JP3111662B2 - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JP3111662B2
JP3111662B2 JP04199557A JP19955792A JP3111662B2 JP 3111662 B2 JP3111662 B2 JP 3111662B2 JP 04199557 A JP04199557 A JP 04199557A JP 19955792 A JP19955792 A JP 19955792A JP 3111662 B2 JP3111662 B2 JP 3111662B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気・電子機器部品、自
動車部品、機械部品などとして有用な機械物性および成
形性に優れた液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂およびグ
リシジルアミンからなる新規な組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマー
が数多く開発されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする光学異方性の液晶ポリマーが優れた流動性
と機械物性を有する点で注目されている。しかしなが
ら、分子鎖配向方向と垂直な方向では成形収縮率や機械
物性が異なり、さらに価格が高いなどの理由で用途が制
限されているのが現状である。
【0003】一方、多くの熱可塑性ポリマーは液晶ポリ
マーと比較して、機械物性および成形時の流動性に劣
り、耐熱性も必ずしも十分でないことが知られている。
【0004】そこで、両者のもつ欠点を解決するため
に、液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂のブレンドが注目
されている(たとえば、特開昭57−25354号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両ポリ
マーを単純にブレンドしても相溶性が十分でないことか
ら大きな物性向上が見られず、また靭性も低いという問
題を有している。本発明は上述の問題を解決し、機械特
性に優れた液晶ポリエステル樹脂組成物を得ることを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、2つ以上のグリシジル基
を有するグリシジルアミン化合物を添加すると、液晶ポ
リマーと他の熱可塑性ポリマーの相溶性が良くなり所望
の機械物性が向上することがわかり本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は(A)異方性溶融相を形
成する液晶ポリエステル樹脂1〜99重量%と(B)異
方性溶融相を形成しないポリエステル、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリアリー
レンサルファイドから選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂
99〜1重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し
て、(C)下記一般式(I)または(II)で表されるグ
リシジルアミン化合物0.01〜20重量部を添加して
なる液晶ポリエステル樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0008】
【化5】 (ただし、Rは2価の有機基、Gはグリシジル基を表
し、R1〜R4はアルキル基またはグリシジル基を表す
が少なくとも2つはグリシジル基である)
【0009】以下、具体的に本発明に用いる化合物につ
いて詳述する。
【0010】本発明で用いる液晶ポリエステル樹脂
(A)とは、異方性溶融相を形成するポリエステルであ
り、p−ヒドロキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレ
ート系液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸/6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸系液晶ポリエステル、p
−ヒドロキシ安息香酸/4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル/テレフタル酸/イソフタル酸系液晶ポリエステル
等が挙げられるが、中でも下記構造単位(III) 、(I
V)、(VI)からなるか、または(III) 、(IV)、
(V)、(VI)からなる液晶ポリエステルが好ましい。
【0011】
【化6】 (ただし式中R1は
【0012】
【化7】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2は
【0013】
【化8】 から選ばれた一種以上の基を示す。
【0014】また、式中Xは水素原子または塩素原子を
示し、構造単位(IV)および(V)の合計と構造単位
(VI)は実質的に等モルである。)
【0015】上記構造単位(III) はp−ヒドロキシ安息
香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造
単位(IV)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキ
ノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳
香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造
単位(V)はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(VI)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ジフェニルカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフ
ェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4、
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳
香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。
【0016】これらのうち特に構造単位(V)を含む場
合は、R1が
【化9】 であるものが構造単位(IV)の70モル%以上を、R2
【0017】
【化10】 であるものが構造単位(VI)の70モル%以上を占める
ものが特に好ましい。
【0018】上記構造単位(III) 、(IV)、(V)およ
び(VI)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点
から次の共重合量であることが好ましい。すなわち、上
記構造単位(V)を含む場合は、耐熱性および機械特性
の点から上記構造単位(III)および(IV)の合計は構造
単位(III) 、(IV)および(V)の合計に対して60〜
95モル%が好ましく、75〜92モル%がより好まし
い。また、構造単位(V)は構造単位(III) 、(IV)お
よび(V)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、
25〜8モル%がより好ましい。また、構造単位(III)
と(IV)のモル比[(III) /(IV)]は流動性と機械物
性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5
であり、より好ましくは78/22〜93/7である。
また、構造単位(VI)は構造単位(IV)および(V)の
合計と実質的に等モルである。
【0019】一方、上記構造単位(V)を含まない場合
は、流動性の点から上記構造単位(III) は構造単位(II
I)および(IV)の合計に対して40〜90モル%である
ことが好ましく、60〜88モル%であることが特に好
ましく、構造単位(VI)は構造単位(IV)と実質的に等
モルである。
【0020】なお、上記好ましい液晶ポリエステルを縮
重合する際には、上記構造単位(III) 〜(VI)を構成す
る成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,
2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロロハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノー
ル、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわな
い程度の量を共重合してもよい。
【0021】本発明における(A)液晶ポリエステル樹
脂の製造方法は特に制限がなく、公知のポリエステルの
縮重合法に準じて製造できる。例えば、好ましく用いる
ことができる液晶ポリエステルのうち、上記構造単位
(V)を含まない場合は(1)〜(4)、構造単位
(V)を含む場合は(5)の製造法が好ましい。
【0022】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4’−ジアセトキシビフェニル、パラアセトキシベンゼ
ンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテ
レフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合
反応によって製造する方法。
【0023】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水
酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造
する方法。
【0024】(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステル
から脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0025】(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニ
ルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエス
テルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0026】(5)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボ
ン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在化
で(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0027】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸
化アンチモン、酢酸ナトリウムなどの金属化合物および
マグネシウムなどが代表的であり、特に脱フェノール重
縮合の際に有効である。
【0028】本発明に使用する(A)液晶ポリエステル
樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定
することが可能なものであり、その際には0.1g/d
lの濃度で60℃で測定した値が0.5以上であること
が好ましく、特に上記構造単位(V)を含む場合は、
1.0〜3.0dl/gが好ましい。
【0029】また、本発明に使用する(A)液晶ポリエ
ステル樹脂の溶融粘度は10から20,000ポイズが
好ましく、特に20〜10,000ポイズがより好まし
い。なお、この溶融粘度は上記構造単位(V)を含む場
合には融点(Tm)+10℃の条件で、上記構造単位
(V)を含まない場合には液晶開始温度+40℃で、い
ずれもせん断速度1,000/秒の条件下で高圧式毛管
粘度計により測定した値である。
【0030】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観察される吸熱ピーク温度
(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。また、液晶開始
温度は、偏光顕微鏡の試料台に乗せて、昇温加熱し、せ
ん断応力下で乳白光を発する温度である。
【0031】本発明で用いる(B)異方性溶融相を形成
しない熱可塑性樹脂とは、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポリアリ
ーレンサルファイドから選ばれた1種以上のものを示
す。中でも半芳香族ポリエステルが特に好ましい。個々
の好ましい具体例を下記に示す。
【0032】熱可塑性ポリエステルとしては、熱可塑性
であり、かつ芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエ
ステルで、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエステル
形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成
性誘導体)を主成分とする縮合反応により得られる重合
体ないしは共重合体である。ここでいうジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p
−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボ
ン酸、4,4’−ビフェニルカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(p−カ
ルボキシフェノキシ)エタン、あるいはそのエステル形
成性誘導体などが挙げられる。なお、30モル%以下で
あればアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸などの脂環族カルボン酸で置換し
てもよい。また、ジオール成分としては炭素数2〜10
までの脂肪族ジオールすなわちエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペ
ンタングリコール、デカメチレングリコール、3−メチ
ル−1,3−プロペンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ールなどが挙げられるが、これらに限定されるわけでは
ない。好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボキシレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレートなどおよびポリエチレンテレフタレ
ート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/セバケ
ート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキ
シレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステ
ルが挙げられる。これらのなかで特に好ましいポリエス
テルとしてはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレートが挙げられる。中でもポリ
ブチレンテレフタレートが最も好ましい。
【0033】本発明の組成物に用いるポリブチレンテレ
フタレートの対数粘度は0.9〜1.3であることが好
ましく、さらに好ましくは0.92〜1.25である。
なお、ポリブチレンテレフタレートの対数粘度は、25
℃で0.5%オルトクロロフェノール溶液を用いて求め
た相対粘度の対数を濃度で割って求めた。
【0034】ポリアミドとしては、ω−アミノ酸または
ω−ラクタムから得られるポリアミド、またはジアミン
やm−キシレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸から得られる
単独または共重合体、さらには混合重合体などである。
好ましいポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66などの
ホモポリアミド、およびアジピン酸/テレフタル酸/ヘ
キサメチレンジアミン、アジピン酸/1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸/ヘキサメチレンジアミン、アジピ
ン酸/1,3−シクロヘキサンジカルボン酸/ヘキサメ
チレンジアミン、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサ
メチレンジアミン/パラアミノシクロヘキシルメタンな
どの共重合ポリアミドが挙げられる。 ポリカーボネー
トとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス
(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)また
はビス(3,5−ジハロ−4−ヒドロキシフェニル)置
換を有する炭化水素誘導体をベースとするポリカーボネ
ートが好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールA)をベースとするポリ
カーボネートが特に好ましい。
【0035】ポリアリーレンオキシドとしては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチル
フェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/
2,3,6−トリエチルフェノール共重合体などが挙げ
られる。ポリアリーレンオキシドには、ポリスチレン、
耐衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を添加するこ
とができる。
【0036】ポリアリーレンスルフィドは、芳香環と硫
黄が結合したものである。好ましいポリアリーレンスル
フィドとしてはポリパラフェニレンスルフィドが挙げら
れ、これは部分的に分岐していても良い。
【0037】(A)液晶ポリエステルと(B)熱可塑性
樹脂のブレンド組成は、1〜99/99〜1であるが、
より好ましくは5〜50/95〜50である。さらに好
ましくは10〜40/90〜60である。
【0038】本組成物において用いる(A)液晶ポリエ
ステルおよび(B)熱可塑性樹脂は、同一温度、同一せ
ん断速度(1000/秒)で測定した(A)液晶ポリエ
ステルと(B)熱可塑性樹脂の溶融粘度の比が3より小
さくなることが望ましい。より好ましくは2以下、さら
に好ましくは1以下である。3以上になると液晶ポリエ
ステルが良好に分散しないために、十分な機械物性向上
効果が観察されない。
【0039】本発明に用いるグリシジルアミン化合物
(C)とは1級または2級アミンをグリシジル化したも
のであり必ずしも限定されるものではないが、以下のよ
うな化合物が挙げられる。
【0040】
【化11】 (ただし、式中Gはグリシジル基を表す。)
【0041】なお、これらの化合物の芳香環には他のア
ルキル基が置換されていても良い。これらのジグリシジ
ルアミン化合物は、一種だけでなく二種以上を併用して
もよいし、上記以外の構造をもつジエポキシ化合物と併
用してもよい。
【0042】本発明組成物における(C)グリシジルア
ミン化合物の添加量は、(A)液晶ポリエステルと
(B)熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物100重量部に
対して、0.01〜20重量部であるが、好ましくは
0.05〜10重量部の範囲である。0.01重量部未
満の場合、両ポリエステル間の界面での結合力が弱く機
械物性の改良は著しく小さく、逆に20重量部を越えた
場合には、熱可塑性樹脂組成物の機械物性および流動性
が大きく低下し、いずれも好ましくない。
【0043】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物を製
造するにあたり、従来から公知のポリエステルの重合触
媒、耐熱剤、耐候剤、帯電防止剤、染料、着色剤、結晶
核剤、難燃剤などの添加剤や、タルク、クレー、雲母、
メタケイ酸カルシウム、ケイ砂、ガラスビーズ、ガラス
フレーク、チタン酸カリウイスカー、石コウ繊維などの
無機充填剤、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維な
どの補強剤などを添加することも可能である。
【0044】液晶ポリエステル、熱可塑性樹脂およびグ
リシジルアミン化合物を混合する方法としては各種の方
法が適用可能である。溶融混合する装置としては混合ロ
ール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などが挙
げられるが、なかでも押出機が好ましい。押出機として
は単軸、または二軸以上のスクリューを有するものいず
れも使用可能であるが、特に二軸押出機を使用するのが
好ましい。
【0045】本発明の樹脂組成物から成形品を得る場
合、射出成形、押出成形、ブロー成形などの通常の方法
が適用可能であり、得られた成形品は良好な性能を発揮
する。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの例は本発明の適応範囲を限定するも
のではない。なお、実施例中の部は重量部を表す。
【0047】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル168重量部、無水酢酸914重量
部、テレフタル酸150重量部および固有粘度が約0.
6dl/gのポリエチレンテレフタレート259重量部
を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の反応
条件で脱酢酸重縮合を行なった。
【0048】まず、窒素ガス雰囲気化に100〜250
℃で1.5時間反応させた。その後290℃、2時間で
0.5mmHgに減圧し重縮合を完結させた。重合は
1.0と3.0時間行なった。ともに重合終了時、ほぼ
理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有する液晶
ポリエステルを得た。
【0049】
【化12】 k/l/m/n=70/10/20/30
【0050】1.0時間重合した場合のポリエステル
(A−1)の融点は267℃、3.0時間重合した場合
(A−2)には263℃となった。270℃、せん断速
度1000/秒での溶融粘度は、それぞれ710、44
00ポイズであった。また、融点+10℃で測定した溶
融粘度はそれぞれ600、3500ポイズであった。
【0051】実施例1〜9、比較例1〜4 (A)液晶ポリエステルA−1またはA−2、(B)ポ
リブチレンテレフタレート(270℃、せん断速度10
00/秒での溶融粘度:PBT1、3650ポイズ;P
BT2、1100ポイズ)および下記(C)グリシジル
アミン化合物をそれぞれ所定量秤取し、ドライブレンド
した。270℃に設定した30mmφ二軸押出機で溶融押
出し、水冷後ペレット化した。また、この乾燥ペレット
を用いてシリンダー温度270℃、金型温度80℃に設
定した射出成形機で、1/8”厚×1/2”幅×5”長
のテストピースおよび1/8”厚のASTM No.1
ダンベルを成形した。曲げ強度は1/8”厚×1/2”
幅×5”長のテストピースを用い、東洋ボールドウィン
社製テンシロンUTM−200でひずみ速度1mm/
分、スパン間距離50mmの条件で測定を行なった。さ
らに、ASTM D638に従ってASTM No.1
ダンベルの引張強度の測定を行なった。これらの試験結
果を表1に示す。
【0052】
【化13】
【0053】
【表1】
【0054】上記表1の結果より、グリシジルアミン化
合物を添加すると(A)と(B)のみからなる組成物の
場合よりも引張強度および破断伸びともに改善されるこ
とがわかる。
【0055】実施例10〜14、比較例5〜9 (A)液晶ポリエステルA−1 30部、表2記載の
(B)熱可塑性樹脂70部および上記グリシジルアミン
化合物a1部それぞれ所定量秤取し、ドライブレンドし
た。270〜320℃に設定した30mmφ二軸押出機で
溶融押出し、水冷後ペレット化した。ペレットを乾燥さ
せ、上記と同様に成形した試験片を用いて引張強度と曲
げ強度を測定した。なお、ここで用いた樹脂は全て液晶
ポリエステルA−1よりも溶融粘度の高いものを用い
た。
【0056】
【表2】
【0057】上記表2の結果より、グリシジルアミン化
合物を添加すると(A)と(B)のみからなる組成物の
場合よりも引張強度および破断伸びともに改善されるこ
とがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明による液晶ポリエステル樹脂組成
物から得られる成形品は、耐熱性、機械物性、および成
形性に優れており、電気および電子機器部品、自動車部
品などの用途において幅広く使用することが可能であ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)異方性溶融相を形成する液晶ポリエ
    ステル樹脂1〜99重量%と(B)異方性溶融相を形成
    しないポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
    ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンサルファイド
    から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%か
    らなる樹脂組成物100重量部に対して、(C)下記一
    般式(I)または(II)で表されるグリシジルアミン化
    合物0.01〜20重量部を添加してなる液晶ポリエス
    テル樹脂組成物。 【化1】 (ただし、Rは2価の有機基、Gはグリシジル基を表
    し、R1〜R4はアルキル基またはグリシジル基を表す
    が少なくとも2つはグリシジル基である)
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリエステルである請求項
    1記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステル樹脂が下記構造単位(II
    I) 、(IV)、(VI)からなるか、または(III) 、(I
    V)、(V)、(VI)からなる異方性溶融相を形成する
    液晶ポリエステル樹脂である請求項2記載の液晶ポリエ
    ステル樹脂組成物。 【化2】 (ただし、式中R1は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2は 【化4】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(IV)および
    (V)の合計と構造単位(VI)は実質的に等モルであ
    る。)
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