JPH05286998A - トリ−アルギニンインスリン - Google Patents

トリ−アルギニンインスリン

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JPH05286998A JP4314836A JP31483692A JPH05286998A JP H05286998 A JPH05286998 A JP H05286998A JP 4314836 A JP4314836 A JP 4314836A JP 31483692 A JP31483692 A JP 31483692A JP H05286998 A JPH05286998 A JP H05286998A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 次式の化合物、並びに当該化合物含有糖尿病
治療剤。 〔XとZはAla、Arg、Asx、Cys、Glx、
Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、P
he、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrまたは
Valから、YはHis、AspまたはGluから選択
される。〕 【効果】 pH6.1までの溶解特性を有するものとして
製剤化でき、長期の血糖低下活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床薬物の分野に属し、
糖尿病の治療に有用な新しい型のインスリンを提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在の糖尿病治療の大部分は、中および
長時間作用型のインスリン製品を用いる治療からなる。
これら製剤は、多くの患者の夜間のグルコース濃度を制
御し、1日1回の注射による治療を提供するように設計
されている。
【0003】これら全ての製剤の共通した特徴は、それ
らがインスリンの不溶性懸濁液であるという事実であ
る。このため、注射量は幅広く変化し、皮下注射後のグ
ルコース制御が損なわれることがある[Skyler,J.S.: Me
dical Clinics of North America, 72, 1337-1354 (198
8)]。さらにこれら製剤の多くは、長時間の作用を得る
ためにかなり多量のプロタミンの添加を必要とする。プ
ロタミンは、患者の一部において抗体生成を惹起するこ
とが示されている魚類タンパク質である[Ellerhorst,J.
A.ら: The American Journal of the Medical Science
s, 299, 298-301 (1987)]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】組換えDNA技術の出
現により、製剤中で完全に溶解性のままであり、また、
天然のインスリンよりさらに迅速またはさらに長時間の
作用を有する数多くのインスリン類似体が合成されてい
る[Markussen,J.ら: Protein Engineering, 1, 215-223
(1987)]。より長時間作用型のインスリン類似体のため
の最も有望なアプローチは、低いpH(pH3〜4)で完全
に溶解性であるように製剤化することである。皮下注射
後、体内環境の自然pH(pH7.4)への瞬時の調節は、
これらの類似体の沈殿または結晶化をもたらす。pH7.
4でのそれらの緩やかな再溶解は、所望の作用の時間的
遅れをもたらす。
【0005】このアプローチにおける2つの問題は以下
の通りである。まず第一に、強酸性の溶液の長期投与
は、疼痛、皮膚の壊死および腐肉を引き起こすことがあ
る[DeLuca,P.P.およびRapp,R.P.: Pharmaceutics an Ph
armacy Practice; Banker,G.S.およびChalmers,R.K.編;
238-278 (1982), J.B. Lippencott Co., Philadelphi
a, PA]。より中性に近い溶液(pH6〜7)が、この点に
おいて一層好ましいのは明らかであろう。第二に、イン
スリン類似体は体にとって自然のものではなく、非自己
として認識されることがあるため、これらインスリン類
似体に対する抗体が産生され、それらが患者のインスリ
ン治療に干渉したり他の問題を起こす可能性がある[Pat
terson, R.ら: Annals of Allergy, 64, 459-462 (199
0)]。そのようなタンパク質の構造における変化を最小
限にすることによりこの問題の可能性を回避することが
できるであろう。
【0006】中時間作用性かつpH4〜5で好ましい溶
解特性を有する1つのインスリン類似体、すなわちジ−
アルギニンインスリン(ジ−Arg−インスリン)は既に開
示されている[Zeuzem,S.ら: Diabetologia, 33, 65-71
(1990)]。しかし、ジ−Arg−インスリンは、pH6付近
で溶解性であるという本発明の利点の1つを欠いてい
る。さらに本発明の化合物は、ジ−Arg−インスリンよ
りも優れた時間作用特性を示す。
【0007】強酸性の製剤について既述した生理学的な
問題に加えて、天然のインスリン様分子は低pHで他の
問題を有している。酸性条件下で、A鎖の21番目の位
置(A21)にあるアスパラギン残基は脱アミド化および
他の副反応を起こしやすく、これらが好ましくない二量
体およびポリマー形成を導き得る[Markussen,J.ら: Pro
tein Engineering, 2, 157-166 (1988)]。これらの反応
はpH4以下で最も進行し、pH5以上ではほとんど存在
しない[同上]。従って、ヒトの治療という点において
は、長期の血糖低下作用、低い免疫原性およびpH6以
上での製剤溶解性を有するインスリン様分子を用いるこ
とが最も好ましいであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、本明細書中で
トリ−アルギニンインスリン(トリ−Arg−インスリン)
およびトリ−アルギニンインスリン類似体と称する特定
の型のインスリン類似体であって、インスリンの天然の
構造に加えて3つの付加的なアルギニン残基を有するイ
ンスリン類似体が、動物モデルにおいて長期の血糖低下
作用を有し、pH6.1までの溶液として製剤化し得ると
いう発見に基づいている。
【0009】本発明は以下の式:
【化2】 [式中、XおよびZはAla、Arg、Asx、Cys、Glx、
Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、S
er、Thr、Trp、TyrまたはValからなる群から選択さ
れ、YはHis、AspまたはGluからなる群から選択され
る]で示される化合物またはその薬学的に許容し得る非
毒性の塩に関する。最も好ましい化合物は、天然のアミ
ノ酸を可変位置に含有する化合物、すなわち上記式にお
いてXがAsn、YがHis、そしてZがAsnである化合物
である。
【0010】さらに本発明は、B鎖の3番目の残基(B
3)およびA鎖の21番目の残基(A21)がAla、Ar
g、Asx、Cys、Glx、Gly、His、Ile、Leu、Ly
s、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrまたは
Valからなる群から選択され、B鎖の10番目の残基
(B10)がHis、AspまたはGluからなる群から選択さ
れ、かつ、C−ペプチドの64番目の残基(Lys−64)
とC−ペプチドの65番目の残基(Arg65)の間のアミ
ド結合(ペプチド結合)が壊されているヒトプロインスリ
ンからなるスプリット(64)プロインスリン−トリ−ア
ルギニン−類似体またはその薬学的に許容し得る塩を包
含する。
【0011】さらに他の態様において、本発明は、Lys
−64が除去されているスプリット(64)プロインスリ
ン−トリ−アルギニン類似体からなるデス(64)プロイ
ンスリン−トリ−アルギニン類似体またはその薬学的に
許容し得る塩を包含する。最も好ましい化合物は、天然
のアミノ酸を可変位置に含む化合物、すなわちB3およ
びA21残基がAsnであり、B10残基がHisである化
合物である。
【0012】さらに他の態様において本発明は、以下の
工程からなるヒトのトリ−Arg−インスリンの製造方法
に関する: a)ヒトプロインスリンをトリプシンおよびカルボキシ
ペプチダーゼBと接触させてデス(64)ヒトプロインス
リンを得; b)デス(64)ヒトプロインスリンを単離し; c)デス(64)ヒトプロインスリンをトリプシンと接触
させ、そして; d)トリ−Arg−インスリンを単離する。
【0013】さらに別の態様において本発明は、以下の
工程からなるヒトトリ−Arg−インスリンの製造方法に
関する: a)ヒトプロインスリンのLys−64とArg−65の間
のペプチド結合を選択的に破壊するような条件下で、ヒ
トプロインスリンをリジンエンドペプチダーゼと接触さ
せてスプリット(64)ヒトプロインスリンを得; b)スプリット(64)ヒトプロインスリンを単離し; c)スプリット(64)ヒトプロインスリンをトリプシン
と接触させ、そして; d)ヒトトリ−Arg−インスリンを単離する。
【0014】図1はトリ−Arg−インスリンおよびトリ
−Arg−インスリン類似体の1次アミノ酸配列を示し、
3つのジスルフィド架橋を示している。各残基の下の数
字はアミノ末端を起点とする配列中の残基位置に対応し
ている。B鎖の3番目の位置にあるXという表示は、2
0の天然アミノ酸のいずれか1つを表している。B鎖の
10番目の位置にある表示Yは、His、AspまたはGlu
を表し、A鎖カルボキシ末端の表示Zは天然に存在する
20のアミノ酸のいずれか1つを表す。
【0015】図2は、ヒトプロインスリンの1次アミノ
酸配列を示す。黒で示された残基は天然のヒトインスリ
ンを示し、白で示された残基は天然ヒトプロインスリン
の結合ペプチド(C−ペプチド)を示す。
【0016】本明細書においては、天然に存在するタン
パク質に通常見られる20のL−アミノ酸はCode of
Federal Regulations §1.822の37巻に記載さ
れている標準3文字省略形を用いて略す。さらに本明細
書においては、数多くの用語を以下の定義に従って用い
る。
【0017】"トリ−Arg−インスリン"という用語は、
B鎖のカルボキシ末端に2つの付加的なアルギニン残基
を有し(図1および2に示されるArg−31およびArg
−32)、A鎖のアミノ末端に1つの付加的なアルギニ
ン残基を有する(図1に示されるA鎖のArg−0、また
は図2に示されるArg−65)ヒトインスリンとして定
義される。
【0018】"トリ−Arg−インスリン類似体"という用
語は、20の天然に存在するアミノ酸のうちいずれか1
つでB3またはA21の位置のどちらか一方または両方
が置換され、さらにHis、AspまたはGluでB10の位
置が置換されていることもあるトリ−Arg−インスリン
として定義される。
【0019】"プロインスリン−トリ−アルギニン類似
体"という用語は、本発明に合致するように、可能なB
3、B10およびA21置換のいずれかを含むヒトプロ
インスリンを意味する。
【0020】"スプリット(64)プロインスリン"という
用語は、Lys−64およびArg−65(Arg−0、A鎖)
の間のペプチド結合が分断されているヒトプロインスリ
ン(図1よび2を参照)として定義される。
【0021】"スプリット(64)プロインスリン−トリ
−アルギニン類似体"という用語は、本発明に従う1ま
たはそれ以上のアミノ酸置換がB3、B10またはA2
1の位置になされるスプリット(64)プロインスリンと
して定義される。
【0022】"デス(64)プロインスリン"という用語
は、Lys−64が除去されているスプリット(64)プロ
インスリン(図1および2を参照)として定義される。
【0023】"デス(64)プロインスリン−トリ−アル
ギニン類似体"という用語は、本発明に従う1またはそ
れ以上のアミノ酸置換がB3、B10またはA21の位
置になされるデス(64)プロインスリンとして定義され
る。
【0024】"薬学的に許容し得る非毒性の酸付加塩"と
いう用語は、有機および無機の酸付加塩の両方を包含
し、例えば、塩酸、硫酸、スルホン酸、酒石酸、フマル
酸、臭化水素酸、グリコール酸、クエン酸、マレイン
酸、リン酸、コハク酸、酢酸、硝酸、安息香酸、アスコ
ルビン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ナフタリンスルホン酸、プロピオン酸、炭酸などの
酸または重炭酸アンモニウムなどの塩から製造される塩
が含まれる。好ましい酸付加塩は、塩酸、酢酸または炭
酸から製造される塩である。上記のいずれの塩も常法に
より製造することができる。
【0025】"カルボン酸塩"の用語は、例えば亜鉛、ア
ンモニウムならびにナトリウム、マグネシウム、カリウ
ムおよびリチウムなどのアルカリ金属の塩を含む。好ま
しいカルボン酸塩は亜鉛およびナトリウム塩である。
【0026】本発明は数多くのヒトインスリン類似体お
よびそれらをプロインスリンおよびプロインスリン−ト
リ−アルギニン類似体から製造する方法に関する。本発
明の範囲内にある化合物の一般構造を図1に示し、アミ
ノ酸配列を配列番号:1〜4に記載する。それらの薬学
的に許容し得る非毒性酸付加塩および薬学的に許容し得
る非毒性カルボン酸塩は本発明の化合物に含まれる。
【0027】本発明の化合物にいくつかの予期しなかっ
た有益な性質を与える重要な特徴は、3つの付加的なア
ルギニン残基の存在である。これらの残基のうち2つは
B鎖のカルボキシ末端に見られ(図1および図2に示さ
れるArg−31およびArg−32)、3つ目の付加的な
アルギニン残基はA鎖のアミノ末端に位置する(図1に
示されるA鎖のArg−0、または図2に示されるArg−
65)。これら3つのアルギニン残基は、天然のヒトプ
ロインスリンの構造に存在するが、天然に存在するヒト
インスリンには存在しない(図2を参照)。
【0028】インスリンB鎖の3番目の位置(B3)は、
インスリン構造に悪影響を与えることなくまたはその生
物活性を破壊することなく他の天然に存在するアミノ酸
と置換して良いことは既知である。従って、この位置の
いかなる天然アミノ酸も本発明の意図するものである。
しかし、免疫原性の可能性を減少させるためにはAsnが
好ましい。なぜならAsnは天然のインスリンにおいてそ
の位置を占めるからである。
【0029】上述のことはさらにA鎖のカルボキシ末端
の残基(A21)についても当てはまる。すなわち、A2
1の位置のいかなる天然アミノ酸も本発明の意図するも
のである。しかし、Asnが天然のインスリンのA21の
位置を占めるから免疫原性の可能性を低下させるために
はAsnが好ましい。
【0030】アミノ酸の置換があってもよい第3番目の
位置は、B鎖の10番目の位置(B10)である。B10
の位置にGluまたはAspのどちらかを含むインスリン類
似体は文献に報告されており、増強された有効性を示す
[Burke,G.T.ら: Biochemical and Biophysical Resear
ch Communications, 173, 982-937 (1990)]。従って、
本発明においてはGlu、AspおよびHisがB10の位置
を占めることもあることが意図されている。しかし、天
然のインスリンにおいてはHisがB10の位置を占める
から、免疫原性の可能性を低下させるためにHisが好ま
しい。
【0031】天然ヒトインスリンについても当てはまる
ことであるが、トリ−Arg−インスリンおよびトリ−A
rg−インスリン類似体は適切な4次構造のために3つの
ジスルフィド結合を必要とする。図1に示すように、2
つのジスルフィド結合がA鎖とB鎖を架橋しており(A
7−B7およびA20−B19)、1つの鎖内ジスルフ
ィド結合がA鎖内に形成されている(A6−A11)。
【0032】トリ−Arg−インスリンおよびトリ−Arg
−インスリン類似体は、周知のタンパク質化学および組
換えDNA法を用いる多数の方法により製造することが
できる。以下に説明するリストは、トリ−Arg−インス
リンおよびトリ−Arg−インスリン類似体を合成するた
めのいくつかの基本的な方法を概説するものである。こ
の基本的な方法に他の多くの変更が可能であるから、こ
のリストはそれらを網羅するものではない。 1)実施例1に記載のように、ヒトプロインスリンをト
リプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで処理する。 2)実施例2に記載のように、ヒトプロインスリンのLy
s−64とArg−65残基の間をリジン−切断エンドペ
プチダーゼにより選択的に切断し、次いで好ましいArg
−32 Glu−33ペプチド結合を穏やかにトリプシン
切断する。 3)Arg−0のA鎖およびArg−31、32のB鎖を組
換えDNA合成し、次いで既知のジスルフィド化学によ
ってそれらを結合させる。このようなジスルフィド化学
の詳細については、本明細書の一部を構成する米国特許
4,421,685を参照のこと。 4)Arg−0のA鎖およびArg−31、32のB鎖を化
学合成し、次いで既知のジスルフィド化学によってそれ
らを結合させる。 5)ペプチド配列:B鎖−Arg31−Arg32−Arg3
3−A鎖からなる1本鎖ミニ−プロインスリン分子をr
DNA技術によって製造する。ジスルフィド形成の後、
トリプシン様酵素によって選択的に、またはいくらか優
先的にArg32とArg33の間のペプチド結合を切断し
てトリ−Arg−インスリンを得る。 6)構造:X−B鎖−Arg−Arg−Y−Arg−A鎖(構造
中、XおよびYはArgまたはLys以外の天然アミノ酸の
いずれかである)で示されるミニ−プロインスリン分子
をrDNA技術により製造し、正しいジスルフィド配置
で適切に折り畳む。この一本鎖ペプチドのトリプシンに
よる切断はArg−Y間にまず生じると予想される。続い
てエドマン法によるBおよびA鎖各々のアミノ末端から
のXおよびYの両方の除去により、トリ−Arg−インス
リンが生成する。
【0033】上記の方法の各々は多種多様の小さな変更
の対象である。最も重要な変更は、B3、B10および
A21の位置の可能なアミノ酸置換の全てが関与する変
更である。
【0034】例えば、方法1は化学的または組換えのど
ちらかによりまずヒトプロインスリン−トリ−アルギニ
ン類似体を合成することにより変更することができる。
3つの位置のそれぞれにおいて可能なアミノ酸置換の全
てを混合して組合わせることにより、ほぼ1200の異
なるプロインスリン−トリ−アルギニン類似体が可能と
なり、これから方法1を用いてトリ−Arg−インスリン
類似体を製造することができる。
【0035】他の例として、リーダー配列を有するB鎖
コード化DNA化合物をまず製造することにより方法1
を変更することができる。翻訳に続いて、得られたペプ
チドリーダー配列を酵素により切断することができ、そ
の方法を記載のようにして完結する。この方法の他の変
更には、切断可能なペプチドをもたらすトレイリング(t
railing)配列を加えてトリ−Arg−インスリンまたはト
リ−Arg−インスリン類似体を得ることが含まれる。
【0036】分子生物学における技術の現在の段階で
は、タンパク質配列中のある任意のアミノ酸を他のもの
に置換するための手段は容易に提供される。部位特異的
突然変異誘発などの周知の技術を用いて、プロインスリ
ンをコードしているDNA配列を随意に変化させて、選
択したアミノ酸置換を起こすことができる。すなわち、
現段階の技術により、プロインスリン−トリ−アルギニ
ン類似体を製造することが可能である。次いで、方法1
を用いて本発明に包含される1またはそれ以上の任意の
アミノ酸置換を含むトリ−Arg−インスリン類似体を製
造することができる。
【0037】さらに、3つの可変位置に所望のアミノ酸
置換を行うための他の方法が可能である。現段階の合成
ペプチド化学により、単一のアミノ酸から少なくとも3
2残基のペプチドを合成するためのメリフィールド(Me
rrifield)法などの方法が提供される。従って、上に概
説した方法3を用いて、インスリンAおよびB鎖を合成
し、可変位置に任意の可能なアミノ酸置換を含むように
することができる。
【0038】本発明の別の態様においてトリ−Arg−イ
ンスリンおよびトリ−Arg−インスリン類似体を製造す
るために用いられる方法および中間体が提供される。ア
セチル化されたトリプシンおよびカルボキシペプチダー
ゼBの作用により、実施例1に記載された方法はデス
(64)プロインスリンを中間体として与える。このデス
(64)プロインスリンはそれ自体が低血糖活性を有する
ことがわかった。さらに、実施例1に記載の方法によ
り、対応するプロインスリン−トリ−アルギニン類似体
を出発原料としてデス(64)プロインスリン−トリ−ア
ルギニン類似体中間体を製造することができる。
【0039】実施例2に記載の方法により、ヒトプロイ
ンスリンをリジンエンドペプチダーゼで処理することに
よって中間体としてスプリット(64)プロインスリンを
製造する。さらにこの方法により、対応するプロインス
リン−トリ−アルギニン類似体を出発原料としてスプリ
ット(64)プロインスリン−トリ−アルギニン類似体中
間体を製造することができる。スプリット(64)プロイ
ンスリンは、それ自体が低血糖活性を有することが見い
だされている。
【0040】エンドペプチダーゼ−Lys−Cは種々の供
給源、例えばLysobacter enzymogenes (Boehringer−
Mannheim; Indianapolis, IN)、Pseudomonas aeru
ginosa (Promega; Madison, WI)およびAchromobac
ter lyticus (Wako PureChemical; Dallas, TX)
から市販品として入手可能なリジンエンドペプチダーゼ
である。これはリジン残基のカルボキシ末端で特異的に
切断する。プロインスリンからのスプリット(64)プロ
インスリンのすぐれた収量を得るためにLys−29の位
置のカルボキシ末端での切断の前にLys−64の位置の
カルボキシ末端での選択的な切断が必要である。この目
的のためには、Pseudomonas aeruginosa由来のエンド
ペプチダーゼ−Lys−Cが好ましい供給源であり、Lys
obacterenzymogenes由来の該酵素が最も好ましい供給源
であることが見いだされた。
【0041】
【実施例】以下に挙げる実施例は、本発明の思想および
本発明をどのように実施するかを理解するのに有用であ
る。これらの実施例は説明のために挙げるものであっ
て、いかなる意味においても本発明を限定するものと解
釈すべきではない。
【0042】実施例1 デス(64)ヒトプロインスリン
中間体からのトリ−Arg−インスリンの製造 E.coliにおいて製造された組換えヒトプロインスリン
を、ブタカルボキシペプチダーゼB(Promega; Madiso
n, WI)およびアセチル化されたウシトリプシン[Europ
ean J. Biochem., 2, 215-223 (1967)に記載のように製
造]を用い、酵素:基質の重量比を各々約1:1000
および1:20,000として20mMグリシン緩衝液(p
H8)中で処理した。反応を約27時間8℃で進行さ
せ、1容量の7M尿素の添加により終了させた。次いで
得られた溶液をQ−Sepharose Fast FlowTM樹脂のカ
ラム[7M尿素、10mMトリス(トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン;Sigma;St. Louis, MO)、1mM
テトラチオネートカリウム中、pH8.1で予め平衡化]
にかけた。このカラムを25mM塩化ナトリウムを含有
する同じ緩衝液で洗浄し、次いで平衡緩衝液中の25〜
65mM塩化ナトリウムからの直線勾配液で溶離した。
溶離画分を集め、その直後に氷酢酸を用いてpH約4.0
に滴定した。デス(64)プロインスリンを含む画分(分
析HPLCにより測定)をプールし、Amicon S1Y3
らせん形カートリッジ(Amicon;Danvers, MA)を用
いて濃縮した。保留物をpH約2.5の1M酢酸に対して
約5℃で透析濾過した。得られた溶液を等容量の水で希
釈し、0.2ミクロンフィルターで濾過し、真空下で凍
結乾燥させた。周囲温度で、デス(64)ヒトプロインス
リン(2.91mg)を0.02M CaCl2を含む0.05M
トリス緩衝液(1N HClでpH8に調整)(291ml)に
溶解した。次いでこの溶液を5℃に冷却した。約346
μlのブタトリプシン(Sigma;St. Louis, MO)(水
中1mg/ml)を加え、酵素:基質の重量比を1:8000
とした。混合の後、溶液を5℃で保存した。4.5時間
後に1N HCl(10ml)を加えることにより反応を停止
させた。完全な透明溶液を5.5×30cm C−18 Vy
dacTMHPLCカラム上にポンピングした。水で洗浄し
た後、タンパク質を0.5%トリフルオロ酢酸(TFA)
緩衝液中の22.5〜42.5%アセトニトリル勾配液
中、24時間、2.5ml/分で溶離した。溶出液を27
6nmでの吸光度によりモニターした。20mlの画分を集
め、いくつかの画分を、C−8 ZorbaxTMカラムを用い
たHPLC(0.1M一塩基リン酸ナトリウムpH2.1緩
衝液中のアセトニトリル勾配液を使用)により分析的に
試験した。画分(116〜128)を含むトリ−Arg−イ
ンスリンをプールし、凍結乾燥して生成物(0.94g;
HPLC純度87%)を得た。この生成物の構造はアミ
ノ酸組成、N−末端配列分析および高速原子衝撃質量分
光学(FAB−MS)により確認した。
【0043】実施例2 スプリット(64)ヒトプロイン
スリン中間体からのトリ−Arg−インスリンの製造 ヒトプロインスリン(800mg)を25mMトリスおよび
1mM EDTAを含有するpH7.7緩衝液(80ml)に溶
解した。Pseudomonas aeruginosa Endopeptidase−L
ys−C(Promega; Madison, WI)を同じ緩衝液中、
0.1mg/mlに調製し、200μlをプロインスリン溶液
に加えると、酵素:基質の重量比は1:40,000と
なった。反応溶液を良く混合し、次いで9.5時間37
℃でインキュベートした。1N HClを加えることによ
り溶液をpH3.0の酸性にし、次いで0.5%TFAで
平衡化した5.5×30cm VydacTMC−18調製用HP
LCカラム上に置いた。精製されたタンパク質を、TF
A緩衝液中の0〜40%アセトニトリルを含む勾配液を
用いて20時間で溶離した。スプリット(64)プロイン
スリンに対応する画分をプールして凍結乾燥し、生成物
(237mg)を得た。この生成物の同定は、アミノ酸分
析、FAB−MSおよびN−末端配列分析により確認し
た。スプリット(64)プロインスリンの一部を、25m
Mトリス、1mM EDTA緩衝液(pH7.7)中に1mg/m
lで調製し、ウシトリプシン(Sigma; St.Louis,MO)
は同じ緩衝液中に0.1mg/mlで調製した。スプリット
(64)プロインスリンの700μlの容量にトリプシン
溶液(7μl)を加えると、酵素:基質重量比は1:1,0
00となった。反応物を周囲温度で30分間撹拌した。
次いで、反応生成物のHPLC分析を4.6×250mm
ZorbaxTMC−8カラム(0.1Mリン酸ナトリウムpH
2.1緩衝液中の浅薄アセトニトリル勾配液を使用)上で
行った。この分析により本質的に全てのスプリット(6
4)プロインスリンが消化され、主生成物はトリ−Arg
−インスリンであることが示された。
【0044】実施例3 Asp(A21)−トリ−Arg−イ
ンスリン類似体の製造 実施例1に従い製造したトリ−Arg−インスリン(40m
g)を0.01N HCl(4ml)に溶解し、12日間周囲温
度で保存した。次いで、溶液を37℃でさらに16日間
インキュベートした。最終溶液中の主成分を調製用HP
LCにより精製した。溶液の5つの部分(各々0.5〜
1.0ml)を21.5×250mm ZorbaxTMC−8HPL
Cカラム(26%アセトニトリルを含む0.1M硫酸ナト
リウムpH2.3緩衝液中で平衡化)上に注入した。サン
プル成分は、硫酸ナトリウム緩衝液中の26〜30%ア
セトニトリルの勾配液で溶離された。5回全ての溶出か
ら得た主成分を含む溶離画分を合わせて、等量の水で希
釈し、C−18 Sep−PakTMカートリッジ(Millipor
e; Bedford, MA)上で脱塩した。精製されたペプチド
を溶離し、50%アセトニトリルおよび50%TFA
(0.5%)緩衝液中で濃縮し、凍結乾燥した。精製され
た生成物の構造は、個々のAおよびB鎖のアミノ酸分
析、FAB−MSおよびHPLC分析により確認した。
分析HPLCによりAsp(A21)−トリ−Arg−インス
リン類似体の95%純度が示された。
【0045】実施例4 トリ−Arg−インスリンの生物
活性 2〜4ml容量の40U/mlトリ−Arg−インスリン溶液
を0.05M酢酸ナトリウム緩衝液中に最終タンパク質
濃度約2.0mg/mlで調製した。溶液を塩化亜鉛の形で様
々な量の亜鉛(0〜2.4mg/ml)を含むように調製した。
氷酢酸を用いて各溶液を最終pH範囲4〜6となるよう
溶解した。ヒトインスリンに比較して推定70%の生物
学的能力(インスリンレセプター結合)およびヒトインス
リンに対する標準化値28.85U/mlに基づき、次式を
用いて試験溶液の調製を行った。
【数1】2mg/ml×28.85U/mg(タンパク質)×70
%能力=40U/ml ニュージーランド白色家兎(大部分は雌、全ての体重は
2.7〜4kg、0.5〜4年齢およびサンプル投与前16
時間絶食)を試験に用いた。40U/mlのトリ−Arg−イ
ンスリン溶液、Asp(21)−トリ−Arg−インスリン類
似体、スプリット(64)プロインスリン(pH7.35)、
デス(64)プロインスリン(pH7.46)、ジ−Arg−イ
ンスリン[Zeuzemら: Diabetologia, 33, 65-71, (1990)
に従い製造]、Humulin LTM[レンテ(Lente)ヒトイン
スリン、中時間作用;Eli Lilly& Co.,; Indianap
olis, IN]またはHumulin UTM[ウルトラレンテ(Ult
ralente]ヒトインスリン、長時間作用;Eli Lilly &
Co.,; Indianapolis,IN)を各々10匹の家兎に0.
2U/kgの用量で首の後ろに皮下注射した。様々な時間
に100μl量の血液を辺縁耳静脈から採取し、900
μl量の抗凝固剤(EDTA−フッ化ナトリウム)と混合
し、グルコース含量を分析した。グルコース値は、サン
プルを注射する前に測定した元の血中グルコースの百分
率で示されるように標準化した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】 表1 元の血中グルコースに対する割合(% ),n=10 添加された亜鉛 サンプル注射後の時間インスリン (mg/ml) 1 2 4 6 Humulin L 0 58.2 48.0 90.6 96.2 Humulin U 0 53.4 55.3 85.3 92.5 トリ-Arg 0 51.1 56.0 86.9 95.3 Asp(A21)-トリ-Arg 0 67.4 84.2 94.8 89.8 デス(64)HPI 0 63.1 70.5 90.6 90.0 スプリット(64)HPI 0 61.7 83.8 94.8 94.1 ジ−Arg 0 60.6 85.4 98.1 99.8 トリ−Arg 0.014 43.3 50.3 90.5 94.9 トリ−Arg 0.05 51.4 57.7 88.2 95.1 トリ−Arg 0.14 61.6 52.1 76.1 96.5 トリ−Arg 0.33 76.2 67.7 88.5 91.9 トリ−Arg 0.5 71.8 65.0 88.4 86.9 トリ−Arg 1.4 83.7 71.1 75.3 91.4 トリ−Arg 2.4 79.2 71.1 74.5 70.1 Asp(A21)-トリ-Arg 2.4 84.2 70.3 84.4 91.9ジ−Arg 2.4 76.3 73.4 95.5 96.7
【0047】実施例5 トリ−Arg−インスリンの溶解度(%)を276nm波長で
の光学密度(O.D.)に基づいてジ−Arg−インスリンの
溶解度と比較した。トリ−Arg−インスリンの1mg/ml
溶液(実施例1において製造)またはジ−Arg−インスリ
ン[Zeuzemら: Diabetologia, 33, 65-71, (1990)に従い
製造]を2mMホウ酸−クエン酸−グリシン緩衝液(pH
9.5)中に調製した。5N HClまたは5N NaOHの
どちらかを滴下してデジタルpHメーターで測定するこ
とにより、各溶液のサンプルを様々なpHレベルに調整
した。次いで各サンプルを30分間約10,000rpmで
遠心した。次いで上清を除去し、各々のO.D.を分光光
度計を用いて276nmで測定した。1mg/ml溶液に対す
る予測値を0.98としてO.D.値から濃度を計算し
た。遠心後の濃度を元の濃度で割ることにより溶解物質
の百分率を算出した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】 ジ−Arg−インスリン トリ−Arg−インスリン pH 溶解度(%) pH 溶解度(%) 3.46 95.2 − − 4.08 82.9 − − 4.51 73.0 4.94 87.4 5.56 19.0 5.56 53.8 5.93 8.1 5.92 25.3 6.47 10.1 6.56 10.5 7.02 22.2 6.99 9.1 7.54 44.4 7.53 10.7 8.06 102.0 8.05 21.2
【0049】これらのデータによりトリ−Arg−インス
リンが所望の製剤化pH(pH5〜6)でより高い溶解性を
有するが、皮下注射後の生理的pH(pH7.4)ではより
低い溶解性をも有することが示される。故に、トリ−A
rg−インスリンはジ−Arg−インスリンよりも、より高
くより好ましいpHで製剤化することができる。従っ
て、皮下注射後のトリ−Arg−インスリンの溶解特性は
ジ−Arg−インスリンに比較して作用時間を長期化する
ものと期待される。
【0050】
【配列表】
【0051】配列番号:1 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:7..8 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖)のCys7はトリ−Arg−インスリ
ンのA鎖のCys8にジスルフィド結合している" 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:19..20 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖)のCys19はトリ−Arg−インス
リンのCys21にジスルフィド結合している" 配列 Phe Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg 20 25 30
【0052】配列番号:2 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:7..8 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖)のCys7はトリ−Arg−インスリ
ンのA鎖のCys8にジスルフィド結合している" 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:19..20 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖)のCys19はトリ−Arg−インス
リンのA鎖のCys21にジスルフィド結合している" 配列 Phe Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser Asp Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg 20 25 30
【0053】配列番号:3 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:7..8 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖) のCys7はトリ−Arg−インスリンのA鎖のCys8に
ジスルフィド結合している" 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:19..20 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのB鎖)のCys19はトリ−Arg−インス
リンのA鎖のCys21にジスルフィド結合している" 配列 Phe Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser Glu Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg 20 25 30
【0054】配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:7..12 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:8..9 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Arg
−インスリンのA鎖)のCys8はトリ−Arg−インスリ
ンのB鎖のCys7にジスルフィド結合している" 特徴を表す記号:cross-links 存在位置:21..22 他の情報:/ラベル=架橋結合/注="本配列(トリ−Ar
g−インスリンのA鎖) のCys21はトリ−Arg−インスリンのB鎖のCys19
にジスルフィド結合している" 配列 Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln 1 5 10 15 Leu Glu Asn Tyr Cys Xaa 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はトリ−Arg−インスリンおよびトリ−
Arg−インスリン類似体の1次アミノ酸配列の模式図で
ある。
【図2】 図2はヒトプロインスリンの1次アミノ酸配
列の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・カール・ランブーイ アメリカ合衆国46256インディアナ州イン ディアナポリス、キャッスル・リッジ・レ イン8269番

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式で示される化合物またはその薬
    学的に許容し得る塩: 【化1】 [式中、XおよびZはAla、Arg、Asx、Cys、Glx、
    Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、S
    er、Thr、Trp、TyrまたはValからなる群から選択さ
    れ、YはHis、AspまたはGluからなる群から選択され
    る]。
  2. 【請求項2】 活性成分として請求項1に記載のトリ−
    アルギニンインスリン類似体を、1もしくはそれ以上の
    薬学的に許容し得る担体、賦形剤または希釈剤と共に含
    む糖尿病治療のための医薬製剤。
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