JPH06130359A - 液晶表示素子および補償用素子 - Google Patents

液晶表示素子および補償用素子

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JPH06130359A
JPH06130359A JP4280383A JP28038392A JPH06130359A JP H06130359 A JPH06130359 A JP H06130359A JP 4280383 A JP4280383 A JP 4280383A JP 28038392 A JP28038392 A JP 28038392A JP H06130359 A JPH06130359 A JP H06130359A
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liquid crystal
cell
crystal cell
angle
crystal display
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JP4280383A
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Junko Hirata
純子 平田
Yuzo Hisatake
雄三 久武
Masahito Ishikawa
正仁 石川
Hitoshi Hado
仁 羽藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2枚の偏光板1、4間に駆動用液晶セル3を
配置してなる液晶表示素子において、偏光板1と駆動用
液晶セル3との間に、2枚の基板間にカイラルネマティ
ック液晶を挟持してなる補償用セル3を配置する。この
補償用セルの少なくとも一方の基板面は前記液晶分子と
前記基板表面のなす角(α0 )が、70°≦α0 <90
°となるように、一様な液晶配向処理がなされているこ
とを特徴とする液晶表示素子。この補償用セルとして、
高分子液晶フィルムを用いてもよい。 【効果】 視角特性が改善され、視認性にすぐれる高品
位表示の液晶表示素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係わ
り、特に高コントラスト比と共に視角依存性を制御した
液晶表示素子およびこの素子に用いられる補償用素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量、低消費電力という大き
な利点をもつ液晶表示素子は、日本語ワードプロセッサ
やディスクトップパーソナルコンピュータ等のパーソナ
ルOA機器の表示装置として積極的に用いられている。
液晶表示素子(以下LCDと略称)のほとんどは、ねじ
れネマティック液晶を用いており、表示方式としては、
複屈折モードと旋光モードの2つの方式に大別できる。
【0003】ねじれネマティック液晶を用いた複屈折モ
ードの表示方式のLCDは、90°以上ねじれた分子配
列をもち(ST方式と呼ばれる)、急峻な電気光学特性
をもつ為、各画素ごとにスイッチング素子(薄膜トラン
ジスタやダイオード)が無くても単純なマトリクス状の
電極構造でも時分割駆動により容易に大容量表示が得ら
れる。
【0004】しかし、ST方式では、複屈折効果を利用
しているため表示色が黄色と濃紺色のいわゆるイエロー
モード表示や、白色と青色とのいわゆるブルーモード表
示となり、白黒表示やカラー表示が不可能であった。こ
のような表示の色づきを解消する手段として、逆にねじ
れた第2の液晶セルを偏光板と液晶セルの間に配置する
ことによって白黒表示を実現できることが特公昭63−
53528号公報にて報告されている。
【0005】一方、旋光モードのLCDは90°ねじれ
た分子配列をもち(TN方式と呼ばれる)、応答速度が
速く(数十ミリ秒)高いコントラスト比と良好な階調表
示性を示すことから、時計や電卓、さらにはスイッチン
グ素子を各画素ごとに設けることにより大表示容量で高
コントラストな高い表示性能をもった液晶ディスプレー
(TFT−LCDやMIM−LCD)を実現することが
できる。
【0006】しかし、TN方式においても、見る角度や
方向によって表示色やコントラスト比が変化するといっ
た視角依存性をもち、陰極線管CRTの表示性能を完全
に越えるまでにはいたらない。このような視角依存性の
補償手段として、カイラルネマティック液晶を挟持して
なる第2の液晶セル(USTと呼ばれる)を偏光板と液
晶セルの間に配置するといった方法がアプライド、フィ
ジックス、レター(Appl. Phys. Letter)Vol.60−
15、p.1806、1992(東芝:羽藤ら)にて報
告されている。カイラルネマティック液晶とは液晶分子
が螺旋状にねじれた配列をしており、垂直に配列した液
晶が正の光学異方性を有するのに対し、カイラルネマテ
ィック液晶は螺旋状のねじれ配列によりねじれ量が多い
場合(1回転以上)光学的に負の光学異方性を示す。カ
イラルネマティック液晶セル中でのねじれ角が非常に大
きな場合(約10回転)その光学異方性はほぼ対称にな
る。ここで、カイラルネマティック液晶セルのねじれ角
をある程度制御する事により螺旋軸を基板法線方向から
傾けることができる。このようにすることにより、カイ
ラルネマティック液晶セルの光学異方性を非対称にする
事ができ、光学異方性が非対称である駆動用液晶セルの
電圧印加時の視角特性を補償することができるというも
のである。 しかし、この補償手段を更に深く考えると
実質上は光軸は傾いていないので、TNセルや電圧無印
加時にプレチルトを有するホメオトロピックあるいはホ
モジニアス配向をした駆動用液晶セルの視角依存性を完
全に補償するまでには至らない。
【0007】これに対して、ねじれ角が非常に大きい場
合のコレステリック液晶のプレチルト角を高めにして光
軸を傾けるという手段が特公平3−215831号公報
にて報告されている。しかしながら、電圧無印加時にお
けるプレチルト制御された液晶層は図9に示したように
大部分の液晶分子はプレチルト以下となり光学的な光軸
(らせん軸)は実用上傾いた作用を示さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】液晶分子は、液晶分子
の長軸方向と短軸方向に異なる屈折率を有することは一
般に知られている。この様な屈折率の異方性を示す液晶
分子にある偏光状態の光が入射すると、その光は液晶分
子の角度に依存して偏光状態が変化する。従って、液晶
セルに対し光が垂直に入射した場合と斜めに入射した場
合とでは、液晶セル角度によって表示のパターンが反転
して見えたり、表示のパターンが全く見えなくなった
り、あるいは表示が色づくといった現象として現れ、実
用上好ましくない。
【0009】本発明は上記不都合を解決することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極を設けた
2枚の基板間に液晶層を有する駆動用液晶セルと、この
駆動用液晶セルを挟む2枚の偏光板とを具備してなる液
晶表示素子において、前記少なくとも一方の偏光板と前
記駆動用液晶セルとの間に、2枚の基板間にカイラルネ
マティック液晶を挟持してなる補償用セルを少なくとも
1枚有しており、前記補償用セルの少なくとも一方の基
板表面は前記液晶分子と前記基板表面のなす角(α0 )
が、70°≦α0 <90°となるように、一様な液晶配
向処理がなされていることを特徴とする液晶表示素子に
ある。
【0011】また、前記補償用セルと光学的に同等の補
償効果を得る分子配列からなる高分子液晶フィルムであ
る補償素子を用いたことを特徴とする。
【0012】
【作用】一般に液晶表示素子に用いられる偏光板の配置
には大きく分けて2通りあり、液晶セルに電圧を印加し
ないとき光が透過せず、電圧を印加したとき光の透過状
態がえられる(ノーマリークローズ)方式と、液晶セル
に電圧を印加しないとき光が透過し、電圧を印加したと
き光が遮断される(ノーマリーオープン)方式とがあ
る。一例として図3に従来例のTN方式のノーマリーオ
ープンとノーマリークローズの表示面法線から左右の方
向に0°から60°まで傾いた時のコントラスト比依存
性を示す。ノーマリーオープンの場合は(10.0)、ノーマ
リークローズの場合は(11.0)で示されている。これらを
比較すると、ノーマリークローズの方がノーマリーオー
プンよりコントラスト比の視角依存性が少ないことが分
かる。コントラスト比とは、光が透過した状態(明状
態)の輝度を光が遮断された状態(暗状態)の輝度で割
った値であり、コントラスト比は暗状態の輝度に大きく
影響する。そこでノーマリーオープンとノーマリークロ
ーズの両方式の暗状態の輝度の左右方向における視角依
存性を測定してみると、図4に示した様な特性が得られ
る。ノーマリーオープンの場合を(10.1)でノーマリーク
ローズの場合を(11.1)で示した。図から明らかなよう
に、ノーマリークローズの方がノーマリーオープンより
暗状態の視角依存性が小さく、その結果ノーマリークロ
ーズの方がノーマリーオープンよりコントラスト比の視
角特性が良くなっている。
【0013】ノーマリーオープンとノーマリークローズ
の暗状態の違いを考察してみると、ノーマリーオープン
の場合は光を遮断するために電圧を液晶セルに印加して
おり、ノーマリークローズの場合は光を透過させるため
に液晶セルに電圧を印加している。ノーマリーオープン
の場合に液晶セルに暗状態が得られる電圧値を印加した
時の分子配列状態を計算してみると、図5に示す様にな
る。ここで、図中の7及び8はそれぞれチルト(傾き)
角及びツイスト(ねじれ)角で、チルト角とは、図6に
示す座標系において液晶セルの基板面をxy面としたと
き、xy面に対する液晶分子(5.1) の長軸の傾き角7を
示し、ツイスト角8とは、液晶分子(5.1) をz軸からx
y面へ投射した軸とx軸とのなす角度で、2枚の基板間
隔はdである。
【0014】図5から、電圧が印加された状態では、液
晶セルの中央付近(d/2)では液晶分子が90°近く
傾くが、上下の基板表面付近(0、d)では、基板表面
の配向規制力の影響を受けて液晶分子はあまり傾かな
い。また、ツイスト角はSの字型の分布となる。
【0015】液晶分子のチルト角がセル厚方向にたいし
て一定で、ツイスト角が線型にねじれている場合、すな
わちノーマリークローズの場合の暗状態の分子配列状態
を比較すると、電圧印加時の分子配列状態は、液晶セル
を見る角度と方位により異なって見え、その結果液晶分
子配列状態の見え方の違いが液晶セル中を伝搬する偏光
状態の違いとなって視角特性に反映される。従ってノー
マリークローズの方が視角特性が良いのは、見る方向角
度による暗状態の分子配列状態の見え方の違いがノーマ
リーオープンより小さいためである。従って、何らかの
方法でどんな方向から見ても同一な分子配列状態が見え
る様に工夫することができれば、ノーマリーオープンの
場合の暗状態の視角特性を改善することができる。
【0016】液晶セル中で見る角度によって最も液晶分
子の見え方の変化の大きいのは、液晶セル中央付近の液
晶分子が大きく傾いた箇所である。そこでこの箇所の見
え方の変化を小さくすることにより視角特性を改善でき
る。
【0017】液晶の配向状態は3次元の屈折率楕円体に
より簡略的に示すことができる。図7は液晶分子が垂直
にたった状態を屈折率楕円体で示したものであるが、複
屈折現象は、この屈折率楕円体6をある方向からみたと
きの2次元面内での屈折率差に関する現象であるから、
z方向から見たときの(すなわち液晶セルを真正面から
見たとき)2次元面内の屈折率体(6.4) は円となり、屈
折率差と視軸(6.1) から見たときの屈折率体(6.5) とは
異なる。ノーマリーオープン(クロスニコル)の場合、
z方向から見たときの屈折率差は0であるから暗状態が
得られるが、視軸(6.1) から見たときの2次元面は楕円
となりその結果屈折率差が生じるために暗状態とはなら
ない。屈折率楕円体6を見る角度(6.3) を大きくしてい
くと視軸(6.1) から見える2次元面内の楕円(6.5) はn
61の長さ方向に大きくなり、視軸(6.1) の方向から見
た時より大きい透過光が観測される。
【0018】従って、この様な屈折率楕円体を光学的に
補償するには、屈折率楕円体を見る角度(6.3) を大きく
していったときn62の長さ方向の屈折率が大きくなる
ような図8のような屈折率楕円体(すなわち光学性が負
である光学異方体)を視軸(6.1) 上に配置すれば、2次
元面内の楕円(6.5) が球になり種々の方向から観測して
も見かけ上の屈折率が略同一となり視角特性が向上す
る。
【0019】光学的に負の光学異方性を示すものとして
は、コレステリック液晶セルの他にも、厚み方向の光学
異方性が負であるフィルム(NOC)や光軸をずらして
積層したリタデーションフィルム(RF)などがあげら
れる。
【0020】ところで、上記方法はセルのどの位置にお
いても図7のような液晶分子を有するようなセルにおい
ては効果的である。が、電圧印加時の液晶セル中央付近
の液晶分子でさえ実際には垂直ではない図5のような分
子配列状態を示すTNセルにおいては単にNOCやRF
等をのせても傾き分だけ球にはならない。これに対して
図9に示す両基板10a、10bを水平配向処理したコ
レステリック液晶セルをのせた場合は液晶分子11はカ
イラル能によるねじれた構造のため前記フィルムNOC
やRFよりも球に近づく。しかしながら、液晶分子のら
せん軸は基板に垂直であり、駆動用液晶セルの液晶分子
の傾きに対応した傾きを持つ補償媒体ではないので補償
は不完全である。
【0021】ところで発明者らは、垂直配向を片側また
は両側面に施したセルにカイラル能のあるコレステリッ
ク液晶層を挿入すると、液晶層の中心部はねじれた構造
を有し、基板表面は垂直となり、図10のような、らせ
ん付きプレ−ナ−、または、ねじれ付きハイブリット構
造をとり、更に、このとき基板面における液晶分子と基
板面とのなす角α0 を0°や90°ではなく駆動用液晶
セルに応じて傾けると螺旋軸もそれに応じて傾くことを
見い出だした。すなわち図10において、(a)は両基
板10a、10bの両方を垂直配向処理したもので、
(b)は基板10aを垂直配向、基板10bを水平配向
処理とした場合のカイラルネマティック液晶分子11の
ねじれと、らせん軸12を示している。同図は少なくと
も一方の基板10aに接する液晶分子11の延長方向す
なわち、らせん軸12と、基板面とのなす角α0 が70
°≦α0 <90°で傾いている。これによって、本発明
の補償用セルを駆動用液晶セルの螺旋軸の傾きに対応す
るように制御することにより補償後の屈折率楕円体は球
になり視角依存性は改善できる。
【0022】上述のコレステリック液晶セルは、ねじれ
性を持つ高分子液晶層を用いることによっても同様の機
能が得られることは言うまでもなく、この場合、例えば
駆動用液晶セルの基板の少なくともどちらか一方に、こ
の様な高分子液晶層を塗布することにより得られ、製造
上用意となりより望ましい液晶表示素子が得られる。こ
の場合、例えばポリシロキサン主鎖とし、側鎖にビフェ
ニルベンゾエ−トとコレステリル基を適当な比で有した
様な高分子共重合体液晶などを用いることなどができ
る。
【0023】以上TN液晶セルを例にとって説明した
が、TN方式のみならず電圧印加時にプレチルト角を有
する垂直配向複屈折型液晶セル(VAN)においても同
様な効果が得られる。
【0024】
【実施例】以下本発明の液晶表示素子の実施例を詳細に
説明する。
【0025】(実施例1)図1、図2に本実施例におけ
るセル構成を示す。液晶表示素子は2枚の偏光板1、4
と、これらの間に補償用液晶セル2と駆動用液晶セル3
とを挟む構成を有している。偏光板1は透明基板1aの
内側に偏光膜1bを付けたものであり、偏光板4も同様
に透明基板4aに偏光膜4bをつけて形成される。又こ
れら偏光板1、4もの光透過軸(1.1),(4.1) はそれぞれ
直行するように配置される。
【0026】補償用液晶セル2はこれらの偏光板1、4
間に配置され、2枚の透明基板2a,2b間にカイラル
ネマティック液晶層(メルク ジャパン製、S−81
1)2cを介在させた液晶セル構造を有している。ま
た、透明基板2a、2bの基板面には垂直配向を施して
ある。
【0027】駆動用液晶セル3は補償用液晶セル2と偏
光板4間に配置される。上側基板3aと下側基板3bと
はそれぞれ透明電極3c、3d間を形成しており、駆動
電源3fに接続される。基板3a,3b間にねじれネマ
ティック液晶層3eがねじれ角が90°で導入され、駆
動電源3fから印加電圧に応じて状態を変化する。
【0028】駆動用液晶セル3の液晶の光軸は下側基板
3bから上側基板3aへと反時計回りにねじれている
(左ねじれ)。(3.1),(3.2) は、それぞれ上側と下側の
基板のラビング軸で、これらは互いに直行する。駆動用
液晶セル3の液晶層の厚みは6.0μmである。
【0029】補償用液晶セル2は、ねじれ角が5850
°、厚みが6.0μmの液晶セルで、図示(2.1),(2.2)
はそれぞれ上側と下側の基板2a,2bのラビング軸
で、これらは互いに直交している。基板2a、2bは配
向膜に垂直配向層を用いこれをラビング処理したもの
で、基板面と液晶分子のなす角α0 は垂直側が85°、
水平側が5°である。
【0030】この補償用液晶セルの厚み方向の屈折率n
2cは1.489,セル面内方向の屈折率n1cが1.
524(リタデーション値=−0.228μm)とし、
暗状態(駆動電源3fから液晶セル電極間に5V印加
時)の駆動用液晶セルの屈折率のセル面内方向の屈折率
n2と、厚み方向の屈折率n1と同一の値とした(n1
=n1c、n2=n2c)。
【0031】偏光板1の透過軸(1.1) と上側基板のラビ
ング軸(2.1),(3.1) は平行で、偏光板4の透過軸(4.1)
と下側基板のラビング軸(2.2),(3.2) は平行である。
【0032】図12は本実施例の液晶表示素子の等コン
トラスト曲線を示すもので、横軸は図11に示すように
基板10の垂直方向に対する観察点の傾きを視認角θと
し、基板の水平方向からの方位角をφとしたときの種々
の位置に観察点を置いたときの等コントラスト特性であ
る。各曲線はコントラスト比CRが5:1、10:1、
30:1および50:1の場合であり、図13で示す光
学異方素子のない従来素子の等コントラスト特性と比べ
ると、明らかにコントラスト比の視角依存性が改善され
ている。
【0033】(実施例2)実施例1において、透明基板
2a,2b両方の基板面に垂直配向を施して、実施例1
と同様に配置した。基板2a、2bの平面とその位置の
液晶分子のなす角α0 は85°である。電気光学特性を
測定したところ実施例1と全く同一の特性が得られ、1
0インチのTFT−LCDを本構成で作成し16階調表
示をしたところ、視点を変化させても16階調間の識別
ができる高コントラストなLCDが実現できた。視角特
性を測定したところ、30°コーンでコントラスト比4
0:1以上が得られ、入射角が60°以上でも表示面の
反転や表示色の変化の無い良好な表示が得られた。
【0034】(比較例1)実施例1において駆動用液晶
セル3と上の偏光板1との間に補償用液晶セル2を配置
しない場合の液晶表示素子の視角特性を測定した。測定
結果の等コントラスト曲線を図13に示す。図から、視
角方位によりコントラスト比の視角依存性があることが
わかる。
【0035】(比較例2)実施例1において、透明基板
2a,2bには垂直配向処理を施さず、実施例1と同様
に配置して液晶表示素子の視角特性を測定した。測定結
果の等コントラスト曲線を図14に示す。図13よりは
改善されているが、図12と比べると0°、90°、1
80°方位のコントラスト比の視角特性は劣っている。
【0036】(実施例3)実施例1において、基板2
a,2b間の配向処理をチルト付き垂直配向とし、実施
例1と同様にn型液晶を導入し、実施例1と同様に配置
した。本構成で640×480ドットの複屈折制御型液
晶素子(ECB)を作成し、1/240デューティで単
純マルチプレクス駆動したところ、40°コーンでコン
トラスト比23:1以上が得られ、入射角が60°以上
でも表示面の反転や表示色の変化の無い良好な表示が得
られた。
【0037】(実施例4)実施例2において、基板2
a,2b間の配向処理をチルト付き垂直配向とし、実施
例1と同様にn型液晶を導入して補償用セルとし、実施
例2と同様に配置した。本構成で640×480ドット
のECB型液晶素子を作成し、1/240デューティで
単純マルチプレクス駆動したところ、40°コーンでコ
ントラスト比21:1以上が得られ、入射角が60°以
上でも表示面の反転や表示色の変化の無い良好な表示が
得られた。
【0038】(実施例5)実施例1の補償用セル2の代
わりに、ポリエチレンなどの高分子材料で両面の分子が
α0 が85°のらせん軸の傾きをもつ、光学的に実施例
1の補償用素子2と同特性の高分子液晶フィルムを、駆
動用液晶素子3と旋光板1との間に配置した。得られる
構成で等コントラスト比−方位角特性を調べたところ、
実施例1と同様に視認性が改善された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、液晶表示素子の視角特
性が改善され、視認性にすぐれる高品位表示の液晶表示
素子を提供することができる。また、本発明をTFTや
MIMなどの3端子、2端子素子を、用いたアクティブ
マトリクス液晶表示素子に応用しても優れた効果が得ら
れることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示素子を示す断面
図。
【図2】本発明の実施例1の液晶表示素子の構成を示す
分解斜視図。
【図3】従来のTN型液晶表示素子の左右方向のノーマ
リーオープンとノーマリークローズ方式のコントラスト
比の視角特性を説明する図。
【図4】従来のTN型液晶表示素子の左右方向のノーマ
リーオープンとノーマリークローズ方式の暗状態の輝度
の視角特性を説明する図。
【図5】液晶セルに電圧が印加された状態における液晶
セル厚み方向の分子配列を示す図。
【図6】図5の液晶分子のチルト角とツイスト角の座標
系を示す図。
【図7】液晶分子が立った状態の三次元の屈折率楕円体
を示す図。
【図8】図7の屈折率楕円体を光学補償する屈折率楕円
体を説明する図。
【図9】プレチルト制御された液晶層を説明する略図。
【図10】(a)は、基板面と液晶分子のらせん付きプ
レーナーを説明する略図、(b)は、基板面と液晶分子
のねじれ付きハイブリッド構造を説明する略図。
【図11】等コントラスト比−方位角特性の測定座標系
を説明する図。
【図12】本発明の実施例1の等コントラスト比−方位
角特性を説明する図。
【図13】従来素子の等コントラスト比−方位角特性を
説明する図。
【図14】UST方式の等コントラスト比−方位角特性
を説明する図。
【符号の説明】
1、4・・偏光板 2・・・・補償用液晶セル 3・・・・駆動用液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を設けた2枚の基板間に液晶層を有
    する駆動用液晶セルと、この駆動用液晶セルを挟む2枚
    の偏光板とを具備してなる液晶表示素子において、前記
    少なくとも一方の偏光板と前記駆動用液晶セルとの間
    に、2枚の基板間にカイラルネマティック液晶を挟持し
    てなる補償用セルを少なくとも1枚有しており、前記補
    償用セルの少なくとも一方の基板表面は前記液晶分子と
    前記基板表面のなす角(α0 )が、70°≦α0 <90
    °となるように、一様な液晶配向処理がなされているこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 補償用セルの一方の面側の分子配列がチ
    ルトをもつ垂直配向である請求項1記載の液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】 高分子液晶フィルムでなり、少なくとも
    一方の面側の分子配列が分子と一方の面とのなす角(α
    0 )が70°≦α0 <90°のチルトをもつ垂直配向で
    ある補償用素子
JP4280383A 1992-10-20 1992-10-20 液晶表示素子および補償用素子 Pending JPH06130359A (ja)

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JP4280383A JPH06130359A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 液晶表示素子および補償用素子

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JP4280383A JPH06130359A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 液晶表示素子および補償用素子

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