JPH06118642A - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH06118642A
JPH06118642A JP21097393A JP21097393A JPH06118642A JP H06118642 A JPH06118642 A JP H06118642A JP 21097393 A JP21097393 A JP 21097393A JP 21097393 A JP21097393 A JP 21097393A JP H06118642 A JPH06118642 A JP H06118642A
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JP
Japan
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acid
acrylate
photosensitive composition
meth
alkali
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JP21097393A
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English (en)
Inventor
Tomohito Konuma
智史 小沼
Tomoyuki Matsumura
智之 松村
Masahisa Murata
昌久 村田
Shigeo Tsuji
成夫 辻
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Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度、耐刷力、耐薬品性を損なう事なく、イ
ンキ着肉性とアンダー現像性に優れた、ネガ型感光性平
版印刷版に適した感光性組成物の提供。 【構成】 (A)ジアゾ樹脂、(B)アルカリ可溶性
で、膨潤性の高分子化合物から成る感光性組成物におい
て、該アルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化合物が、そ
の構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する
アクリル酸またはメタクリル酸のエステルから誘導され
る構造を 0.1〜10モル%含有するビニル系共重合体であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性組成物に関し、さ
らに詳しくは、ネガ型感光性平版印刷版(PS版)に適
した感光性組成物に関する。
【0002】
【発明の背景】従来ネガ型感光性平版印刷版(PS版)
のバインダー樹脂は、感度、耐刷力、耐薬品性、現像性
等を向上させるために、COOH基、アルコール性OH
基、フェノール性OH基、シアノ基等の反応性基、極性
基を導入しているが、これらの反応性基、極性基は、通
常親水性を有するため、印刷においてインキ着肉性を阻
害する事が知られている。インキ着肉性を低下させない
ために、通常上記反応性基、極性基の導入を必要最小限
量とする一方、エチルアクリレートやエチルメタクリレ
ート等のモノマーを大量(30〜70モル%)に導入する必
要があった。
【0003】しかしながら、エチルアクリレートやエチ
ルメタクリレート等のモノマーを大量に用いると、アン
ダー現像性、すなわち、希薄現像液における現像性(抜
け性)が劣ってしまうという別の厄介な問題が起こっ
た。このため、インキ着肉性とアンダー現像性の両者を
共に満足させるために、上記反応性基、極性基を導入し
たモノマーと、エチルアクリレートやエチルメタクリレ
ート等のモノマーの量とのバランスを保つことが極めて
重要である。しかしながら、実情は、このバランスをと
ることがなかなか難しく、インキ着肉性かアンダー現像
性のどちらか一方が犠牲になる恐れがあった。
【0004】
【発明の目的】本発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、感度、耐刷力、耐薬品性を損なう事なく、インキ着
肉性とアンダー現像性に優れた、ネガ型感光性平版印刷
版(PS版)に適した感光性組成物を提供することを目
的とする。
【0005】
【発明の構成】本発明者等は、上記目的を達成するため
に、感光性組成物のバインダー樹脂として用いられるア
ルカリ可溶性、膨潤性の高分子化合物が、その構成単位
として、炭素数8以上のアルキル基を有するアクリル酸
またはメタクリル酸のエステルから誘導される構造を
0.1〜10モル%含有するビニル系共重合体のときに、感
度、耐刷力、耐薬品性を損なうことなく、インク着肉性
とアンダー現像性に優れたネガ型感光性平版印刷版(P
S版)に適した感光性組成物が得られることを知見し、
上記目的を達成することができた。すなわち、本発明
は、(A)ジアゾ樹脂、(B)アルカリ可溶性で、膨潤
性の高分子化合物から成る感光性組成物において、該ア
ルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化合物が、その構成単
位としては、炭素数8以上のアルキル基を有するアクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステルから誘導される構造
を 0.1〜10モル%含有するビニル系共重合体であること
を特徴とする感光性組成物にある。本発明は、また、該
アルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化合物が、その構成
単位として、下記一般式(2)の構造を有するモノマー
から誘導される構造を含有することを特徴とする感光性
組成物に関するものである。一般式(2) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH 式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、nは3〜
10の整数を表す。
【0006】本発明は、さらにまた、該アルカリ可溶性
で、膨潤性の高分子化合物がその構成単位として、上記
一般式(2)の構造を有するモノマーから誘導される構
造、及び下記一般式(3)の構造を有するモノマーから
誘導される構造を含有することを特徴とする感光性組成
物に関するものである。一般式(3) 式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、Xは−C
OO−,−CONH−,−OCO−,または単結合を表
し、Yは−OH,−CN,−SO2NH2,−NHCOR
2,−O(CH2nCN,−O(CH2nOH,−(C
2)OHまたは−(CH2nCNであり、R2 は炭素素
数1〜6のアルキル基、nは2〜5の数を表す。
【0007】
【発明の具体的構成】本発明の感光性組成物に用いられ
るジアゾ樹脂は感光性化合物として機能するものであれ
ば、任意のものを用いることができるが、なかでも下記
一般式[I]または[II]で表される構造を有する感光
性化合物を用いるのが好ましい。
【0008】
【化1】 但しRは、水素原子、アルキル基、またはフェニル基を
表し、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれ、水素原
子、アルコキシ基、またはアルキル基を表し、Xは対ア
ニオンを示す。Yは、−O−,−S−または−NH−を
表す。
【0009】
【化2】 但しAは、縮合可能な芳香族性基を表す。
【0010】上記一般式[II]において、Aで表される
芳香族性基を与えるために用いることができる芳香族化
合物の具体例としては、m−クロロ安息香酸、ジフェニ
ル酢酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢酸、
p−メトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、
2,4−ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、
4−アニリノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリノ)
安息香酸、4−(p−メチルベンゾイル)安息香酸、4
−(p−メチルアニリノ)安息香酸、フェノール、
(o,m,p)−クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ン、2−メチルレゾルシン、(o,m,p)−メトキシ
フェノール、m−エトキシフェノール、カテコール、フ
ロログルシン、p−ヒドロキシエチルフェノール、ナフ
トール、ピロガロール、ヒドロキノン、p−ヒドロキシ
ベンジルアルコール、4−クロロレゾルシン、ビフェニ
ル−4,4′−ジオール、1,2,4−ベンゼントリオ
ール、ビスフェノールA、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、p−ヒドロキシアセトフェノン、4,4−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルアミン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、クミルフェノール、(o,m,p)−クロロフ
ェノール、(o,m,p)−ブロモフェノール、サリチ
ル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−メチル−4−ヒド
ロキシ安息香酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロ
キシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ−4−安息香酸、
4−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−メト
キシ−2,6−ジオキシ安息香酸、没食子酸、フロログ
ルシンカルボン酸、p−ヒドロキシフェニル(メタ)ア
クリルアミド、桂皮酸、桂皮酸エチル、p−ヒドロキシ
桂皮酸、スチレン、(o,p)−ヒドロキシスチレン、
スチルベン、4−ヒドロキシスチルベン、4,4′−ジ
ヒドロキシスチルベン、4−カルボキシスチルベン、
4,4′−ジカルボキシスチルベン、ジフェニルエーテ
ル、ジフェニルアミン、ジフェニルチオエーテル、4−
メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシジフェニル
アミン、4−メトキシジフェニルチオエーテル等を挙げ
ることができる。
【0011】このうち特に好ましいものは、p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
桂皮酸、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、ジフェニルエーテル、4−メトキシジフェニルエー
テル、ジフェニルアミンである。
【0012】上記一般式[I]及び[II]で表されるジ
アゾ樹脂の構成単位とする芳香族ジアゾニウム化合物に
は、例えば特公昭49-48001号に挙げられるようなジアゾ
ニウム塩を用いることができるが、特に、ジフェニルア
ミン−4−ジアゾニウム塩類が好ましい。ジフェニルア
ミン−4−ジアゾニウム塩類は、4−アミノ−ジフェニ
ルアミン類から誘導されるが、このような4−アミノ−
ジフェニルアミン類としては、4−アミノ−ジフェニル
アミン、4−アミノ−3−メトキシ−ジフェニルアミ
ン、4−アミノ−2−メトキシ−ジフェニルアミン、
4′−アミノ−2−メトキシ−ジフェニルアミン、4′
−アミノ−4−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ
−3−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−エト
キシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−β−ヒドロ
キシ−エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェ
ニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノ−ジフェニル
アミン−2−カルボン酸、4−アミノ−ジフェニルアミ
ン−2′−カルボン酸等を挙げることができる。特に好
ましくは、3−メトキシ−4−アミノ−ジフェニルアミ
ン、4−アミノ−ジフェニルアミンを挙げることができ
る。
【0013】上記ジアゾ樹脂は、公知の方法、例えば、
フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニア
リング(Photo.Sci.Eng.)第17巻、第33頁(1973)、米
国特許第2,063,631号、同第2,679,498号各明細書、特公
昭49-48001号公報に記載の方法に従い、硫酸やリン酸あ
るいは塩酸中で芳香族ジアゾニウム塩、Aで表される芳
香族性基を与える芳香族化合物及び活性カルボニル化合
物、例えばパラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ベンズアルデヒドあるいはアセトン、アセトフェノンと
を重縮合させることによって得られる。
【0014】また、一般式[II]においてAで表される
芳香族性基を与える芳香族化合物と芳香族ジアゾ化合物
及び活性カルボニル化合物等はその相互の組合わせは自
由であり、さらに各々2種以上を混ぜて縮合することも
可能である。
【0015】Aで表される芳香族性基を与える芳香族化
合物と芳香族ジアゾニウム化合物の仕込みモル比は、好
ましくは1: 0.1〜 0.1:1、より好ましくは1: 0.5
〜 0.2:1、更に好ましくは1:1〜 0.2:1である。
またこの場合Aで表される芳香族性基を与える芳香族化
合物及び芳香族ジアゾニウム化合物の合計とアルデヒド
類またはケトン類とをモル比で通常好ましくは1: 0.6
〜 1.2、より好ましくは1: 0.7〜 1.5で仕込み、低温
で短時間、例えば3時間程度反応させることにより、ジ
アゾ樹脂が得られる。
【0016】上記ジアゾ樹脂の対アニオンは、該ジアゾ
樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶
となすアニオンを含む。このようなアニオンを形成する
ものとしては、デカン酸及び安息香酸等の有機カルボン
酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びスルホン酸を含
み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロエ
タンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、及
びアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシス
ルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチル
−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族ス
ルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等の
水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン酸、テト
ラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、ClO4
IO4 等の過ハロゲン酸等を挙げることができる。但し
これに限られるものではない。これらの中で、特に好ま
しいのは、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ
酸である。
【0017】本発明において、用いるジアゾ樹脂の分子
量には特に限定はなく、例えば、上記の共縮合ジアゾ樹
脂は、各単量体のモル比及び縮合条件を種々変えること
により、その分子量は任意の値として得ることができる
が、本発明においては一般に、好ましくは、分子量が約
400乃至10,000のものが有効に使用でき、より好ましく
は、約 800乃至 5,000のものが適当である。
【0018】本発明においてバインダーとして用いられ
るアルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化合物は、炭素数
8以上のアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステルから誘導される構造を構成単位として含
有するビニル系の共重合体であり、この構造単位の、共
重合体中に含まれる割合は 0.1〜10モル%、好ましくは
0.3〜5モル%である。
【0019】炭素数8以上のアルキル基を有するアクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステルから誘導される構造
単位の原料としてのモノマーは、そのモノマーにおける
アルキル鎖の炭素数が増加するにしたがって、そのモノ
マーを用いて合成された共重合体を感光性組成物中に用
いて平版印刷版を作成した場合に平版印刷版のインキ着
肉性、耐水性が向上する。この良好な性質を充分に発現
させるモノマーのアルキル鎖の炭素数は8以上であり、
好ましくは炭素数が10〜18のモノマーである。又、本発
明に用いられるモノマーのアルキル鎖は、直鎖のものに
限るものでなく、側鎖を有するものであっても良い。こ
れらのモノマーの具体例としては、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、
n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メ
タ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレー
ト、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラ
デシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メ
タ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−オ
クタデシル(メタ)アクリレート、7−メチルオクチル
(メタ)アクリレート、8−メチルノニルアクリレー
ト、9−メチルデシルアクリレート、10−メチルウン
デシルアクリレート、11−メチルドデシルアクリレー
ト、12−メチルトリデシルアクリレート、13−メチ
ルテトラデシルアクリレート、14−メチルペンタデシ
ルアクリレート、6−メチルペプチルアクリレート、6
−メチルオクチルアクリレート、7−メチルノニルアク
リレート、8−メチルデシルアクリレート、9−メチル
ウンデシルアクリレート、10−メチルドデシルアクリ
レート、11−メチルトリデシルアクリレート、12−
メチルテトラデシルアクリレート、13−メチルペンタ
デシルアクリレート、6−エチルオクチルアクリレー
ト、7−エチルノニルアクリレート、8−エチルデシル
アクリレート、9−エチルウンデシルアクリレート、1
0−エチルドデシルアクリレート、11−エチルトリデ
シルアクリレート、12−エチルテトラデシルアクリレ
ート等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0020】本発明に好適に用いられる共重合体は上記
モノマーに重合可能な付加重合性不飽和化合物を共重合
させて得ることができ、付加重合性不飽和化合物として
は前記一般式(2)及び(3)で示される化合物の他
に、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミ
ド類、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエーテル
類、ビニルケトン類、スチレン類、オレフィン類、等の
付加重合性不飽和結合を有する化合物から選ばれる。
【0021】本発明に好適に用いられる共重合体の原料
となる重合性モノマーのうち前記一般式(2)で示され
るものは、このモノマーから誘導される構造単位の、共
重合体中に含まれる割合が、1〜80%であり、好ましく
は2〜40%である。
【0022】前記一般式(2)で示されるモノマーは、
式中のnの数が増加するにしたがい、共重合体にしたと
きの性質として、一般的にnが2以下(例えば、n=
2、R1 =CH3 では2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート)のものに比べ耐摩耗性が向上し、弾性率が下が
り、可撓性が向上する。そのため、共重合体を感光性組
成物に適用するとnの数が増加するにしたがい、応力に
対する緩和力が向上し、支持体との接着力が向上する。
【0023】しかし、nの数があまり大きくなると、融
点が高くなり取扱いに不便になってしまう。また感光性
組成物に適用したときの他性能とのバランスにより、本
発明に好適に使用されるnの範囲は、3〜6の整数であ
り、更に好ましくは4である。これらのモノマーの具体
的な例としては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)ア
クリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ートである。
【0024】上記モノマーは、公知の合成方法により容
易に得られる。公知の公報としては、例えば、西ドイツ
特許 1,518,572号、特開昭 50-083320号公報、特開昭63
-37791号公報、西ドイツ特許 2,027,444号、英国特許 8
32,497号に記載の方法等が挙げられる。
【0025】本発明に好適に用いられる共重合体の原料
となる重合性モノマーのうち前記一般式(3)で示され
るものは、このモノマーから誘導される構造単位の、共
重合体中に含まれる割合が、1〜80%であり、好ましく
は2〜40%である。
【0026】一般式(3)で示されるモノマーから誘導
される構造単位を有する共重合体を感光性組成物中に用
いることによってネガ型感光性平版印刷版の感度、耐刷
力、耐薬品性、現像性等を向上させることができる。こ
れらのモノマーの具体例としては、o−、m−、p−ヒ
ドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−、m−、
p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、o
−、m−、p−ヒドロキシ安息香酸ビニル、o−、m
−、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロペニル等が挙げら
れ、このましくはp−ヒドロキシフェニル基を有するも
のおよび(メタ)アクリルアミド類であり、更に好まし
くはp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドである。
【0027】そのほかの本発明に用いることができる付
加重合性不飽和結合を有する化合物の具体例としては、
例えば下記(1)〜(9)に示すものが挙げられる。 (1)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−
ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリル
アミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類。 (2)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等の(置換)アルキル
(メタ)アクリル酸エステル類。 (3)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (4)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (5)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (6)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類。 (7)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (8)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、(メタ)アクリロニトリル
等。 (9)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸。
【0028】そのほか、本発明の炭素数8以上のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと共重合し得
るものならば本発明の好適な付加重合性不飽和化合物と
して使用することができ、付加重合性不飽和化合物は上
記の具体例に示すものに限定されるものではない。
【0029】これらのうち、炭素数8以上の長鎖アルキ
ル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体
を構成する付加重合性不飽和化合物として好ましいもの
は、前記一般式(2)および(3)を有する化合物の他
に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、メタアク
リル酸等が挙げられる。
【0030】本発明の感光性組成物は、酸及び/または
酸無水物を含有することができる。
【0031】この場合、感光性組成物に含有される酸は
任意の有機酸、無機酸の中から任意に選択できる。有機
酸としては、モノカルボン酸、ポリカルボン酸のカルボ
キシル基を少なくとも1個有する酸が好ましい。クエン
酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸や、ポリアクリル酸
(商品名ジュリマーとして市販されているもの等)を好
ましく用いることができる。無機酸としては、リン酸な
どを用いることができる。
【0032】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸など、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導され
るもの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸など、脂肪族・芳香族ジカルボン酸か
ら誘導されるもの等を挙げることができる。
【0033】本発明の感光材料組成物には、色素、特に
処理により有色から無色になる、または変色する色素を
含有させることができる。好ましくは、有色から無色に
なる色素を含有させる。
【0034】本発明の感光性組成物に好ましく用いるこ
とができる色素として、次のものを挙げることができ
る。
【0035】即ち、例えば、ビクトリアピュアブルーB
OH(保土谷化学社製)、オイルブルー#603(オリ
エント化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三
国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアント
グリーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、
メチルグリーン、エリスロシンB、ベイシックフクシ
ン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾー
ルパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジメ
チルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−
ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表される
トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジ
ン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチ
ン系またはアントラキノン系の色素が、有色から無色あ
るいは異なる有色へと変色する色素の例として挙げるこ
とができる。
【0036】特に好ましくはトリフェニルメタン系、ジ
フェニルメタン系色素が有効に用いられ、更に好ましく
はトリフェニルメタン系色素であり、特にビクトリアピ
ュアブルーBOHが好ましい。
【0037】上記変色剤は、感光性組成物中に通常約
0.5〜約10重量%含有させることが好ましく、より好ま
しくは約1〜5重量%含有させる。
【0038】本発明の感光性組成物には、更に種々の添
加物を加えることができる。
【0039】添加物としては、例えば、塗布性を改良す
るためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロー
ス、メチルセルロース)、フッ素界面活性剤類や、ノニ
オン系界面活性剤[例えば、ブルロニックL−64(旭電
化株式会社製)]、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与する
ための可塑剤(例えばブチルフタリル、ポリエチレング
リコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオク
チル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸
トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、ア
クリル酸またはメタクリル酸のオリゴマー及びポリマ
ー)、画像部の感脂性を更に向上させるための感脂化剤
(例えば、特開昭55-527号公報記載のスチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化
物等)等があり、これらの添加剤の添加量は、その使用
対象・目的によって異なるが、一般に好ましくは全固形
分に対して、0.01〜30重量%である。
【0040】本発明の感光性組成物から感光性平版印刷
版を得るには、例えば、ジアゾ樹脂と、バインダーとし
ての上述した高分子化合物、並びに必要に応じ種々の添
加剤の所定量を、適当な溶媒(メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、水またはこれらの混合
物等)中に溶解させ感光性組成物の塗布液を調整し、こ
れを支持体上に塗布、乾燥すればよい。塗布する際の感
光性組成物の濃度は全塗布液の1〜50重量%の範囲とす
ることが望ましい。この場合、感光性組成物の塗布量
は、好ましくはおおむね 0.2〜10g/m2程度とすればよ
い。
【0041】本発明の感光性組成物を塗布する支持体と
しては、種々のものが使用できる。例えば、アルミニウ
ム板(砂目立てしたアルミニウム板等)、鉄板、アルミ
箔を接着したポリエチレンテレフタレートベース紙など
を用いることができる。特にアルミニウム板が好まし
い。
【0042】しかし、アルミニウム板を無処理のまま使
用すると、感光性組成物の接着性が悪く、また、感光性
組成物が分解するという問題がある。この問題をなくす
ために、従来、種々の提案がなされている。
【0043】例えば、アルミニウム板の表面を砂目立て
した後、ケイ酸塩で処理する方法(米国特許第 2,714,0
66号)、有機酸塩で処理する方法(米国特許第 2,714,0
66号)、ホスホン酸及びそれらの誘導体で処理する方法
(米国特許第 3,220,832号)、ヘキサフルオロジルコン
酸カリウムで処理する方法(米国特許第 2,946,683
号)、陽極酸化する方法、及び陽極酸化後、アルカリ金
属ケイ酸塩の水溶液で処理する方法(米国特許第 3,18
1,461号)等がある。
【0044】本発明の感光性組成物を塗布する支持体と
して好ましく用いられるアルミニウム板(アルミナ積層
板を含む。以下同じ)は、表面を脱脂した後、ブラシ研
磨法、ボール研磨法、化学研磨法、電解エッチング法等
による砂目立てが施され、好ましくは、深くて均質な砂
目の得られる電解エッチング法で砂目立てされる。陽極
酸化処理は例えばリン酸、クロム酸、ホウ酸、硫酸等の
無機塩もしくはシュウ酸等の有機酸の単独、あるいはこ
れらの酸2種以上を混合した水溶液中で、好ましくは硫
酸水溶液中で、アルミニウム板を陽極として電流を通じ
ることによって行われる。陽極酸化被膜量は5〜60mg/
dm2 が好ましく、更に好ましくは5〜30mg/dm2 であ
る。
【0045】本発明の実施に際し、封孔処理を行う場
合、好ましくは濃度 0.1〜3%のケイ酸ナトリウム水溶
液に、温度80〜95℃で10秒〜2分間浸漬してこの処理を
行う。より好ましくはその後に40〜95℃の水に10秒〜2
分間浸漬して処理する。
【0046】本発明の感光性組成物を塗布して得られる
感光性平版印刷版は、従来の常法により感光され現像す
ることができる。即ち、例えば、線画像、網点画像等を
有する透明原画を通して感光し、次いで、水性現像液で
現像することにより、原画に対してネガのレリーフ像を
得ることができる。露光に好適な光源としては、カーボ
ンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライド
ランプ、ストロボ等が挙げられる。
【0047】画像露光された感光性平版印刷版(以下
「PS版」と称することもある)を現像する方法は任意
であり、例えば従来公知の種々の方法を用いることが可
能である。
【0048】具体的には画像露光されたPS版を現像液
中に浸漬する方法、PS版の感光層に対して多数のノズ
ルから現像液を噴出する方法、現像液が湿潤されたスポ
ンジでPS版の感光層を拭う方法、PS版の感光層の表
面に現像液をローラー塗布する方法等、種々の方法を用
いることができる。またこのようにしてPS版の感光層
に現像液を与えた後、感光層の表面をブラシなどで軽く
擦ることもできる。
【0049】本発明の感光性組成物より得られる感光性
平版印刷版を現像処理する現像液は、これを現像し得る
ものであれば、任意である。
【0050】好ましくは、特定の有機溶媒と、アルカリ
剤と、水とを必須成分として含有する現像液を用いるこ
とができる。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含
有させたとき、感光層の非露光部(非画像部)を溶解な
いしは膨潤することができるものをいい、しかも常温
(20℃)において水に対する溶解度が10重量%以下の有
機溶媒が好ましい。このような有機溶媒としては、上記
のような特性を有するものでありさえすればよく、以下
のもののみに限定されるものではないが、これらを例示
するならば、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコー
ルモノブチルアセテート、酢酸ブチル、レブリン酸ブチ
ルのようなカルボン酸エステル;エチルブチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケ
トン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールベンジルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフ
ェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルア
ミルアルコールのようなアルコール類;キシレンのよう
なアルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロライ
ド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼンのよう
なハロゲン化炭化水素などがある。
【0051】これら有機溶媒は1種用いるのでも2種以
上用いるのでもよい。これら有機溶媒の中では、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコー
ルが特に有効である。また、これら有機溶媒の現像液中
における含有量は、好ましくはおおむね1〜20重量%で
あり、特に2〜10重量%のときより好ましい結果を得
る。
【0052】他方、現像液中に含有される好ましいアル
カリ剤としては、(A)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、第二または第三リン酸ナトリウムまたはアンモニ
ウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは
アンモニウム等の無機アルカリ剤、(B)モノ,ジまた
はトリメチルアミン、モノ,ジまたはトリエチルアミ
ン、モノまたはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、モノ,ジまたはトリエタノールアミン、モノ,ジま
たはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン等の有機アミン化合物等が挙げられる。
【0053】これらアルカリ剤の現像液中における含有
量は通常0.05〜4重量%であることが好ましく、より好
ましくは 0.5〜2重量%である。
【0054】また、保存安定性、耐刷性等をより以上に
高めるためには、水溶性亜硫酸塩を現像液中に含有させ
ることが好ましい。このような水溶性亜硫酸塩として
は、亜硫酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩が好ま
しく、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等がある。これらの亜
硫酸塩の現像液組成物における含有量は通常好ましくは
0.05〜4重量%で、より好ましくは 0.1〜1重量%であ
る。
【0055】かかる現像液を、現像露光後の感光性平版
印刷版と接触させたり、あるいは現像液によりすったり
すれば、おおむね常温〜40℃にて10〜60秒後には、感光
層の露光部に悪影響を及ぼすことなく、感光層の非露光
部が完全に除去される。
【0056】現像条件については、現像方法に応じて適
宜選ぶことができる。一例を示すと、例えば浸漬による
現像方法では、約10〜40℃の現像液に約10〜80秒間浸漬
させる方法を用いることができる。
【0057】
【実施例】
[共重合体1の合成]表1に示すモノマー組成比(モル
%)のモノマー混合物を、総モノマー量のモノマー濃度
が7.15モル%となるようなメタノール/アセトン=1:
1の溶液を調整し、この溶液に全モノマー比1.25モル%
当量のアゾビスイソブチロニトリルを加え、攪拌しなが
ら65℃にて窒素気流下6時間還流を行った。反応終了後
全モノマー比0.04重量%のヒドロキノンを加え、反応液
を水中に投じて、共重合体を沈澱させた。これを濾取
し、60℃にて3日間乾燥させた後メチルセロソルブを用
いて共重合体の20重量%メチルセロソルブ溶液を調整し
た。
【0058】[共重合体2〜9および10〜14(比較例)
の合成]表1に示すモノマー組成比(モル%)のモノマ
ー混合物を用いて、上記と同様の方法で共重合体2〜9
および10〜14を合成した。
【0059】ジアゾ樹脂1の合成 p−ヒドロキシ安息香酸 3.5g(25ミリモル)、及びp
−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩 21.75g(75ミリモ
ル)を、氷冷下で90gの濃硫酸に溶解した。この溶液
に、 2.7g(90ミリモル)のパラホルムアルデヒドをゆ
っくり添加した。この際、反応温度が10℃を越えないよ
うに添加した。2時間反応溶液を攪拌した後、1リット
ルのエタノールに滴下し、生じた沈澱を濾別し、エタノ
ールで洗浄した。沈殿を 200mlの純水に溶解し、10.5g
の塩化亜鉛を溶解した水溶液を加えた。生じた沈殿を濾
過し、エタノールで洗浄した後、 300mlの純水に溶解し
た。この溶液に、13.7gのヘキサフルオロリン酸アンモ
ニウムを溶解した水溶液を添加した。生じた沈澱を濾別
し、水、エタノールで洗浄した後、25℃で、一日乾燥し
て、ジアゾ樹脂1を得た。
【0060】(平版印刷版用アルミニウム板の構造)ア
ルミニウム板を3%水酸化ナトリウム水溶液にて脱脂
し、これを2%塩酸浴中で25℃、30A/dm2 の電流密度
で電解エッチングし、水洗後、30%硫酸浴中で30℃、
6.0A/dm2 の条件で2分間陽極酸化処理した。
【0061】次に1%亜硝酸ナトリウム水溶液を用い
て、90℃、10秒間処理した後1%メタケイ酸ナトリウム
水溶液を用いて85℃、30秒間封孔処理し、水洗、乾燥し
て、感光性平版印刷版用アルミニウム板を得た。
【0062】上記の方法により作製されたアルミニウム
板上に、下記処方に示した組成の感光液(固形成濃度が
10重量%になるようにしたメチルセロソルブ溶液)を、
乾燥後の塗膜重量が20mg/dm2 になるようにワイヤーバ
ーを用いて塗布した。
【0063】実施例1〜28および比較例29〜38(共重合
体1〜28および29〜38) 処方 共重合体(20%メチルセロソルブ溶液) 100部 ジアゾ樹脂1 10部 ジュリマーAC−10L(5%メチルセロソルブ溶液) 6部 ビクトリアピュアブルーBOH 2部 色素(KAYASET ORANGE AN ) 1部 感光液固型分 10重量% 評価条件 露光量:コダックステップタブレット・ベタ4段相当 光 源:4kwメタルハライドランプ、距離60cm 現 像:SDN−21現像液(4倍希釈、現像性のみ4倍
及び8倍希釈)、25℃、40秒 ガ ム:現像後、コニカガム液 SGW−2をスポンジ
塗布 この様にして得られた各試料を“ハイデルベルグGT
O”印刷機にて、印刷し、新聞印刷等で使用されるアル
カリ性湿し水での耐刷力、刷り出しにおけるガム除去枚
数及びアルカリ水アンダー現像性としてSDN−21現
像液の4倍希釈及び8倍希釈で現像したときの印刷時の
非画線部の汚れについてそれぞれ調べた。
【0064】これらの結果を表2に示した。
【0065】尚、感光性平版印刷版において、優れた耐
刷力を示すということは、用いた感光性組成物の機械的
特性や支持体との密着性が優れていることを意味する。
【0066】またガム除去枚数が少ないほどインキ着肉
性が優れていることを示す。 現像性 良:非画線部に全く汚れが生じない状態 不良:非画線部に汚れが生ずる状態 ○:全く汚れを生じない ○△:中間レベル △:部分的に汚れを生じる ×:全面に汚れを生じる 耐刷力 高:10万以上の耐刷数 中:6万以上10万未満 低:6万未満
【0067】
【表1】
【0068】
【表1】(続き) HyPMA :4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミ
ド HyPMAc:メタクリル酸−4−ヒドロキシフェニル
(4−ヒドロキシフェニルメタクリレート) HyPAc :アクリル酸−4−ヒドロキシフェニル
(4−ヒドロキシフェニルアクリレート) VHBA :4−ヒドロキシ安息香酸ビニル EA :アクリル酸エチル(エチルアクリレー
ト) MA :アクリル酸メチル(メチルアクリレー
ト) EMA :メタクリル酸エチル(エチルメタクリレ
ート) AN :アクリロニトリル MAA :メタアクリル酸 HEMA :メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 4HBA :アクリル酸−4−ヒドロキシブチル(4
−ヒドロキシブチルアクリレート) 4HBMA :メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル
(4−ヒドロキシブチルメタクリレート) 8HOA :アクリル酸−8−ヒドロキシオクチル
(8−ヒドロキシオクチルアクリレート) HA :アクリル酸ヘキシル(ヘキシルアクリレ
ート) IOA :アクリル酸−6−メチルヘプチル(6−
メチルヘプチルアクリレート) LA :アクリル酸ドデシル(ドデシルアクリレ
ート) SA :アクリル酸オクタデシル(オクタデシル
アクリレート) LMA :メタクリル酸ドデシル(ドデシルメタク
リレート) SMA :メタクリル酸オクタデシル(オクタデシ
ルメタクリレート)
【0069】
【表2】
【0070】
【表2】(続き)
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の感
光性組成物によれば、現像性と耐刷力を損なうことな
く、すぐれたインキ着肉性が得られることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 昌久 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 辻 成夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジアゾ樹脂、(B)アルカリ可溶
    性で、膨潤性の高分子化合物から成る感光性組成物にお
    いて、該アルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化合物が、
    その構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有す
    るアクリル酸またはメタクリル酸のエステルから誘導さ
    れる構造を 0.1〜10モル%含有するビニル系共重合体で
    あることを特徴とした感光性組成物。
  2. 【請求項2】 該アルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化
    合物が、その構成単位として、さらに下記一般式(1)
    の構造を有するモノマーから誘導される構造を含有する
    ことを特徴とする請求項1の感光性組成物。一般式
    (1) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH 式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、nは3〜
    10の整数を表す。
  3. 【請求項3】 該アルカリ可溶性で、膨潤性の高分子化
    合物が、その構成単位として、さらに下記一般式(2)
    の構造を有するモノマーから誘導される構造、及び下記
    一般式(3)の構造を有するモノマーから誘導される構
    造を含有することを特徴とする請求項1の感光性組成
    物。一般式(2) CH2 =C(R1 )COO−(CH2n −OH 式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、nは3〜
    10の整数を表す。一般式(3) 式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、Xは−C
    OO−,−CONH−,−OCO−,または単結合を表
    し、Yは−OH,−CN,−SO2NH2,−NHCOR
    2,−O(CH2nCN,−O(CH2nOH,−(C
    2)OHまたは−(CH2nCNであり、R2 は炭素素
    数1〜6のアルキル基、nは2〜5の数を表す。
JP21097393A 1992-08-17 1993-08-03 感光性組成物 Pending JPH06118642A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246585A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Jsr Corp 側鎖不飽和重合体、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子用スペーサー

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JP2007246585A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Jsr Corp 側鎖不飽和重合体、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子用スペーサー

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