JP2000039284A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体流路形成用凹部(3)とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)にそれぞれ流体通過孔(8)(8)があけられている1種類の多数のプレート(2)と、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の流体通過孔(8)を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材(9)とを備えており、上記プレート(2)が隣り合うもの同士相互に凹部(3)(4)を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部(5)と各偏平管部(5)に連なる上下両ヘッダ部(6)(6)とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)のうち一方のヘッダ形成用凹部(4)(4)の有孔底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が介在されて、該ヘッダ形成用凹部(4)(4)の流体通過孔(8)(8)が塞がれることにより、すべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されている、積層型熱交換器。
【請求項2】 薄板状仕切部材(9)が、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の底壁(7)と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されている、請求項1に記載の積層型熱交換器。
【請求項3】 薄板状仕切部材(9)の外側縁部に、ストッパ用折曲げ縁(10)が設けられている、請求項1または2に記載の積層型熱交換器。
【請求項4】 薄板状仕切部材(9)の厚みが、0.15mm以下である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器。
【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器を備えたカー・クーラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カー・クーラ用エバポレータ等に用いられる積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカー・クーラ用の積層型エバポレータは、2種以上のプレートを用いて冷媒回路を形成するのが、通常の手法であった。
【0003】
すなわち、従来は、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている第1プレートと、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両側のヘッダ形成用凹部の底壁のうちの一方に流体通過孔があけられかつ同他方に流体通過孔があけられていない仕切壁部を有する第2プレートとによって構成され、これら2種類のプレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成され、かつ冷媒が、並列状の偏平管部および上下両ヘッダ部内を全体としてU形状もしくは蛇行状に流れる1ターン以上の冷媒回路が形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の積層型エバポレータのように、2種以上のプレートによりエバポレータを構成すれば、2種以上の金型を必要として、金型費が高くつくとともに、部品点数が増加し、コアの組立てが複雑となるため、自動化が困難となるという問題があった。またプレートの組立て違い(配置違いなど)が発生しやすく、製作後においては、ヘッダ部の仕切壁部の位置のチェックが困難であり、エバポレータ内に所期の冷媒回路が形成されているか、どうかの確認ができず、不良品を生じるおそれがあるという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、1種類のプレートを用いるだけで積層型エバポレータ等の積層型熱交換器を構成することができ、従って金型が1種類ですむため、金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単で、自動化が容易であるうえに、プレートの組立て違いの発生が皆無であり、また製作後に、ヘッダ部の仕切部分の位置のチェックを簡単に行なうことができて、所期の冷媒等流体回路が熱交換器内に形成されているか、どうかの確認を確実に行なうことができ、不良品の発生がなく、しかも作業性にすぐれていて、生産に要する時間を短縮することができ、生産能率を向上し得る、積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラを提供しようとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明の請求項1に記載の積層型熱交換器は、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている1種類の多数のプレートと、プレートのヘッダ形成用凹部の流体通過孔を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材とを備えており、上記プレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレートの上下両ヘッダ形成用凹部のうち一方のヘッダ形成用凹部の有孔底壁同士の間に薄板状仕切部材が介在されて、該ヘッダ形成用凹部の流体通過孔が塞がれることにより、すべての偏平管部および上下両ヘッダ部内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材が、プレートのヘッダ形成用凹部の底壁と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレートのヘッダ形成用凹部の底壁同士の間に介在されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材の外側縁部に、ストッパ用折曲げ縁が設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材の厚みが、0.15mm以下であることを特徴としている。
請求項5に記載のカー・クーラの発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器を備えていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
この明細書において、左右、前後、および上下は図2を基準とし、左とは図2の左側、右とは同右側をいゝ、また前とは同図図面紙葉の表側、後とは同裏側をいゝ、上とは同図上側、下とは同下側をいうものとする。
【0010】
図1〜図3を参照すると、カー・クーラ用の積層型エバポレータ(1)は、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)製であって、冷媒流路形成用凹部(3)とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)にそれぞれ冷媒通過孔(8)(8)があけられている1種類の多数のプレート(2)と、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ3つの薄板状仕切部材(9)とを備えている。
【0011】
この実施形態では、各プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に、前後方向に長い略長円形の3つの冷媒通過孔(8)(8)がそれぞれあけられるとともに、各冷媒通過孔(8)の周縁部にヘッダ形成用凹部(4)の内側に向かって突出した環状壁(14)が設けられている。
【0012】
上記プレート(2)が隣り合うもの同士相互に凹部(3)(4)を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部(5)と各偏平管部(5)に連なる上下両ヘッダ部(6)(6)とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)のうち一方のヘッダ形成用凹部(4)(4)の有孔底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が介在されている。
【0013】
ここで、各薄板状仕切部材(9)は、図2と図3に詳しく示すように、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の底壁(7)と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されることにより、両底壁(7)(7)の3つの冷媒通過孔(8)を一挙に塞ぐものとなされている。
【0014】
また、各薄板状仕切部材(9)の外側縁部には、ストッパ用折曲げ縁(10)が設けられており、隣接プレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されたさい、この折曲げ縁(10)は、隣接プレート(2)(2)のうち、右側プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の外側面に当接せしめられている。
【0015】
そして、この実施形態では、エバポレータ(1)の上部ヘッダ部(6)側の前半部と後半部に2つの薄板状仕切部材(9)が配置され、エバポレータ(1)の下部ヘッダ部(6)側の中央部に1つの薄板状仕切部材(9)が配置されており、それぞれの箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上部ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士、または下部ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間にそれぞれ介在された薄板状仕切部材(9)により、該ヘッダ形成用凹部(4)(4)の冷媒通過孔(8)(8)が塞がれて、図4に示すように、すべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を冷媒が全体として蛇行状に流れる冷媒流路が形成されている。
【0016】
なお、各プレート(2)の冷媒流路形成用凹部(3)には、上下方向に長い整流用凸部(16)が、同凹部(3)の下端から上端寄り部分まで設けられている。
【0017】
また、エバポレータ(1)の左右両外側には一対の端部プレート(11)(11)が配置され、端部プレート(11)(11)の両外側にはサイドプレート(12)(12)がそれぞれ重ね合わせられている。隣り合う偏平管部(5)(5)のプレート(2)(2)の冷媒流路形成用凹部(3)(3)同士の間にコルゲート・フィン(13)が介在させられるとともに、左右両外側の端部プレート(11)(11)およびこれらと同側の偏平管部(5)(5)のプレート(2)(2)の冷媒流路形成用凹部(3)(3)の間にコルゲート・フィン(13)が介在させられ、さらに左右両端部プレート(11)(11)およびこれらと同側のサイド・プレート(12)(12)の間にもコルゲート・フィン(13)が介在させられている。
【0018】
また、左右両端部プレート(11)(11)の上端部のうち、右側端部プレート(11)の上端部には、冷媒導入用角筒体(20)が上部ヘッダ部(6)の始端部に連通するように取り付けられ、該角筒体(20)の前端部に冷媒導入パイプ(22)が接続されている。左側端部プレート(11)の上端部には、冷媒排出用角筒体(21)が上部ヘッダ部(6)の終端部に連通するように取り付けられ、該角筒体(21)の前端部に冷媒排出パイプ(23)が接続されている。
【0019】
上記積層型エバポレータ(1)の構成部材のうち、多数の中間プレート(2)、左右両端部プレート(11)(11)、および左右両サイドプレート(12)(12)は、それぞれアルミニウム・ブレージング・シートによりつくられ、薄板状仕切部材(9)、コルゲート・フィン(13)、冷媒導入用角筒体(20)、および冷媒排出用角筒体(21)は、それぞれベア材によりつくられている。なお、薄板状仕切部材(9)はアルミニウム・ブレージング・シートによりつくられていても良い。
【0020】
積層型エバポレータ(1)は、上記のすべての構成部材が組み合わせられたのち、真空ろう付け法により一括してろう付けることにより製造される。
【0021】
上記積層型エバポレータ(1)においては、エバポレータ(1)右側の冷媒導入パイプ(22)より同側の冷媒導入用角筒体(20)を経て上部ヘッダ部(6)の始端部に導入された冷媒は、上部ヘッダ部(6)の前半部と後半部に配置された2つの薄板状仕切部材(9)、および下部ヘッダ部(6)の中央部に配置された1つの薄板状仕切部材(9)により流れを変えさせられて、結局、エバポレータ(1)の内部を全体として蛇行状に流れて、上部ヘッダ部(6)の終端部から冷媒排出用角筒体(21)および冷媒排出パイプ(23)を経て外部へと排出されるものである。
【0022】
なおここで、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ各薄板状仕切部材(9)にかかる圧力は、冷媒の流路抵抗のみであり、仕切部材(9)の両側における圧力差は、0.2kgf/cm2程度であるから、薄板状仕切部材(9)の厚みは、0.15mm以下、通常0.1mm程度で充分である。また、通常、プレート(2)の厚みは、0.3〜0.5mm程度である。
【0023】
一方、エバポレータ(1)の偏平管部(5)同士の間のコルゲート・フィン(12)の存在する間隙を風が前後方向に流れるようになされている。
【0024】
上記の積層型エバポレータ(1)によれば、1種類のプレート(2)を用いるだけでエバポレータ(1)を構成することができ、従って金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単であり、自動化が容易であるうえに、プレート(2)の組立て違いの発生が皆無であり、不良品を生じない。
【0025】
また製作後、上下両ヘッダ部(6)(6)の仕切部の位置を、所定の隣接プレート(2)(2)同士の間に介在された薄板状仕切部材(9)の存在によりエバポレータ(1)の外部より目視により確認することができて、エバポレータ(1)内に所定の冷媒流路が設定されているか、どうかのチェックを簡単に行なうことができ、不良品の発生を未然に防止することができる。
【0026】
また積層型エバポレータ(1)の製造のさい、構成部品の組立てが容易であり、作業性が良く、エバポレータ(1)の生産に要する時間を短縮することができて、生産能率が向上する。
【0027】
さらに、上記実施形態では、各プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)の周縁部に、ヘッダ形成用凹部(4)の内側に向かって突出した環状壁(14)が設けられているから、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)の冷媒通過孔(8)(8)の周縁部が、底壁(7)(7)と2つの環状壁(14)(14)とによって横断面略T型となされるため、該周縁部の強度を大幅に高めることができ、割れの発生を防止することができる。
【0028】
また実施形態では、各薄板状仕切部材(9)の外側縁部にストッパ用折曲げ縁(10)が設けられており、エバポレータ(1)の組立て時に、隣接プレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が差し込まれたさい、これの外側縁部の折曲げ縁(10)がストッパの役目を果たすようになされている。しかしながら、この点は限定されず、薄板状仕切部材(9)の差し込みのさい、これをその他の適宜の手段により止めるようにしても良い。
【0029】
また上記実施形態においては、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ薄板状仕切部材(9)が3つ備えられているため、エバポレータ(1)のすべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を冷媒が全体として蛇行状に流れる冷媒流路が形成されているが、薄板状仕切部材(9)は少なくとも1つ備えられておれば良く、薄板状仕切部材(9)が1つだけ備えられる場合には、冷媒流路は全体としてU形状となる。
【0030】
つぎに、図5は、この発明の変形例を示すものである。
【0031】
ここで、上記実施形態の場合と異なる点は、薄板状仕切部材(9)にかかる圧力を小さいものとするために、各プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に、直径の小さい略円形の6つの冷媒通過孔(8)があけられている点にある。
【0032】
この変形例のその他の点は上記実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
【0033】
また、上記実施形態と変形例においては、プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に前後に長い略長円形の3つの冷媒通過孔(8)、あるいはまた略円形の6つの冷媒通過孔(8)があけられているが、この点は限定されず、冷媒通過孔(8)は少なくとも1つあけられておれば良い。
【0034】
また、上記実施形態においては、この発明を、偏平管部(5)を垂直方向にかつ並列状に配置したいわゆる縦型の積層型エバポレータ(1)に適用した場合を示したが、この発明は偏平管部(5)を水平方向にかつ並列状に配置したいわゆる横型の積層型エバポレータ(1)にも同様に適用されるものである。
【0035】
この発明は、カー・クーラ用積層型エバポレータだけでなく、その他オイルクーラ、アフタークーラ、ラジエータ等の積層型熱交換器にも、同様に使用されるものである。
【0036】
【発明の効果】
この発明による積層型熱交換器は、上述のように、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている1種類の多数のプレートと、プレートのヘッダ形成用凹部の流体通過孔を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材とを備えており、上記プレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレートの上下両ヘッダ形成用凹部のうち一方のヘッダ形成用凹部の有孔底壁同士の間に薄板状仕切部材が介在されて、該ヘッダ形成用凹部の流体通過孔が塞がれることにより、すべての偏平管部および上下両ヘッダ部内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されているもので、1種類のプレートを用いるだけで積層型熱交換器を構成することができ、従って金型が1種類ですむため、金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単で、自動化が容易であるうえに、プレートの組立て違いの発生が皆無であり、また製作後に、熱交換器の上下両面に薄板状仕切部材が所定の配置に現れて見え、従って薄板状仕切部材の配置を目視により確認することができて、熱交換器内に所定の冷媒等流体回路が設定されているか、どうかのチェック簡単に行なうことができ、従って、不良品の発生がなく、しかも作業性にすぐれていて、積層型熱交換器の生産に要する時間を短縮することができ、生産能率を向上し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明品の概略斜視図である。
【図2】
図1のAーA線に沿う拡大断面図である。
【図3】
図1の積層型熱交換器の2枚のプレートおよび薄板状仕切部材を示す拡大斜視図である。
【図4】
本発明の積層型熱交換器の流体流路の概略を示す斜視図である。
【図5】
本発明の積層型熱交換器のプレートの変形例を示す拡大斜視図で、これは図3に対応するものであり、2枚のプレートと共に薄板状仕切部材が示されている。
【符号の説明】
1 積層型エバポレータ(積層型熱交換器)
2 プレート
3 流体流路形成用凹部(冷媒流路形成用凹部)
4 ヘッダ形成用凹部
5 偏平管部
6 ヘッダ部
7 底壁
8 流体通過孔(冷媒通過孔)
9 薄板状仕切部材
【発明の名称】 積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体流路形成用凹部(3)とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)にそれぞれ流体通過孔(8)(8)があけられている1種類の多数のプレート(2)と、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の流体通過孔(8)を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材(9)とを備えており、上記プレート(2)が隣り合うもの同士相互に凹部(3)(4)を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部(5)と各偏平管部(5)に連なる上下両ヘッダ部(6)(6)とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)のうち一方のヘッダ形成用凹部(4)(4)の有孔底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が介在されて、該ヘッダ形成用凹部(4)(4)の流体通過孔(8)(8)が塞がれることにより、すべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されている、積層型熱交換器。
【請求項2】 薄板状仕切部材(9)が、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の底壁(7)と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されている、請求項1に記載の積層型熱交換器。
【請求項3】 薄板状仕切部材(9)の外側縁部に、ストッパ用折曲げ縁(10)が設けられている、請求項1または2に記載の積層型熱交換器。
【請求項4】 薄板状仕切部材(9)の厚みが、0.15mm以下である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器。
【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器を備えたカー・クーラ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カー・クーラ用エバポレータ等に用いられる積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカー・クーラ用の積層型エバポレータは、2種以上のプレートを用いて冷媒回路を形成するのが、通常の手法であった。
【0003】
すなわち、従来は、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている第1プレートと、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両側のヘッダ形成用凹部の底壁のうちの一方に流体通過孔があけられかつ同他方に流体通過孔があけられていない仕切壁部を有する第2プレートとによって構成され、これら2種類のプレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成され、かつ冷媒が、並列状の偏平管部および上下両ヘッダ部内を全体としてU形状もしくは蛇行状に流れる1ターン以上の冷媒回路が形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の積層型エバポレータのように、2種以上のプレートによりエバポレータを構成すれば、2種以上の金型を必要として、金型費が高くつくとともに、部品点数が増加し、コアの組立てが複雑となるため、自動化が困難となるという問題があった。またプレートの組立て違い(配置違いなど)が発生しやすく、製作後においては、ヘッダ部の仕切壁部の位置のチェックが困難であり、エバポレータ内に所期の冷媒回路が形成されているか、どうかの確認ができず、不良品を生じるおそれがあるという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、1種類のプレートを用いるだけで積層型エバポレータ等の積層型熱交換器を構成することができ、従って金型が1種類ですむため、金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単で、自動化が容易であるうえに、プレートの組立て違いの発生が皆無であり、また製作後に、ヘッダ部の仕切部分の位置のチェックを簡単に行なうことができて、所期の冷媒等流体回路が熱交換器内に形成されているか、どうかの確認を確実に行なうことができ、不良品の発生がなく、しかも作業性にすぐれていて、生産に要する時間を短縮することができ、生産能率を向上し得る、積層型熱交換器、及び積層型熱交換器を備えたカー・クーラを提供しようとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明の請求項1に記載の積層型熱交換器は、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている1種類の多数のプレートと、プレートのヘッダ形成用凹部の流体通過孔を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材とを備えており、上記プレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレートの上下両ヘッダ形成用凹部のうち一方のヘッダ形成用凹部の有孔底壁同士の間に薄板状仕切部材が介在されて、該ヘッダ形成用凹部の流体通過孔が塞がれることにより、すべての偏平管部および上下両ヘッダ部内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材が、プレートのヘッダ形成用凹部の底壁と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレートのヘッダ形成用凹部の底壁同士の間に介在されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材の外側縁部に、ストッパ用折曲げ縁が設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器であって、薄板状仕切部材の厚みが、0.15mm以下であることを特徴としている。
請求項5に記載のカー・クーラの発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の積層型熱交換器を備えていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
この明細書において、左右、前後、および上下は図2を基準とし、左とは図2の左側、右とは同右側をいゝ、また前とは同図図面紙葉の表側、後とは同裏側をいゝ、上とは同図上側、下とは同下側をいうものとする。
【0010】
図1〜図3を参照すると、カー・クーラ用の積層型エバポレータ(1)は、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)製であって、冷媒流路形成用凹部(3)とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)にそれぞれ冷媒通過孔(8)(8)があけられている1種類の多数のプレート(2)と、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ3つの薄板状仕切部材(9)とを備えている。
【0011】
この実施形態では、各プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に、前後方向に長い略長円形の3つの冷媒通過孔(8)(8)がそれぞれあけられるとともに、各冷媒通過孔(8)の周縁部にヘッダ形成用凹部(4)の内側に向かって突出した環状壁(14)が設けられている。
【0012】
上記プレート(2)が隣り合うもの同士相互に凹部(3)(4)を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部(5)と各偏平管部(5)に連なる上下両ヘッダ部(6)(6)とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)のうち一方のヘッダ形成用凹部(4)(4)の有孔底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が介在されている。
【0013】
ここで、各薄板状仕切部材(9)は、図2と図3に詳しく示すように、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の底壁(7)と略同形同大の長円形状を有し、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されることにより、両底壁(7)(7)の3つの冷媒通過孔(8)を一挙に塞ぐものとなされている。
【0014】
また、各薄板状仕切部材(9)の外側縁部には、ストッパ用折曲げ縁(10)が設けられており、隣接プレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に介在されたさい、この折曲げ縁(10)は、隣接プレート(2)(2)のうち、右側プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の外側面に当接せしめられている。
【0015】
そして、この実施形態では、エバポレータ(1)の上部ヘッダ部(6)側の前半部と後半部に2つの薄板状仕切部材(9)が配置され、エバポレータ(1)の下部ヘッダ部(6)側の中央部に1つの薄板状仕切部材(9)が配置されており、それぞれの箇所において隣り合うプレート(2)(2)の上部ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士、または下部ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間にそれぞれ介在された薄板状仕切部材(9)により、該ヘッダ形成用凹部(4)(4)の冷媒通過孔(8)(8)が塞がれて、図4に示すように、すべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を冷媒が全体として蛇行状に流れる冷媒流路が形成されている。
【0016】
なお、各プレート(2)の冷媒流路形成用凹部(3)には、上下方向に長い整流用凸部(16)が、同凹部(3)の下端から上端寄り部分まで設けられている。
【0017】
また、エバポレータ(1)の左右両外側には一対の端部プレート(11)(11)が配置され、端部プレート(11)(11)の両外側にはサイドプレート(12)(12)がそれぞれ重ね合わせられている。隣り合う偏平管部(5)(5)のプレート(2)(2)の冷媒流路形成用凹部(3)(3)同士の間にコルゲート・フィン(13)が介在させられるとともに、左右両外側の端部プレート(11)(11)およびこれらと同側の偏平管部(5)(5)のプレート(2)(2)の冷媒流路形成用凹部(3)(3)の間にコルゲート・フィン(13)が介在させられ、さらに左右両端部プレート(11)(11)およびこれらと同側のサイド・プレート(12)(12)の間にもコルゲート・フィン(13)が介在させられている。
【0018】
また、左右両端部プレート(11)(11)の上端部のうち、右側端部プレート(11)の上端部には、冷媒導入用角筒体(20)が上部ヘッダ部(6)の始端部に連通するように取り付けられ、該角筒体(20)の前端部に冷媒導入パイプ(22)が接続されている。左側端部プレート(11)の上端部には、冷媒排出用角筒体(21)が上部ヘッダ部(6)の終端部に連通するように取り付けられ、該角筒体(21)の前端部に冷媒排出パイプ(23)が接続されている。
【0019】
上記積層型エバポレータ(1)の構成部材のうち、多数の中間プレート(2)、左右両端部プレート(11)(11)、および左右両サイドプレート(12)(12)は、それぞれアルミニウム・ブレージング・シートによりつくられ、薄板状仕切部材(9)、コルゲート・フィン(13)、冷媒導入用角筒体(20)、および冷媒排出用角筒体(21)は、それぞれベア材によりつくられている。なお、薄板状仕切部材(9)はアルミニウム・ブレージング・シートによりつくられていても良い。
【0020】
積層型エバポレータ(1)は、上記のすべての構成部材が組み合わせられたのち、真空ろう付け法により一括してろう付けることにより製造される。
【0021】
上記積層型エバポレータ(1)においては、エバポレータ(1)右側の冷媒導入パイプ(22)より同側の冷媒導入用角筒体(20)を経て上部ヘッダ部(6)の始端部に導入された冷媒は、上部ヘッダ部(6)の前半部と後半部に配置された2つの薄板状仕切部材(9)、および下部ヘッダ部(6)の中央部に配置された1つの薄板状仕切部材(9)により流れを変えさせられて、結局、エバポレータ(1)の内部を全体として蛇行状に流れて、上部ヘッダ部(6)の終端部から冷媒排出用角筒体(21)および冷媒排出パイプ(23)を経て外部へと排出されるものである。
【0022】
なおここで、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ各薄板状仕切部材(9)にかかる圧力は、冷媒の流路抵抗のみであり、仕切部材(9)の両側における圧力差は、0.2kgf/cm2程度であるから、薄板状仕切部材(9)の厚みは、0.15mm以下、通常0.1mm程度で充分である。また、通常、プレート(2)の厚みは、0.3〜0.5mm程度である。
【0023】
一方、エバポレータ(1)の偏平管部(5)同士の間のコルゲート・フィン(12)の存在する間隙を風が前後方向に流れるようになされている。
【0024】
上記の積層型エバポレータ(1)によれば、1種類のプレート(2)を用いるだけでエバポレータ(1)を構成することができ、従って金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単であり、自動化が容易であるうえに、プレート(2)の組立て違いの発生が皆無であり、不良品を生じない。
【0025】
また製作後、上下両ヘッダ部(6)(6)の仕切部の位置を、所定の隣接プレート(2)(2)同士の間に介在された薄板状仕切部材(9)の存在によりエバポレータ(1)の外部より目視により確認することができて、エバポレータ(1)内に所定の冷媒流路が設定されているか、どうかのチェックを簡単に行なうことができ、不良品の発生を未然に防止することができる。
【0026】
また積層型エバポレータ(1)の製造のさい、構成部品の組立てが容易であり、作業性が良く、エバポレータ(1)の生産に要する時間を短縮することができて、生産能率が向上する。
【0027】
さらに、上記実施形態では、各プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)の冷媒通過孔(8)の周縁部に、ヘッダ形成用凹部(4)の内側に向かって突出した環状壁(14)が設けられているから、隣り合うプレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)の冷媒通過孔(8)(8)の周縁部が、底壁(7)(7)と2つの環状壁(14)(14)とによって横断面略T型となされるため、該周縁部の強度を大幅に高めることができ、割れの発生を防止することができる。
【0028】
また実施形態では、各薄板状仕切部材(9)の外側縁部にストッパ用折曲げ縁(10)が設けられており、エバポレータ(1)の組立て時に、隣接プレート(2)(2)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)同士の間に薄板状仕切部材(9)が差し込まれたさい、これの外側縁部の折曲げ縁(10)がストッパの役目を果たすようになされている。しかしながら、この点は限定されず、薄板状仕切部材(9)の差し込みのさい、これをその他の適宜の手段により止めるようにしても良い。
【0029】
また上記実施形態においては、プレート(2)のヘッダ形成用凹部(4)のヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)の冷媒通過孔(8)を塞ぐ薄板状仕切部材(9)が3つ備えられているため、エバポレータ(1)のすべての偏平管部(5)および上下両ヘッダ部(6)(6)内を冷媒が全体として蛇行状に流れる冷媒流路が形成されているが、薄板状仕切部材(9)は少なくとも1つ備えられておれば良く、薄板状仕切部材(9)が1つだけ備えられる場合には、冷媒流路は全体としてU形状となる。
【0030】
つぎに、図5は、この発明の変形例を示すものである。
【0031】
ここで、上記実施形態の場合と異なる点は、薄板状仕切部材(9)にかかる圧力を小さいものとするために、各プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に、直径の小さい略円形の6つの冷媒通過孔(8)があけられている点にある。
【0032】
この変形例のその他の点は上記実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
【0033】
また、上記実施形態と変形例においては、プレート(2)の上下両ヘッダ形成用凹部(4)(4)の底壁(7)(7)に前後に長い略長円形の3つの冷媒通過孔(8)、あるいはまた略円形の6つの冷媒通過孔(8)があけられているが、この点は限定されず、冷媒通過孔(8)は少なくとも1つあけられておれば良い。
【0034】
また、上記実施形態においては、この発明を、偏平管部(5)を垂直方向にかつ並列状に配置したいわゆる縦型の積層型エバポレータ(1)に適用した場合を示したが、この発明は偏平管部(5)を水平方向にかつ並列状に配置したいわゆる横型の積層型エバポレータ(1)にも同様に適用されるものである。
【0035】
この発明は、カー・クーラ用積層型エバポレータだけでなく、その他オイルクーラ、アフタークーラ、ラジエータ等の積層型熱交換器にも、同様に使用されるものである。
【0036】
【発明の効果】
この発明による積層型熱交換器は、上述のように、流体流路形成用凹部とこれより深い上下両ヘッダ形成用凹部とを有するとともに上下両ヘッダ形成用凹部の底壁にそれぞれ流体通過孔があけられている1種類の多数のプレートと、プレートのヘッダ形成用凹部の流体通過孔を塞ぐ少なくとも1つの薄板状仕切部材とを備えており、上記プレートが隣り合うもの同士相互に凹部を対向させた状態に層状に重ね合わせられて、並列状の偏平管部と各偏平管部に連なる上下両ヘッダ部とが形成されるとともに、所定箇所において隣り合うプレートの上下両ヘッダ形成用凹部のうち一方のヘッダ形成用凹部の有孔底壁同士の間に薄板状仕切部材が介在されて、該ヘッダ形成用凹部の流体通過孔が塞がれることにより、すべての偏平管部および上下両ヘッダ部内を流体が全体としてU形状または蛇行状に流れる流体流路が形成されているもので、1種類のプレートを用いるだけで積層型熱交換器を構成することができ、従って金型が1種類ですむため、金型費が安くつくとともに、部品点数が少なく、コアの組立てが簡単で、自動化が容易であるうえに、プレートの組立て違いの発生が皆無であり、また製作後に、熱交換器の上下両面に薄板状仕切部材が所定の配置に現れて見え、従って薄板状仕切部材の配置を目視により確認することができて、熱交換器内に所定の冷媒等流体回路が設定されているか、どうかのチェック簡単に行なうことができ、従って、不良品の発生がなく、しかも作業性にすぐれていて、積層型熱交換器の生産に要する時間を短縮することができ、生産能率を向上し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明品の概略斜視図である。
【図2】
図1のAーA線に沿う拡大断面図である。
【図3】
図1の積層型熱交換器の2枚のプレートおよび薄板状仕切部材を示す拡大斜視図である。
【図4】
本発明の積層型熱交換器の流体流路の概略を示す斜視図である。
【図5】
本発明の積層型熱交換器のプレートの変形例を示す拡大斜視図で、これは図3に対応するものであり、2枚のプレートと共に薄板状仕切部材が示されている。
【符号の説明】
1 積層型エバポレータ(積層型熱交換器)
2 プレート
3 流体流路形成用凹部(冷媒流路形成用凹部)
4 ヘッダ形成用凹部
5 偏平管部
6 ヘッダ部
7 底壁
8 流体通過孔(冷媒通過孔)
9 薄板状仕切部材
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