JP2734049B2 - 含フッ素共重合体非水分散液、その製造方法およびその用途 - Google Patents

含フッ素共重合体非水分散液、その製造方法およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は含フッ素共重合体の非水媒体に分散した分散
液(以下、非水分散液という)、その製造方法および用
途に関するものである。
[従来の技術] 従来フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニルエー
テル及びその他各種の単量体を共重合した共重合体が室
温で有機溶媒に可溶であり、塗料として用いた場合に透
明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水・撥油性、耐
汚染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れた特性を
備えた塗膜を与えることが知られており、(特公昭55−
44083号)建築等の分野で使用が増大しつつある。
この一方で上記フッ素樹脂を分散安定剤として用い、
脂肪族系炭化水素を溶媒としてラジカル重合性不飽和単
量体を重合し、安定な非水分散液型塗料を製造する方法
が述べられている。(特開昭62−25103) このような非水分散液型塗料は溶剤型塗料に比べて、
主として毒性が低く光化学的に不活性な脂肪族系炭化水
素を分散媒として用いることができ大気汚染の観点から
望ましいものであり、また塗装性にも優れるという利点
から新しい塗料の形態として期待されている。
しかしながら上記含フッ素非水分散液型塗料では不透
明な塗膜しか得られない。また分散安定剤樹脂及び有機
媒体の存在下で重合せしめられる単量体として好適に用
いられているアクリル酸又はメタクリル酸のエステルを
少なくとも40重量%以上含む単量体又は単量体混合物の
重合体は耐候性に問題があり、実際に前記溶剤型フッ素
樹脂塗料に混合して用いると耐候性が低下し、フッ素樹
脂塗料の特徴が大きく損なわれてしまう。実際にこの組
成で形成されたクリアー塗膜は耐候性促進試験機により
光沢の低下、黄変、ウォータースポット等が著しく、該
溶剤型フッ素樹脂塗料に比し耐候性が大きく劣る。
[発明の解決しようとする問題点] 従来のフッ素樹脂含有の非水分散液型塗料は前述のよ
うな構成を有しているので塗膜の透明性に劣り、更に重
要なことはフッ素樹脂の有する高耐候性を損なうという
問題点を有していた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、有機溶剤、この有機溶剤に単独では安定に分散しえ
ない含フッ素共重合体(A)および上記有機溶剤に単独
で溶解もしくは安定に分散しうる含フッ素共重合体
(B)を含む含フッ素共重合体非水分散液であって、有
機溶剤のSP値と含フッ素共重合体(A)のSP値の差が1.
8よりも大きく、有機溶剤のSP値と含フッ素共重合体
(B)のSP値の差が1.8以下であることを特徴とする含
フッ素共重合体非水分散液を提供するものである。
本発明において、有機溶剤としては、通常溶液型塗料
用溶剤として用いられているものや、非水分散型塗料溶
剤として用いられているものなど自由に選択することが
できる。中でも、毒性が低く、また光化学的に不活性な
脂肪族炭化水素系溶剤が好ましい。脂肪族炭化水素系溶
剤としては、ヘキサン,ヘプタン,オクタン,シクロヘ
キサン,シクロヘプタン,メチルシクロヘキサン,エチ
ルシクロヘキサン,ジメチルシクロヘキサン,ミネラル
スピリット,脂肪族ナフサなどが例示される。これら有
機溶剤は、それぞれ単独でまたは二種以上を混合して用
いてもよい。また、ベンゼン,トルエン,キシレン等の
芳香族炭化水素:アルコール系,エーテル系,エステル
系及びケトン系溶剤、例えばイソプロピルアルコール,n
−ブチルアルコール,i−ブチルアルコール,オクチルア
ルコール,セロソルブ,ブチルセロソルブ,ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル,メチルイソブチルケト
ン,ジイソブチルケトン,エチルアミルケトン,メチル
ヘキシルケトン,エチルブチルケトン,酢酸エチル,酢
酸イソブチル,酢酸アミル,2−エチルヘキシルアセテー
トなどを混合して、溶解性を調節して使用してもよい。
本発明において、前記有機溶剤に単独で溶解もしくは
安定に分散し得る含フッ素共重合体(B)としては、前
記有機溶剤との溶解度係数(以下、SP値という)の差
(以下、△SP値ということがある)が1.8以下のものが
採用される。また含フッ素共重合体(B)としては、そ
れ自身で塗膜形成性を有するものが好ましく採用され
る。具体的には、テトラヒドロフラン中30℃で測定され
る固有粘度(以下、[η]という)が、0.01〜4.0dl/g
程度のものが好ましく採用される。また、含フッ素共重
合体(B)は、硬化剤あるいは自身で反応して、三次元
網状構造を形成し得る官能基を有するものであってもよ
い。
また、前記有機溶剤に単独では安定に分散しえない含
フッ素共重合体(A)としては、前記有機溶剤との△SP
値が1.8より大きいものが採用される。また、含フッ素
共重合体(A)も常温で固体となる分子量を有するもの
が望ましい。また、含フッ素共重合体(A)は、硬化剤
と反応して三次元網状構造を形成し得る官能基を有する
ものであってもよい。さらに、含フッ素共重合体(A)
と含フッ素共重合体(B)は、化学的に結合されていて
もよい。
本発明の含フッ素共重合体非水分散液は以下の方法に
より製造することができる。
有機溶剤中、この有機溶剤に単独で溶解もしくは安定
に分散しうる含フッ素共重合体(B)の存在下、単量体
は有機溶剤に可溶であり、得られる重合体が有機溶剤に
単独では安定に分散しえない単量体を重合せしめる。た
だし、該単量体がフッ素含有単量体を含むものである。
ここで、有機溶剤としては、前述の有機溶剤が採用可
能である。また、含フッ素共重合体(B)としては、前
述と同様に、有機溶剤との△SP値が1.8以下のものが好
ましく採用される。具体的には、フルオロオレフィンを
必須成分とし、共重合可能な不飽和単量体が重合した重
合体が採用される。フルオロオレフィンとしては、テト
ラフルオロエチレン,クロロトリフルオロエチレン,ヘ
キサフルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程度のフル
オロオレフィンが好ましく採用される。共重合可能な不
飽和単量体としては、ビニルエーテル類,ビニルエステ
ル類,アリルエーテル類,アリルエステル類,オレフィ
ン,ハロオレフィン,アクリロイル化合物,メタアクリ
ロイル化合物,不飽和カルボン酸およびそのエステルな
どが例示される。また、共重合可能な不飽和単量体は1
種もしくは2種以上が共重合されている。また、かかる
不飽和単量体として、ヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル,ヒドロキシアルキルアリルエーテル,グリシジルビ
ニルエーテル,グリシジルアリルエーテル,加水分解性
シリル基含有ビニル化合物などの反応性基を有する不飽
和単量体が含まれていてもよい。不飽和単量体は、有機
溶剤の種類などにより、溶解性を調整するなどの目的で
適宜選択することができる。また製造された含フッ素共
重合体非水分散液を塗料ベースとして用いた場合に、光
沢,顔料の分散性,塗膜物性などの点から、ビニルエー
テル,ビニルエステル,アリルエーテルまたはアリルエ
ステルを共重合成分として含んでいることが好ましい。
特に、エチルビニルエーテル,イソブチルビニルエーテ
ル,n−ブチルビニルエーテル,シクロヘキシルビニルエ
ーテル,酢酸ビニルエステル,n−酪酸ビニルエステル,
吉草酸アリルエステルなどの、炭素数1〜15程度の直鎖
状,分岐状もしくは脂環状のアルキル基を有するビニル
エーテル,ビニルエステル,アリルエーテル,アリルエ
ステルが好ましく採用される。また、上記単量体に基づ
く含フッ素共重合体が、使用する有機溶剤に対する溶解
性が不充分な場合には、溶解性を向上させる側鎖を与え
るマクロモノマーの共重合,グラフトポリマー化などに
より、有機溶剤への溶解性の向上を計ることが好まし
い。例えば、含フッ素共重合体が溶解し難い脂肪族炭化
水素を有機溶剤として用いる場合には、下記アクリル系
共重合体やポリエステルなどをグラフト,ブロック化ま
たはマクロモノマー化して共重合することが好ましい。
アクリル系共重合体としては、次の単量体から構成さ
れているものが好ましい。
ビニル系化合物:スチレン,ビニルトルエン,α−メ
チルスチレン,酢酸ビニル,アクリロニトリル,メタア
クリロニトリルの如きビニル系化合物; (シクロ)アルキル(メタ)アクリレート:メチルア
クリレート,メチルメタクリレート,エチルアクリレー
ト,エチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,n−
ブチルメタクリレート,i−ブチルアクリレート,i−ブチ
ルメタクリレート,tert−ブチルアクリレート,tert−ブ
チルメタクリレート,シクロヘキシルアクリレート,シ
クロヘキシルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリ
レート,2−エチルヘキシルメタクリレート,ラウリルア
クリレート,ラウリルメタクリレート,ステアリルアク
リレート,ステアリルメタクリレート等の如きアクリル
酸またはメタクリル酸の、炭素原子数が1〜24個のアル
キルまたはシクロアルキルエステル; ヒドロキシ(メタ)アクリレート:2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,
ヒドロキシプロピルアクリレート,ヒドロキシプロピル
メタクリレート等の如きアクリル酸またはメタクリル酸
の、炭素原子数が1〜24個のヒドロキシアルキルエステ
ル; α,β−エチレン性不飽和カルボン酸:アクリル酸,
メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸等の如きα,β
−エチレン性不飽和カルボン酸; アクリル共重合体は上記〜から選ばれた単量体を
用いて共重合することにより得られるが、その際上記単
量体の如きOH基含有単量体を5〜40%、好ましくは10
〜25%、及びの如きα、β−不飽和カルボン酸を0.5
〜5%好ましくは1〜4%含有することが必要である。
また、本発明において使用可能なポリエステルの最適
例はポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)であり、この
ものは三羽忠広著「合成樹脂の化学」第251頁(昭和43
年)技報堂に記載されている様に、12−ヒドロキシステ
アリン酸の加熱、脱水によって得られ、これを反応式で
示すと下記(I)式の様に表される。
この脱水縮合反応は、公知の触媒、例えばリン酸、p
−トルエンスルフォン酸、テトラ−n−ブチルチタネー
ト、テトライソプロピルチタネート等の存在下に、或い
はオーストラリア特許第493,015号明細書第14頁に記載
されている如くメタンスルフォン酸等の存在下に、或い
は特公昭54−34009号明細書に述べられている様に無触
媒のもとで、120乃至200℃、好ましくは140乃至190℃に
加熱しつつ生成水を系外に除去することによって行わ
れ、好ましくは窒素の様な不活性ガスを反応系に通すと
か、或いは脱水エステル化反応を、水と共沸混合物を形
成する様な芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン
の存在下で行い、生成した水を反応系外に共沸除去する
のが有利である。分子間脱水によるエステル化反応の進
行度合は溜出した水の量と反応物の酸価を測定すること
によって判定することができ、本発明において用いられ
るポリエステルは酸価が20乃至120のものが実用上好適
である。
通常工業的に入手可能な12−ヒドロキシステアリル酸
は、水素ヒマシ油の加水分解によって製造されるので、
不純物として少量のパルチミン酸やステアリン酸を含有
しているが、これらの存在は本発明の分散剤製造用の原
料として特に支障を来すものではない。
本発明における含フッ素共重合体(A)は、前記含フ
ッ素共重合体(B)の説明において述べられた単量体と
同様の単量体の共重合体が採用される。ただし、含フッ
素共重合体(A)は、使用する有機溶剤に、単独では安
定に分散しえないものである。具体的には、使用する有
機溶剤とのSP値の差が1.8よりも大きいものである。含
フッ素共重合体(A)は使用する有機溶剤に単独で安定
に分散しうるものであっては、分散状態が得られず、溶
液ではなく、分散液であるが故の利点が達成されないた
め好ましくない。また、含フッ素共重合体(A)の有機
溶剤に対する溶解性を調整する方法としては、単量体の
種類および割合の適宜選定するなどの方法が挙げられ
る。
また、本発明の非水分散液は、有機溶剤中、この有機
溶剤に単独で溶解もしくは安定に分散しうる含フッ素共
重合体(B)の存在下、単量体は有機溶剤に可溶であ
り、得られる重合体が有機溶剤に単独では安定に分散し
得ない単量体を重合せしめる方法であって、該単量体が
含フッ素共重合体を含むものであるという方法が採用さ
れる。かかる重合は、重合開始源の存在により、開始す
ることが可能である。かかる重合開始源としては、重合
開始剤や、電離性放射線などが挙げられる。中でも、ラ
ジカル重合開始剤が好ましく採用される。かかる重合開
始剤は、一括仕込みしてもよいし、また、重合中分割ま
たは連続して添加してもよい。また、単量体の仕込み量
は、目的の重合体の物性,単量体の重合性を考慮して、
適宜選択される。また、単量体は重合前に一括して仕込
んでもよいし、重合中に分割あるいは連続して添加して
もよい。特に単量体がガス状の場合には、重合と共に重
合系の圧力が低下し重合速度が低下することがあるの
で、この様な場合は、単量体を連続的に添加し、系の圧
力を一定に保つことが好ましい。また、重合開始後に単
量体を添加する場合、後から添加する単量体の組成は初
期仕込みの時の組成と異なっていてもよい。後から添加
する単量体の組成を初期仕込みの組成と変えることによ
り、重合体に新たな性質を添加できることもある。
本発明の非水分散液は、単独でも塗料として使用可能
であるが、各種添加剤を添加して塗料組成物としてもよ
い。かかる添加剤としては、硬化剤,硬化触媒,顔料な
どの着色剤,光安定剤,紫外線吸収剤,ゲル化防止剤,
レベリング剤などが例示される。硬化剤としては、イソ
シアネート系硬化剤,ブロックイソシアネート系硬化
剤,アミノプラストなどが例示される。かかる硬化剤
は、避塗物の種類,要求する塗膜物性,塗装条件などに
より、適宜選択可能である。
本発明の非水分散液は、単独もしくは上述の如き添加
剤を混合して塗料として用いることができる。この塗料
は、有機系,無機系の基材のいずれにも塗装可能であ
る。かかる基材としては、合成樹脂,繊維強化樹脂,ゴ
ム,金属,ガラス,セメント系基材,石材などが例示さ
れる。これら基材への塗装は直接塗装してもよいし、他
の塗料による塗装を施した上に塗装すなわち、トップコ
ートという形式で塗装してもよい。本発明の非水分散液
を主成分とする塗料組成物が塗装された物品は、耐候性
が優れているため、外装材、あるいは、橋梁資材などと
して有用である、また、塗装は工場内で行なわれてもよ
いし、現場で行なわれてもよい。さらに旧塗膜上への補
修として行なわれてもよい。また、本発明の非水分散液
を主成分とする塗装組成物が塗装された物品は、上記効
果の他に非水分散液の透明性に基づき、基材の質感が損
なわれない、基材や下地塗膜の色調が損なわれないな
ど、美粧性に優れたものである。また、本発明の非水分
散液を主成分とする塗料組成物は、厚塗り性も優れてい
るため、得られる塗膜も保護塗膜として優れた性能を発
揮するものである。
[実施例] 実施例1 非水分散液Aの合成 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
にクロロトリフルオロエチレン33部、エチルビニルエー
テル17部、ヒドロキシブチルビニルエーテル6.5部、N
−ビニルピロリドン6.5部、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.2部、無水炭酸カリ2.6部、ミネラルスピリット(SP
値8.0)72部及び含フッ素共重合体(B)としての分散
安定剤(旭硝子社製「ルミフロン LF200」重量平均分
子量約50,000(SP値9.8)42部を仕込み、液体窒素にて
冷却して固化脱気により溶存酸素を除去した後に65℃で
10時間反応を行なった。得られた重合体は乳白色で不揮
発分が47.5%、粘度が430cps(E型粘度計)で分散粒子
(単独でSP値10.1)の粒径(光散乱粒度計による測定)
が0.3μmの安定な分散液で、室温で3ヶ月間放置後も
沈降は見られなかった。また塗膜は透明であった。
実施例2 分散安定剤用グラフトポリマーの合成 アゾビスイソブチロニトリル1.5部、キシレン100部を
フラスコに仕込み、n−ブチルメタクリレート300部、
アゾビスイソブチロニトリル1.5部、メルカプト酢酸7.1
部、キシレン70部の混合液を80℃で3時間かけて滴下
し、末端にカルボキシル基の導入されたプレポリマー
(重量平均分子量5,000、酸価10.3mg KOH/g、SP値9.5)
を得た。更にこの溶液にグリシジルビニルエーテル43
部、ジメチルラウリルアミン6.4部、ハイドロキノン0.6
部を加えて4時間加熱還流させて共重合性二重結合をプ
レポリマーの末端に導入してマクロモノマーとした。更
にこのマクロモノマー36部とクロロトリフルオロエチレ
ン19.5部、シクロヘキシルビニルエーテル8.4部、エチ
ルビニルエーテル4.8部、ヒドロキシブチルビニルエー
テル3.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.2部、無水炭
酸カリ0.7部、キシレン72部をステンレス製撹拌機付オ
ートクレーブ(内容積200ml)に仕込んで凍結脱気後65
℃、8時間反応させ、グラフトポリマー(SP値9.6)を
得た。
非水分散液Bの合成 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
にクロロトリフルオロエチレン40部、エチルビニルエー
テル14.6部、ヒドロキシブチルビニルエーテル7.5部、
N−ビニルピロリドン7.5部、アゾビスイソブチロニト
リル0.2部、無水炭酸カリ2.6部、ミネラルスピリット
(SP値8.0)88.6部及び上記分散安定剤用グラフトポリ
マー22部を仕込み、凍結脱気後65℃で10時間反応を行っ
た。
得られた重合体は乳白色で不揮発分が48%、粘度が33
0cps、分散粒子(単独でSP値10.1)の粒径が0.3μmの
安定な分散液で、室温で3ヶ月間放置しても沈降は見ら
れなかった。また塗膜は透明であった。
実施例3 非水分散液Cの合成 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
にテトラフルオロエチレン34.5部、エチルビニルエーテ
ル14.6部、ヒドロキシブチルビニルエーテル7.5部、N
−ビニルピロリドン7.5部、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.2部、無水炭酸カリ2.6部、ミネラルスピリット(SP
値8.0)88.6部及び前記分散安定剤用グラフトポリマー2
2部を仕込み、凍結脱気後65℃で、8時間反応を行っ
た。
得られた重合体は乳白色で不揮発分が48%、粘度が34
0cps、分散粒子(単独でのSP値10.1)の粒径が0.3μm
の安定な分散液で3ヶ月間放置しても沈降は見られなか
った。また塗膜は透明であった。
比較例 ヘプタン102部および酢酸n−ブチル8部からなる混
合溶媒(SP値8.0)、分散安定剤(ルミフロンLF200:SP
値9.8)108部をフラスコに仕込み加熱還流させ、スチレ
ン15部、メチルメタクリレート40部、アクリロニトリル
30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、ター
シャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート1.
5部の混合液を3時間かけて滴下し、2時間撹拌後酢酸
n−ブチルを26部加えた。
得られた重合体は乳白色で不揮発成分が50%、粘度11
0cps、分散粒子(SP値10.1)の粒径が0.2μmの安定な
分散液で、室温で3ヶ月間放置しても沈降は見られなか
った。塗膜は白濁しており半透明であった。
実施例及び比較例で得られた分散液にイソシアネート
硬化剤(日本ポリウレタン社製「コロネートEH])を
[OH]/[NCO]=1/1となるように配合して塗膜を作成
した。透明性及び耐候性試験の結果を表1に示す。
[発明の効果] 本発明の含フッ素共重合体非水分散液は、安定性に優
れたものであり、耐候性,透明性に優れた塗膜を与える
ことができる。またこの含フッ素非水分散液を主成分と
する塗料が塗装された物品は、美粧性,耐候性に優れた
ものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶剤、この有機溶剤に単独では安定に
    分散しえない含フッ素共重合体(A)および上記有機溶
    剤に単独で溶解もしくは安定に分散しうる含フッ素共重
    合体(B)を含む含フッ素共重合体非水分散液であっ
    て、有機溶剤のSP値と含フッ素共重合体(A)のSP値の
    差が1.8よりも大きく、有機溶剤のSP値と含フッ素共重
    合体(B)のSP値の差が1.8以下であることを特徴とす
    る含フッ素共重合体非水分散液。
  2. 【請求項2】有機溶剤、この有機溶剤に単独では安定に
    分散しえない含フッ素共重合体とこの有機溶剤に単独で
    溶解もしくは安定に分散しうる含フッ素共重合体とのグ
    ラフト結合物を含むことを特徴とする含フッ素共重合体
    非水分散液。
  3. 【請求項3】有機溶剤中、この有機溶剤に単独で溶解も
    しくは安定に分散する含フッ素共重合体(B)の存在下
    に、得られる含フッ素共重合体(A)が、単独では上記
    有機溶剤に安定に分散しえない重合体となる単量体を重
    合せしめることを特徴とする含フッ素共重合体非水分散
    液の製造方法。
  4. 【請求項4】有機溶剤中、この有機溶剤に単独で溶解も
    しくは安定に分散し、かつグラフト結合可能な基を有す
    る含フッ素共重合体(A′)の存在下に、得られる含フ
    ッ素共重合体が単独では上記有機溶剤に安定に分散する
    ことができず、かつ含フッ素共重合体(A′)とグラフ
    ト結合を形成しうる単量体を重合せしめることを特徴と
    する含フッ素共重合体非水分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の含フッ素共重合体
    非水分散液を主成分とする塗料。
  6. 【請求項6】請求項5記載の塗料が塗装された塗装物
    品。
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