JPH05331251A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH05331251A
JPH05331251A JP17166592A JP17166592A JPH05331251A JP H05331251 A JPH05331251 A JP H05331251A JP 17166592 A JP17166592 A JP 17166592A JP 17166592 A JP17166592 A JP 17166592A JP H05331251 A JPH05331251 A JP H05331251A
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JP
Japan
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meth
group
parts
polymer
acrylate
Prior art date
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Pending
Application number
JP17166592A
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English (en)
Inventor
Yasushi Nakao
泰志 中尾
Tetsuya Hirose
哲也 広瀬
Motoshi Yabuta
元志 薮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温硬化性、良好な貯蔵安定性、大きなタレ
限界膜厚を有し、塗面状態、耐薬品性、耐水性、耐候性
および機械的特性に優れた高光沢の塗膜を形成できる硬
化性組成物に関する。 【構成】 (a)アルコキシシラン基含有ビニル化合物
を必須単量体成分とするアクリル重合体、(b)アクリ
ル重合体(a)を溶解する有機液体希釈剤、(c)希釈
剤(b)中のアクリル重合体(a)の溶液中に溶解せず
安定に分散されている重合体微粒子および(d)硬化触
媒を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温硬化性、良好な貯
蔵安定性、大きなタレ限界膜厚を有し、高光沢の塗膜を
形成できる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、常温乃至100℃
の比較的低温で架橋硬化できる組成物としてアルコキシ
シラン基を含有するアクリル樹脂に、錫化合物等の硬化
触媒を配合した組成物が公知である(特開昭58−13
6606号公報参照)。
【0003】しかしながら、上記従来の組成物には、低
温硬化性、耐薬品性、耐水性等に優れるものの、塗膜の
機械的特性や塗料貯蔵安定性等が必ずしも充分ではない
という欠点があった。即ち、高度の機械的特性例えば耐
衝撃性、耐屈曲性等が要求される場合に硬化触媒の量、
種類、アルコキシシラン基の含有量、アクリル系樹脂の
分子量等の調節だけでは限界があり、そのため用途が制
限されたり、塗料貯蔵安定性、耐候性等も充分ではない
という欠点があった。更に上記組成物には、垂直面の塗
装時に、膜厚の厚いところで塗料が垂れる(一般的にタ
レと呼んでいる)現象が起こりやすいという欠点もあっ
た。この厚膜塗装適性がないため、所定の膜厚を得るた
めに重ね塗りが必要になる、塗面の仕上がり性が劣る
等、実用上大きな障害となっていた。また厚膜塗装適性
を得るため、ポリアミド樹脂系、有機ベントナイト系、
酸化ポリエチレン系などのタレ止め剤を配合すると得ら
れる塗膜の光沢が著しく低下するという問題があった。
【0004】そこで本発明者らは、低温硬化性、良好な
貯蔵安定性を有し、塗面状態、耐薬品性、耐水性、耐候
性および機械的特性に優れた塗膜を形成でき、さらにタ
レ限界膜厚が大きく、高光沢の塗膜を形成できる硬化性
組成物を得るべく鋭意研究の結果、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、(a)一般式[1]
【0006】
【化2】
【0007】[式中、Aは−COO−又はフェニレン基
を示す。R1 は水素原子又はメチル基を、R2 は炭素数
1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を、R3 及びR4
は同一又は異なってフェニル基、炭素数1〜6のアルキ
ル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を、R5 は炭素
数1〜10のアルキル基をそれぞれ示す。nは1〜10
0の整数を示す。]で表わされるアルコキシシラン基含
有ビニル化合物を必須単量体成分とするアクリル重合
体、
【0008】(b)アクリル重合体(a)を溶解する揮
発性有機液体希釈剤、(c)希釈剤(b)中のアクリル
重合体(a)の溶液中に溶解せず安定に分散されている
重合体微粒子および(d)硬化触媒を含有することを特
徴とする硬化性組成物を提供するものである。
【0009】本発明において、(a)成分であるアクリ
ル重合体は、上記一般式[1]で表わされる特定のアル
コキシシラン基含有ビニル化合物を必須単量体成分とす
るものである。上記一般式[1]において、R2 によっ
て示される炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基
としては、直鎖又は分岐状のアルキレン基例えばメチレ
ン、エチレン、プロピレン、1,2−ブチレン、1,3
−ブチレン、2,3−ブチレン、テトラメチレン、エチ
ルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等を挙
げることができる。R3 及びR4 で示される炭素数1〜
6のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のアルキル基
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、sec −ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−
ヘキシル、イソヘキシル基等を挙げることができ、R5
で示される炭素数1〜10のアルキル基としては、上記
アルキル基に加え、n−ヘプチル、1−メチルペンチ
ル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、
n−デシル等を挙げることができる。
【0010】R3 及びR4 で示される炭素数1〜10の
アルコキシ基としては、直鎖又は分岐状のアルコキシ
基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ
プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec −ブト
キシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキ
シ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、n−オ
クチルオキシ等を挙げることができる。また、一般式
[1]において、nは1〜100の整数であるがnが2
以上のとき、R3 同志及びR4 同志は同じであっても異
なっていても良い。
【0011】本発明において、一般式[1]で表わされ
る化合物のうちAが−COO−であるものとしては、例
えばγ−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメ
チルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオ
キシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシブチルフェニルジエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシブチルフェニルジプロポ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
ジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルフェニルメチルメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル
メチルエトキシシラン、
【0012】
【化3】
【0013】等を挙げることができる。
【0014】また一般式[1]で表わされる化合物のう
ちAがフェニレン基であるものとしては、例えば
【0015】
【化4】
【0016】等を挙げることができる。
【0017】これら一般式[1]で表わされる化合物の
うち、特に、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
n−ブトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルn−ブトキシシラン等が好適であ
る。
【0018】本発明において、(a)成分であるアクリ
ル重合体は一般式[1]で表わされるアルコキシシラン
基含有ビニル化合物の少なくとも一種を必須単量体成分
とし、必要に応じて、他の単量体を共重合してなる重合
体である。該必須単量体の使用割合は広い範囲から選択
できるが、通常使用単量体中1重量%以上、好ましくは
5〜30重量%程度である。
【0019】当該重合体において必要に応じて使用され
る他の重合性単量体としては、塗膜に要求される性能に
応じて適宜選択できる。好ましく使用できる他の単量体
としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tertブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸のアルキル又はシクロアルキ
ルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルコ
キシアルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレート
等の芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステ
ル;グリシジル(メタ)アクリレート又は(メタ)アク
リル酸のヒドロキシアルキルエステルとカプリン酸、ラ
ウリル酸、リノール酸、オレイン酸等のモノカルボン酸
化合物との付加物、(メタ)アクリル酸と「カージュラ
E10」(シェル化学社製)等のモノエポキシ化合物と
の付加物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、p−クロルスチレン、p−tert−ブチルスチレン
等のビニル芳香族化合物;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、シトラ
コン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;グリ
シジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化
合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル化(メタ)
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド等のカルボン酸アミド系
化合物;P−スチレンスルホンアミド、N−メチル−P
−スチレンスルホンアミド、N,N−ジメチル−P−ス
チレンスルホンアミド等のスルホン酸アミド基含有化合
物;「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビ
スコート3F」、「ビスコート3FM」(いずれも大阪
有機化学(株)製、側鎖にフッ素原子を有する(メタ)
アクリレート類)、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルエチレ
ン等のフッ素原子含有化合物等を挙げることができる。
【0020】(a)成分であるアクリル重合体は、単量
体成分のうち、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル
を合計量で30重量%以上含有するものであることが耐
候性などの点から好ましく、50重量%以上含有するも
のであることがより好ましい。
【0021】(a)成分であるアクリル重合体を製造す
るための重合は、通常ラジカル重合開始剤を用いて行わ
れる。使用可能なラジカル開始剤としては、例えば2,
2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化
物系開始剤が挙げられ、これら開始剤は一般に重合に供
される単量体100重量部当り0.2〜10重量部程
度、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内で使用でき
る。重合時の反応温度は、通常60〜160℃程度の範
囲内の温度を用いるのが適当であり、通常1〜15時間
程度で反応が終了する。
【0022】(a)成分であるアクリル重合体の分子量
は、通常、重量平均分子量で約5,000〜100,0
00程度(数平均分子量で約1,000〜60,000
程度)、好ましくは重量平均分子量で約5,000〜5
0,000程度の範囲内である。
【0023】本発明組成物における(B)成分である希
釈剤は、被膜形成性バインダー樹脂(A)を溶解する
が、後述する重合体微粒子(C)を溶解せず安定に分散
させる揮発性有機液体希釈剤であり、塗料組成物中で溶
剤として慣用的に使用されている任意の液体が包含され
る。具体的にはたとえば、トルエンおよびキシレンのご
とき芳香族炭化水素;実質的割合の芳香族分を含む種々
の沸点範囲の石油留分;酢酸ブチル、エチレングリコー
ルジアセテートおよび2−エトキシエチルアセテートの
ようなエステル;アセトンおよびメチルイソブチルケト
ンのようなケトン;ブチルアルコールのようなアルコー
ルなど又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0024】本発明組成物における(c)成分である重
合体微粒子は、希釈剤(b)中のアクリル重合体(a)
の溶液中に溶解せず安定に分散されていることが必要で
ある。重合体微粒子(c)は水性媒体中でラジカル重
合性不飽和単量体を乳化重合することによってエマルジ
ョンとして得られる重合体微粒子であってもよく、また
分散安定剤樹脂の存在下、有機液体中でラジカル重合
性不飽和単量体を重合させて非水ディスパージョンとし
て得られる重合体微粒子であってもよい。
【0025】水性媒体中で乳化重合して重合体微粒子を
製造する場合には、水中、又は水を主成分とし親水性溶
剤の混合された媒体中において、乳化剤又は水性媒体に
溶解する高分子分散安定剤の存在下でラジカル重合性不
飽和単量体を乳化重合させればよい。上記乳化剤として
は、乳化重合に使用される公知のアニオン性、カチオン
性、ノニオン性のいずれの乳化剤も使用可能である。得
られる重合体微粒子の安定性の点から乳化剤がアリル基
などの比較的低反応性の基を有し、重合中徐々に重合体
に取り込まれていく反応性乳化剤であることが好まし
い。また、上記高分子分散安定剤としては、マレイン化
ポリブタジエンの中和樹脂、ポリビニルアルコール、水
溶性繊維素誘導体、水溶性アクリル樹脂、水溶性アルキ
ド樹脂などを挙げることができる。
【0026】また、上記ラジカル重合性不飽和単量体
は、塗膜に要求される性能に応じて適宜選択できる。好
ましく使用できる単量体成分としては、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tertブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
のアルキル又はシクロアルキルエステル;メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アク
リレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のアルコキシアルキルエステル;ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の芳香族アルコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル;グリシジル(メタ)
アクリレート又は(メタ)アクリル酸のヒドロキシアル
キルエステルとカプリン酸、ラウリル酸、リノール酸、
オレイン酸等のモノカルボン酸化合物との付加物、(メ
タ)アクリル酸と「カージュラE10」(シェル化学社
製)等のモノエポキシ化合物との付加物;スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合
物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水
イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸;グルシジル(メタ)アクリレ
ート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル等のグリシジル基含有化合物;(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−アルコキシメチル化(メタ)アクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド等のカルボン酸アミド系化合物;P−スチレンス
ルホンアミド、N−メチル−P−スチレンスルホンアミ
ド、N,N−ジメチル−P−スチレンスルホンアミド等
のスルホン酸アミド基含有化合物;「ビスコート8
F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3F」、
「ビスコート3FM」(いずれも大阪有機化学(株)
製、側鎖にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート
類)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロシクロヘキシルエチレン等のフッ素原
子含有化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼンなどの多ビニル化合物等を挙げ
ることができ、これらは単独で又は2種以上の混合物と
して使用できる。
【0027】乳化重合を行なうラジカル重合性不飽和単
量体の一部として多ビニル化合物を用いたり、重合性不
飽和基以外に相互に反応して結合することができる相補
的官能基をそれぞれ有する少なくとも2種の重合性不飽
和モノマーを共重合し、相補的官能基同士を反応させる
などの方法によって重合体粒子内部を架橋させることが
できる。重合体微粒子内部を架橋させることによって、
一般に重合体微粒子のエマルジョン安定性を向上させる
ことができる。
【0028】上記相補的官能基の組合せとしては、例え
ば(1)エポキシ基/カルボキシル基、(2)エポキシ
基/アミノ基、(3)アルコキシシリル基/水酸基など
が挙げられる。上記(1)の組合せとなる単量体の組合
せを例にとって示すと、グリシジルアクリレートやグリ
シジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体と、ア
クリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体
との組合せが挙げられる。上記の乳化重合法としては公
知の乳化重合法が使用できる。
【0029】重合体微粒子が、分散安定剤樹脂の存在
下、有機液体中でラジカル重合性不飽和単量体を重合さ
せて得られる場合には、上記有機液体としては、該重合
により生成する分散重合体粒子は実質的に溶解しない
が、上記分散安定剤樹脂及び該ラジカル重合性不飽和単
量体に対しては良溶媒となる有機液体が包含される。か
かる有機液体の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;メチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、オクチルアルコール等のアルコール類、セ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のエーテル類、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチ
ルヘキシルケトン、エチルブチルケトン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、2−エチル
ヘキシルアセテート等のエステル類を挙げることができ
る。これらの有機液体は、それぞれ単独で使用してもよ
く、2種以上混合して用いることもできるが、一般には
脂肪族炭化水素を主体とし、これに適宜芳香族炭化水素
やアルコール類、エーテル類、ケトン類又はエステル類
等を組み合わせたものが好適に使用される。
【0030】上記分散安定剤樹脂としては、従来から非
水ディスパージョンの分野で使用されている既知のもの
をいずれも使用でき、例えば下記〜のものを例示す
ることができる。 12−ヒドロキシステアリン酸等の水酸基を含有する
脂肪酸の自己縮合ポリエステルとアクリル酸グリシジル
又はメタクリル酸グリシジルを付加して分子中に約1.
0個の重合性二重結合を導入したポリエステルマクロマ
ー。 上記のポリエステルマクロマーとメチルメタクリレ
ート及び/又はその他の(メタ)アクリル酸エステル、
ビニルモノマーを共重合した櫛型ポリマー。
【0031】上記に少量のグリシジル(メタ)アク
リレートを共重合させておき、そのグリシジル基に後か
ら(メタ)アクリル酸を付加して二重結合を導入したも
の。 炭素数4以上のモノアルコールの(メタ)アクリル酸
エステルを少なくとも20%共重合してなる水酸基含有
アクリル共重合体。
【0032】上記に数平均分子量基準で1分子当り
0.3以上の二重結合を導入したアクリル共重合体。二
重結合を導入する方法としては、例えばもとのアクリル
共重合体中に少量の(メタ)アクリル酸グリシジルを共
重合しておき、後からそのグリシジル基に(メタ)アク
リル酸を付加する方法が挙げられる。
【0033】ミネラルスピリット許容率の高いアルキ
ルメラミン樹脂。 油長15%以上のアルキド樹脂及び/又はそれに重合
性二重結合を導入したもの。二重結合を導入する方法と
しては、例えばアルキド樹脂中のカルボキシル基に(メ
タ)アクリル酸グリシジルを付加する方法が挙げられ
る。
【0034】ミネラルスピリット許容率の高いオイル
フリーポリエステル樹脂、油長15%未満のアルキド樹
脂及び/又はそれに重合性二重結合を導入したもの。 重合性二重結合を導入したセルロースアセテートブチ
レート。二重結合を導入する方法としては、例えばセル
ロースアセテートブチレートにイソシアナトエチルメタ
クリレートを付加する方法が挙げられる。
【0035】これらの分散安定剤樹脂は、単独で又は複
数のタイプのものを組合せて用いられる。上記分散安定
剤樹脂の中でも、本発明において特に好適な分散安定剤
は、脂肪族炭化水素等の比較的低極性溶剤に溶解可能で
あって、しかも塗膜性能上の要求をもある程度満たすこ
とができるものであり、斯かる条件を満たす分散安定剤
樹脂としては、殊に分子量、ガラス転移温度、極性、水
酸基価、酸価等を容易に調整することができ、耐候性に
も優れている上記及びのアクリル系重合体が好適で
ある。
【0036】更に分散微粒子とグラフト重合可能な重合
性二重結合を分子中に平均して約0.2〜1.2個有す
るアクリル系重合体が好適である。
【0037】上記非水ディスパージョンの製造におい
て、重合に供されて重合体微粒子を形成するラジカル重
合性不飽和単量体としては、重合性に優れ、該単量体か
ら形成される重合体が分散安定剤樹脂より高い溶解性パ
ラメータ(SP値)を有することが必要であり、一般に
該重合体のSP値が8.0〜9.5程度の範囲が好まし
い。
【0038】本発明において、「溶解性パラメータ(S
P値)」は、以下の式により理論的に算出することがで
きる。 SP値:δ δ×100=(δa ×A)+(δb ×B)+(δc ×C)+‥‥‥ (ここで、δ:共重合体の溶解性パラメータ δa 、δ
b 、δc ‥‥‥:単量体a、b、c‥‥‥の溶解性パラ
メータ A、B、C‥‥‥‥:単量体a、b、c‥‥‥
‥の共重合体中の重量%)
【0039】上記重合体微粒子を形成するラジカル重合
性不飽和単量体としては、前記乳化重合によって重合体
微粒子を形成するラジカル重合性不飽和単量体として揚
げたものの中から適宜選択して使用することができる。
ラジカル重合性不飽和単量体の一部として前記乳化重合
法の場合と同様に、多ビニル化合物を用いたり、相補的
反応性基同士の反応を利用して重合体微粒子内部を架橋
させることができ、この架橋によって一般に重合体微粒
子の非水分散液の安定性を向上させることができる。
【0040】上記相補的官能基の組合せとしては、
(1)エポキシ基/カルボキシル基、(2)エポキシ基
/アミノ基、(3)アルコキシシリル基/水酸基、
(4)水酸基/イソシアネート基、(5)イソシアネー
ト基/アミノ基、(6)エポキシ基/リン酸基等の組合
せを挙げることができる。
【0041】上記乳化重合法又は非水ディスパージョン
重合法によって得られる重合体微粒子の粒径は一般に1
0〜1,000nm、好ましくは50〜500nmの範囲で
ある。
【0042】重合体微粒子が乳化重合法によって得られ
たものである場合には、エマルジョン液をスプレードラ
イ法などによって乾燥させて重合体微粒子の粉末とした
り、エマルジョン液の水を有機溶剤と置換して有機溶剤
中の重合体微粒子分散液とするなどして使用に供され
る。重合体微粒子が非水ディスパージョン法によって得
られたものである場合には、非水ディスパージョン液を
そのまま使用に供することができるし、乾燥させて粉末
として使用に供することもできる。
【0043】本発明組成物における(d)成分である硬
化触媒は、アルコキシシリル基の硬化触媒として一般的
に用いられるものであり、(a)成分中の一般式[1]
の化合物に由来するアルコキシシリル基が水分の存在
下、加水分解してシラノール基を生じ、次いでシラノー
ル基が脱水縮合して結合して架橋する反応を促進する触
媒であり、組成物に優れた低温硬化性を付与するもので
ある。
【0044】(d)成分の硬化触媒の具体例としては、
例えば、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、燐
酸、モノ−n−プロピル燐酸、モノイソプロピル燐酸、
モノ−n−ブチル燐酸、モノイソブチル燐酸、モノtert
−ブチル燐酸、モノオクチル燐酸、モノデシル燐酸等の
モノアルキル燐酸、ジ−n−プロピル燐酸、ジイソプロ
ピル燐酸、ジ−n−ブチル燐酸、ジイソブチル燐酸、ジ
tertブチル燐酸、ジオクチル燐酸、ジデシル燐酸等のジ
アルキル燐酸、βヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トの燐酸エステル、モノ−n−プロピル亜燐酸、モノイ
ソプロピル亜燐酸、モノ−n−ブチル亜燐酸、モノイソ
ブチル亜燐酸、モノtertブチル亜燐酸、モノオクチル亜
燐酸、モノデシル亜燐酸等のモノアルキル亜燐酸、ジ−
n−プロピル亜燐酸、ジイソプロピル亜燐酸、ジ−n−
ブチル亜燐酸、ジイソブチル亜燐酸、ジtertブチル亜燐
酸、ジオクチル亜燐酸、ジデシル亜燐酸等のジアルキル
亜等の酸性化合物;オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレエート等の含錫化合物;ブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシル
アミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、イソホ
ロンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性化合物を挙
げることができる。
【0045】これらは単独で又は二種以上の混合物とし
て用いることができる。本発明組成物は一般に2液型と
して供され、ベースと硬化触媒は使用直前に混合して用
いられる。
【0046】本発明組成物において、(a)成分である
アクリル重合体と(c)成分である重合体微粒子との配
合割合は特に限定されるものではないが、両者の固形分
重量比で(a)/(c)が30/70〜99/1の範囲
であることが好ましく、より好ましくは40/60〜9
0/10の範囲である。(a)/(c)の比率が30/
70より小さい場合[(a)が少ない場合]には、得ら
れる塗膜の光沢が低下しやすくなり、一方、(a)/
(c)の比率が99/1より大きい場合、タレ限界膜厚
が小さくなって厚膜塗装適性が低下したり、塗膜の耐衝
撃性や屈曲性などの機械的特性が低下しやすくなる。
【0047】本発明組成物における(d)成分である硬
化触媒の配合割合は特に限定されるものではないが、一
般にアクリル重合体(a)と重合体微粒子(c)との固
形分合計量100重量部に対して0.01〜10重量部
程度とするのが好ましい。
【0048】本発明組成物において(b)成分である揮
発性有機液体希釈剤の配合割合は特に限定されるもので
はなく、本発明組成物が塗装に支障を来さない範囲であ
ればよいが、一般にアクリル重合体(a)と重合体微粒
子(c)との固形分合計量100重量部に対して40〜
300重量部の範囲である。
【0049】本発明組成物は上記(a)、(b)、
(c)および(d)成分以外に必要に応じて、着色顔
料、体質顔料、染料、脱水剤、可塑剤等を添加すること
ができる。可塑剤としては、公知のもの例えば、ジメチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート等の低分子量可塑
剤、ビニル重合体系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等の
高分子量可塑剤が挙げられ、これらは重合体微粒子の製
造時にラジカル重合性不飽和単量体に溶解しておいて、
重合して得られる重合体微粒子中に分配させておいた
り、塗料化時に混合することもできる。
【0050】また、必要に応じて、硬化剤として一般に
用いられているアミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシ
アネート類等を併用しても良い。更に、他のアクリル系
樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
等をブレンドして用いることもできる。
【0051】本発明組成物は、硬化触媒(d)と硬
化触媒(d)以外の残りの成分の混合物であるベースと
の2液型であることができ、使用直前に両者を混合して
使用に供することができる。
【0052】本発明の硬化性組成物は、水分の存在下
に、常温乾燥、又は100℃以下の低温で加熱すること
によって容易に架橋硬化することができる。常温乾燥に
おいては当該組成物に水を添加後塗布するか、或は当該
組成物を塗布後空気中にさらすのみで、何ら加熱せずと
も通常8時間〜7日間程度で充分に硬化させることがで
きる。また、硬化の際必要な水分は空気中の湿気程度の
少量で充分である。塗布前に水を添加する場合は、通常
0.1〜1重量%程度の添加量で充分である。
【0053】本発明硬化性組成物を塗料として使用する
場合、被塗物としては、鉄、亜鉛、アルミニウムなどの
金属またはこれらの金属の合金の表面を有する基材、木
材、コンクリート、スレートなどが挙げられ、これらの
表面は化成処理、シーラー塗布、プライマー塗装などの
処理が施こされていてもよい。また塗布量は、特に限定
されるものではないが、通常、乾燥膜厚で25〜50μ
m となるように塗布される。
【0054】
【作用および発明の効果】本発明組成物によれば、低温
硬化性、良好な貯蔵安定性を有し、塗面状態、耐薬品
性、耐水性、および耐衝撃性、耐屈曲性などの機械的特
性に優れた塗膜を形成できる。
【0055】本発明組成物は重合体微粒子を含有するも
のであり、得られた塗膜は、塗膜の連続相はシロキサン
結合を有する光、化学的に安定な塗膜であり、塗膜の非
連続相は重合体微粒子であって、塗膜が該微粒子によっ
て補強されているので上記機械的特性、耐候性等が優れ
るものと考えられる。本発明組成物は、硬化触媒による
促進作用によって、前述のとおり、僅かの水分、例えば
空気中の湿気程度の水分の存在下で100℃以下の低温
で容易に架橋硬化できる。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。各例中、部及び%は原則として重
量基準である。 アクリル重合体の合成 製造例1 キシレン100部を120℃に加熱し、下記の単量体及
び開始剤の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後
2時間熟成を行ない、アクリル重合体(a−1)溶液を
得た。 スチレン 10部 n−ブチルメタクリレート 40部 メチルメタクリレート 35部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5部 γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 10部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 2部 得られたアクリル重合体(a−1)溶液は不揮発分約5
0%、粘度(ガードナー粘度、25℃、以下同様)Cで
あり、アクリル重合体(a−1)の重量平均分子量は約
10,000であった。
【0057】製造例2 トルエン80部を110℃に加熱し、下記の単量体およ
び開始剤の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了
後、2時間熟成を行ない固形分約55%のアクリル重合
体(a−2)溶液を得た。 2−エチルヘキシルメタクレート 25部 ラウリルメタクリレート 30部 n−ブチルアクリレート 20部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5部 γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 20部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 2部 得られたアクリル重合体(a−2)溶液は不揮発分約5
5%、粘度Eであり、アクリル重合体(a−2)の重量
平均分子量は約16,000であった。
【0058】重合体粒子の非水分散液の製造 製造例3 キシレン80部を120℃に加熱し、下記の単量体及び
開始剤の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、
2時間熟成を行ない固形分約55%のアクリル重合体溶
液を得た。 スチレン 15部 n−ブチルアクリレート 35部 2−エチルヘキシルメタクリレート 20部 ラウリルメタクリレート 15部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 15部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 3部 次いでイソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート1モルとのイソシアネート基
含有付加物3部を上記アクリル重合体溶液100部に添
加し、120℃で3時間加熱し、固形分約56%の重合
性不飽和基含有アクリル重合体溶液を得た。
【0059】 得られた重合性不飽和基含有アクリル重合体溶液 80部 ヘプタン 80部 キシレン 30部 上記混合物をフラスコに仕込み、加熱還流させ下記の単
量体及び重合開始剤を3時間かけて滴下し、滴下終了
後、さらに2時間熟成した。 メチルメタクリレート 70部 アクリロニトリル 15部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 15部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 その後、減圧によりヘプタン50部を取除き、キシレン
50部を加えて重合体粒子の非水分散液(b−1)を得
た。得られた分散液は、不揮発分約50%、粘度B、重
合体粒子の粒径0.2〜0.3μm である乳白色の安定
な低粘度重合体分散液であった。
【0060】製造例4 キシレン80部を120℃に加熱し、下記の単量体及び
開始剤の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、
2時間熟成を行ない固形分約55%のアクリル重合体を
得た。 n−ブチルメタクリレート 42部 2−エチルヘキシルメタクリレート 15部 ラウリルメタクリレート 20部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20部 グリシジルメタクリレート 3部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 3部 次いでアクリル酸1部を上記アクリル重合体溶液100
部に添加し、120℃で3時間加熱し、固形分約56%
の重合性不飽和基含有アクリル重合体を得た。
【0061】 得られた重合性不飽和基含有アクリル重合体溶液 80部 ヘプタン 80部 キシレン 30部 上記混合物をフラスコに仕込み、加熱還流させ下記の単
量体及び重合開始剤を3時間かけて滴下し、滴下終了
後、さらに2時間熟成した。 メチルメタクリレート 56部 メチルアクリレート 20部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部 メタクリル酸 2部 グリシジルメタクリレート 2部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 その後、減圧によりヘプタン50部を取除き、キシレン
50部を加えて重合体粒子の非水分散液(b−2)を得
た。得られた分散液は、不揮発分約50%、粘度B、重
合体粒子の粒径0.2〜0.3μm である乳白色の安定
な低粘度重合体分散液であった。
【0062】製造例5 脱イオン水354部にエレミノールJS−2(三洋化成
(株)製、スルホコハク酸系アリル基含有アニオン性反
応性乳化剤水溶液、固形分39%)5.1部(固形分で
2部)を配合し、90℃まで昇温し、下記の単量体混合
物及び重合開始剤溶液を3.5時間にわたって滴下し
た。滴下終了後、90℃にて30分間保ち、固形分20
%の水性ゲル化微粒子重合体を得た。 単量体混合物 スチレン 47部 n−ブチルアクリレート 47部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 6部 重合開始剤溶液 脱イオン水 50部 2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロ キシエチル−プロピオンアミド] 1.25部
【0063】しかる後に、スプレードライヤー法にて粉
末化し、さらにキシレンを溶媒に用いて、20%の重合
体微粒子分散液(b−3)を得た。このものは粘度A
1、粒径0.1μm の乳白色の安定な低粘度重合体分散
液であった。
【0064】顔料ペーストの作成 製造例6 4リットルのステンレス容器に下記配合の原料を入れ、
卓上サンドミルで30分間顔料分散を行ない顔料ペース
トAを得た。 アクリル重合体(a−1)溶液 50部 カネカゼムラックZW806Z(注1) 4部 キシレン 6部 チタン白CR−93 (注2) 80部 (注1)カネカゼムラックZW806Z:鐘淵化学工業
(株)製、脱水剤 (注2)チタン白CR−93:石原産業(株)製、白色
顔料
【0065】製造例7 4リットルのステンレス容器に下記配合の原料を入れ、
卓上サンドミルで30分間顔料分散を行ない顔料ペース
トBを得た。 アクリル重合体(a−2)溶液 45.5部 カネカゼムラックZW806Z 4部 キシレン 10.5部 チタン白CR−93 80部
【0066】製造例8 4リットルのステンレス容器に下記配合の原料を入れ、
卓上サンドミルで30分間顔料分散を行ない顔料ペース
トCを得た。 アクリル重合体(a−1)溶液 50部 カネカゼムラックZW806Z 4部 キシレン 6部 チタン白CR−93 80部 ディスパロン6900−20X 3部
【0067】実施例1 製造例1で得たアクリル重合体(a−1)溶液90部に
製造例5で得た顔料ペーストA140部、製造例3で得
た重合体粒子の非水分散液(b−1)60部およびキシ
レン10部を加えて均一に混合して塗料ベースを得た。
【0068】実施例2〜6および比較例1〜2 使用する原料の種類および量を後記表1のとおりとする
以外、実施例1と同様に行ない塗料ベースを得た。なお
表1における配合量は重量部にて表示した。 比較例3 製造例3で得た非水分散液(b−1)をアクリル重合体
(a−2)溶液のかわりに使用する以外、製造例7と同
様に行なって顔料ペーストを得ようとしたが、顔料分散
を行なうことができなかった。
【0069】実施例1〜5および比較例1〜2で得た塗
料ベースについて貯蔵安定性の試験を行なった。また各
例で得た塗料ベースに硬化触媒であるジブチル錫ジラウ
レートを表1に示す量加えて着色塗料組成物を得、この
組成物のタレ限界膜厚を測定した。また該塗料組成物を
磨き軟鋼板に乾燥膜厚が30μm になるように塗装し、
室温で7日間乾燥させた後の塗膜について、塗面状態、
光沢、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐候性、耐衝撃
性、耐屈曲性の試験を行なった。また、この塗料組成物
の単離塗膜のゲル分率も測定した。
【0070】試験方法 貯蔵安定性:塗料ベースを40℃の恒温室に密閉貯蔵
し、増粘してプリン状になるまでの日数を調べた。1ヶ
月経過しても著しい増粘の認められないものを○(良
好)とした。 タレ限界膜厚:膜厚の傾斜塗りを行ないタレの発生する
最小膜厚(乾燥膜厚、μm)を測定した。
【0071】塗面状態:目視により観察し、JIS K
5400に準じて評価した。異常のないものを○とし
た。 光沢:乾燥塗膜の60度グロスおよび20度グロスを測
定した。 耐水性:40℃の水道水に168時間浸漬後の塗面状態
により調べた。異常のないものを○とした。 耐アルカリ性:5%NaOH水溶液(25℃)に24時
間浸漬後の塗面状態により調べた。異常のないものを○
とした。 耐酸性:5%HCl水溶液(25℃)に24時間浸漬後
の塗面状態により調べた。異常のないものを○とした。 耐候性:サンシャインウェザーオメーターを用いて、
1,000時間試験後の塗膜の光沢保持率を調べた。
【0072】耐衝撃性:デュポン衝撃試験器を用いて、
撃芯径1/2インチにて、300gのおもりを落錘高さ
50cmで塗面に落下せしめ、塗膜にワレ、ハガレ等の異
常が発生するかどうか調べた。異常発生のないものを○
とした。 耐屈曲性:耐屈曲試験器(直径10mm芯棒)を用いてJ
IS K 5400に準じて試験を行なった。ワレ、ハ
ガレなどの異常のないものを○とした。 ゲル分率:各例の塗料をブリキ板上に乾燥膜厚が30μ
m になるように塗装し、室温で7日間乾燥させた後、塗
膜を剥離して単離塗膜を得た。還流温度に保持したアセ
トン/メタノールの等重量混合液に単離塗膜を入れ、4
時間抽出した後の塗膜の残存率(%)を調べた。
【0073】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式[1] 【化1】 [式中、Aは−COO−又はフェニレン基を示す。R1
    は水素原子又はメチル基を、R2 は炭素数1〜6の2価
    の脂肪族飽和炭化水素基を、R3 及びR4 は同一又は異
    なってフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
    数1〜10のアルコキシ基を、R5 は炭素数1〜10の
    アルキル基をそれぞれ示す。nは1〜100の整数を示
    す。]で表わされるアルコキシシラン基含有ビニル化合
    物を必須単量体成分とするアクリル重合体、 (b)アクリル重合体(a)を溶解する揮発性有機液体
    希釈剤、 (c)希釈剤(b)中のアクリル重合体(a)の溶液中
    に溶解せず安定に分散されている重合体微粒子および (d)硬化触媒を含有することを特徴とする硬化性組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998030615A1 (en) * 1997-01-10 1998-07-16 Biocompatibles Limited Polymers
JP2010100767A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Isamu Paint Co Ltd セラミックタイル張り床面の迅速防滑施工法および塗料

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