JPH05682A - 剛性可変車体 - Google Patents

剛性可変車体

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Publication number
JPH05682A
JPH05682A JP15329891A JP15329891A JPH05682A JP H05682 A JPH05682 A JP H05682A JP 15329891 A JP15329891 A JP 15329891A JP 15329891 A JP15329891 A JP 15329891A JP H05682 A JPH05682 A JP H05682A
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JP
Japan
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rigidity
vehicle body
frequency
door
engine hood
Prior art date
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Pending
Application number
JP15329891A
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English (en)
Inventor
Masaru Kawamura
賢 河村
Tomohiko Adachi
智彦 足立
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH05682A publication Critical patent/JPH05682A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両の走行状態が良好な乗心地が優先するもの
であるときには、剛性が高められることなく良好な乗心
地の確保に寄与し、しかも、路面からの入力振動周波数
が共振周波数に等しい周波数もしくはその近傍の周波数
となって共振状態あるいはそれに近い状態におかれ、比
較的大なる振幅をもった不快な振動が生じるのを防ぐ。 【構成】左右ドア,エンジンフッド及びリアゲート3,
4,7,9を伴った車体本体部11の曲げ剛性及びねじ
り剛性を変化させるドア部分,エンジンフッド部分及び
リアゲート部分剛性調整機構30〜37と、車体本体部
11に対する路面からの入力振動周波数を検出する振動
センサ55と、振動センサ55の出力に基づいて得られ
る入力振動周波数が所定の値以下であるとき、調整機構
30〜37に、車体本体部11の曲げ剛性及びねじり剛
性を高める状態をとらせる回路構成部57とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開口部が設けられると
ともにその開口部を開閉する可動部が取り付けられた車
体本体部を有し、その曲げ剛性及びねじり剛性を状況に
応じて変化させるものとされた剛性可変車体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の車体は、キャビン開口部,エンジ
ンルーム開口部,トランクスペース開口部等が設けられ
た車体本体部に、キャビン開口部,エンジンルーム開口
部,トランクスペース開口部等を夫々開閉するドア,エ
ンジンフッド,トランクリッド等の複数の可動部が取り
付けられて構成される基本構造を有するものとされる。
そして、車体本体部及び各可動部には、各種の補強部材
がそれらが必要とされる部分に取り付けられ、それによ
り、車体全体の剛性の確保が図られる。
【0003】このような、車両の車体にあっては、例え
ば、実開昭59−137869号公報に示される如くに、車体本
体部におけるキャビン開口部を部分的に形成するセンタ
ーピラー内に、押圧ピンがその先端部分をセンターピラ
ーにおけるキャビン開口部に臨む端面部分からその外部
に突出させて進退動可能に設けられるとともに、キャビ
ン開口部を開閉するドアにおける、センターピラーの押
圧ピンが突出する端面部分に対向せしめられる端面部分
に、押圧ピンの先端部分に対応する位置をもって受皿部
が設けられ、車両が走行状態におかれるときには、押圧
ピンがセンターピラーにおけるキャビン開口部に臨む端
面部分から突出せしめられて、その先端部分がキャビン
開口部を閉塞する閉状態をとるものとされたドアに設け
られた受皿部に圧接せしめられるものとされ、それによ
り、車両の走行時には、ドアを伴なった車体本体部の剛
性が一段と高められるようにされたものが提案されてい
る。このような車両の車体は、その剛性が車両の走行時
において車両の停止時に比して向上せしめられ、車両が
所定の走行状態におかれたもとでの運動特性の向上ある
いは騒音の低減等を図ることができるものとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに走行状態におかれるもとでは、常時、剛性が高めら
れたものとされる車体を備えた車両は、例えば、路面の
凹凸に起因する小刻みな衝撃が直接的に乗員に伝えられ
ることになって、乗員にとって乗心地が良くないものと
なる事態が頻繁にまねかれることになる。即ち、車両の
走行中には、旋回時や制動時等において運転者がシャー
プな操舵感覚,良好な制動操作感覚,良好な路面感覚等
を得ることができるように車体の剛性が高いことが望ま
れる状態と、平坦な直線路を走行する場合の如く、車体
の剛性が高いことより乗員にとっての乗心地が良いこと
が優先する状態とがとられるが、上述の如くに、車両が
走行状態におかれるときには常時車体の剛性が高められ
たものとされるもとでは、車体の剛性が高くされること
より乗員にとっての乗心地が良くされることが優先され
るべき状態においても、車体の剛性が高いまま維持さ
れ、その結果、乗員にとっての乗心地が損なわれること
になってしまうのである。
【0005】また、車両の車体は、一般に、その全体的
な剛性に応じた機械的共振振動周波数(以下、単に共振
周波数という)を伴うものとなり、斯かる共振周波数は
車体の剛性が高いほど高い周波数とされる。従って、上
述の如くに、走行状態におかれるもとでは常時剛性が高
められたものとされる車体を備えた車両にあっては、走
行時において車体の共振周波数が比較的高い周波数に略
固定されることになり、それにより、走行時には、比較
的高い周波数に略固定された共振周波数を伴うものとさ
れる車体に、車輪を通じて、路面の凹凸等に起因する振
動が伝達される状態とされる。そして、車両の走行時に
おいては比較的高い周波数に略固定された共振周波数を
伴うものとされる車体の場合、例えば、車両が比較的低
い車速をもっての走行状態にあって、その車体に伝達さ
れる路面の凹凸等に起因する振動が有する周波数、即
ち、車体に対する路面からの入力振動周波数が、比較的
低い周波数となる場合には、その入力振動周波数は比較
的高い周波数に略固定された車両の共振周波数から離隔
したものとされるので、車体に伝達される路面の凹凸等
に起因する振動は抑制されることになるが、例えば、車
両が比較的高い車速をもっての走行状態にあり、車体に
対する路面からの入力振動周波数が、比較的高いものと
されて車体の共振周波数に等しい周波数もしくはその近
傍の周波数となる場合には、車体が共振状態あるいはそ
れに近い状態におかれて、比較的大なる振幅をもった不
快な振動を生じる事態となるという不都合がまねかれて
しまう。
【0006】斯かる点に鑑み、本発明は、車両が、車体
の剛性が高いことより乗員にとっての乗心地が良いこと
が優先する走行状態におかれるときには、剛性が高めら
れることなく、乗員にとっての良好な乗心地の確保に寄
与するものとされ、しかも、路面からの入力振動周波数
が共振周波数に等しい周波数もしくはその近傍の周波数
となって共振状態あるいはそれに近い状態におかれ、比
較的大なる振幅をもった不快な振動を生じることにな
る、という事態を回避できるものとされた剛性可変車体
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る剛性可変車体は、開口部が設けられる
とともにその開口部を開閉すべく取り付けられた可動部
を伴った車体本体部の曲げ剛性及びねじり剛性を変化さ
せる剛性調整手段と、車体本体部に対する路面からの入
力振動周波数を検出する検出手段と、剛性調整手段に対
する動作制御手段とを備え、動作制御手段が、検出手段
により検出された入力振動周波数が所定の値以下である
とき、剛性調整手段に可動部を伴った車体本体部の曲げ
剛性及びねじり剛性を高める状態をとらせるものとされ
て、構成される。
【0008】
【作用】上述の如くに構成される本発明に係る剛性可変
車体にあっては、車体本体部に対する路面からの入力振
動周波数が検出されるようになされ、検出された入力振
動周波数が、例えば、剛性調整手段が可動部を伴った車
体本体部の曲げ剛性及びねじり剛性を高める状態にない
もとでの共振周波数より若干高い周波数に選定される所
定の値以下であるときには、剛性調整手段が可動部を伴
った車体本体部の曲げ剛性及びねじり剛性を高めるもの
とされる。それにより、車体本体部に対する路面からの
入力振動周波数が、所定の値以下であって共振周波数に
等しい周波数もしくはその近傍の周波数となる虞がある
状態においては、可動部を伴った車体本体部の曲げ剛性
及びねじり剛性が高められることに伴って、共振周波数
が高周波数域側に移行せしめられる。それにより、可動
部を伴った車体本体部が、路面からの入力振動周波数が
共振周波数に等しい周波数もしくはその近傍の周波数と
されて共振状態あるいはそれに近い状態におかれ、比較
的大なる振幅をもった不快な振動を生じることになる事
態が回避される。
【0009】また、検出された入力振動周波数が所定の
値を越えるものであるときには、可動部を伴った車体本
体部の剛性が高められることなく、車両が車体の剛性が
高いことより乗員にとっての乗心地が良いことが優先す
る走行状態におかれるもとで、乗員にとっての良好な乗
心地の確保に寄与するものとされる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係る剛性可変車体の一例を
備えた車両を示し、図1に示される車両においては、左
キャビン開口部及び右キャビン開口部を夫々開閉する左
ドア3及び右ドア4,エンジンルーム開口部を開閉する
エンジンフッド7、及び、トランクスペース開口部を開
閉するリアゲート9が組み付けられた車体本体部11を
有し、その車体本体部11に、フロントバンパーが一体
形成されたフロントシュラウド12,左右フロントフェ
ンダ13及び14,リアバンパー15等が取り付けられ
て構成された車体が備えられている。そして、左ドア3
及び右ドア4においては、左フロントフェンダ13側の
端部及び右フロントフェンダ14側の端部がヒンジ部を
介して車体本体部11に連結されており、エンジンフッ
ド7においては、フロントウインドシールド18の下方
部側の端部がヒンジ部を介して車体本体部11に連結さ
れており、さらに、リアゲート9においては、ルーフ2
0の後端側の端部がヒンジ部を介して車体本体部11に
連結されている。従って、左ドア3及び右ドア4は、そ
れらの後端部3A及び4Aが夫々左リアフェンダ21及
び右リアフェンダ22に対して離隔・近接せしめられ
て、左キャビン開口部及び右キャビン開口部を開閉する
ものとされ、エンジンフッド7は、その前端部7Aがフ
ロントシュラウド12に対して離隔・近接せしめられ
て、エンジンルーム開口部を開閉するものとされ、さら
に、リアゲート9はその後端部9Aがリアパネル23に
対して離隔・近接せしめられて、トランクスペース開口
部を開閉するものとされている。
【0011】斯かるもとで、左ドア3の後端部3Aと左
リアフェンダ21との相互対向部分における上方側部位
及び下方側部位、及び、右ドア4の後端部4Aと右リア
フェンダ22との相互対向部分における上方側部位及び
下方側部位に、夫々、ドア部分剛性調整機構30,3
1,32及び33が配設されており、また、エンジンフ
ッド7の左側端部7Bと左フロントフェンダ13との相
互対向部分における前方側部位、及び、エンジンフッド
7の右側端部7Cと右フロントフェンダ14との相互対
向部分における前方側部位に、夫々、エンジンフッド部
分剛性調整機構34及び35が配設されており、さら
に、リアゲート9の左側端部9Bと左リアフェンダ21
との相互対向部分における後方側部位、及び、リアゲー
ト9の右側端部9Cと右リアフェンダ22との相互対向
部分における後方側部位に、夫々、リアゲート部分剛性
調整機構36及び37が配設されている。
【0012】ドア部分剛性調整機構30は、図1におけ
るII−II線断面を示す図2にあらわされている如くに、
左リアフェンダ21の内部に固定された電磁プランジャ
40と左ドア3の後端部3Aの内部に固定された係合部
41とを含んで構成されている。電磁プランジャ40
は、その可動部材40Aが、左リアフェンダ21におけ
る端面部21Aに設けられた透孔を通じて、左リアフェ
ンダ21から外部に突出せしめられたものとされてい
る。この電磁プランジャ40の可動部材40Aは、左リ
アフェンダ21の端面部21Aにおいて、その先端部を
左ドア3の後端部3Aに向けて進退動を行うように駆動
され、可動部材40Aの先端部は球面状に整形されてい
る。一方、係合部41は、左ドア3の後端部3Aにおけ
る端面部3Bに設けられた透孔42に連結された有底孔
43が設けられたものとされており、有底孔43におけ
る透孔42との連結部はテーパー部を形成している。透
孔42は電磁プランジャ40の可動部材40Aの外径よ
り充分に大とされた内径を有しており、また、透孔42
にテーパー部をもって連結された有底孔43におけるテ
ーパー部より深い部分は、電磁プランジャ40の可動部
材40Aの外径より極めて僅かに大とされた内径を有し
たものとされている。
【0013】図2に示された状態の如くに、左ドア3が
閉状態とされて、左ドア3の後端部3Aにおける端面部
3Bが左リアフェンダ21の端面部21Aに対向せしめ
られるときには、端面部3Bに設けられた透孔42が、
端面部21Aに設けられた透孔から外部に突出する電磁
プランジャ40の可動部材40Aの先端部に対向する位
置におかれるものとされている。そして、端面部3Bに
設けられた透孔42が電磁プランジャ40の可動部材4
0Aの先端部に対向する位置におかれたもとで、電磁プ
ランジャ40の可動部材40Aが、図2において実線に
より示される、後退位置をとるものとされるときには、
電磁プランジャ40の可動部材40Aは左ドア3の後端
部3Aの内部に固定された係合部41に係合しない状態
とされる。このとき、ドア部分剛性調整機構30は、左
ドア3を、車体本体部11に設けられた左キャビン開口
部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する
左リアフェンダ21に対する拘束から解放されたものと
なす状態をとるものとなっており、斯かる状況にあって
は、車体本体部11の左ドア3を伴った部分における剛
性の変化はもたらされない。
【0014】それに対して、端面部3Bに設けられた透
孔42が電磁プランジャ40の可動部材40Aの先端部
に対向する位置におかれたもとで、電磁プランジャ40
の可動部材40Aが、図2において一点鎖線により示さ
れる、前進位置をとるものとされるときには、可動部材
40Aの先端部が、端面部3Bに設けられた透孔42を
通じて、左ドア3の後端部3Aの内部に固定された係合
部41に設けられた有底孔43のテーパー部より深い部
分にまで達し、可動部材40Aが、係合部41に設けら
れた有底孔43内に挿入されて、係合部41に係合した
状態とされる。斯かる状況においては、ドア部分剛性調
整機構30は、左ドア3を、車体本体部11に設けられ
た左キャビン開口部を閉塞する状態のもとに、車体本体
部11を形成する左リアフェンダ21に対して拘束され
たものとなす状態をとるものとなっており、斯かる状況
にあっては、車体本体部11の左ドア3を伴った部分に
おける剛性が高められることになる。
【0015】なお、電磁プランジャ40の可動部材40
Aが係合部41に係合した状態とされるに際して、可動
部材40Aの先端部が球面状に整形されており、かつ、
係合部41に設けられた有底孔43が、可動部材40A
の外径より充分に大なる内径を有するものとされた透孔
42にテーパー部をもって連結されていることにより、
可動部材40Aの係合部41に設けられた有底孔43内
への挿入が、容易かつ円滑に行われる。
【0016】ドア部分剛性調整機構31,32及び33
の夫々も、上述のドア部分剛性調整機構30と同様に構
成されて、電磁プランジャ40及び係合部41に夫々対
応する電磁プランジャ及び係合部を有するものとされ、
ドア部分剛性調整機構30と同様な動作を行い、ドア部
分剛性調整機構30と同様な機能を果たすものとされて
いる。
【0017】一方、エンジンフッド部分剛性調整機構3
4は、図1におけるIII−III線断面を示す図3にあらわ
されている如くに、左フロントフェンダ13の内部に固
定された電磁プランジャ45とエンジンフッド7の左側
端部7Bの内側に設けられた支持部46に固定された係
合部47とを含んで構成されている。電磁プランジャ4
5は、その可動部材45Aが、左フロントフェンダ13
における端面部13Aに設けられた透孔を通じて、左フ
ロントフェンダ13からエンジンルーム内に突出せしめ
られたものとされている。この電磁プランジャ45の可
動部材45Aは、左フロントフェンダ13の端面部13
Aにおいて、その先端部をエンジンフッド7の左側端部
7Bの内側に設けられた支持部46に向けて進退動を行
うように駆動され、可動部材45Aの先端部は球面状に
整形されている。一方、係合部47は、支持部46に設
けられた透孔48に連結された有底孔49が設けられた
ものとされており、有底孔49における透孔48との連
結部はテーパー部を形成している。透孔48は電磁プラ
ンジャ45の可動部材45Aの外径より充分に大とされ
た内径を有しており、また、透孔48にテーパー部をも
って連結された有底孔49におけるテーパー部より深い
部分は、電磁プランジャ45の可動部材45Aの外径よ
り極めて僅かに大とされた内径を有したものとされてい
る。
【0018】図3に示された状態の如くに、エンジンフ
ッド7が閉状態とされて、エンジンフッド7の左側端部
7Bの内側に設けられた支持部46が左フロントフェン
ダ13の端面部13Aに対向せしめられるときには、支
持部46に設けられた透孔48が、端面部13Aに設け
られた透孔から外部に突出する電磁プランジャ45の可
動部材45Aの先端部に対向する位置におかれるものと
されている。そして、支持部46に設けられた透孔48
が電磁プランジャ45の可動部材45Aの先端部に対向
する位置におかれたもとで、電磁プランジャ45の可動
部材45Aが、図3において実線により示される、後退
位置をとるものとされるときには、電磁プランジャ45
の可動部材45Aはエンジンフッド7の左側端部7Bの
内側に設けられた支持部46に固定された係合部47に
係合しない状態とされる。このとき、エンジンフッド部
分剛性調整機構34は、エンジンフッド7を、車体本体
部11に設けられたエンジンルーム開口部を閉塞する状
態のもとに、車体本体部11を形成する左フロントフェ
ンダ13に対する拘束から解放されたものとなす状態を
とるものとなっており、斯かる状況にあっては、車体本
体部11のエンジンフッド7を伴った部分における剛性
の変化はもたらされない。
【0019】それに対して、支持部46に設けられた透
孔48が電磁プランジャ45の可動部材45Aの先端部
に対向する位置におかれたもとで、電磁プランジャ45
の可動部材45Aが、図3において一点鎖線により示さ
れる、前進位置をとるものとされるときには、可動部材
45Aの先端部が、支持部46に設けられた透孔48を
通じて、エンジンフッド7の左側端部7Bの内側に設け
られた支持部46に固定された係合部47に設けられた
有底孔49のテーパー部より深い部分にまで達し、可動
部材45Aが、係合部47に設けられた有底孔49内に
挿入されて、係合部47に係合した状態とされる。斯か
る状況においては、エンジンフッド部分剛性調整機構3
4は、エンジンフッド7を、車体本体部11に設けられ
たエンジンルーム開口部を閉塞する状態のもとに、車体
本体部11を形成する左フロントフェンダ13に対して
拘束されたものとなす状態をとるものとなっており、斯
かる状況にあっては、車体本体部11のエンジンフッド
7を伴った部分における剛性が高められることになる。
【0020】なお、電磁プランジャ45の可動部材45
Aが係合部47に係合した状態とされるに際して、可動
部材45Aの先端部が球面状に整形されており、かつ、
係合部47に設けられた有底孔49が、可動部材45A
の外径より充分に大なる内径を有するものとされた透孔
48にテーパー部をもって連結されていることにより、
可動部材45Aの係合部47に設けられた有底孔49内
への挿入が、容易かつ円滑に行われる。
【0021】エンジンフッド部分剛性調整機構35及び
リアゲート部分剛性調整機構36及び37の夫々も、上
述のエンジンフッド部分剛性調整機構34と同様に構成
されて、電磁プランジャ45及び係合部47に夫々対応
する電磁プランジャ及び係合部を有するものとされ、エ
ンジンフッド部分剛性調整機構34と同様な動作を行
い、エンジンフッド部分剛性調整機構34と同様な機能
を果たすものとされている。
【0022】上述の如くに車体本体部11に左ドア3,
右ドア4,エンジンフッド7,リアゲート9等が組み付
けられ、さらに、フロントシュラウド12,左右フロン
トフェンダ13及び14,リアバンパー15等が取り付
けられて成る車体を備えた車両にあっては、そのサスペ
ンション装置に関連して、車輪を通じて車体本体部11
に伝達される路面の凹凸等に起因する振動を検出する振
動センサ55が設けられている。斯かる振動センサ55
は、図4に示される如く、車体本体部11に固定される
とともに、車体本体部11に取り付けられて車輪81を
車体本体部11に対して上下動可能に支持するサスペン
ション装置82におけるストラット部材83に、リンク
部材84を介して連結されている。それにより、振動セ
ンサ55には、車輪81を通じてストラット部材83が
受ける、サスペンション装置82を介して車体本体部1
1に伝達される路面の凹凸等に起因する振動が、リンク
部材84を通じて伝達されることになり、振動センサ5
5は、リンク部材84を通じて伝達される振動に応じた
変化を有するものとされる、車輪81を通じて車体本体
部11に伝達される路面の凹凸等に起因する振動をあら
わす検出出力信号を送出する。
【0023】さらに、車体本体部11における、例え
ば、キャビン形成部の前方部分を形成するダッシュパネ
ルの内側には、振動センサ55からの検出出力信号を受
け、それに基づいてドア部分剛性調整機構30,31,
32及び33とエンジンフッド部分剛性調整機構34及
び35とリアゲート部分剛性調整機構36及び37との
夫々における電磁プランジャを制御する回路構成部57
が配設されている。そして、振動センサ55,回路構成
部57、及び、ドア部分剛性調整機構30,31,32
及び33とエンジンフッド部分剛性調整機構34及び3
5とリアゲート部分剛性調整機構36及び37との夫々
における電磁プランジャは、例えば、図5に示される如
くの電気的接続がなされている。
【0024】図5に示される電気的接続のもとにあって
は、振動センサ55からの検出出力信号SBが、回路構
成部57に供給される。回路構成部57は、制御ブロッ
ク65及び駆動回路66を含んで構成されている。制御
ブロック65は、振動センサ55からの車輪81を通じ
て車体本体部11に伝達される路面の凹凸等に起因する
振動をあらわす検出出力信号SBに基づいて制御信号C
Pを形成し、それを駆動回路66に供給する。そして、
駆動回路66は、制御信号CPが供給されるとき、それ
に応じた駆動信号DPを形成して、それをドア部分剛性
調整機構30における電磁プランジャ40,ドア部分剛
性調整機構31,32及び33が夫々備える、ドア部分
剛性調整機構30の電磁プランジャ40に対応する電磁
プランジャ50,51及び52,エンジンフッド部分剛
性調整機構34における電磁プランジャ45,エンジン
フッド部分剛性調整機構35が備える、エンジンフッド
部分剛性調整機構34における電磁プランジャ45に対
応する電磁プランジャ53、及び、リアゲート部分剛性
調整機構36及び37が夫々備える、エンジンフッド部
分剛性調整機構34における電磁プランジャ45に対応
する電磁プランジャ67及び68の夫々に供給する。
【0025】ドア部分剛性調整機構30における電磁プ
ランジャ40は、駆動信号DPが供給されないとき、可
動部材40Aに後退位置をとらせて、ドア部分剛性調整
機構30が、左ドア3を、車体本体部11に設けられた
左キャビン開口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部
11を形成する左リアフェンダ21に対する拘束から解
放されたものとなす状態をとるようになし、また、駆動
信号DPが供給されるとき、可動部材40Aに前進位置
をとらせて、ドア部分剛性調整機構30が、左ドア3
を、車体本体部11に設けられた左キャビン開口部を閉
塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する左リア
フェンダ21に対して拘束されたものとなす状態をとる
ようになす。同様に、ドア部分剛性調整機構31におけ
る電磁プランジャ50は、駆動信号DPが供給されない
とき、その可動部材に後退位置をとらせて、ドア部分剛
性調整機構31が、左ドア3を、車体本体部11に設け
られた左キャビン開口部を閉塞する状態のもとに、車体
本体部11を形成する左リアフェンダ21に対する拘束
から解放されたものとなす状態をとるようになし、ま
た、駆動信号DPが供給されるとき、その可動部材に前
進位置をとらせて、ドア部分剛性調整機構31が、左ド
ア3を、車体本体部11に設けられた左キャビン開口部
を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する左
リアフェンダ21に対して拘束されたものとなす状態を
とるようになす。
【0026】そして、ドア部分剛性調整機構32におけ
る電磁プランジャ51及びドア部分剛性調整機構33に
おける電磁プランジャ52の夫々は、駆動信号DPが供
給されないとき、その可動部材に後退位置をとらせて、
ドア部分剛性調整機構32もしくは33が、右ドア4
を、車体本体部11に設けられた右キャビン開口部を閉
塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する右リア
フェンダ22に対する拘束から解放されたものとなす状
態をとるようになし、また、駆動信号DPが供給される
とき、その可動部材に前進位置をとらせて、ドア部分剛
性調整機構32もしくは33が、右ドア4を、車体本体
部11に設けられた右キャビン開口部を閉塞する状態の
もとに、車体本体部11を形成する右リアフェンダ22
に対して拘束されたものとなす状態をとるようになす。
【0027】また、エンジンフッド部分剛性調整機構3
4における電磁プランジャ45は、駆動信号DPが供給
されないとき、可動部材45Aに後退位置をとらせて、
エンジンフッド部分剛性調整機構34が、エンジンフッ
ド7を、車体本体部11に設けられたエンジンルーム開
口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形成す
る左フロントフェンダ13に対する拘束から解放された
ものとなす状態をとるようになし、また、駆動信号DP
が供給されるとき、可動部材45Aに前進位置をとらせ
て、エンジンフッド部分剛性調整機構34が、エンジン
フッド7を、車体本体部11に設けられたエンジンルー
ム開口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形
成する左フロントフェンダ13に対して拘束されたもの
となす状態をとるようになす。
【0028】そして、エンジンフッド部分剛性調整機構
35における電磁プランジャ53は、駆動信号DPが供
給されないとき、その可動部材に後退位置をとらせて、
エンジンフッド部分剛性調整機構35が、エンジンフッ
ド7を、車体本体部11に設けられたエンジンルーム開
口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形成す
る右フロントフェンダ14に対する拘束から解放された
ものとなす状態をとるようになし、また、駆動信号DP
が供給されるとき、その可動部材に前進位置をとらせ
て、エンジンフッド部分剛性調整機構35が、エンジン
フッド7を、車体本体部11に設けられたエンジンルー
ム開口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形
成する右フロントフェンダ14に対して拘束されたもの
となす状態をとるようになす。
【0029】さらに、リアゲート部分剛性調整機構36
における電磁プランジャ67は、駆動信号DPが供給さ
れないとき、その可動部材に後退位置をとらせて、リア
ゲート部分剛性調整機構36が、リアゲート9を、車体
本体部11に設けられたトランクスペース開口部を閉塞
する状態のもとに、車体本体部11を形成する左リアフ
ェンダ21に対する拘束から解放されたものとなす状態
をとるようになし、また、駆動信号DPが供給されると
き、その可動部材に前進位置をとらせて、リアゲート部
分剛性調整機構36が、リアゲート9を、車体本体部1
1に設けられたトランクスペース開口部を閉塞する状態
のもとに、車体本体部11を形成する左リアフェンダ2
1に対して拘束されたものとなす状態をとるようにな
す。
【0030】そして、リアゲート部分剛性調整機構37
における電磁プランジャ68は、駆動信号DPが供給さ
れないとき、その可動部材に後退位置をとらせて、リア
ゲート部分剛性調整機構37が、リアゲート9を、車体
本体部11に設けられたトランクスペース開口部を閉塞
する状態のもとに、車体本体部11を形成する右リアフ
ェンダ22に対する拘束から解放されたものとなす状態
をとるようになし、また、駆動信号DPが供給されると
き、その可動部材に前進位置をとらせて、リアゲート部
分剛性調整機構37が、リアゲート9を、車体本体部1
1に設けられたトランクスペース開口部を閉塞する状態
のもとに、車体本体部11を形成する右リアフェンダ2
2に対して拘束されたものとなす状態をとるようにな
す。
【0031】斯かるもとで、回路構成部57における制
御ブロック65は、振動センサ55からの検出出力信号
SBの変化に基づいて、車輪81を通じて車体本体部1
1に伝達される路面の凹凸等に起因する振動の周波数、
即ち、車体本体部11に対する路面からの入力振動周波
数fsを検出し、入力振動周波数fsが基準周波数fo
以下であるときには、駆動回路66に制御信号CPを送
出する。斯かる駆動回路66に対する制御信号CPの送
出は、入力振動周波数fsが基準周波数fo以下である
ことが検知されたときには、その後の、例えば、10秒
間とされる所定の期間、その間における検出出力信号S
Bに変化があってもその変化にかかわらず継続される。
従って、入力振動周波数fsが基準周波数fo以下であ
ることが検知される毎に、その後10秒間、駆動回路6
6からの駆動信号DPが、ドア部分剛性調整機構30,
31,32及び33における電磁プランジャ40,5
0,51及び52,エンジンフッド部分剛性調整機構3
4及び35における電磁プランジャ45及び53、及
び、リアゲート部分剛性調整機構36及び37における
電磁プランジャ67及び68の夫々に供給されることに
なる。また、制御ブロック65は、入力振動周波数fs
が基準周波数foを越えているときには、駆動回路66
に対する制御信号CPの送出を行わない。
【0032】斯かる際における基準周波数foは、ドア
部分剛性調整機構30〜33の夫々が左ドア3もしくは
右ドア4を、車体本体部11に設けられた左ドア開口部
もしくは右ドア開口部を閉塞する状態のもとに、車体本
体部11を形成する左リアフェンダ21もしくは右リア
フェンダ22に対する拘束から解放されたものとなす状
態をとり、エンジンフッド部分剛性調整機構34及び3
5の夫々が、エンジンフッド7を、車体本体部11に設
けられたエンジンルーム開口部を閉塞する状態のもと
に、車体本体部11を形成する左フロントフェンダ13
もしくは右フロントフェンダ14に対する拘束から解放
されたものとなす状態をとり、リアゲート部分剛性調整
機構36及び37の夫々が、リアゲート9を、車体本体
部11に設けられたトランクスペース開口部を閉塞する
状態のもとに、車体本体部11を形成する左リアフェン
ダ21もしくは右リアフェンダ22に対する拘束から解
放されたものとなす状態をとるもとにおける、左ドア
3,右ドア4,エンジンフッド7,リアゲート9等が組
み付けられ、さらに、フロントシュラウド12,左右フ
ロントフェンダ13及び14,リアバンパー15等が取
り付けられた車体本体部11、即ち、剛性が高められた
状態とされていない車体本体部11の共振周波数frよ
り若干高い周波数に選定される。
【0033】剛性が高められた状態とされていない車体
本体部11の振動特性は、例えば、横軸に振動周波数が
とられ、縦軸に振幅がとられてあらわされる図6におけ
る特性図に示される如くに、共振周波数frを略30H
zとするものとされる。従って、基準周波数foは、共
振周波数frである略30Hzより若干高い周波数、例
えば、35Hzに選定される。
【0034】このような制御ブロック65による制御の
もとでは、車体本体部11に対する路面からの入力振動
周波数fsが、例えば、35Hzに選定される基準周波
数fo以下であるときには、制御ブロック65から駆動
回路66に制御信号CPが送出され、それにより、駆動
回路66からドア部分剛性調整機構30,31,32及
び33における電磁プランジャ40,50,51及び5
2,エンジンフッド部分剛性調整機構34及び35にお
ける電磁プランジャ45及び53、及び、リアゲート部
分剛性調整機構36及び37における電磁プランジャ6
7及び68の夫々への駆動信号DPの供給がなされ、ド
ア部分剛性調整機構30及び31の夫々が、左ドア3
を、車体本体部11に設けられた左キャビン開口部を閉
塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する左リア
フェンダ21に対して拘束されたものとなす状態をとる
とともに、ドア部分剛性調整機構32及び33の夫々
が、右ドア4を、車体本体部11に設けられた右キャビ
ン開口部を閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形
成する右リアフェンダ22に対して拘束されたものとな
す状態をとり、また、エンジンフッド部分剛性調整機構
34及び35の夫々が、エンジンフッド7を、車体本体
部11に設けられたエンジンルーム開口部を閉塞する状
態のもとに、車体本体部11を形成する左フロントフェ
ンダ13もしくは右フロントフェンダ14に対して拘束
されたものとなす状態をとり、さらに、リアゲート部分
剛性調整機構36及び37の夫々が、リアゲート9を、
車体本体部11に設けられたトランクスペース開口部を
閉塞する状態のもとに、車体本体部11を形成する左リ
アフェンダ21もしくは右リアフェンダ22に対して拘
束されたものとなす状態をとる。一方、車体本体部11
に対する路面からの入力振動周波数fsが、例えば、3
5Hzに選定される基準周波数foを越えるときには、
制御ブロック65から駆動回路66に制御信号CPが送
出されず、それにより、駆動回路66からドア部分剛性
調整機構30,31,32及び33における電磁プラン
ジャ40,50,51及び52,エンジンフッド部分剛
性調整機構34及び35における電磁プランジャ45及
び53、及び、リアゲート部分剛性調整機構36及び3
7における電磁プランジャ67及び68の夫々への駆動
信号DPの供給は行われない。
【0035】その結果、車体本体部11に対する路面か
らの入力振動周波数fsが、例えば、35Hzに選定さ
れる基準周波数fo以下であるときには、車体本体部1
1における左ドア3を伴う部分,右ドア4を伴う部分,
エンジンフッド7を伴う部分、及び、リアゲート9を伴
う部分の夫々における剛性が高められ、左ドア3を伴う
部分及び右ドア4を伴う部分の夫々の剛性が高められる
ことによって、左ドア3,右ドア4,エンジンフッド7
及びリアゲート9を伴った車体本体部11の曲げ剛性が
効果的に高められることになり、また、エンジンフッド
7を伴う部分及びリアゲート9を伴う部分の夫々におけ
る剛性が高められることによって、左ドア3,右ドア
4,エンジンフッド7及びリアゲート9を伴った車体本
体部11のねじり剛性が効果的に高められることにな
る。そして、このようにして、曲げ剛性及びねじり剛性
が効果的に高められた状態とされた、左ドア3,右ドア
4,エンジンフッド7及びリアゲート9を伴う車体本体
部11は、その振動特性が、図3に示される如くのもの
から、例えば、横軸に振動周波数がとられ、縦軸に振幅
がとられてあらされる図7における特性図に示される如
くに、共振周波数frを略40Hzとするものに変化せ
しめられるものとされる。即ち、曲げ剛性及びねじり剛
性の向上に伴って、共振周波数frが、略30Hzから
略40Hzに高められるのである。従って、斯かる際に
は、35Hzに選定される基準周波数fo以下とされた
車体本体部11に対する路面からの入力振動周波数fs
は、左ドア3,右ドア4,エンジンフッド7及びリアゲ
ート9を伴った車体本体部11の共振周波数frに等し
い周波数もしくはその近傍の周波数とされることはな
く、それにより、車体本体部11が共振状態あるいはそ
れに近い状態におかれ、比較的大なる振幅をもった不快
な振動を生じることになる事態が回避される。
【0036】車体本体部11に対する路面からの入力振
動周波数fsが、例えば、35Hzに選定される基準周
波数foを越えているときには、車体本体部11におけ
る左ドア3を伴う部分,右ドア4を伴う部分,エンジン
フッド7を伴う部分、及び、リアゲート9を伴う部分の
夫々における剛性は高められず、従って、左ドア3,右
ドア4,エンジンフッド7及びリアゲート9を伴った車
体本体部11のねじり剛性に変化はもたらされない。そ
れゆえ、左ドア3,右ドア4,エンジンフッド7及びリ
アゲート9を伴った車体本体部11の共振周波数frは
略30Hzに維持され、35Hzに選定される基準周波
数foを越えている車体本体部11に対する路面からの
入力振動周波数fsは、斯かる共振周波数frに等しい
周波数もしくはその近傍の周波数とされることはなく、
それにより、車体本体部11が共振状態あるいはそれに
近い状態におかれ、比較的大なる振幅をもった不快な振
動を生じることになる事態が回避される。さらに、斯か
るもとでは、左ドア3,右ドア4,エンジンフッド7及
びリアゲート9を伴った車体本体部11の剛性の向上よ
り、車両の乗員にとっての良好な乗心地が優先される状
態とされて、車両の乗員にとっての乗心地が良好に維持
されることになる。
【0037】上述の如くの制御を行う制御ブロック65
は、例えば、マイクロコンピュータが用いられて構成さ
れ、その際における制御ブロック65を構成するマイク
ロコンピュータが、制御信号CPの送出制御にあたって
実行するプログラムの一例は、図8におけるフローチャ
ートにより示される如くのものとされる。
【0038】図8のフローチャートにより示されるプロ
グラムにおいては、スタート後、ステップ71におい
て、振動センサ55からの検出出力信号SBを取り込
み、続くステップ72において、車輪81を通じて車体
本体部11に伝達される路面の凹凸等に起因する振動を
あらわす検出出力信号SBの変化に基づき、車体本体部
11に対する路面からの入力振動周波数fsを検出す
る。そして、ステップ73において、ステップ72で検
出された入力振動周波数fsが35Hzを越えているか
否かを判断する。
【0039】ステップ73での判断の結果、入力振動周
波数fsが35Hz以下である場合には、ステップ74
において、タイマーの作動を開始させた後、ステップ7
5において、制御信号CPを駆動回路66に送出し、ス
テップ76に進む。ステップ76においては、タイマー
の計測値TTが10秒以上となったか否かを判断し、タ
イマーの計測値TTが10秒未満であれば、ステップ7
5に戻って制御信号CPの駆動回路66への送出を継続
した後、再び、ステップ76での判断を行い、また、タ
イマーの計測値TTが10秒以上となった場合には、ス
テップ77において、タイマーの作動を停止させた後、
ステップ71に戻る。
【0040】一方、ステップ73での判断の結果、入力
振動周波数fsが35Hzを越えている場合には、直接
にステップ71に戻る。
【0041】図9は、本発明に係る剛性可変車体の他の
例を備えた車両を示し、図9に示される車両において
は、車体本体部91の内部に、複数の補強パイプ部材9
2が連結されて構成された車体補強組立93が配されて
いる。複数の補強パイプ部材92は、夫々が、例えば、
鋼材等の金属材料で形成されており、また、それらのう
ちの幾つかは、剛性調整連結部94を有するものとされ
ている。
【0042】剛性調整連結部94においては、図10に
示される如く、補強パイプ部材92を形成する区分パイ
プ部材92A及び92Bの各々における相互対向端部
に、夫々、金属製キャップ部材95及び96が嵌合せし
められている。金属製キャップ部材95及び96は、金
属製キャップ部材95の先端部分に金属製キャップ部材
96が挿入されて、金属製キャップ部材95と金属製キ
ャップ部材96との間が絶縁部材97により密封された
ものとされており、絶縁部材97により密封された金属
製キャップ部材95と金属製キャップ部材96との間に
は、磁性流体、例えば、エレクトロ・レオロジカル流体
(ER流体)98が封入されている。ER流体98は、
それに対して所定の電界が作用しない状態においては、
比較的低い粘性を呈するが、それに対して所定の電界が
作用するもとでは、その電界に応じて粘性が高められる
性質を有している。従って、ER流体98が、それに対
して所定の電界が作用せず、比較的低い粘性を呈する状
態におかれるときに比して、ER流体98が、それに対
して所定の電界が作用して、比較的高い粘性を呈する状
態におかれるときの方が、剛性調整連結部94における
剛性が高くされ、それにより、ER流体98が比較的高
い粘性を呈する状態におかれるときには、補強パイプ部
材92全体の剛性が高められることになり、それに伴っ
て、車体本体部91の剛性が高められる。
【0043】そして、金属製キャップ部材95と金属製
キャップ部材96との間には、直流電圧VTを供給する
電圧源99とスイッチ100との直列回路が接続されて
おり、スイッチ100がオフ状態にされているもとで
は、電圧源99からの直流電圧VTが金属製キャップ部
材95と金属製キャップ部材96との間に印加されず、
スイッチ100がオン状態にされたとき、電圧源99か
らの直流電圧VTが金属製キャップ部材95と金属製キ
ャップ部材96との間に印加され、それにより、絶縁部
材97により密封された金属製キャップ部材95と金属
製キャップ部材96との間に封入されたER流体98
に、直流電圧VTに基づく電界が作用せしめられる。
【0044】図9に示される車両にも、図1に示される
車両に設けられている振動センサ55及び回路構成部5
7に対応するものとされた、振動センサ101及び回路
構成部102が設けられており、これら振動センサ10
1,回路構成部102、及び、剛性調整連結部94の夫
々におけるスイッチ100は、例えば、図11に示され
る如くの電気的接続がなされている。
【0045】図11に示される電気的接続のもとにあっ
ては、振動センサ101からの検出出力信号SB’が、
回路構成部102に供給される。回路構成部102は、
制御ブロック103及び駆動回路104を含んで構成さ
れている。制御ブロック103は、振動センサ101か
らの車輪を通じて車体本体部91に伝達される路面の凹
凸等に起因する振動をあらわす検出出力信号SB’に基
づいて制御信号CP’を形成し、それを駆動回路104
に供給する。そして、駆動回路104は、制御信号C
P’が供給されるとき、それに応じた駆動信号DP’を
形成して、それを複数の剛性調整連結部94の夫々にお
けるスイッチ100に供給する。
【0046】複数の剛性調整連結部94の夫々における
スイッチ100は、駆動信号DP’が供給されるときオ
ン状態をとるものとされ、それにより、各剛性調整連結
部94における金属製キャップ部材95と金属製キャッ
プ部材96との間に電圧源99からの直流電圧VTが印
加され、絶縁部材97により密封された金属製キャップ
部材95と金属製キャップ部材96との間に封入された
ER流体98に、直流電圧VTに基づく電界が作用せし
められて、ER流体98が比較的高い粘性を呈するもの
とされる。
【0047】制御ブロック103は、振動センサ101
からの検出出力信号SB’の変化に基づいて、車輪を通
じて車体本体部91に伝達される路面の凹凸等に起因す
る振動の周波数、即ち、車体本体部91に対する路面か
らの入力振動周波数を検出し、入力振動周波数が基準周
波数以下であるときには、駆動回路104に制御信号C
P’を送出する。斯かる駆動回路104に対する制御信
号CP’の送出は、入力振動周波数が基準周波数以下で
あることが検知されたときには、その後の、例えば、1
0秒間とされる所定の期間、その間における検出出力信
号SB’に変化があってもその変化にかかわらず継続さ
れる。従って、入力振動周波数が基準周波数以下である
ことが検知される毎に、その後10秒間、駆動回路10
4からの駆動信号DP’が、各剛性調整連結部94にお
けるスイッチ100に供給されることになる。また、制
御ブロック103は、入力振動周波数が基準周波数を越
えているときには、駆動回路104に対する制御信号C
P’の送出を行わない。
【0048】斯かる際における基準周波数は、各剛性調
整連結部94におけるスイッチ10がオフ状態におかれ
てER流体98が比較的低い粘性を呈する状態にあり、
補強パイプ部材92全体の剛性が高められていないもと
における車体本体部91,即ち、剛性が高められた状態
とされていない車体本体部91の共振周波数、例えば、
30Hzより若干高い周波数、例えば、35Hzに選定
される。
【0049】このような制御ブロック103による制御
のもとでは、車体本体部91に対する路面からの入力振
動周波数が、例えば、35Hzに選定される基準周波数
以下であるときには、制御ブロッ103から駆動回路1
04に制御信号CP’が送出され、それにより、駆動回
路104から各剛性調整連結部94おけるスイッチ10
0への駆動信号DP’の供給がなされ、各剛性調整連結
部94が剛性が高められた状態をとる。一方、車体本体
部91に対する路面からの入力振動周波数が、例えば、
35Hzに選定される基準周波数を越えるときには、制
御ブロック103から駆動回路104に制御信号CP’
が送出されず、それにより、駆動回路104から各剛性
調整連結部94への駆動信号DP’の供給は行われな
い。
【0050】その結果、車体本体部91に対する路面か
らの入力振動周波数が、例えば、35Hzに選定される
基準周波数以下であるときには、剛性調整連結部94を
有した補強パイプ部材92の剛性が高められ、それによ
って、左右ドア,エンジンフッド及びリアゲート等を伴
った車体本体部91の曲げ剛性及びねじり剛性が効果的
に高められる。このようにして、曲げ剛性及びねじり剛
性が効果的に高められた状態とされた、左右ドア,エン
ジンフッド及びリアゲート等を伴った車体本体部91
は、曲げ剛性及びねじり剛性の向上に伴って、共振周波
数が、例えば、略30Hzから略40Hzに高められ
る。従って、斯かる際には、35Hzに選定される基準
周波数以下とされた車体本体部91に対する路面からの
入力振動周波数は、左右ドア,エンジンフッド及びリア
ゲートを伴った車体本体部91の共振周波数に等しい周
波数もしくはその近傍の周波数とされることはなく、そ
れにより、車体本体部91が共振状態あるいはそれに近
い状態におかれ、比較的大なる振幅をもった不快な振動
を生じることになる事態が回避される。
【0051】車体本体部91に対する路面からの入力振
動周波数が、例えば、35Hzに選定される基準周波数
を越えているときには、剛性調整連結部94を有した補
強パイプ部材92の剛性は高められず、従って、左右ド
ア,エンジンフッド及びリアゲート等を伴った車体本体
部91の剛性に変化はもたらされない。それゆえ、左右
ドア,エンジンフッド及びリアゲート等を伴った車体本
体部91の共振周波数は略30Hzに維持され、35H
zに選定される基準周波数を越えている車体本体部91
に対する路面からの入力振動周波数は、斯かる共振周波
数に等しい周波数もしくはその近傍の周波数とされるこ
とはなく、それにより、車体本体部91が共振状態ある
いはそれに近い状態におかれ、比較的大なる振幅をもっ
た不快な振動を生じることになる事態が回避される。さ
らに、斯かるもとでは、左右ドア,エンジンフッド及び
リアゲート等を伴った車体本体部91の剛性の向上よ
り、車両の乗員にとっての良好な乗心地が優先される状
態とされて、車両の乗員にとっての乗心地が良好に維持
されることになる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係る剛性可変車体にあっては、車体本体部に対する路面
からの入力振動周波数が検出されるようになされ、検出
された入力振動周波数が、例えば、剛性調整手段が可動
部を伴った車体本体部の曲げ剛性及びねじり剛性を高め
る状態にないもとでの共振周波数より若干高い周波数に
選定される所定の値以下であるときには、剛性調整手段
が可動部を伴った車体本体部の曲げ剛性及びねじり剛性
を高めるべく作動せしめられるので、車体本体部に対す
る路面からの入力振動周波数が、所定の値以下であって
共振周波数に等しい周波数もしくはその近傍の周波数と
なる虞がある状態においては、可動部を伴った車体本体
部の曲げ剛性及びねじり剛性が高められることに伴っ
て、共振周波数が高周波数域側に移行せしめられ、それ
により、可動部を伴った車体本体部が、路面からの入力
振動周波数が共振周波数に等しい周波数もしくはその近
傍の周波数とされて共振状態あるいはそれに近い状態に
おかれ、比較的大なる振幅をもった不快な振動を生じる
ことになる事態が回避されることになる。
【0053】また、検出された入力振動周波数が所定の
値を越えるものであるときには、可動部を伴った車体本
体部の剛性が高められることなく、車両が車体の剛性が
高いことより乗員にとっての乗心地が良いことが優先す
る走行状態におかれるもとで、乗員にとっての良好な乗
心地の確保に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る剛性可変車体の一例が備えられた
車両を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る剛性可変車体の一例におけるドア
部分剛性調整機構を示す断面図である。
【図3】本発明に係る剛性可変車体の一例におけるエン
ジンフッド部分剛性調整機構を示す断面図である。
【図4】本発明に係る剛性可変車体の一例における振動
センサの説明に供される構成図である。
【図5】本発明に係る剛性可変車体の一例におけるドア
部分剛性調整機構,エンジンフッド部分剛性調整機構及
びリアゲート部分剛性調整機構についての制御系を示す
ブロック接続図である。
【図6】本発明に係る剛性可変車体の一例における共振
特性の説明に供される特性図である。
【図7】本発明に係る剛性可変車体の一例における共振
特性の説明に供される特性図である。
【図8】本発明に係る剛性可変車体の一例における制御
ブロックを構成するマイクロコンピュータが制御動作に
あたって実行するプログラムの一例を示すフローチャー
トである。
【図9】本発明に係る剛性可変車体の他の例が備えられ
た車両を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る剛性可変車体の他の例における
剛性調整連結部を示す断面図である。
【図11】本発明に係る剛性可変車体の他の例における
剛性調整連結部についての制御系を示すブロック接続図
である。
【符号の説明】
3 左ドア 4 右ドア 7 エンジンフッド 9 リアゲート 11 車体本体部 13 左フロントフェンダ 14 右フロントフェンダ 21 左リアフェンダ 22 右リアフェンダ 30 ドア部分剛性調整機構 31 ドア部分剛性調整機構 32 ドア部分剛性調整機構 33 ドア部分剛性調整機構 34 エンジンフッド部分剛性調整機構 35 エンジンフッド部分剛性調整機構 36 リアゲート部分剛性調整機構 37 リアゲート部分剛性調整機構 40 電磁プランジャ 41 係合部 45 電磁プランジャ 47 係合部 50 電磁プランジャ 51 電磁プランジャ 52 電磁プランジャ 53 電磁プランジャ 55 振動センサ 57 回路構成部 65 制御ブロック 66 駆動回路 67 電磁プランジャ 68 電磁プランジャ 81 車輪 82 サスペンション装置 91 車体本体部 92 補強パイプ部材 94 剛性調整連結部 100 スイッチ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】開口部が設けられるとともに該開口部を開
    閉すべく取り付けられた可動部を伴った車体本体部の曲
    げ剛性及びねじり剛性を変化させる剛性調整手段と、上
    記車体本体部に対する路面からの入力振動周波数を検出
    する検出手段と、該検出手段により検出された上記入力
    振動周波数が所定の値以下であるとき、上記剛性調整手
    段に上記可動部を伴った車体本体部の曲げ剛性及びねじ
    り剛性を高める状態をとらせる動作制御手段と、を備え
    て構成される剛性可変車体。
JP15329891A 1991-06-25 1991-06-25 剛性可変車体 Pending JPH05682A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62132038U (ja) * 1986-02-07 1987-08-20
JP2007513824A (ja) * 2003-12-11 2007-05-31 フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. 衝突時の車両ドアに対するエネルギーの衝撃から搭乗者を保護するための自動車用装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62132038U (ja) * 1986-02-07 1987-08-20
JP2007513824A (ja) * 2003-12-11 2007-05-31 フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. 衝突時の車両ドアに対するエネルギーの衝撃から搭乗者を保護するための自動車用装置

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