JPH053023U - シートレツグ樹脂カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートを載置するシートトラックに設けられ
たシートレッグが取付ボルトを介して車体に固定された
状態で、そのシートレッグの取付ボルト締め付け部を覆
うためのシートレッグ樹脂カバーを、シートレッグにガ
タツキなく、しかも、係合部の手直しをすることなく装
着できるようにする。 【構成】 シートレッグ樹脂カバー６が装着されるシー
トレッグ３には上曲面３ａと角穴３ｂとが形成される一
方、シートレッグ樹脂カバー６には上曲面３ａに当接す
る内リブ６ａと、角穴３ｂに係合可能な係合爪６ｂとが
形成され、かつ、内リブ６ａにはシートレッグ３に装着
される過程で、当接する上曲面３ａの形状に応じて変形
可能な先端部６ｄが形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両のシートを載置するシートトラックに設けられたシートレッグ が取付ボルトを介して車体に固定された状態で、そのシートレッグの取付ボルト 締め付け部を覆うためのシートレッグ樹脂カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車両のシートを前後移動可能に載置するシートトラックにはシートレッ グが設けられていて、そのシートレッグが取付ボルトを介して車体に固定されて いる。そして、その取付ボルト締め付け部を覆うため、シートレッグにはシート レッグ樹脂カバーが装着される。このシートレッグ樹脂カバーの取付け部の構造 は図４に示され、断面略コ字状のシートレッグ１０の両側面には角穴１０ａが形 成されている一方、断面略Ｕ字状のシートレッグ樹脂カバー１１には、その内側 に内リブ１１ａ及び係合爪１１ｂが形成されている。そして、シートレッグ樹脂 カバー１１が取付けられるときには、内リブ１１ａの先端部がシートレッグ１０ の上面１０ｂに当接するとともに係合爪１１ｂが前記角穴１０ａに係合する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、通常、シートレッグ１０は鋼板製であり、経済性の面からその 加工精度はシートレッグ樹脂カバー１１に較べ遙かに粗いものとなっている。こ のため、シートレッグ樹脂カバー１１の装着時には、寸法のバラツキに対応して 係合部を現物合わせにて手直しし、ガタツキの発生を防ぐことが必要となり、こ のことが組み立て時の工数を増加させる一因となっている。 そこで本考案では、シートレッグ樹脂カバーをシートレッグにガタツキなく装 着できるように形成するとともに、係合部の手直しをなくしてその装着を容易に することを解決すべき技術的課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するための技術的手段は、取付ボルトを介して車体に固定され たシートレッグに装着されるとともに前記シートレッグの前記取付ボルト締め付 け部を覆い、前記シートレッグに形成された穴に係合する係合爪と、前記シート レッグに装着されるときに係合位置を決めるため、前記シートレッグに形成され た当接部に当接する内リブとを有するシートレッグ樹脂カバーを、前記内リブに は、その内リブが前記当接部に当接するときその当接部の形状に対応して変形可 能な変形部を形成して構成することである。

【０００５】

【作用】

上記構成の本考案によれば、シートレッグ樹脂カバーをシートレッグに装着す る過程で、シートレッグ樹脂カバーの内リブがシートレッグの当接部に当接する と、内リブの変形部が当接部の形状に応じて変形するため、シートレッグ樹脂カ バーをガタツキなく装着することができる。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。車両シートの組み立て状態 を示す図３において、車両シート１が前後移動可能に載置されたシートトラック ２，２には、その前後両端部に固定用のシートレッグ３〜３が設けられていて、 車体側に設けられた取付け部４〜４に取付ボルト５〜５を介して固定されている 。その後、シートレッグ３〜３にはシートレッグ樹脂カバー６〜６（以下単に樹 脂カバーという。）が装着され、ボルト締め付け部が覆われる。 シートレッグ３は鋼板製で、樹脂カバー６が装着される部分が、図１に示すよ うに、断面略コ字状に形成され、かつ、その角部が円弧状に形成された上曲面３ ａ，３ａが本考案にいう当接部を構成している。さらに、シートレッグ３の両側 面には、角穴３ｂ，３ｂが形成されている。 樹脂カバー６〜６の外形は、図３に示すように、シートレッグ３〜３を覆う形 状にそれぞれ成形されている。そして、樹脂カバー６の取付け部の断面形状は、 図１に示すように、略Ｕ字状に形成されていて、内部両側面には、前記上曲面３ ａ，３ａに当接するための内リブ６ａ，６ａと、前記角穴３ｂ，３ｂに係合する ための係合爪６ｂ，６ｂとが凸設されている。 さらに、内リブ６ａは、図２に示すように、厚肉の根本部６ｃと薄肉の先端部 ６ｄとの２段階の厚みを有する断面形状に形成されていて、根本部６ｃのリブ高 さは、前記角穴３ｂの加工寸法等の誤差を考慮して、樹脂カバー６がシートレッ グ３に装着されたとき、前記上曲面３ａと干渉しない寸法に形成されている。こ れに対して、先端部６ｄのリブ高さは、前記上曲面３ａと必ず干渉する寸法に設 定されるとともに、装着されるときの装着力により、その干渉部分が上曲面３ａ の形状に対応して変形可能に形成されている。この先端部６ｄは本考案にいう変 形部を構成する。本実施例においては、片側３本づつ形成された内リブ６ａの両 側の２本にのみ先端部６ｄが形成され、その先端部６ｄのリブ高さは約１．５ｍ ｍ、厚みは約０．５ｍｍとされている。

【０００７】 次に、樹脂カバー６をシートレッグ３に装着するときの作用を説明する。装着 時には、両者の係合部を係合させるため、係合爪６ｂと角穴３ｂとが対向する位 置関係としたうえで、樹脂カバー６をシートレッグ３の上から押し込む。すると 、係合爪６ｂが上曲面３ａに当接するが、さらに押し込むと樹脂カバー６が変形 してその開口幅寸法を広げ、シートレッグ３が樹脂カバー６に嵌まり込むため、 係合爪６ｂが角穴３ｂと係合する。このとき、内リブ６ａの先端部６ｄは、上曲 面３ａと干渉するが、変形可能な肉厚に形成されているので、上曲面３ａの形状 に対応して、その干渉した部分が変形し、樹脂カバー６がシートレッグ３に装着 される。

【０００８】 シートレッグ樹脂カバー６は上記のように構成され、係合爪６ｂが角穴３ｂと 係合するとともに、内リブ６ａの先端部６ｄが上曲面３ａに対応して変形可能に 形成されているので、先端部６ｄと上曲面３ａとの間に隙間ができず、樹脂カバ ー６がシートレッグ３にガタツキなく装着される。このため、シートレッグ３及 び角穴３ｂの加工寸法誤差を吸収するための手直しをする必要がなくなり、従来 例に較べて組み立て工数の削減を図ることができる。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案に係るシートレッグ樹脂カバーでは、シートレッグ樹脂カ バーの内リブの先端部に、シートレッグの当接部の形状に対応して変形可能な変 形部が形成されていることから、シートレッグ樹脂カバーがシートレッグにガタ ツキなく装着されるため、加工寸法誤差を吸収するための係合部の手直しをする 必要がなく、シートレッグ樹脂カバーの装着を容易にすることができるという効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートレッグ樹脂カバーの取付け構造を示す断
面図である。

【図２】図１のＡＡ部の断面図である。

【図３】車両シートの組み立て状態を示すための分解斜
視図である。

【図４】従来例に係るシートレッグ樹脂カバーの取付け
構造を示す断面図である。

【符号の説明】

３ シートレッグ ３ａ 上曲面 ３ｂ 角穴 ５ 取付ボルト ６ シートレッグ樹脂カバー ６ａ 内リブ ６ｂ 係合爪 ６ｃ 根本部 ６ｄ 先端部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 取付ボルトを介して車体に固定されたシ
   ートレッグに装着されるとともに前記シートレッグの前
   記取付ボルト締め付け部を覆い、前記シートレッグに形
   成された穴に係合する係合爪と、前記シートレッグに装
   着されるときに係合位置を決めるため、前記シートレッ
   グに形成された当接部に当接する内リブとを有するシー
   トレッグ樹脂カバーであって、前記内リブには、その内
   リブが前記当接部に当接するときその当接部の形状に対
   応して変形可能な変形部を形成したことを特徴とするシ
   ートレッグ樹脂カバー。