JPH0586551B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、乾燥風によつて穀物の乾燥処理を行
なう穀物乾燥装置に関する。

［従来の技術］ 穀物を乾燥するために、機体内で穀物を循環流
動させながら乾燥風を送給して乾燥する循環型穀
物乾燥装置が用いられている。

この種の穀物乾燥装置においては、通気性の隔
壁によつて導風路及び排風路が形成されており、
さらにこの導風路と排風路との間は穀物が自然流
下する穀物流下路となつている。これら導風路、
排風路及び穀物流下路によつて乾燥部が構成され
ている。

乾燥部の上方には穀物槽が形成されており、張
込まれた穀物は搬送手段によつて装置最上部まで
持上げ搬送された後、穀物槽内に放散堆積される
ようになつている。

また穀物槽内には最大張込量検出センサが配置
されており、穀物の張込が満量となるとこのセン
サが作動して自動的に張込運転を停止するように
なつている。張込完了後は、バーナ等の起動スイ
ツチを操作し穀物槽内に貯蔵された穀物を穀物流
下路内で自然流下させながら乾燥風を送給して乾
燥処理するようになつている。

ところでこの場合、最大張込量検出センサは張
込作業を停止させるように作用するのみであり、
バーナを起動させ乾燥風を送給する等の乾燥作業
は穀物の張込量に無関係に開始することができ
た。このため常に目視にて張込量を確認する必要
があり、これを怠ると張込量が少ないにもかかわ
らず不用意に乾燥作業を開始してしまい、張込量
不足による過乾燥の危険性があつた。

またさらに、張込量が極めて少なく穀物流下路
の最上部まで穀物が堆積されない状態（換言すれ
ば導風路と排風路の上部が穀物槽内に露出してい
る状態）では、バーナによつて発生した乾燥風の
みならず機壁の隙間から穀物槽内に至つた外気が
導風路から排風路へと侵入する所謂「吹抜け現
象」が発生し、これによつて乾燥風が冷やされた
り、吸引排風機の必要吸引量が増加するなどの問
題があつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は上記事実を考慮し、張込量不足による
過乾燥や「吹抜け現象」を防止することのできる
穀物乾燥装置を得ることが目的である。

［問題点を解決するための手段］ 本発明に係る穀物乾燥装置は、通気性の隔壁に
よつて乾燥風が送給される風路と穀物が流下する
流下路とから成る乾燥部が形成されると共に、前
記乾燥部の上方に穀物槽が設けられ、起動スイツ
チの操作によつて作動して、前記穀物槽に貯蔵さ
れた穀物を前記流下路内で自然流下させながら前
記風路へ乾燥風を送給して乾燥処理する穀物乾燥
装置において、前記穀物槽の最下端部に設けられ
前記穀物槽に貯蔵された穀物の最低張込量を検出
する最低張込量検出手段と、前記起動スイツチが
操作された時点で前記最低張込量検出手段が穀物
を検出せず貯蔵された穀物が最低張込量に達しな
い場合に警報を発する警報手段と、を備え、前記
警報手段作動時には前記起動スイツチの操作の如
何に拘わらず不作動状態となることを特徴として
いる。

［作用］ 上記構成の穀物乾燥装置では、最低張込量検出
手段によつて穀物の張込量が最低張込量に達した
か否かが判断できる。したがつて乾燥作業開始の
適確な時期を判断することができるようになり、
張込量不足による過乾燥や「吹抜け現象」を防止
することができる。

［実施例］ 第１図には本発明に係る穀物乾燥装置１０の斜
視図が示されており、第２図には穀物乾燥装置１
０の断面図、第３図には第２図−線に沿つた
断面図が示されている。

機体１２は左右一対の側壁１４，前面壁１６，
後面壁１８，天井壁２０及び底壁２２によつて構
成される穀物乾燥装置１０の外枠で、上下に高く
前後に長い箱状とされている。

機体１２の上部内洞は穀槽２４となつている。
また下部には乾燥部２６は配設されている。乾燥
部２６には、左右の機壁１４の上下方向略中央部
内面から左右方向中央部位に向け傾斜して下降す
る一対の通気性の排風路隔壁２８が正面視（第３
図）において漏斗状に形成され、機体前後方向
（前面壁１６と後面壁１８との間）に掛け渡され
ている。排風路隔壁２８の上端からは非通気性の
隔壁３０が側壁１４の内面へ排風路隔壁２８から
連続するように架け渡され、排風路隔壁２８，隔
壁３０及び側壁１４との間に排風路３２が形成さ
れている。

排風路隔壁２８の機体内方側には、排風路隔壁
２８と平行すなわち側壁１４に対して傾斜する一
対の通気性の導風路隔壁３４が排風路隔壁２８と
同様に機体前後方向に架け渡されている。導風路
隔壁３４の上部は機体内方に向けて屈曲し、さら
に上端に断面逆Ｖ字状で非通気性の隔壁３６が導
風路隔壁３４に連続結合されている。このため導
風路隔壁３４と隔壁３６とによつて囲まれる部分
が正面視において菱形状の導風路３８となつてい
る。

排風路隔壁２８上部と導風路隔壁３４上部との
間には、左右一対の導風路隔壁４０と隔壁４２と
によつて一対の補助導風路４４が導風路３８と同
様に正面視菱形状に形成されている。これら導風
路と排風路との間は穀槽２４内の穀物が流下する
流下路４６となつている。

排風路隔壁２８及び導風路隔壁３４の後面壁１
８側端部は内部壁４７に連結されている。このた
め導風路３８及び流下路４６は機体後方側端部が
遮蔽されるようになつている。従つて流下路４６
内の穀物は導風路３８，４４から送られる乾燥風
を受けながら流下路４６下方へ流下し、送られた
乾燥風は穀物の水分を吸収して穀物を乾燥した後
に排風路３２から排出されるようになつている。

前面壁１６には上下方に導風連通路４６が形成
され、この導風連通路４６の一端側に乾燥風発生
用のバーナー６６が配設されている。この導風連
通路６４は機体１２内の導風路３８，４４の長手
方向一端と連通している。このため、バーナー６
６によつて発生した乾燥風は導風連通路６４を通
つて導風路３８，４４へ共に送り込まれるように
なつている。

後面壁１８内方には内部壁４７とによつて排風
路３２と連通する排風連通路６８が形成され、こ
の排風連通路６８の中央部には排風用の吸引排風
機７０が配設されている。このため、吸引排風機
７０はバーナー６６からの乾燥風を吸引して各導
風路から排風路へと送給し、排風連通路６８を介
して穀物乾燥装置１０外へ排出するようになつて
いる。

流下路４６の各下端は、前記排風路隔壁２８と
導風路隔壁３４の下端傾斜部間に形成される流出
口４８を経てシヤツタドラム５０へ連結されてい
る。

シヤツタドラム５０は軸心が水平とされた中空
円筒状であり、外周一部に所定幅寸法で軸方向に
沿つたスリツト状の切欠が形成されている。この
シヤツタドラム５０は軸心回りに回転して切欠と
前記流出口４８とが対面することにより、切欠を
通して流下路４６内の穀物がシヤツタドラム５０
に内部に流入し、さらにシヤツタドラム５０が回
転して切欠が下向きに位置する状態となることに
より流入した穀物が排出されるようになつてい
る。

シヤツタドラム５０の下方には、機壁１４間の
中央部へ向けて下向きにテーパーとなつて張込流
し板５２が配置されている。また機壁１４の下部
には張込ホツパ６２が配設され、穀物乾燥装置１
０内へ穀物を張込むことができるようになつてい
る。このため、シヤツタドラム５０から排出され
た穀物及び張込ホツパ６２から張込まれた穀物は
張込流し板５２によつて機壁１４間の略中央部に
搬送されるようになつている。

張込流し板５２の各下方端には穀物搬送用の下
スクリユウコンベヤ５４が配設されている。下ス
クリユウコンベヤ５４は穀物乾燥装置１０の装置
長手方向に渡つて配設され、外周の螺旋羽根がこ
れらの間へ入り込む穀物を前面壁１６側へと送り
出すようになつている。

前面壁１６の外側には下スクリユウコンベヤ５
４に連結して搬送された穀物を受け取れるように
バケツトコンベヤ５６が立設している。このバケ
ツトコンベヤ５６内には、一定間隔で穀物搬送用
バケツトが無端コンベヤへ取りつけられており、
下スクリユウコンベヤ５４から送り出される穀物
を穀物乾燥装置１０の最上部まで持上搬送できる
ようになつている。

バケツトコンベヤ５６の上端部には上スクリユ
ウコンベヤ５８の一端が対応しており、持上げ搬
送された穀物を受け取るようになつている。この
上スクリユウコンベヤ５８の他端は穀物乾燥装置
１０の長手方向中央部まで延長されており、この
上スクリユウコンベヤ５８の他端直下へ軸心が垂
直の回転式均分機６０が配置されている。したが
つて上スクリユウコンベヤ５８によつて穀物乾燥
装置１０の上方中央部まで搬送された穀物は回転
式均分機６上へ落下し、この回転式均分機６０の
回転時に遠心力で穀物乾燥装置１０内の穀槽２４
内へ均等に放散分配されることになる。

上スクリユウコンベヤ５８の一端下方には、穀
物排出路８０が設けられており、先端が穀物排出
口とされている。穀物排出路８０内にはダンパ８
２が配置されており、穀物排出路８０を開放する
状態から閉塞する状態までの間で移動できるよう
になつている。

さて、穀槽２４の前面壁１６には張込量点検窓
８３が形成されており穀物張込量を目視にて確認
できるようになつている。さらに張込量点検窓８
３の最下端部には最低張込量検出センサ８４が配
置されており、穀物の張込量が必要最低張込量に
達したか否かを検出できるようになつている。ま
た穀槽２４上部の側壁１４には最大張込量検出セ
ンサ８６が配置されており、穀物の張込量が満量
となつたか否かを検出できるようになつている。
第４図に示す如くこれら最低張込量検出センサ８
４及び最大張込量検出センサ８６の検出信号は、
穀物乾燥装置１０前面の制御盤８８内に配置され
た制御回路９０へ供給されるようになつている。

制御盤８８前面には起動スイツチ９２及び切替
スイツチ９４が配置されており、それぞれ操作回
路９６を介して制御回路９０に連結されている。
また制御盤８８前面には警報器９８が配置されて
おり、駆動回路１００を介して制御回路９０に連
結されている。またさらに制御回路９０は駆動回
路１０２を介してバーナ６９やシヤツタドラム５
０等の駆動装置と連結されている。

次に上記構成の穀物乾燥装置１０の作用を説明
する。

穀物を張込むため穀物乾燥装置１０の循環系装
置（下スクリユウコンベヤ５４、ベケツトコンベ
ヤ５６、上スクリユウコンベヤ５８、回転式均分
機６０）を駆動させる。そして穀物乾燥装置１０
の下方側面にある張込ホツパ６２を開放して穀物
を機体１２内へ張込む。張込まれた穀物は張込流
し板５２に案内され機体１２の下方略中央（下ス
クリユウコンベヤ５４配設位置）へ搬送される。

そして張込まれた穀物は下スクリユウコンベヤ
５４によつて逐次バケツトコンベヤ５６側に搬送
され、さらに回転するバケツトコンベヤ５６のバ
ケツトで抄われて持ち上げ搬送される。

バケツトコンベヤ５６によつて機体１２の上方
に持上げ搬送された穀物は上スクリユウコンベヤ
５８によつて機体１２の上方中央部に送られ、回
転式均分機６０によつて機体内の穀槽２４へ貯蔵
される。穀物の張込量が満量となる最大張込量検
出センサ８６は作動して、自動的に張込作業が停
止される。

さてここで、張込終了後起動スイツチ９２を操
作してバーナー６６を点火すると共に吸引排風機
７０を駆動すると、乾燥作業が開始される。この
場合の作用を、第５図に示す制御回路９０のソフ
トウエアの構成図に従つて説明する。

ステツプ110において起動スイツチ９２が操作
される。さらにステツプ112において、穀物の張
込量が必要最低張込量に達したか否かを最低張込
量検出センサ８４からの信号によつて判断する。
作動状態すなわち必要最低張込量に達していれば
ステツプ120へ進む。達していなければステツプ
114へ進み、警報機９８が点灯して穀槽２４内の
穀物が必要最低張込量に達していないことを作業
者に知らせる。

さらにステツプ116へ進み、作業者はこの状態
で乾燥作業を開始するは否かに応じて切替スイツ
チ９４を操作する。そしてステツプ118において、
切替スイツチ９４が作動状態にあるかどうかを判
断する。不作動状態であればそれで処理が終了す
る。作動状態であればステツプ120へ進み乾燥作
業が開始され、プログラムが終了する。

バーナー６６によつて発生した乾燥風は吸引排
風機７０に吸引されて導風連通路６４を経て導風
路３８へ送り込まれる。導風路３８に送り込まれ
た乾燥風は導風路隔壁３４を通過し、流下路４６
内の穀物に直接供給される。ここで穀物の乾燥処
理が行われれる。

この場合前述の如く、起動スイツチ９２を操作
しても穀物の張込量が必要最低量に達しない限り
そのまますぐに乾燥作業すなわち流下路４６内の
穀物に乾燥風が送給されることはなく、張込量不
足による過乾燥が防止される。またこの際、乾燥
風は送給される時には流下路４６内は穀物で満た
されているので、穀槽２４内の外気が導風路３８
へ侵入する所謂「吹抜け現象」が発生することも
ない。またさらに、穀物の張込量が必要最低量に
達しない場合には警報機９８によつて表示される
ため、直接目視で張込量を確認する必要がなく作
業性も向上する。

穀物の水分を吸収した後の乾燥風は排風路隔壁
２８を通過し排風路３２を経て排風連通路６８へ
至り、穀物乾燥装置１０外へ排出される。

一方流下路４６内の穀物は、シヤツタドラム５
０の回転により流出口４８を通過後再び張込流し
板５２によつて穀物乾燥装置１０の下方略中央長
手方向に渡つて搬送される。搬送された穀物は、
必要に応じて所望の含水率に達するまで機体１２
内で前述の循環作用が繰り返され再びバケツトコ
ンベヤ５６によつて持ち上げ搬送された後、穀物
排出路８０の先端の排出口から排出される。

［発明の効果］ 以上説明した如く本発明に係る穀物乾燥装置
は、通気性の隔壁によつて乾燥風が送給される風
路と穀物が流下する流下路とから成る乾燥部が形
成されると共に、前記乾燥部の上方に穀物槽が設
けられ、起動スイツチの操作によつて作動して、
前記穀物槽に貯蔵された穀物を前記流下路内で自
然流下させながら前記風路へ乾燥風を送給して乾
燥処理する穀物乾燥装置において、前記穀物槽の
最下端部に設けられ前記穀物槽に貯蔵された穀物
の最低張込量を検出する最低張込量検出手段と、
前記起動スイツチが操作された時点で前記最低張
込量検出手段が穀物を検出せず貯蔵された穀物が
最低張込量に達しない場合に警報を発する警報手
段と、を備え、前記警報手段作動時には前記起動
スイツチの操作の如何に拘わらず不作動状態とな
ることを特徴としているので、張込量不足による
過乾燥を防止することができ、さらに「吹抜け現
象」の発生がないため乾燥風が冷やされたり吸引
排風機の必要吸引量が増加することがなく、これ
によつて省エネルギーにもなるという優れた効果
を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る穀物乾燥装置の
斜視図、第２図は穀物乾燥装置の断面図、第３図
は第２図−線に沿つた断面図、第４図は制御
装置の概略構成図、第５図は制御回路のフローチ
ヤートである。 １０……穀物乾燥装置、２４……穀槽、８４…
…最低張込量検出センサ、８６……最大張込量検
出センサ、９０……制御回路、９２……起動スイ
ツチ、９４……切替スイツチ、９８……警報器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 通気性の隔壁によつて乾燥風が送給される風
   路と穀物が流下する流下路とから成る乾燥部が形
   成されると共に、前記乾燥部の上方に穀物槽が設
   けられ、起動スイツチの操作によつて作動して、
   前記穀物槽に貯蔵された穀物を前記流下路内で自
   然流下させながら前記風路へ乾燥風を送給して乾
   燥処理する穀物乾燥装置において、 前記穀物槽の最下端部に設けられ前記穀物槽に
   貯蔵された穀物の最低張込量を検出する最低張込
   量検出手段と、前記起動スイツチが操作された時
   点で前記最低張込量検出手段が穀物を検出せず貯
   蔵された穀物が最低張込量に達しない場合に警報
   を発する警報手段と、を備え、前記警報手段作動
   時には前記起動スイツチの操作の如何に拘わらず
   不作動状態となることを特徴とした穀物乾燥装
   置。