JPH0522133U - 電気自動車用電動機の冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車用のアウタロータ形ホイールイン
・ダイレクトドライブ電動機の内部を強制的に冷却する
こと。 【構成】 ファン２４によりフィルタ２３を通して空気
を吸い込み、フレキシブルダクト２５、中空軸１２、そ
の吸気口１２Ａ、ホイール１１の筒部１１Ａ及び通気口
１９を通して電動機１５内に冷却風を送り込んで強制的
に冷却し、仕切板２０の排気口２０Ａから排気する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気自動車のホイール内に組み込まれて車輪を直接駆動するアウタロ ータ形ホイールイン・ダイレクトドライブ電動機の冷却構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年の電気自動車には、動力伝達効率の向上及び車体重量の軽減化のため、減 速機や差動装置、ドライブシャフトを廃止して、アウタロータ形の電動機をホイ ール内に組み込み車輪を直接駆動するものがある。この種の電動機はアウタロー タ形ホイールイン・ダイレクトドライブ電動機と称されており、例えば特開昭６ ３−２７５４２７号公報に開示されている。

【０００３】 図２により、この種の電動機の従来例を説明する。図２において、ホイール１ はその内周側に車体側に突出した筒部１Ａを有し、車体に取り付けられた中空軸 ２の外周のうち車体側部分に軸受３を介して筒部１Ａが取り付けられる。４はタ イヤである。中空軸２の外周のうち反車体側部分に電動機５の固定子６を取り付 け、ホイール１の反車体側に突設したフレーム７内に固定子６の外周を囲むよう に回転子８を設けてある。６Ａは固定子巻線である。電動機５のリード線（図示 省略）は中空軸２内を通って車体側へ引き出される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図２から判かるように、従来のアウタロータ形ホイールイン・ダイレクトドラ イブ電動機５は全閉構造であり、電動機５内部を積極的に冷却することは行われ ていなかった。そのため、下記のような問題点がある。

【０００５】 電気自動車の走行性能を良くするには電動機５を含むホイール全体の軽量化が 不可欠であるが、積極的な内部冷却をしていないため、温度上昇の制限から電動 機５の寸法が大きくならざるを得ず、軽量化ができなかった。また、特に登坂時 のように電気自動車の速度が低い時は受ける風が少ないので冷却効果が悪いため 、登坂時には大きな出力が必要となるにもかかわらず、かえって電動機の出力を 制限して温度が上昇しないようにせねばならなかった。

【０００６】 本考案は上記従来技術の問題点を解決した電気自動車用電動機の冷却構造を提 供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案による電気自動車用電動機の冷却構造は、電気自動車の車体に取り付け られる中空軸と、この中空軸の内周に取付けられた軸受と、この軸受を介して前 記中空軸の内周に支持された筒部を有するホイールと、前記中空軸の外周に設け られた電動機の固定子と、前記ホイールから車体側に向けて突設された、前記固 定子の外周を囲む環状のフレームと、このフレームの内周に設けられた電動機の 回転子と、前記中空軸に設けられた、前記フレームの車体側開口部を回転可能に 塞ぐ仕切板と、前記中空軸に設けられた吸気口と、この吸気口にフレキシブルダ クトを介して連結された冷却用ファンと、このファンの吸気側に設けられたフィ ルタと、前記ホイールの筒部外周のうち軸受により支持される部分よりも反車体 側に設けられた通気口と、前記仕切板に設けられた排気口とを具備することを特 徴とするものである。

【０００８】

【作用】

冷却用ファンがフィルタを通して空気を吸い込み、フレキシブルダクト、中空 軸、ホイールの筒部及び通気口を経て電動機内部に強制的に風を送って冷却する 。冷却後の風は仕切板の排気口から外部へ出る。

【０００９】

【実施例】

以下、図１を参照して本考案の一実施例を説明する。図１は電気自動車用のア ウタロータ形ホイールイン・ダイレクトドライブ電動機１５の断面構造を示し、 ホイール１１はその内周側と外周側に、それぞれ車体側に突設した筒部１１Ａと １７を有する。外周側の筒部１７は電動機回転子１８用のフレームである。ホイ ール１１の内周側筒部１１Ａは、車体に取り付けられる中空軸１２の内周に軸受 １３を介して回転可能に支持してあり、筒部１１Ａの外周のうち軸受１３よりも 反車体側の部分に１個又は複数の通気口１９を設けてある。図１中、１４はタイ ヤである。

【００１０】 中空軸１２の外周には固定子巻線１６Ａを有する固定子１６を設け、この固定 子１６の外周を囲むように、ホイール１１のフレーム１７内に回転子１８を設け 、更にフレーム１７の車体側に向く開口部１７Ａを回転可能に塞ぐように中空軸 １２の外周に環状の仕切板２０を設けてある。仕切板２０には１個又は複数の排 気口２０Ａを設け、排気口２０Ａにフレキシブルダクト２１を接続し、水やほこ りの入り難い場所へ導いて車体に固定している。固定子１６には軸方向に通気路 １６Ｂをあけてある。

【００１１】 中空軸１２の車体側端部に仕切板２２を設け、この仕切板２２に吸気口１２Ａ を設けてある。空気に対するフィルタ２３は車体中で水やほこりが入り難い場所 に設けて冷却用ファン２４に取り付け、このファン２４をフレキシブルダクト２ ５により中空軸１２の吸気口１２Ａに接続してある。

【００１２】 以上の構成により、電動機１５を動作させると、回転子１８が回転してホイー ルを直接駆動する。そして、ファン２４を動作させることにより、矢印２６で示 すように冷却風が流れ、電動機１５の内部を強制的に冷却する。なお、冷却風が 途中で洩れないように、適宜洩れ防止構造としている。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、ファンにより電動機内に冷却風を送り込んで強制的に冷却を 行うことができる。従って、温度上昇が少ないから、電動機を小型にして軽量化 することができ、また、登坂時など電気自動車が低速時であっても、電動機の出 力を最大限利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る電気自動車用電動機の
冷却構造を示す図。

【図２】従来の電気自動車用電動機の例を示す図。

【符号の説明】 １１ ホイール １１Ａ 筒部 １２ 中空軸 １２Ａ 吸気口 １３ 軸受 １４ タイヤ １５ 電動機 １６ 固定子 １６Ａ 固定子巻線 １６Ｂ 通気路 １７ 回転子用フレーム １７Ａ 開口部 １８ 回転子 １９ 通気口 ２０ 仕切板 ２０Ａ 排気口 ２１，２５ フレキシブルダクト ２２ 仕切板 ２３ フィルタ ２４ 冷却用ファン ２６ 冷却風経路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気自動車の車体に取り付けられる中空
   軸と、この中空軸の内周に取付けられた軸受と、この軸
   受を介して前記中空軸の内周に支持された筒部を有する
   ホイールと、前記中空軸の外周に設けられた電動機の固
   定子と、前記ホイールから車体側に向けて突設された、
   前記固定子の外周を囲む環状のフレームと、このフレー
   ムの内周に設けられた電動機の回転子と、前記中空軸に
   設けられた、前記フレームの車体側開口部を回転可能に
   塞ぐ仕切板と、前記中空軸に設けられた吸気口と、この
   吸気口にフレキシブルダクトを介して連結された冷却用
   ファンと、このファンの吸気側に設けられたフィルタ
   と、前記ホイールの筒部外周のうち軸受により支持され
   る部分よりも反車体側に設けられた通気口と、前記仕切
   板に設けられた排気口とを具備することを特徴とする電
   気自動車用電動機の冷却構造。