JPH05297546A - 熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び色素受像材料 - Google Patents

熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び色素受像材料

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JPH05297546A
JPH05297546A JP10447492A JP10447492A JPH05297546A JP H05297546 A JPH05297546 A JP H05297546A JP 10447492 A JP10447492 A JP 10447492A JP 10447492 A JP10447492 A JP 10447492A JP H05297546 A JPH05297546 A JP H05297546A
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dye
image
heat
silver halide
polymer latex
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JP10447492A
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English (en)
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Kazuhiro Miyazawa
一宏 宮澤
Keiji Obayashi
啓治 大林
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、
バインダー、還元剤、熱現像時に拡散性色素を形成又は
放出する色素供与物質及び親水性コロイド中で乳化重合
させたポリマーラテックスを含有することを特徴とする
熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料ならびに支持体
上に少なくとも色素受像物質及び親水性コロイド中で乳
化重合させたポリマーラテックスを含有する熱現像ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料から拡散転写する色素を受
容し得る色素受像材料により達成。 【効果】 画像色素の転写性が高く、かつ皮膜の脆弱性
が改良され、色素の滲みによる鮮鋭性の劣化や混色が小
さく安定な塗布が行える熱現像ハロゲン化銀カラー写真
感光材料ならびに熱現像感光材料との剥離性が良くかつ
鮮鋭性に優れた画像が得られる色素受像材料の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱現像によって画像
を得る熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び色素
受像材料に関する。
【0002】
【発明の背景】現像工程を加熱によって行う熱現像感光
材料は公知であり、白黒画像及びカラー画像を得るもの
が知られている。また、熱現像により得られた画像を感
光材料から色素受像層に転写するいわゆる転写型の熱現
像感光材料もよく知られている。熱現像ハロゲン化銀カ
ラー感光材料は、通常支持体上にバインダー、感光性ハ
ロゲン化銀乳剤、色素供与物質及び還元剤を有する感光
層を少なくとも1層有しており、必要に応じて有機銀塩
や他の写真用添加剤が添加される。
【0003】また、転写型の熱現像カラー感光材料にお
いては、上記感光材料とは別に色素を受容し得る受像層
を有する受像材料とが組み合わせて用いられる。本発明
はこの様な熱現像カラー感光材料及びこれと組み合わせ
て用いられる色素受像材料に関するものである。
【0004】従来の熱現像感光材料では、特開昭59-687
30号、同60-191251号、及び同61-210352号、同62-42153
号等にあるように、熱現像により生じた画像色素の転写
効率を高めたり転写ムラをなくすために、熱現像温度で
液体として感光層中に存在する物質(いわゆる熱溶剤)
についてその種類や添加量を検討し、性能の向上を図っ
てきた。しかしながら常温で液体の熱溶剤を用いた場合
には感光材料のべたつきや感光材料の乳剤面と裏面の間
でくっつきが生じてしまい、また特開昭62-136645号、
同63-53548号、特開平1-227150号、同2-863号等に記載
があるような常温で固体の熱溶剤を用いた場合には感光
材料の皮膜の脆弱性が悪いために、現像転写の処理工程
において皮膜に亀裂が入り、部分的に皮膜が欠落するこ
とによる故障が発生していた。この様な問題点を改善す
るために特開昭63-163335号では固体熱溶剤と液体熱溶
剤の併用を検討し、また特願平2-156782号では感光材料
中の熱溶剤量に対して高沸点溶媒及び/またはポリマー
ラテックスを添加することで皮膜の物性と色素の転写に
ついての性能を両立させている。
【0005】しかし、これらの技術を用いても、皮膜の
脆弱性の改良はまだ不十分であり、さらに塗布液の停滞
中に熱溶剤やポリマーラテックスの凝集が発生してしま
い安定な塗布を行うことができなかった。また転写後の
画像についても色素の滲みによるいわゆる鮮鋭性の劣化
が大きく、さらにフルカラー熱現像感光材料にした場合
には、熱現像時に色素供与物質の感光性層間での拡散に
起因する色濁りが発生してしまい、その改良が望まれて
いた。
【0006】一方色素受像材料においても性能向上のた
めの検討が続けられており、特開昭60-60643号、同59-1
24332号、同60-19138号等に記載のあるような熱可塑性
の疎水性ポリマーからなる受像層を有する色素受像材料
にかわって特願平02-227460号では、支持体上に親水性
バインダー及びポリマーラテックスを有する色素受像材
料を提供することにより剥離性や転写性の向上を達成し
ている。しかし、この場合においても親水性バインダー
とポリマーラテックスを共存させることで色素の滲みが
発生し、画像の鮮鋭性を劣化させていた。
【0007】
【発明の目的】上記のような問題に対し、本発明の第1
の目的は、画像色素の転写性が高く且つ皮膜の脆弱性に
優れ、色素の滲みによる鮮鋭性の劣化や混色が小さく、
安定な塗布が行えるような熱現像カラー感光材料を提供
することにある。また本発明の第2の目的は、熱現像感
光材料との剥離性が良く且つ鮮鋭性に優れた画像が得ら
れる色素受像材料を提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明の上記目的は、支持体上に少なく
とも、感光性ハロゲン化銀、バインダー、還元剤、熱現
像時に拡散性色素を形成または放出する色素供与物質及
び親水性コロイド中で乳化重合させたポリマーラテック
スを含有する熱現像カラー感光材料、及び支持体上に少
なくとも、色素受像物質及び親水性コロイド中で乳化重
合させたポリマーラテックスを含有する色素受像材料に
より達成された。
【0009】以下、本発明の具体的構成について詳細に
説明する。
【0010】本発明に用いられる親水性コロイド中で乳
化重合されたポリマーラテックスは、ポリマーの水系分
散物として得られる。この調製方法としては、親水性コ
ロイド中に重合可能なモノマーと必要に応じて重合剤を
添加してポリマー化を行う方法、及びあらかじめオリゴ
マーを別途合成しておき、しかるのちに親水性コロイド
中にこのオリゴマーと必要に応じて重合剤を添加し、さ
らに乳化重合を行う方法などが用いられる。
【0011】本発明に用いられるポリマーをつくるため
のモノマーとしては、例えばハロメチルアリル、ハロメ
チルカルボニル、ハロメチルスルホニル、ハロエチルカ
ルボニル、ハロエチルスルホニル基などのような適度な
活性ハロゲンを含む置換基を有するモノマーが挙げられ
る。その例としては、ビニルベンジルクロライド、ビニ
ルベンジルブロマイド、p-(2-クロロエチルスルホニル
メチル)スチレン、N-(4-クロロエチルスルホニルメチ
ルフェニル)アクリルアミド、ビニルクロロアセテー
ト、N-(3-クロロアセトアミドプロピル)メチルアクリ
ルアミド、N-[3-(3,5-ジクロロ-1-トリアジニルアミ
ノ)-プロピル]メタクリルアミド等が挙げられる。ま
た、N-[2-エトキシカルボニルメトキシカルボニル)エ
チル]アクリルアミドのような活性エステル基を有する
モノマーや、p-メタクリロイルオキシベンズアルデヒド
のようなアルデヒド、その他、N-アクリロイルアジリジ
ン、イソシアナートエチルアクリレートなど様々なモノ
マーを挙げることができる。その他好ましいモノマーの
例としては、特願平2-156782号のp34〜p43に記載されて
いる化合物等があげられる。
【0012】上記の例も含めて本発明に用いられるポリ
マーは主として縮合系重合体と不飽和化合物系重合体と
に大別される。縮合系重合体としては、ポリアミド、ポ
リペプチド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ酸
無水物、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル等が
挙げられる。不飽和化合物系重合体としては、ビニル基
による付加重合体で、脂肪族炭化水素系、芳香族系、ビ
ニルアルコール系、ニトリル系、アクリル系、メタクリ
ル系、アクリロニトリル系、ハロゲン系などの単一重合
体とこれらの組合せによる共重合体が挙げられる。具体
的なポリマーラテックスの例は特願平2-156782号のp43
〜p48等に記載されている。上記のようなポリマーラテ
ックスの中でも色素の転写性の面からガラス転移温度
(Tg)が50℃以下のポリマーラテックスが好ましく用い
られる。そのなかでも特に好ましいポリマーとしてはポ
リメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ
-n-ブチルアクリレート、エチルアクリレートとアクリ
ル酸のコポリマー、塩化ビニリデンとブチルアクリレー
トのコポリマー、ブチルアクリレートとアクリル酸のコ
ポリマー、酢酸ビニルとエチルアクリレートのコポリマ
ー、酢酸ビニルとブチルアクリレートのコポリマー、エ
チルアクリレートと2-アクリルアミドのコポリマー、メ
タクリル酸メチルとエチルアクリレートのコポリマーな
どが挙げられる。
【0013】本発明において用いられる親水性コロイド
としては、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ゼラチン誘導体や、カゼイン、
ゼイン、グルチンのようなタンパク質、デンプン、アラ
ビアゴムなど、天然あるいは合成高分子が単独あるいは
2種類以上併せて用いられるが、中でもゼラチンのよう
に親水性コロイドがポリマーと重合できるような化合物
が好ましく用いられる。
【0014】親水性コロイドとしては、セルロース誘導
体やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなど
のようにコロイド自体がポリマーと重合反応を起こさな
いものを用いることもできるし、あるいはゼラチン誘導
体のようにポリマーと重合する親水性バインダーにそれ
自身がなり得る化合物でも良いが、好ましくはゼラチン
誘導体が用いられる。
【0015】これらを用いて調製される乳化重合したポ
リマーラテックスは、特に米国特許2956884号に記載さ
れているように親水性基を含む界面活性剤の存在下でモ
ノマーを、必要に応じて重合剤を添加し必要に応じて温
度調整しながら親水性コロイドの存在下で激しく撹拌し
つつ重合させて製造することが本発明において好まし
い。親水性コロイドとしてはゼラチン誘導体が特に好ま
しい。また米国特許第4421847号及び同第5026632号等に
記載されているようなゼラチンとポリマーの架橋剤を用
いることもできる。このような架橋剤としてはピリジニ
ウムカルバモイル、ジカチオンエーテル、カルボジイミ
ドのような化合物が好ましく用いられる。
【0016】上記、重合剤の好ましい添加量は親水性コ
ロイドに対して重量比で0.5×10-3〜1.0であり、好まし
くは0.5×10-2〜0.5である。
【0017】本発明のポリマーラテックスは製造の際の
界面活性剤として、一般のアニオン系、カチオン系、ノ
ニオン系、両性系の各界面活性剤が用いられる。これら
は、単独で用いても2種類以上を併用しても良い。本発
明に用いられるポリマーラテックスは、平均分子量が5
万以上、特に20万から50万のポリマーを分散質とするも
のが好ましい。また、ポリマーラテックスは粒径を製造
時の条件(モノマー/ポリマー量、親水性バインダー
量、界面活性剤量、重合温度、撹拌速度等)によって任
意に調整できるが、好ましくは平均粒径が0.01〜2.0μm
の水系分散物である。本発明において乳化重合に用いら
れる親水性コロイドの量は任意であるが、色素の転写を
効率よく行うためにはその混合比として親水性コロイ
ド:ポリマー=1:40〜2:1が好ましい。中でも更に
好ましい混合比は1:20〜1:1である。
【0018】本発明に用いられる乳化重合したポリマー
ラテックスは、感光材料に用いた場合、感光性ハロゲン
化銀を含む乳剤層、中間層、保護層などの任意の層に添
加することができる。その添加量は感光材料の親水性バ
インダーの総量に対して5〜400重量%が好ましい。更
に好ましくは20〜100重量%である。なかでも感光性ハ
ロゲン化銀を含まない層に添加した場合は、感光性ハロ
ゲン化銀を含む層に添加した場合に比べて少ない添加量
で同等の写真性能を引き出すことができ、しかも塗布液
安定性が良くなるので好ましい。
【0019】また、本発明の乳化重合したポリマーラテ
ックスを色素受像材料に用いた場合には、親水性バイン
ダー中に本発明のラテックスおよび必要に応じて色素受
容能を有する疎水性ポリマーラテックスまたは3級ない
し4級アンモニウム基を含有する媒染剤を分散してなる
色素受容層を形成することになる。この場合に用いられ
る親水性バインダーとしては、ポリ酢酸ビニル、エチル
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ゼラチン、フタル化ゼラチンなどのゼラチン誘導
体、セルロース誘導体、タンパク質、デンプン、アラビ
アゴムなどの合成或いは天然の高分子物質などがあげら
れ、これらは単独で、或いは2種以上併用して用いるこ
とが出来るが、親水性バインダーのうち少なくとも一つ
は硬膜剤によって硬膜可能であることが必要であり、特
にゼラチン、ゼラチンとポリビニルピロリドンまたはポ
リビニルアルコールなどの親水性ポリマーとを併用する
ことが好ましい。バインダーの使用量は通常支持体1m2
当たり0.05〜50g であり好ましくは0.2 〜20g であ
る。この場合、乳化重合したポリマーラテックスの添加
量は受像材料の親水性バインダーの総量に対して5〜20
0重量%が好ましい。200重量%以上の添加では転写後の
表面光沢が著しく劣化し好ましくない。中でも25〜100
重量%の添加が特に好ましい。
【0020】本発明の熱現像感光材料に用いられる色素
供与物質としては、例えば特開昭61-61157号、同61-611
58号、同62-44738号、同62-129850号、同62-129851号、
同62-129852号、同62-169158号、特願平1-200859号に記
載されている拡散性の色素を形成するカプラー、例えば
特開昭61-88254号記載のロイコ色素、米国特許4,235,95
7号に記載のアゾ色素、或は米国特許4,463,079号、同4,
439,513号、特開昭59-60434号、同59-65839号、同59-71
046号、同59-87450号、同59-123837号、同59-124329
号、同59-165054号、同59-165055号等が挙げられる。特
にカップリング反応により拡散性色素を形成する化合物
が好ましく、例えば、特開平2-863号公報9頁左下欄2
行目の一般式(イ)で表されるものである。
【0021】中でも同公報9頁右下欄8行目に記載され
た、一般式(ロ)で表される単量体から誘導される繰り
返し単位を有するポリマー鎖を有するポリマーカプラー
が好ましい。
【0022】ポジ型の色素供与物質としては、例えば、
特開昭59-55430号、同59-165054号、同59-154445号、同
59-116655号、同59-124327号、同59-152440号、同64-13
546号等の各公報に記載された化合物がある。
【0023】上記色素供与物質は、単独で又は、2種以
上併用して用いてもよい。
【0024】又、本発明の熱現像感光材料は、例えば、
特開平2-293753号、同2-308162号公報に記載された重合
性化合物と共に、色素供与物質をマイクロカプセル中に
含有せしめ、これを熱現像することで、重合性化合物の
重合反応を像状もしくは逆像状に起こして、マイクロカ
プセルを硬化させ、色素供与物質の受像層への拡散性を
変化させて画像を形成させる方式の熱現像感光材料にも
適用できる。
【0025】本発明の熱現像感光材料に用いられる、感
光性ハロゲン化銀としては従来公知のものを使用するこ
とができ、例えば、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀を用いることができる。
【0026】ハロゲン化銀は粒子内部から表面まで均一
な組成のもの、内部と表面で組成が連続的に又はステッ
プ状に変化しているハロゲン化銀であってもよい。
【0027】ハロゲン化銀の形状は平板状、立方体、球
形、8面体、12面体、14面体等の明確な晶癖を有するも
の又はそうでないもの等を用いることができる。
【0028】又、例えば、米国特許2,592,250号、同3,2
20,613号、同3,271,257号、同3,317,322号、同3,511,62
2号、同3,531,291号、同3,447,927号、同3,761,266号、
同3,703,584号、同3,736,140号、同3,761,276号、特開
昭52-15661号、同55-127549号等に記載の内部潜像型ハ
ロゲン化銀乳剤も用いることができる。
【0029】感光性ハロゲン化銀はその粒子形成段階に
おいて、イリジウム、金、ロジウム、鉄、鉛等の金属イ
オン種を適当な塩の形で添加することができる。
【0030】上記感光性ハロゲン化銀乳剤の粒径は約0.
02〜2μmであり、好ましくは約0.05〜0.5μmである。
【0031】本発明において、感光性ハロゲン化銀の調
製方法として、水溶性ハロゲン化物などの感光性銀塩形
成成分を後述の有機銀塩と共存させ、有機銀塩の一部を
感光性ハロゲン化銀の一部に変換させて形成させること
もできる。
【0032】感光性ハロゲン化銀乳剤は公知の増感剤
(例えば、活性ゼラチン、無機硫黄、チオ硫酸ナトリウ
ム、二酸化チオ尿素、塩化金酸ナトリウム等)でハロゲ
ン化銀粒子表面を化学増感することができ、含窒素ヘテ
ロ環化合物或はメルカプト基含有ヘテロ環化合物の存在
下に化学増感をすることもできる。
【0033】更に感光性ハロゲン化銀は公知のシアニ
ン、メロシアニン等の通常写真で用いられる分光増感色
素により、青、緑、赤、近赤外光への分光増感を施すこ
とができる。
【0034】これらの増感色素はハロゲン化銀1モル当
たり、1μmol〜1mol、好ましくは10μmol〜0.1mol
を、ハロゲン化銀粒子形成時、可溶性塩類の除去時、化
学増感開始前、化学増感時、或は化学増感終了時以降の
いずれにおいても添加することができる。
【0035】本発明の熱現像感光材料には、感度の上昇
や、現像性の向上を目的として、公知の有機銀塩を用い
ることができる。
【0036】本発明で用いることのできる有機銀塩は、
例えば、特公昭43-4921号、特開昭49-52626号、同52-14
1222号、同53-36224号、同53-37626号、同53-36224号、
同53-37610号等の各公報並びに米国特許3,330,633号、
同3,794,496号、同4,105,451号等の各公報に記載されて
いる長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩やヘテロ環を有するカ
ルボン酸の銀塩(例えばベヘン酸銀、α-(1-フェニルテ
トラゾールチオ)酢酸銀等)、特公昭44-26582号、同45-
12700号、同45-18416号、同45-22815号、特開昭52-1373
21号、同58-118638号、同58-118639号、米国特許4,123,
274号等の公報に記載されているイミノ基を有する化合
物の銀塩、特開昭61-249044号記載のアセチレン銀等を
挙げることができる。
【0037】特にイミノ基を有する化合物の銀塩が好ま
しく、例えばベンゾトリアゾール及びその誘導体の銀塩
(例えばベンゾトリアゾール銀、5-メチルベンゾトリア
ゾール銀等)が特に好ましい。
【0038】上記有機銀塩は、単独又は2種以上併用し
て用いることができ、これらの調製はゼラチンのごとき
親水性コロイド水溶液中で調製し、可溶性塩類を除去し
てそのままの形で使用することも、また有機銀塩を単離
して機械的に固体微粒子に粉砕・分散して使用すること
もできる。
【0039】本発明の熱現像感光材料に用いられる還元
剤は、現像機構や色素形成乃至放出機構により熱現像感
光材料用として従来知られているものの中から選択して
使用される。ここで言う還元剤には、熱現像時に還元剤
を放出する還元剤プレカーサーも含まれる。
【0040】本発明に用いることのできる、還元剤とし
ては、例えば、米国特許3,351,286号、同3,761,270号、
同3,764,328号、同3,342,599号、同3,719,492号明細
書、リサーチ・ディスクロージャー12,146号、同15,108
号、同15,127号、及び特開昭56-27132号、同53-135628
号、同57-79035号に記載のp-フェニレンジアミン系及
び、p-アミノフェノール系現像主薬、リン酸アミドフェ
ノール系現像主薬、スルフォンアミドアニリン系現像主
薬、及びヒドラゾン系現像主薬、フェノール類、スルフ
ォンアミドフェノール類、ポリヒドロキシベンゼン類、
ナフトール類、ヒドロキシビスナフチル類、メチレンビ
スフェノール類、アスコルビン酸類、1-アリール-3-ピ
ラゾリドン類、ヒドラゾン類、及び上記種々の還元剤の
プレカーサー類がある。
【0041】又、色素供与物質が還元剤を兼ねることも
できる。
【0042】特に好ましい還元剤は、特開昭56-146133
号及び同62-227141号記載のN-(p-N',N'-ジアルキルアミ
ノ)フェニルスルファミン酸塩及びその誘導体であり、
具体的には、特開平2-863号公報7頁左下欄6行目から
8頁右下欄に記載された化合物を挙げることができる。
【0043】本発明の熱現像感光材料には色素の転写促
進その他の目的で、熱溶剤を用いることができる。熱溶
剤は熱現像時に液状化し熱現像や色素の熱転写を促進す
る作用を有する化合物であり、常温では固体状態である
ことが好ましい。
【0044】本発明で用いることのできる熱溶剤として
は、例えば米国特許3,347,675号、同3,667,959号、同3,
438,776号、同3,666,477号、リサーチ・ディスクロジャ
ーNo.17,643号、特開昭51-19525号、同53-24829号、同5
3-60223号、同58-118640号、同58-198038号、同59-2295
56号、同59-68730号、同59-84236号、同60-191251号、
同60-232547号、同60-14241号、同61-52643号、同62-78
554号、同62-42153号、同62-44737号、同63-53548号、
同63-161446号、特開平1-224751号、同2-863号、同2-12
0739号、同2-123354号等の各公報に記載された化合物が
挙げられる。具体的には、尿素誘導体(尿素、ジメチル
尿素、フェニル尿素等)、アミド誘導体(例えばアセト
アミド、ステアリルアミド、p-トルアミド、p-プロパノ
イルオキシエトキシベンズアミド等)、スルホンアミド
誘導体(例えば、p-トルエンスルホンアミド等)、多価
アルコール類(例えば1,6ヘキサンジオール、ペンタエ
リスリトール、ポリエチレングリコール等)が好ましく
用いられる。
【0045】上記熱溶剤は、感光性ハロゲン化銀乳剤
層、中間層、保護層、或は受像材料の受像層等任意の層
中に添加することができ、添加量は通常バインダーに対
して10重量%〜500重量%、より好ましくは20重量%〜2
00重量%である。
【0046】本発明の熱現像感光材料に用いられるバイ
ンダーとしては、例えば、特開平2-863号公報10頁右上
欄14行目から左下欄10行目に記載されたバインダーを好
ましい組み合わせを含めて用いることができる。特に好
ましいバインダーはゼラチン、ポリビニルピロリドン及
びこれらの併用である。
【0047】本発明の熱現像感光材料には、上記以外
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することができ
る。
【0048】現像促進剤としては、例えば特開昭59-177
550号、同59-111636号、同59-124333号、同61-72233
号、同61-236548号、特開平1-152454号、特開昭61-1596
42号、特開平1-104645号、特願平1-110767号記載の現像
促進剤放出化合物、或は、特開平1-104645号記載の電気
陰性度が4以上の金属イオンも用いることができる。
【0049】カブリ防止剤としては、例えば米国特許3,
645,739号明細書に記載されている、高級脂肪酸、特公
昭47-11113号記載の第2水銀塩、特開昭51-47419号記載
のN-ハロゲン化物、米国特許3,700,457号、特開昭51-50
725号、特願平1-69994号、同1-104271号記載のメルカプ
ト化合物放出性の化合物、特開昭49-125016号記載のア
リールスルフォン酸、同51-47419号記載のカルボン酸リ
チウム塩、英国特許1,455,271号及び特開昭50-101019号
記載の酸化剤、同53-19825号記載のスルフィン酸類及び
チオスルホン酸類、同51-3223号記載のチオウラシル
類、同51-26019号記載の硫黄、同51-42529号、同51-811
24号、及び同55-93149号記載のジスルフィド類及びポリ
スルフィド類、同51-57435号記載のロジン或はジテルペ
ン類、同51-104338号記載のカルボキシル基又はスルホ
ン酸基を有するポリマー酸、米国特許4,138,265号記載
のチアゾリチオン、特開昭54-51821号、同55-142,331
号、米国特許4,137,079号記載のトリアゾール類、特開
昭55-140883号記載のチオスルフィン酸エステル類、特
開昭59-46641号、同59-57233号、同59-57234号記載のジ
-又はトリ-ハロゲン化物、特開昭59-111636号記載のチ
オール化合物、同60-198540号及び同60-227255号記載の
ハイドロキノン誘導体、特開昭62-78554号に記載の親水
性基を有するカブリ防止剤、特開昭62-121452号記載の
ポリマーカブリ防止剤、特開昭62-123456号記載のバラ
スト基を有するカブリ防止剤、特開平1-161239号記載の
無呈色カプラー等が挙げられる。
【0050】塩基プレカーサーとしては、例えば、特開
昭56-130745号、同59-157637号、同59-166943号、同59-
180537号、同59-174830号、同59-195237号、同62-10824
9号、同62-174745号、同62-187847号、同63-97942号、
同63-96159号、特開平1-68746号等の各公報に記載され
ている化合物乃至塩基放出技術が挙げられる。
【0051】本発明の熱現像感光材料には上記した以外
の各種の公知の写真用添加剤を用いることができ、例え
ば、ハレーション防止染料、イラジエイション防止染
料、コロイド銀、蛍光増白剤、硬膜剤、帯電防止剤、界
面活性剤、無機及び有機のマット剤、退色防止剤、紫外
線吸収剤、カビ防止剤、白地色調調整剤等を含有するこ
とができる。これらについては例えば、RD(リサーチ・
ディスクロジャー)誌No.17029号、同No.29963号、特開
昭62-135825号、及び同64-13546号の各公報に記載され
ている。
【0052】これらの各種添加剤は感光性層のみなら
ず、中間層、下引き層、保護層或はバッキング層等任意
の構成層中に適宜添加することができる。
【0053】本発明の熱現像感光材料に用いられる支持
体は、例えば特開平2-863号公報12頁、左上欄15行目か
ら右上欄1行目に記載された支持体を用いることができ
る。好ましくはポリエチレンテレフタレート支持体又は
キャストコート紙やバライタ紙等の紙支持体が用いられ
る。
【0054】本発明の熱現像感光材料は、(a)感光性
ハロゲン化銀乳剤、(b)還元剤、(c)バインダー、
(d)色素供与物質を含有し、更に(e)有機銀を含有
することが好ましい。これらは単一の写真構成層中に含
まれていてもよく、また2層以上からなる層に分割して
添加されることもできる。
【0055】又、実質的に同一の感色性を有する感光性
層を2つ以上設け、それぞれ低感度層及び高感度層とす
ることもできる。
【0056】本発明の熱現像感光材料をフルカラー記録
材料として用いる場合には、通常感色性の異なる3つの
感光性層を有し、各感光性層では熱現像によりそれぞれ
色相の異なる色素が形成又は放出される。この場合、一
般的には、青感光性層(B)にイエロー色素(Y)が、
緑感光性層(G)にはマゼンタ色素(M)が、また赤感
光性層(R)にはシアン色素(C)が組み合わされる
が、本発明はこれに限定されず、いかなる組み合わせも
可能である。具体的には、(B−C)−(G−M)−
(R−Y)、(赤外感光性−C)−(G−Y)−(R−
M)等の組み合わせも可能である。各層の層構成は任意
であり、支持体側から順に、R−G−B、G−R−B、
R−G−赤外、G−R−赤外、等の層配置が可能であ
る。
【0057】本発明の熱現像感光材料には、感光性層の
他に下引き層、中間層、保護層、フィルター層、バッキ
ング層、剥離層等の非感光性層を任意に設けることがで
きる。
【0058】本発明の感光部は受像材料の組み合わせて
用いられるが、この場合の受像材料は、支持体上とこの
上に設けられた色素受容能を有する受像層とから構成さ
れる。受像層はそれを構成するバインダー自身が色素受
容能を有する場合と、色素を受容し得る媒染剤がバイン
ダー中に含有されている場合とに大きく分けられる。バ
インダーが色素受容能を有する場合、好ましく用いられ
る物質は、ガラス転移温度が約40℃以上、約250℃以下
のポリマーで形成されているものが好ましく、具体的に
は、「ポリマーハンドブック セカンド エディッショ
ン」(ジョイ・ブランドラップ、イー・エイチ・インマ
ーガット編)、ジョン ウィリー アンド サンズ出版
{Polymer Handbook 2nd. ed. (J.Brandrup, E.H.Imme
rgut編)John Wily & Sons}に記載されているガラス
転移温度が約40℃以上の合成ポリマーが有用であり、一
般的には、ポリマーの分子量として、2,000〜200,000程
度のものが有用である。これらのポリマーは単独でも2
種以上を併用してもよく、また2種以上の繰り返し単位
を有する共重合性のポリマーであってもよい。
【0059】具体的には特開平2-863号公報14頁左上欄1
4行目から右上欄14行目に記載されたポリマーを好まし
いポリマーを含めて用いることができる。
【0060】又、受像層がバインダー中に媒染剤を含有
する受像材料において、媒染剤としては、3級アミン又
は4級アンモニウム塩を含むポリマーが好ましく用いら
れ、例えば米国特許3,709,690号明細書及び、特開昭64-
13546号公報等に記載の化合物が挙げられる。又、これ
らの媒染剤を保持するのに用いられるバインダーとして
は、例えばゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性
バインダーが好ましく用いられる。
【0061】上記媒染剤をバインダー中に有する受像層
と似た形で、色素受容能を有する疎水性ポリマーラテッ
クスを親水性バインダー中に分散してなる色素受容層も
本発明で用いることができる。
【0062】受像材料は支持体上に単一の受像層が設け
られた場合であってもよく、また複数の構成層が塗設さ
れていてもよく、この場合、その全てが色素受像層であ
ることも、また構成層の一部のみが受像層であることも
できる。
【0063】受像材料が受像層とは別に支持体を有する
時、受像材料の支持体としては、透明支持体、反射支持
体のいずれであってもよく、特開平2-863号公報14頁左
下欄15行目から右下欄8行目に記載された支持体及び、
第2種拡散反射性を有する反射支持体などから選択して
用いることができる。
【0064】本発明の熱現像感光材料は、RD(リサー
チ・ディスクロジャー)15108号、特開昭57-198458号、
同57-207250号、同61-80148号等に記載されているよう
な感光層と受像層があらかじめ同一支持体上に積層され
たいわゆるモノシート型熱現像感光材料であることもで
きる。
【0065】受像材料には公知の各種添加剤を添加する
ことができる。そのような添加剤としては、例えば、汚
染防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、画像安定剤、現
像促進剤、カブリ防止剤、pH調節剤(酸及び酸プレカー
サー、塩基プレカーサー等)、熱溶剤、有機フッ素系化
合物、油滴、界面活性剤、硬膜剤、マット剤及び各種金
属イオン等が挙げられる。
【0066】いずれの場合においても本発明の構成によ
る感光材料と受像材料の組合せが好ましい。
【0067】本発明の熱現像感光材料は、感光材料の感
色性に適した公知の露光手段に依って露光されることが
できる。
【0068】用いることのできる露光光源としては、特
開平2-863号公報12頁左下欄13行目から16行目に記載の
ものを用いることができ、好ましくはレーザー光源、CR
T光源、LEDが用いられる。又、半導体レーザーとSHG素
子(第2高調波発生素子)とを組み合わせた光源も用い
ることができる。
【0069】露光時間は1画面を1回の露光で行うか、
或は1画素毎にデジタル的に露光を行うかで異なるが、
前者の場合、通常0.001秒〜10秒であり、又、後者にお
いては1画素当たり10-8〜10-2秒の範囲で行われる。
【0070】露光する際には、必要に応じて、色フィル
ターを用いて、露光光源の色温度調整を行うこともで
き、またレーザー等により走査露光を行うこともでき
る。
【0071】本発明の熱現像感光材料は、像様露光後又
は露光と同時に、好ましくは、70〜200℃、更に好まし
くは90〜170℃で、好ましくは1〜180秒間、更に好まし
くは2〜120秒間加熱現像され、色素画像が形成され
る。拡散性色素の受像材料への転写は熱現像時に、受像
材料の受像層面を感光材料の感光層側に密着させること
により、熱現像と同時に行ってもよく、又、熱現像後に
受像材料を感光材料に密着させて色素を転写させてもよ
く、更に、水を供給した後、感光材料と受像材料とを密
着させてもよい。又、露光前に70〜160℃の範囲で感光
材料を予備加熱したり、特開昭60-143338号及び同61-16
2041号に記載されている様に、現像直前に、感光材料と
受像材料の少なくとも一方を80〜120℃の温度範囲で予
備加熱することもできる。
【0072】本発明の熱現像感光材料を熱現像する際に
は、公知の加熱手段を適用することができ、例えば、特
開平2-863号公報13頁左上欄12行目から19行目に記載さ
れた方法、及び遠赤外線加熱による方法等を用いること
ができる。
【0073】熱現像時における加熱パターンは特に制限
がなく、一定温度で行う方法、現像初期を高温状態で行
い現像後半を低温状態で行う方法、或はこの逆の方法、
更には3ステップ以上に温度領域を変化させる方法や連
続的に温度を変化させる方式等任意の方法で行うことが
できる。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
例証する。
【0075】実施例1. [ポリマーラテックス分散液(1−1)の調製]塩化ビ
ニル(188g)、アクリル酸エチル(700g)、ジ(2-エチルヘ
キシル)スルホコハク酸ナトリウム(10g)、過硫酸カリ
ウム(0.6g)および蒸留水(1800g)を窒素雰囲気下にて60
℃で60分間強力に撹拌してポリマーラテックス分散液
(1−1)を調製した。
【0076】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(1−2)の調製]ポリマーラテックス分
散液(1−1)の調製において、蒸留水(1800g)の代わ
りに3%オセインゼラチン水溶液(1800g)を用い、以下
同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマーラテック
ス分散液(1−2)を調製した。
【0077】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(1−3)の調製]ゼラチン中で乳化重合
したポリマーラテックス分散液(1−2)の調製におい
て架橋剤として、水酸化1-(4-モルホリノカルボニル)-4
-(2-スルホエチル)ピリジニウム分子内塩(3.0g)を加え
て、以下同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマー
ラテックス分散液(1−3)を調製した。
【0078】[ポリマーラテックス分散液(2−1)の
調製]ポリマーラテックス分散液(1−1)の調製にお
いて、使用するモノマーをメタクリル酸メチル(50g)及
びアクリル酸エチル(950g)に変更した以外は同様にして
ポリマーラテックス分散液(2−1)を調製した。
【0079】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(2−2)の調製]ポリマーラテックス分
散液(2−1)の調製において、蒸留水(1800g)の代わ
りに3%オセインゼラチン水溶液(1800g)を用い、以下
同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマーラテック
ス分散液(2−2)を調製した。
【0080】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(2−3)の調製]ゼラチン中で乳化重合
したポリマーラテックス分散液(2−2)の調製におい
て架橋剤として、水酸化1-(4-モルホリノカルボニル)-4
-(2-スルホエチル)ピリジニウム分子内塩(3.0g)を加え
て、以下同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマー
ラテックス分散液(2−3)を調製した。
【0081】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(2−4)の調製]ポリマーラテックス分
散液(2−2)の調製において、3%オセインゼラチン
水溶液(1800g)の代わりに6%オセインゼラチン水溶液
(1800g)を用い、以下同様にしてゼラチン中で乳化重合
したポリマーラテックス分散液(2−4)を調製した。
【0082】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(2−5)の調製]ゼラチン中で乳化重合
したポリマーラテックス分散液(2−3)の調製におい
てジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムの使
用量を20gに増やし、以下同様にしてゼラチン中で乳化
重合したポリマーラテックス分散液(2−5)を調製し
た。
【0083】[ポリマーラテックス分散液(3−1)の
調製]スチレン(104g)、アクリル酸エチル(600g)、アク
リル酸ブチル(425g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(8g)、過硫酸アンモニウム(3g)および蒸留水(1
800g)を窒素雰囲気下にて60℃で80分間強力に撹拌して
ポリマーラテックス分散液(3−1)を調製した。
【0084】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(3−2)の調製]ポリマーラテックス分
散液(3−1)の調製において、蒸留水(1800g)の代わ
りに3%オセインゼラチン水溶液(1800g)を用い、以下
同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマーラテック
ス分散液(3−2)を調製した。
【0085】[ゼラチン中で乳化重合したポリマーラテ
ックス分散液(3−3)の調製]ゼラチン中で乳化重合
したポリマーラテックス分散液(3−2)の調製におい
て架橋剤として、水酸化1-(4-モルホリノカルボニル)-4
-(2-スルホエチル)ピリジニウム分子内塩(3.0g)を加え
て、以下同様にしてゼラチン中で乳化重合したポリマー
ラテックス分散液(3−3)を調製した。
【0086】[感光性ハロゲン化銀乳剤の調製]50℃に
おいてオセインゼラチン水溶液中に、沃化カリウムと臭
化カリウムの混合水溶液(A液)とアンモニア性硝酸銀
水溶液(B液)をpH及びpAgが一定になるように添加
速度を制御しながらダブルジェット法で添加し、B液の
80%を添加したところで、K3IrCl6をNaCl水溶液に溶解
したC液を添加して作製したハロゲン化銀乳剤を分光化
学増感して表1に示す、赤感光性、緑感光性、及び青感
光性のハロゲン化銀乳剤を各々調製した。
【0087】
【表1】
【0088】
【化1】
【0089】[ベンゾトリアゾール銀乳剤の調製]50℃
のフェニルカルバモイルゼラチン10%水溶液中にアンモ
ニア性硝酸銀水溶液及びベンゾトリアゾール水溶液をダ
ブルジェット法にて添加混合し、添加終了後液のpHを
硫酸にて低下させて凝集・脱塩を行い針状結晶(幅0.1
〜0.2μm、長さ0.5〜2.0μm)を得た。
【0090】[熱現像カラー感光材料の作製]厚さ160
μmの写真用バライタ紙支持体上に、以下に示す層構成
を有する熱現像カラー感光材料(1)を作製した。
【0091】ここで各素材の添加量は熱現像カラー感光
材料1m2当たりの量で示した。
【0092】また感光性ハロゲン化銀乳剤及びベンゾト
リアゾール銀乳剤の添加量は銀に換算して表した。
【0093】 [熱現像カラー感光材料の層構成]下引層 ポリフェニレンエーテル樹脂 2.0g ポリスチレン樹脂 1.5g カブリ防止剤−1 0.7g第1層(赤感光層) ベンゾトリアゾール銀乳剤 0.4g 色素供与物質(3) 1.5g 赤感光性ハロゲン化銀乳剤 0.40g ゼラチン 1.0g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.02g DAP−1 0.1g 熱溶剤−1 1.2g 1,10-ジヨードデカン 0.09g ポリエチレングリコール(MW=2,000) 0.15g カブリ防止剤−2 0.02g イラジエーション防止染料−2 0.02g トリクレジルホスフェート 0.4g 硬膜剤−1 0.05g 第2層(中間層) ゼラチン 0.8g 熱溶剤−1 0.3g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.08g 還元剤プレカーサー−1 0.86g フタル酸ジイソデシル 0.08g 紫外線吸収剤−1 0.1g 硫酸亜鉛 0.4g 硬膜剤−1 0.05g 第3層(緑感光層) ベンゾトリアゾール銀乳剤 0.4g 色素供与物質(2) 0.6g 緑感光性ハロゲン化銀乳剤 0.36g ゼラチン 1.0g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.02g DAP−1 0.1g 熱溶剤−1 1.2g 1,10-ジヨードデカン 0.09g ポリエチレングリコール(MW=2,000) 0.15g カブリ防止剤−2 0.03g イラジエーション防止染料−1 0.03g トリクレジルホスフェート 0.3g 硬膜剤−1 0.05g 第4層(中間層) ゼラチン 0.8g 熱溶剤−1 0.3g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.08g フタル酸ジイソデシル 0.08g イエローフィルター染料−1 0.4g 紫外線吸収剤−1 0.1g 硫酸亜鉛 0.4g 硬膜剤−1 0.05g 第5層(青感光層) ベンゾトリアゾール銀乳剤 0.6g 色素供与物質(1) 1.3g 青感光性ハロゲン化銀乳剤 0.61g ゼラチン 1.4g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.03g DAP−1 0.2g 熱溶剤−1 1.4g 1,10-ジヨードデカン 0.09g ポリエチレングリコール(MW=2,000) 0.22g カブリ防止剤−2 0.03g トリクレジルホスフェート 0.3g 硬膜剤−1 0.04g 第6層(保護層) ゼラチン 0.4g ポリビニルピロリドン(K-90) 0.03g 還元剤プレカーサー−1 0.66g フタル酸ジイソデシル 0.04g 紫外線吸収剤−1 0.2g 硫酸亜鉛 0.1g 硬膜剤−1 0.05g シリカ粉 0.1g カブリ防止剤−2 0.01g なお、各層とも塗布助剤として界面活性剤S−1を使用
した。
【0094】熱現像カラー感光材料(1)の作製におい
て更に表2及び表3に示すようにポリマーラテックス分
散液を添加して熱現像カラー感光材料(2)〜(26)を
作製した。
【0095】
【化2】
【0096】
【化3】
【0097】
【化4】
【0098】
【化5】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】添加量は各添加層のポリマーラテックス固
形分の合計量で、熱現像カラー感光材料1m2 当たりの
量を表す得られた各試料を、35℃相対湿度60%の条件下
で4日間保存して硬膜させた。
【0102】[色素受像材料(A)の作製]厚さ180μm
の写真用バライタ紙支持体上に、下記のような化合物を
含有するポリ塩化ビニル層を受像層として塗設し、色素
受像材料(A)を作製した。
【0103】 ポリ塩化ビニル(平均重合度約900) 12g 画像安定剤−1 0.8g 画像安定剤−2 0.2g 画像安定剤−3 0.2g 画像安定剤−4 0.3g 画像安定剤−5 0.1g 画像安定剤−6 0.2g ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート 1.0g トリクレジルホスフェート 0.5g
【0104】
【化6】
【0105】得られた熱現像カラー感光材料の試料N
o.1〜No.26について以下に示す項目の評価を行っ
た。評価した結果を表4及び表5に示す。
【0106】[写真性能の評価]得られた試料No. 1〜
26の熱現像カラー感光材料に対して、ステップウェッジ
を通して1600CMSの白色光で露光を行い、前記色素受像
材料(A)と重ね合わせて145℃70秒の熱現像を行っ
た。熱現像後、感光材料と受像材料を引き剥し、受像材
料に転写画像を得た。
【0107】得られた色素画像について、反射濃度計P
DA65[コニカ(株)製]を用いて濃度測定を行い最高
濃度(Dmax)及び最低濃度(Dmin)を得た。
【0108】また、干渉フィルタKL63(東芝(株)
製)を用いて1600CMSの赤色光で露光を行い、以下同様
の熱現像処理を施し、得られたイエロー画像について反
射濃度計PDA65を用いて濃度測定を行い、ブルー反射
濃度1.0 を得たときのグリーン反射濃度の比率を求め、
これをイエロー画像に対するマゼンタの色濁りの尺度と
して色濁りの評価を行った。
【0109】さらに、ステップウェッジを鮮鋭性チャー
トウェッジに換えて、干渉フィルタKL54[東芝(株)
製]を用いて1600CMSの緑色光で露光を行い、以下同様
の熱現像処理を施し、得られたマゼンタ色の鮮鋭性チャ
ートパターンについてマイクロデンシトメータPDM5
AR[コニカ(株)製]で濃度測定を行い、5line pair
/mmにおけるMTF値(%)で鮮鋭性を評価した。
【0110】[熱現像カラー感光材料の皮膜の脆弱性の
評価]温度25℃、相対湿度20%に空調された部屋におい
て、上記熱現像カラー感光材料(1)〜(26)をそれぞ
れローリングカッターで10cm×10cmのサイズに裁断し
た。この時の感光材料の皮膜の崩れ落ちる度合いを表4
に示すような評価基準で評価した。さらに、温度25℃、
相対湿度60%に空調された部屋において同様の評価を行
った。
【0111】[塗布液の停滞安定性についての評価]熱
現像カラー感光材料(1)〜(26)の作製に用いた塗布
液から硬膜剤−1を除いた塗布液500cc を別途調製し、
これを40℃に保温したまま1〜5時間静置停滞させた。
この塗布液を表面積20cm2の30μmメッシュ濾布を用いて
濾過したときに濾布の透過性が下がり濾布上に凝集物が
認められた時の停滞時間を塗布液安定性の尺度として評
価を行った。
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】
【表6】
【0115】
【表7】
【0116】
【表8】
【0117】
【表9】
【0118】
【表10】
【0119】表5〜表10に示す結果から、本発明の熱現
像カラー感光材料においては、画像色素の転写性がよく
且つ皮膜の脆弱性に優れ、色素の滲みによる鮮鋭性の劣
化や混色が小さく、安定な塗布が行えるという優れた特
性を有していることがわかる。
【0120】実施例2. [色素受像材料(1)の作製]厚さ160μmの写真用バラ
イタ紙上に、下記の組成からなる色素受像層を塗設して
色素受像材料(1)を作製した。
【0121】各素材の添加量は色素受像材料1m2当たり
の付量で示した。
【0122】 ゼラチン 4g 色素媒染剤−1 8g 画像安定剤−1 0.8g 画像安定剤−2 0.3g 画像安定剤−4 0.7g 画像安定剤−6 0.5g ポリ塩化ビニルラテックス 10g 硬膜剤−1 0.02g
【0123】
【化7】
【0124】次に、表11、表12に示したように、ゼラチ
ンの添加量を調整し、実施例1に記載したポリマーラテ
ックスを加える以外は色素受像材料(1)の作製と同様
にして色素受像材料(2)〜(24)を作製した。
【0125】なお、色素受像材料(1)〜(24)は使用
前に35℃、相対湿度60%の条件下で2日間保存して硬膜
した。
【0126】
【表11】
【0127】
【表12】
【0128】[色素受像材料の評価]実施例1で作製し
た熱現像カラー感光材料(1)及び(8)を、鮮鋭性チ
ャートウェッジ及び干渉フィルタKL54の緑色光で露光
を行い、前記色素受像材料(1)〜(24)と重ね合わせ
145℃で75秒間の加熱現像を行った。現像後の試料を室
温まで放冷した後感光材料と受像材料を剥離し、剥離性
を評価した。また、剥離後に得られたマゼンタ色の鮮鋭
性チャートパターンについてマイクロデンシトメータP
DM5AR[コニカ(株)製]で濃度測定を行い、Dmi
n 、Dmax 及び5line pair/mmにおけるMTF値
(%)で鮮鋭性を評価した。
【0129】なお、剥離性の評価は10枚連続の処理を行
い、以下の基準で行った。
【0130】○:容易に剥離可能であり、感光材料の端
部において、感光層が全く受像層に付着していないもの △:剥離は比較的容易に行えるが、中にはスムーズな剥
離が行えないか、或いは端部において感光層の一部が受
像層に付着しているもの 評価結果を表13〜表16に示す。
【0131】
【表13】
【0132】
【表14】
【0133】
【表15】
【0134】
【表16】
【0135】以上の結果より、本発明の親水性バインダ
ー中で乳化重合したポリマーラテックスを色素受像材料
に用いた場合、剥離性の劣化を生じることなく鮮鋭性を
向上することが可能であることがわかる。
【0136】
【発明の効果】本発明により、画像色素の転写性が高
く、かつ皮膜の脆弱性が改良され、色素の滲みによる鮮
鋭性の劣化や混色が小さく安定な塗布が行える熱現像ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料ならびに熱現像感光材料
との剥離性が良くかつ鮮鋭性に優れた画像が得られる色
素受像材料を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも、感光性ハロゲン
    化銀、バインダー、還元剤、熱現像時に拡散性色素を形
    成または放出する色素供与物質及び親水性コロイド中で
    乳化重合させたポリマーラテックスを含有することを特
    徴とする熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも、色素受像物質及
    び親水性コロイド中で乳化重合させたポリマーラテック
    スを含有する熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料か
    ら拡散転写する色素を受容し得る色素受像材料。
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