JPH0551495A - オレフイン重合体組成物及び該組成物を用いたフイルム又はシート - Google Patents

オレフイン重合体組成物及び該組成物を用いたフイルム又はシート

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JPH0551495A
JPH0551495A JP23410491A JP23410491A JPH0551495A JP H0551495 A JPH0551495 A JP H0551495A JP 23410491 A JP23410491 A JP 23410491A JP 23410491 A JP23410491 A JP 23410491A JP H0551495 A JPH0551495 A JP H0551495A
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JP
Japan
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silicon dioxide
sphericity
particle
olefin polymer
halogen
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Application number
JP23410491A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Kamisaka
常顕 上坂
Toshimi Nikaido
俊実 二階堂
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた二酸化珪素の分散性を有し、透明でフ
ィッシュアイの少ないフィルム,シートを得ることがで
きると共に、製造プラントでのパウダー流動性に優れ、
プラント運転性を向上させることができるオレフィン重
合体組成物を提供する。 【構成】 パウダーモルフォロジーにおいて下記式
(1)で求められる粒径分布指数(P)が5以下、下記
式(2),(3)で求められる球形度(S)が1.10
以上であるオレフィン重合体100重量部と、二酸化珪
素0.05〜2重量部とを配合した組成物とする。 P=D90/D10 ・・・(1) (D90は累積重量分率が90%に対応する粒子径、D
10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示
す。) Si=(E2/A)×(1/4π) ・・・(2) S=ΣSi/N ・・・(3) (Eは粒子の投影画像の周囲長、Aは粒子の投影面積、
Siは個々の粒子の球形度、Nは測定粒子数、Sは球形
度の平均値を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合体に二
酸化珪素を配合したオレフィン重合体組成物に関し、更
に詳述すると、製造時のパウダー流動性及び二酸化珪素
の分散性に優れ、フィルム,シート等の材料として好適
に使用することができるオレフィン重合体組成物に関す
る。また、本発明は、上記オレフィン重合体組成物から
得られたフィルム又はシートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン等のポリオレフィンを原料としてフィルムやシ
ートを製造する場合、フィルムやシートのブロッキング
防止及び耐摩耗性向上のため、ポリオレフィンに二酸化
珪素(シリカ)を配合することが行われている。この場
合、ポリオレフィンに対する二酸化珪素の分散が均一で
ないと、フィルム或いはシートのブロッキング防止効果
の低下,透明性不良,フィッシュアイの発生等が起こ
り、その商品価値が著しく低くなる。しかし,二酸化珪
素は自己凝集性が強く、ポリオレフィンに均一に分散さ
せることが難しいという問題がある。
【0003】このため、従来より、ポリオレフィンに対
する二酸化珪素の分散性を高めるため、下記(a)〜
(e)に示すように種々の方法が提案されている(例え
ば特開昭53-33247号,同53-33248号,同54-47746号,特
公平2-31739号など)。しかし、いずれの方法にも欠点
がある。 (a)分散助剤を用いる方法 例えば、タルク,カオリン等の無機系分散剤や脂肪酸塩
類等の有機系分散剤を添加する方法である。しかし、無
機分散剤を用いた場合にはフィルム,シートの透明性が
低下し、有機系分散剤を用いた場合には二酸化珪素の分
散性向上効果が低いという問題がある。 (b)表面処理をした二酸化珪素を用いる方法 例えば、界面活性剤,金属石鹸,高級脂肪酸等で二酸化
珪素を表面処理する方法である。しかし、この方法は工
程が複雑になる上、二酸化珪素の分散性の向上効果も不
十分である。
【0004】(c)ポリオレフィンを改質する方法 例えば、極性ビニルモノマーを共重合させたポリオレフ
ィンに二酸化珪素を配合する方法である。しかし、この
方法は工程が複雑となる上、ポリオレフィンの品質、例
えば剛性,耐候性,耐薬品性等が低下するという欠点が
ある。 (d)機械的分散を行う方法 例えば、ポリオレフィンの粉末時,溶融時,半溶融時に
二酸化珪素を機械的に分散させる方法である。しかし、
この方法では二酸化珪素を均一に分散させることが難し
い。
【0005】 (e)ポリオレフィンパウダーの形状を調整する方法 例えば、ポリオレフィン製造用触媒の粉砕等を行なって
ポリオレフィンパウダーの形状を調整する方法である。
しかし、この方法では粉砕の調整が難しいためパウダー
形状がかえって悪化し、パウダー流動性が低下して、製
造プラントでの移送性,乾燥性,生産性といったプラン
ト運転性が悪くなるという問題がある。本発明は、上記
事情に鑑みてなされたもので、優れた二酸化珪素の分散
性を有し、透明でフィッシュアイの少ないフィルム,シ
ートを得ることができると共に、製造プラントでのパウ
ダー流動性に優れ、プラント運転性を向上させることが
可能なオレフィン重合体組成物を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため、原料であるポリオレフィンパ
ウダーの性状を改良することについて鋭意検討を行った
結果、特定の粒径分布指数を有する粒径分布の狭いポリ
オレフィンパウダーがパウダー流動性に優れているこ
と、また特定の球形度を有するポリオレフィンパウダー
が二酸化珪素の分散性に優れていることを見出した。そ
して、この特定の粒径分布指数及び球形度を有するポリ
オレフィンパウダーに二酸化珪素を特定量配合して組成
物を調製した場合、プラント運転性の向上、二酸化珪素
分散性の向上を図れること、かかる組成物を用いること
により、フィッシュアイが少なく、透明性に優れたフィ
ルム又はシートを特別な設備を用いずに製造できること
を知見し、本発明をなすに至った。
【0007】従って、本発明は、パウダーモルフォロジ
ーにおいて下記式(1)で求められる粒径分布指数
(P)が5以下、下記式(2),(3)で求められる球
形度(S)が1.10以上であるオレフィン重合体10
0重量部と、二酸化珪素0.05〜2重量部とを配合し
てなることを特徴とするオレフィン重合体組成物を提供
する。 P=D90/D10 ・・・(1) (D90は累積重量分率が90%に対応する粒子径、D
10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示
す。) Si=(E2/A)×π/4 ・・・(2) S=ΣSi/N ・・・(3) (Eは粒子の投影画像の周囲長、Aは粒子の投影面積、
Siは個々の粒子の球形度、Nは測定粒子数、Sは球形
度の平均値を示す。)
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、各成分について詳述する。 (1)オレフィン重合体 オレフィン重合体としては、特に限られないが、エチレ
ン,プロピレン,ブチレン等のα−オレフィンのホモ重
合体,α−オレフィンと他のα−オレフィンとの共重合
体等を使用することができる。具体的には、プロピレン
ホモ重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、
プロピレン−ブチレン−エチレンランダム共重合体、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体などを好適に使用
することができる。これらの中では、プロピレンホモ重
合体、プロピレン−エチレン共重合体が特に好ましい。
なお、オレフィン重合体は一種を単独で用いてもよく、
二種以上を併用してもよい。
【0009】本発明で用いるオレフィン重合体は、パウ
ダーモルフォロジーにおいて、前記式(1)で求められ
る粒径分布指数(P)が5以下で、かつ前記式(2),
(3)で求められる球形度(S)が1.10以上のもの
である。粒径分布指数(P)が5を超えるとパウダー流
動性が悪くなり、球形度(S)が1.10未満であると
二酸化珪素の分散性が低下する。より好ましい粒径分布
指数(P)は4以下であり、より好ましい球形度(S)
は1.13以上である。なお、本発明で用いるオレフィ
ン重合体は、MI(メルトインデックス)が2〜15g
/10分であることが好ましい。
【0010】上記特性を有するオレフィン重合体の製造
方法は特に制限されないが、高い重合活性及び立体規則
性を発現しうる重合用触媒を用いることが好ましい。こ
のような重合用触媒及びその重合用触媒をもちいたポリ
オレフィンの製造方法としては、例えば、本願出願人が
先になした特願平2-413883号等に開示した重合用触媒及
び製造方法が挙げられる。この重合用触媒は、特定の固
体生成物(a)を担体として用いたことを特徴とするも
のである。そして、かかる固体生成物(a)とチタン化
合物(b)と、場合により電子供与性化合物(c)とを
用いて得られる固体触媒成分(A)と、有機金属化合物
(B)と、場合により電子供与性化合物(C)とを用い
て重合を行なう。
【0011】上記固体生成物(a)は、金属マグネシウ
ムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合
物とから得る。この場合、金属マグネシウムの形状等は
特に限定されない。従って、任意の粒径の金属マグネシ
ウム、例えば顆粒状、リボン状、粉末状等の金属マグネ
シウムを用いることができる。また、金属マグネシウム
の表面状態も特に限定されないが、表面に酸化マグネシ
ウム等の被膜が生成されていないものが好ましい。
【0012】アルコールとしては任意のものを用いるこ
とができるが、炭素原子数1〜6の低級アルコールを用
いることが好ましい。特に、エタノールを用いると、触
媒性能の発現を著しく向上させる固体生成物が得られる
ので好ましい。アルコールの純度及び含水量も限られな
いが、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシ
ウム表面に水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]が生
成されるので、含水量が1%以下、特に2000ppm
以下のアルコールを用いることが好ましい。更に、より
良好なモルフォロジーを有する固体生成物(a)を得る
ためには、水分は少なければ少ないほど好ましく、一般
的には200ppm以下が望ましい。
【0013】ハロゲンの種類については特に制限されな
いが、塩素、臭素又はヨウ素、特にヨウ素が好適に使用
される。ハロゲン含有化合物の種類に限定はなく、ハロ
ゲン原子をその化学式中に含む化合物であればいずれの
ものでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類に
ついては特に制限されないが、塩素、臭素又はヨウ素で
あることが好ましい。また、ハロゲン含有化合物の中で
はハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。ハロゲン含
有化合物として、具体的には、MgCl2,MgI2,M
g(OEt)Cl,Mg(OEt)I,MgBr2,C
aCl2,NaCl,KBr等を好適に使用できる。こ
れらの中では、特にMgCl2,MgI2が好ましい。こ
れらの状態、形状、粒度等は特に限定されず、任意のも
のでよく、例えばアルコール系溶媒(例えば、エタノー
ル)中の溶液の形で用いることができる。
【0014】アルコールの量については問わないが、金
属マグネシウム1モルに対して好ましくは2〜100モ
ル、特に好ましくは5〜50モルである。アルコール量
が多すぎる場合、モルフォロジーの良好な固体生成物
(a)の収率が低下するおそれがあり、少なすぎる場合
は、反応槽での攪拌がスムーズに行なわれなくなるおそ
れがある。しかし、そのモル比に限定されるものではな
い。
【0015】ハロゲンの使用量は、金属マグネシウム1
グラム原子に対して、0.0001グラム原子以上、好
ましくは0.0005グラム原子以上、更に好ましくは
0.001グラム原子以上である。また、ハロゲン含有
化合物は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハ
ロゲン含有化合物中のハロゲン原子が0.0001グラ
ム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、
更に好ましくは0.001グラム原子以上となるように
使用する。0.0001グラム原子未満の場合、ハロゲ
ンを反応開始剤として用いる量と大差なく、所望の粒径
のものを得るためには固体生成物の粉砕分級処理が不可
欠なものとなる。
【0016】ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞ
れ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。また、ハロゲンとハロゲン含有化合物とを併用して
もよい。このようにハロゲンとハロゲン含有化合物とを
併用する場合、全ハロゲン原子の量を金属マグネシウム
1グラム原子に対して、0.0001グラム原子以上、
好ましくは0.0005グラム原子以上、更に好ましく
は0.001グラム原子以上とする。ハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物の使用量の上限について特に定め
はなく、目的とする固体生成物が得られる範囲で適宜選
択すればよいが、一般的には全ハロゲン原子の量を金属
マグネシウム1グラム原子に対して0.06グラム原子
未満とすることが好ましい。この場合、ハロゲン及び/
又はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択することに
より、固体生成物の粒径を自由にコントロールすること
が可能である。
【0017】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法と同様に実施することができる。例えば、金属
マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲ
ン含有化合物とを、還流下(約79℃)で、水素ガスの
発生が認められなくなるまで(通常、約20〜30時
間)反応させて、固体生成物を得る方法である。具体的
には、例えばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合、金属
マグネシウム、アルコール中に固体状のヨウ素を投入
し、しかる後に加熱し還流する方法、金属マグネシウ
ム、アルコール中にヨウ素のアルコール溶液を滴下投入
後加熱し還流する方法、金属マグネシウム、アルコール
溶液を加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方
法などが挙げられる。いずれの方法も、不活性ガス(例
えば、窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で、場合によ
り不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサン等の飽和炭化
水素)を用いて行なうことが好ましい。
【0018】金属マグネシウム、アルコール、ハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物の投入については、最初
から各々全量を反応槽に投入しておく必要はなく、分割
して投入してもよい。特に好ましい形態は、アルコール
を最初から全量投入しておき、金属マグネシウムを数回
に分割して投入する方法である。このようにした場合、
水素ガスの一時的な大量発生を防ぐことができ、安全面
から非常に望ましい。また、反応槽も小型化することが
可能となる。更には、水素ガスの一時的な大量発生によ
り引き起こされるアルコールやハロゲン及び/又はハロ
ゲン含有化合物の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分
割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めればよく、
特に問わないが、操作の煩雑さを考えると通常5〜10
回が好適である。
【0019】また、反応自体は、バッチ式、連続式のい
ずれでもよいことは言うまでもない。さらには、変法と
して、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネ
シウムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を
別の槽に分離して除去した後、再び金属マグネシウムを
少量投入するという操作を繰り返すということも可能で
ある。こうして得た固体生成物(a)を、次の固体触媒
成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよ
く、また瀘別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したもの
を用いてもよい。いずれの場合においても、得られた固
体生成物(a)は、粉砕あるいは粒度分布をそろえるた
めの分級操作をすることなく以下の工程に用いることが
できる。
【0020】上記固体触媒成分(A)におけるチタン化
合物(b)としては、例えば、一般式 TiX1n(OR14-n (式中、X1はハロゲン原子、特に塩素原子であり、R1
は炭素原子数1〜10の炭化水素基、特に直鎖又は分岐
鎖のアルキル基であり、基R1が複数存在する場合には
それらは互に同じでも異なっていてもよい。nは0〜4
の整数である。)で表わされるチタン化合物が挙げられ
る。具体的には、Ti(O−i−C374、Ti(O
−C494、TiCl(O−C253、TiCl(O
−i−C373、TiCl(O−C493、TiCl
2(O−C492、TiCl2(O−i−C372、T
iCl4等を挙げることができる。
【0021】上記固体触媒成分(A)では、必要に応じ
て任意の電子供与性化合物(c)を用いることができ
る。それらの電子供与性化合物(c)は、通常は、酸
素、窒素、リンあるいは硫黄を含有する有機化合物であ
る。具体的には、アミン類、アミド類、ケトン類、ニト
リル類、ホスフィン類、ホスミルアミド類、エステル
類、エーテル類、チオエーテル類、アルコール類、チオ
エステル類、酸無水物類、酸ハライド類、アルデヒド
類、有機酸類、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化
合物等を挙げることができ、より具体的には下記のもの
を挙げることができる。
【0022】芳香族カルボン酸、例えば、安息香酸、p
−オキシ安息香酸;酸無水物、例えば、無水コハク酸、
無水安息香酸、無水p−トルイル酸;炭素原子数3〜1
5のケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、ベンゾキノン;炭素原子数2〜15のアルデ
ヒド類、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ
ヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデド、ナフトア
ルデヒド;炭素原子数2〜18のエステル類、例えば、
ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘ
キシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチ
ル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エ
チル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリ
ン酸エチル、マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカル
ボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息
香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安
息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベ
ンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイ
ル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、p−ブトキ
シ安息香酸エチル、o−クロル安息香酸エチル、ナフト
エ酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸エチレン;
【0023】芳香族ジカルボン酸のモノ及びジエステ
ル、例えばフタル酸のモノエステル及びジエステルが好
ましく、例えば、モノメチルフタレート、ジメチルフタ
レート、モノメチルテレフタレート、ジメチルテレフタ
レート、モノエチルフタレート、ジエチルフタレート、
モノエチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、
モノプロピルフタレート、ジプロピルフタレート、モノ
プロピルテレフタレート、ジプロピルテレフタレート、
モノブチルフタレート、ジブチルフタレート、モノブチ
ルテレフタレート、ジブチルテフタレート、モノイソブ
チルフタレート、ジイソブチルフタレート、モノアミル
フタレート、ジアミルフタレート、モノイソアミルフタ
レート、ジイソアミルフタレート、エチルブチルフタレ
ート、エチルイソブチルフタレート、エチルプロピルフ
タレート;
【0024】炭素原子数2〜20の酸ハロゲン化物類、
この酸ハロゲン化物の酸部分(アシル基部分)として
は、炭素数2〜20程度の脂肪族(脂環族等の環を有す
るものも含む)系の一塩基性、二塩基性又は三塩基性酸
からそれぞれの水酸基を引き抜いた1価〜3価のアシル
酸、あるいは炭素数7〜20程度の芳香族(アルカリ−
ル型やアラルキル型のものも含む。)系の一塩基性、二
塩基性又は三塩基性酸からそれぞれの水酸基を引き抜い
た1価〜3価のアシル基などが好ましい。また、前記酸
ハロゲン化物中のハロゲン原子としては、塩素原子、臭
素原子などが好ましく、特に塩素原子が好ましい。
【0025】好適に使用することのできる酸ハロゲン化
物としては、例えば、アセチルクロリド、アセチルブロ
ミド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、イソ
ブチリルクロリド、2−メチルプロピオニルクロリド、
バレリルクロリド、イソバレリルクロリド、ヘキサノイ
ルクロリド、メチルヘキサノイルクロリド、2−エチル
ヘキサノイルクロリド、オクタノイルクロリド、デカノ
イルクロリド、ウンデカノイルクロリド、ヘキサデカノ
イルクロリド、オクタデカノイルクロリド、ベンジルカ
ルボニルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロリ
ド、マロニルジクロリド、スクシニルジクロリド、ペン
タンジオイルジクロリド、ヘキサンジオイルジクロリ
ド、シクロヘキサンジカルボニルジクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、ベンゾイルブロミド、メチルベンゾイルク
ロリド、フタロイルクロリド、イソフタロイルクロリ
ド、テレフタロイルクロリド、ベンゼン−1,2,4−
トリカルボニルトリクロリドなどを挙げることができ
る。これらの中でも、特にフタロイルクロリド、イソフ
タロイルクロリド、テレフタロイルクロリドなどが好ま
しく、特にフタロイルクロリドが好ましい。なお、これ
らの酸ハロゲン化物は、一種を単独で使用してもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0026】炭素原子数2〜20のエーテル類、例え
ば、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチ
レングリコールブチルエーテル;酸アミド、例えば、酢
酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド;アミン
類、例えば、トリブチルアミン、N、N’−ジメチルピ
ペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、
ピロリン、テトラメチルエチレンジアミン;ニトリル
類、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニ
トリル;テトラメチル尿素、ニトロベンゼン、リチウム
ブチレート;
【0027】Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合
物、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチル
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、γ−クロルプロピル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルト
リエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、イソプロピルシクロヘキシ
ルジメトキシシラン、イソブチルシクロヘキシルジメト
キシシラン、tert−ブチルシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、イソプロピルシクロヘキシルジエトキシシラン、
イソブチルシクロヘキシルジエトキシシラン、tert−ブ
チルシクロヘキシルジエトキシシラン、メチルシクロヘ
キシルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチ
ル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエト
キシジシロキサン等を挙げることができる。これらのう
ち、好ましいものは、エステル類、エーテル類、ケトン
類、酸無水物等である。
【0028】固体触媒成分(A)は、(a)固体生成物
と、(b)チタン化合物と、必要に応じて(c)電子供
与性化合物とを用い、公知の方法で調製することができ
る。例えば、固体生成物(a)と電子供与性化合物
(c)とを接触させた後、チタン化合物(b)と接触さ
せるのが好ましい。固体生成物(a)に電子供与性化合
物(c)を接触させる際の条件には特に制限はなく、各
種の事情に応じて適宜定めればよい。通常は、マグネシ
ウム原子換算で固体生成物(a)1モルに対して電子供
与性化合物(c)0.01〜10モル、好ましくは0.
05〜5モルを加え、0〜200℃にて5分〜10時間
の条件、好ましくは30〜150℃にて30分〜3時間
の条件で接触反応を行なえばよい。なお、この反応系に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン又はオクタン等の不
活性炭化水素を溶媒として加えることもできる。
【0029】固体生成物(a)に、又はそれと電子供与
性化合物(c)との接触生成物に、チタン化合物(b)
を接触させる際の条件には特に制限はないが、通常は生
成物中のマグネシウム1モルに対して、チタン化合物
(b)を1〜50モル、好ましくは2〜20モルの範囲
で加え、0〜200℃にて5分〜10時間、好ましくは
30〜150℃にて30分〜5時間反応させる。チタン
化合物(b)との接触は、液体状のチタン化合物(例え
ば、四塩化チタン)はそれ単独で、それ以外のチタン化
合物は任意の不活性炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、
ヘプタン、灯油)に溶解させた状態で行なうことができ
る。また、前記の固体生成物(a)とチタン化合物
(b)と、必要に応じて電子供与性化合物(c)との前
記の接触の前に、例えば、ハロゲン化炭化水素、ハロゲ
ン含有ケイ素化合物、ハロゲンガス、塩化水素、ヨウ化
水素等を固体生成物(a)に接触させることもできる。
なお、反応終了後は、不活性炭化水素(例えば、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン)で、生成物を洗浄するのが好ま
しい。
【0030】前記有機金属化合物(B)としては、周期
率表第1族〜第3族の金属を含む任意の有機化合物を好
適に用いることができる。この周期率表第1族〜第3族
の金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム等を挙げること
ができ、特にアルミニウムが好ましい。有機金属化合物
(B)の具体例を示せば、アルキルリチウム、例えば、
メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム又
はブチルリチウム;ジアルキル亜鉛、例えば、ジメチル
亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛又はジブチル亜鉛
等がある。
【0031】また、有機アルミニウム化合物としては、
一般式 AlR2 m2 3-m (式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基、シク
ロアルキル基又はアリール基であり、mは1〜3の整数
であり、X2はハロゲン原子例えば塩素原子又は臭素原
子である)で表わされる化合物が広く用いられる。具体
的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例えば、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム又はトリオクチルアルミニウム;あるいは、ジアルキ
ルアルミニウムモノハライド化合物、例えば、ジエチル
アルミニウムモノクロリド、ジプロピルアルミニウムモ
ノクロリド又はジオクチルアルミニウムモノクロリド等
を挙げることができる。
【0032】前記電子供与性化合物(C)は、必要に応
じて併用することができる。この場合、電子供与性化合
物(C)としては、前記の固体触媒成分(A)の調製の
際に用いた電子供与性化合物(c)と同様のものを用い
ることができる。この際、電子供与性化合物(C)は、
前記の固体触媒成分(A)の調製の際に用いた電子供与
性化合物(c)と同じものであっても、異なるものであ
ってもよい。
【0033】本発明で用いるポリオレフィン重合体(ポ
リオレフィンパウダー)は、上記触媒を用いて製造する
ことができる。重合条件は特に制限されず、公知の方法
と同様の条件を用いることができ、例えば、大気圧より
も高いオレフィンの分圧下で、−80℃〜+150℃の
温度下で、場合により不活性炭化水素希釈剤の存在下
で、液相又は気相中で実施することができる。
【0034】また、本発明で用いるポリオレフィン重合
体(ポリオレフィンパウダー)は、上記触媒の他、例え
ば、TiCl3を基礎とし、比表面積が75m2/gより
大きい固体触媒錯体(特開昭47-34478号公報,特開昭49
-59094号公報に開示されたδ型TiCl3触媒)をベー
スとし、これを4−メチル−1−ペンテンで予備重合し
て炭化水素で洗浄した触媒等を用いても良好に製造する
ことができ、その製法に限定はない。
【0035】(2)二酸化珪素 本発明で用いる二酸化珪素の性状に特に制限はないが、
平均粒径が0.5〜15μm、特に1〜8μmで、かつ
嵩密度(ゆるみ)が0.30g/cc未満、特に0.2
5g/cc未満であるものが好ましい。平均粒径が0.
5μm未満であるとブロッキング防止効果が低下するこ
とがあり、平均粒径が15μmを超えるとフィルムヘイ
ズが悪化することがある。嵩密度(ゆるみ)が0.30
g/cc以上であるとシリカの添加効果が低下すること
がある。さらに、本発明で用いる二酸化珪素としては、
BET法で測定した比表面積が100〜1000m2
g、特に200〜500m2/gであることが望まし
く、これにより他の添加剤、例えばスリップ剤との相性
が良くなるという効果がある。 二酸化珪素の配合量
は、オレフィン重合体100重量部に対し0.05〜2
重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部である。配合
量が0.05重量部未満であるとフィルムやシートのブ
ロッキング防止効果及び耐摩耗性向上が得られず、2重
量部を超えるとフィルムのヘイズが低下する。
【0036】(3)任意成分 本発明のオレフィン重合体組成物には、必要に応じ、任
意成分として酸化防止剤、耐候安定剤、スリップ剤、発
泡剤、顔料、染料、難燃剤などを適宜配合することがで
きる。
【0037】本発明のオレフィン重合体組成物は、前記
ポリオレフィンパウダーに前記二酸化珪素を配合して製
造する。製造方法に限定はなく、例えば、公知の攪拌混
合装置を用いてポリオレフィンパウダーと二酸化珪素粒
子とを攪拌、混合した後、この混合物を二軸混練押出機
などの通常の混練押出機を用いて造粒することにより製
造することができる。この場合、特定性状のポリオレフ
ィンパウダーを用いたことにより、プラント運転性、二
酸化珪素分散性が向上する。
【0038】本発明のフィルム又はシートは、上述した
本発明のオレフィン重合体組成物を用いて製造する。こ
の場合成形方法としては、例えば、Tダイ成型法、イン
フレーションン成型法等を採用することができる。ま
た、本発明のオレフィン重合体組成物は、フィルム又は
シートの他、周知の方法によって各種成形品に成形加工
することもできる。
【0039】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。下記実施例1〜5,比較例1〜6のオレフィン重
合体組成物を製造した。このとき用いたポリオレフィン
製造用触媒、二酸化珪素は下記のものである(表2参
照)。
【0040】ポリオレフィン製造用触媒 A−1:TiCl3を基礎とし、比表面積が75m2/g
より大きい固体触媒錯体(特開昭47-34478号公報,特開
昭49-59094号公報に開示されたδ型TiCl3触媒)を
ベースとし、これをプロピレンで予備重合した触媒 A−2:上記δ型TiCl3触媒をベースとし、これを
4−メチル−1−ペンテンで予備重合して炭化水素で洗
浄した触媒 B:AA型TiCl3触媒(東曹・アクゾ社製Eグレー
ド)をベースとし、これをプロピレンで予備重合した触
媒 C−1:金属マグネシウム、アルコール及びハロゲンを
反応させて得られた固体生成物をベースとする触媒 C−2:金属マグネシウム及びアルコールを反応させて
得られた固体生成物をベースとする触媒
【0041】二酸化珪素 a:平均粒径1.8μm,嵩密度(ゆるみ)0.06g
/cc,比表面積300m2/gの二酸化珪素(富士デ
ビソン(株)製サイロイド244) b:平均粒径2.3μm,嵩密度(ゆるみ)0.13g
/cc,比表面積300m2/gの二酸化珪素(水沢化
学(株)製P707(D)) なお、平均粒径はコールター・カウンター法で求めた重
量平均径,嵩密度(ゆるみ)はパウダーテスター(ホソ
カワミクロン社製)で求めたゆるみ見掛け比重,比表面
積はBET法で求めた値を示す。
【0042】実施例1 (1)触媒(A−2)の調製 攪拌機付きガラス製反応器(内容積1リットル)を乾燥
し、窒素ガスで置換した後、前記のδ型TiCl3触媒
2.5g、DEAC(ジエチルアルミニウムクロリド)
2.3g、ヘキサン500mlを入れ、次いで4−メチ
ル−1−ペンテン8.0gを加えた。系内を25〜30
℃に保ち、攪拌を30分続けて反応させた後、触媒を沈
降させて上澄みをチューブで抜き出し、得られた予備重
合触媒をヘキサン500mlで5回洗浄した。予備重合
量は2.5g/g触媒であった。
【0043】(2)オレフィンの重合 ステンレススチール製オートクレーブ(内容積10リッ
トル)に精製ヘプタン5リットル、DEAC6.0g、
上記予備重合触媒(A−2)2.5gを入れ、プロピレ
ン分圧8.0Kg/cm2、水素分圧0.35Kg/c
2、重合温度65℃、攪拌速度400rpmの条件で
5時間重合を行い、プロピレンホモ重合体を得た。 (3)重合物の後処理 重合終了後、オートクレーブにn−ブチルアルコール3
0mlを加え、80℃で30分間脱灰を行い、次いで6
0℃のヘプタン5リットルで3回重合物の洗浄を行っ
た。その後、窒素雰囲気下で得られたポリオレフィンパ
ウダーの乾燥を行った。
【0044】(4)ブレンド、造粒 上記ポリオレフィンパウダー100重量部(2Kg)、
二酸化珪素(a)0.25重量部及び酸化防止剤(チバ
ガイギー社製イルガノックス1010)0.1重量部を
攪拌機(川田製作所社製スーパーフローター)により1
700rpmの攪拌速度で4分間ブレンドした後、これ
を2軸混練押出機(東芝機械(株)製TEM−35B)
を用いて230℃で造粒し、オレフィン重合体組成物を
得た。
【0045】比較例1 (1)触媒(A−1)の調製 オートクレーブに精製ヘプタン5リットル、前記のδ型
TiCl3触媒0.75g、DEAC6.0gを入れ、
25℃にてプロピレンを0.3Kg/cm2導入し、3
0分攪拌して予備重合を行なった。 (2)オレフィンの重合 次いで、そのまま内温を上げ、重合温度65℃、プロピ
レン分圧8.0Kg/cm2、水素分圧0.38Kg/
cm2の条件で5時間重合を行い、プロピレンホモ重合
体を得た。 (3)重合物の後処理 実施例1(3)と同様の方法で行った。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例1
(4)と同様の方法で行った。
【0046】実施例2 二酸化珪素(a)の代わりに二酸化珪素(b)を用いた
こと以外は、実施例1(1)〜(4)と同様に行なっ
た。比較例2 二酸化珪素(a)の代わりに二酸化珪素(b)を用いた
こと以外は、比較例1(1)〜(4)と同様に行なっ
た。
【0047】比較例3 (1)触媒(B)の調製 オートクレーブに精製ヘプタン5リットル、前記のAA
型TiCl3触媒0.95g、DEAC10gを入れ、
25℃にてプロピレンを0.45Kg/cm2導入し、
30分間攪拌して予備重合を行った。 (2)オレフィンの重合 次いで、そのまま内温を上げ、重合温度60℃、プロピ
レン分圧9.5Kg/cm2、水素分圧0.40Kg/
cm2の条件で6時間重合を行い、プロピレンホモ重合
体を得た。 (3)重合物の後処理 実施例1(3)と同様の方法で行った。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例1
(4)と同様の方法で行った。
【0048】実施例3 (1)触媒(C−1)の調製 攪拌機付きのガラス製反応器(内容積約6リットル)を
窒素ガスで充分に置換し、エタノール約2430g、ヨ
ウ素13g及び金属マグネシウム(顆粒状,平均粒度3
50μm)160gを投入し、攪拌しながら、還流条件
下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで加熱下で反
応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状生成物を
含む反応液を減圧乾燥させることにより、固体生成物を
得た。窒素ガスで充分に置換したガラス製三つ口フラス
コ(内容積500ml)に、上記固体生成物16g、精
製ヘプタン80ml、四塩化珪素2.2ml及びフタル
酸ジエチル2.8mlを加えた。系内を90℃に保ち、
攪拌しながら四塩化チタン85mlを投入し、100℃
で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精
製ヘプタンで洗浄した。更に、四塩化チタン110ml
を加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタン
で充分に洗浄し、固体触媒成分(C−1)を得た。
【0049】(2)オレフィンの重合 ステンレススチール製オートクレーブ(内容積10リッ
トル)に精製ヘプタン5リットル、TIBA(トリイソ
ブチルアルミニウム)10mmol、ジフェニルジメト
キシシラン3.5mmol及び上記固体触媒(C−1)
(Ti原子換算で0.07mmol)を入れ、プロピレ
ン分圧8.0Kg/cm2、水素分圧0.4Kg/c
2、重合温度70℃の条件で3時間重合を行い、プロ
ピレンホモ重合体を得た。 (3)重合物の後処理 重合終了後、60℃のヘプタン5リットルで3回重合物
の洗浄を行った。その後、窒素雰囲気下で得られたポリ
オレフィンパウダーの乾燥を行った。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例1
(4)と同様の方法で行った。
【0050】比較例4 (1)触媒(C−2)の調製 固体生成物を調製においてヨウ素を使用しないこと以外
は、実施例3(1)と同様にして固体触媒成分(C−
2)を調製した。 (2)オレフィンの重合 上記固体触媒成分(C−2)を用い、実施例3(2)と
同様の方法で行った。 (3)重合物の後処理 実施例3(3)と同様の方法で行った。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例3
(4)と同様の方法で行った。
【0051】実施例4 (1)触媒(A−2)の調製 実施例1(1)と同様の方法で行った。 (2)オレフィンの重合 オートクレーブに精製ヘプタン5リットル、DEAC
3.6g、上記予備重合触媒(A−2)1.6gを入
れ、プロピレン分圧8.5Kg/cm2、水素分圧0.
35Kg/cm2に設定し、エチレンをプロピレン反応
量に対して4mol%の割合でフィードし、重合温度6
2℃で5時間重合を行い、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体を得た。 (3)重合物の後処理 実施例1(3)と同様の方法で行った。NMRにより測
定を行なったところ、重合物のエチレン含有量は3.5
wt%、ランダム分率は14.6mol%であった。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例1
(4)と同様の方法で行った。
【0052】実施例5 (1)触媒(C−1)の調製 実施例3(1)と同様の方法で行った。 (2)オレフィンの重合 オートクレーブに精製ヘプタン5リットル、TIBA7
mmol、ジフェニルジメトキシシラン2.0mmol
及び上記触媒(C−1)(Ti原子換算で0.04mm
ol)を入れ、プロピレン分圧8.0Kg/cm2、水
素分圧0.4Kg/cm2に設定し、エチレンをプロピ
レン反応量に対して4mol%の割合でフィードし、重
合温度70℃で3時間重合を行い、プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体を得た。 (3)重合物の後処理 重合終了後、60℃のヘプタン5リットルで3回重合物
の洗浄を行った。その後、窒素雰囲気下で得られたポリ
オレフィンパウダーの乾燥を行った。NMRにより測定
を行なったところ、重合物のエチレン含有量は3.2w
t%、ランダム分率は13.4mol%であった。 (4)ブレンド、造粒 得られたポリオレフィンパウダーを用い、実施例1
(4)と同様の方法で行った。
【0053】比較例5 触媒(A−2)を使用したこと以外は、実施例4(2)
〜(4)と同様に行なった。比較例6 触媒(C−2)を使用したこと以外は、実施例5(2)
〜(4)と同様に行なった。
【0054】次に、上記実施例,比較例で得られたオレ
フィン重合体組成物を用いてフィルムを製造した。フィ
ルムの製造は下記のように行った。フィルムの製造 20m/mφ小型CPP成形機で成膜を行なった。この
成形機は、フルフライトスクリュー(L/D=20、L
はスクリュー長、Dはスクリュー径である)、幅170
mmのコートハンガータイプダイスを有し、リップ幅が
0.4mmのものである。また、成膜条件は下記表1の
通りとした。
【0055】
【表1】
【0056】上記各例で用いたポリオレフィン重合用触
媒、得られたポリオレフィンパウダーの種類、メルトイ
ンデックス(MI)、粒径分布(P)、球形度(D)及
びパウダー流動性、用いた二酸化珪素の種類、得られた
フィルムのフィッシュアイ及びヘイズを表2に示す。
【0057】上記物性の測定方法は下記の通りである。測定方法 MI:230℃、2.16Kgの条件でJIS K72
10に準じて測定した。 パウダー流動性:JIS K6721において用いられ
る嵩比重測定器にて100gのパウダーが落下する時間
を測定した。 フィッシュアイ:0.1m/m以上のサイズのものを目
視法で測定した。 ヘイズ:ヘイズメータを用い、JIS K6714に準
じて測定した。 粒径分布指数(P):ポリオレフィンパウダーを震動篩
で分級して粒度分布を求め、その分布を対数分布紙にプ
ロットして90%粒子径、10%粒子径を求め、前記
(1)式にて算出した。
【0058】球形度(S):ポリオレフィンパウダーを
走査型電子顕微鏡或いは光学顕微鏡にて撮影してパウダ
ーの画像を得、その画像或いはパウダーそのものの形態
をカメラにより画像解析装置に入力する。この際に、1
画素をサンプルパウダーの平均粒径の1/40〜1/1
00に設定する。次に、画像解析装置(nexus社製 nexu
s6510)により、36画素以下の粒子を除去して37画
素以上の粒子について総個数2000個以上の画像解析
処理を行なう。この画像解析の結果に基づいて前記
(2)式により個々の粒子の球形度Siを求め、前記
(3)式に従ってその平均値Sを算出した。このSを球
形度とした。
【0059】上記物性の内、パウダー流動性は25se
c/100g以下、フィッシュアイは10個/1000
cm2以下、ヘイズはホモ重合体では6%以下、ランダ
ム共重合体では3%以下がそれぞれ良好な値である。な
お、フィルム中、特にフィッシュアイ中の二酸化珪素の
存在はFT−IRにて確認した。
【0060】
【表2】
【0061】表2の結果より、ポリオレフィンパウダー
の粒径分布(P)が5以下、球形度(S)が1.10以
上であると、パウダー流動性が向上すると共に、二酸化
珪素分散性が向上し、得られるフィルムのフィッシュア
イ,ヘイズが低減することがわかる。
【0062】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合体組成物は、特
定の粒径分布及び球形度を有するポリオレフィンパウダ
ーを用いたことにより、製造時におけるパウダー流動性
及び二酸化珪素の均一分散性に優れている。従って、本
発明によれば、組成物製造時のプラント運転性を向上さ
せることができる。また、ブロッキングが抑制され、か
つ耐磨耗性が高い上、フィッシュアイが少なく、透明性
に優れたフィルム又はシートを得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】従って、本発明は、パウダーモルフォロジ
ーにおいて下記式(1)で求められる粒径分布指数
(P)が5以下、下記式(2),(3)で求められる球
形度(S)が1.10以上であるオレフィン重合体10
0重量部と、二酸化珪素0.05〜2重量部とを配合し
てなることを特徴とするオレフィン重合体組成物を提供
する。 P=D90/D10 ・・・(1) (D90は累積重量分率が90%に対応する粒子径、D
10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示
す。) Si=(E2/A)×(1/4π) ・・・(2) S=ΣSi/N ・・・(3) (Eは粒子の投影画像の周囲長、Aは粒子の投影面積、
Siは個々の粒子の球形度、Nは測定粒子数、Sは球形
度の平均値を示す。)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】球形度(S):ポリオレフィンパウダーを
走査型電子顕微鏡或いは光学顕微鏡にて撮影してパウダ
ーの画像を得、その画像或いはパウダーそのものの形態
をカメラにより画像解析装置に入力する。この際に、1
画素をサンプルパウダーの平均粒径の1/40〜1/1
00に設定する。次に、画像解析装置(nexus社製 nexu
s6510,画素数512×480画素)により、36画素
以下の粒子を除去して37画素以上の粒子について総個
数2000個以上の画像解析処理を行なう。この画像解
析の結果に基づいて前記(2)式により個々の粒子の球
形度Siを求め、前記(3)式に従ってその平均値Sを
算出した。このSを球形度とした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パウダーモルフォロジーにおいて下記式
    (1)で求められる粒径分布指数(P)が5以下、下記
    式(2),(3)で求められる球形度(S)が1.10
    以上であるオレフィン重合体100重量部と、二酸化珪
    素0.05〜2重量部とを配合してなることを特徴とす
    るオレフィン重合体組成物。 P=D90/D10 ・・・(1) (D90は累積重量分率が90%に対応する粒子径、D
    10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示
    す。) Si=(E2/A)×(π/4) ・・・(2) S=(ΣSi)/N ・・・(3) (Eは粒子の投影画像の周囲長、Aは粒子の投影面積、
    Siは個々の粒子の球形度、Nは測定粒子数、Sは球形
    度の平均値を示す。)
  2. 【請求項2】 二酸化珪素が、平均粒径が0.5〜15
    μm、嵩密度が0.3未満のものである請求項1記載の
    ポリオレフィン重合体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリオレフィン重
    合体組成物を成形してなることを特徴とするフィルム又
    はシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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