JP2003336195A - 柔軟性印刷用紙 - Google Patents

柔軟性印刷用紙

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JP2003336195A
JP2003336195A JP2003185766A JP2003185766A JP2003336195A JP 2003336195 A JP2003336195 A JP 2003336195A JP 2003185766 A JP2003185766 A JP 2003185766A JP 2003185766 A JP2003185766 A JP 2003185766A JP 2003336195 A JP2003336195 A JP 2003336195A
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昌也 登坂
Takehide Kasahara
健秀 笠原
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風合い、手触り、めくりやすさに優れてお
り、抄紙機や印刷機上での断紙が発生し難い印刷用紙を
提供する。 【解決手段】 柔軟化剤を紙中に含有させ、抄紙機で抄
造された印刷用紙の密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方
向のヤング率の3者の積を2×1018以上10×10 g・
N/m以下、好ましくは前記3者の積を2×1018以上
5×1018g・N/m以下の範囲に特定し、裂断長を4
km以下とする。また、柔軟化剤はパルプ絶乾重量当た
り0.1〜5重量%の範囲で紙料に添加して、抄造すること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性に優れ、か
つ嵩高である印刷用紙に関し、特に書籍用途に好適な印
刷用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】書籍用紙は、風合い、手触り、めくりや
すさといった性質が重要である。特に最近はボリューム
感(紙厚が高い)がありながら、軽くすなわち嵩高(低
密度)であり、かつ本にした場合のめくり易いことが求
められてきている。従来、紙厚を高くすれば、紙のこわ
さが増加し、逆にめくり難くなるため、ボリューム感と
めくり易さを両立させることは困難であった。
【0003】紙の風合い、手触り、めくりやすさといっ
た性質は、紙の柔軟性が影響する因子であるが、紙の柔
軟性は、コシ、弾性、強度、その他の性質が複雑に関連
しており、一概に数値化することは困難である。書籍用
紙としての風合いの改善を目的として、特開平8-246390
号公報には、填料として特定の紡錘状炭酸カルシウムを
使用し、保水値が100〜150%の機械パルプを配合した薄
葉書籍用紙が開示されている。また、特開平10-204790
号公報には、フリーネスがCSF500ml以上の広葉樹
クラフトパルプを90重量%以上含有し、該広葉樹クラフ
トパルプはフタバガキ類のパルプを50〜100重量%含有
し、填料として炭酸カルシウムを含有した、密度が0.6
〜0.65g/cmの低密度書籍用紙が開示されている。
しかしながら、これらの書籍用紙は特殊なパルプを配合
する必要があるためコスト的には不利であり、柔軟性も
不十分で、風合い、手触り、めくりやすさが優れている
物ではなかった。
【0004】一方、環境保護気運の高まりに伴い、森林
資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上で
も紙の軽量化は避けられない問題であり、上述したよう
に紙への品質要求としても軽量化は大きな流れとなって
きている。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持し
た上での軽量化、すなわち低密度(嵩高)な紙のことで
ある。
【0005】まず、紙の低密度化(嵩高化)の方法とし
て、紙の主原料である製紙用パルプの検討が上げられ
る。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されて
いる。低密度化のためのパルプとしては、化学薬品によ
り繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パル
プより、薬品は使用せずグラインダーで木材を磨り潰す
砕木パルプやリファイナーで木材を解繊して得られるサ
ーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維が
剛直で低密度化には効果的であり、特に砕木パルプは低
密度化への寄与が大きい。しかしながら、砕木パルプは
機械パルプであり、上質紙への配合は規格上問題があ
り、また、配合したことによって紙質、例えば経時によ
る退色などの品質上でも問題があり、配合することは出
来ない。同様にサーモメカニカルパルプの上質紙への配
合は不可能である。
【0006】上質紙の場合、パルプ面では化学パルプの
みの配合となるが、パルプ化樹種により紙の密度は大き
く影響を受ける。すなわち、木材繊維自体が粗大な方が
低密度化は可能である。上質紙には主に広葉樹材パルプ
が配合されているが、広葉樹材で比較的低密度化が可能
な樹種としてはガムウッド、メープル、バーチなどが上
げられる。しかしながら、現在の環境保護気運が高まる
中では、これら樹種のみを特定して集荷しパルプ化する
ことは困難である。
【0007】一方、中質紙あるいは下級紙においては機
械パルプを配合し、通常上質紙より低密度な紙である
が、剛直な繊維を配合することは、印刷時の紙ムケ(機
械パルプ由来の結束繊維が多い)、強度低下をもたらす
ことになり、さらに通常漂白化学パルプより白色度の低
い機械パルプの増配は白色度を低下させるので、その配
合量は制限される。また、近年の環境保護気運の高まり
や、資源保護の必要性から古紙パルプの配合増が求めら
れている。古紙パルプは上質紙、新聞紙、雑誌、チラ
シ、塗工紙等品種に応じて明確に分類してパルプ化され
る場合は少なく、混合されたままパルプ化されるため、
パルプの性質としてバージンの機械パルプより密度は高
くなる傾向がある。この理由として古紙パルプの繊維分
は化学パルプ、機械パルプの混合物であることが挙げら
れる。また、紙中に含まれる填料分あるいは塗工紙の塗
工層の顔料分として一般的に使用されるタルク、カオリ
ン、クレー、炭酸カルシウムはパルプに比較して密度が
高いので、その配合により密度が高くなる傾向がある。
従って、古紙パルプの配合率の増加は用紙密度を高くす
る傾向がある。以上のようにパルプ面のみから十分な用
紙の低密度化を達成することは、木材資源の状況、用紙
の品質設計を考えた場合非常に困難である。
【0008】また、通常、製紙用パルプは叩解処理によ
って繊維を柔軟にし、フィブリル化するが、叩解処理に
よって嵩は低下する傾向であるので、出来るだけ行なわ
ないことが嵩高化のためには望ましい。しかしながら、
叩解処理が不十分であると強度が低下してしまう。
【0009】紙抄造時における低密度化の方法として
は、抄造時にプレス工程で出来るだけプレス圧を低くす
ること、また、紙の表面に平滑性を付与するために行わ
れるカレンダー処理は行なわないことが挙げられる。さ
らに、印刷時の紙の表面強度を付与する目的で行われる
澱粉等の水溶性高分子の表面塗工は出来る限り低塗布量
にすることが望ましい。
【0010】このようなパルプ化、抄造時の工夫の他
に、紙に対してパルプに次いで多く配合される填料の検
討も行われている。例えば、填料分として中空の合成有
機物のカプセルを配合することにより低密度化を達成す
る方法が特開平5-339898号公報に開示されている。ま
た、抄造機のドライヤー部の熱にて膨張することによ
り、嵩高化を達成する合成有機発泡性填料(例えば商品
名:EXPANSEL、日本フィライト株式会社製)も
提案されている。しかしながら、これらの合成有機発泡
性填料を用いる方法では抄紙時の乾燥条件設定が難しい
上、表面強度が弱く、印刷光沢度も低下するなどの問題
がある。
【0011】特公昭52-39924号公報にはシラスバルーン
を用いる方法が提案されているが、製紙用パルプとの混
合性が悪く、また、その配合された用紙も印刷ムラが発
生するなどの問題がある。
【0012】また、特開平8-13380号公報には、微細フ
ィブリル化セルロースを添加する方法が開示されている
が、微細フィブリル化セルロースを特別に調製する必要
があり、さらに抄紙時にパルプのフリーネスをCSF40
0ml以上、好ましくはCSF500ml以上に調整する必
要があり、機械パルプを多く配合した紙料ではフリーネ
スを調整することが困難であり、中質紙、下級紙では実
施は困難である。
【0013】さらに、これらの方法では紙厚が増加する
が、紙厚が増加するに従い、紙のこわさは指数的に上昇
するため紙の柔軟性は改善されないので、風合い、手触
り、めくりやすさは不十分であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、風合
い、手触り、めくりやすさが良好で、用紙密度が低く
(嵩高である)、かつ印刷時に断紙が少なく、印刷適性
に優れる柔軟性印刷用紙を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、紙中に柔軟化剤を
含有させ、かつ紙の密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方
向のヤング率の3者の積が2×1018以上10×1018g・
N/m以下となるように特定することによって風合
い、手触り、めくりやすさが良好で、かつ嵩高な柔軟性
印刷用紙が得られることを見出した。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、書籍用紙に求めら
れる風合い、手触り、めくりやすさといった紙の柔軟性
と軽く、かつボリューム感(紙厚が高い)を両立させる
ために、紙の柔軟性が影響する性質を定量化することを
検討した。まず、クラーク剛度について検討したが、ク
ラーク剛度の値は実際の風合い等と必ずしも相関してお
らず、クラーク剛度が低くても、良好な風合いが得られ
るとは限らなかった。その他、紙の強度、ヤング率が低
いほうが紙の風合いが優れる傾向があることが判明し
た。一方、軽く、ボリューム感を出すため従来知られて
いる方法で紙厚を高くすると柔軟性が悪化した。このた
め、さらに紙の柔軟性について検討したところ、強度と
ヤング率を同時に低下させることによって、柔軟な紙を
抄造できることを見出した。
【0017】すなわち、本発明の目的とする軽量嵩高で
かつ柔軟性がある紙を得るためには、紙の強度、ヤング
率及び密度を同時にバランス良く低下させることが効果
的であり、鋭意検討した結果、紙の密度、抄紙方向の裂
断長及び抄紙方向のヤング率の3者の値の積と良好な相
関があることが判明した。すなわち、これらの3者の値
の積が低いほど紙は柔軟で、嵩高(低密度)であり、3
者の値の積が2×1018以上10×1018g・N/m
下の範囲であれば、風合い、手触りが良好で、かつ軽量
嵩高であり、さらに抄紙機、印刷機上での断紙トラブル
の少ない用紙であることを見出した。特に、3者の値の
積が2×1018以上5×1018g・N/m以下の範囲で
あれば、書籍用紙として好適である。上述したように強
度を低下させることによって抄紙機や印刷機上での断紙
が懸念されるが、ヤング率を同時に低下させた場合、荷
重が掛かった時に、紙の弾性範囲内であれば紙が伸長し
やすくなるので部分的な応力集中が起き難く、強度を低
下させても断紙が発生し難くなったと推察される。
【0018】本発明の印刷用紙は、紙の抄紙方向の裂断
長及び抄紙方向のヤング率を前述の値に特定するため
に、抄紙機で抄造されることが必要である。すなわち、
手抄機等で製造された繊維配向が無配向の紙では、本発
明の抄紙方向の裂断長及び抄紙方向のヤング率に調整す
ることはできない。また、仮に配向性を与えることが可
能である手抄機を使用した場合でも、プレス、乾燥、カ
レンダー条件を抄紙機と同一にすることが不可能である
ため、本発明の密度に調製することはできない。そのた
め、抄紙機としては、長網抄紙機、若しくはオントップ
フォーマ型、ハイブリッドフォーマ型及びギャップフォ
ーマ型などのツインワイヤー型抄紙機等公知公用のもの
が使用される。
【0019】密度が通常の値で3者の値の積が2×1018
g・N/m未満である紙は、過度に裂断長が低い、あ
るいはヤング率が低いことであり、過度に柔軟であるた
めコシがなく、その上過度に強度が低いために抄紙時や
印刷時に断紙が発生し易くなる。また、裂断長、ヤング
率が通常の値で3者の値の積が2×1018g・N/m
満である紙は過度に低い密度であるが、このような紙は
抄紙工程でのプレスやカレンダー処理時の圧力を極端に
低下させる必要があり、このため平滑度が著しく低く印
刷することが困難である。
【0020】一方、密度が通常の値で3者の値の積が10
×1018g・N/mを超えた紙は、過度に裂断長が高
い、あるいはヤング率が高いことであり、紙が剛直とな
り風合いが低下する。また、裂断長、ヤング率が通常の
値で3者の値の積が10×10 g・N/mを超えた紙
は、密度が極端に高いことであり、本発明の目的とする
嵩高でボリューム感のある紙とはならない。
【0021】さらに、本発明者らは、抄紙方向の裂断長
が紙の柔軟性に重要であることを見出した。裂断長は繊
維間結合の強さに依存するので、紙の柔軟性の指標とな
ると考えられる。前述の3者の積の値が2×1018以上5
×1018g・N/m以下で、かつ裂断長が4km以下
であれば書籍用紙として良好な柔軟性を有する。
【0022】紙の密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向
のヤング率の3者の積を2×1018以上10×1018g・N
/m以下の範囲にするためには、紙の密度、抄紙方向
の裂断長及び抄紙方向のヤング率を各々低下させる手段
を単独若しくは組み合わせることによって行われる。紙
の密度を低下させる方法としては、低密度のパルプ及び
低密度の填料の配合率を向上させる方法、嵩高薬品の使
用、あるいは抄紙工程でのプレス圧の低減等が挙げられ
る。紙の裂断長を低下させる方法としては、填料の配合
率を向上させる方法等が挙げられる。また、紙のヤング
率を低下させる方法としては柔軟化剤の使用等が挙げら
れる。
【0023】本発明で使用する柔軟化剤とは、パルプの
繊維間結合を阻害する作用を有するか、繊維自体を柔軟
化するものである。例えば、疎水基と親水基を持つ界面
活性剤にこの作用を有するものが存在し、例えば、油脂
系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活
性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イ
オン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコールと脂
肪酸のエステル化合物、高級アルコールあるいは高級脂
肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステ
ルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂
肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、
脂肪酸ポリアミドアミンなどを例示することができる
が、柔軟性を向上させることが可能であれば、このよう
な化合物及び組合せに限定されることはない。ヤング率
の低下に加えて裂断長、密度の低下も可能な柔軟化剤の
使用は、本発明において必須の形態である。
【0024】本発明の紙の密度、抄紙方向の裂断長及び
抄紙方向のヤング率の3者の積を2×1018以上10×10
18g・N/m以下の範囲にするためには、柔軟化剤
の添加量は、パルプ配合、填料の含有率、内添薬品など
を考慮して決定される。通常は、パルプ絶乾重量当たり
0.1〜5重量%の範囲で紙料に添加して、抄造すればよ
い。
【0025】本発明の柔軟性印刷用紙は、原料パルプと
して、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBK
P)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の
晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパル
プ(LUKP)等)、機械パルプ(グランドパルプ(G
P)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモ
メカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DI
P)を単独または任意の割合で混合して使用する。
【0026】本発明の柔軟性印刷用紙のpHは、酸性、
中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、紙中に填料
を含有させると、裂断長及びヤング率は低下する傾向が
あるため、填料を含有させることは好ましい。填料とし
ては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリ
ン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填
料等の公知の填料を使用することができる。
【0027】さらに、本発明の柔軟性印刷用紙は、必要
に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留ま
り向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有してもよい。
【0028】加えて、密度、裂断長及びヤング率に影響
しない範囲で、表面強度やサイズ性の向上の目的で、水
溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても
よい。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエ
チルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使
用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用す
ることができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高
分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強
剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加する
ことができる。表面処理剤は、2ロールサイズプレスコ
ーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコ
ーター、ロッドメタリングコーター等の塗工機によって
塗布することができる。
【0029】以上のように、柔軟化剤を含有させ、密
度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向のヤング率の3者の
積を2×1018以上10×1018g・N/m以下に特定
することによって、嵩高軽量でかつ柔軟性に優れる印刷
用紙が得られる。本発明の嵩高な柔軟性印刷用紙は、書
籍用紙の他、オフセット印刷用紙、凸版印刷用紙、グラ
ビア印刷用紙、電子写真用紙、あるいは塗工紙、インク
ジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧記録紙等の原紙に
も使用することができる。
【0030】
【実施例】実施例及び比較例にて製造した用紙につい
て、密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向のヤング率を
測定して3者の積を算出し、さらに風合いの評価を行っ
た。これらの項目の測定方法は以下の通りである。 密度:JIS P 8118−1998に従った。 裂断長:JIS P 8113−1998に従い、用紙の抄
紙方向の裂断長を測定し、この値を裂断長とした。 ヤング率:JIS P 8113−1998に従い、用紙の
抄紙方向の引張り弾性率を測定し、この値をヤング率と
した。 柔軟性の評価:手触り、風合いを10人のモニターによ
り、◎非常に優れる、優れる、△やや問題有り、×問題
ありの4段階で評価した。
【0031】[実施例1]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 410ml)を使用し、柔軟化剤として花王(株)
製のKB−115を対パルプ当たり0.4重量%、填料と
して炭酸カルシウムを紙重量当たり28重量%となるよう
に調製した紙料を、オントップフォーマ型抄紙機により
抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱
粉を塗布量5.1g/m2となるように塗布し、上質書籍用
紙を製造し、結果を表1に示した。
【0032】[比較例1]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 410ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり25重量%となるように調製した紙料を、
オントップフォーマ型抄紙機により抄紙し、オンマシー
ンのサイズプレスコーターにより澱粉を塗布量3.7g/
2となるように塗布し、上質書籍用紙を製造し、結果
を表1に示した。
【0033】[比較例2]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 345ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり25重量%となるように調製した紙料を、
オントップフォーマ型抄紙機により抄紙し、オンマシー
ンのサイズプレスコーターにより澱粉を塗布量3.7g/
2となるように塗布し、上質書籍用紙を製造し、結果
を表1に示した。
【0034】[比較例3]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 317ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり26重量%となるように調製した紙料を、
抄紙機により抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコー
ターにより澱粉及びポリビニルアルコール(重量比85:
15)を塗布量4.4g/m2となるように塗布し、上質書籍
用紙を製造し、結果を表1に示した。
【0035】[比較例4]パルプ分としてLBKP95重
量部、針葉樹クラフトパルプ(以下NBKP)5重量部
を配合した混合パルプ(ろ水度 350ml)を使用し、
填料として炭酸カルシウムを紙重量当たり20重量%とな
るように調製した紙料を、オントップフォーマ型抄紙機
により抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコーターに
より澱粉及びポリビニルアルコール(重量比85:15)を
塗布量4.5g/m2となるように塗布し、上質書籍用紙を
製造し、結果を表1に示した。
【0036】[比較例5]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 350ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり29重量%となるように調製した紙料を、
長網型抄紙機により抄紙し、オンマシーンのサイズプレ
スコーターにより澱粉を塗布量3.7g/m2となるように
塗布し、上質書籍用紙を製造し、結果を表1に示した。
【0037】[比較例6]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 360ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり28重量%となるように調製した紙料を、
オントップフォーマ型抄紙機により抄紙し、オンマシー
ンのサイズプレスコーターにより澱粉を塗布量3.8g/
2となるように塗布し、上質書籍用紙を製造し、結果
を表1に示した。
【0038】[比較例7]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 360ml)を使用し、填料として炭酸カルシウム
を紙重量当たり28重量%となるように調製した紙料を、
オントップフォーマ型抄紙機により抄紙し、オンマシー
ンのサイズプレスコーターにより澱粉を塗布量3.8g/
2となるように塗布し、上質書籍用紙を製造し、結果
を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】[実施例2]パルプ分としてNBKP10重
量部、LBKP35重量部、GP40重量部、TMP15重量
部を配合した混合パルプを使用し、柔軟化剤として花王
(株)製のKB−115を対パルプ当たり1重量%、填
料としてカオリンを紙重量当たり10重量%となるように
調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機により抄紙
し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱粉を
塗布量3.0g/m2となるように塗布し、中質書籍用紙を
製造し、結果を表2に示した。
【0041】[実施例3]パルプ分としてNBKP3重量
部、GP70重量部、DIP27重量部を配合した混合パル
プを使用し、柔軟化剤として花王(株)製のKB−08
Wを対パルプ当たり1重量%となるように調製した紙料
を、ツインワイヤー型抄紙機により抄紙し中質書籍用紙
を製造し、結果を表2に示した。
【0042】[実施例4]パルプ分としてNBKP10重
量部、LBKP35重量部、GP40重量部、TMP15重量
部を配合した混合パルプを使用し、柔軟化剤として花王
(株)製のKB−115を対パルプ当たり1重量%、填
料としてカオリンを紙重量当たり10重量%となるように
調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機により抄紙
し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱粉を
塗布量3.0g/m2となるように塗布し、中質書籍用紙を
製造し、結果を表2に示した。
【0043】[実施例5]パルプ分としてNBKP10重
量部、LBKP35重量部、GP40重量部、TMP15重量
部を配合した混合パルプを使用し、柔軟化剤として花王
(株)製のKB−115を対パルプ当たり1重量%、填
料としてカオリンを紙重量当たり10重量%となるように
調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機により抄紙
し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱粉を
塗布量3.0g/m2となるように塗布し、中質書籍用紙を
製造し、結果を表2に示した。
【0044】[実施例6]パルプ分としてNBKP9重量
部、LBKP7重量部、GP42重量部、TMP42重量部
を配合した混合パルプを使用し、柔軟化剤として花王
(株)製のKB−115を対パルプ当たり0.6重量%、
填料として炭酸カルシウムを紙重量当たり5重量%とな
るように調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機によ
り抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより
澱粉を塗布量1.8g/m2となるように塗布し、中質書籍
用紙を製造し、結果を表2に示した。
【0045】[実施例7]パルプ分としてNBKP9重量
部、LBKP7重量部、GP42重量部、TMP42重量部
を配合した混合パルプを使用し、柔軟化剤として花王
(株)製のKB−115を対パルプ当たり0.8重量%、
填料として炭酸カルシウムを紙重量当たり5重量%とな
るように調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機によ
り抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより
澱粉を塗布量1.8g/m2となるように塗布し、中質書籍
用紙を製造し、結果を表2に示した。
【0046】[実施例8]パルプ分としてLBKP75重
量部、TMP25重量部を配合した混合パルプを使用し、
柔軟化剤として花王(株)製のKB−115を対パルプ
当たり0.8重量%、填料として炭酸カルシウムを紙重量
当たり20重量%となるように調製した紙料を、長網型抄
紙機により抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコータ
ーにより澱粉を塗布量6.0g/m2となるように塗布し、
中質書籍用紙を製造し、結果を表2に示した。
【0047】[比較例8]パルプ分としてNBKP19重
量部、LBKP28重量部、GP20重量部、TMP20重量
部、DIP13重量部を配合した混合パルプを使用し、填
料として炭酸カルシウムを紙重量当たり8重量%となる
ように調製した紙料を、ツインワイヤー型抄紙機により
抄紙し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱
粉を塗布量1.8g/m2となるように塗布し、中質書籍用
紙を製造し、結果を表2に示した。
【0048】[比較例9]市販の中質紙(商品名:ニュ
ークリームバルキー、王子製紙製)について、結果を表
2に示した。
【0049】[比較例10]パルプ分としてNBKP52
重量部、LBKP8重量部、GP41重量部を配合した混
合パルプを使用し、填料として無定形シリケートを紙重
量当たり6重量%となるように調製した紙料を、ツイン
ワイヤー型抄紙機により抄紙し、オンマシーンのサイズ
プレスコーターにより澱粉を塗布量1.8g/m2となるよ
うに塗布し、中質書籍用紙を製造し、結果を表2に示し
た。
【0050】[比較例11]パルプ分としてLBKP75
重量部、TMP25重量部を配合した混合パルプを使用
し、填料として炭酸カルシウムを紙重量当たり20重量%
となるように調製した紙料を、長網型抄紙機により抄紙
し、オンマシーンのサイズプレスコーターにより澱粉を
塗布量6.0g/m2となるように塗布し、中質書籍用紙を
製造し、結果を表2に示した。
【0051】[比較例12]パルプ分としてNBKP6重
量部、GP10重量部、TMP16重量部、DIP68重量部
を配合した混合パルプを使用し、調製した紙料を、ツイ
ンワイヤー型抄紙機により抄紙し、オンマシーンのサイ
ズプレスコーターにより澱粉を塗布量0.7g/m2となる
ように塗布し、新聞用紙を製造し、結果を表2に示し
た。
【0052】
【表2】 表1〜表2に示されるように、柔軟化剤を含有し、密
度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向のヤング率の3者の
積が2×1018以上10×1018g・N/m4以下の範囲にあれ
ば、パルプ組成や填料の違いにかかわらず、柔軟性に優
れ、書籍用紙として優れることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 健秀 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 (72)発明者 藤原 秀樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4L055 AA02 AA03 AC02 AC03 AC06 AG12 AG27 AG34 AG35 AG47 AH01 AH13 AH37 AH50 BE08 EA07 EA08 EA32 FA16 GA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙機で抄造された印刷用紙であって、
    柔軟化剤を含有し、密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方
    向のヤング率の3者の積が2×1018以上10×1018g・
    N/m以下であることを特徴とする柔軟性印刷用紙。
  2. 【請求項2】 抄紙機で抄造された印刷用紙であって、
    柔軟化剤を含有し、密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方
    向のヤング率の3者の積が2×1018以上5×1018g・
    N/m以下であることを特徴とする柔軟性印刷用紙。
  3. 【請求項3】 抄紙方向の裂断長が4km以下であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の柔軟性印
    刷用紙。
  4. 【請求項4】 柔軟化剤をパルプ絶乾重量当たり0.1〜5
    重量%の範囲で紙料に添加して、抄造することを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の柔軟性印刷
    用紙。
  5. 【請求項5】 水溶性高分子を主成分とする表面処理剤
    を塗布することを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載の柔軟性印刷用紙。
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