JPH07175058A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH07175058A
JPH07175058A JP5110419A JP11041993A JPH07175058A JP H07175058 A JPH07175058 A JP H07175058A JP 5110419 A JP5110419 A JP 5110419A JP 11041993 A JP11041993 A JP 11041993A JP H07175058 A JPH07175058 A JP H07175058A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal cell
cell
substrates
crystal display
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JP5110419A
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English (en)
Inventor
Masahito Ishikawa
正仁 石川
Junko Hirata
純子 平田
Yuzo Hisatake
雄三 久武
Hitoshi Hado
仁 羽藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示素子の視角特性を改善して、視認性
にすぐれた表示品質の高い液晶表示素子を提供する。 【構成】 第1の液晶セル5の透過光がその液晶層の複
屈折作用により着色し、あるいは方位角依存性が強調さ
れても、マルチドメイン構造の第2の液晶セル7によっ
て光学的にこれらを補償して、第1の液晶セルおよび第
2の液晶セルを透過して画像を形成する際の光の着色や
方位角依存性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係わ
り、特にコントラスト比や表示色などの視角依存性を制
御した液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量、低消費電力という大き
な利点を有する液晶表示素子は、日本語ワードプロセッ
サやデスクトップパーソナルコンピュータ等のパーソナ
ルOA機器の表示装置として積極的に用いられている。
【0003】液晶表示素子(以下、LCDと略称)とし
ては、現在一般的に捩れネマティック液晶が用いられて
いるが、その表示方式としてはTN形とSTN形の 2つ
に大別することができる。
【0004】TN形のLCDは、90度捩れた分子配列を
有しており、低電圧の電圧印加で高いコントラスト比を
示すことから時計や電卓等のディスプレイデバイスとし
てのみならず、液晶テレビやOA機器のディスプレイな
どにも幅広く用いられている。特に液晶テレビやOA機
器のディスプレイ用のディスプレイデバイスには大表示
容量と高速動作が求められるため、各表示画素に対応す
る部分ごとに薄膜トランジスタ(TFT)やダイオード
などのスイッチング素子を形成したアクティブマトリッ
クス方式が適用される。
【0005】一方、STN形のLCDは、例えば 240度
程度などに大きく捩れた分子配列を持ち急峻な電気光学
特性を有しているため、各画素ごとにスイッチング素子
を形成せずとも、マトリックス状に電極が対向配置され
た単純な構造の単純マトリックス型液晶表示素子でも大
容量の表示を実現することができる。
【0006】しかしながら、複屈折効果を利用している
ため表示が黄色と濃紺色に着色するいわゆるイエローモ
ード表示や、白色と青色のいわゆるブルーモード表示
(これらの着色(表示色)は液晶セルの上下の偏光板の
吸収軸の向きにより異なる)となり、実用上、白黒表示
が不可能であった。
【0007】このような表示の色付きを解消する手段と
して、上記の表示用の液晶セルと偏光板との間に、上記
の表示用の液晶セルとは逆に捩れた第2の液晶セルを配
置することによって白黒表示を実現するという技術が、
例えば特公昭57-96315号公報に開示されている。この白
黒化の原理は、液晶分子が捩れ配列とされる表示用の液
晶セルで楕円偏光となった常光成分と異常光成分の光
を、光学補償板である第2の液晶セルによって相互に入
れ替わらせて楕円偏光を直線偏光へと変換するというも
のである。その結果、光の波長ごとに偏光方向が異なる
ことなく、同一の偏光が得られ白黒表示を実現すること
ができる。ここで、上述したように楕円偏光の直線偏光
への変換を行なうために第2の液晶セルは、表示を行な
う第1の液晶セルのリタデーション値とほぼ同一のリタ
デーション値を有し、かつ捩れ方向が相互間で逆であ
り、それらの配置は相互に最も近接する液晶分子の配向
方位を直交するように構成される。
【0008】しかしながら、上記のSTN型やTN型の
液晶表示素子は、見る角度や方位によって表示色やコン
トラスト比が変化するといった視角依存性を有してお
り、CRT(Cathode Ray Tube)の表示性能を完全に越
えるまでには未だ至っていない。例えばTN型の液晶表
示素子は図4に示すような視角特性を有している。この
図4は等コントラスト特性図と呼ばれる図で、液晶表示
素子の視角特性を示す際によく用いられる。液晶表示素
子を観測する点を図5に示すように方位角φ、入射角θ
と定義し、観測する方位φを変化したとき、等しいコン
トラスト比を示す入射角θを図4の様に極座標系で示し
たものである。理想的な液晶表示素子としては、どの方
位角φにおいても入射角θが大きいことが望まれる。図
4の測定結果にも見られるように、方位φが90度、 210
度、 330度付近で入射角θが大きくなり、方位φが45
度、 135度、 270度付近で入射角θが小さい。また最大
のコントラスト比が得られるのは液晶表示素子の真正面
付近にあり、入射角θを変化させるとコントラスト比が
急激に変化し、このときの画面は見た目に著しい不快感
を感じさせるものとなる。この例のように、液晶表示素
子は見る角度を変化させると同一なコントラスト比が得
られず、入射角θおよび方位φによってコントラスト比
が大きく変化するという問題がある。
【0009】一方、誘電異方性が負のネマティック液晶
を垂直配向させた液晶セルを偏光板で挟んだ構造の液晶
表示素子において、液晶セルと偏光板との間にコレステ
リック液晶を挟み、視野角を改善するという試みが、例
えば特開平3-67219 に開示されている。しかしながら、
この場合では、誘電異方性が負のネマティック液晶を垂
直配向させた液晶セルは配向技術の問題や液晶材料の応
答速度の問題、あるいは液晶の比抵抗が十分には高くな
らないため、アクティブマトリックス型液晶表示素子に
用いるには実用的に不適であるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
液晶表示素子は最大コントラスト比が得られる方向は液
晶表示素子の真正面付近に限られており、正面から入射
角をずらせて変化させて行くとコントラスト比が急激に
変化して、見た目に不快感を感じさせるという問題があ
った。そして実際には液晶表示素子を見る角度としては
斜方からの場合が多く、特に小型の液晶表示素子の場合
にはそれが顕著である。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、その目的は、どのような方位角から
見ても、またどのような入射角の光にでも、ばらつきが
低減されて均一なコントラストに観測されるような画像
表示を実現することのできる液晶表示素子を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の液晶表示素子は、画像表示用電極が配列さ
れ互いが間隙を有して対向配置される 2枚の基板であっ
て、該 2枚の基板の間隙に封入挟持される液晶層とを有
し、前記画像表示用電極に電圧が印加されて画像表示を
行なう第1の液晶セルと、前記液晶セルに重ねて組み合
わされる第2の液晶セルであって、液晶分子の長軸方向
を同一方向に揃える配向処理を基板表面に施されること
を避けて形成され、互いが間隙を有して対向配置される
2枚の基板と、前記基板表面に対して液晶分子の長軸方
向が電圧無印加時に略水平姿勢に保持されるとともに該
液晶分子の長軸方向が前記略水平姿勢を保持しつつ前記
基板表面で略不統一な方位を向き、前記基板表面に対し
て垂直方向には前記 2枚の基板どうしの間隙で前記液晶
分子が捩れ配列され、かつ該液晶分子の方位ごとに異な
る旋光性を有するように前記 2枚の基板どうしの間隙に
挟持される液晶層とを有する第2の液晶セルと、前記第
1の液晶セルおよびこれに組み合わされた前記第2の液
晶セルを上下から挟持する 2枚の偏光板とを具備するこ
とを特徴としている。
【0013】あるいは、上記の液晶表示素子において、
第2の液晶セルの液晶層の配列の捩じれピッチの値と第
2の液晶セルに用いる液晶層の屈折率差の大きさの乗算
の値が、最短の可視波長より短かいことを特徴としてい
る。
【0014】あるいは、上記の液晶表示素子において、
第2の液晶セルが高分子液晶からなることを特徴として
いる。
【0015】なお、前記の第2の液晶セルの液晶層の旋
光性としては、その透過光がほとんど着色しない程度、
あるいはその透過光が画面で画像を結ぶ際に、ほとんど
着色が目立たない程度にまで小さな旋光性に設定するこ
とが望ましい。
【0016】また、前記の「最短の可視波長」とは、短
波長端が 380〜 400nm、長波長端が 760nm〜 830n
mの範囲程度のものを言う。
【0017】
【作用】第1の液晶セルの透過光がその液晶層の複屈折
作用により着色し、あるいは方位角依存性が強調されて
も、マルチドメイン構造の第2の液晶セルによって光学
的にこれらを補償して、第1の液晶セルおよび第2の液
晶セルを透過して画像を形成する際の光の着色や方位角
依存性を改善することができる。
【0018】また、このような視角補償用の液晶セル
は、現在一般に用いられている単なる小〜中規模の有機
分子からなる液晶のみならず高分子液晶でも作製するこ
とができ、液晶を挟持する基板が不要になり、薄型で軽
量なより望ましい液晶表示素子を実現することができ
る。その高分子液晶としては、例えばポリシロキサン主
鎖とし側鎖にビフェニルベンゾエートとコレステリル基
を特定の比率で混成したような高分子共重合体等を用い
ることなどができる。また表示用の液晶セルとしては、
TNセルを用いることは勿論、この他にも捩れ角の無い
ホモジニアス配向の液晶セルや、垂直配向したホメオト
ロピック配向の液晶セルの場合でも類似した作用が得ら
れることは言うまでもない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の液晶表示素子の実施例を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0020】(実施例1)図1は、本発明に係る第1の
実施例の液晶表示素子の構造を示す断面図である。 こ
の液晶表示素子は、 2枚の偏光板1、3(LLC2-92-18;
SANRITZ社製)と、これらの間に表示用の第1の液晶セ
ル5および光学補償用の第2の液晶セル7とが挟持され
てその主要部が構成されている。
【0021】偏光板1は、透明基板9の内側に偏光膜1
1が挟持されるように、これらを貼設して形成されたも
のであり、偏光板3も同様に、透明基板13に偏光膜1
5が挟持された構造に形成されている。これら偏光板
1、3は、その光透過軸どうしが互いに直交するように
配置されている。
【0022】第2の液晶セル7は、透明基板17、19
間に液晶層21を挟持した構造に形成されている。液晶
層21は、下側の透明基板19から上側の透明基板17
へと時計回りに 490度捩れるように液晶分子が配列され
た構造の、いわゆるSTN型に形成されている。そして
基板17、19の液晶層21と接する側の表面上には、
水平配向となる配向膜23、25が型成されているが、
これらの配向膜23、25の表面にはラビング配向処理
を施すことが省略されており、積水ファインケミカル製
の 4μm粒径のスペーサ(図示省略)を間隙材として介
挿してセルギャップを約 4μmに保ちつつ基板周囲にシ
ール材を塗布して組み立てられている。液晶組成物とし
ては、E. Merck社製のネマティック液晶ZLI-2806を用い
て、右捩れのカイラル剤R811(E. Merck 社製) を螺旋ピ
ッチが2.96μmになるように混合させたのち、等方相の
状態でセルに注入してネマティック相まで徐冷させるこ
とで、良好な配向の液晶層21としている。このように
して液晶層21の液晶分子の向きが基板表面でランダム
に捩れるような、いわゆるマルチドメイン配向が得られ
た。
【0023】そして第1の液晶セル5は、第2の液晶セ
ル7と偏光板3との間に配置される。その上側の透明基
板27と下側の透明基板29とはそれぞれ透明電極3
1、33が配設されており、これらの透明電極31、3
3は駆動回路35に接続されている。透明基板27、2
9間に、捩れネマティック液晶(ZLI-4287;E. Merck社
製) にカイラル剤S811( E. Merck 社製)を混入した液
晶組成物が導入されて、液晶分子が上側の透明基板27
から下側の透明基板29へと反時計回りに捩れ角が90度
に捩れ配列された液晶層37が形成されている。液晶層
の厚みは約 5.5μmである。言うまでもなく、この液晶
層37は駆動回路35から印加される駆動電圧に応じて
状態が変化する。
【0024】図2は、この第1の実施例の液晶表示素子
の光学的な構成を示す図である。同図において、20
1、203はそれぞれ上側の基板27と下側の基板29
のラビング方向を示すラビング軸であり、これらは互い
に直交している。
【0025】偏光板1の透過軸205と上側の透明基板
27のラビング軸201とが平行に、また偏光板3の透
過軸207と下側基板29のラビング軸203とが平行
になるように各部位が配置されている。
【0026】このような構造の液晶表示素子を作製し、
テストパターンを表示させてコントラスト特性を測定し
た。測定時の印加電圧(駆動回路35から供給され液晶
セル5の対向する透明電極31、33間に印加される電
圧)は、明状態としては 1V、暗状態としては 5Vにし
た。ここで第1の液晶セル5の液晶層21のしきい値電
圧は 2Vである。その結果を図3に示す。図4に示した
従来のノーマリーオープンの液晶表示素子の視角特性と
比較すると、全方位にわたって視角特性が飛躍的に均一
なものに改善されており、実用に即した視角特性が実現
されていることが確認できる。このような本発明に係る
液晶表示素子を用いてアクティブマトリックス型液晶表
示装置を作製し、様々な画像パターンを表示させてその
表示品質を検証したところ、表示の明暗反転の極めて少
ない、良好な表示が得られることが確認できた。
【0027】ここで、本発明の液晶表示素子の視角特性
が何故に飛躍的に均一なものに改善できるが、その理論
的な説明を下記に簡潔に述べる。
【0028】前記のごとく図6は従来のノーマリーオー
プン方式のTN型液晶表示素子(以下TN−LCDと略
称)の視角特性を示す図である。この図6においては、
表示面法線から左右の方向に 0度から60度まで傾いたと
き(表示面法線からの傾き角を以下入射角θと称する)
の明状態と暗状態での透過率の視角依存性を示してい
る。ここでノーマリーオープン方式とは、電圧無印加時
には明状態が得られ、電圧印加時には暗状態が得られる
ような液晶セルの方式を示す。暗状態と明状態とを比較
すると、暗状態の方が入射角θに対する透過率の変化が
激しく、明状態より視角特性が悪いことが分かる。実際
に液晶セル中での電圧が印加されている部分とそうでな
い部分とを比較してみると、電圧が印加されている暗の
部分の方が視角特性が悪い。この原因は液晶セル内の分
子配列にある。暗の部分には液晶のしきい値以上の電圧
が印加されており、分子配列は液晶分子長軸が基板表面
に対し傾いて捩れ配列が解かれた状態となっている。一
方、明の部分は電圧が印加されておらず液晶セル中の液
晶分子は基板に対し水平で捩れた配列状態となってい
る。電圧が印加されて液晶分子の長軸が傾くと、セル中
を透過する光の偏光面はこれまで捩れ配列により旋回し
ていた(媒質の捩れにより光の振動面が進行方向に対し
て回転することを旋光と称する)ものが、旋回できずに
セルに入射したときの方向のままになって、光がセルを
透過する側の偏光板の吸収軸方向と同一になり表示は暗
状態となる。図6によれば入射角θが左右に15度の角度
内では透過率はほぼ 0となり旋光しないが、これ以上の
入射角では旋光と複屈折により透過率が大きくなってい
る。複屈折とは光学異方体(屈折率が方向により異なる
媒質)に光が入射した際に 2つの屈折光が得られる現象
であり、液晶は言うまでもなく光学異方体であるため、
液晶セル中で液晶分子が斜めに配列したときに斜め配列
の方向以外の方向から光が入ると複屈折が起きる。この
ような斜め方向での旋光と複屈折を解消するのが本発明
に係る技術の要点である。液晶分子がさまざまな方位に
捩れ配列された液晶セルを表示用の液晶セルと偏光板と
の間に配置することで、上記のような斜め方向での旋光
と複屈折を解消する作用が得られることを本発明は見い
だした。この光学補償用(視角特性改善用)の液晶セル
としては、基板表面に略平行に液晶が捩れ配列され、か
つその旋光性は小さくなるように液晶分子の配列の捩れ
角が大きな構造に形成すればよい。配列の捩れ角を小さ
くせずに逆に旋光しきれないくらいに大きくすることで
微少な旋光性を得ることができるのである。上記の旋光
性の大小は、次式によって示される(C.Z.Van Doorn ,P
hysics Letters 42A, 7(1973) )。
【0029】f=λ/(p×△n)……(1) ここで、λは真空中の光の波長(可視の波長範囲の波
長)、pは補償用液晶セルの捩れ配列のピッチ長、△n
は補償用液晶セルの屈折率の異方性である。
【0030】f<<1の場合、旋光性が大きく、偏光面
は光軸の捩れに追従する。このような条件の補償用液晶
セルを偏光板と液晶セル間に挿入すると、コントラスト
比が小さくなる、あるいは画像に色付きが生じるなどし
て、本発明の目的とは逆に表示性能を阻害することにな
る。良好な視角補償効果を得るには旋光性が極力小さい
ことが好ましく、光学補償用液晶セルはf>1の条件を
満たすことが必要で、(1)式を書き換えると、 p×△n<λ ……(2) となる。この(2)式から分かる通り、配列の捩れ角を
大きくしてピッチpを短くし、かつ△nの小さな液晶を
用いることで液晶セルの旋光性が小さくなる。
【0031】ただし勿論、このような捩れ角の大きな液
晶セルにおいても、その旋光性には入射角依存性があり
ある入射角で旋光性が大きくなる。しかし方位角依存性
もあるためこの構成のままでは実際の使用に向かない。
そこで、このような旋光性の方位角依存性をもつ様々な
(ランダムな)方位を向いた配向を液晶層内で多数設け
ることで、巨視的に方位角依存性が無く入射角にのみ旋
光の依存性がある理想的な視角補償用の液晶セルを実現
できることを我々は見いだした。これにより、斜め方向
で液晶セルを透過し微少に旋光された光を補償用液晶セ
ルの旋光性によってもとに戻すことにより視角特性を改
善することができる。
【0032】一方、複屈折による透過率の増加は、視角
補償用の液晶分子の長軸が基板に水平に捩れ配列してい
るために旋光性の解消と同時に解消することができる。
液晶分子は長軸と短軸とでは屈折率が異なり、長軸の方
向が屈折率が大きい。補償用の液晶セルは屈折率が大き
い方が基板に水平になって捩れているために液晶層の厚
さ方向よりも横方向の屈折率が大きい。液晶セルに電圧
が印加されて液晶分子が立った状態では、液晶層の厚み
方向に屈折率が大きくなっているので、これら大きさが
うまく合った状態になると屈折率の異方性がゼロにな
り、透過光の見かけ上の複屈折が起きなくなる。このよ
うな原理により、斜方からの視角でも正面よりも暗い表
示を得ることができ、その視角特性に方位角依存性がほ
とんどなく実用上、極めて好ましい表示品質の液晶表示
素子を得ることができるのである。
【0033】一方、捩れ配列した液晶セルを視角補償に
用いる際、選択反射を考慮する必要がある。選択反射と
は特定の波長の光のみ反射する現象であり偏光機能ある
いは旋光機能を有する界面に発生するもので、配列の捩
れピッチ長pと平均屈折率nとの積n×pの値が可視の
波長範囲(短波長端は 360nmから 400nm、長波長端
は 760nmから 830nmの範囲)にあるときに発生する
(J.L.Fergason ; Molecular Crystals. 1. 293 (196
6))。選択反射が生じると液晶セルの表示画面が色付
く。従ってn×pの値が可視の波長範囲から外れるよう
にすれば、前記の着色現象を防止することができる。但
し、前記のような選択反射を利用して(例えばダイクロ
イックミラーを用いてカラー表示を行なうような技術を
利用して)カラー表示を行なう場合などにおいては、こ
の限りではない。
【0034】(比較例)第1の実施例において、第2の
液晶セル7を取り去った構造の液晶表示素子を作製し
た。そして第1の実施例の場合と同様にしてコントラス
ト比の視角特性を測定した。その結果、図2に示すよう
な 270度、30度、 150度方位での入射角範囲が小さくな
り、階調表示を行なった際には90度方位の表示の明暗反
転が顕著になった。
【0035】(実施例2)第1の実施例において、視角
補償用の第2の液晶セル7としてポリシロキサン主鎖と
し側鎖がビフェニルベンゾエートとコレステリル基から
なる高分子共重合体液晶を液晶層に用いた液晶セルを作
製した。カイラルピッチは右捩れで 1.716μmである。
この材料を水平配向となる配向膜が型成されかつラビン
グ処理されていない基板上に等方相の状態で厚みが0.25
μmで均一になるように塗布して視角補償板を形成し
た。このような視角補償板を用いて、その他の構造は上
記の第1の実施例等と同様な構造のアクティブマトリッ
クス型液晶表示素子を作製し、カラーフィルタを用いて
カラー表示を行なわせたところ、表示の明暗反転の少な
い良好な表示を得られることが確認できた。
【0036】なお、以上は表示用の第1の液晶セルとし
てTN型の液晶セルを用いた場合を例として述べたが、
これはあくまで一例であって、電圧を印加されて画像を
表示する第1の液晶セルとして、捩れ角の無い(ホモジ
ニアス配向)液晶セルを用いる場合や、垂直配向した
(ホメオトロピック配向)液晶セルを用いる場合でも、
上記と類似した光学的補償作用が得られることは言うま
でもない。
【0037】また、本発明をTFTやMIMなどの 3端
子、 2端子素子を用いたアクティブマトリックス液晶表
示素子に応用しても優れた効果が得られることは言うま
でもない。
【0038】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、本発明の液晶表示素子の各部位の形成材料などの変
更が種々可能であることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、液晶表示素子の視角特性を改善して、視
認性にすぐれた表示品質の高い液晶表示素子を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の液晶表示素子の構
造を示す断面図。
【図2】本発明に係る第1の実施例の液晶表示素子の光
学的な構造を示す図。
【図3】本発明に係る第1の実施例の液晶表示素子の等
コントラスト特性を示す図。
【図4】従来(および比較例)のTNセルの等コントラ
スト特性を説明する図。
【図5】座標系での観測点からの方位角φおよび入射角
θを示す図。
【図6】従来のTN型液晶表示素子の明状態と暗状態の
液晶セルの透過率の入射角依存性を示す図。
【符号の説明】
1、3…偏光板、 5…第1の液晶セル、 7…第2の液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示用電極が配列され互いが間隙を
    有して対向配置される 2枚の基板であって、該 2枚の基
    板の間隙に封入挟持される液晶層とを有し、前記画像表
    示用電極に電圧が印加されて画像表示を行なう第1の液
    晶セルと、 前記液晶セルに重ねて組み合わされる第2の液晶セルで
    あって、液晶分子の長軸方向を同一方向に揃える配向処
    理を基板表面に施されることを避けて形成され、互いが
    間隙を有して対向配置される 2枚の基板と、前記基板表
    面に対して液晶分子の長軸方向が電圧無印加時に略水平
    姿勢に保持されるとともに該液晶分子の長軸方向が前記
    略水平姿勢を保持しつつ前記基板表面で略不統一な方位
    を向き、前記基板表面に対して垂直方向には前記 2枚の
    基板どうしの間隙で前記液晶分子が捩れ配列され、かつ
    該液晶分子の方位ごとに異なる旋光性を有するように前
    記2枚の基板どうしの間隙に挟持される液晶層とを有す
    る第2の液晶セルと、 前記第1の液晶セルおよびこれに組み合わされた前記第
    2の液晶セルを上下から挟持する 2枚の偏光板とを具備
    することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示素子において、 第2の液晶セルの液晶層の配列の捩じれピッチの値と第
    2の液晶セルに用いる液晶層の屈折率差の大きさの乗算
    の値が、最短の可視波長より短かいことを特徴とする液
    晶表示素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶表示素子において、
    第2の液晶セルが高分子液晶からなることを特徴とする
    請求項1記載の液晶表示素子。
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