JPH0564371U - 引出しのための閉鎖装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引出しのための閉鎖装置を、プラスチックか
ら成るガイドケーシングにおいて、良好な安定したガイ
ド、及び後方位置での傾倒セグメントのための良好な保
持が達成されるように改良する。 【構成】 引出しのそれぞれの側面に、引出しに固定さ
れた引出しレール１２と、家具本体に固定された支持レ
ール１１とが設けられており、家具本体側に支承され、
ばね作用下にあるプレート状の傾倒セグメントのための
ガイド溝を備えたガイドケーシングを有している、引出
しのための閉鎖装置において、傾倒セグメント３が、側
方へ突出する２つの安定ピン１７，１８を有しており、
該安定ピンが、傾倒セグメントの端部位置で、ガイドケ
ーシング２の、ガイド溝４とは反対の側においてガイド
ケーシング２の支持面に上方から係合している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、引出しのそれぞれの側面に、該引出しに固定された引出しレールと 、家具本体に固定された支持レールとが設けられており、前記の両レールに、あ るいは両レールの間に負荷を伝達する走行ローラ又は類似のものが支承されてお り、さらに引出しの少なくとも一方側に閉鎖装置が設けられており、該閉鎖装置 が家具本体側に支承され、ばね作用下にあるプレート状の傾倒セグメントのため のガイド溝を備えたガイドケーシングを有しており、前記傾倒セグメントが、ガ イドピンによってガイド溝内で引出しの引出し方向で摺動可能でありかつ引出し 側の連行ピンと連結可能であり、さらに傾倒セグメントが、戻り連行防止装置を 有していて、かつ組立て面、例えば支持レールに向かう側におけるガイドケーシ ングに配置され、かつ被われてガイドされており、しかしこのガイドケーシング から側方へ突出している形式の引出しのための閉鎖装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近の引出しは引出しガイド装置を備えており、この引出しガイド装置は、引 出しの両側における家具本体側の支持レールと引出し側の引出しレールとから成 っており、この引出しガイド装置は引出しの移動運動をできるだけ簡単にしよう とする。引出し側の引出しレールと家具本体側の支持レールとの間の負荷伝達の ために、走行ローラ、球又は滑り部材を設けることもでき、これらの部材に応じ て、引出しにおける走行静止及び負荷に関連する要求が示される。

【０００３】 閉じられた引出しは、殆どの場合、後方端部位置に、すなわち家具本体内に完 全には引き込まれず、引出しの前面壁が家具本体から突出していることがはっき りした。この結果、誰かが引出しにぶつかり、このことにより人が負傷したり、 引出しが損傷することになる。 引出しの前面壁が家具両面から突出することは、引出しが単に不注意に、かつ 完全に家具本体内に引き込まれなかったことの結果である。しかし、引出しが家 具本体内で多くの振動によって衝突する場合にも、引出しは、過剰のエネルギに よって再び前方へ滑り落ちてしまう。

【０００４】 英国特許第１１１７０７１号明細書により、引出しのための締め装置が公知で あり、この公知の締め装置においては、２つの端部位置の間で運動可能な傾倒部 材が設けられている。この傾倒部材はコイルばねによって負荷され、かつこのば ねによって死点を超えた後にそれぞれの端部位置に圧着される。傾倒部材は、家 具本体の一方の側壁に固定されている。引出しは側壁に連行ピンを有しており、 この連行ピン引出しの走行距離の端部範囲で傾倒部材の刻み目内に入れられる。 続いて連行ピンが傾倒部材を死点位置の上方に押圧し、その後で傾倒部材は連行 ピンひいては引出しから後方へ引張られる。

【０００５】 ヨーロッパ特許公開第０３９１２２１号明細書により、引出しのための閉鎖装 置が公知であり、この公知の閉鎖装置において、引張りばねによって負荷される 傾倒セグメントは、次に前方の錠止位置に傾倒するために、ガイド溝内で引出し 方向で直線的に運動される。このことによって引出しは閉鎖装置によって長い距 離を連行される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、プラスチックから成るガイドケーシングにおいて、良好な安 定したガイド、及び後方位置での傾倒セグメントのための良好な保持が達成され るように、冒頭で述べた形式の閉鎖装置を改良することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前述の課題を解決するために講じた本考案の手段は、傾倒セグメントが、側方 へ突出する少なくとも１つの安定ピン又は類似のものを有しており、該安定ピン が、傾倒セグメントの少なくとも一方の端部位置で、ガイドケーシングの、傾倒 セグメントとは反対の側においてガイドケーシングの支持面に上方から係合して いることにある。

【０００８】 有利には、傾倒セグメントに、両安定ピン又は一方の安定ピンのそばに、ばね 弾性的な舌片が形成されており、該舌片が引出しの押し込み方向で連行ピンによ って倒され、しかし引出し方向でこの連行ピンにひっかかり、傾倒セグメントが 連行ピンによって前方の端部位置まで一緒に運動されるようになっている。

【０００９】

【考案の効果】

引出された引出しにおいて、引張りばねによって不本意に傾倒セグメントがそ の後方位置に引張られた場合に、傾倒セグメントは再び、引出しの１回の閉鎖及 び引出しによって前方の錠止位置にもたらされることができる。この場合、閉鎖 装置は完全に機能したままである。

【００１０】 本考案の別の構成により、傾倒セグメントに引張りばねが偏心的に係合してお り、該引張りばねが、ガイド溝に対して平行に延びる、ガイドケーシングにおけ る通路内で直線的に案内され、かつ被われて受容されている。このことによって 傾倒セグメントに及ぼされるばね力は極めて均一である。このことにより、衝撃 的な力は及ぼされず、かつ死点を超える必要もない。

【００１１】

【実施例】

引出しのそれぞれの側面には、家具本体側壁１０に固定された支持レール１１ と、引出しに固定された引出しレール１２とが設けられている。引出しレール１ ２と支持レール１１との間に、図面には示されない走行キャリッジが設けられて おり、この走行キャリッジには負荷を伝達する走行ローラが支承されている。

【００１２】 少なくとも一方の支持レール１１には閉鎖装置１が組み込まれている。 閉鎖装置１の主な部材は、ガイドケーシング２、傾倒セグメント３、ガイド軌 道４及びコイルばねとして構成される引張りばね６である。ガイド軌道４は溝に よって構成されており、このガイド溝はガイドケーシング２に形成されている。 連行ピン５は、引出しガイド装置の引出し側の引出しレール１２に直接配置され ている。 傾倒セグメント３は、２つのピン８によってガイド軌道４内で案内されている。 ガイド軌道４は、後方の長い直線区分４’と、前方の湾曲区分４”とを有してい る。ばね６の後方端部が、ガイドケーシング２のピン１３に懸架されている。

【００１３】 押し込まれた引出しにおいては、傾倒セグメント３は図３及び図９において記 号Ｅで示された位置にあり、かつ連行ピンが傾倒セグメント３の上方へ開くスリ ット９内に突入する。さらにスリット９は、２つの基部１４によって制限されて いる。 引出しが開かれると、傾倒セグメント３はガイド軌道４の直線区分４’に沿っ て、ガイド軌道４の湾曲区分４”に達するまで矢印Ａの方向で運動される。ここ で、傾倒セグメント３は、図９に示すように前方へ傾倒され、かつ連行ピン５は 傾倒セグメント３から離れて運動される。両方のピン８によって与えられるガイ ド及び区分４”の湾曲の寸法によって、傾倒セグメント３は、引出しが引出され た場合にその前方位置に錠止されており、すなはちばね６によって自動的に戻さ れない。

【００１４】 引出しを押し込む場合、引出しは押し込み距離の前方部分にわたって、連行ピ ン５が再び傾倒セグメント３のスリット９に係合するまで自由に運動される。連 行ピン５の押し込み力によって、傾倒セグメント３は押し戻される。傾倒セグメ ント３が、ガイド軌道４の湾曲区分４”から出るように運動されて直線区分４’ 内に来ると直ちに、ばね６が作用する。すなわち最初は傾倒セグメント３が引出 しの運動によって運動されるのに対して、今やばね６のばね力を傾倒セグメント ３及び連行ピン５を介して引出しに伝達することができ、つまりばね６が傾倒セ グメント３によって引出しを家具本体に引き込む。このような形式で、あまり入 念に押し込まない引出しも完全に家具本体内に引き込まれ、かつ引出し前面壁の 突出が避けられる。

【００１５】 閉鎖装置１ひいてはガイドケーシング２は支持レール１１の下方の水平ウェブ １１’に組み込まれている。ガイド軌道４はガイドケーシング２の下側に設けら れており、かつ傾倒セグメント３は、ガイドケーシング２の下側に配置されてお り、すなわち傾倒セグメントはガイドケーシング２と支持レール１１の水平ウェ ブ１１’との間に設けられている。

【００１６】 ガイド軌道４に対して平行に、しかしさらに後方へ突出して、引張りばね６を 受容する通路１５が形成されている。ガイドケーシング２によって完全に被われ る引張りばね６は、単に伸ばされて、続いて引出しの押し込み運動の際に再び収 縮される。引張りばねは傾倒運動しない。 傾倒セグメント３は大部分がガイドケーシング２によって被われる。小さな部 分のみが、ガイド軌道４のそばで側方へガイドケーシング２から突出している。

【００１７】 ガイドケーシング２は３つの固定個所１６を有しており、該固定個所は有利に は互いにすくなくともほぼ同じ間隔で設けられている。このような形式で、比較 的薄いプラスチックから成るガイドケーシング２によって、必要な剛性を達成す ることができる。 傾倒セグメント３の少なくとも両方の端部位置へのガイドもしくは保持を改良 するために、本発明によれば傾倒セグメントが側方へ突出する２つの安定ピン１ ７，１８を有している、安定ピン１７，１８は、ガイドケーシング２の上方に係 合する。さらに、ガイドケーシング２においてガイド軌道４のそばに突起１９が 形成されており、この突起は、後方の端部位置で安定ピン１８によって上方から 係合される。

【００１８】 安定ピン１８のそばに、傾倒セグメント３にはばね弾性的な舌片２０が設けら れている。開かれた引出しにおいて、傾倒セグメント３がばねによって不本意に その前方保持部から後方の端部位置Ｅに引っ張られた場合に、前記の舌片２０は 、引出しが閉じられる時に、引出しレール１２における連行ピン５によって倒さ れる。引出しが再び開かれると、連行ピン５が傾倒セグメント３を前方の端部位 置に連行し、続いてこれを外す。引出しを次に引き出す際に、傾倒セグメント３ は再び完全に機能されて、連行ピン５をスリット９内に収容する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 閉鎖装置の配置を示す、引出しと家具側壁と
の概略的部分断面図である。

【図２】 ガイドケーシングと傾倒セグメントの斜視図
である。

【図３】 傾倒セグメントを両端部位置で示す、ガイド
ケーシングの下面図である。

【図４】 支持レールと、引出しレールと、閉鎖装置の
斜視図である。

【図５】 組み立てる際の、支持レール及び本発明によ
る閉鎖装置の側面図である。

【図６】 傾倒セグメントの平面図である。

【図７】 傾倒セグメントを図６の矢印Ａの方向で見た
側面図である。

【図８】 傾倒セグメントを図６の矢印Ｂの方向で見た
端面図である。

【図９】 傾倒セグメント及び連行ピンを有するガイド
ケーシングの概略図である。

【符号の説明】

１ 閉鎖装置 ２ ガイドケーシング ３ 傾倒セグメント ４ ガイド軌道 ４' 直線区分 ４'' 湾曲区分 ５ 連行ピン ６ 引張りばね ８、１３ ピン ９ スリット １０ 家具本体側壁 １１ 支持レール １１' 水平ウェブ １２ 引出しレール １４ 基部 １５ 通路 １６ 固定個所 １７、１８ 安定ピン １９ 突起 ２０ 舌片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ヘルムート・ホッレンシュタイン オーストリア国 アー6890 ルステナウ、 ビルトガッゼ ６

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 引出しのそれぞれの側面に、該引出しに
   固定された引出しレールと、家具本体に固定された支持
   レールとが設けられており、前記の両レールに、あるい
   は両レールの間に負荷を伝達する走行ローラ又は類似の
   ものが支承されており、さらに引出しの少なくとも一方
   側に閉鎖装置が設けられており、該閉鎖装置が家具本体
   側に支承され、ばね作用下にあるプレート状の傾倒セグ
   メントのためのガイド溝を備えたガイドケーシングを有
   しており、前記傾倒セグメントが、ガイドピンによって
   ガイド溝内で引出しの引出し方向で摺動可能でありかつ
   引出し側の連行ピンと連結可能であり、さらに傾倒セグ
   メントが、戻り連行防止装置を有していて、かつ組立て
   面に向かう側におけるガイドケーシングに配置され、か
   つ被われてガイドされており、しかしこのガイドケーシ
   ングから側方へ突出している形式の引出しのための閉鎖
   装置において、前記傾倒セグメント（３）が、側方へ突
   出する少なくとも１つの安定ピン（１７，１８）又は類
   似のものを有しており、該安定ピンが、傾倒セグメント
   の少なくとも一方の端部位置で、ガイドケーシング
   （２）の、傾倒セグメント（３）とは反対の側において
   ガイドケーシング（２）の支持面に上方から係合してい
   ることを特徴とする引出しのための閉鎖装置。
2. 【請求項２】 傾倒セグメント（３）が、２つの安定ピ
   ン（１７，１８）を有している請求項１記載の閉鎖装
   置。
3. 【請求項３】 安定ピン（１７，１８）が互いにほぼ直
   角に位置している請求項２記載の閉鎖装置。
4. 【請求項４】 傾倒セグメント（３）に、両安定ピン
   （１７，１８）又は一方の安定ピン（１８）のそばに、
   ばね弾性的な舌片（２０）が形成されており、該舌片が
   引出しの押し込み方向で連行ピン（５）によって倒さ
   れ、しかし引出し方向でこの連行ピンにひっかかり、傾
   倒セグメント（３）が連行ピン（５）によって前方の端
   部位置（０）まで一緒に運動されるようになっており、
   さらにばね弾性的な舌片（２０）が、傾倒セグメント
   （３）の平面の向きに対して垂直な平面内にある請求項
   １から３までのいずれか１記載の閉鎖装置。
5. 【請求項５】 ガイドケーシング（２）に側方の突起
   （１９）が形成されており、該突起に安定ピン（１８）
   が上方から係合するようになっている請求項１から３ま
   でのいずれか１記載の閉鎖装置。
6. 【請求項６】 傾倒セグメント（３）に引張りばね
   （６）が偏心的に係合しており、該引張りばねが、ガイ
   ド溝（４）に対して平行に延びる、ガイドケーシング
   （２）における通路（１５）内で直線的に案内され、か
   つ被われて受容されている請求項１から５までのいずれ
   か１記載の閉鎖装置。
7. 【請求項７】 縦に長いガイドケーシング（２）が互い
   に少なくともほぼ同じ間隔で設けられた３つの固定個所
   （１６）を有している請求項６記載の閉鎖装置。