JPH0582555U - ロール紙ホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成で、ロール紙回転支持体の軸方向
の予圧量、あるいは余裕量の設定値に容易に調節して組
み立てることを可能とする。 【構成】 ホルダガイド２と、ロール紙６を案内するホ
ルダ体１を回転支持する圧入式針状コロ軸受３を、ホル
ダガイド２に対し圧入による嵌合によって形成し、該圧
入する際に軸受の予圧力及び圧入位置を加減することに
よって、ホルダ体１とホルダガイド２の軸方向の予圧
量、あるいは余裕量の設定値に容易に調節して組み立て
るものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ロール紙を使用する印字記録装置におけるロール紙ホルダの構造に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来例について、図３を使用して説明する。６はロール紙で７個の構成部品で ロール紙ホルダ１４は構成される。図３は、ロール紙６の端部にロール紙ホルダ １４を挿入した状態の断面図である。１はホルダ体でロール紙６の内芯を案内す る。２はホルダガイド、４は軸受で前記ホルダ体１を回転自在に支持すべく嵌合 される。１０は軸受押さえで１組の軸受４の位置を規制するために前記ホルダ体 １のホルダ体軸１３に挿入される。１１はホルダガイド押さえ、１２はねじで前 記軸受４の外周に嵌合されたホルダガイド２を軸方向に余裕量をもたせた状態に 遊嵌するようにホルダガイド押さえ１１を介してホルダ体１にねじ１２止めする よう構成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のロール紙ホルダの構造は、以上のように構成され、ロール紙６の両端に 嵌合された状態で図示しない印字記録装置等の支持フレームにホルダガイド２の 外周部が装着され、さらに軸方向の位置規制のためにホルダガイド２の端部１５ を圧接した状態で保持していた。この状態でロール紙６の繰り出し、あるいは巻 取りによってホルダ体１が回転した際にねじ１２の緩みが発生する問題が起こる 。また、軸方向の圧接状態に於けるホルダ体７の軸方向余裕量を決定する軸受４ の軸方向の予圧量の設定は、ロール紙ホルダ１４を構成する多くの部材精度が影 響するために管理が難しい等の問題があり、所定の設定値にしなければならない ような場合には、部材精度を補正するためにホルダガイド１１の軸方向長さを１ 台毎に現合加工しなければならない必要がある。

【０００４】 本考案は、上記のような問題点を解決するために簡易な構成で軸方向の予圧量 、あるいは余裕量の設定値に容易に調節して組み立てられるロール紙ホルダを提 供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案におけるロール紙ホルダの構造は、ねじを使用せずに圧入式の針状コロ 軸受を使用して、ホルダガイドと軸受を圧入による嵌合によって形成する。

【０００６】

【作用】

前記のような構成にすれば、ホルダガイドと軸受けを圧入する際に予圧力及び 圧入位置の加減によって、軸方向の予圧量、あるいは余裕量の設定値に容易に調 節して組み立てることが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は、本考案の組立断 面図である。１は、ホルダ体であり、ホルダ体１の端部に形成されたホルダ体軸 １３には、ホルダ体１を回転支持する圧入式針状コロ軸受３と、該圧入式針状コ ロ軸受３の軸方向位置を規制する部材５と、前記ホルダ体１を軸方向に支持する 深溝玉軸受４を挿入している。本実施例においては、圧入式針状コロ軸受３に圧 入式の針状コロ軸受、軸受４に深溝玉軸受を用いている。また、部材５には、軸 用止め輪を用い、前記ホルダ体１のホルダ体軸１３に設けられた溝に着設されて いる。２はホルダガイドで、前記圧入式針状コロ軸受３と深溝玉軸受４に嵌合さ れ、さらに圧入式針状コロ軸受３とは、適当なしめしろをもたせて圧入されてい る。

【０００８】 以上のように構成されたロール紙ホルダ１４は、ロール紙６の両端部に嵌合し 、図示しない印字装置等のフレームに、前記ホルダガイド２が装着され、軸方向 への位置規制のために端部１５が圧接された状態で外周部が保持される。この状 態で、前記ロール紙６は、前記印字装置等の紙繰り出し、あるいは紙巻取り動作 によって、前記ホルダ体１と一体となり回転する。

【０００９】 図２は、本考案の要部拡大図であり、前記ホルダ体１と前記ホルダガイド２の 軸方向に圧入式針状コロ軸受３と軸用止め輪５との間隔として、余裕量Ｓを持っ た状態に調節して組み立てられた例を示している。ホルダ体１を固定した条件の 基で、ホルダ体１のホルダ体軸１３は２段の軸径になっており、太い軸径に圧入 式針状コロ軸受３を挿入し、ホルダ体軸１３の溝に軸用止め輪５を挿嵌する。次 にホルダ体軸１３の細い軸径に深溝玉軸受４を挿入し、深溝玉軸受４の外輪にホ ルダガイド２の３段になっている内径の中段部を挿入する。ホルダガイド２の大 きい内径部と圧入式針状コロ軸受３のはめ合いには、しめしろがついているので 、このままホルダガイド２に外力Ｆを加えていくと圧入式針状コロ軸受３は右方 向に移動してホルダ体１の壁１ａに当たり、さらに外力Ｆを加え続けるとホルダ ガイド２は内壁の段差部２ａが深溝玉軸受４に突き当たるまで圧入式針状コロ軸 受３に圧入される。

【００１０】 このように、ホルダガイド２内径と圧入式針状コロ軸受３外径は、圧入により 嵌合されているので一体となっていて、ホルダ体１から、これらの部品が脱落す ることはない。前述の如く、組み立てられた場合はホルダ体１のホルダ体軸１３ に挿嵌された軸用止め輪５からホルダ体１の壁１ａまでの軸方向の距離と、圧入 式針状コロ軸受３の軸方向長さの差＝Ａ＋Ｓが圧入式針状コロ軸受３と軸用止め 輪５の間に余裕量として存在することになり、ホルダガイド２と圧入式針状コロ 軸受３及び４の軸方向ガタとなる。まず、軸方向予圧量の設定値に調節して組み 立てる場合について説明すると、ホルダガイド２と圧入式針状コロ軸受３を圧入 する際にホルダガイド２に外力Ｆを加えて深溝玉軸受４に予圧をかけた状態で、 ホルダ体１の壁１ａと圧入式針状コロ軸受３とのスキマＡに余裕量Ｓ＝０mmとな るような厚みを持った図示しない治具を差し込んで調節するようにすると、外力 Ｆを加減することで軸方向の予圧量を容易に調節できる。

【００１１】 次に、軸方向余裕量の設定値に調節して組み立てる場合について説明すると、 ホルダガイド２と圧入式針状コロ軸受３を圧入する際にホルダガイド２に適度な 外力Ｆを加えて深溝玉軸受４に適度な予圧をかけた状態で、ホルダ体１の壁１ａ と圧入式針状コロ軸受３とのスキマＡに余裕量Ｓが所定の量となるような厚みを 持った図示しない治具を差し込んで調節するようにすると、スキマＡの量を加減 することで軸方向の余裕量を容易に調節できる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によるロール紙ホルダの構造は、圧入による嵌合と する事で簡易に構成が出来るばかりでなく、螺合のようにねじが緩むようなこと がなく信頼性が向上する。また、ホルダ体１の壁１ａとホルダ体１のホルダ体軸 １３の軸用止め輪５を挿嵌するための溝との寸法精度を管理して適当な厚みを持 った治具を用意するだけで、用途や仕様に対して軸方向の予圧量、あるいは余裕 量の設定値を容易に調節して組み立てることができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の組立断面図である。

【図２】本考案の要部拡大図である。

【図３】従来の組立断面図である。

【符号の説明】 １ ホルダ体 ２ ホルダガイド ３ 圧入式針状コロ軸受 ４ 深溝玉軸受 ５ 軸用止め輪 ６ ロール紙 １３ ホルダ体軸 １４ ロール紙ホルダ Ｓ 軸方向予圧・余裕設定値 Ｆ 外力 Ａ スキマ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール紙を回転自在に支持するロール紙
   ホルダに於いて、ロール紙を案内するホルダ体と、ホル
   ダ体を回転支持する軸受と、該軸受の軸方向位置を規制
   する部材と、ホルダ体を軸方向に支持するもう一つの軸
   受と前記二つの軸受に嵌合するホルダガイドから構成さ
   れることを特徴とするロール紙ホルダ。