JPH055171A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JPH055171A
JPH055171A JP3060383A JP6038391A JPH055171A JP H055171 A JPH055171 A JP H055171A JP 3060383 A JP3060383 A JP 3060383A JP 6038391 A JP6038391 A JP 6038391A JP H055171 A JPH055171 A JP H055171A
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heat treatment
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Teiji Ogawa
悌二 小川
Yoshitsugu Kamiya
吉嗣 紙谷
Hideo Shiyouga
英雄 庄賀
Katsukazu Nagai
克和 永井
Masayuki Suzawa
昌之 須沢
Takashi Yamaoka
孝 山岡
Hiroshi Nagahama
博 長浜
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KOYO RINDOBAAGU KK
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理物を浸炭した後に冷却し、次に該被処
理物を浸炭窒化した後に焼入れするという一連の作業を
効率良く行え且つ該一連の作業をエネルギーロスを伴う
ことなく行なうものである。 【構成】 熱処理装置は、一連の連続炉10が開閉扉1
4で仕切られることにより区画形成された昇温室18、
浸炭室20、冷却室22、再昇温室及び窒化室と、被処
理物を上記一連の連続炉10に沿って順次移送する移送
手段とを備えている。冷却室22には、被処理物に冷却
用ガスを吹き付けて冷却するガス冷却手段が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱処理装置に関し、特に
被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱処理ゾーンを備
えた熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような熱処理装置としては、実開
昭62−118167号公報に示されるように、鋼部材
等の被処理物を浸炭性ガス雰囲気中の高温下で保持した
後に焼入れする熱処理装置が知られており、該熱処理装
置は、順次形成された加熱ゾーン、浸炭ゾーン及び拡散
ゾーンよりなるガス浸炭部と、冷却用パイプにより冷却
する急冷ゾーン及び焼入れ槽を有する焼入ゾーンよりな
る焼入部とを備えたものである。
【0003】ところで、熱処理としては、被処理物に対
する焼入れ性を向上させる等の目的で、浸炭処理された
被処理物をさらに窒化性ガス雰囲気中で加熱した後に焼
入れする浸炭窒化処理が必要な場合があるが、上記熱処
理装置では浸炭窒化処理を行なうことはできない。
【0004】そこで、被処理物に浸炭窒化処理を行なう
場合には、特開昭63−210287号公報に示される
ように、被処理物を、浸炭炉内で所定のカーボンポテン
シャルとなるような浸炭性ガス雰囲気中で加熱した後に
冷却し、次に該被処理物を窒化炉に投入して所定のカー
ボンポテンシャル且つ窒素ポテンシャルとなるような窒
化性ガス雰囲気中で加熱した後に焼入れしていた。
【0005】この場合の熱処理サイクルは、図17及び
図18に示すとおりである。すなわち、まず、図17に
示すように、被処理物を、約800〜900℃に加熱し
た後、浸炭炉で約900℃〜950℃の温度下で保持し
て浸炭し、しかる後、該被処理物を浸炭炉で炉冷し、そ
の温度が約350℃になったときに炉外へ搬出する。次
に、図18に示すように、該被処理物を約850〜87
0℃に再度加熱すると共に該温度下で保持して均熱処理
した後、約820〜840℃に降温し、その後、窒化炉
で約820〜840の温度下に保持して浸炭窒化し、し
かる後、該被処理物を焼入れするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開昭63
−210287号公報に示されるように、被処理物を、
浸炭炉中で浸炭した後に炉中或いは炉外で冷却し、次に
被処理物を再度加熱して窒化炉で浸炭窒化した後に焼入
れをする方法では、作業効率が悪いと共にエネルギーの
ロスが大きいという問題がある。
【0007】また、被処理物を浸炭炉中で浸炭した後に
焼入れし、次に被処理物を窒化炉で浸炭窒化した後に再
度焼入れする方法では、作業効率は向上するが、2度の
焼入れによって被処理物が熱変形するという問題があ
る。
【0008】一方、実開昭62−118167号公報に
示されるように被処理物を冷却パイプで冷却する方法で
は、被処理物を均一に且つ急速に冷却できないので、本
発明者らは、熱処理装置における冷却ゾーンを、被処理
物を冷却用ガスにより冷却する構造にすることを考慮し
た。
【0009】すなわち、本発明者等が考慮した熱処理装
置は、被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱処理ゾー
ンと、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物を冷却用
ガスにより冷却する冷却ゾーンとを備え、これら熱処理
ゾーンと冷却ゾーンとが開閉扉を介して互いに連通して
いる構造のものである。
【0010】ところが、開閉扉を開放し、熱処理ゾーン
で加熱した被処理物を冷却ゾーンに移送すると、高温の
被処理物が発する輻射熱のために冷却ゾーンの圧力が上
昇する。このため、冷却ゾーンに導入されていた冷却用
ガスが熱処理ゾーンに流入するので、熱処理ゾーンにお
ける雰囲気ガスの濃度が変化し、被処理物の品質が悪影
響を受けるという問題が発生した。
【0011】また、被処理物の冷却ゾーンへの移送が完
了し、開閉扉を閉塞した後に被処理物に対する冷却を開
始すると、被処理物の温度低下に伴って冷却ゾーンの圧
力が低下する。このため、熱処理ゾーンの雰囲気ガスが
開閉扉の周囲の僅かな隙間を通って冷却ゾーンに浸入し
て被処理物の品質を低下させるという問題、及び外部の
空気つまりO2 が冷却ゾーンの壁部の僅かな隙間を通っ
て冷却ゾーンに流入し、爆発を起こしたり、或いはO2
が被処理物の継ぎ目に浸入して脱炭による品質低下を招
いたりするという問題も発生した。
【0012】本発明の第1の目的は、被処理物を浸炭し
た後に冷却し、次に該被処理物を浸炭窒化した後に焼入
れするという一連の作業を効率良く行え且つ該一連の作
業をエネルギーロスを伴うことなく行なうことである。
【0013】本発明の第2の目的は、被処理物を雰囲気
ガス中で熱処理する熱処理ゾーンと、被処理物を冷却用
ガスにより冷却する冷却ゾーンとを備えた熱処理装置に
おいて、被処理物の品質を低下させることなく被処理物
を均一且つ急速に冷却できるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1の発明は、一連の通路を順次開閉扉で
仕切ることにより、浸炭ゾーン、冷却ゾーン及び窒化ゾ
ーンを区画形成するものである。
【0015】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、一連の通路が開閉扉で順次仕切られることにより区
画形成される浸炭ゾーン、冷却ゾーン及び窒化ゾーンを
順次備えると共に、被処理物を上記一連の通路に沿って
順次移送する移送手段を備え、上記冷却ゾーンに被処理
物を冷却する強制冷却手段が設けられている構成とする
ものである。
【0016】請求項2の発明は、被処理物を均一に且つ
急速に冷却するため、請求項1における強制冷却手段
を、被処理物に冷却用ガスを吹き付けて冷却するガス冷
却手段としたものである。
【0017】上記第2の目的を達成するため、請求項3
の発明は、冷却ゾーンの圧力を調整して該冷却ゾーンの
圧力を熱処理ゾーンの圧力と同等にさせるものである。
【0018】具体的に請求項3の発明が講じた解決手段
は、被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱処理ゾーン
と、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物を冷却用ガ
スで冷却する冷却ゾーンとを備え、これら熱処理ゾーン
と冷却ゾーンとは開閉扉を介して互いに連通しており、
上記冷却ゾーンには、該冷却ゾーンの内部の圧力を調整
する圧力調整手段が設けられている構成とするものであ
る。
【0019】上記第2の目的を達成するため、請求項4
の発明は、冷却用ガス吹出しダクト及び冷却用ガス回収
ダクトの開口部同士の間の空間を囲繞するマッフルを設
け、冷却用ガス吹出しダクトから吹き出された冷却用ガ
スを被処理物に導くものである。
【0020】具体的に請求項4の発明が講じた解決手段
は、被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱処理ゾーン
と、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物を冷却用ガ
スで冷却する冷却ゾーンとを備え、これら熱処理ゾーン
と冷却ゾーンとは開閉扉を介して互いに連通しており、
上記冷却ゾーンは、該冷却ゾーンにおける被処理物セッ
ト位置を挟んで対向する位置に設けられた被処理物に冷
却用ガスを吹き付けるための冷却用ガス吹出しダクト及
び被処理物に吹き付けられた冷却用ガスを回収する冷却
用ガス回収ダクトと、上記冷却用ガス吹出しダクト及び
冷却用ガス回収ダクトの開口部同士の間の空間を囲繞す
るように上記冷却ゾーンの固定壁面に設けられた固定壁
部材及び上記開閉扉に設けられた可動壁部材によって構
成されるマッフルとを備えている構成とするものであ
る。
【0021】請求項5の発明は、冷却用ガスの流通抵抗
が小さく冷却されやすい被処理物の周縁部にマッフルか
らの輻射熱を与え、冷却用ガスの流通抵抗が大きく冷却
されにくい被処理物の中心部とのバランスをとるため、
請求項4の固定壁部材及び可動壁部材を熱反射板によっ
て構成するものである。
【0022】上記第2の目的を達成するため、請求項6
の発明は、冷却用ガス吹出しダクトを内外多重筒構造に
することにより整流で流れる冷却用ガスを被処理物に吹
き付けると共に、冷却用ガス回収ダクトを内外多重筒構
造に構成し且つその内側の筒を外側の筒よりも被処理物
側へ突出させることにより、冷却用ガス回収ダクトの吸
引力を被処理物の中心部に対して強く作用させるもので
ある。
【0023】具体的に請求項6の発明が講じた解決手段
は、被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱処理ゾーン
と、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物を冷却用ガ
スで冷却する冷却ゾーンと、上記冷却ゾーンは、該冷却
ゾーンにおける被処理物セット位置を挟んで対向する位
置に設けられた被処理物に冷却用ガスを吹き付けるため
の冷却用ガス吹出しダクト及び被処理物に吹き付けられ
た冷却用ガスを回収する冷却用ガス回収ダクトを備え、
これら冷却用ガス吹出しダクト及び冷却用ガス回収ダク
トは各々内外多重筒構造に構成し、冷却用ガス回収ダク
トはその内側の筒が外側の筒よりも被処理物側へ突出す
るよう構成するものである。
【0024】
【作用】請求項1の発明の構成により、一連の通路が開
閉扉によって区画されてなる浸炭ゾーン、冷却ゾーン及
び窒化ゾーンと、被処理物を上記一連の通路に沿って順
次移送する移送手段とを備えているため、被処理物を浸
炭窒化処理する場合、浸炭ゾーンで浸炭された被処理物
の温度が所望温度に低下すると、被処理物を炉外に搬出
することなく窒化ゾーンで浸炭窒化できる。また冷却ゾ
ーンが強制冷却手段を備えているため、被処理物の冷却
に要する時間を節約することができる。
【0025】請求項2の発明の構成により、冷却ゾーン
では、被処理物に冷却用ガスを吹き付けて冷却すること
ができるので、被処理物は均一に且つ急速に冷却され
る。
【0026】請求項3の発明の構成により、冷却ゾーン
に該冷却ゾーンの圧力を調整する圧力調整手段が設けら
れているため、冷却ゾーンの圧力を加熱ゾーンの圧力と
同等に調整することができる。このため、加熱ゾーンと
冷却ゾーンとの間の圧力差を無くすことができるため、
雰囲気ガスが加熱ゾーンから冷却ゾーンに流出せず且つ
冷却ゾーンの冷却用ガスが加熱ゾーンに流入しないので
加熱ゾーンにおける雰囲気ガスの濃度は変化しない。ま
た、冷却ゾーンの圧力低下を防止できるため、外部の空
気つまりO2 が冷却ゾーンに流入しない。
【0027】請求項4の発明の構成により、冷却用ガス
吹出しダクト及び冷却用ガス回収ダクトの開口部同士の
間の空間を囲繞するように冷却ゾーンの固定壁面に設け
られた固定壁部材と開閉扉に設けられた可動壁部材とに
よってマッフルを構成したため、冷却用ガス吹出しダク
トから吹き出された冷却用ガスはマッフルに規制されて
被処理物の方へ流れる。
【0028】また、熱処理ゾーンとの間に開閉扉が設け
られているため、冷却ゾーンの壁面自体は凹凸状である
が、冷却用ガス吹出しダクトと冷却用ガス回収ダクトと
の間の空間はマッフルによって囲繞されているため、冷
却用ガスが流通するスペースの周囲は平坦である。
【0029】さらに、可動壁部材は開閉扉に設けられて
おり開閉扉と共に移動するので、被処理物を熱処理ゾー
ンから冷却ゾーンに移送する際の邪魔にはならない。
【0030】請求項5の発明の構成により、固定壁部材
及び可動壁部材を熱反射板で構成したため、冷却用ガス
の流通抵抗が小さく冷却され易い被処理物の外周部は熱
反射板からの輻射熱によって冷却速度が遅くなるため、
冷却用ガスの流通抵抗が大きく冷却され難い被処理物の
中心部とのバランスが保たれる。
【0031】請求項6の発明の構成により、冷却用ガス
吹出しダクトが内外多重筒構造に構成されているため、
冷却用ガス吹出しダクトから吹き出される冷却用ガスは
整流になってストレートに被処理物に吹き付けられるの
で、被処理物の各部位に吹き付けられる冷却用ガスの流
速は略均一になる。
【0032】また、冷却用ガス回収ダクトが内外多重筒
構造に構成され、且つその内側の筒が外側の筒より被処
理物側へ突出するよう構成されているため、冷却用ガス
回収ダクトの内側の筒は外側の筒よりも被処理物に接近
しており、被処理物の中心部に作用する吸引力は、被処
理物の周縁部に作用する吸引力よりも強い。従って、本
来ならば、被処理物の中心部を流通する冷却用ガスは流
通抵抗が大きいため流速が遅くなるが、上記のように冷
却用ガス回収ダクトの吸引力が、被処理物の中心部を流
通する冷却用ガスに強く作用するので、冷却用ガスは被
処理物の中心部と周縁部とで略均等の流速になる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0034】図1は本発明の一実施例に係る熱処理装置
Aの左側部分の概略平面構造を、図2は上記熱処理装置
Aの右側部分の概略平面構造を各々示し、該熱処理装置
Aは、左右方向に延びる一連の通路を有するトンネル型
の連続炉10の内部で、被処理物を積載したパレット1
2が、移送手段としての後述するパワーローラによって
左方から右方へ順次移送されるものである。
【0035】連続炉10は開閉可能な複数の開閉扉14
によって順次仕切られており、該連続炉10には、左方
から順次、脱脂室16、昇温室18、浸炭ゾーンと熱処
理ゾーンとしての浸炭室20、冷却ゾーンとしての冷却
室22、再昇温室24、窒化ゾーンとしての降温室26
と窒化室28、及び抽出ベスチブル30が区画形成され
ている。この場合、冷却室22と再昇温室24との間に
は、両室間のシール性を強化するため開閉扉14が二重
に設けられている。また、連続炉10の右方にソルト槽
32が該連続炉10に隣接して配設されている。
【0036】脱脂室16は、脱脂処理つまり被処理物の
表面に付着している油を除去するゾーンであって、該脱
脂処理は、被処理物に付着している油が熱処理中に蒸発
して雰囲気ガスを汚染し、所望の熱処理例えば浸炭処理
が適切にできなくなるのを防止するために行なうもので
ある。そして、被処理物を加熱して脱脂処理を行なうた
め、脱脂室16には、室温を約700〜800℃に上昇
させるヒータとしてのエレクトロチューブ34、加熱さ
れた空気を撹拌する撹拌ファン36、及び該脱脂室16
の室温を検出する温度センサーとしての熱電対38を各
々備えている。
【0037】昇温室18は、脱脂処理された被処理物を
予め加熱するゾーンであって、該昇温室18は、被処理
物を加熱するために室温を約900〜950℃に上昇さ
せるエレクトロチューブ34、被処理物の酸化及び脱炭
を防止するために、炉内変成法により得られる変成ガス
(空気とC4 10との混合ガス)である酸浸炭ガス(以
下、酸浸炭ガスと称する。)を導入する酸浸炭ガス導入
部40A、該昇温室18の酸素濃度を検出するO2 セン
サーを内蔵し雰囲気ガスをサンプル抽出するためのサン
プルチューブ42、及び上記同様の撹拌ファン36及び
熱電対38を各々備えている。
【0038】浸炭室20は、浸炭つまり被処理物の表面
にC(炭素)を拡散浸透させるゾーンであって、浸炭を
行なうため、該浸炭室20は、室温を約900℃〜95
0℃に上昇させるエレクトロチューブ34、被処理物の
表面にCを拡散浸透させるために酸浸炭ガスを導入する
酸浸炭ガス導入部40B、上記同様の撹拌ファン36、
熱電対38及びサンプルチューブ42を各々備えてい
る。
【0039】冷却室22は浸炭された被処理物を強制冷
却するゾーンであって、該冷却室22は、図3に示し以
下に説明するような、酸浸炭ガスを該冷却室22に導入
する酸浸炭ガス供給手段44、被処理物に冷却用ガスを
吹き付けて冷却する強制冷却手段としてのガス冷却手段
46、及び該冷却室22内の圧力を調整する圧力調整手
段48を各々備えている。
【0040】酸浸炭ガス供給手段44は、過剰空気を供
給する加圧エア供給装置44aと、原料ガスであるC4
10を供給するブタン供給装置44bと、過剰空気とC
4 10とを混合して酸浸炭ガスにするミキシング弁44
cと、酸浸炭ガス中のO2 を燃焼させてO2 が冷却室2
2に浸入するのを防止するリングバーナー44dと、酸
浸炭ガスの流量を調整する流量調整弁44eと、冷却室
22内の冷却用ガスを外部へ放出することによって冷却
室22の圧力上昇を防止する減圧弁44fとから構成さ
れている。
【0041】このように本熱処理装置Aは、冷却室22
に酸浸炭ガス供給手段44を備えているため、被処理物
を冷却する際における被処理物の酸化及び脱炭を防止す
ることができる。
【0042】ガス冷却手段46は、冷却用ガスとしての
2 ガスを供給する窒素供給装置46aと、冷却用ガス
を被処理物に吹き付けるための冷却用ガス吹出しダクト
46bと、被処理物に吹き付けられた冷却用ガスを回収
するための冷却用ガス回収ダクト46cと、循環用ポン
プ46p及び冷却用ガスが循環するバイパス路46qを
有する冷却用ガス循環路46dと、回収した高温の冷却
用ガスを冷却する熱交換器46eと、熱交換器46eに
冷媒を供給する冷媒供給装置46fと、冷媒が冷媒供給
装置46fと熱交換器46eとの間を循環する冷媒循環
路46gと、冷媒循環路46gに介設され冷媒の流量を
調整する異径の複数流路よりなるバイパス路46hとか
ら構成されている。
【0043】このように本熱処理装置Aは、冷却室22
にガス冷却手段46を備えているため、従来の炉冷の場
合の冷却速度が通常6℃/分であるのに対して冷却速度
を108〜30℃/分程度に向上させることができ、被
処理物を約900〜950℃から約500℃に冷却する
のに要する時間が4〜11分程度であるので、浸炭後の
冷却を効率良く行なうことができる。
【0044】また、被処理物が浸炭後に急速に冷却され
るため該被処理物を浸炭後に焼入れする必要がないの
で、被処理物を浸炭後に焼入れする場合に生じる被処理
物の熱変形を防止することもできる。
【0045】圧力調整手段48は、前述の減圧弁44f
と以下に説明する加圧手段50とから構成されている。
【0046】減圧弁44fを作動させておくタイミング
は、被処理物が冷却室22に移送されてきた直後から所
定時間を経過するまでの時間に設定してもよいし、冷却
室22に圧力センサーを配設し、該圧力センサーからの
信号に基づいて設定してもよい。
【0047】加圧手段50は、浸炭性ガスとしての吸熱
形変成ガスを供給する吸熱形変成ガス供給装置50a、
吸熱形変成ガスを冷却室22に導入する吸熱形変成ガス
導入路50b、吸熱形変成ガス導入路50bに介設され
吸熱形変成ガスを加圧するブースター50c、吸熱形変
成ガス導入路50bを流通する吸熱形変成ガスの流量を
調整する流量調整弁50d、加圧された吸熱形変成ガス
を貯溜する加圧タンク50e、加圧タンク50e内が所
定圧力以上になるのを防止するリリーフ弁50f、加圧
タンク50eの圧力を検出する圧力センサー50g、加
圧タンク50eの圧力を表示する圧力メータ50h及び
加圧タンク50e内の酸素濃度を検出するO2 センサー
50iにより構成されており、加圧タンク50e内の吸
熱形変成ガスを冷却室22に供給することにより冷却室
22の圧力を上昇させることができる。
【0048】このように本熱処理装置Aは、冷却室22
に減圧弁44fと加圧手段50とからなる圧力調整手段
48を備えているため、高温の被処理物が浸炭室20か
ら冷却室22に移送されてきて該冷却室22の圧力が高
くなる虞れがある場合、減圧弁44fを作動させて該冷
却室22の圧力が上昇するのを防止することができる。
このため、冷却室22の冷却用ガスが浸炭室20に流入
して、浸炭室20における浸炭性ガスの濃度が変化し、
被処理物が悪影響を受けるという事態を防止できる。ま
た、冷却室22内の被処理物の温度が低下し該冷却室2
2の圧力が低くなる虞れがある場合、加圧手段50を作
動させて該冷却室22の圧力が低下するのを防止するこ
とができる。このため、冷却室22に浸炭室20から浸
炭性ガスが流入したり冷却室22に外部からO2 が流入
したりして、被処理物が悪影響を受けたり或いは冷却室
22が爆発したりする事態を防止できる。この場合、加
圧手段50を作動させておくタイミングは、被処理物が
冷却室22に移送され開閉扉14が閉塞された直後から
所定時間が経過するまでの時間に設定してもよいし、冷
却室22に圧力センサーを配設し、該圧力センサーから
の信号に基づいて設定してもよい。
【0049】図4は上記圧力調整手段48の変形例とし
ての圧力調整手段52を示しており、該圧力調整手段5
2は冷却用ガスとして浸炭用の酸浸炭ガスを冷却して用
いるものである。
【0050】同図に示すように、圧力調整手段52は、
冷却用ガス吹出しダクト46bと冷却用ガス回収ダクト
46cとを連結し酸浸炭ガスを循環させるための循環用
ダクト52aを備えており、該循環用ダクト52aの途
中には送風機52b及び酸浸炭ガス冷却用熱交換器52
cが設けられている。冷却用ガス回収ダクト46cから
回収された酸浸炭ガスは、酸浸炭ガス冷却用熱交換器5
2cで冷却された後、冷却用ガス吹出しダクト46bか
ら冷却室22内の被処理物Bに吹き付けられる。また、
同図に示すように、圧力調整手段52は、ベントバルブ
52dを有する酸浸炭ガス排出用ベント52eと、冷却
室22に設けられた第1圧力スイッチ52fと、酸浸炭
ガスを蓄えるリザーブタンク52gと、循環用ダクト5
2aとリザーブタンク52gとを連通させる連通管52
hと、リザーブタンク52gに設けられた第1圧力スイ
ッチ52iと、酸浸炭ガス供給弁52j及び昇圧ポンプ
52kを有し酸浸炭ガスをリザーブタンク52gに導入
するための酸浸炭ガス導入管52lとを備えている。そ
して、連通管52hはその途中において、多量ガス供給
弁52mを有する大径の多量ガス供給路52nと、少量
ガス供給弁52oを有する小径の少量ガス供給路52p
とに分岐している。
【0051】以下、第1圧力スイッチ52fの設定につ
いて図5を参照しながら説明する。すなわち、第1圧力
スイッチ52fは、冷却室22内の圧力が上昇し、その
圧力が正圧の高レベル(L1)に達したときにベントバ
ルブ52dを開き、冷却室22内の圧力が下降し、負圧
の低レベル(L3)に下がったときにベントバルブ52
dを閉じる一方多量ガス供給弁52nを開き、冷却室2
2内の圧力が負圧から高レベル(L1)よりも低い正圧
の中間レベル(L2)に達したときに多量ガス供給弁5
2nを閉じ、中間レベル(L2)よりも高い状態から低
い状態になったときに少量ガス供給弁52oを開き、中
間レベル(L2)よりも低い状態から高い状態になった
ときに少量ガス供給弁52oを閉じる。
【0052】第2圧力スイッチ52iは、リザーブタン
ク52g内の圧力が減圧状態になったときに酸浸炭ガス
供給弁52jを開き、リザーブタンク52g内の圧力が
蓄圧状態になったときに酸浸炭ガス供給弁52jを閉じ
るように設定されている。
【0053】以下、冷却室22内の圧力変動及び圧力調
整手段52の動作について説明する。尚、図6は冷却室
22に供給される酸浸炭ガスの流量を示している。
【0054】浸炭室20で浸炭処理された被処理物Bが
冷却室22に搬入される前には、冷却室22内には所定
量の酸浸炭ガスが存在し、冷却室22内の圧力は中間レ
ベル(L2)に保たれている。そして、浸炭室20と冷
却室22との間の開閉扉14が開かれ、被処理物Bが浸
炭室20から冷却室22に搬入されると、冷却室22内
の雰囲気ガスが加熱されるため、冷却室22内の圧力は
急激に上昇して高レベル(L3)を超える。すると、第
1圧力スイッチ52fが作動してベントバルブ52dが
開かれるので、冷却室22の圧力は低下する。
【0055】次に、上記開閉扉14が閉じられると、冷
却室22内が冷却されるため、冷却室22の圧力は低下
して負圧となり、低レベル(L3)まで下がる。する
と、第1圧力スイッチ52fによってベントバルブ52
dが閉じられると共に多量ガス供給弁52mが開かれ
る。そして、リザーブタンク52gから冷却室22に多
量の酸浸炭ガスが速やかに供給されるので、冷却室22
内の圧力が回復する。冷却室22の圧力が中間レベル
(L2)まで回復すると、第1圧力スイッチ52fによ
って多量ガス供給弁52mが閉じられる。
【0056】次に、冷却室22内の被処理物Bが冷却さ
れるに伴って冷却室22内の圧力が再び低下し、該圧力
が中間レベル(L2)よりも低くなると、第1圧力スイ
ッチ52fにより少量ガス供給弁52oが開かれ、リザ
ーブタンク52gから冷却室22内に少量の酸浸炭ガス
が供給される。そして、冷却室22内の圧力が中間レベ
ル(L2)に達すると、第1圧力スイッチ52fにより
少量ガス供給弁52oが閉じられる。その後、冷却室2
2内の圧力が中間レベル(L2)の上下で変動すると、
第1圧力スイッチ52fにより少量ガス供給弁52oの
開閉が断続的に繰り返され、これにより、冷却室22内
の圧力が略一定に保たれる。
【0057】一方、リザーブタンク52gから冷却室2
2に多量の酸浸炭ガスが供給されると、リザーブタンク
52g内が減圧状態になる。すると、第2圧力スイッチ
52iによって酸浸炭ガス供給弁52jが開かれると共
に、昇圧ポンプ52kが駆動され、リザーブタンク52
g内に酸浸炭ガスが供給される。そして、リザーブタン
ク52g内が所定の蓄圧状態になると、酸浸炭ガス供給
弁52jが閉じられると共に昇圧ポンプ52kが停止さ
れ、リザーブタンク52gへの酸浸炭ガスの供給が停止
される。このようにしてリザーブタンク52g内は常に
蓄圧状態に保たれる。
【0058】尚、上記圧力調整手段52においては、連
通管52hを分岐させて多量ガス供給路52n及び少量
ガス供給路52pを設けたが、これに代えて、互いに独
立の多量ガス供給路52n及び少量ガス供給路52pを
設けてもよい。
【0059】再び図2に示すように、再昇温室24は、
金属組織をオーステナイト組織に固溶させるため、被処
理物を再度加熱するゾーンであって、該再昇温室24
は、室温を約850〜870℃に昇温させるエレクトロ
チューブ34、被処理物の酸化及び脱炭を防止するため
の酸浸炭ガス導入部40Cと吸熱形変成ガス導入部54
C、上記同様の撹拌ファン36、熱電対38及びサンプ
ルチューブ42を各々備えている。
【0060】降温室26は、再昇温室24で加熱された
被処理物を適正に浸炭窒化するため、被処理物の温度を
約820〜840℃に低下させるゾーンであって、該降
温室26は、再昇温室24と同様、エレクトロチューブ
34、撹拌ファン36、熱電対38、酸浸炭ガス導入部
40D、サンプルチューブ42及び吸熱形変成ガス導入
部54Dを各々備えている。
【0061】また、該降温室26には、窒化性ガスを得
るためNH3 を供給するアンモニア供給手段56Dが接
続されており、該アンモニア供給手段56Dは、NH3
を供給するアンモニア供給装置56aと、NH3 を降温
室26へ導入するアンモニア導入路56bと、アンモニ
ア導入路56bを流通するNH3 量を調整する異径の複
数の流路よりなるバイパス路56cとから構成されてい
る。
【0062】このようにして降温室26の内部で、酸浸
炭ガス導入部40Dから導入される酸浸炭ガス及び/又
は吸熱形変成ガス導入部54Dから導入される吸熱形変
成ガスに、アンモニア供給手段56Dから導入されるN
3 ガスが添加されて浸炭窒化ガスが生成されるので、
該降温室26の内部は浸炭窒化ガス雰囲気になる。従っ
て、該降温室26で被処理物を約820〜840℃に降
温させる過程で該被処理物は浸炭窒化される。
【0063】尚、再昇温室24で約850〜870℃に
昇温した被処理物を該降温室26で約820〜840℃
に降温させる理由は、約850〜870℃に達しないと
被処理物の金属組織がオーステナイト組織に固溶しない
一方、浸炭窒化のために加えるNH3 は約820〜84
0℃で[N]とH2 とに適度に分解するためである。
【0064】窒化室28は、降温室26で降温された被
処理物を上記同様の浸炭窒化ガス雰囲気における約82
0〜840℃の温度下で保持することにより、被処理物
を本格的に浸炭窒化するゾーンであって、該窒化室28
は、室温を約820〜840℃に上昇させるエレクトロ
チューブ34、再昇温室24と同様の撹拌ファン36、
熱電対38、酸浸炭ガス導入部40E、サンプルチュー
ブ42、吸熱形変成ガス導入部54E及びアンモニア供
給手段56Eを各々備えている。
【0065】抽出ベスチブル30は、窒化した被処理物
を連続炉10からソルト槽32に移送するため、窒化室
28における右側つまりソルト槽32側の開閉扉14を
開放した際に、窒化室28の圧力及び温度が低下するの
を防止するゾーンであって、上記同様のエレクトロチュ
ーブ34及び熱電対38を各々備えている。
【0066】ソルト槽32は、浸炭された被処理物をソ
ルト焼入れするものであって、周知の構造を有してい
る。
【0067】上述の再昇温室24と降温室26との間に
は、両室を連通させるため、流路開閉弁58aを介設し
た第1バイパス路58が設けられ、降温室26と窒化室
28との間には、両室を連通させるため、流路開閉弁6
0aを介設した第2バイパス路60が設けられ、窒化室
28と抽出ベスチブル30との間には、両室を連通させ
るため、流路開閉弁62aを介設した第3バイパス路6
2が設けられている。再昇温室24には、該再昇温室2
4内の浸炭性ガスを外部へ排出するため、流路開閉弁6
4aを介設した再昇温室ガス排出路64が設けられ、降
温室26には、該降温室26内の浸炭窒化性ガスを外部
へ排出するため、流路開閉弁66aを介設した降温室ガ
ス排出路66が設けられ、抽出ベスチブル30には、該
抽出ベスチブル30内の浸炭窒化性ガスを外部へ排出す
るため、流路開閉弁68aを介設した抽出ベスチブルガ
ス排出路68が設けられている。
【0068】図6は本熱処理装置Aを用いて浸炭窒化処
理をする場合の熱処理サイクルを示しており、上述の通
り、被処理物は、昇温室18で約800〜900℃に加
熱された後に浸炭室20に移送され、該浸炭室20で約
900〜950℃に保持されて浸炭され、次に、冷却室
22に移送されて該冷却室22で約300〜500℃に
冷却された後、再昇温室24に移送されて該再昇温室2
4で約870℃に加熱され、次に、降温室26に移送さ
れて該降温室26で約820〜840℃に降温された後
に窒化室28に移送され、該窒化室28で約820〜8
40℃に保持されて浸炭窒化され、次に、抽出ベスチブ
ル30を通ってソルト槽32に移送されて該ソルト槽3
2で焼入れされる。
【0069】以上説明したように本熱処理装置Aは、一
連の通路を開閉扉で順次区画してなる昇温ゾーン、浸炭
ゾーン、冷却ゾーン、再昇温ゾーン及び窒化ゾーンと、
被処理物を順次移送する移送手段とを備えているため、
浸炭ゾーンで浸炭された被処理物を炉外に搬出すること
なく窒化ゾーンで浸炭窒化できるので、浸炭窒化処理の
作業を効率良く行える。また、浸炭ゾーンと再昇温ゾー
ンとの間に冷却ゾーンを備えているため、被処理物の温
度が所望温度に低下すると、該被処理物を直ちに再昇温
室で加熱できるのでエネルギーロスがなくなる。さら
に、冷却ゾーンには強制冷却手段が設けられているた
め、被処理物の冷却に要する時間を節約できるので、浸
炭窒化処理の作業効率が向上する。このため、本熱処理
装置Aは、浸炭窒化処理の一連の作業を、エネルギーロ
スを伴うことなく効率良く行なうことができる。
【0070】図8は上述した冷却室22の平面構造、図
9は冷却室22の縦断正面構造、図10は冷却室22の
縱断側面構造を各々示しており、被処理物Bは、該パワ
ーローラ70に載置されて脱炭室16、昇温室18を経
て浸炭室20に移送され、該浸炭室20で浸炭された
後、図8の左方から右方に移送されて冷却室22の略中
央部にセットされる。
【0071】上述の冷却用ガス吹出しダクト46bは、
冷却室22にセットされる被処理物Bの下方、具体的に
はパワーローラ70の直下に設けられている。冷却用ガ
ス吹出しダクト46bは、同芯状に配置され、移送方向
と直交する方向に長いトラック形状の断面を有する五重
の筒によって構成されている。外側の筒46iの外周壁
下部は、円錐台状に窪みながら垂下しており、外側の筒
46iの下端で、冷却用ガス吹出しダクト46bと冷却
用ガス回収ダクト46cとを連通させる冷却用ガス循環
ダクト78に連通している。また、五重の筒の各上端面
は面一に形成されている一方、各下端面は外側の筒46
iから内側の筒46jにかけて次第に下方へ突出するよ
う構成されている。
【0072】このように、冷却用ガス吹出しダクト46
bの下面が、外側の筒46iから内側の筒46jにかけ
て順次下方つまり冷却用ガスの上流側へ突出するよう構
成されているため、内側の筒46jほど冷却用ガスを整
流状態で且つ多量に導入することができるので、内側の
筒46jは外側の筒46iよりも流速の速いつまり多量
の冷却用ガスを被処理物Bに対して吹き出すことができ
る。このため、本来、被処理物Bの内部を流通する冷却
用ガスは抵抗が大きいために流速が遅くなるが、上記構
造の冷却用ガス吹出しダクト46bによると、被処理物
Bは急速に冷却されると共に、被処理物Bの各部位が均
一に冷却されるため被処理物Bに変形が生じ難い。
【0073】図11は、冷却用ガス吹出しダクト46b
の断面形状と冷却用ガスの流速との関係を示しており、
被処理物Bの移送方向と該移送方向と直交する方向との
両方において、冷却用ガス吹出し用ダクト46bの中心
部から吹き出された冷却用ガスの流速が、周縁部から吹
き出された冷却用ガスの流速よりも速いことを示してい
る。
【0074】上述の冷却用ガス回収ダクト46cは、冷
却室22にセットされる被処理物Bの上方、具体的には
冷却室22の天井近傍に設けられており、冷却用ガス吹
出しダクト46bと被処理物Bを介して対向していると
共に、天井板46kを介して上述の冷却用ガス循環ダク
ト78に連通している。冷却用ガス回収ダクト46c
は、内外方向に同芯状に配置され、移送方向と直交する
方向に長いトラック形状の断面を有する三重の筒によっ
て構成されており、外側の筒46lから内側の筒46m
にかけて順次上下方向に突出するよう構成されている。
尚、冷却用ガス回収ダクト46cの外径は、冷却用ガス
吹出しダクト46bの外径よりも一回り小さく形成され
ている。
【0075】このように、冷却用ガス回収ダクト46c
の下面が、外側の筒46lから内側の筒46mにかけて
順次下方へ突出するよう構成されているため、冷却用ガ
ス回収ダクト46cは内側に向かうほど被処理物Bに接
近しているので、被処理物Bの内部を流通する冷却用ガ
スに対する吸引力は、被処理物Bの外部を流通する冷却
用ガスに対する吸引力よりも強い。このため、本来な
ら、被処理物Bの内部を流通する冷却用ガスは流通抵抗
が大きいため流速が遅くなるが、本熱処理装置Aでは、
冷却用ガス回収ダクト46cの吸引力が被処理物Bの内
部を流通する冷却用ガスに強く作用するので、被処理物
Bに対する冷却性能は被処理物Bの内部と外部とで略均
等になる。
【0076】また、冷却用ガス回収ダクト46cの上面
が、外側の筒46lから内側の筒46mにかけて順次上
方へ突出するよう構成されているため、冷却用ガス回収
ダクト46cの内部においては内側ほど吸引力が強いの
で、被処理物Bの内部を流通する冷却用ガスを一層強く
吸引することができる。
【0077】図8及び図10に示すように、冷却室22
における被処理物Bの移送方向の両側且つ冷却用ガス吹
出しダクト46bの外側であって、パワーローラ70と
天井板46kとの間には、熱反射板からなる固定壁部材
80が配設されている。該固定壁部材80は冷却室22
の壁面22aよりも内側において該壁面22aに支持さ
れている。
【0078】また、図8及び図9に示すように、冷却室
22における移送方向の前後両端には、上述の開閉扉1
4が油圧シリンダ82により上下動可能に支持されてい
る。該開閉扉14の内側で且つ冷却用ガス吹出しダクト
46bの外側であって、パワーローラ70と天井板46
kとの間には、熱反射板からなる可動壁部材84が配設
されている。該可動壁部材84は開閉扉14の内面より
も内側において該開閉扉14に支持されている。上記固
定壁部材80及び可動壁部材84を構成する熱反射板
は、ステンレス鋼板のように熱反射率が高く且つ熱容量
が小さい材料で構成することが好ましい。
【0079】このように固定壁部材80及び可動壁部材
84を熱反射板で構成すると、冷却用ガスの抵抗が小さ
く冷却されやすい被処理物Bの周縁部は熱反射板からの
輻射熱によって冷却速度が遅くなるため、冷却用ガスの
流通抵抗が大きく冷却され難い被処理物Bの中心部との
バランスが保たれる。この結果、被処理物Bは均等に冷
却されるので、高品質の製品を得ることができる。
【0080】上記の固定壁部材80及び可動壁部材84
によって、冷却用ガス吹出しダクト46bの開口部と冷
却用ガス回収ダクト46cの開口部との間を囲繞するマ
ッフルが形成されている。そして該マッフルは、冷却用
ガス吹出しダクト46bの外周形状よりも若干大きい内
周形状を有し、且つパワーローラ70と天井板46kと
の間の寸法よりも若干低い高さを有している。
【0081】尚、開閉扉14の下動時に、該開閉扉14
の下方に位置するパワーローラ70aは内側に回動し
て、開閉扉14と干渉しないように構成されている。
【0082】以上説明したように、冷却用ガス吹出しダ
クト46bから吹き出された冷却用ガスは、マッフルを
構成する固定壁部材80及び可動壁部材84に規制され
てストレートに冷却用ガス回収ダクト46cに向かうた
め、冷却用ガスは被処理物Bを効率良く冷却する。ま
た、冷却室22における移送方向の前後両端には開閉扉
14が設けられており冷却室22の壁面自体は凹凸状で
あるが、上述のマッフルによって冷却用ガスが流通する
スペースは平坦であるから、冷却用ガスの流速は開閉扉
14の存在に影響されることがない。
【0083】図12〜図14は冷却室22に設けられる
上述のガス冷却手段46の変形例としてのガス冷却手段
86を示すものであって、該ガス冷却手段86は後述の
温度調節手段88を備えている。
【0084】図12は上記ガス冷却手段86を備えた冷
却室22の縱断正面構造を示し、開閉扉14、可動壁部
材84、冷却用ガス吹出しダクト46b、冷却用ガス回
収ダクト46c及び冷却用ガス循環ダクト78について
は、その基本的機能は各々前述のものと同様である。
【0085】図13はガス冷却手段86の全体を示し、
冷却用ガス吹出しダクト46bの内側の筒46jに第1
の温度センサ86aが、冷却用ガス回収ダクト46cの
内側の筒46mには第2の温度センサ86bが、冷却用
ガス循環ダクト78には循環用ブロア86cが各々設け
られている。冷却用ガス循環ダクト78は循環用ブロア
86cの下流側で、第1流量調節弁86dを有する第1
循環ダクト86eと、第2流量調節弁86fを有する第
2循環ダクト86gとに分岐しており、第1循環ダクト
86eはその途中にガスクーラー86hを備えている。
【0086】温度調節手段88は、第1及び第2温度セ
ンサ86a,86bからの温度信号を受けて第1及び第
2流量調節弁86d,86fを制御するものであって、
制御内容は以下に示す通りである。
【0087】浸炭室20と冷却室22との間の開閉扉1
4が開かれて被処理物Bが冷却室22に搬入されたとき
には、被処理物Bの温度が高く、冷却用ガス循環ダクト
78内の冷却用ガスの温度が低いため、第1温度センサ
86aが検出する温度は低く、第2温度センサ86bが
検出する温度は高い。従って、この状態では、温度調節
手段88は第1流量調節弁86dを閉じる一方第2流量
調節弁86fを開いて、冷却用ガスを第2循環ダクト8
6gのみから供給する。この状態では、被処理物Bの周
縁部においては熱輻射によって冷却され、被処理物Bの
中心部においては熱輻射及び対流によって冷却される。
【0088】次に、被処理物Bが或る程度冷却される
と、第1及び第2温度センサ86a,86bが検出する
温度が高くなる。この状態では、温度調節手段88は第
1及び第2流量調節弁86d,86fを開いて、冷却用
ガスを第1及び第2循環ダクト86e,86gから供給
する。以上のように、第1温度センサ86aが検出する
温度によって冷却用ガスの温度を調節すると、冷却効率
が向上する。
【0089】図15は、浸炭室20で浸炭処理された被
処理物Bを冷却室22で冷却することによって、被処理
物Bの表面に生成される球状炭化物の量を適度なものに
調節する場合の、処理時間と被処理物Bの温度との関係
を示している。前期冷却時間(T1)においては急速に
冷却し、後期冷却時間(T2)においては冷却速度が遅
くなるように全冷却時間(T3)を調節することが好ま
しい。このようにすると、図19に示すように、冷却に
要する処理時間(T)は従来の方法による場合(二点鎖
線で示す)よりも大きく短縮することができる。
【0090】
【発明の効果】請求項1の発明に係る熱処理装置による
と、一連の通路を開閉扉で順次区画してなる浸炭ゾー
ン、冷却ゾーン及び窒化ゾーンと、被処理物を順次移送
する移送手段とを備えているため、浸炭ゾーンで浸炭さ
れた被処理物を炉外に搬出することなく窒化ゾーンで浸
炭窒化できるので、浸炭窒化処理の作業を効率良く行な
える。また、浸炭ゾーンと窒化ゾーンとの間に冷却ゾー
ンを備えているため、被処理物の温度が所望温度に低下
すると、該被処理物を直ちに窒化ゾーンで浸炭窒化でき
るのでエネルギーロスがなくなる。さらに、冷却ゾーン
には強制冷却手段が設けられているため、被処理物の冷
却に要する時間を節約できるので、浸炭窒化処理の作業
効率が向上する。
【0091】このため、請求項1の発明によると、浸炭
窒化処理の一連の作業を、エネルギーロスを伴うことな
く効率良く行なうことができる。
【0092】請求項2の発明に係る熱処理装置による
と、被処理物に冷却用ガスを吹き付けて冷却することが
できるので、被処理物を均一に且つ急速に冷却すること
ができるので、被処理物の品質が向上すると共に作業効
率が向上する。
【0093】請求項3の発明に係る熱処理装置による
と、冷却ゾーンに該冷却ゾーンの圧力を調整する圧力調
整手段を設けたため、加熱ゾーンから冷却ゾーンへの雰
囲気ガスの流出及び冷却ゾーンから加熱ゾーンへの冷却
用ガスの流入の防止つまり加熱ゾーンにおける雰囲気ガ
スの濃度変化を防止できるので、被処理物を均一且つ急
速に冷却することができると共に被処理物の品質を向上
させることができる。
【0094】また、冷却ゾーンの圧力低下を防止できる
のでO2 の流入によって起きる爆発を防止することがで
きる。
【0095】請求項4の発明に係る熱処理装置による
と、冷却用ガス吹出しダクト及び冷却用ガス回収ダクト
の開口部同士の間の空間を囲繞するように冷却ゾーンの
固定壁面に設けられた固定壁部材と開閉扉に設けられた
可動壁部材とによって構成されたマッフルを備えている
ため、冷却用ガス吹出しダクトから吹き出された冷却用
ガスはマッフルに規制されて被処理物に向かって流れる
ので、被処理物に対する冷却効率が向上する。また、冷
却用ガス吹出しダクトと冷却用ガス回収ダクトとの間の
空間はマッフルによって囲繞されているため、開閉扉が
設けられているにも拘らず、冷却用ガスが流通するスペ
ースの周囲は平坦であって、冷却用ガスの流れがスムー
ズであるため、被処理物に対する冷却効率は良い。
【0096】このため、請求項4の発明によると、被処
理物の品質を低下させることなく被処理物を均一且つ急
速に冷却することができる。
【0097】また、可動壁部材は開閉扉に設けられてい
るため、被処理物を熱処理ゾーンから冷却ゾーンに移送
する際の邪魔にならない。
【0098】請求項5の発明に係る熱処理装置による
と、固定壁部材及び可動壁部材は各々熱反射板によって
構成されているため、冷却用ガスの流通抵抗が小さく冷
却され易い被処理物の外周部は熱反射板からの輻射熱に
よって冷却速度が遅くなるため、冷却用ガスの流通抵抗
が大きく冷却され難い被処理物の中心部とのバランスが
保たれるので、被処理物の品質を一層向上させることが
できる。
【0099】請求項6の発明に係る熱処理装置による
と、冷却用ガス回収ダクトを内外多重筒構造に構成し且
つその内側の筒を外側の筒より被処理物側へ突出させた
ため、冷却用ガス回収ダクトの吸引力は、被処理物の中
心部を流通する冷却用ガスに強く作用するので、冷却用
ガスの流速は被処理物の中心部と周縁部とで略均等にな
り、被処理物の中心部に位置する物品と周縁部に位置す
る物品とを略均等に冷却することができる。
【0100】また、冷却用ガス吹出しダクトを内外多重
筒構造に構成したため、冷却用ガス吹出しダクトから吹
き出される冷却用ガスは整流になって被処理物に吹き付
けられるので、被処理物の各部分に吹き付けられる冷却
用ガスの流速が略均一になり、被処理物の各部分を略均
一に冷却することができる。
【0101】このため、請求項6の発明によると、被処
理物を均一且つ急速に冷却することができると共に被処
理物の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である熱処理装置の左側部分
の概略平面図である。
【図2】本発明の一実施例である熱処理装置の右側部分
の概略平面図である。
【図3】上記熱処理装置における冷却室の全体構成図で
ある。
【図4】上記冷却室に設けられた変形例に係る圧力調整
手段の全体構成図である。
【図5】上記変形例に係る圧力調整手段を備えた冷却室
における圧力の変化を示す図である。
【図6】上記圧力調整装置における酸浸炭ガスの流量の
変化を示す図である。
【図7】上記熱処理装置を用いて熱処理する場合の熱処
理サイクル図である。
【図8】上記熱処理装置における冷却室の平面図であ
る。
【図9】上記冷却室の縱断正面図である。
【図10】上記冷却室の縱断側面図である。
【図11】上記冷却室における冷却用ガスの流速測定図
である。
【図12】変形例に係るガス冷却手段を備えた冷却室の
縱断正面図である。
【図13】変形例に係るガス冷却手段の全体構成図及び
該ガス冷却手段を備えた冷却室の縱断側面図である。
【図14】図13におけるI〜I線の断面図である。
【図15】変形例に係るガス冷却手段による処理時間と
被処理物の温度との関係を示す図である。
【図16】変形例に係るガス冷却手段による処理時間と
従来のガス冷却手段による処理時間とを比較した図であ
る。
【図17】従来の熱処理装置を用いる場合の熱処理サイ
クル図である。
【図18】従来の熱処理装置を用いる場合の熱処理サイ
クル図である。
【符号の説明】
10…連続炉 14…開閉扉 18…昇温室 20…浸炭室(浸炭ゾーン、熱処理ゾーン) 22…冷却室(冷却ゾーン) 22a…固定壁面 24…再昇温室 28…窒化室(窒化ゾーン) 44…酸浸炭ガス供給手段 44f…減圧手段 46…ガス冷却手段(強制冷却手段) 46b…冷却用ガス吹出しダクト 46c…冷却用ガス回収ダクト 46i…冷却用ガス吹出しダクトの外側の筒 46j…冷却用ガス吹出しダクトの内側の筒 46l…冷却用ガス回収ダクトの外側の筒 46m…冷却用ガス回収ダクトの内側の筒 48…圧力調整手段 52…加圧手段 70…パワーローラ(移送手段) 76…固定壁部材 80…可動壁部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 8/34 8116−4K F27B 9/02 7308−4K 9/04 7308−4K (72)発明者 庄賀 英雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 永井 克和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 須沢 昌之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山岡 孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 長浜 博 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一連の通路が開閉扉で順次仕切られるこ
    とにより区画形成される浸炭ゾーン、冷却ゾーン及び窒
    化ゾーンを順次備えると共に、被処理物を上記一連の通
    路に沿って順次移送する移送手段を備え、上記冷却ゾー
    ンに被処理物を冷却する強制冷却手段が設けられている
    ことを特徴とする熱処理装置。 【請求項2】 請求項1に記載の熱処理装置において、
    上記強制冷却手段は、被処理物に冷却用ガスを吹き付け
    て冷却するガス冷却手段であることを特徴とする熱処理
    装置。 【請求項3】 被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱
    処理ゾーンと、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物
    を冷却用ガスで冷却する冷却ゾーンとを備え、これら熱
    処理ゾーンと冷却ゾーンとは開閉扉を介して互いに連通
    しており、上記冷却ゾーンには、該冷却ゾーンの内部の
    圧力を調整する圧力調整手段が設けられていることを特
    徴とする熱処理装置。 【請求項4】 被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱
    処理ゾーンと、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物
    を冷却用ガスで冷却する冷却ゾーンとを備え、これら熱
    処理ゾーンと冷却ゾーンとは開閉扉を介して互いに連通
    しており、上記冷却ゾーンは、該冷却ゾーンにおける被
    処理物セット位置を挟んで対向する位置に各々設けられ
    た被処理物に冷却用ガスを吹き付けるための冷却用ガス
    吹出しダクト及び被処理物に吹き付けられた冷却用ガス
    を回収する冷却用ガス回収ダクトと、上記冷却用ガス吹
    出しダクト及び冷却用ガス回収ダクトの開口部同士の間
    の空間を囲繞するように上記冷却ゾーンの固定壁面に設
    けられた固定壁部材及び上記開閉扉に設けられた可動壁
    部材によって構成されるマッフルとを備えていることを
    特徴とする熱処理装置。 【請求項5】 請求項4に記載の熱処理装置において、
    上記固定壁部材及び可動壁部材は各々熱反射板によって
    構成されていることを特徴とする熱処理装置。 【請求項6】 被処理物を雰囲気ガス中で熱処理する熱
    処理ゾーンと、該熱処理ゾーンで熱処理された被処理物
    を冷却用ガスで冷却する冷却ゾーンと、上記冷却ゾーン
    は、該冷却ゾーンにおける被処理物セット位置を挟んで
    対向する位置に各々設けられた被処理物に冷却用ガスを
    吹き付けるための冷却用ガス吹出しダクト及び被処理物
    に吹き付けられた冷却用ガスを回収する冷却用ガス回収
    ダクトを備え、これら冷却用ガス吹出しダクト及び冷却
    用ガス回収ダクトは各々内外多重筒構造に構成され、冷
    却用ガス回収ダクトはその内側の筒が外側の筒よりも被
    処理物側へ突出するよう構成されていることを特徴とす
    る熱処理装置。
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