をアルコール発酵させて玉
葱中に存在するプロピルメルカプタンを初めとして硫化
アリルなどの機能性物質を含浸させた食酢の原料である
玉葱醪を得、これを静置式酢酸発酵法で醸造することに
よって製造することができる。
【0012】ここで、原料の糖度をあげるため、スライ
スした玉葱を、5〜10℃温度の糖濃度Bx8〜10度
の糖液(葡萄糖,果糖,蔗糖)に24時間程度浸漬した
後、これを圧搾して得た玉葱汁を用いることができる。
ここで糖液を5〜10℃とするのは主として腐敗防止の
ためである。
【0013】また、使用する酵母としては、ワイン酵
母、saccharomyces cerevisia
eを用いることが、特に玉葱醪のアルコール発酵の面か
ら望ましい。これを玉葱汁1000mlに対して10m
l使用する。
【0014】また、得られた玉葱醪を5〜10℃で2〜
4週間熟成させた後、これを静置式酢酸発酵法で醸造す
ることによって、玉葱醪の酢酸発酵をより促進させるこ
とができる。
【0015】
【作用】如何にして玉葱が酢酸臭等の不快臭を抑制する
かについての理論的な解明は今後の研究に待たねばなら
ないが、玉葱が持つ生理活性物質であるプロピルメルカ
プタンや硫化アリル等の硫化物が、玉葱汁のアルコール
発酵中に醸す物質によって酢酸臭を隠ぺいし、これによ
って食酢特有の酢酸臭等を抑制することができるものと
推察される。
【0016】
【実施例】 試験例 1 玉葱1500gを市販の野菜用カッターにて約0.5〜
0.8cmにスライスし、これを、Bx9.7度の葡萄
糖液に温度5℃で24時間浸漬した。その後圧搾して3
50mlの圧搾汁を得た。ついで、この圧搾汁350m
l当り3.5mlのワイン酵母を加え、15℃で7日ア
ルコール発酵させた。これによって、アルコール濃度
6.7v/v%の玉葱醪を得た。この玉葱醪液を8℃に
て3週間置き、これに種酢150mlを加え静置発酵法
により酢酸発酵を行った。さらに、酢酸発酵終了後、温
度5〜10℃で10日間熟成し、これを濾過,殺菌瓶詰
めして製品を製造した。
【0017】製造した食酢及び従来の製造方法による各
種食酢を用い、専門家パネラー10人による玉葱酢の香
りに関する評価を行った。その結果を第1表に示す。数
字はそれぞれ判定した人の数を示す。
【0018】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の玉葱醪から得
た玉葱酢は、従来の食酢のような酢酸臭や不快臭が全く
無く、また、玉葱に含有されるプロピルメルカプタンを
初めとする硫化アリル等の機能性物質の作用によってマ
イルドな香りを有する食酢であることが分かった。
【0019】またさらに、本発明によって得られる食酢
は、酢酸臭や不快臭が無いため、素材そのものの香りを
阻害することがなく、料理に於ける使用範囲の拡大が期
待される。特に、従来のソース類やタレ類に無い香味を
有するため、肉料理、中華料理或いは朝鮮料理等の全く
新しい分野への進出も可能である。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の食酢は、
原料醪に玉葱を使用することによって、従来の食酢に有
った酢酸臭や不快臭を抑制し、マイルドな香りの食酢を
製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 玉葱をアルコール発酵させて玉葱中に存
    在するプロピルメルカプタンを初めとして硫化アリルな
    どの機能性物質を含浸させた食酢の原料である玉葱醪を
    得、これを静置式酢酸発酵法で醸造する玉葱食酢の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 アルコール発酵させて得た玉葱醪を、5
    〜10℃の温度で2〜4週間熟成させた後、これを静置
    式酢酸発酵法で醸造する請求項1記載の玉葱食酢の製造
    方法。
JP4288979A 1992-10-27 1992-10-27 玉葱食酢の製造方法 Pending JPH06133756A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100517062B1 (ko) * 2000-12-29 2005-09-26 현대영농조합법인 양파식초 및 그 제조방법
KR100739226B1 (ko) * 2005-06-01 2007-07-13 창녕군 양파주의 제조방법 및 이로부터 얻은 양파주
CN112538412A (zh) * 2020-12-23 2021-03-23 金华市农业科学研究院 一种功能性洋葱食醋酿制过程中的品质改善方法
WO2021246518A1 (ja) * 2020-06-05 2021-12-09 三菱商事ライフサイエンス株式会社 タマネギ発酵調味液

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