JP5529397B2 - 引出しアセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、引出し及び家具内に引出しを摺動可能に開閉するためのガイドレール・システムを具備する引出しアセンブリに関する。特に、本発明は、引出しの運動を安定化させ且つ引出しの長手方向に直角な横方向へのティルティングまたはスキューイングを防止するためのスタビライザー装置を具備する引出しアセンブリに関する。

典型的な引出しアセンブリは、一般的に、摺動ガイドレール・システム並びに該アセンブリの摺動運動の間中に引出しを支持するための支持手段を具備する引出しを備えている。”完全な延長(full-extension)”又は”単一の延長(single-extension)”タイプの摺動ガイドレール・システムの何れかには、通常、引出しが完全又は部分的に摺動して開閉するかの何れかのために設けられている。”完全な延長(full-extension)”タイプのガイドレール・システムは、通常、アセンブリを家具に固定するための装着ブラケット、ブラケット上に装着された固定レール、引出しの側部に取り付けられた引抜きレール、及び、好ましくは、前記固定レール及び前記引抜きレールの間にある中間レールから成る。”単一の延長(single-extension)”レール・システムでは、中間レールは設けられておらず、引抜きレールが装着ブラケットの走行面（固定レール）上で直に摺動可能である。

上述の引出しアセンブリと共に使用する引出しは、過度／不均一な積載及び引出しの底面パネルの長さの予め設定された寸法における変動、及び製造時又は組立時の精度の悪さによる、家具の寸法及び／又は摺動ガイドレール・システム構成要素の寸法のような多様な理由のために長手方向に直角な横方向に傾斜又は斜めになりやすい。引出しの長手方向に直角な横方向への傾斜又は斜めになりやすさはいずれも、その摺動運動の円滑さ及び安定性に影響を及ぼす。このように、引出しが円滑且つ安定して家具内に摺動し得ること及び家具から摺動し得るように、スタビライザーを引出しアセンブリに設けることは望ましいであろう。

こうしたスタビライザー装置を具備する既存の引出しアセンブリは特許文献１に開示されている。既存のスラビライザー装置は引出し支持ブラケット、の引出しアセンブリの一側に設けられており、ガイド、レバー、脚及びホルダーを備えている。

ガイドは、フランジの両側に配置された１対の脚を具備する水平なフランジを備えている。中央に位置する突出部は水平なフランジから下向きに突出する。突出部は支持ブラケットの頂面にあるスロット内に係合可能であり、そして、脚は支持ブラケットの側部開口内に挿入可能である。突出部は、支持ブラケットのスロットを通じて、引抜きレールの凹所内に固定される。刻み部分はガイドの水平なフランジの底面に設けられている。ガイドが支持ブラケット上に装着されるとき、ガイドの刻み部分は支持ブラケットの頂面の対応する刻み部分と接触可能である。

レバーは、第１の長手方向端部における１対の外向きに段のある平面延長部を具備する逆Ｕ字形状をしたブラケットである。レバーには、中央に位置する穴、並びに第２の長手方向反歩に向けて配置された更なる穴も設けられている。レバーは、支持ブラケットの頂面上に固定されたホルダー上に支持されている。ホルダーは垂直フランジ及び水平フランジを具備し、垂直フランジはレバーの凹所内に挿入可能である。ホルダーの垂直フランジには穴が設けられており、レバーはホルダー及び中央のレバー穴の両方を通じてネジ又はリベットによって該ホルダー上に回動可能に保持されている。

スタビライザーの脚部分はレバーの凹所内に嵌るように適切に寸法づけられる。脚部分は、脚の第１の端部に設けられた穴を通じて固定手段によってレバー錠に回転可能に装着され、前記穴は、レバーの第２の長手方向の端部に配置されたレバーの穴に対応する。ネジ回しスロットが脚の第２の端部に設けられており、スタビライザーが組み立てられた状態にあり且つ使用時にあるときに、第２の端部は支持ブラケットの頂面に着座した状態にある。脚部分は、ネジ回しをスロット内に挿入してそれを回転させることによって、解放位置から錠止位置まで回転し得る。脚部分を錠止位置まで回転させることは、レバーの第２の端部をして、脚に連結させ、持ち上げさせ、かくして、延長部を具備するレバーの第１の端部をガイド上に押し下げさせる。ガイドの刻みのある部分と支持ブラケットの間の相互作用と組み合わされたガイド上へのレバー延長部からの下向きの圧力はガイドをそこに錠止させる。最終的に、脚を解放位置まで他の方向に回転させることは、脚に連結されたレバーの第２の端部をして下降させ、こうして、支持ブラケットからガイドを解放する。

従来のスタビライザー装置の１つの不利点は、支持ブランケット上にその位置を固定するために手動でガイドを錠止する必要があることである。延長部を具備する、レバーの第１の端部は、ガイドの突出部が引抜きレールの凹所内に係合した後に、ガイド上に押し下げられるように付勢される。延長部を具備するレバーの第１の反歩が脚の回転によって下向きに付勢されない場合に、レバーの延長部とガイドとの間に間隙が存在する。このように、使用者が脚を錠止位置まで回転させることを忘れた場合、レバーの延長部はガイドと接触可能にはならない。ガイド又は支持ブラケットの刻みのある面上に力又は圧力が働かず、かくして、これらの面はガイドを支持ブラケット上で長手方向に直角な横方向に運動しないように錠止する。

さらに、支持ブラケット上へのガイドの錠止を向上させるガイド及び支持ブランケットの刻み面は錠止後のガイドの長手方向に直角な横方向への僅かな調節を可能にしない。こうした僅かな調節は摺動ガイドレール・システム構成要素の組立時又は製造時における精度不良により必要であることが判明している。家具の側壁が互いに対して平行でないときに、引抜きレールの摺動運動はガイドレール・システムが家具壁に固定されるにつれて影響を受ける。引抜きレールの摺動運動がガイドによって案内されるから、ガイドの位置がこうした変動に適合するように僅かに動くことが出来ない場合、引出しは円滑に開閉することができない。
マレーシア特許出願第２００３１８９７号（国際出願第２００４／１０３１１９号パンフレット）

本発明は、従って、従来技術の問題の幾つか又は全てを軽減し、円滑且つ安定した摺動運動を与えながらも、使用するに好都合なスタビライザー装置を具備する引出しアセンブリを提供することを目的としている。

本発明の態様によれば、引出し及び前記引出しを家具内で摺動可能に開閉するための摺動ガイドレール・システムを備える引出しアセンブリが提供される。前記引出しを支持するための支持ブラケットが引出しの両側に設けられている。この摺動ガイドレール・システムは支持ブラケットの各々内に配置された引抜きレールを含んでいる。支持ブラケットの１つはスロットを具備し、このブラケット内に配置された引抜きレールは凹所を具備する。引出しアセンブリは、引出しの摺動運動を安定化させるためのスタビライザーをも備えている。スタビライザー装置は案内ブラケット及びレバーを含んでいる。案内ブラケットは支持ブラケットのスロット内で係合可能な突出部を具備し、スロットは案内ブラケットの突出部に対して過大寸法にされ、これにより、突出部はスロット内で長手方向に直角な横方向に移動可能である。案内ブラケットの突出部は支持ブラケットのスロットを通じて引抜きレールの凹所内に固定され、これにより、スロット内の突出部の直角な横方向の運動は支持ブラケットの１つの対する引抜きレールの位置を調整する。スタビライザー装置は、レバーを案内ブラケットに作動連結させる弾発性コネクターを更に含み、これにより、レバーは支持ブラケット上に案内ブラケットを錠止すべく偏倚される。案内ブラケットは、該案内ブラケットが支持ブラケット上に錠止されるときに、案内ブラケットの突出部が支持ブラケットのスロット内で長手方向に直角な横方向に調節可能にする弾発性グリップ部分を具備する。

本発明の実施形態では、スタビライザー装置はレバーを支持するために、支持ブラケット上に固着されるホルダー・ブラケットを更に備えている。

別の実施形態では、コネクターは水平部分及び或る角度で曲げられた部分を備えており、水平部分はホルダー・ブラケット上に固着され、或る角度で曲げられた部分はレバーの端部上にクリップ留めするように構成され、これにより、一定の上向きの力がこの端部においてレバーに働く。コネクターの或る角度で曲げられた部分は１対の延長部に終端する。

更なる実施形態によれば、案内ブラケットのグリップ部分は案内ブラケットに配置された弾発性材料部片を備えており、これにより、支持ブラケットの頂面と接触可能になっている。弾発性材料はゴム材料とし得る。

更なる実施形態では、グリップ部分は案内ブラケットと一体になし得る。

更に別の実施形態では、支持ブラケットは、１対のエッジ開口を更に備え、各エッジ開口は支持ブラケットの頂面の側に配置されている。案内ブラケットは１対の脚を更に備え、案内ブラケットの脚の各々はそれぞれの支持ブラケットのエッジ開口内に挿入可能であり、これにより、各脚は引抜きレールと支持ブラケットとの間に配置される。

別の実施形態によれば、コネクターは、ばね鋼製である。

コネクターの弾発性は、案内ブラケットを支持ブラケット上に錠止すべくレバーを偏倚可能にする。レバーがホルダー・ブラケットに固定され、コネクターによってクリップ留めされるやいなや、一定の上向きの力がレバーのクリップ留めした端部にコネクターによって働く。これは、レバーの他方の端部が案内ブラケットを担持すべく上向きに付勢されて、案内ブラケットをそこに錠止する。従って、支持ブラケットへの案内ブラケットの手動錠止は必要ない。

グリップ部分の弾発性は、案内ブラケットがレバーによって支持ブラケット上に既に錠止されているときでさえ、案内ブラケットの長手方向に直角な横方向の調節を可能にする。引抜きレールの摺動運動が案内ブラケットによって案内されるときに、案内ブラケットの位置が長手方向に直角な横方向に調節可能であり、これにより、アセンブリ構成要素の寸法に不精密さ又は変動が存在する場合でさえ引出しの円滑な開閉を保証する。

さらにまた、グリップ部分の弾発性能力が通常の損耗による経時変化したとしても、案内ブラケットを手動で錠止する必要がないという利点は、弾発性コネクターと比較されるように、残ったままである。

本発明の引出しアセンブリの上述した利点は、従って、円滑且つ安定した引出し摺動運動を供しながらも使用するのに好都合なスタビライザー装置を具備する引出しアセンブリを供する。

本発明を、添付図面を参照してなされた以下の詳細な実施形態によって説明するが、これは限定的なものではない。

図１は引出しアセンブリを示し、この引出しアセンブリは、前面パネル１、後面パネル（図示せず）、底面パネル３、並びに引出しアセンブリの両側部にあり、前面パネル１と後面パネルとの間に延在する引出し側部４を備える。引出しアセンブリの底面パネル３、前面パネル１、及び後面パネルは慣用の態様で引出し側部４に結合されている。図２に示すように、引出しアセンブリに使用される引出し側部４は、通常、支持ブラケット６０ａ、６０ｂ上に嵌合するカバー部分５０を備えた、”２重壁(double-walled)”タイプから構成されている。カバー部分５０及び支持ブラケット６０ａ、６０ｂは金属で作られていることが好ましい。引出しアセンブリを摺動可能に開閉するガイドレール・システムは、これらの支持ブラケット６０ａ、６０ｂ内に配置されている。

通常、スライディング・ガイドレール・システムは、支持ブラケット６０ａ、６０ｂから構成される開放したＣ字セクション内に挿入可能な引抜きレール７０ａ、７０ｂを含んでいる。図８Ａ及び図８Ｂに示されているような、典型的な”完全伸長(full-extension)”スライディング・ガイドレール・システムは、通常、システムを家具の物品に固定するための装着ブラケットと、中間レール１０を受容するための装着ブラケットに装着された固定ガイドであって、中間レール１０が固定ガイドに対して前後に摺動することができる、前記固定ガイドと、引出しアセンブリに取り付けるための引抜きレール７０ａ、７０ｂであって、引抜きレールは中間レール１０上で前後に摺動することができる、前記引抜きレール７０ａ、７０ｂと、を備えている。典型的な”単一伸長(single-extension)”スライディング・ガイドレール・システムは、通常、装着ブラケットの走行面上を前後に摺動することができる引抜きレール７０ａ、７０ｂによって、システムを家具の物品に固定するための装着ブラケットを備えている。

図３及び図４に示すように、各々の引出し支持ブラケット６０ａ、６０ｂはシートメタルから、その内側（引出しアセンブリの内側に面する支持ブラケット６０ａ、６０ｂの側）に沿って長さ方向に配置されたＬ字形状をしたフランジを具備する開放したＣ字セクションに形成されることが好ましい。引出しアセンブリの底面パネル３はＬ字形状をしたフランジの水平部分６２上に装着可能である。これにより、底面パネル３の側部はＬ字形状をしたフランジの垂直部分６１に当接する。支持ブラケット６０ａ、６０ｂの頂面６３は支持ブラケット６０ａ、６０ｂを引抜きレール７０ａ、７０ｂに解放可能に係合させるために（図示しない）係合クリップを受容するように構成されている。図８Ａ、図８Ｂ及び図８Ｃは、引抜きレールの垂直フランジ７２と、Ｌ字形状をしたフランジの垂直部分６１との間の、引抜きレール７０ａ、７０ｂの両側に間隙７５が存在することを示している。これにより、引抜きレール７０ａ、７０ｂは支持ブラケット６０ａ、６０ｂ内で長手方向に直角な横方向に移動可能である。従って、引出しアセンブリの開閉摺動運動は不安定になされている。引抜きレールの摺動運動を案内する手段は、従って、引出しアセンブリの両側に設けられている。

引出しの一側には、平面を具備する一対のガイド突出部６４ａが、Ｌ字形状をしたフランジの垂直部分６１ａの両方の内側面に設けられている。支持ブラケット６０ａが摺動ガイドレール・システムによって解放可能に固定されるときに、引抜きレール７０ａはこれら両方のガイド突出部６４ａの間に位置している。引抜きレール７０ａは、このレールが家具の物品内に摺り込むか又は該物品から摺り出すときに、案内突出部６４ａによってなに直角な横方向に移動されて案内される。レールの摺動運動を可能にするように案内突出部６４ａ及び垂直フランジ７０ａの間に、引抜きレール７０ａの各々の側に微小間隙が存在する。好ましくは、支持ブラケット６０ａには、その前面及び後面の長手方向端部の両方に一対の案内突出部６４ａが設けられており、従って、引抜きレール７０ａが長手方向端部の両方で案内されることを可能にしている。支持ブラケット６０ａ上のこれらの案内突出部６４ａにより、引抜きレール７０ａに対する支持ブラケット６０ａの位置が固定され、すなわち、調節不可能になされている。

（図８Ａ、図８Ｂ及び図８Ｃで示される）従来技術で周知なように、引出し組立体の底面パネル３及び／又は家具の物品の幅は、特別な場合に、所望の予め定めた寸法から異なり、距離Ｐ１又はＰ２の変動に帰着する。Ｐ２の全長は引出しアセンブリの底面パネル３の長さの変動に従って変化し、かつＰ１の全長は家具の物品の寸法の変動に従って変化する。Ｐ１及びＰ２の長さのこうした変動は引抜きレール７０ｂに対する支持ブラケット６０ｂの位置を調節することによって適合させることができる。

従って、支持ブランケット６０ａとは異なり、支持ブラケット６０ｂ（図３及び図４）には、引抜きレール７０ｂに対して支持ブラケット６０ｂの位置を調製可能にするために、ガイド突出部を備えていない。引抜きレール７０ａのみが支持ブラケット６０ａ内で長手方向に直角な横方向の変位に対して案内され、かつ引抜きレール７０ｂが支持ブラケット６０ｂの中に案内されない場合、引出しアセンブリは、自身が開閉されるときに傾斜するか又は反れる傾向がある。このように、引抜きレール７０ｂの支持ブラケット６０ｂ内での長手方向に直角な横方向の変位を克服し、かつ支持ブラケット６０ｂの引抜きブラケット７０ｂに対する調節を可能にするために、スタビライザー装置８がこの支持ブラケット６０ｂの前部に向かって設けられている。スタビライザー装置８を収容するために、支持ブラケット６０ｂには、その頂面６３に、スロット６５及び一対のエッジ開口６６ｂが設けられている。各エッジ開口６６ｂは支持ブラケットの頂面６３の側部エッジに配置されている。更に、引抜きレール７０ｂにはその長手方向端部に凹所７１ｂが設けられている。

図６Ａ及び図６Ｂは、支持ブラケット６０ｂの引抜きレール７０ｂに対する位置を長手方向に直角な横方向に調節可能にする一方で引抜きレール７０ｂの運動を支持ブラケット６０ｂ内に案内するスラビライザー装置８を示している。スタビライザー装置８は、安内ブラケット９０と、レバー１００と、コネクター１１０と、ホルダー・ブラケット１２０と、を備える。

図５Ａに示されている、ガイドブラケット９０は金属製であることが好ましく、かつフランジ９１の両側に配置された一対の脚９２を具備する水平フランジ９１を含んでいる。
中央に位置する突起９３水平フランジ９１の後部エッジから突出する。突起９３は前記支持ブラケット溝６５ｂ内に係合可能であり、かつ脚９２は支持ブラケットエッジ開口６６ｂ内に挿入可能であり、従って、案内ブラケット９０を支持ブラケット６０ｂ上に装着ししている。突起９３が溝６５ｂ内で長手方向に直角な横方向に移動可能であるように、支持ブラケット溝６５ｂの幅は案内ブラケット突起９３の幅に対して過大寸法になされている。このように、案内ブラケット９０は、支持ブラケット６０ｂ上に装着された後に長手方向に直角な方向に調節可能である。支持ブラケット溝６５ｂによって、案内ブラケット突起９３は引抜きレール７０ｂの凹所７１ｂ内に固定される。引抜きレールの凹所７１ｂの幅及び案内ブラケット突起９３の幅は、突起９３が凹所７１ｂ内で締まり嵌めであるように選択されている。要するに、突起９３は、スロット６５ｂ内で長手方向に直角方向に移動可能であるが、凹所７１ｂ内では移動可能ではない。結局、スロット６５ｂ内の突起９３の長手方向に直角な横方向の運動は長手方向に直角な横方向に調製された引抜きレール７０ｂに対して支持ブラケット６０ｂの位置に帰着する。

引抜きレール７０ｂの両側では、案内ブラケット９０の各脚９２は引抜きレール７０ｂの垂直フランジ７２ｂとＬ字形状フランジの垂直部分６１ｂの内側面との間の間隙７５ｂ内に位置する。このように、引抜きレール７０ｂは、支持ブラケット６０ｂ内で、懸下する案内ブラケットの脚９２の間に案内すなわち保持される。

案内ブラケット９０には、その水平フランジ９１の底面上の（図５Ｂに示されるような）グリップ部分９４も設けられている。好ましくは、このグリップ部分９４は、案内ブラケットの水平フランジ９１の下に嵌合されている保持部分によって保持部片９６上へ固定された弾発性材料部片９５を含む。保持部片９６には、水平フランジ９１上の一対の対応する開口９１内に嵌合する一対のコネクター９６ａが設けられている。弾発性材料部片９５がゴムから成り、かつ保持部片９６がプラスチック製であることが好ましい。明らかに、このグリップ部分９４は、ブラケットを支持ブラケット６０ｂ上に装着する前に、案内ブラケット９０上に嵌合されるべきである。案内ブラケット９０のグリップ部分９４は支持ブラケット６０ｂの頂面６３ｂと接触しており、このとき、ブラケット９０はその上に装着されている。結果として得られるグリップ力は支持ブラケット６０ｂ上への案内ブラケット９０の錠止をする支援をする。しかしながら、グリップ部分９４の結果として得られる性質は、案内ブラケット９０が支持ブラケット６０ｂによって錠止された後でさえ僅かに長手方向に直角な横方向への調整を可能にしている。本願発明では、ゴムと類似した把持能力を有する何れかの弾発性材料を使用することができる。上述したように、把持部分９４は案内ブラケット９０とは別の構造として配置されているが、把持部分９４が案内ブラケット９０と一体になされることも可能である。

レバー１００（図６Ａ及び図６Ｂ）は第１の長手方向端部における一対の外向きに延在する平坦なフラップ１０１と、第２の長手方向端部における一対の前縁延長部１０２と、を具備する逆Ｕ字形状をしたブラケットである。レバー１００には、中央に位置するホール１０３が更に設けられている。

支持ブラケットのスロット６５ｂ及びエッジ開口６６ｂの前方には、レバー１００が、支持ブラケット６０ｂの頂面６３ｂ上へ（好ましくは溶接によって）固定されるホルダー・ブラケット１２０（図４）上に支持される。ホルダー１２０は垂直なフランジ１２１及び水平なフランジ１２２を具備する。垂直なフランジ１２１はレバー１００の凹所内に挿入可能である。ホルダー１２０の垂直フランジ１２１には中央レバー穴１０３に対応する穴１２３が設けられている。レバー１００は、ホルダー・ブラケット及びレバー穴１２３、１０３によって、ネジ又はリベットによってホルダー・ブラケット上に回動可能に固定されている。一対のロケータ１２４ホルダー・ブラケット１２０の水平フランジに設けられている。

水平部分１１１及び角度が付けられた部分１１２を含むコネクター１１０はホルダー・ブラケット１２０（図４、図６Ａ及び図６Ｂ）上に係合されている。穴１１３は、ホルダー１２０の水平フランジ１２２上のロケータ１２４と係合させるためのコネクター１１０の水平部分１１１上に設けられている。コネクター１１０の角度が付けられた部分１１２は一対の離隔配置された延長部１１４に終端する。これらのコネクタ延長部１１４はレバー１００の前縁延長部上にクリップ留めされ、レバー１００の第２の端部をこれらの間に固締する。上向きの力がコネクター１１０によって（前縁延長部１０２によって）レバー第２端部に働き、（外向きに延在する平坦なフラップ１０１によって）レバーの第１の端部を下向きに偏倚させる。案内ブラケット９０に対するレバー１００のロケーションは、２つの外向きに延在するフラップ１０１が案内ブラケットのフランジ９１の頂部に位置づけられるようなものである。レバー１００の第１の端部１００が下向きに偏倚されることによって、一定の圧力がレバーのフラップ１０１によって案内ブラケットの水平フランジ９１上に働き、こうして、案内ブラケット９０が支持ブラケット６０ｂから垂直方向に上昇しないように阻止する。要するに、案内ブラケット９０は支持ブラケット６０ｂ上に錠止される。

スタビライザー装置８（案内ブラケット９０、レバー１００、コネクター１１０及びホルダー・ブラケット１２０）が支持ブランケット６０ｂ上に錠止されたあと、図９に示すように、支持ブラケット６０ｂは引抜きレール７０ｂに固定される。第１に、引抜きール７０ｂは家具から引き抜かれる。その後、引出しアセンブリ（底面パネル３は支持ブラケットのＬ字形状をしたフランジの水平部分６２ｂ上に着座する）は家具に物品内に押し込まれる。引出し組立体が閉じる運動をする間に、支持ブラケットのスロット６５ｂを通じて下向きに突出する案内ブラケットの突出部９３は引抜きレールの凹所７１ｂ内に係合し且つ固定される。引抜きレールの凹所７１ｂの内側側方エッジは、該エッジが長手方向の凹所７１ｂ内に押し込まれるにつれて、案内ブラケット突出部９３を案内するように角度が付けられている。一旦、案内ブラケットの突出部９３が凹所７１ｂ内に固定されると、引抜きレール７０ｂの摺動運動は支持ブラケット６０ｂと整合するように案内される。引抜きレールの凹所７１ｂの幅及び案内ブラケットの突出部９３の幅がほとんど類似しているとき、突出部９３は一旦挿入されると凹所７１ｂ内でしっかりと保持されている。さらに、支持ブラケット６０ｂを引抜きレール７０ｂと解放可能に係合させる係合クリップ（図示せず）は引抜きレール７０ｂの引き続く摺動運動の間中に凹所７１ｂ内にしっかりと係合したままであることも保証する。

案内ブラケット９０はレバー１００、コネクター１１０及びホルダー・ブラケット１２０の後方に位置し、支持ブラケットのスロット６５ｂは図３に示されているように、エッジ開口６６ｂの後方に位置することが好ましい。あるいは、案内ブラケット９０はレバー１００、コネクター１１０及びホルダー・ブラケット１２０の前方に位置することも可能であり、この場合、支持ブラケット６５ｂはエッジ開口６６ｂの前方に位置するべきである。

本願明細書で使われた全ての方向に関する、例えば、前面／前方に、後方に／後部、頂部、底部、長手方向に直角な横方向に、垂直に、内向きに、外向きに、のような言葉使いは使用時の引出しアセンブリの配向に対するものである。

当業者には容易に理解できるように、本発明は本発明の範囲又は必須の特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態で容易に作り出し得る。本発明の実施形態は、従って、単なる例示的なものであり限定的なものではないものと考えられる。本発明の範囲は上述した発明の詳細な説明よりはむしろ特許請求の範囲によって示されており、そして、特許請求の範囲内での全ての変更は特許請求の範囲に含まれることをように意図されている。

スタビライザー装置を一端に具備する引出しアセンブリの斜視図である。 図１の引出しアセンブリのスタビライザー装置を具備する引出し側部の斜視図である。 図２の引出し側部のスタビライザー装置を具備するカバー部分及び支持ブラケットを示す図である。 図２の支持ブラケットを具備するスタビライザー装置の拡大図である。 図４のスタビライザー装置の案内ブラケットを示す図である。 図４のスタビライザー装置の案内ブラケットグリップの頂部及び底部の斜視図である。 図４のスタビライザー装置（案内ブラケット、レバー、コネクター及びホルダー・ブラケット）の斜視図である。 図４のスタビライザー装置（案内ブラケット、レバー、コネクター及びホルダー・ブラケット）の側面図である。 スタビライザー装置を具備しない支持ブラケット内に配置された摺動レール・システムを示す図である。 スタビライザー装置を具備する支持ブラケット内に配置された摺動レール・システムを示す図である。 引出しアセンブリの幅の変動及び家具のカーカスを収容するための引出し側部に設けられたスタビライザー装置を具備する図１の引出しアセンブリを示す断面図である。 引出しアセンブリの幅の変動及び家具のカーカスを収容するための引出し側部に設けられたスタビライザー装置を具備する図１の引出しアセンブリを示す断面図である。 引出しアセンブリの幅の変動及び家具のカーカスを収容するための引出し側部に設けられたスタビライザー装置を具備する図１の引出しアセンブリを示す断面図である。 引抜きレールの凹所内に固定された案内ブラケットの突出部の連続的頂面図である。

符号の説明

１ 前面パネル
３ 底面パネル
４ 引出し側部
８ スタビライザー装置
１０ 中間レール
５０ カバー部分
６０ａ、６０ｂ 支持ブラケット
６１ａ、６１ｂ フランジの垂直部分
６３ｂ 頂面
６４ａ ガイド突出部
６５ｂ スロット
６６ｂ エッジ開口
７０ａ、７０ｂ 引抜きレール
７１ｂ 引抜きレールの凹所
９０ 案内ブラケット
９１ フランジ
９２ 脚
９３ 突起
９４ グリップ部分
９５ 弾発性材料部片
９６ 保持部片
９６ａ コネクター
１００ レバー
１０１ フラップ
１０２ 前縁延長部
１０３ 中央レバー穴
１１０ コネクター
１１１ 水平部分
１１２ 或る角度で曲げられた部分
１１３ 穴
１１４ 延長部
１２１ 垂直なフランジ
１２２ 水平フランジ
１２３ 穴
１２４ ロケータ

Claims (10)

1. 引出しアセンブリであって、
   引出し及び前記引出しを家具の物品内で摺動可能に開閉するための摺動ガイドレール・システムと、
   前記引出しを支持するための２つの支持ブラケット（６０ａ、６０ｂ）であって、前記引出しの各側には、前記２つの支持ブラケット（６０ａ、６０ｂ）のうちの１つが設けられ、前記摺動ガイドレール・システムは前記各支持ブラケット内に配置された引抜きレール（７０ａ、７０ｂ）を含んでおり、前記２つの支持ブラケット（６０ａ、６０ｂ）のうちの一方の支持ブラケット（６０ｂ）はスロット（６５ｂ）を具備し、及び前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）内に配置された前記引抜きレール（７０ｂ）は凹所（７１ｂ）を具備する、前記２つの支持ブラケット（６０ａ、６０ｂ）と、
   前記引出しの摺動運動を安定化させるためのスタビライザー装置（８）であって、前記スタビライザー装置は案内ブラケット（９０）及びレバー（１００）を含んでおり、
   前記案内ブラケットは前記一方の支持ブラケットのスロット（６５ｂ）内で係合可能な突出部（９３）を具備し、前記スロットの幅は前記案内ブラケットの突出部（９３）の幅を越える寸法とされ、これにより、前突出部は前記スロット内で長手方向に直角な方向に移動可能であり、
   前記案内ブラケットの突出部（９３）は前記一方の支持ブラケットのスロット（６５ｂ）を通じて前記引抜きレールの凹所（７１ｂ）内に固定され、これにより、前記スロット（６５ｂ）内の前記突出部（９３）の長手方向に直角な横方向の運動は前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）に対する前記引抜きレール（７０ｂ）の位置を調整する、前記スタビライザー装置と、を備える引出しアセンブリにおいて、
   前記スタビライザー装置（８）は、前記レバー（１００）を前記案内ブラケット（９０）に作動連結させる弾発性コネクター（１１０）を更に含み、これにより、前記レバーは前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）上に前記案内ブラケットを錠止すべく偏倚され、及び
   前記案内ブラケット（９０）は、該案内ブラケット（９０）が前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）上に錠止されるときに、前記案内ブラケットの突出部（９３）が前記一方の支持ブラケットのスロット（６５ｂ）内で長手方向に直角な横方向に調整可能であることを可能にする弾発性グリップ部分（９４）を具備することを特徴とする引出しアセンブリ。
2. 前記スタビライザー装置（８）は前記レバー（１００）を支持するために、前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）上に固着されたホルダー・ブラケット（１２０）を更に備える、請求項１に記載の引出しアセンブリ。
3. 前記弾発性コネクター（１１０）は水平部分（１１１）及び或る角度で曲げられた部分（１１２）を備え、
   前記水平部分は前記ホルダー・ブラケット（１２０）上に固着され、かつ前記或る角度で曲げられた部分は前記レバー（１００）の端部上にクリップ留めするように構成され、これにより、一定の上向きの力が前記端部において前記レバーに働く、請求項２に記載の引出しアセンブリ。
4. 前記弾発性コネクター（１１０）の或る角度に曲げた部分（１１２）は一対の延長部（１１４）に終端する、請求項３に記載の引出しアセンブリ。
5. 前記弾発性グリップ部分（９４）は、前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）の頂面（６３ｂ）と接触可能であるように、前記案内ブラケット（９０）に配置された弾発性材料部片（９５）を備える、請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載の引出しアセンブリ。
6. 前記弾発性材料部片（９５）はゴム材料製である、請求項５に記載の引出しアセンブリ。
7. 前記弾発性グリップ部分（９４）は前記案内ブラケットと一体になされている、請求項５または請求項６に記載の引出しアセンブリ。
8. 前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）は１対のエッジ開口（６６ｂ）を更に備え、各エッジ開口は前記一方の支持ブラケットの頂面（６３ｂ）の側に設けられている、請求項１から請求項７までのいずれか１項に記載の引出しアセンブリ。
9. 前記案内ブラケット（９０）は１対の脚（９２）を更に備え、前記案内ブラケットの脚の各々はそれぞれの支持ブラケットのエッジ開口（６６ｂ）内に挿入可能であり、これにより、各脚は前記引抜きレール（７０ｂ）と前記一方の支持ブラケット（６０ｂ）との間に配置される、請求項８に記載の引出しアセンブリ。
10. 前記弾発性コネクター（１１０）は、ばね鋼製である、請求項１から請求項９までのいずれか１項に記載の引出しアセンブリ。

Images