JPH0611280Y2 - 負圧ブースタ - Google Patents

負圧ブースタ

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JPH0611280Y2
JPH0611280Y2 JP1989134757U JP13475789U JPH0611280Y2 JP H0611280 Y2 JPH0611280 Y2 JP H0611280Y2 JP 1989134757 U JP1989134757 U JP 1989134757U JP 13475789 U JP13475789 U JP 13475789U JP H0611280 Y2 JPH0611280 Y2 JP H0611280Y2
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valve
negative pressure
booster
input rod
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孝義 篠原
知績 金子
義春 永藤
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 本考案は、自動車のブレーキ用マスタシリンダ等を負圧
力をもって倍力作動するための負圧ブースタに関し、特
に、ブースタシェルに、その内部を前側の負圧室の後側
の作動室とに区画するブースタピストンを収容し、この
ブースタピストンの後端に連設された弁筒を、ブースタ
シェルの後面に突設された被覆筒に摺動自在に支承し、
この被覆筒の後端に大気導入口が開口する端壁を連設
し、弁筒には、前記大気導入口を貫通する入力杆と、こ
の入力杆の前後動に応じて作動室を負圧室と大気導入口
とに連通切換えする制御弁とを配設し、また入力杆に
は、前記端壁の内側面に当接して入力杆の後退限を規制
するストッパ板を固設し、前記大気導入口を通して被覆
筒内に流入した大気が、ストッパ板の外周部と弁筒後端
との間の、入力杆軸線方向の隙間を通して弁筒内に導入
されるようにしたたものの改良に関する。
(2)従来の技術 斯かる負圧ブースタは、例えば特開昭55−63958
号公報に開示されているように、従来公知である。
(3)考案が解決しようとする課題 上記従来の負圧ブースタにおいて、入力杆をその後退限
位置から前進させると、制御弁が負圧室及び作動室間の
連通を遮断すると共に作動室を大気導入口に連通させる
ので、大気中の空気が大気導入口から作動室に導入さ
れ、その結果、負圧室及び作動室間に生じる圧力差によ
りブースタピストンに前進推力が与えられる。
ところで従来の負圧ブースタでは、大気導入口が、被覆
筒の薄肉端壁に単に穿設されているので、この大気導入
口を空気が通過した直後に前記端壁の内側で渦流が生
じ、これにより車両の乗員に耳障りな風切り音が発生す
ることが考案者によって究明された。
また被覆筒は、その軽量化のために、入力杆に対するス
トッパ壁として機能すべき上記端壁を含む全体が薄肉の
板材を絞り加工して成形されると、該端壁の大気導入口
周縁部が入力杆からの頻繁なる後退荷重により変形を生
じて入力杆の後退限を狂わせてしまう虞れがある。
本考案は、上記に鑑み提案されたもので、従来のものの
上記二つの問題を一挙に解決し得る前記負圧ブースタを
提供することを目的とする。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案によれば、被覆筒は、
大気導入口が開口する端壁を含む全体が薄肉の板材より
成形され、前記大気導入口の前、後両端縁部がその前、
後方向にそれぞれ漸次拡径するラッパ状に形成されると
共に、被覆筒の後端部と端壁の外周部とが環状湾曲部を
介して滑らかに接続される。
(2)作用 上記構成によれば、大気中の空気が被覆筒端壁の大気導
入口を通過して弁筒内に向かう際に、その空気は先ず大
気導入口のラッパ状の前、後端縁部で整流され、更にそ
の大気導入口の通過後、前記端壁の内側で該端壁外周部
に連なる環状湾曲部により転向・整流されて、弁筒後端
と入力杆外周間の隙間より弁筒内にスムーズに流入する
ことができるため、大気導入口から弁筒内に至る流路が
全体として横断面略S字状の環状整流路となって、そこ
を通過する途中での渦流の発生が極力抑えられ、その渦
流に起因した風切り音の発生が未然に防止される。
また被覆筒の、大気導入口が穿設される上記端壁は、こ
れに入力杆から頻繁に後退荷重を受けても、該端壁の大
気導入口周縁部の前、後端縁部が前述の如くその前、後
方向に漸次拡径するラッパ状に形成されていて十分に補
強され、亀裂や曲げが生じにくい構造であるため、入力
杆の後退限が常に正規の位置に保たれる。
(3)実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明する。
先ず本考案の第1実施例を示す第1図において、タンデ
ム型負圧ブースタBのブースタシェル1の前面には、該
ブースタBにより作動されるブレーキマスタシリンダM
が取付けられる。
ブースタシェル1は、対向端を相互に結合する前後一対
のシェル半体1a,1bと、両シェル半体1a,1b間
に挟止されてブースタシェル1内部を前部シェル室2と
後部シェル室3とに仕切る隔壁板1cとから構成され、
後部シェル半体1bが図示しない車体に支持される。
前部シェル室2は、それに前後往復動可能に収容される
鋼板製の前部ブースタピストン4と、その後面に重合結
着されると共に前部シェル半体1aと隔壁板1c間に挟
着されるゴム製の前部ダイヤフラム5とにより、前側の
前部負圧室2aと後側の前部作動室2bとに区画され
る。また後部シェル室3は、それに前後往復動可能に収
容される鋼板製の後部ブースタピストン6と、その後面
に重合結着され、且つ隔壁板1cと共に両シェル半体1
a,1b間に固着されるゴム製の後部ダイヤフラム7と
により、前側の後部負圧室3aと後側の後部作動室3b
とに区画される。
前,後部ブースタピストン4,6はそれぞれ鋼板により
環状に成形され、これらは、隔壁板1cにブッシュ8及
びシール部材9を介して摺動自在に支承される合成樹脂
製のピストンボス10の両端に次のように結着される。
即ち、ピストンボス10には、深さが該ボス10の長さ
の略半分に達する円形凹部11が前端面に形成され、ま
たその外周面の後端からやや前方に寄った個所にフラン
ジ12が突設されており、上記円形凹部11には、前部
ブースタピストン4の内周端に連設された端壁板13a
付の連結筒13が嵌合され、また前記フランジ12と協
働して後部ブースタピストン6を挟持する押え板14が
ピストンボス10の後端面に重ねられる。そして、この
押え板14、ピストンボス10及び端壁板13aの三者
は、ピストンボス10の軸線を囲む複数本の通しボルト
15(図にはそのうちの一本のみを示す)と、これらに
螺合するナット16により相互に固着される。
その際、前部ブースタピストン4とピストンボス10
の前端面との間に、前部ダイヤフラム5の内周ビード5
aと、この内周ビード5aの外周面及び後面を覆う金属
製の環状のリテーナ17が挟入され、またフランジ12
と押え板14との間に、後部ブースタピストン6の内周
端を包む後部ダイヤフラム7の内周ビード7aが挟入さ
れる。したがって、前,後部ブースタピストン4,6及
びピストンボス10の三者が相互に結着されると同時
に、各ダイヤフラム5,7の内周ビード5a,7aが対
応するブースタピストン4,6に固着される。
さらに、通しボルト15の挿通のためにピストンボス1
0に設けられたボルト孔18にはシール部材19が装着
され、これによってボルト孔18による前部負圧室2a
及び後部作動室3b間の連通が阻止される。また前記端
壁板13a及びピストンボス10間には、複数本の通し
ボルト15を囲繞するシール部材20が介装され、これ
によって、端壁板13a及びピストンボス10の当接面
間隙による後述の第1及び第2ポート30,31間の連
通が阻止される。
各通しボルト15は、角形頭部15aを後部作動室3b
側に向けて配置され、その角形頭部15aが回転不能に
嵌合する同形の凹部21が前記押え板14に形成され
る。したがって、前部負圧室2a側でナット16を通し
ボルト15に螺合する際、該ボルト15の回転が防止さ
れるので、ナット16の締付けを確実に行うことができ
る。
上記通しボルト15及びナット16を利用して、連結筒
13の端壁板13aに座板22が重合結着される。この
座板22は、複数のナット16間でボルト15の突出部
の高さよりも高く***した複数の座部22aを備えてお
り、この座部22aと前部シェル半体1aとの間にピス
トンボス10を後退方向へ付勢する戻しばね23が縮設
される。こうして戻しばね23は連結筒13と共にピス
トンボス10前面の凹部11に受容される。
両ブースタピストン4,6の後退限は、後部ダイヤフラ
ム6の後面に多数***した突起24がブースタシェル1
の後壁に当接することにより規制される。
ピストンボス10の後端には弁筒25が一体に突設され
てれおり、この弁筒25は、ブースタシェル1の後壁に
突設されて弁筒25を覆う被覆筒26に軸受27及びシ
ール部材28を介して摺動自在に支承される。
前部負圧室2aは、負圧導入管29を介して図示しない
負圧源(例えば内燃機関の吸気マニホールド内部)と接
続される。また前,後部両負圧室2a,3aは、ピスト
ンボス10に形成された二股状の第1ポート30を介し
て弁筒25内に連通し、また前,後部両作動室2b,3
bは同じくピストンボス10に形成された一対の第2ポ
ート31,31を介して弁筒25内に連通する。そし
て、第2ポート31,31は制御弁32により第1ポー
ト30と、被覆筒26後端の後述する大気導入口33と
に交互に連通切換えされる。
弁筒25内には、ブレーキペダル34に連なる入力杆3
5と、これにより制御される前記制御弁32が次のよう
に設けられる。即ち、弁筒25内の前部には弁ピストン
38が摺合され、この弁ピストン38には、大気導入口
33を貫通した入力杆35の前端がボールジョイント3
9を介して首振り可能に結合される。また弁筒25の内
周面には環状の第1弁座40が突設され、これに囲繞
される環状の第2弁座40が弁ピストン38の後端面
に形成され、これら弁座40,40と協働する弁体
41が弁筒25内に配設される。弁体41はゴム製であ
って、前後両端を開放した筒状をなしており、その後端
部即ち基端部41aは、弁筒25の内周面に嵌着された
保持筒42により、弁筒25内周面との密着状態に保持
される。この弁体41は、上記基端部41aから半径方
向内方へ屈曲した薄肉の可撓部41b、及びこの可撓部
41bの前端に連なる肉厚の弁部41cを備えており、
その弁部41cは前記第1及び第2弁座40,40
に対向して配置される。
而して、弁部41cは可撓部41bの変形により前後移
動が可能であって、前進時には第1及び第2弁座4
,40に着座し、後退時には保持筒42の前端で
受止められる。
弁部41cには環状の補強板43が埋設され、これと入
力杆35との間には、弁部41cを両弁座40,40
に向って付勢する弁ばね44が縮設される。
弁筒25の内面には、第1弁座40の外側で前記第1
ポート30の一端が、また同弁座40の内側で前記第
2ポート31の一端がそれぞれ開口する。
また第2弁座40の内側は弁体41及び保持筒42の
中空部を通して大気導入口33と連通する。
而して、弁体41、弁ばね44、第1弁座40及び第
2弁座40により制御弁32が構成される。
入力杆35及び保持筒42間には、入力杆35をその後
退限に向って付勢する戻しばね45が縮設される。
前記被覆筒26は、薄肉の板材より後部シェル半体1b
と一体に成形されており、その被覆筒26の後端には環
状の端壁26aが一体に形成され、一方、この端壁26
aの内側面に当接して入力杆35の後退限を規制するス
トッパ板46のボス46aが入力杆35に進退調節可能
に螺合される。而して、ストッパ板46を回せば、スト
ッパ板46と入力杆35との螺合位置が変わるので、入
力杆35の後退限を前後に調節することができる。この
調節後のストッパ板46の固定は、同じく入力杆35に
螺合したロックナット47の緊締により行われる。
前記端壁26a及びストッパ板46の当接面は、入力杆
35及び弁ピストン38の連結点、即ちボールジョイン
ト39の中心を中心とする球面f,fに形成され、
入力杆35が弁ピストン38の軸線に対し傾いても、常
に両当接面の球面接触の状態が得られるようになってい
る。
また前記端壁26aの外周部と被覆筒26の後端部との
間は、環状の湾曲部26rを介して滑らかに接続され
る。
更に前記端壁26aの内周端には、後方へ屈曲延長して
大気導入口33を画成する筒部26bが連設される。そ
の際、筒部26bは、その前後両端部がそれぞれ前後方
向に向って漸次拡径するように形成され、かくして大気
導入口33の前、後両端縁部33a,33bがラッパ状
にされる。
前記ストッパ板46には、大気導入口33と常時連通す
る複数の通気孔48が穿設される。
弁筒25の後端と、前記ストッパ板46の外周部との間
には、入力杆35軸線方向の環状隙間sが形成されてお
り、この隙間sを埋めると共に、大気導入口33から制
御弁32側へ取入れる空気を濾過するためのエアフィル
タ49が入力杆35を取巻いて装着される。このエアフ
ィルタ49は入力杆35と弁筒25との相対変位を妨げ
ないように適度な柔軟性を有する。
ピストンボス10には、その前面中心部に開口する大シ
リンダ孔37と、この大シリンダ孔37及び弁筒25内
に両端が開口する小シリンダ孔36とが設けられる。そ
して小シリンダ36には、前記弁ピストン38と一体ま
たは弁ピストン38に当接する反力ピストン52が摺合
され、大シリンダ孔37には、反力ピストン52に対向
する弾性ピストン50、及びこの弾性ピストン50の前
面に重合される出力ピストン51が摺合される。この出
力ピストン51の大シリンダ孔37からの抜出防止のた
めに、前記端壁板13aの内周縁が大シリンダ孔37の
開口部まで張出されている。
出力ピストン51の前面には出力杆53が突設され、こ
の出力杆53は前記ブレーキマスタシリンダMのピスト
ン55に連設される。
次にこの実施例の作用を説明する。先ず負圧ブースタB
の倍力休止状態では、第1図に示すように、入力杆35
は後退限に位置し、制御弁32は、弁部41cを第1及
び第2弁座40,40に着座させて前,後部両作動
室2b,3bを両負圧室2a,3a及び大気導入口33
のいずれとも不通にした中立状態にあり、このような制
御弁32により、両負圧室2a,3aには、負圧導入管
29を通して供給される負圧源の負圧が蓄えられ、両作
動室2b,3bには、大気により適当に希釈された負
圧、即ち負圧室2a,3aの圧力より若干高い気圧が保
持される。こうして前,後部ブースタピストン4,6に
は、前部の負圧室2aと作動室2b、後部の負圧室3a
と作動室3bの各間に生じる気圧差により僅かな前進力
が与えられるが、これらの前進力と戻しばね23の弾発
力とが釣合って、両ブースタピストン4,6は後退限か
ら僅かに前進したところで停止している。
いま、車両を制動すべくブレーキペダル34を踏込み、
入力杆35及び弁ピストン38を前進させれば、当初、
両ブースタピストン4,6は不動であるから、第2弁座
40が弁部41cから直ちに離れて両作動室2b,3
bを大気導入口33に連通させる。しかも、ストッパ板
46は入力杆35の前進に伴い端壁26aから離間す
る。
その結果、大気中の空気が大気導入口33からエアフィ
ルタ49を通して弁筒25内に進入し、そして第2弁座
40及び第2ポート31を通って両作動室2b,3b
に導入される。
ところで、大気導入口33の前、後両端縁部33a,3
3bがその前、後方向にそれぞれ漸次拡径するラッパ状
に形成されると共に、被覆筒26の後端部と端壁26a
の外周部とが環状の湾曲部26rを介して滑らかに接続
されているので、大気中の空気が端壁26aの大気導入
口33を通過して弁筒25内に向かう際に、その空気は
先ず、第1A図で示すように大気導入口33のラッパ状
の前、後端縁部33a,33bで整流され、次いで前記
端壁26aの内側で該端壁26a外周部に連なる環状湾
曲部26rにより転向・整流されて、弁筒25後端と入
力杆35外周間の隙間sより弁筒25内にスムーズに流
入することができる。従って大気導入口33から弁筒2
5内に至る流路が全体として横断面略S字状の環状整流
路となって、そこを通過する途中での渦流の発生が極力
抑えられることから、その渦流に起因した風切り音の発
生が未然に防止され、それだけ負圧ブースタの作動音低
域に寄与することができる。
また被覆筒26の、大気導入口33が穿設される上記端
壁26aは、これに入力杆35から頻繁に後退荷重を受
けても、該端壁26aの大気導入口33周縁部の前、後
端縁部33a,33bが前述の如くその前、後方向に漸
次拡径するラッパ状に形成されていて十分に補強され、
亀裂や曲げが生じにくい構造であるため、入力杆35の
後端限を常に正規の位置に保つことができる。
両作動室2b,3bが大気の導入により両負圧室2a,
3aより高圧になると、それらの気圧差に基づく大きな
前進推力を得て両ブースタピストン4,6は戻しばね2
3の力に抗して応答良く前進し、出力杆53を介してブ
レーキマスタシリンダMのピストン55を前方へ駆動す
る。こうして、ブレーキマスタシリンダMをブレーキペ
ダル34の踏込みに遅れなく作動させ、車両に制動かけ
ることができる。
このような制動中、入力杆35と共に、弁ピストン38
も前進して反力ピストン52を介し弾性ピストン50に
当接するが、その弾性ピストン50は、両ブースタピス
トン4,6の作動反力を受けて小シリンダ孔36側へ膨
出変形し、反力ピストン52に上記反力の一部を作用さ
せるので、その力は弁ピストン38及び入力杆35を介
してブレーキペダル34側にフィードバックされる。こ
のような反力作用により操縦者は出力杆53の出力、即
ち制動力の大きさを感知することができる。
ブレーキペダル34に対する踏力、即ち入力杆35の入
力の増加により出力杆53の出力が倍力限界点を超える
と、弁ピストン38は前面をピストンボス10に当接さ
せるので、前記入力全体が弁ピストン38、ピストンボ
ス10、弾性ピストン50及び出力ピストン51を介し
て出力杆53に伝達することになり、結局、各ブースタ
ピストン4,6の気圧差による前進力と入力による前進
力との和が出力杆53から出力される。
次に、ブレーキペダル34に対する踏力を解放すると、
まず入力杆35が戻しばね45の弾発力により弁ピスト
ン38と共に後退し、第2弁座40を弁体41の弁部
41cに着座させると共に弁部41cを第1弁部40
から大きく離間させるので、両作動室2b,3bが第1
及び第2ポート30,31を介して両負圧室2a,3a
と連通して各ブースタピストン4,6前後の気圧差が直
ちに無くなり、したがって両ブースタピストン4,6は
戻しばね23の弾発力をもって後退し、ブレーキマスタ
シリンダMの作動を解除していく。そして、入力杆35
がストッパ板46を被覆筒26の端壁26aに当接させ
る後退限まで戻ると、後部ブースタピストン6は、第2
図に示すように、一旦後部ダイヤフラム7の突起24を
ブースタシェル1の後壁に当接させる後退限まで戻り、
今度は第1弁座40を弁座41cに着座させると共に
弁部41cを第2弁座40から僅かに離間させるの
で、第2ポート31を通して再び両作動室2b,3bに
大気が導入されるが、それにより生じる気圧差により両
ブースタピストン4,6が少しく前進すれば第2弁座4
及び弁部41c間の小間隙は無くなり、制御弁32
を当初の中立状態にする。こうして両作動室2b,3b
には大気に希釈された負圧が保持され、負圧ブースタB
は第1図の倍力休止状態となる。
第3図は本考案の第2実施例を示すもので、大気導入口
33において、ラッパ状の前、後両端縁部33a,33
b間を直線部33cで連結した点を除けば前実施例と同
様構成であり、第3図中、前実施例と対応する部分には
それと同一の符号を付す。
この実施例によれば、大気導入口33での空気の整流が
一層良好に行なわれる。
C.考案の効果 以上のように本考案によれば、被覆筒は、大気導入口が
開口する端壁を含む全体が薄肉の板材より成形され、前
記大気導入口の前、後両端縁部がその前、後方向にそれ
ぞれ漸次拡径するラッパ状に形成されると共に、被覆筒
の後端部と端壁の外周部とが環状湾曲部を介して滑らか
に接続されるので、大気中の空気が被覆筒端壁の大気導
入口を通過して弁筒内に向かう際に、その空気は先ず大
気導入口のラッパ状の前、後端縁部で整流され、更にそ
の大気導入口の通過後、前記端壁の内側で該端壁外周部
に連なる環状湾曲部により転向・整流されて、弁筒後端
と入力杆外周間の隙間より弁筒内にスムーズに流入する
ことができ、従って大気導入口から弁筒内に至る流路が
全体として横断面略S字状の環状整流路となって、そこ
を通過する途中での渦流の発生を極力抑えることができ
るから、その渦流に起因した風切り音の発生を未然に防
止することができ、負圧ブースタの作動音の静粛化に寄
与することができる。また被覆筒の、大気導入口が穿設
される上記端壁は、これに入力杆から頻繁に後退荷重を
受けても、該端壁の大気導入口周縁部の前、後端縁部が
前述の如くその前、後方向に漸次拡径するラッパ状に形
成されていて十分に補強され、亀裂や曲げが生じにくい
構造であることから、入力杆の後退限を常に正規の位置
に保つことができて負圧ブースタを長期に亘り安定よく
作動させることができる。しかも上記ラッパ状前、後端
縁部が、大気に対する整流手段と、ストッパ壁としての
前記端壁に対する補強手段とに兼用することができるか
ら、それだけ構造の簡素化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第2図は本考案の第1実施例を示すもの
で、第1図はタンデム型負圧ブースタの倍力休止状態で
の縦断側面図、第1A図は同負圧ブースタの要部の作動
説明図、第2図は同負圧ブースタが作動を終えて休止状
態に戻る直前の状態を示す部分縦断側面図、第3図は本
考案の第2実施例を示す負圧ブースタの要部縦断面図で
ある。 B……負圧ブースタ、s……隙間 1……ブースタシェル、2a,3a……負圧室、2b,
3b……作動室、4,6……ブースタピストン、5,7
……ダイヤフラム、23……戻しばね、25……弁筒、
26……被覆筒、26a……端壁、30……第1ポー
ト、31……第2ポート、32……制御弁、33……大
気導入口、33a……その前端縁部、33b……その後
端縁部、35……入力杆、53……出力杆

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブースタシェル(1)に、その内部を前側
    の負圧室(2a,3a)と後側の作動室(2b,3b)
    とに区画するブースタピストン(4,6)を収容し、こ
    のブースタピストン(4,6)の後端に連設された弁筒
    (25)を、ブースタシェル(1)後面に突設された被
    覆筒(26)に摺動自在に支承し、この被覆筒(26)
    の後端に大気導入口(33)が開口する端壁(26a)
    を連設し、弁筒(25)には、前記大気導入口(33)
    を貫通する入力杆(35)と、この入力杆(35)の前
    後動に応じて作動室(2b,3b)を負圧室(2a,3
    a)と前記大気導入口(33)とに連通切換えする制御
    弁(32)とを配設し、また入力杆(35)には、前記
    端壁(26a)の内側面に当接して入力杆(35)の後
    退限を規制するストッパ板(46)を固設し、前記大気
    導入口(33)を通して被覆筒(26)内に流入した大
    気が、ストッパ板(46)の外周部と弁筒(25)後端
    との間の、入力杆(35)軸線方向の隙間(s)を通し
    て弁筒(25)内に導入されるようにした負圧ブースタ
    において、前記被覆筒(26)は、前記端壁(26a)
    を含む全体が薄肉の板材より成形され、前記大気導入口
    (33)の前、後両端縁部(33a,33b)がその
    前、後方向にそれぞれ漸次拡径するラッパ状に形成され
    ると共に、被覆筒(26)の後端部と端壁(26a)の
    外周部とが環状湾曲部(26r)を介して滑らかに接続
    されたことを特徴とする、負圧ブースタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5563958A (en) * 1978-10-31 1980-05-14 Nissin Kogyo Kk Negative pressure booster

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