JPH05319238A - アンチスキッドブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御装置

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JPH05319238A
JPH05319238A JP13355992A JP13355992A JPH05319238A JP H05319238 A JPH05319238 A JP H05319238A JP 13355992 A JP13355992 A JP 13355992A JP 13355992 A JP13355992 A JP 13355992A JP H05319238 A JPH05319238 A JP H05319238A
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JP
Japan
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slip ratio
target slip
wheel
control device
angular acceleration
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Application number
JP13355992A
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English (en)
Inventor
Kenji Ota
健治 太田
Kosaku Shimada
耕作 嶋田
Hayato Sugawara
早人 菅原
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンチスキッドブレーキ(ABS)制御装置に
おいて、路面状態が異なるような状況においても車両の
安定性を確保するとともに、制動距離も延ばすことがな
いABS制御を可能とする。 【構成】ヨー角加速度センサ7により検出される車体の
ヨー角加速度とそのときの目標ヨー角速度との偏差βと
求め、この偏差βと車体速度Vとから各車輪の目標スリ
ップ率を独立に設定する。この場合、スプリットμ路で
は積極的に左右の制動力差を打ち消すように目標スリッ
プ率を設定すると共に、高速時には偏差βが小さいうち
から目標スリップ率を下げる安定性重視の設定とし、低
速時には偏差βが大きくなるまで目標スリップ率を高い
値に保つ制動力確保を優先的に図る設定とする。車体速
度Vの変わりに制御開始からの時間を用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車輌に使用さ
れるアンチスキッドブレーキ制御装置に係わり、特に、
スプリットμ路においても積極的に左右の制動力差を打
ち消し、安定性を確保するアンチスキッドブレーキ制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公知の如く、アンチスキッドブレーキ制
御(以下ABS制御と称す)装置は、滑りやすい路面に
おける急ブレーキ時においても、車輪のロックを防止す
ることができ、車輪がロックしそうになったときにブレ
ーキ液圧を一時的に減少させることによって、制動性能
を失う事なく車両を安定に停止させるようにしたもので
ある。
【0003】しかし、ABSと言えども、全ての路面で
の安定性及び制動力を保持することは難しい。特に、車
両の左右で路面状態が異なるいわゆるスプリットμ路に
おいては、車両の左右各車輪でスリップ率を一定に制御
しようとすれば、左右各車輪に働く制動力に差が生じ、
この制動力差によって車両を垂直軸線回りに回転させよ
うとするヨーモーメントが発生し、車両を不安定な状態
にさせる。
【0004】従来のABS制御装置では、上記のような
状況においては、安定性を向上させるためロックしやす
い車輪のブレーキ液圧に他方のブレーキ液圧を合わせる
セレクトロー制御を行っている。
【0005】また、特開平1−208256号公報で
は、車両のヨーレートが大きい不安定状態では後輪の目
標スリップ率を低め、逆に操舵力不足の状態では前輪の
目標スリップ率を低めてコーナリングフォースを向上さ
せる制御が提案されている。
【0006】更に、特開平4−78644号公報では、
車両のヨーレートを検出し、このヨーレートに基づいて
左右輪の目標スリップ率を独立に設定して積極的に左右
の制動力差を打ち消し、安定性を確保することが提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下の問題点がある。セレクトロー制御を行
う従来技術では、ロックしやすい車輪のブレーキ液圧に
他方のブレーキ液圧を合わせることにより安定性は向上
するが、ブレーキ液圧を低い方に合わせるため制動力が
減少し、制動距離が延びてしまうという問題があった。
【0008】特開平1−208256号公報に記載の従
来技術では、上記従来技術に対してさらに一歩進んで、
前後輪での目標スリップ率を変えることで車体の制動性
と安定性の両立を図ろうとしているが、車両の左右で路
面状態が大きく異なるいわゆるスプリットμ路において
は、積極的に左右の制動力差を打ち消す方法がとられて
いないため、左右輪の制動力差を小さくすることは可能
でも、根本的な安定性確保にはいたっていなかった。
【0009】特開平4−78644号公報に記載の従来
技術では、検出した車両のヨーレートに基づいて左右各
車輪の目標スリップ率を独立に設定することにより、ス
プリットμ路においても積極的に左右の制動力差を打ち
消し、安定性を確保することができる。しかし、この従
来技術でも、安定性を確保する目標スリップ率の設定を
行うため制動力不足を生じ、上記セレクトロー制御程で
はないが制動距離は長くなる。
【0010】本発明の目的は、車両の安定性確保を行う
ことで制動力不足を生じる場合でも、その制動力低下を
最小限にすることで安定性と制動性の両立を図るアンチ
スキッドブレーキ制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の概念によれば、車輪の速度を検出し
て各車輪のスリップ率を求め、このスリップ率を目標ス
リップ率に追従させるようブレーキ液圧を制御するアン
チスキッドブレーキ制御装置において、(a)前後輪の
少なくとも一方の左右の各車輪の目標スリップ率を車輪
毎に独立に設定する目標スリップ率設定手段と;(b)
車体の安定性と制動力のいずれを重視するかに応じて前
記目標スリップ率を補正する目標スリップ率補正手段
と;を備えることを特徴とするアンチスキッドブレーキ
制御装置が提供される。
【0012】上記アンチスキッドブレーキ制御装置は、
好ましくは更に、車両のヨー角加速度を検出する検出手
段を備え、前記目標スリップ率設定手段は、前記ヨー角
加速度に基づいて左右の各車輪の目標スリップ率を独立
に設定する。
【0013】上記目標スリップ率補正手段は、車両の速
度に応じて前記目標スリップ率を補正してもよいし、制
御開始からの時間により前記目標スリップ率を補正して
もよい。
【0014】上記目標スリップ率設定手段は、好ましく
は、左右の各車輪毎に目標スリップ率を設定するための
複数のマップを有し、目標スリップ率補正手段は車体の
安定性と制動力のいずれを重視するかに応じて前記複数
のマップの1つを選択する。
【0015】また、本発明の第2の概念によれば、車輪
の速度を検出して各車輪のスリップ率を求め、このスリ
ップ率を目標スリップ率に追従させるようブレーキ液圧
を制御するアンチスキッドブレーキ制御装置において、
(a)全車輪に固定の同じ目標スリップ率を設定する第
1の目標スリップ率設定手段と;(b)前後輪の少なく
とも一方の左右の各車輪の目標スリップ率を車輪毎に独
立に設定する第2の目標スリップ率設定手段と;(c)
制御開始から所定時間経過前は前記第2の目標スリップ
率設定手段を機能させ、所定時間経過後は前記第1の目
標スリップ率設定手段を機能させる切換手段と;を備え
ることを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御装置が
提供される。
【0016】更に、本発明の第3の概念によれば、車輪
の速度を検出して各車輪のスリップ率を求め、このスリ
ップ率を目標スリップ率に追従させるようブレーキ液圧
を制御するアンチスキッドブレーキ制御装置において、
(a)全車輪に固定の同じ目標スリップ率を設定する第
1の目標スリップ率設定手段と;(b)前後輪の少なく
とも一方の左右の各車輪の目標スリップ率を車輪毎に独
立に設定する第2の目標スリップ率設定手段と;(c)
前記左右の各車輪の目標スリップ率を車輪毎に独立に設
定すると共に、車体の安定性と制動力のいずれを重視す
るかに応じてこの目標スリップ率を補正する第3の目標
スリップ率設定手段と;(d)制御開始から第1の所定
時間経過前は前記第2の目標スリップ率設定手段を機能
させ、前記第1の所定時間経過後で第2の所定時間経過
前は前記第3の目標スリップ率設定手段を機能させ、前
記第2の所定時間経過後は前記第1の目標スリップ率設
定手段を機能させる切換手段と;を備えることを特徴と
するアンチスキッドブレーキ制御装置が提供される。
【0017】
【作用】スプリットμ路においてブレーキをかけた場
合、車両の左右で制動力に差が生じ、車両にはヨーモー
メントが発生し、車体前部は摩擦係数が高い側(高μ
側)に向かおうとする。本発明の第1の概念では、スリ
ップ率設定手段にて前後輪の少なくとも一方の左右の各
車輪の目標スリップ率を独立で設定する。この場合、高
μ側の制動力を下げて発生したヨーモーメントを打ち消
す必要があるため、高μ側の目標スリップ率を小さくす
る。これにより左右の路面状態が異なる状況においても
車両を安定に停止させることができる。また、目標スリ
ップ率補正手段にて車体の安定性と制動力のいずれを重
視するかに応じて前記目標スリップ率を補正する。この
場合、車体の安定性を重視する場合はヨーの影響が小さ
いうちから目標スリップ率を下げてコーナリングフォー
スを確保し、制動力を重視する場合はヨーの影響が大き
くなるまで目標スリップ率を高い値に保持して制動力を
確保する。これにより、車両の安定性確保を行うことで
制動力不足を生じる場合でも、その制動力低下を最小限
にし、安定性と制動性を両立できる。
【0018】車体の安定性と制動力のいずれを重視する
かを選択するパラメータとして車両の速度又は制御開始
からの時間を用いる。車両の速度を用いる場合、高速時
には安定性重視の設定とし、低速時には制動力重視の設
定とする。制御開始からの時間を用いる場合は、制御開
始直後では安定性重視の設定とし、制御開始後所定時間
経過後は制動力重視の設定とする。
【0019】本発明の第2の概念では、制御開始から所
定時間経過前は第2の目標スリップ率設定手段を機能さ
せ、上記のように左右の制動力差を積極的に打ち消す車
体の安定性を重視したヨー制御型のABS制御を行い、
制御開始から所定時間経過後は第1の目標スリップ率設
定手段を機能させ、制動力確保を重視した従来の一般的
なABS制御を行う。これにより、上記第1の概念と同
様に、車両の安定性確保を行うことで制動力不足を生じ
る場合でも、その制動力低下を最小限にし、安定性と制
動性を両立できる。
【0020】本発明の第3の概念では、上記第1の目標
スリップ率設定手段と第2の目標スリップ率設定手段の
機能が切り換わりの際に第3の目標スリップ率設定手段
を介在させることにより、従来一般的なABS制御から
ヨー制御型のABS制御またはその逆に徐々に移行させ
ることができ、ABS制御の切り換えを安定して行うこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図8により
説明する。図1において、1a〜1dは本実施例のアン
チスキッドブレーキ(ABS)制御装置が搭載された自
動車の車輪であり、これら車輪1a〜1dのそれぞれに
液圧によって制動を行うホイールシリンダ2a〜2d、
及び例えば電磁ピックアップ等により構成される各車輪
の速度を検出する車輪速センサ3a〜3dが設置されて
いる。ホイールシリンダ2a〜2dに供給する液圧は、
ブレーキペダル8を操作することによってマスターシリ
ンダ4内に圧力を発生し、これを油圧ユニット5に伝達
し、この油圧ユニット5を介して各ホイールシリンダ2
a〜2dへ伝えることによって与えられる。油圧ユニッ
ト5は、制御ユニット6からの信号により各ホイールシ
リンダ2a〜2dの液圧を制御する。
【0022】また、車体の適所に車体のヨー角加速度を
検出するヨー角加速度センサ7が設置されている。この
ヨー角加速度センサ7は、例えば半導体歪ゲージ等を利
用して構成され得、その出力であるヨー角加速度信号は
制御ユニット6に入力される。また、ブレーキペダル8
の近くにストップランプ11が設置され、ハンドル15
に接してハンドル15の回転位置、すなわち操舵角を検
出する操舵角センサ14が設置されている。これらスト
ップランプ11及び操舵角センサ14からの信号も制御
ユニット6に入力される。
【0023】ホイールシリンダ2a〜2dの制御系につ
いて、具体的に図2を用いて説明する。図1に示した油
圧ユニット5には各ホイールシリンダへ伝える液圧の導
通、保持、解放を行う電磁弁5a〜5hが配置され、こ
れらは制御ユニット6から駆動信号を受けて作動する。
これらの電磁弁5a〜5hはon/off弁で、2個1
組で各ホイールシリンダの液圧を制御するものである。
これら電磁弁5a,5c,5e,5gは、駆動信号によ
り電流on時には油路を遮断し、電流off時には油路
を導通させる。逆に、電磁弁5b,5d,5f,5h
は、駆動信号により電流on時には油路を導通させ、電
流off時には油路を遮断する。また、ホイールシリン
ダ2aは、電磁弁5a,5bにともに電流が流れていな
いと、電磁弁5aはその油路を導通し他の電磁弁5bは
遮断され、マスタシリンダ4に繋がる。その際、マスタ
シリンダ4の液圧はそのままホイールシリンダ2aへ伝
達される(この状態を増圧モードと称する)。
【0024】他方、この状態から電磁弁5aに電流が流
れると、マスタシリンダ4との油路が遮断され、ホイー
ルシリンダ2aの液圧が保持される(この状態を保持モ
ードと称する)。そして、電磁弁5a,5bにともに電
流が流れると、電磁弁5aの油路は遮断されたまま、電
磁弁5bの油路が導通される。この時、ホイールシリン
ダ2aの液圧は、電磁弁5bを通り、モータ9によって
駆動されるポンプ10aを介して解放される(この状態
を減圧モードと称する)。このモータ9は、ABS作動
時、制御ユニット6からの信号により駆動され、連結す
るポンプ10a、10bを駆動してホイールシリンダ2
aの液圧をマスタシリンダ4へ解放する。その他のホイ
ールシリンダ2b,2c,2dも上記と同様にして液圧
が制御される。
【0025】次に、油圧ユニット5に減圧、保持、増圧
の信号を送るABS動作について、図2及び図3を用い
て説明する。
【0026】ABSの基本動作としては、各車輪速セン
サ3a〜3dによって得られる各車輪速度及び及び車体
速度を以下のように表すと、 Vfr : 前右輪車輪速度 Vfl : 前左輪車輪速度 Vrr : 後右輪車輪速度 Vrl : 後左輪車輪速度 V : 車体速度 各車輪1a〜1dのスリップ率は以下のように表わされ
る。
【0027】
【数1】 前右輪スリップ率:Sfr=(V−Vfr)/V 前左輪スリップ率:Sfl=(V−Vfl)/V 後右輪スリップ率:Srr=(V−Vrr)/V 後左輪スリップ率:Srl=(V−Vrl)/V …(1) 図3にμ−S,τ−S特性図を示す。図3において、斜
線部で示す摩擦係数μと横抗力係数τが同時に高い値を
示す領域、すなわち、スリップ率Sが0.1〜0.2付
近にある時、制動力及びコーナリングフォースをかせぐ
ことができる。そのため、ABS制御装置は、スリップ
率がこの付近の値を取るように各車輪のブレーキ液圧を
制御するものである。一方、上記によって与えられる各
車輪のスリップ率がこの範囲以上の時には、ブレーキ力
が過大となっているために各車輪速センサ3a〜3dか
ら検出される各車輪速度Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが落ち
込みすぎているためであり、この場合、ABS制御装置
は、電磁弁5a〜5hを減圧モードになるように制御ユ
ニット6からの信号により作動させ、ブレーキ液圧を減
圧してスリップ率を低下させる。また、スリップ率がこ
の範囲以下の時には、電磁弁5a〜5hを増圧モードに
作動させ、ブレーキ液圧を上昇させることで各車輪速度
Vfr,Vfl,Vrr,Vrlを抑えてスリップ率Sfr,Sf
l,Srr,Srlを増加させる。このように、ABS制御
装置は、電磁弁5a〜5hを制御ユニット6で操作して
スリップ率を制御するものである。
【0028】また制御ユニット6には、ABS制御に入
る条件の一つとして、ストップランプ11の信号を入力
している。またシステム異常時には警告ランプ12を点
灯し、フェールセーフリレー13を状況に応じてon/
offするように構成することも可能である。
【0029】しかしながら、車両の4個の車輪が同一の
路面状態にあるときには以上の制御だけで十分である
が、路面状態が異なる場合、たとえば、車両の左右で極
端に路面状態が変わっているスプリットμ路上の場合に
は、以上の制御だけでは問題が生じる。これについて、
以下図4を用いて説明する。
【0030】先ず、各車輪の制動力を以下のように表す
こととする。
【0031】Ffr:前右輪の制動力 Ffl:前左輪の制動力 Frr:後右輪の制動力 Frl:後左輪の制動力 車輪にかかる垂直荷重Wf (前輪),Wr (後輪)に左
右の差がない時で、路面の状態が同じ場合、すなわち路
面の摩擦係数(以下路面μと称する)が同じであるとす
る場合の各車輪の制動力Ffr,Ffl,Frr,Frlは以下
のように表される。
【0032】
【数2】 Ffr=Ffl=μ・Wf …(2)
【0033】
【数3】 Frr=Frl=μ・Wr …(3) この場合、上記の式2及び式3からも明らかなように、
車両の左右では制動力差が生じないため、車両の横方向
に働く力が発生せず、車両の方向安定性が失われること
はないこととなる。
【0034】これとは異なり、車両の左右で路面μが異
なる場合、たとえば右側の路面μrが左側の路面μl よ
り高い場合(μr >μl )には、以下の式が成立する。
【0035】
【数4】 Ffr=μr ・Wf >Ffl=μl ・Wf …(4)
【0036】
【数5】 Frr=μr ・Wr >Frl=μl ・Wr …(5) すなわち、右側の制動力Ffr,Frrが高くなるため車両
の重心位置回りには以下に示すモーメントMb が発生す
る。
【0037】
【数6】 Mb =br(Ffr+Frr) −bl(Ffl+Frl) −lf(Cfr+Cfl) −lr(Crr+Crl) …(6) ここで、図4に示すように、 br:車両の中心線から右車輪までの路離 bl:車両の中心線から左車輪までの路離 lr:車両の重心から前車輪までの路離 lf:車両の重心から後車輪までの路離 Cfr:前右輪のコーナリングフォース Cfl:前左輪のコーナリングフォース Crr:後右輪のコーナリングフォース Crl:後左輪のコーナリングフォース を表している。このモーメント力はタイヤが横方向に滑
ろうとしたとき、その反作用として発生する力であり、
図3に示すτに常数を掛け合わした値となる。
【0038】例えば、ここで、路面状態に左右の差があ
まりないときは、左右の制動力差も少ないため、以下の
関係が成立する。
【0039】
【数7】 br(Ffr+Frr) −bl(Ffl+Frl) <lf(Cfr+Cfl) +lr(Crr+Cr
l) …(7) すなわち、左右輪の制動力差によるモーメントの発生
は、タイヤにより発生されるコーナリングフォースによ
って打ち消され、車両に垂直軸線回りのモーメントすな
わちヨーは発生しない。
【0040】しかし、路面μの左右輪での差が大きくな
ると、以下の式が成立する。
【0041】
【数8】 br(Ffr+Frr) −bl(Ffl+Frl) >lf(Cfr+Cfl) +lr(Crr+Cr
l) …(8) この式から明らかなように、タイヤにより発生されるコ
ーナリングフォースにより、発生するヨーを打ち消すこ
とができなくなる。
【0042】このヨーは、運転者のハンドル操作によっ
て発生したものではなく、路面の状態(具体的には左右
輪の路面μの差)により発生したものであるため、運転
者の意志に反するものであり、急激なヨーの発生は車両
のスピンにいたらしめる可能性がある。
【0043】そこで、本発明では、左右の制動力差によ
り発生したヨーを検出して、左右各車輪の目標スリップ
率を変えることで左右の制動力差をなくし、ヨーの発生
を積極的に抑えるものである。
【0044】以下、具体的に、図5〜図7を用いて本実
施例の制御ユニット6での目標スリップ率を変化させる
機能を説明する。
【0045】先ず、図6のステップ401でハンドル1
5の操舵角センサ14からの信号を取り込み、ステップ
402(図5のブロック300)で微分を行いハンドル
操舵角速度θ' を求め、ステップ403でデータをシフ
トして次回の計算に使用する。
【0046】次ぎに、ステップ404では目標とするヨ
ー角加速度ω'Tを算出する。算出には図5のブロック3
01に示すマップを用い、ハンドル操舵角速度θ' に比
例したヨー角加速度ω'Tが算出されるが、左右それぞれ
の方向に上限値を持たせてある。以上のようにステップ
404(図3のブロック301)では、ハンドルが右回
りに回転していればその角速度に比例した右回りのヨー
角加速度を目標として算出し、ハンドルが左回りに回転
していればその角加速度に比例して左回りのヨー角加速
度を目標として算出する。
【0047】しかし実際の車両においては、ハンドルを
操舵してもすぐにヨー角加速度が発生するわけではない
ので、ステップ405(図5のブロック302)に示す
ように2次遅れ等の遅れ要素を持たせておく。このよう
にして求めた目標ヨー角加速度ω'Rは、ステップ406
(図5の加算部203A)にてヨー角加速度センサ7で
検出した実測のヨー角加速度ω' との差をとり、ヨー角
加速度偏差βとする。
【0048】次に、各車輪の目標スリップ率を算出する
(ステップ407A,407)。これは、図5のブロッ
ク303〜306に示すようなマップとなっており、車
体速度Vとヨー角加速度偏差βから各車輪の目標スリッ
プ率Sfrt ,Sflt ,Srrt,Srlt を求めるものであ
る。車体速度Vは車輪速センサ3a〜3dによって得ら
れる各車輪速度のうち従動輪の車輪速度から推定する。
【0049】ここで、目標スリップ率Sを変える意味に
ついて詳細に説明する。図3に示すように、μ−S特性
の摩擦係数μが最大値(スリップ率S=S2 )のときが
制動力も最大となり、通常のABS制御ではこの付近の
スリップ率に制御する。スリップ率Sを小さくしていく
と、これに従って摩擦係数μも小さくなっていくため、
制動力も小さくなる。しかし、これに反してτ−S特性
の横抗力係数τは大きくなっていくため、コーナリング
フォースは大きくなっていく。今、図4に示すように車
両の右側の路面μが高い場合、従来のABS制御では右
側の制動力が高くなるため、車両は上方からみて右回り
(時計回り)に回転しようとするヨーが発生する。この
とき、右側の車輪の目標スリップ率を下げることで右側
の制動力を小さくすることができ、右回りのヨーモーメ
ントを抑えることが可能となる。
【0050】以上の結果、車両の左右で路面μが異なる
状況でも車両のスピンを抑えることが可能となり、かつ
車両の安定性が確保できることとなる。
【0051】しかしながら、以上の条件だけでは、単に
車両の安定性は確保することはできるが、制動力を小さ
くすることになってしまうため、制動距離は延びること
になる。そこで、本発明では、目標スリップ率を下げる
条件を、車両の安定性を確保することが重要な場合と制
動力を確保することが重要な場合に対応して可変とした
ものである。
【0052】一例として、図7に示すように、車速をパ
ラメータとして目標スリップ率Sの設定マップを変え
る。すなわち、高速時には、ヨーが発生すると車両のス
ピンにより重大事故につながるため、上記ヨー角加速度
偏差βが小さいうちから目標スリップ率Sを下げ、左右
の制動力差を減らしてコーナリングフォースを確保す
る、いわゆる安定性重視の設定マップとし、他方、車速
が下がってきたとき、あるいは低速時には、ある程度の
ヨーはハンドル操作により修正可能であるため、ヨー角
加速度偏差βが大きくなるまで目標スリップ率を高い値
に保ち、制動力確保を優先的に図る制動距離短縮に重点
をおいた設定マップとする。これにより、車両の全走行
状態において、安定性を確保しながら、制動距離を延ば
すことなく確実なABS制御が可能となる。
【0053】なお、ここで、図7には3種類の速度マッ
プしかないが、実際にはこれ以上増やし、さらに詳細な
設定にすることも可能であり、また設定マップ間の値は
線形補完するこも可能であることはいうまでもない。
【0054】図6のステップ407A,407は以上の
考えによるものであり、まず、そのときの車体速度Vか
ら上記のように目標スリップ率Sの設定マップを算出し
(ステップ407A)、次いでその算出した設定マップ
とヨー角加速度偏差βから各車輪の目標スリップ率Sfr
t ,Sflt ,Srrt ,Srlt を求める(ステップ40
7)。ここで、ステップ407Aは、車体の安定性と制
動力のいずれを重視するかに応じて目標スリップ率を補
正する手段に相当し、ステップ407は、左右の各車輪
の目標スリップ率を車輪毎に独立に設定する手段に相当
する。
【0055】以上のようにして目標スリップ率Sが設定
されると、この目標スリップ率Sと実測の車輪速度Vf
r,Vfl,Vrr,Vrlと車体速度Vとから電磁弁5a〜
5hの駆動信号を設定し、これら電磁弁に電流を供給す
る(図5のブロック307〜310)。この場合、例え
ば右側前輪では、車体速度Vと目標スリップ率Sfrt と
から目標車輪速度Vfrt を算出し、この目標車輪速度V
frt と実測の車輪速度Vfrとの偏差を求め、この偏差が
0になるよう電磁弁5a,5bに電流を供給してスリッ
プ率を目標スリップ率に一致させる。
【0056】したがって本実施例によれば、路面状態が
車両の左右で異なるような状況でも車両をスピンさせる
ことなく、安定性を確保することが可能となり、さらに
製動力停かを最少限にして制動距離も短縮させることが
可能となる。
【0057】本発明の他の実施例を図8〜図10により
説明する。図8及び図9中、図5及び図6と同等の機能
またはステップには同じ符号を付している。本実施例
は、制御開始からの時間をパラメータとして目標スリッ
プ率の設定マップを変えるものである。
【0058】すなわち、図10に示すように、ヨーが発
生した直後では安定性重視の設定とするため、ヨー角加
速度偏差βが小さいときから目標スリップ率Sを下げる
設定マップとし、T秒後には制動距離重視の設定とする
ため、ヨー角加速度偏差βが大きくなるまで目標スリッ
プ率Sを高い設定とする。このようにすることにより、
初期のヨーモーメントを抑えることで運転者に過度のハ
ンドル操作を強要することなくスピンを抑え、また、制
動距離も短縮することが可能となる。この場合において
も、T秒後に一気にマップを変えるたけでなく、T秒間
は線形補完により設定値を徐々に変えることも可能であ
ることはいうまでもない。
【0059】図9のステップ407B,407では上記
の考えで各車輪の目標スリップ率を算出する。そのとき
のマップは図8のブロック303A〜306Aに示すよ
うである。すなわち、制御ユニットのタイマー機能によ
り得られる制御開始からの時間Tとから目標スリップ率
Sの設定マップを算出し(ステップ407B)、次いで
その算出した設定マップとヨー角加速度偏差βから各車
輪の目標スリップ率Sfrt ,Sflt ,Srrt ,Srlt を
求める(ステップ407)。本実施例によっても、第1
の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0060】なお、以上の2つの実施例では、ヨー角加
速度偏差βから目標スリップ率を算出したが、本発明で
はヨー角加速度ω' から目標スリップ率を算出してもよ
い。また、上記実施例では、車両に発生するヨーを検出
する手段(図1のヨー角加速度センサ7)を有するAB
S制御に関して説明してきたが、ヨーを検出する手段を
有しないタイプのABS制御についても本発明を適用す
ることが可能である。なお、その際には、ヨーを検出す
る代わりに検出した車輪速を微分し、車輪の減速度を計
算し、その減速度から路面μを推定し、同じスリップ率
でも制動力が高くなる高μ側の目標スリップ率を下げ、
制動力を減らすことで車両に発生するヨーモーメントを
抑えることが可能となる。
【0061】また、以上の実施例では、前後左右の各車
輪で目標スリップ率を独立に設定し制御したが、前後輪
の一方例えば後輪の目標スリップ率は左右とも同じ設定
とし、前輪の左右で目標スリップ率を独立に設定して
も、車両をスピンさせることなく安定性を確保すること
ができる。
【0062】本発明の更に他の実施例を図11〜図13
により説明する。以上の実施例では、目標スリップ率を
可変とするヨー制御ABSにおいて、制動距離の短縮の
ため、車速や制御時間等の条件によって可変とするスリ
ップ率に徐々に制限を加えていく方法をとった。ここ
で、便宜上、このABS制御を、スリップ率に制限を加
えないヨー制御ABSに対して減衰型ヨー制御ABSと
称する。
【0063】この減衰型ヨー制御ABSに対して、安定
性を確保する必要があるABS制御開始時にはヨー制御
ABSを行うが、この制御を初めのみに制限し、その後
は目標スリップ率を制動距離が短くなるようにあらかじ
め設定しておいた目標スリップ率に固定して制御を行う
従来型のABS制御を行う方法でも所期の目的を達成で
きる。これを切り換え型ABS制御と称する。本実施例
はこの切換型ABS制御に関するものである。
【0064】図11及び図12にヨー制御ABSでの目
標スリップ率を算出する方法をブロック図及びフローチ
ャートで示す。図5と図6及び図8と図9と異なるの
は、ブロック303B〜306Bでの目標スリップ率を
算出するマップをそれぞれ1つだけ設定し、ステップ4
07でヨー角加速度偏差βのみから目標スリップ率を算
出する点である。
【0065】図13に本実施例の切り換え型ABS制御
のフローチャートを示す。このフローチャートはABS
開始条件が成立したときに実行される制御フローであ
る。まず、ステップ901でヨー制御ABSの実行フラ
グを設定する。その後ステップ902に進んでABSの
制御開始からの時間があらかじめ設定しておくT秒間経
過したか判定する。T秒間経過した場合ステップ903
に進み、ステップ901で設定したヨー制御ABSの実
行フラグを解除して従来型のABS制御の実行フラグを
設定する。ステップ902でABS制御開始からT秒経
過していない場合は、ヨー制御ABSの実行フラグをそ
のままにする。次いで、ステップ904に進み、ここで
従来型ABS制御の実行フラグが設定されているかを判
定し、設定されていればステップ905に進み、目標ス
リップ率S**t (**はfr,fl,rr,rlを表わす)すなわ
ちSfrt ,Sflt ,Srrt ,Srlt )に最大値S**tmax
を設定する。ここで、S**tmaxは図11に示すブロック
303B〜306Bのスリップ率算出マップ中、β=0
のときの値である。一方、ステップ940で従来型AB
S制御の実行フラグが設定されていない場合は、ステッ
プ906に進み、図11及び図12に示すヨー制御AB
Sを実行する。
【0066】本実施例によれば、安定性を重視したいA
BS制御開始時には操縦安定性に優れたヨー制御ABS
を実行し、その後従来型のABSに切り換えることで制
動距離重視の制御を行う。これにより、走行安定性に優
れ、制動距離も延ばすことがないABS制御が可能とな
る。
【0067】本発明の更に他の実施例を図14により説
明する。本実施例は切り換え型ABS制御の他の実施例
を示すものである。
【0068】上記実施例の切り換え型BAS制御では、
ヨー制御ABSから従来型ABSに切り換わる際、T秒
後に突然切り換わると制御のハンチングが起こり、AB
S制御が不安定になる可能性がある。そこで、本実施例
では、ヨー制御ABSから従来型ABSに切り換わる
際、減衰型ヨー制御ABSを行うことで、ABS制御を
徐々にヨー制御から従来型に移行させることで、この問
題を解決する。
【0069】図14に本実施例の切り換え型ABS制御
のフローチャートで示す。このフローチャートはABS
開始条件が成立したときに実行される。まずステップ1
001でヨー制御ABSの実行フラグが設定される。次
いでステップ1002に進み、ABS制御開始からの時
間を判定し、T1 秒経過している場合にはステップ10
03に進み、ヨー制御ABSの実行フラグを解除して減
衰型ヨー制御ABSの実行フラグを設定しステップ10
04に進む。ステップ1002でT1 秒経過していない
ときは、ヨー制御ABS設定フラグのままステップ10
04に進む。ステップ1004ではABS開始からの時
間を判定し、T2 秒経過している場合はステップ100
5に進み、ヨー制御ABSの実行フラグまたは減衰型ヨ
ー制御ABSの実行フラグを解除して従来型ABS制御
実行フラグを設定する。ステップ1004でT2 秒経過
していない場合はステップ1004以前で設定されてい
る制御フラグのままとする。ここで、設定時間T1 とT
2 の間には、T1 <T2 なる関係がある。
【0070】次いで、ステップ1006に進み、減衰型
ヨー制御ABSの実行フラグが設定されているかを判定
し、設定されていなければステップ1008に進み、従
来型ABS制御の実行フラグが設定されているかを判定
する。ここで、従来型ABS制御の実行フラグが設定さ
れていればステップ1009に進み、目標スリップ率S
**t (**はfr,fl,rr,rlを表わす)すなわちSfrt ,
Sflt ,Srrt ,Srlt )に最大値S**tmaxを設定す
る。ここで、S**tmaxは図11に示すブロック303B
〜306Bのスリップ率算出マップ中、β=0のときの
値である。一方、ステップ1008で従来型ABS制御
の実行フラグが設定されていない場合は、ステップ10
10に進み、図11及び図12に示すヨー制御ABSを
実行する。ステップ1006で減衰型ヨー制御ABSの
実行フラグが設定されている場合は、ステップ1007
に進み、図5及び図6または図8及び図9に示す減衰型
ヨー制御ABSを実行する。
【0071】本実施例によれば、安定性を重視したいA
BS制御開始時には操縦安定性に優れたヨー制御ABS
を実行し、その後減衰型ヨー制御ABSをある時間実行
したのち、従来型のABSに切り換えることで制動距離
重視の制御を行う。これにより、走行安定性に優れ、制
動距離も延ばすことがないABS制御が可能となり、制
御の切り換え時にも、徐々にヨー制御から従来型に移行
するため制御のハンチングも防ぐことが可能となる。
【0072】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明によれば、路面状態が車両の左右で異なるよ
うな状況でも車両をスピンさせることなく、安定性を確
保することが可能となり、さらに制動距離もヨー制御す
る他の制御より短縮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるアンチスキッドブレー
キ制御装置を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す制御ユニットの入出力関係図であ
る。
【図3】本発明の動作原理を説明するためのμ−s,τ
−s特性線図である。
【図4】本発明の作動を説明する際の車両に働く力の関
係図である。
【図5】図1に示す実施例の目標スリップ率の算出を主
要部とした制御ブロック図である。
【図6】図1に示す実施例の目標スリップ率を算出する
フローチャートである。
【図7】図6のフローチャートで用いる目標スリップ率
設定マップである。
【図8】本発明の他の実施例における目標スリップ率の
算出を主要部とした制御ブロック図である。
【図9】図8に示す実施例の目標スリップ率を算出する
フローチャートである。
【図10】図9のフローチャートで用いる目標スリップ
率設定マップ2である。
【図11】ヨー制御ABSでの目標スリップ率の算出を
主要部とした制御ブロック図である。
【図12】図11に示す実施例の目標スリップ率を算出
するフローチャートである。
【図13】本発明の更に他の実施例による動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図14】本発明のなお更に他の実施例による動作を説
明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 ホイールシリンダ 3 車輪速センサ 4 マスターシリンダ 5 油圧アクチュエータ 6 制御回路 14 操舵角センサ
フロントページの続き (72)発明者 嶋田 耕作 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 菅原 早人 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地 3 日立オートモティブエンジニアリング 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の速度を検出して各車輪のスリップ
    率を求め、このスリップ率を目標スリップ率に追従させ
    るようブレーキ液圧を制御するアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、 (a)前後輪の少なくとも一方の左右の各車輪の目標ス
    リップ率を車輪毎に独立に設定する目標スリップ率設定
    手段と; (b)車体の安定性と制動力のいずれを重視するかに応
    じて前記目標スリップ率を補正する目標スリップ率補正
    手段と;を備えることを特徴とするアンチスキッドブレ
    ーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、更に、車両のヨー角加速度を検出す
    る検出手段を備え、前記目標スリップ率設定手段は、前
    記ヨー角加速度に基づいて各車輪の目標スリップ率を独
    立に設定することを特徴とするアンチスキッドブレーキ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、前記目標スリップ率補正手段は、車
    両の速度に応じて前記目標スリップ率を補正することを
    特徴とするアンチスキッドブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、前記目標スリップ率補正手段は、制
    御開始からの時間により前記目標スリップ率を補正する
    ことを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、前記目標スリップ率設定手段は各車
    輪毎に目標スリップ率を設定するための複数のマップを
    有し、前記目標スリップ率補正手段は車体の安定性と制
    動力のいずれを重視するかに応じて前記複数のマップの
    1つを選択することを特徴とするアンチスキッドブレー
    キ制御装置。
  6. 【請求項6】 車輪の速度を検出して各車輪のスリップ
    率を求め、このスリップ率を目標スリップ率に追従させ
    るようブレーキ液圧を制御するアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、 (a)ハンドルの操舵角を検出する第1の検出手段と; (b)前記操舵角の検出値から車両の目標ヨー角加速度
    を設定する手段と; (c)車両のヨー角加速度を検出する第2の検出手段
    と; (d)前記目標ヨー角加速度と前記ヨー角加速度の検出
    値との偏差に基づいて前後輪の少なくとも一方の左右の
    各車輪の目標スリップ率を車輪毎に独立に設定する目標
    スリップ率設定手段と; (e)車体の安定性と制動力のいずれを重視するかに応
    じて前記目標スリップ率を補正する目標スリップ率補正
    手段と;を備えることを特徴とするアンチスキッドブレ
    ーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 車輪の速度を検出して各車輪のスリップ
    率を求め、このスリップ率を目標スリップ率に追従させ
    るようブレーキ液圧を制御するアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、 (a)全車輪に固定の同じ目標スリップ率を設定する第
    1の目標スリップ率設定手段と; (b)前後輪の少なくとも一方の左右の各車輪の目標ス
    リップ率を車輪毎に独立に設定する第2の目標スリップ
    率設定手段と; (c)制御開始から所定時間経過前は前記第2の目標ス
    リップ率設定手段を機能させ、所定時間経過後は前記第
    1の目標スリップ率設定手段を機能させる切換手段と;
    を備えることを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御
    装置。
  8. 【請求項8】 車輪の速度を検出して各車輪のスリップ
    率を求め、このスリップ率を目標スリップ率に追従させ
    るようブレーキ液圧を制御するアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、 (a)全車輪に固定の同じ目標スリップ率を設定する第
    1の目標スリップ率設定手段と; (b)前後輪の少なくとも一方の左右の各車輪の目標ス
    リップ率を車輪毎に独立に設定する第2の目標スリップ
    率設定手段と; (c)前記左右の各車輪の目標スリップ率を車輪毎に独
    立に設定すると共に、車体の安定性と制動力のいずれを
    重視するかに応じてこの目標スリップ率を補正する第3
    の目標スリップ率設定手段と; (d)制御開始から第1の所定時間経過前は前記第2の
    目標スリップ率設定手段を機能させ、前記第1の所定時
    間経過後で第2の所定時間経過前は前記第3の目標スリ
    ップ率設定手段を機能させ、前記第2の所定時間経過後
    は前記第1の目標スリップ率設定手段を機能させる切換
    手段と;を備えることを特徴とするアンチスキッドブレ
    ーキ制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のアンチスキッドブレーキ
    制御装置において、前記第3の目標スリップ率設定手段
    は、車両の速度に応じて前記目標スリップ率を補正する
    ことを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のアンチスキッドブレー
    キ制御装置において、前記第3の目標スリップ率設定手
    段は、制御開始からの時間により前記目標スリップ率を
    補正することを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御
    装置。
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