JPH0598593A - 嵩高なオフセツト印刷用中質紙 - Google Patents

嵩高なオフセツト印刷用中質紙

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JPH0598593A
JPH0598593A JP28423491A JP28423491A JPH0598593A JP H0598593 A JPH0598593 A JP H0598593A JP 28423491 A JP28423491 A JP 28423491A JP 28423491 A JP28423491 A JP 28423491A JP H0598593 A JPH0598593 A JP H0598593A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 嵩高であり、かつ表面強度及びインキ着肉性
が良好な、印刷適性に優れた嵩高のオフセット印刷用中
質紙を提供することを目的とする。 【構成】 松材系のサーモメカニカルパルプ20部、ス
トーングランドパルプ15部、レファイナーグランドパ
ルプ55部、NBKP10部からなるパルプにサイズ剤
0.5部、硫酸バンド1.5部、タルク27部を添加して
坪量61.0g/m2 で厚さ132μmの紙を抄紙し、
得られた紙の表面に、酸化デンプンとPVA50:50
の割合で混合したクリヤーサイズ塗料を0.50g/m
2 、両面で1.0g/m2 になるように塗布した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷用中質紙
に関し、更に詳しくはオフセット印刷時に必要なインキ
着肉性、及び表面強度特性を持った紙で、かつ一定米坪
量でも紙厚の厚い、嵩高な特徴を有するオフセット印刷
用中質紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、出版業界においては、印刷物のビ
ジュアル化、カラー化の傾向が強く、印刷方式としては
紙の表面の平滑性が比較的低くても、良好な印刷面が得
られるオフセット印刷の伸びが大きく、この傾向はコミ
ック誌、少年、少女雑誌等の出版物にも波及しており、
あわせてページ数の割りには厚みのある雑誌、本が好ま
れることから、用紙としては一定米坪量では厚みがあ
り、すなわち嵩高であって、腰の強い性質が要求されて
いる。
【0003】この嵩高な用紙としては過去にはエスパル
ト草( esparto, Spanishgrass )、竜須草( Ronsuso )
またはボロ( Rag )を原料としたパルプを原料とした紙
がこの目的には適しているとされていた(平成元年9月
20日発行 紙パルプ事典第53頁,第153頁;紙パ
ルプ技協誌 第21巻第10号(1967年10月号)
第41〜52頁)。
【0004】しかし、前述の草本性植物からのパルプお
よびボロを原料とするパルプは、現在の大量生産時代に
はその生産量が需要と合致せず、原料供給面の制約から
一般には利用することが困難であるという問題点がある
他に、これらの原料で製造した用紙は紙力、特に表面強
度の特性で劣るためにオフセット印刷には適さないとい
う問題点がある。
【0005】オフセット印刷において印刷用紙の表面強
度が弱い場合には、印刷時に印刷インキの高粘着性(タ
ッキネス)により、紙の表面または表面近くに存在する
パルプ繊維が紙面より抜き取られ(ピッキング)、紙と
接触するブランケット又は刷版に付着することによって
印刷面品質が損われたり、あるいは印刷機の各種ローラ
ー等に堆積するいわゆる紙粉トラブルが発生する。また
印刷用紙の引張強度が弱いと巻取りの紙を次の巻取りの
紙に連続的に糊付けするペースター(糊付け)時におい
て断紙等が生じたりする。これらの結果オフセット印
刷、連続高速印刷という現代の印刷方式に十分に対応出
来ない事態を生じることとなる。
【0006】現在実際に市場に出回っている嵩高な中質
紙としてはフィンランドのタンペラ社の Machine Finis
hed Bulky 紙であるタムクリーミー(登録商標;緊度0.
43〜0.45)が良く知られているが、この紙は不透明
度、プリントスルー(裏抜け)において優れてはいるも
のの、インキ着肉性、表面強度の面では問題点を有して
いる。オフセット印刷において紙粉トラブルを発生せ
ず、印刷作業性、印刷品質の両面で満足する嵩高な中質
紙の開発が要望さている。
【0007】抄紙工程において装置面で嵩高な紙を製造
する方法としては特公昭55−47385号公報に記載
されるように、プレスパートのサクションロールの真空
度、及びドライパートの下段ドライヤシリンダーと上段
ドライヤシリンダーの表面温度差ならびにカレンダーの
ニップ数またはニップ圧を調整することによって紙の緊
度を小さくして製造することが知られている。また場合
によってはカレンダー処理を全く実施しない方法等が例
示されるがこの場合には紙の表面の平滑性は低下する一
方で、インキ着肉性に代表される印刷物の品質も、悪く
なる一方である。
【0008】一方、印刷時の着肉性を良好にする目的に
は化学パルプ及び/又は機械パルプの叩解処理を強くし
てパルプのフリーネスを下げるのが有効と考えられる
が、この場合印刷面のインキ着肉性品質は向上するが、
紙の緊度が高くなるので、嵩高紙の製造目的には適用は
できない。
【0009】従って、印刷時のインキ着肉及び紙の表面
強度を良好に保持しながら、厚みのある紙を製造するに
は、パルプそれ自体に着目してインキの着肉性が良く、
かつ表面強度が強い機械パルプを使用して、カレンダー
処理を軽減又は省略して製造することが必要となる。
【0010】嵩高な中質紙を製造する目的の為には、針
葉樹材であるパイン(pine )、スプルース( spruce )、
ファー( fir ) 等を原料とする加圧ストーングランドパ
ルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、
ストーングランドパルプ(GP)、レファイナーグラン
ドパルプ(RGP)等の機械パルプが適している。そし
てこれらの機械パルプの最近の製造技術に関しては、例
えば紙パ技協誌第40巻第7号(1986年7月号)第
9〜19頁、同第41巻第10号(1987年10月
号)第14〜25頁、紙パルプ技術タイムス第33巻第
4号(1980年3月号)第38〜50頁に詳細に報告
されている。
【0011】これらの機械パルプは、サルファイトパル
プ(SP)、クラフトパルプ(KP)、ポリサルファイ
トパルプ等の化学パルプ、ケミサーモメカニカルパルプ
(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等のケミ
メカニカルパルプに比較して緊度が低く、また特に松材
けいノTMPは繊維が一般的に剛直であり、潰れにくい
性質を有しており、目的とする嵩高い中質紙用の原料パ
ルプとして適していることが考えられる。
【0012】しかし、一般的には機械パルプはパルプの
種類、叩解の程度によって異なるが、紙の表面強度が弱
く、印刷時に紙ムケ等による印刷面の不良、あるいは紙
粉堆積等による印刷作業性の低下という問題点を生じや
すい。
【0013】これに対して、紙の表面強度を向上させる
手段としてはデンプン、ポリビニルアルコール等の接着
剤をサイズプレス等で紙の表面に含浸、または塗布する
方法がある。
【0014】しかし、一般的にはデンプン、ポリビニル
アルコール等の接着剤の含浸、塗布は紙の緊度を高く
し、一定米坪量では紙厚の薄い紙が得られることとな
り、結局は嵩高な紙を得る方向とは異なることとなる。
【0015】以上のように現状のパルプ原料及び技術で
は一定の坪量で紙厚が厚い、即ち嵩高であることと、印
刷適性(特にインキ着肉性及び接着剤塗布による表面強
度の改良)は相違する、二律背反的要素を有しており、
満足すべき嵩高なオフセット印刷用中質紙が得られてい
ないのが現状である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は顔料を
含む塗工層を紙支持体上に設けることなく、クリヤーサ
イズ塗布層を紙支持体上に設け、紙支持体としては機械
パルプを主体とする中質紙を使用して、不透明度、プリ
ントスルー(裏抜け)、インキ着肉性に優れ、オフセッ
ト印刷において紙粉トラブルを発生しない嵩高なオフセ
ット印刷用中質紙を提供することに存する。
【0017】本発明者らは前記した問題点に鑑み、中質
紙における機械パルプの配合量、機械パルプの種類、針
葉樹材の樹種、填料配合量、クリヤーサイズ塗布量につ
いて多角的に検討した結果、嵩高な中質紙で、インキ着
肉性が良好で、しかも表面強度の強いオフセット印刷用
中質紙が得られることを知得して本発明を完成するに至
った。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は全パルプ成分中
の65〜95重量%が機械パルプであり、かつ機械パル
プ成分中の20〜80重量%が松材系のサーモメカニカ
ルパルプから構成される紙支持体上にクリヤーサイズ塗
料が両面で0.5〜1.5g/m2 塗布されており、緊
度が0.40〜0.50g/cm3 であることを特徴とす
る嵩高なオフセット印刷用中質紙である。
【0019】本発明に使用するクリヤーサイズ塗布用原
紙(紙支持体)として使用可能な機械パルプとしては加
圧ストーングランドパルプ(PGW)、サーモメカニカ
ルパルプ(TMP)、ストーングランドパルプ(G
P)、レファイナーグランドパルプ(RGP)等であ
り、これらの機械パルプを全パルプ成分中の65〜95
重量%含有する必要があり、好ましくは70%〜90%
である。そして、機械パルプ成分中の20〜80重量
%、好ましくは30重量%〜70重量%の松材系のサー
モメカニカルパルプ(TMP)を含有する必要がある。
そして残りの25〜5重量%がソーダパルプ(AP)、
亜硫酸パルプ(SP)、クラフトパルプ(KP)等の化
学パルプで構成され、これらは漂白パルプ、セミ漂白パ
ルプとして配合される。また、ケミサーモメカニカルパ
ルプ(CTMP)などのケミメカニカルパルプ、さらに
はセミケミカルパルプ等(SCP)のいわゆる高収率パ
ルプが適宜配合される。
【0020】更には、新聞紙、板紙、中質紙、中質コー
ト紙、更紙等に広く用いられている未晒、半晒及び晒高
収率パルプがスラッシュパルプ、ウェットパルプ、乾燥
パルプと、これら高収率パルプを含む再生故紙、脱墨回
収故紙の形で混合して用いられる。
【0021】更には、上記したPGW、TMP、GP、
RGP等の機械パルプを1種以上含む新聞印刷故紙、中
質紙、中質コート紙等の印刷故紙から脱墨されたDIP
も配合することができる。
【0022】本発明においては、機械パルプが全パルプ
成分中の65〜95重量%配合されるが、更に機械パル
プ成分中の20〜80重量%がサーモメカニカルパルプ
(TMP)である必要がある。そして材種としては針葉
樹材であるパイン( Pine )、スプルース( Spruce )、フ
ァー( Fir ) が使用できるが、好ましくは松材( Pine)
であり、Jack Pine( P. banksiana ) 、Lodgepole Pine
( P. contorta ) 、Slash Pine( P. elliottii )、Mont
erey Pine( P.radiata ) 、Ponderosa Pine(P. pondero
sa ) 、Loblolly Pine( P. taeda ) 等から選ばれるも
のであり、更に好ましくはオーストラリア、ニュージラ
ンドに広く植林されているいわゆるラジアータパイン、
ポンデローサパインより得られたTMPである。
【0023】これら松材系TMPの繊維形状は、プレス
チーミングによって軟化された木材チップがそのままの
状態で加圧リファイニングされるので解繊が良好であ
り、繊維のカッテイング及び結束繊維が少なくて、良好
な長繊維形状のものである。このためTMPを含有した
紙は一般に密度が低く、嵩高となり、かつ吸油性が向上
するので、インク着肉性も良好となる。
【0024】なお、本発明において使用するTMPの叩
解の程度が重要でありJIS P8121に規定される
ろ水度で100ml C.S.F(カナダ標準フリーネス)以下
に叩解されたものを使用することが必要であり、好まし
くは80〜100ml C.S.F、更に好ましくは90〜95
ml C.S.Fの範囲に叩解したものを使用することにより目
的とする品質のものが得られる。
【0025】一般に、パルプのフリーネスが高いと紙の
表面が粗くなり、紙の表面平滑性が低下し、インキ着肉
が悪化する。紙の印刷面の品質であるインキ着肉性を重
要視すればフリーネスは低い方が表面平滑性が向上し、
好ましいものの、あまりフリーネスを低下し過ぎると、
紙の緊度が高くなり嵩高な紙とはならない。
【0026】また、一般的に機械パルプの配合割合は多
いほど印刷面の品質であるインキ着肉性は向上するが、
反面引張り強さ、引裂強さ及び破裂強さで代表される紙
力が低下するのが普通である。ただし、材種として松材
を使用したTMPは他の機械パルプ(PGW,RGP,
GP)に比較して引張り強さ、引裂強さが強く、このT
MPを本発明においては含有機械パルプ成分中の20重
量%〜80重量%配合することにより十分な紙力を持っ
た嵩高な紙が得られる。
【0027】上記した機械パルプ、化学パルプ等には副
原料として無機質填料が必要に応じて添加される。例え
ばタルク、クレー、酸化チタン、ホワイトカーボン、炭
酸カルシウムなどが挙げられる。これらの添加量は抄紙
後の紙の乾燥重量に対して10〜20重量%となるよう
にパルプスラリーに添加される。無機質填料の添加によ
り剛直さとしなやかさを併せもった嵩高な紙を得ること
ができるが無機質填料が多配合になると嵩高性は失われ
る。
【0028】また、抄紙原料中には無機質填料の他に必
要に応じて硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向
上剤、顔料、着色剤、蛍光染料、消泡剤及び他の製紙用
薬品が添加されて、酸性紙又は中性紙として抄紙され
る。
【0029】本発明においては、前記パルプ、填料、製
紙用薬品からなるパルプスラリーを一般の抄紙機を用い
て、坪量60g/m2 〜76g/m2 、厚さ130mμ
〜170mμ程度の中質紙を抄紙する。
【0030】本発明においては紙支持体上には更にクリ
ヤーサイズ塗布量が両面で0.5〜1.5g/m2 、好
ましくは0.8g/m2〜1.2g/m2 塗布される。この
クリヤーサイズ塗布層を支持体上に設けることにより、
オフセット印刷時の紙ムケを防止すると同時にクリヤー
サイズ塗料の塗布により紙の腰(剛度)も強くなるた
め、印刷時の作業性も向上する。
【0031】塗布量が0.5g/m2 未満の場合には表
面強度が十分満足されない場合があり、1.5g/m2
を越える場合には表面強度向上には好ましいが、同一坪
量では緊度が高くなり、嵩高の程度が損なわれ、また製
造コスト上昇にもつながる等の問題点がある。
【0032】本発明において使用するクリヤーサイズ塗
布層に使用する塗料成分としては、アルカリ感応性合成
樹脂エマルジョン、アルカリ非感応性合成樹脂エマルジ
ョン、及び酸化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、
カチオン化澱粉などの変性澱粉類、カゼイン、大豆蛋白
などの蛋白質類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどの繊維素誘導体、及びポリビ
ニルアルコールなどの水溶性合成樹脂などを挙げること
ができる。
【0033】またクリヤーサイズ塗布液には分散剤、流
動変性剤、消泡剤、染料、滑剤、耐水化剤、架橋剤等の
各種助剤を必要に応じて適宜配合することももちろん可
能である。
【0034】本発明においてはクリヤーサイズ塗布液の
塗布方式については特に限定されるものではなく、従来
公知の2本ロールサイズプレス、エアナイフコーター、
ロールコーター、ゲートロールコーター、あるいはブレ
ードコーターでブレードがヘベル及びベント型のコータ
ー、さらにはビルブレード、ツインブレード等の各種の
塗布装置でオンマシンまたはオフマシンで塗布される。
【0035】本発明においてクリヤーサイズ塗料を塗布
された紙は、通常カレンダー処理されないが、必要に応
じてカレンダーによって表面処理される。この場合カレ
ンダーロールは金属ロール単独、あるいはゴム巻き等の
ソフトニップタイプのロールを使用することができる。
そして本発明のオフセット印刷用中質紙は最終的には緊
度が0.40〜0.50g/cm3 のものである。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定される
ものではない。なお実施例、比較例中の部、%は特にこ
とわらないかぎり重量部、重量%を示すものである。
【0037】また実施例、比較例において使用したパル
プは以下の表1に示す物性を有するものである。
【表1】 *1 JIS P8121で測定 *2 JIS P8209で調整、JIS P8118
で測定 *3 ニュージランド産のラジアーターパインを使用 *4 北海道産のエゾマツ、トドマツ、カラマツ混合材
を使用
【0038】実施例1 ラジアーターパイン(ニュージランド産)材TMP20
部、GP15部、RGP55部およびNBKP10部か
らなるパルプ組成(機械パルプは成分中の90%であ
り、機械パルプは成分中の22%が松材系のTMPであ
る)の絶乾パルプ100部当り内添サイズ剤(SPG,
荒川化学社製)を0.5部、硫酸バンドを1.5部、タル
クを27部添加した濃度0.12%のパルプスラリーを
中質又は新聞印刷用紙が抄造可能な抄紙機を用いて坪量
61.0g/m2 、厚さ132mμ、灰分16%の紙支
持体を抄造した。
【0039】一方クリヤーサイズ塗布液として蒸煮した
酸化デンプン(王子エースA,王子コーンスターチ社
製)とポリビニルアルコール(PVA)を重量比で5
0:50で混合したものを2.5%濃度に調整し、オン
マシン2ロールサイズプレスを用いて塗布速度430m
/分で塗布量が片面各々0.50g/m2 になるように
塗布し、乾燥後オフセット印刷用中質紙を得た(カレン
ダー掛け未実施)。この紙の坪量は62g/m2 、緊度
は0.46g/cm3 であり、この紙を印刷した場合の表
面強度及びインキ着肉性に関する結果を表2に示す。
【0040】比較例1 実施例1で構成するパルプ組成のうちTMPをRGP
(フリーネス100mlC.S.F,緊度0.36)に置換し
た。(この場合、機械パルプは全パルプ中の90%と変
らないが機械パルプ中のTMPは0%となる。)従って
RGPの配合を75部とした以外は実施例1と同じ条件
でオフセット用中質紙を得た。この紙の坪量は62g/
2 で緊度は0.46g/cm3 であり、この紙を印刷し
た場合の表面強度及び着肉性に関する結果を表2に示
す。
【0041】実施例2 TMP20部、RGP30部、GP15部、PGW25
部、NBKP10部からなるパルプ組成(機械パルプは
全パルプ中90%であり、機械パルプ中の22%が松材
系のTMPである。)において、他の抄紙条件、塗布液
は実施例1と同一にして、坪量62g/m2 のオフセッ
ト印刷用中質紙を得た。この紙の緊度は0.48であ
り、この紙を印刷した場合の表面強度及びインキ着肉性
に関する結果を表2に示す。
【0042】比較例2 実施例2で構成するパルプ組成のうちTMPの10部を
RGP(実施例1と同一のもの)に置換した(この場
合、機械パルプは全パルプ成分中90%と変らないが、
機械パルプ成分中のTMPは11%となる。)。従って
RGPの配合を40部とした以外は実施例1と同じ条件
でオフセット印刷用中質紙を得た。この紙の坪量は62
g/m2 で緊度は0.48であり、この紙を印刷した場
合の表面強度及びインキ着肉性に関する結果を表2に示
す。
【0043】実施例3 TMP35部、RGP55部、NBKP10部からなる
パルプ組成(機械パルプは全パルプ成分中90%であ
り、機械パルプ成分中の39%松材系のTMPであ
る。)において、他の抄紙条件は実施例1と同一にし
て、坪量62g/m2 のオフセット印刷用中質紙を得
た。この紙の緊度は0.43であり、この紙を印刷した
場合の表面強度及びインキ着肉性に関する結果を表2に
示す。
【0044】比較例3 実施例3で構成するパルプ組成のうちTMPの25部を
RGPに置換した。(この場合、機械パルプは全パルプ
成分中の90%と変らないが、機械パルプ中のTMPは
11%となる。)従ってRGPの配合を80部とした以
外は実施例1と同じ条件でオフセット印刷用中質を得
た。この紙の坪量は62g/m2 で緊度は0.43であ
り、この紙を印刷した場合の表面強度及びインキ着肉性
に関する結果を表2に示す。
【0045】比較例4 実施例3で構成するパルプ組成のうちTMPの25部を
脱墨故紙パルプ25部と置換した(この場合、機械パル
プは全パルプ成分中65%となり、機械パルプ成分中の
TMPは15%となる。)。実施例1と同じ条件でオフ
セット印刷用中質紙を得た。この紙の坪量は62g/m
2 で緊度は0.52であり、この紙を印刷した場合の表
面強度及びインキ着肉性に関する結果を表2に示す。
【0046】比較例5 実施例3で構成するパルプ組成のうちTMPを、エゾマ
ツ、トドマツ、カラマツ(北海道産)を使用したもの
(フリーネス90mlC.S.F緊度0.37)に置換し
た。(この場合、機械パルプは全パルプ成分中90%で
あり、そして機械パルプ成分中の35%が松材系TMP
となる。)他の条件は実施例1と同じ条件でオフセット
印刷用中質紙を得た。この紙の坪量は62g/m2で緊
度は0.45であり、この紙を印刷した場合の表面強度及
びインキ着肉性に関する結果を表2に示す。
【0047】なお表2に示す表面強度に関する試験方法
及び評価方法は下記の通りである。 (ダイヤ表面強度)2色刷オフセット枚葉印刷機 DA
IYA IE−2型(三菱重工業(株)製)を使用し、
ブランケットのニップ圧を一定になるように調整し、次
の条件で印刷し、表面(F)と裏面(W)の重色部の紙
むけ数を計数し5段階法で評価した。点数の高いものほ
ど良好である。 ○印刷条件 インキの種類 オフセットインキ インキタック 9 印刷速度 7000枚/時 ○5段階評価基準 5点 0〜23 個/m2 4点 24〜47 〃 3点 48〜72 〃 2点 73〜95 〃 1点 96〜 〃
【0048】(RI表面強度)RI印刷適性試験機 R
I−2型(明製作所(株)製)を用いて以下の条件で印
刷した時の、表面(F)と裏面(W)の各々の表面の繊
維の毛羽立ち及び繊維の剥れ状態を肉眼で判定し、5段
階法で評価した。点数の高いものほど良好である。判定
回数3回の平均値を表示した。 ○印刷条件 インキの種類 ポリブデンインキ インキタック 22 ブランケットニップ圧 10mm 印刷速度 30rpm ○5段階評価基準 5点 繊維の毛羽立ち、及び剥れがなく極めて良好の
もの 4点 繊維の剥れが1〜5個のもの 3点 繊維の剥れは6個以上あるが全面には、発生し
ていないもの 2点 繊維の剥れが部分的に散在しているもの 1点 繊維の剥れが全面に発生しているか又は剥れの
一つ一つが大きいもの
【0049】(インキ着肉性)2色刷オフセット枚葉印
刷機 DAIYA 1E−2型(三菱重工業(株)製)
を使用し、次の条件で印刷し、表面(F)と裏面(W)
の印刷面を限度見本と比較し、5段法で官能評価した。
点数の高いものほど良好である。 ○水負け 湿し水の量を増やした以外はダイヤ表面強度測定時と同
条件で印刷し、2色目の網点部の白ヌケの状態を目視及
びルーペで限度見本と比較評価した。
【0050】表2に記載の結果から、松材系のTMPを
20%以上配合したもの(実施例1、2、3)は、同じ
緊度のもの(実施例1に対する比較例1及び実施例2に
対する比較例2及び実施例3に対する比較例3)より
も、表面強度及びインキ着肉性が良いことがわかる。ま
た、TMPを20%以下の配合にして、他パルプで表面
強度を良くしたもの(比較例4)は、緊度は0.52と
なり目的である嵩高とはならないことがわかる。また同
じ松材系でもニュージランド産ラジアーターパイン以外
の松材より得られたTMPを配合したもの(実施例3に
対する比較例5)は緊度は若干高く、表面強度は若干弱
くなることがわかる。従って、嵩高であるためには機械
パルプを多く配合すれば良いが、表面強度を向上させイ
ンキ着肉を良くするためには、松材系の好ましくはラジ
アーターパイン ポンデローサーパイン等の南洋松材系
のTMPの配合が重要であることがわかる。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明のオフセット印刷用中質印刷用紙
は一定のフリーネスと緊度を有する松材系のサーモメカ
ニカルパルプを含有した紙にクリヤーサイズ塗料の塗布
層を設けた後、カレンダー処理無し又は軽減することに
より、従来の嵩高品に比較してより嵩高であるにもかか
わらず表面強度が強く、腰が強く、オフセット印刷時の
インキ着肉性及び作業性において優れていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全パルプ成分中の65〜95重量%が機
    械パルプであり、かつ、機械パルプ成分中の20〜80
    重量%が松材系のサーモメカニカルパルプから構成され
    る紙支持体上にクリヤーサイズ塗料が両面で0.5〜
    1.5g/m2 塗布されており、緊度が0.40〜0.
    50g/cm3 であることを特徴とする嵩高なオフセット
    印刷用中質紙。
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