JPH055054A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH055054A
JPH055054A JP19663291A JP19663291A JPH055054A JP H055054 A JPH055054 A JP H055054A JP 19663291 A JP19663291 A JP 19663291A JP 19663291 A JP19663291 A JP 19663291A JP H055054 A JPH055054 A JP H055054A
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JP
Japan
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unit
group
liquid crystal
crystal polyester
resin
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Withdrawn
Application number
JP19663291A
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English (en)
Inventor
Michihiko Izumi
泉 充 彦 和
Kenji Yoshino
野 健 司 吉
Masahiro Wakui
井 正 浩 涌
Masahiko Kajioka
岡 正 彦 梶
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の各単位からなる液晶ポリエステル樹脂
(A)、(B)または(C)とポリアリレート系樹脂
(D)とを所定割合で含有する樹脂組成物、および液晶
ポリエステル樹脂(A)、(B)および(C)から選択
される2種以上の液晶ポリエステル樹脂とポリアリレー
ト系樹脂(D)とを所定割合で含有する樹脂組成物。 【効果】 耐熱性、寸法安定性および機械的強度に優
れ、機械的性質の異方性が小さい物性バランスの優れた
樹脂組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、寸法安定性お
よび機械的強度に優れ、しかも、機械的性質の異方性が
小さい、物性バランスの優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のプラスチックの高性能化に対する
要求に対応して、様々な性質を持った樹脂が数多く開発
され、市場に提供されている。中でも、異方性溶融相を
形成しうる液晶ポリエステル樹脂(例えば特開昭63−
284221号、特開昭64−33123号)は、優れ
た耐熱性、機械的性質を有する点で注目されている。
【0003】しかしながら、前述の液晶ポリエステル樹
脂は、機械的性質の異方性が大きいという欠点を有す
る。そこで、この欠点を解消すべく、ガラス繊維等の無
機フィラーを配合する方法(例えば、特開昭63−26
4660号、特開昭64−38464号)が提案された
が、無機フィラーの配合により、脆性の増大、成形機内
のスクリューが摩耗しやすくなる、表面光沢性の低下等
の問題点が生じた。
【0004】かかる問題点を解決するため、特定の液晶
ポリエステルとポリアリレート系樹脂とをブレンドする
方法が数多く開示されているが、耐熱性、機械的強度、
寸法安定性が実用上十分でない。特開昭61−2665
6号、特開昭60−149656号、特開昭63−18
3952号に開示された液晶ポリエステル組成物は、耐
熱性、機械的性質、成形性、異方性の改良の点でいずれ
も十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
の液晶ポリエステル樹脂の欠点を解決するものであり、
耐熱性、寸法安定性および機械的強度に優れ、しかも、
機械的性質の異方性が小さい、物性バランスの優れた樹
脂組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明第一の態様は、実
質的に下記式I、II、III 、IVおよびVで表わされる各
単位からなり、単位Iは40〜70モル%、単位IIは1
〜8モル%、(単位III +単位IV)は6〜36モル%、
単位Vは10〜40モル%であり、かつ、単位III /
(単位III +単位IV)のモル比が0.1〜0.8である
液晶ポリエステル樹脂(A)と、ポリアリレート樹脂成
分がその構成単位の70重量%以上である、および/ま
たは、ポリアリレート樹脂と他のポリマーとの混合物で
あってポリアリレート樹脂が70重量%以上であるポリ
アリレート系樹脂(D)とを含有し、液晶ポリエステル
樹脂(A)とポリアリレート系樹脂(D)との合計量の
うちの45〜95重量%が液晶ポリエステル樹脂(A)
であることを特徴とする樹脂組成物である。
【0007】
【化4】 (ただし、上記式中のXは水素原子、C1 〜C4 のアル
キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリ
ール基またはハロゲン原子であり、Yは酸素原子または
カルボニル基であり、また、式Vは少なくとも1個の単
環もしくは縮合環の芳香族環を有する対称性ジオキシ単
位である。)
【0008】本発明第二の態様は、実質的に下記式I、
II、III、IV、VおよびVIで表わされる各単位からな
り、単位Iは40〜70モル%、単位IIは1〜8モル
%、(単位III +単位IV)は6〜36モル%、単位Vは
10〜40モル%、単位VIは0.1〜10モル%であ
り、かつ、単位III /(単位III +単位IV)のモル比が
0.1〜0.8である液晶ポリエステル樹脂(B)と、
ポリアリレート樹脂成分がその構成単位の70重量%以
上である、および/または、ポリアリレート樹脂と他の
ポリマーとの混合物であって、ポリアリレート樹脂が7
0重量%以上であるポリアリレート系樹脂(D)とを含
有し、液晶ポリエステル樹脂(B)とポリアリレート系
樹脂(D)との合計量のうちの45〜95重量%が液晶
ポリエステル樹脂(B)であることを特徴とする樹脂組
成物である。
【0009】
【化5】 (ただし、上記式中のXは水素原子、C1 〜C4 のアル
キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリ
ール基またはハロゲン原子であり、Yは酸素原子または
カルボニル基であり、Z1 はイミノ基であり、Z2 はイ
ミノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ
2 は互いにパラ位またはメタ位に位置する。また、式V
は少なくとも1個の単環もしくは縮合環の芳香族環を有
する対称性ジオキシ単位である。)
【0010】本発明第三の態様は、実質的に下記式VI、
VII 、VIII、IXおよびXで表わされる各単位からなり、
単位VIは0.1〜10モル%、単位VII は3〜30モル
%、単位VIIIは5〜30モル%、単位Xは30〜85モ
ル%であり、かつ、式VI中のZ2 がイミノ基または酸素
原子の場合は、単位IX/(単位VI+単位VIII)のモル比
が0.8〜1.1、Z2 がカルボニル基の場合は、単位
IX/単位VIIIのモル比が0.8〜1.1である液晶ポ
リエステル樹脂(C)と、ポリアリレート樹脂成分がそ
の構成単位の70重量%以上である、および/または、
ポリアリレート樹脂と他のポリマーとの混合物であって
ポリアリレート樹脂が70重量%以上であるポリアリレ
ート系樹脂(D)とを含有し、液晶ポリエステル樹脂
(C)とポリアリレート系樹脂(D)との合計量のうち
の45〜95重量%が液晶ポリエステル樹脂(C)であ
ることを特徴とする樹脂組成物である。
【0011】
【化6】 (ただし、上記式中のZ1 はイミノ基であり、Z2 はイ
ミノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ
2は互いにパラ位またはメタ位に位置する。また、R1
〜R4 はパラフェニレン基、メタフェニレン基、2,6
−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン基からなる群
から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、芳香族
環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されてい
てもよく、R1 〜R4 は相互に同じであっても異なって
いてもよい。)
【0012】本発明第四の態様は、前記液晶ポリエステ
ル樹脂(A)、前記液晶ポリエステル樹脂(B)および
前記液晶ポリエステル樹脂(C)から選択される2種以
上の液晶ポリエステル樹脂と、前記ポリアリレート系樹
脂(D)とを含有し、液晶ポリエステル樹脂とポリアリ
レート系樹脂(D)との合計量のうちの45〜95重量
%が液晶ポリエステル樹脂であることを特徴とする樹脂
組成物である。
【0013】以下に、本発明を詳細に説明する。はじめ
に、本発明で用いる液晶ポリエステル樹脂について述べ
る。液晶ポリエステル樹脂(A)は、実質的に下記式
I、II、III 、IV、およびVで示される単位から構成さ
れる。
【0014】
【化7】 (ただし、上記式中のXは水素原子、C1 〜C4 のアル
キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリ
ール基またはハロゲン原子であり、Yは酸素原子または
カルボニル基であり、また、式Vは少なくとも1個の単
環もしくは縮合環の芳香族環を有する対称性ジオキシ単
位である。)
【0015】単位Iは、前記式Iで示され、p−ヒドロ
キシ安息香酸、あるいは、そのベンゼン核の水素原子が
1 〜C4 のアルキル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、
8 〜C10のアリール基、又は、ハロゲン(好ましくは
塩素、臭素)原子で置換されたp−ヒドロキシ安息香酸
に由来する部分である。
【0016】単位Iは、好ましくは、未置換のp−ヒド
ロキシ安息香酸、そのアセテート、プロピオネート、ベ
ンゾエート、メチル、エチル、フェニルなどのエステル
形成性誘導体に由来する部分であるのがよい。
【0017】液晶ポリエステル樹脂(A)における単位
Iの割合は40〜70モル%、好ましくは約45〜65
モル%である。単位Iが40モル%未満あるいは70モ
ル%を越える場合、液晶ポリエステル樹脂(A)の、ひ
いては本発明の樹脂組成物の機械的強度が低下する。
【0018】単位IIは、前記式IIで示され、m−ヒドロ
キシ安息香酸(Yが酸素原子の場合)、イソフタル酸
(Yがカルボニル基の場合)、あるいはそれらのベンゼ
ン核の水素原子が、C1 〜C4 のアルキル基、C1 〜C
4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリール基、又は、ハ
ロゲン(好ましくは塩素、臭素)原子で置換されたm−
ヒドロキシ安息香酸またはイソフタル酸に由来する部分
である。
【0019】単位IIについて、より具体的に述べると、
未置換のイソフタル酸、そのメチル、エチル、フェニル
のモノまたはジエステル誘導体、未置換のm−ヒドロキ
シ安息香酸、そのアセテート、プロピオネート、ベンゾ
エート、メチル、エチル、フェニルのモノまたはジエス
テル誘導体などに由来する部分を代表的にあげることが
できる。
【0020】液晶ポリエステル樹脂(A)における単位
IIの割合は1〜8モル%、好ましくは2〜5モル%であ
る。単位IIが1モル%未満であると、液晶ポリエステル
樹脂(A)の流れ温度が高くなって成形しづらく、8モ
ル%を越えると、液晶ポリエステル樹脂(A)の、ひい
ては本発明の樹脂組成物の耐熱性が低下する。
【0021】単位III は、前記式III で示され、テレフ
タル酸あるいはそのメチル、エチル、フェニル等のモノ
またはジエステル誘導体に由来する部分であり、単位IV
は、前記式IVで示され、2,6−ナフタレンジカルボン
酸あるいはそのメチル、エチル、フェニル等のモノまた
はジエステル誘導体等に由来する部分である。
【0022】液晶ポリエステル樹脂(A)における(単
位III +単位IV)の割合は6〜36モル%、好ましくは
12〜27モル%である。(単位III +単位IV)が6モ
ル%未満であると、液晶ポリエステル樹脂(A)の流れ
温度が高くなって成形しづらく、36モル%を超える
と、液晶ポリエステル樹脂(A)、ひいては本発明の樹
脂組成物が着色しやすくなり、また、機械的強度が低下
する。
【0023】単位III と単位IVのモル比[単位III /
(単位III +単位IV)]は0.1〜0.8、好ましくは
約0.3〜0.7である。このモル比が0.1未満ある
いは0.8超であると、液晶ポリエステル樹脂(A)の
流れ温度が高くなって成形しづらく、また、0.1未満
の場合は、さらに、液晶ポリエステル樹脂(A)、ひい
ては本発明の樹脂組成物の耐熱性が低くなる。
【0024】単位Vは、前記式Vで示され、対称性ジヒ
ドロキシ化合物またはその誘導体に由来する部分であ
る。
【0025】単位Vについて、より具体的に述べると、
【化8】 等が挙げられ、これらの中で、特に、ヒドロキノン、ビ
スフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
ジヒドロキシビフェニルエーテル、2,6−ジヒドロキ
シナフタレン等、またはこれらのアセテート、プロピオ
ネート、ベンゾエートなどのモノまたはジエステル誘導
体等に由来する部分であるのがよく、なかでも、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレンに由来する部分であるのがよい。
【0026】液晶ポリエステル樹脂(A)における単位
Vの割合は10〜40モル%、好ましくは17.5〜2
7.5モル%である。単位Vが10モル%未満である
と、液晶ポリエステル樹脂(A)の流れ温度が高くなっ
て成形しづらく、40モル%を超えると、液晶ポリエス
テル樹脂(A)、ひいては本発明の樹脂組成物の耐熱性
が低下する。
【0027】液晶ポリエステル樹脂(A)は、前記単位
I〜Vを前記の割合で有するように、各単位を与える化
合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)を原料として
用いて重合することによって得ることができる。
【0028】液晶ポリエステル樹脂(A)を得るための
重合方法や重合条件は特に限定されない。また、前記単
位I〜Vを与える原料化合物として、各々、1種類の化
合物を用いてもよいし、2種以上の化合物を用いてもよ
い。
【0029】液晶ポリエステル樹脂(B)は、実質的
に、前記液晶ポリエステル樹脂(A)を構成する前記単
位I〜Vと、下記式VIで示される単位VIから構成され
る。
【化9】 (ただし、式VI中のZ1 はイミノ基であり、Z2 はイミ
ノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ2
は互いにパラ位またはメタ位に位置する。)
【0030】なお、前記単位I〜V各々の液晶ポリエス
テル樹脂(B)における割合は、前記液晶ポリエステル
樹脂(A)における割合と同様であるので、ここでは、
単位VIについてのみ説明する。
【0031】単位VIは、前記式VIで示されるアニリノ基
(フェニルアミノ基)を有する単位である。より具体的
に、述べると、p−またはm−フェニレンジアミン、4
−アセトキシアセトアニリド、p−またはm−アセトア
ミド安息香酸やp−またはm−アミノ安息香酸あるいは
それらのエステル形成性誘導体等に由来する部分であ
る。
【0032】液晶ポリエステル樹脂(B)における単位
VIの割合は0.1〜10モル%、好ましくは1〜8モル
%である。単位VIが0.1モル%未満であると、アミド
基導入による異方性の緩和効果が十分ではなく、10モ
ル%を越えると、溶融温度および溶融粘度が高くなるた
めに、液晶ポリエステル樹脂(B)の、ひいては本発明
の樹脂組成物の成形性が悪化する上、該樹脂組成物の耐
熱性や機械的強度、弾性率が低下する。
【0033】液晶ポリエステル樹脂(B)は、前記単位
I〜VIを前記の割合で有するように、各単位を与える化
合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)を原料として
用いて重合することによって得ることができる。
【0034】液晶ポリエステル樹脂(B)を得るための
重合方法や重合条件は特に限定されない。また、前記単
位I〜VIを与える原料化合物として、各々、1種類の化
合物を用いてもよいし、2種類以上の化合物を用いても
よい。
【0035】液晶ポリエステル樹脂(C)は、実質的に
下記式VI、VII 、VIII、IXおよびXで示される単位から
構成される。
【0036】
【化10】 (ただし、上記式中のZ1 はイミノ基であり、Z2 はイ
ミノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ
2は互いにパラ位またはメタ位に位置する。また、R1
〜R4 はパラフェニレン基、メタフェニレン基、2,6
−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン基からなる群
から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、芳香族
環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されてい
てもよく、R1 〜R4 は相互に同じであっても異なって
いてもよい。)
【0037】単位VIについては、前記液晶ポリエステル
樹脂(B)の構成単位として既に述べ、また、液晶ポリ
エステル樹脂(C)における単位VIの割合は前記液晶ポ
リエステル樹脂(B)における単位VIの割合と同様であ
る(ただし、好適範囲は0.3〜7モル%である。)の
で、ここでは再度説明しない。
【0038】単位VII は、前記式VII で示されるが、前
記式VII 中のR1 は、パラフェニレン基、メタフェニレ
ン基、2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン
基から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、R1
の芳香族環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換さ
れていてもよいが、原料の入手しやすさから、R1 がパ
ラフェニレン基、または2,6−ナフタレン基であるの
がよい。
【0039】単位VII は、通常は、これを繰り返し単位
とするポリエステルを原料として用いて、液晶ポリエス
テル樹脂(C)中に導入されたものである。
【0040】このような原料として、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフトエ
ートなどがあげられる。
【0041】液晶ポリエステル樹脂(C)における単位
VII の割合は3〜30モル%、好ましくは5〜20モル
%である。単位VII が3モル%未満であると、液晶ポリ
エステル樹脂(C)の溶融温度が高くなり、本発明の樹
脂組成物の成形加工が難かしくなり、30モル%を超え
ると、液晶ポリエステル樹脂(C)の溶融温度が低下
し、本発明の樹脂組成物の成形加工がしやすくなる利点
はあるものの、液晶ポリエステル樹脂(C)の、ひいて
は本発明の樹脂組成物の耐熱性の低下という欠点を生ず
る。
【0042】単位VIIIは、前記式VIIIで示されるが、前
記式VIII中のR2 は、パラフェニレン基、メタフェニレ
ン基、2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン
基から選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、R2
の芳香族環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換さ
れていてもよいが、原料の入手しやすさから、R2 がパ
ラフェニレン基、2−メチルパラフェニレン基、2−ク
ロロパラフェニレン基、2−フェニルパラフェニレン
基、4,4’−ビフェニレン基または2,6−ナフタレ
ン基であるのがよい。
【0043】単位VIIIは、例えばヒドロキノン、4,
4’−ビフェノール、あるいはそれらの誘導体を原料と
して用いて、液晶ポリエステル樹脂(C)中に導入され
たものである。
【0044】液晶ポリエステル樹脂(C)における単位
VIIIの割合は5〜30モル%であり、好ましくは8〜2
0モル%である。単位VIIIが5モル%より少ない場合あ
るいは30モル%を超える場合は、液晶ポリエステル樹
脂(C)の、ひいては本発明の樹脂組成物の機械的強度
が低下する。
【0045】単位IXは、前記式IXで示されるが、前記式
IX中のR3 は、パラフェニレン基、メタフェニレン基、
2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン基から
選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、R3 の芳香
族環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されてい
てもよいが、原料の入手しやすさから、R3 がパラフェ
ニレン基であるのがよい。
【0046】単位IXは、例えばテレフタル酸やその誘導
体を原料として用いて、液晶ポリエステル樹脂(C)中
に導入されたものである。
【0047】液晶ポリエステル樹脂(C)中における単
位IXの割合は、前記単位VIの種類、および、前記単位VI
およびVIIIの割合によって影響される。
【0048】単位VIが、前記式VI中のZ2 がイミノ基ま
たは酸素原子の場合は、単位IX/(単位VI+単位VIII)
のモル比が0.8〜1.1、Z2 がカルボニル基の場合
は、単位IX/単位VIIIのモル比が0.8〜1.1であ
る。この比率の範囲外では、液晶ポリエステル樹脂
(C)の着色が生じると共に、液晶ポリエステル樹脂
(C)の、ひいては本発明の樹脂組成物の機械的強度の
低下、耐熱性の低下等が生じるので好ましくない。
【0049】単位Xは、前記式Xで示されるが、前記式
X中のR4 は、パラフェニレン基、メタフェニレン基、
2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン基から
選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、R4の芳香
族環上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されてい
てもよいが、原料の入手しやすさから、R4 がパラフェ
ニレン基、メタフェニレン基、であるのがよい。
【0050】単位Xは、例えば、パラヒドロキシ安息香
酸、メタヒドロキシ安息香酸やそれらの誘導体を原料と
して用いて、液晶ポリエステル樹脂(C)中に導入され
たものである。
【0051】液晶ポリエステル樹脂(C)における単位
Xの割合は30〜85モル%であり、好ましくは40〜
80モル%である。単位Xが30モル%に満たない場合
あるいは85モル%を越える場合は、液晶ポリエステル
樹脂(C)の、ひいては本発明の樹脂組成物の機械的強
度が著しく低下する。
【0052】液晶ポリエステル樹脂(C)は、前記単位
VI〜Xを前記の割合で有するように、各単位を与える化
合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)を原料として
用いて重合することによって得ることができる。
【0053】前記単位VI〜Xを与える化合物としては、
それぞれの単位に対応する、ポリエステル、芳香族ジオ
ール(及びその誘導体)、芳香族ジカルボン酸(及びそ
の誘導体)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(及びその誘
導体)、メタまたはパラフェニレンジアミン類(及びそ
れらの誘導体)、メタまたはパラアミノフェノール類
(及びそれらの誘導体)、メタ又はパラアミノ安息香酸
類(及びそれらの誘導体)が最適である。
【0054】なお、前記単位VI〜Xを与える原料化合物
として、各々、1種類の化合物を用いてもよいし、2種
類以上の化合物を用いてもよい。
【0055】また、液晶ポリエステル樹脂(C)を得る
ための重合方法や重合条件は特に限定されない。次に、
本発明で用いるポリアリレート系樹脂(D)について述
べる。
【0056】本発明で用いるポリアリレート系樹脂
(D)は、その構成単位の70重量%以上がポリアリレ
ート樹脂成分で構成される樹脂(D−1)、および/ま
たは、ポリアリレート樹脂と他のポリマーとの混合物で
あってポリアリレート樹脂 が70重量%以上であるも
の(D−2)である。
【0057】前記樹脂(D−1)を構成するポリアリレ
ート樹脂成分とは、テレフタル酸とイソフタル酸(およ
びそれらの誘導体)に由来する単位、および下記式XIII
で表わされるビスフェノール類単位およびその誘導体に
由来する単位である。
【0058】
【化11】 (ただし、上記式中のYは炭素数1〜4の低級 アルキ
レン基、
【化12】 のいずれかであり、Yの水素原子の一部または全部がハ
ロゲン原子で置きかわっていてもよく、Rは水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基のいずれ
かであり、互いに同じでも異なってもよい。)
【0059】ポリアリレート樹脂成分とは、下記式XI、
XII 、XIII、で表わされる単位を含み、
【化13】
【0060】前記単位XI、XII を与えるテレフタル酸や
イソフタル酸の誘導体とは、テレフタル酸ジクロライ
ド、イソフタル酸ジクロライドの如き酸ハロゲン化合
物、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テ
レフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルの如き
ジエステル酸化合物を示す。
【0061】また、テレフタル酸、イソフタル酸および
それらの誘導体は、フェニレン基の水素原子の一部また
は全部がハロゲン原子または低級アルキル基で置換され
ていてもよい。
【0062】前記単位XIIIを与える、前記式XIで表わさ
れるビスフェノール類としては、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタン等があげられ
る。
【0063】これらのうち、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンすなわちビスフェノールAが、
原料入手の容易さから好適である。
【0064】また、必要ならば、前記ビスフェノール類
に少量の芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば4,4’−
ビフェノール、2,6−ナフタレンジオール、ハイドロ
キノン、クロルハイドロキノン等を混合して使用するこ
ともできる。
【0065】本発明で用いる、その構成単位の70重量
%以上がポリアリレート樹脂成分で構成される樹脂(D
−1)とは、上記の単位XI、XIIおよびXIII が、樹脂
の構成単位の70重量%以上である樹脂である。
【0066】より具体的に述べると、実質的に単位XI、
XII およびXIIIのみで構成されるポリアリレート樹脂、
および単位XI、XII 、XIIIを与える化合物であるテレフ
タル酸、イソフタル酸、前記式XIで表わされるビスフェ
ノール類およびそれらの誘導体に加えて、ポリエチレン
テレフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸や
4,4’−ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族ジカル
ボン酸およびそれらの誘導体、パラアセトキシ安息香酸
や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の如き芳香族ヒドロ
キシカルボン酸およびそれらの誘導体をも原料として用
いて共重合させて得た樹脂であって、前記単位XI、XII
、XIIIで示されるポリアリレート樹脂成分を70重量
%以上含有する樹脂である。
【0067】なお、その構成単位の70重量%以上がポ
リアリレート樹脂成分で構成される樹脂(D−1)の合
成に際し、前記単位XI〜XIIIを与える原料化合物とし
て、各々、1種類の化合物を用いてもよいし、2種類以
上の化合物を用いてもよい。
【0068】また、この樹脂(D−1)を得るための重
合方法や重合条件は特に限定されないが、重合方法とし
ては、界面重合法、溶液重合法、溶融重合法等が例示さ
れる。
【0069】ポリアリレート樹脂と他の樹脂との混合物
であって、ポリアリレート樹脂が70重量%以上である
もの(D−2)は、実質的に前記単位XI、XII およびXI
IIのみで構成されるポリアリレート樹脂と、他の樹脂と
を含有する。
【0070】すなわち、ポリアリレート樹脂と一般式
【化14】 で示されるポリカーボネート樹脂との混合物、 ポリアリレート樹脂と一般式
【化15】 で示されるポリフェニレンサルファイド樹脂との混合
物、 ポリアリレート樹脂と一般式
【化16】 で示されるポリフェニレンオキサイドとの混合物、 ポリアリレート樹脂と一般式
【化17】 で示されるポリエーテルスルフォンとの混合物、ポリア
リレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂との混
合物、ポリアリレート樹脂とポリブチレンテレフタレー
ト樹脂との混合物、ポリアリレート樹脂とポリエステル
ポリカーボネート樹脂との混合物、ポリアリレート樹脂
と芳香族液晶ポリエステル樹脂との混合物、ポリアリレ
ート樹脂とポリエーテルケトン樹脂との混合物、および
ポリアリレート樹脂とポリエーテルエーテルケトン樹脂
との混合物等であって、ポリアリレート樹脂が70重量
%以上であるものである。
【0071】本発明第一の態様は、前記液晶ポリエステ
ル樹脂(A)と前記ポリアリレート系樹脂(D)とを含
有し、液晶ポリエステル樹脂(A)とポリアリレート系
樹脂(D)との合計量のうちの45〜95重量%、好ま
しくは50〜90重量%が液晶ポリエステル樹脂(A)
である樹脂組成物である。
【0072】また、本発明第二の態様は、前記液晶ポリ
エステル樹脂(B)と前記ポリアリレート系樹脂(D)
とを含有し、液晶ポリエステル樹脂(B)とポリアリレ
ート系樹脂(D)との合計量のうちの45〜95重量
%、好ましくは50〜90重量%が液晶ポリエステル樹
脂(B)である樹脂組成物である。
【0073】さらに、本発明第三の態様は、前記液晶ポ
リエステル樹脂(C)と前記ポリアリレート系樹脂
(D)とを含有し、液晶ポリエステル樹脂(C)とポリ
アリレート系樹脂(D)との合計量のうちの45〜95
重量%、好ましくは50〜90重量%が液晶ポリエステ
ル樹脂(C)である樹脂組成物である。
【0074】加えて、本発明第四の態様は、前記液晶ポ
リエステル樹脂(A)、前記液晶ポリエステル(B)お
よび前記液晶ポリエステル樹脂(C)から選択される2
種以上の液晶ポリエステル樹脂と、前記ポリアリレート
系樹脂(D)とを含有し、液晶ポリエステル樹脂とポリ
アリレート系樹脂(D)との合計量のうちの45〜95
重量%好ましくは50〜90重量%が液晶ポリエステル
樹脂である樹脂組成物である。
【0075】なお、ここで、液晶ポリエステル樹脂
(A)、液晶ポリエステル樹脂(B)および液晶ポリエ
ステル樹脂(C)から選択される2種以上の液晶ポリエ
ステル樹脂とは、液晶ポリエステル樹脂(A)、
(B)、(C)のうちの2種以上の混合物をいう。
【0076】本発明の樹脂組成物中の液晶ポリエステル
樹脂(液晶ポリエステル樹脂(A)、(B)および
(C)のうちの1種以上)が、液晶ポリエステル樹脂と
ポリアリレート系樹脂との合計量のうちの95重量%超
であると、該樹脂組成物の機械的強度の異方性が大きく
なってしまい、45重量%未満では、該樹脂組成物の寸
法安定性が悪くなる。
【0077】本発明の樹脂組成物は、必須成分である液
晶ポリエステル樹脂(液晶ポリエステル樹脂(A)、
(B)および(C)のうちの1種以上)とポリアリレー
ト系樹脂の他に、本発明の趣旨を損わない範囲で、他の
成分をも含有していてもよい。
【0078】他の成分としては、他の樹脂、ガラス繊維
や炭素繊維のような繊維強化材、タルク、マイカ、炭酸
カルシウムのような無機粉体、酸化防止剤、着色防止
剤、安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、二硫化モリブデ
ン、シリコンオイル、フッ素樹脂、グラファイトのよう
な潤滑剤、テトラブロムビスフェノールAや三酸化アン
チモンなどの難燃剤等が例示される。
【0079】本発明の樹脂組成物は、一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、
ニーダー等の通常の混練機を用い、液晶ポリエステル樹
脂とポリアリレート系樹脂、さらには、必要に応じ、他
の成分をも混練して製造することができる。また、反応
容器中で、溶融状態の液晶ポリエステル樹脂にポリアリ
レート系樹脂を添加混和する方法、成形機中で、液晶ポ
リエステル樹脂とポリアリレート系樹脂とを溶融混合し
ながら成形する方法等によって得ることも可能である。
【0080】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0081】(1)試験材の作製 φ20mmの単軸押出機(サーモプラスチックス工業
(株)製)により、液晶ポリエステル樹脂とポリアリレ
ート系樹脂を所定の割合で溶融混練し、ペレット化し
た。得られたペレットを射出成形機(山城精機製作所
製、SAV−60−52型)にて成形し、各種物性評価
用試験片を作製した。
【0082】(2)寸法安定性の評価 ASTM D−696に準拠し、−30〜+30℃の線
熱膨張係数を測定した。
【0083】(3)異方性の評価 120mm×120mm×2mmの平板状試験片を成形
し、流れ方向(MD)と流れと直角方向(TD)に、幅
14mmで切り出し、曲げ強度を測定し、曲げ強度の比
(MD/TD)を求めた。
【0084】(4)耐熱性(熱変形温度:HDT) ASTM D648に準拠し、18.6kg/cm2で測定し
た。
【0085】(5)成形温度 実際に射出成形を行った際のシリンダー温度を成形温度
とした。
【0086】(6)アイゾット(Izod)衝撃試験
(ノッチ付) ASTM D−256に準拠して測定した。
【0087】(7)液晶ポリエステル(LCP)樹脂の
合成 i) LCP−1 アルゴン導入管、回転計・トルクメーター付攪拌装置お
よび温度計の備えられた5lガラス製反応容器に、p−
アセトキシ安息香酸6.66モル(1200g)、イソ
フタル酸0.334モル(55.4g)、テレフタル酸
0.778モル(129g)、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸1.112モル(240g)、4,4’−ジア
セトキシビフェニル2.22モル(600g)を仕込
み、アルゴン置換をした後、約30分かけて内温を25
0℃まで上昇し、原料が溶融したら攪拌を始めた。酢酸
が留出し始めてから10分かけて280℃に昇温し、こ
の温度で30分間反応を行ない、さらに10分かけて3
00℃に昇温し、300℃で30分間反応を行った。次
いで、10分かけて310℃に昇温した後、約20分か
けて徐々に減圧にし、最終的に1mmHgにし、この条
件で重合反応を続けた。所定の攪拌回転数で所定のトル
クに達したとき、重合反応を終了した。得られた液晶ポ
リエステル(LCP−1)をφ6mmに、粉砕し実験に
使用した。
【0088】ii) LCP−2 p−アセトキシ安息香酸 6.66モル(1200
g)、m−アセトキシ安息香酸0.334モル(60
g)、テレフタル酸1.026モル(170.4g)、
2,6−ナフタレンジカルボン酸1.028モル(22
2g)、4,4’−ジアセトキシビフェニル2.056
モル(555g)を原料とする以外は、LCP−1と同
様の方法で液晶ポリエステル樹脂の合成を行い、得られ
た液晶ポリエステル樹脂(LCP−2)をφ6mmに粉
砕し実験に使用した。
【0089】iii) LCP−3 アルゴン導入管、回転計・トルクメーター付攪拌装置お
よび温度計の備えられた重合容器に、p−アセトキシ安
息香酸9.12モル(1642g)、イソフタル酸0.
48モル(80g)、テレフタル酸1.12モル(18
6g)、2,6−ナフタレンジカルボン酸1.6モル
(346g)、4,4’−ジアセトキシビフェニル3.
2モル(864g)、p−アセトアミド安息香酸0.4
8モル(86g)を仕込み、アルゴン置換をした後、約
30分かけて内温を260℃まで昇温した。昇温 途中
で原料が溶融したら攪拌を始めた。酢酸は230℃付近
から留出し始めた。260℃で1時間反応を行ない、2
80℃で1時間反応を行ない、300℃で1時間反応を
行った。次いで、徐々に減圧にし、最終的に320℃、
0.5mmHgの条件で重合反応を続けた。所定の攪拌回
転数で所定のトルクに達した時、重合反応を終了した。
得られた液晶ポリエステル樹脂(LCP−3)をφ6m
mに粉砕し、実験に使用した。
【0090】iv) LCP−4 p−アセトキシ安息香酸9.6モル(1728g)、m
−アセトキシ安息香酸0.48モル(86.4g)、テ
レフタル酸1.48モル(246g)、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸1.48モル(320g)、4,4’
−ジアセトキシビフェニル2.16モル(583g)、
4−アセトキシアセトアニリド0.8モル(154g)
を原料とする以外は、LCP−3と同様の方法で液晶ポ
リエステル樹脂の合成を行ない、得られた液晶ポリエス
テル樹脂(LCP−4)をφ6mmに粉砕し実験に使用
した。
【0091】v) LCP−5 アルゴン導入管、回転計・トルクメーター付攪拌装置お
よび温度計の備えられた重合容器に、ポリエチレンテレ
フタレート(フェノール/テトラクロロエタン=50/
50(重量比)の混合溶媒中、0.5g/dlの濃度、
温度30℃で測定した対数粘度が0.72のもの)2.
08モル(400g)、4,4’−ジアセトキシビフェ
ニル1.76モル(476g)、テレフタル酸1.76
モル(292g)、p−アセトキシ安息香酸10.24
モル(1843g)、p−アセトアミド安息香酸0.1
6モル(28.6g)を仕込み、アルゴン置換をした
後、約30分かけて内温を260℃まで昇温し、昇温途
中で原料が溶融したら攪拌を始めた。
【0092】酢酸は230℃付近から留出し始めた。2
60℃で1時間反応を行ない、280℃で1時間反応を
行ない、300℃で1時間反応を行なった。次いで、徐
々に減圧にし、最終的に320℃、0.5mmHgの条件
で重合反応を続けた。所定の攪拌回転数で所定のトルク
に達した時、重合反応を終了した。得られた液晶ポリエ
ステル樹脂(LCP−5)をφ6mmに粉砕し、実験に
使用した。
【0093】vi) LCP−6 アルゴン導入管、回転計・トルクメーター付攪拌装置お
よび温度計の備えられた5lガラス製反応容器に、p−
アセトキシ安息香酸5.55モル(1000g)、イソ
フタル酸0.70モル(115.4g)、テレフタル酸
2.08モル(345.5g)、4,4’−ジアセトキ
シビフェニル2.78モル(750g)を仕込み、アル
ゴン置換をした後、約30分かけて内温を250℃まで
上昇し、原料が溶融したら攪拌を始めた。酢酸が留出し
始めてから10分かけて280℃に昇温し、この温度で
30分間反応を行ない、さらに10分かけて330℃に
昇温し、330℃で30分間反応を行った。次いで、6
0分かけて430℃に昇温した後、約20分かけて徐々
に減圧にし、最終的に1mmHgにし、この条件で重合
反応を続けた。所定の攪拌回転数で所定のトルクに達し
たとき、重合反応を終了した。得られた液晶ポリエステ
ル(LCP−6)をφ6mmに、粉砕し実験に使用し
た。
【0094】vii) LCP−7 アルゴン導入管、回転計・トルクメーター付攪拌装置お
よび温度計の備えられた5lガラス製反応容器に、p−
アセトキシ安息香酸4モル(720g)、6−アセトキ
シ−2−ナフトエ酸6モル(1380g)を仕込みアル
ゴン置換をした後、約30分かけて内温を250℃まで
上昇し、原料が溶融したら攪拌を始めた。酢酸が留出し
始めてから10分かけて280℃に昇温し、この温度で
30分間反応を行ない、さらに10分かけて300℃に
昇温し、300℃で30分間反応を行った。次いで、1
0分かけて320℃に昇温した後、約20分かけて徐々
に減圧にし、最終的に1mmHgにし、この条件で重合
反応を続けた。所定の攪拌回転数で所定のトルクに達し
たとき、重合反応を終了した。得られた液晶ポリエステ
ル樹脂(LCP−7)をφ6mmに、粉砕し実験に使用
した。
【0095】viii) LCP−8 6−アセトキシ−2−ナフトエ酸6モル(1380
g)、p−アセトキシアセトアニリド2モル(386.
1g)、テレフタル酸2モル(332.0g)を原料と
する以外はLCP−7と同様の方法で液晶ポリエステル
樹脂の合成を行い得られた液晶ポリエステル樹脂(CL
P−8)をφ6mmに粉砕し実験に使用した。
【0096】ix) LCP−9 (LCP−1)と(LCP−5)とをφ20mm単軸押
出機を使用して、50:50(重量比)の割合で混合・
混練し(LCP−9)を得た。
【0097】(実施例1〜7)LCP−1〜5とポリア
リレート系樹脂(ユニチカ(株)製、ポリアリレート樹
脂 U−100)とを表1に示す割合で混合し、ペレッ
ト化後に射出成形を行って試験片を得、物性評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0098】(比較例1〜10)LCP−1〜8と実施
例1〜7で使用したポリアリレート系樹脂を表1に示す
割合で混合しペレット化後に射出成形を行って試験片を
得、物性評価を行った。結果を表1に示した。
【0099】(実施例8、比較例11)実施例1〜7で
使用したポリアリレート樹脂と、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂(帝人(株)製TR4550BH)をφ20
mm単軸押出機を使用して80:20(重量比)の割合
で混合、混練し、ポリアリレート系樹脂(PAR−2)
を得た。PAR−2と液晶ポリエステル樹脂(LCP−
5)とを、表1に示す割合で混合し、ペレット化後に射
出成形を行って試験片を得、物性評価を行った(実施例
8)。結果を表1に示した。実施例8と同様な方法で、
ただし液晶ポリエステル樹脂(LCP−5)を使わず
に、試験片を得、物性評価を行った(比較例11)。結
果を表1に示した。
【0100】(実施例9および比較例12)LCP−9
とポリアリレート系樹脂(ユニチカ(株)製 ポリアリ
レート樹脂U−100)とを表1に示す割合で混合し、
ペレット化後に射出成形を行って試験片を得、物性評価
を行った(実施例9)。結果を表1に示した。実施例9
と同様な方法で、ただしポリアリレート系樹脂を用いず
に、試験片を得、物性評価を行った(比較例12)。結
果を表1に示した。実施例1〜9の組成物に比べ比較例
1、3、4、5、6、12の組成物は、耐熱性、機械的
強度に優れるが異方性が大きく(MD/TDが2.0以
上)、また比較例2、7、11の組成物は異方性は小さ
いが耐熱性、機械的強度が低く、また線熱膨張係数が1
-5オーダーと寸法安定性に劣り、物性バランスの優れ
た組成物とは言えない。また、比較例8の組成物は実施
例2、4、5、6、7、8、9に比べて耐熱性は高いも
のの機械的性質に劣り、また、成形温度も390℃と極
めて高く物性バランスに劣る。また比較例9、10の組
成物は実施例2、4、5、6、7、8、9の組成物に比
べ異方性は小さいが、耐熱性、機械的強度が低く物性バ
ランスの優れた組成物とはいえない。
【0101】
【表1】
【表2】
【化18】
【化19】
【0102】
【発明の効果】本発明により、耐熱性、寸法安定性およ
び機械的強度に優れ、しかも、機械的性質の異方性が小
さい、物性バランスの優れた樹脂組成物が提供される。
本発明の樹脂組成物は、電子・電気機器部品、機械部品
等の用途に有用である。
フロントページの続き (72)発明者 涌 井 正 浩 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 梶 岡 正 彦 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 実質的に下記式I、II、III 、IVおよび
    Vで表わされる各単位からなり、単位Iは40〜 70
    モル%、単位IIは1〜8モル%、(単位III +単位IV)
    は6〜36モル%、単位Vは10 〜40モル%であ
    り、かつ、単位III /(単位III +単位IV)のモル比が
    0.1〜0.8である液晶ポリエステル樹脂(A)と、
    ポリアリレート樹脂成分がその構成単位の70重量%以
    上であるおよび/または、ポリアリレート樹脂と他のポ
    リマーとの混合物であってポリアリレート樹脂が70重
    量%以上であるポリアリレート系樹脂(D)とを含有
    し、液晶ポリエステル樹脂(A)とポリアリレート系樹
    脂(D)との合計量のうちの45〜95重量%が液晶ポ
    リエステル樹脂(A)であることを特徴とする樹脂組成
    物。 【化1】 (ただし、上記式中のXは水素原子、C1 〜C4 のアル
    キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリ
    ール基またはハロゲン原子であり、Yは酸素原子または
    カルボニル基であり、また、式Vは少なくとも1個の単
    環もしくは縮合環の芳香族環を有する対称性ジオキシ単
    位である。) 【請求項2】 実質的に下記式I、II、III 、IV、Vお
    よびVIで表わされる各単位からなり、単位Iは40〜7
    0モル%、単位IIは1〜8モル%、(単位III+単位I
    V)は6〜36モル%、単位Vは10〜40モル%、単
    位VIは0.1〜10モル%であり、かつ、単位III /
    (単位III +単位IV)のモル比が0.1〜0.8である
    液晶ポリエステル樹脂(B)と、ポリアリレート樹脂成
    分がその構成単位の70重量%以上である、および/ま
    たは、ポリアリレート樹脂と他のポリマーとの混合物で
    あって、ポリアリレート樹脂が70重量%以上であるポ
    リアリレート系樹脂(D)とを含有し、液晶ポリエステ
    ル樹脂(B)とポリアリレート系樹脂(D)との合計量
    のうちの45〜95重量%が液晶ポリエステル樹脂
    (B)であることを特徴とする樹脂組成物。 【化2】 (ただし、上記式中のXは水素原子、C1 〜C4 のアル
    キル基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C8 〜C10のアリ
    ール基またはハロゲン原子であり、Yは酸素原子または
    カルボニル基であり、Z1 はイミノ基であり、Z2 はイ
    ミノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ
    2 は互いにパラ位またはメタ位に位置する。また、式V
    は少なくとも1個の単環もしくは縮合環の芳香族環を有
    する対称性ジオキシ単位である。) 【請求項3】 実質的に下記式VI、VII 、VIII、IXおよ
    びXで表わされる各単位からなり、単位VIは0.1〜1
    0モル%、単位VII は3〜30モル%、単位VIIIは5〜
    30モル%、単位Xは30〜85モル%であり、かつ、
    式VI中のZ2 がイミノ基または酸素原子の場合は、単位
    IX/(単位VI+単位VIII)のモル比が0.8〜1.1、
    2 がカルボニル基の場合は、単位IX/単位VIIIのモル
    比が0.8〜1.1である液晶ポリエステル樹脂(C)
    と、ポリアリレート樹脂成分がその構成単位の70重量
    %以上である、および/または、ポリアリレート樹脂と
    他のポリマーとの混合物であってポリアリレート樹脂が
    70重量%以上であるポリアリレート系樹脂(D)とを
    含有し、液晶ポリエステル樹脂(C)とポリアリレート
    系樹脂(D)との合計量のうちの45〜95重量%が液
    晶ポリエステル樹脂(C)であることを特徴とする樹脂
    組成物。 【化3】 (ただし、上記式中のZ1 はイミノ基であり、Z2 はイ
    ミノ基、酸素原子またはカルボニル基であり、Z1 とZ
    2は互いにパラ位またはメタ位に位置する。また、R1
    〜R4 はパラフェニレン基、メタフェニレン基、2,6
    −ナフタレン基、4,4−ビフェニレン基からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1個の2価の基であり、芳香族環
    上の水素原子の一部が低級アルキル基、ハロゲン原子、
    ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基で置換されていても
    よく、R1 〜R4は相互に同じであっても異なっていて
    もよい。) 【請求項4】 前記液晶ポリエステル樹脂(A)、前記
    液晶ポリエステル樹脂(B)および前記液晶ポリエステ
    ル樹脂(C)から選択される2種以上の液晶ポリエステ
    ル樹脂と、前記ポリアリレート系樹脂(D)とを含有
    し、液晶ポリエステル樹脂とポリアリレート系樹脂
    (D)との合計量のうちの45〜95重量%が液晶ポリ
    エステル樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS56160987A (en) * 1980-05-16 1981-12-11 Wataru Sakai Preparation of medical wine
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