JPH05186372A - 脂肪乳剤及びmri診断用造影剤 - Google Patents

脂肪乳剤及びmri診断用造影剤

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JPH05186372A
JPH05186372A JP4200393A JP20039392A JPH05186372A JP H05186372 A JPH05186372 A JP H05186372A JP 4200393 A JP4200393 A JP 4200393A JP 20039392 A JP20039392 A JP 20039392A JP H05186372 A JPH05186372 A JP H05186372A
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hydroxyl groups
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acid
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JP4200393A
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English (en)
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Takashi Imagawa
昂 今川
Hiromichi Mukai
裕通 向井
Ikuko Miyagi
育子 宮城
Kazuki Murakami
和樹 村上
Masakazu Niitome
正和 新留
Tadashi Okano
忠 岡野
Takako Ohashi
孝子 大橋
Fumio Mori
文男 森
Shiyougen Kin
尚元 金
Taro Marukawa
太▲朗▼ 丸川
Takahiro Kozuka
▲隆▼弘 小塚
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 臨床診断に使用される核磁気共鳴診断法(M
RI)で有用な脂肪乳剤及びそれを用いた診断用造影剤
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、常磁性金属原子を含有する脂肪乳
剤及びそれを用いたMRI診断用造影剤である。本発明
の造影剤は、コントラストの鮮明な画像が得られ、測定
対象の組織などに十分に移行する等の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂肪乳剤及びその用途に
関する。より詳細には、本発明は磁気共鳴画像(以下、
MRIという)診断用造影剤として有用な常磁性金属原
子を含有する脂肪乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】MRIは静磁場と変動磁場(勾配磁場や
ラジオ周波数波)を用いて生体の任意の方向の断層像を
得ることのできる画像診断法で、1970年代後半よりイギ
リスで最初に医学応用が開始された。当初は、静磁場を
作るのに常電導磁石が使用されていたが、1980年代にな
って人体を入れることのできる超電導磁石の開発がなさ
れ、画質の著しい向上が可能になりMRIの普及は一段
と高まった。また、1.5テスラ(T)以上の静磁場が作
れる超電導磁石の導入によってプロトン(水素原子核)
以外の核種、即ちリン(31P)やナトリウム(23Na)
のスペクトロスコピーや映像法が可能になり、生体の解
剖構造の描出のみならず多くの組織あるいは臓器の機能
診断も可能となった。MRIには、上記の核磁気共鳴(n
uclear magnetic resonance, NMR)のほかに、電子
スピン共鳴(electron spin resonance,ESR)が含ま
れている。
【0003】MRIは近年医療分野に導入され、以来急
速に進歩、普及している。MRIは従来のX線CTと異
なり、放射線を必要としないことから被爆の問題がない
こと、任意の断面を映像化できること、また骨による妨
害のないことなどを特徴とする。現在、MRI診断用造
影剤(コントラスト増強剤)として、ガドリニウム−ジ
エチレントリアミン五酢酸(Gd−DTPA)錯化合物
が用いられている。これは常磁性金属原子であるガドリ
ニウムが周辺の水素原子の緩和時間を短縮しコントラス
トを増強させる作用を持つことを利用したものである。
また、上記の錯化合物は、ガドリニウムをキレート化す
ることにより、ガドリニウムによる毒性を低減化してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Gd−DTPAは、血
流とともに各組織に運ばれ細胞外液に存在するため、脳
関門破損部位や血流の多い部位の緩和時間を短縮する
が、網内系臓器、炎症部位、動脈硬化部位等には十分移
行せず、また造影剤自体には組織を識別する能力がな
い。従って、特定の組織をターゲットとしたMRI診断
用造影剤の開発が望まれている。本発明は上記の従来技
術の問題を解消するために創案されたもので、網内系臓
器、炎症部位、動脈硬化部位等にも十分に移行し、また
優れたコントラスト増強能を有するMRI診断用造影剤
及びそのための脂肪乳剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、本発明者らは造影剤について種々研究した結果、常
磁性金属原子を含有する脂肪乳剤をMRI診断用造影剤
として用いると優れたコントラストを有する画像が得ら
れると共に当該脂肪乳剤は網内系臓器、炎症部位、動脈
硬化部位等の各器官・組織に移行することを見出して本
発明を完成した。即ち、本発明は、常磁性金属原子を含
有する脂肪乳剤及びそれからなるMRI診断用造影剤で
ある。
【0006】本発明の造影剤は常磁性金属原子を含有す
る脂肪乳剤である。その組成は当該脂肪乳剤の使用目
的、使用法等により適宜調整することができるが、MR
I診断用造影剤として使用する場合、その好ましい組成
は、常磁性金属原子0.01〜15%(W/V)程度、好ましくは0.
1〜10%(W/V)程度、常磁性金属原子とキレート結合しう
る化合物(以下、キレート性化合物という)を常磁性金属
原子に対してモル比で1〜5程度、好ましくは0.5〜1.5程
度、油脂(好ましくは大豆油)0.5〜50%(W/V)程度、好ま
しくは2〜30%(W/V)程度、油脂100に対する重量比が1〜1
00、好ましくは5〜60の量の乳化剤(例えば、リン脂質、
合成界面活性剤等)、及び適量の水よりなる脂肪乳剤で
ある。
【0007】常磁性金属原子としては各種の常磁性金属
原子を用いることができるが、本発明の脂肪乳剤をMR
I診断用造影剤として使用する場合には、常磁性金属原
子としてはクロム(Cr)、ガドリニウム(Gd)、マンガン(M
n)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、プラセオジ
ム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、イッテルビウ
ム(Yb)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミ
ウム(Ho)、エルビウム(Er)、銅(Cu)等の二価又は三価イ
オンが例示され、特にガドリニウム、テルビウム、ジス
プロシウム、ホルミウム、エルビウム、鉄等のイオンが
好適に用いられる。
【0008】常磁性金属原子を含む脂肪乳剤の調製は、
例えば、キレート性化合物と油脂とを乳化剤を用いて脂
肪乳剤化してキレート性化合物脂肪乳剤を調製し、当該
脂肪乳剤と常磁性金属原子(好ましくはガドリニウム)と
をキレート結合させることによって行われる。また、常
磁性金属原子を予めキレート性化合物とキレート結合さ
せたものを用いて脂肪乳剤化することによっても行うこ
とができる。この際の脂肪乳剤化は、自体公知の手段に
よって行うことができる。
【0009】上記のキレート性化合物は、常磁性金属原
子と錯体を形成でき且つ脂肪乳剤化に適するように適度
の脂溶性を有するものであれば特に限定されない。一例
としてDTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)誘
導体及びその塩が挙げられ、例えば、モノアルキルアミ
ドDTPA、モノアリールアミドDTPA、モノアルキ
ルエステルDTPA、モノアリールエステルDTPA、
ジアルキルアミドDTPA、ジアリールアミドDTP
A、ジアルキルエステルDTPA、ジアリールエステル
DTPA、アルキル化DTPA等が例示される。これら
の化合物のうち、アルキルとしては炭素数1〜20のア
ルキルが、アリールとしてはフェニル、ナフチル等が例
示される。また、アリールはアルキル、ハロゲン原子等
で置換されたアリールであってもよい。キレート性化合
物のその他の例としては、 TTHA: トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸 EDTA: エチレンジアミンテトラ酢酸 DOTA: 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンテト
ラ酢酸 EHPG: N,N'-エチレンビス[2-(2-ヒドロキシフェ
ニル)グリシン] cyclam: 1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン 等の脂溶性誘導体等が挙げられる。
【0010】好ましいキレート性化合物としては、下記
一般式[I]で表わされる化合物及びその塩が挙げられ
る。 [式中、mは1から3の整数、R1及びR2は、同一又は
異なって、水素原子又は低級アルキル基、R3、R4、R
5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又は基: (式中、nは0又は1、Xは−NH−又は−O−、Yは
アルキレン基、Aは水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基、
Bはアルキル基又はアルケニル基を示す)を示す。但
し、R3、R4、R5及びR6のうち、水酸基は2又は3個
であり、水酸基が2個の場合にはR3及びR5が共に水酸
基であるもの並びにR4及びR6が共に水酸基であるもの
を除く。]
【0011】上記一般式[I]で表される化合物におい
て、低級アルキル基は直鎖又は分枝鎖状のいずれでもよ
く、炭素数1〜4のもの、具体的にはメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル等が例示される。アルキレン基は、
直鎖又は分枝鎖状のいずれでもよく、メチレン、エチレ
ン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、1
−メチルエチレン、1−メチルテトラメチレン、ヘキサ
メチレン、オクタメチレン、デカメチレン等が例示され
る。
【0012】低級アルコキシ基としては炭素数1〜4の
アルコキシが好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ、tert-ブトキシ等が例示される。アルキ
ル基は直鎖又は分枝鎖状のいずれでもよく、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル
等が例示される。アルケニル基は直鎖又は分枝鎖状のい
ずれでもよく、また二重結合の位置及び数は特に限定さ
れないが、好ましくはヘキセニル、オクテニル、3,7-ジ
メチル-2,6-ジオクタジエニル、9-オクタデセニル等が
挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子等が例示される。
【0013】一般式[I]で表わされる化合物において、
好ましくはYとBの炭素数の和が5以上の化合物がよ
い。より好ましくは、YとBの炭素数の和が8〜12の
化合物がよい。また、フェニル基上の置換基であるA及
びBの結合位置は特に制限はないが、好ましくはBはY
に対してメタ位又はパラ位がよい。一般式[I]で表わさ
れる化合物の塩としては、医薬的に許容される塩が好適
に用いられ、かかる塩としては金属(例えばナトリウ
ム、カリウム等)との塩、有機塩基[例えばエタノール
アミン、モルホリン、メグルミン(N−メチルグルカミ
ン)等]との塩、アミノ酸(例えばアルギニン、オルニ
チン等)との塩が例示される。
【0014】一般式[I]で表わされる化合物は新規化合
物である。当該化合物は種々の方法で製造することがで
き、例えば下記の反応工程式−1に示される方法で得る
ことができる。
【0015】反応工程式−1 (式中、m、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
A及びBは前記と同じ、X1は−NH2又は−OHを示
す。)
【0016】上記の反応工程において、酸無水物である
化合物[III]は、化合物[II]を、例えば、無水酢酸、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、1,1'-カルボニルジイ
ミダゾール等を用いた公知の脱水反応に付すことより取
得できる。この反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒
中、50〜100℃程度にて3時間〜3日間程度反応さ
せることにより行うことができる。化合物[I]は化合物
[III]と化合物[IV]とを反応させることにより得られ
る。化合物[III]と化合物[IV]との反応は、酸無水物と
アミノ化合物又はヒドロキシ化合物とを反応させる慣用
の方法に準じて行うことができ、例えば化合物[III]を
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒に溶解し
た溶液に、化合物[IV]を必要なら塩化メチレン、クロロ
ホルム等の有機溶媒に溶解して加え、室温〜90℃程度
にて30分〜5日間程度反応させることにより行うこと
ができる。この反応に際して、塩基性化合物、例えばピ
リジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリンなど
を添加してもよい。この反応において、化合物[I]のR3
〜R6中、水酸基が2個の化合物を調製する場合、化合
物[IV]は化合物[III]に対して2.0から2.3当量用いる。
また、水酸基が3個の化合物を調製する場合、化合物[I
V]は化合物[III]に対して1.0〜1.3当量用いる。この水
酸基が3個の場合、反応後、水約1.0当量を加え、前記
反応条件にて反応を行うことにより、反応しなかった無
水カルボン酸部分に水を付加し、化合物[I]に導く。こ
の無水カルボン酸部分への水の付加反応は、化合物[II
I]と[IV]の反応に先立って、化合物[III]に対して行っ
てもよい。化合物[I]の塩は、常法に準じて調製する
ことができる。かくして得られた化合物[I]及びその
塩は、例えば再結晶、再沈殿、カラムクロマトグラフィ
ー等の慣用の方法で、単離、精製することができる。
【0017】一般式[I]で表わされる化合物におい
て、好適なキレート性化合物を具体的に示すと、N-(4-
オクチルフェニルカルバモイルメチル)ジエチレントリ
アミン-N,N',N",N"-テトラ酢酸;N-(4-ヘキシルフェニ
ルカルバモイルメチル)ジエチレントリアミン-N,N',N",
N"-テトラ酢酸;N-(4-デシルフェニルカルバモイルメチ
ル)ジエチレントリアミン-N,N',N",N"-テトラ酢酸;N-
(4-ドデシルフェニルカルバモイルメチル)ジエチレント
リアミン-N,N',N",N"-テトラ酢酸;N,N"-ビス(4-オクタ
デカフェニルカルバモイルメチル)ジエチレントリアミ
ン-N,N',N"-トリ酢酸;N,N"-ビス(4-テトラデカフェニ
ルカルバモイルメチル)ジエチレントリアミン-N,N',N"-
トリ酢酸;N,N"-ビス(4-ドデシルフェニルカルバモイル
メチル)ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ酢酸;N,N"
-ビス(4-オクチルフェニルカルバモイルメチル)ジエチ
レントリアミン-N,N',N"-トリ酢酸;N,N"-ビス(4-ヘキ
シルフェニルカルバモイルメチル)ジエチレントリアミ
ン-N,N',N"-トリ酢酸;N-(4-ヘキシルフェニルカルバモ
イルメチル)トリエチレンテトラアミン-N,N',N",N'",
N'"-ペンタ酢酸;N,N'"-ビス(4-オクタデカフェニルカ
ルバモイルメチル)トリエチレンテトラアミン-N,N',N",
N'"-テトラ酢酸;N,N'"-ビス(4-オクチルフェニルカル
バモイルメチル)トリエチレンテトラアミン-N,N',N",
N'"-テトラ酢酸;N-(4-オクチルフェニルカルバモイル
メチル)トリエチレンテトラアミン-N,N',N",N'",N'"-ペ
ンタ酢酸;N,N"-ビス(4-ブチルフェニルメトキシカルボ
ニルメチル)ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ酢酸;
N,N"-ビス(4-トリデシルフェニルメトキシカルボニルメ
チル)ジエチレントリアミン-N,N',N"-トリ酢酸;N-(4-
トリデシルフェニルメトキシカルボニルメチル)ジエチ
レントリアミン-N,N',N",N"-テトラ酢酸;等が例示され
る。
【0018】また、他の好ましいキレート性化合物とし
ては、下記一般式[V]で表される化合物及びその塩が
挙げられる。 [式中、mは1から3の整数、R1及びR2は、同一又は
異なって、水素原子又は低級アルキル基、R3、R4、R
5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又は基: (式中、QおよびTは、同一又は異なって、−NH−又
は−O−、D及びEは、同一又は異なって、炭素数6以
上の脂肪酸残基又は炭素数6以上のアルキル基、pは0
から6の整数を示し、pが0のときはTはないものとす
る)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水酸
基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合にはR3
びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共に
水酸基であるものを除く。]
【0019】上記一般式[V]で表される化合物におい
て、低級アルキル基としては前記一般式[I]で表され
る化合物において定義されたものが例示される。D及び
Eの炭素数6以上の脂肪酸残基(アシル基)において、
当該脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン
酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン
酸、アラキドン酸等の飽和又は不飽和の高級脂肪酸が例
示される。また、D及びEの炭素数6以上のアルキル基
としては、直鎖又は分枝鎖状のいずれでもよく、かかる
アルキル基としては、例えば、ヘキシル、オクチル、デ
シル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタ
デシル等が例示される。一般式[V]で表される化合物
の塩としては、前記一般式[I]で表される化合物の塩
と同様のものが例示される。一般式[V]で表される化
合物は新規化合物であり、当該化合物は種々の方法で製
造することができ、例えば、反応工程式−1に示される
方法に準じて一般式[III]で表される化合物を調製
した後、下記反応工程式−2で示される方法により製造
することができる。
【0020】反応工程式−2 (式中、m、p、R1、R2、R3、R4、R5、R6、T、
D及びEは前記と同じ、Q1は−NH2又は−OHを示
す。)
【0021】上記の反応工程式に示されるように、化合
物[V]は化合物[III]と化合物[VI]とを反応
させることにより得られる。この反応で用いられる化合
物[VI]は慣用の方法で調製することができる。例え
ば、p=0の化合物は、L. D. Bergelson著、"Lipid Bi
ochemical Preparations" (1980年, ELSEVIER/NORTH-HO
LLAND BIOMEDICAL PRESS, p115-122)に記載の方法に準
じて調製することができる。また、pが1〜6の化合物
は、上記で得られた化合物に、末端に水酸基又はアミノ
基を有するアルキル化剤を反応させることにより調製す
ることができる。化合物[III]と化合物[VI]と
の反応、及び得られた化合物[V]の単離、精製等は、
反応工程式−1で示された化合物[I]の製造方法に準
じて行うことができる。
【0022】他の好ましいキレート性化合物としては、
下記一般式[VII]で示される化合物及びその塩が挙
げられる。 [式中、mは1から3の整数、R1及びR2は、同一又は
異なって、水素原子又は低級アルキル基、R3、R4、R
5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又は基: −Q−(CH2p−T−ステロール (式中、Q及びTは、同一又は異なって、−NH−又は
−O−、pは0から6の整数を示し、pが0のときはT
はないものとし、またステロールの結合位置は3位であ
る)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水酸
基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合にはR3
びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共に
水酸基であるものを除く。]
【0023】上記一般式[VII]で表される化合物に
おいて、低級アルキル基としては前記一般式[I]で表
される化合物において定義されたものが例示される。ス
テロールとはステロイドの一種であり、動植物界に広く
分布するステロイドアルコールであって、3位に水酸基
を有する。飽和化合物もあるが、多くは5位と6位の
間、又はその他の位置に二重結合をもつ不飽和化合物で
ある。17位には炭素数8ないし10の鎖式の側鎖をも
つ。ステロールの代表的な例としては、コレステロー
ル、コレスタノール、セレブロステロール、エルゴステ
ロール、フコステロール等が挙げられる。一般式[VI
I]で表される化合物の塩としては、前記一般式[I]
で表される化合物の塩と同様のものが例示される。一般
式[VII]で表される化合物は新規化合物であり、当
該化合物は種々の方法で製造することができ、例えば、
反応工程式−1に示される方法に準じて一般式[II
I]で表される化合物を調製した後、下記反応工程式−
3で示される方法により製造することができる。
【0024】反応工程式−3 (式中、m、p、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びT
は前記と同じ、Q1は−NH2又は−OHを示す。)
【0025】上記の反応工程式に示されるように、化合
物[VII]は化合物[III]と化合物[VIII]
とを反応させることにより得られる。この反応で用いら
れる化合物[VIII]は慣用の方法で調製することが
できる。例えば、p=0、Q1=NH2の化合物は、ステ
ロールの3位の水酸基をスルホン酸エステル等の脱離基
に変換した後、アンモニアと反応させアミノ基に置換す
る方法が挙げられる(R. D. Howarth et al, J. Chem.
Soc., 1953, p1110参照)。また、pが1〜6の化合物
は、上記で得られた化合物又はステロール化合物に、末
端に水酸基又はアミノ基を有するアルキル化剤を反応さ
せることにより調製することができる。化合物[II
I]と化合物[VIII]との反応、及び得られた化合
物[VII]の単離、精製等は、反応工程式−1で示さ
れた化合物[I]の製造方法に準じて行うことができ
る。
【0026】他の好ましいキレート性化合物としては、
下記一般式[IX]で示される化合物及びその塩が挙げ
られる。 (式中、R7は炭素数6以上のアルキル基、mは1から
3の整数を示す。)
【0027】上記一般式[IX]で表される化合物にお
いて、炭素数6以上のアルキル基としては前記の一般式
[V]で表される化合物において定義されたものが例示
される。一般式[IX]で表される化合物の塩として
は、前記一般式[I]で表される化合物の塩と同様のも
のが例示される。一般式[IX]で表される化合物は新
規化合物であり、当該化合物は種々の方法で製造するこ
とができるが、その一つの方法としては、竹下寿雄・前
田滋、油化学第19巻第10号第984〜993頁(1
970)に記載の方法が挙げられる。
【0028】また、十分量の造影剤を含有・保持できる
脂肪乳剤を調製するために好ましいキレート性化合物と
しては、下記一般式[X]で表される化合物及びその塩
が挙げられる。 [式中、mは1から3の整数、R1及びR2は、同一又は
異なって、水素原子又は低級アルキル基、R3、R4、R
5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又は基: (式中、R8及びR9、同一又は異なって、脂肪酸残基を
示す)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水
酸基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合にはR3
及びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共
に水酸基であるものを除く。]
【0029】上記一般式[X]で表される化合物におい
て、低級アルキル基としては前記一般式[I]で表され
る化合物において定義されたものが例示される。R8
びR9の脂肪酸残基(アシル基)は特に限定されるもの
ではないが、当該脂肪酸としては、例えば、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン
酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン
酸、アラキドン酸等の飽和又は不飽和の高級脂肪酸が例
示される。一般式[X]で表される化合物の塩として
は、前記一般式[I]で表される化合物の塩と同様のも
のが例示される。一般式[X]で表される化合物は新規
化合物であり、当該化合物は種々の方法で製造すること
ができ、例えば、反応工程式−1に示される方法に準じ
て一般式[III]で表される化合物を調製した後、下
記反応工程式−4で示される方法により製造することが
できる。
【0030】反応工程式−4 (式中、m、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は前記と
同じ。)
【0031】上記の反応工程式に示されるように、化合
物[X]は化合物[III]とホスファチジルエタノー
ルアミンとを反応させることにより得られる。ホスファ
チジルエタノールアミン(以下、PEという)は下記一
般式で示されるリン脂質の一種であり、生物界に広く分
布しており、動植物細胞や細菌細胞等に含まれている。 (式中、R8及びR9は前記と同じ。)
【0032】本発明で用いられるPEは、これを医薬と
して使用できる程度に精製されたものであれば特に制限
されるものではない。動植物細胞や細菌細胞等から単離
・精製されたものでもよく、また化学的に合成されたも
のであってもよい。化合物[III]とPEとの反応、
及び得られた化合物[X]の単離、精製等は、反応工程
式−1で示された化合物[I]の製造方法に準じて行う
ことができる。また、より簡便な調製法としては、予め
PEを含む脂肪乳剤を調製した後、化合物[III]と
反応させる方法が挙げられる。PEは脂肪乳剤調製の際
の乳化剤として、単独で又は他のリン脂質と混合して、
油脂100に対する重量比が1〜100、好ましくは5〜60の量
で用いられる。反応は、乳剤を含有する水溶液に化合物
[III]を添加すればよい。反応時間は30分〜1日程
度、反応温度は室温〜50℃程度、pHは7〜9程度が適し
ている。
【0033】本発明の脂肪乳剤に用いられる油脂として
は食用油であればいずれの油脂も使用でき、例えば、植
物油(例えば、大豆油、綿実油、サフラワー油、トウモ
ロコシ油、ヤシ油、シソ油、エゴマ油など)、魚油(例
えば、タラ肝油など)、中鎖脂肪酸トリグリセリド[例
えば、パナセート(商品名)、ODO(商品名)など]及
び化学合成トリグリセリド類[例えば、2-リノレオイル
-1,3-ジオクタノイルグリセロール(8L8)、2-リノレオイ
ル-1,3-ジデカノイルグリセロール(10L10)などのChemic
ally defined triglycerides]から選ばれた1種又は2
種以上の油脂が好適に用いられる。より好ましい油脂と
しては、植物油、特に大豆油(好適にはトリグリセリ
ド、ジグリセリド及びモノグリセリドとして、99.9%以
上含有)が挙げられる。また、乳化剤としては医薬製剤
に使用される乳化剤であればいずれの乳化剤も用いるこ
とができ、例えば、リン脂質(例えば、卵黄リン脂質、
水素添加卵黄リン脂質、大豆リン脂質、水素添加大豆リ
ン脂質等)、合成界面活性剤[例えば、プルロニックF6
8、HCO-60(いずれも商品名)等]などが挙げられる。こ
れらには必要に応じてオレイルアミン、ステアリルアミ
ン等の正電荷脂質、オレイン酸、ホスファチジン酸、ホ
スファチジルセリン等の負電荷脂質等を使用することも
できる。上記の乳化剤は、単独で又は2種以上を組み合
わせて使用してもよい。
【0034】本発明の脂肪乳剤は、更に0.3%(W/V)まで
の量の炭素数6から22、好ましくは12〜20の脂肪酸又は
その生理的に許容される塩(これらは、脂肪乳剤の乳化
補助剤として既に既知であり、かかる既知のものを使用
すればよい)を乳化補助剤として含んでいてもよい。ま
た、0.5%(W/V)以下、好ましくは0.1%(W/V)以下の量のコ
レステロール類、又は5%(W/V)以下、好ましくは1%(W/V)
以下の量のホスファチジン酸を安定化剤として含んでい
てもよい。更に、必要に応じて、乳化系に影響のない範
囲で緩衝剤、pH調整剤などを添加してもよい。また、
乳剤を等張化するために、通常用いられるグルセリン及
びブドウ糖等の等張化剤を添加することもできる。
【0035】前述の如く、本発明の脂肪乳剤は、キレー
ト性化合物脂肪乳剤を調製後、当該脂肪乳剤と常磁性金
属原子とをキレート結合させることによって、又は常磁
性金属原子とキレート性化合物とを予めキレート結合さ
せたものを用いて脂肪乳剤化することによって得られ
る。常磁性金属原子とキレート性化合物とのキレート結
合化を脂肪乳剤自体の調製の先に行うか、後に行うかは
脂肪乳剤自体の調製に影響を及ぼすものではない。以
下、本発明の脂肪乳剤の調製法を詳細に説明するが、便
宜上、ここでは前者の調製法に準じて調製した例をもっ
て説明する。
【0036】本発明の脂肪乳剤の調製に際しては、まず
キレート性化合物脂肪乳剤の調製を行う。キレート性化
合物脂肪乳剤は、加圧噴射型ホモジナイザー、超音波ホ
モジナイザー等の慣用のホモジナイザーを用いて調製す
ることができ、例えば、各々の所要量の油脂(好ましく
は大豆油)、乳化剤、キレート性化合物及び要すればそ
の他の添加剤(例えば、乳化補助剤、安定化剤、pH調
製剤、等張化剤等)を水と混合し、均質化処理した後、
次いでこれに所要量の水を加え再びホモジナイザーを用
いて均質化を行うことにより容易に調製することができ
る。通常、これらの操作により、平均粒子径が3μm以下
のキレート性化合物脂肪乳剤を調製できる。なお、安定
化剤及び等張化剤を調製脂肪乳剤に加えてもよい。
【0037】かくして得られたキレート性化合物脂肪乳
剤は、次いで常磁性金属原子(好ましくは、ガドリニウ
ム)とキレート結合させる。キレート結合の形成は常法
に準じて行うことができ、例えば、常磁性金属のオキシ
ド又はハライド化合物をキレート性化合物脂肪乳剤に加
えて処理すればよい。脂肪乳剤中のキレート性化合物と
常磁性金属原子は当モルで錯化合物を形成していること
が好ましい。常磁性金属原子とキレート性化合物との錯
化合物の電荷を中和するために、酸(例えば有機酸、無
機酸等)や塩基(例えばアルカリ金属水酸化物、塩基性ア
ミノ酸等)と医薬的に許容される塩を形成させてもよ
い。
【0038】本発明のMRI診断用造影剤は、上記で得
られた常磁性金属原子を含む脂肪乳剤からなる。本発明
のMRI診断用造影剤は、当該脂肪乳剤を常法に準じて
滅菌後、液状製剤としてそのまま使用に供してもよく、
また凍結乾燥製剤に調製してもよい。凍結乾燥は自体公
知の手段により行うことができる。凍結乾燥製剤は、使
用時に生理的に許容される水溶液により希釈又は分散し
て用いられるのが一般的である。
【0039】本発明のMRI診断用造影剤の投与は、非
経口、特に静脈内投与が好ましい。投与量は、投与ルー
ト、投与箇所等によって異なるが、MRI診断を目的と
して成人に対して投与する場合は、乳剤として一般に1
〜500ml/回が好ましい。
【0040】本発明のMRI診断用造影剤は従来の造影
剤と同様にして使用することができ、例えば、本発明の
MRI診断用造影剤を使用したコンピューター断層撮影
法は、薬剤の投与数分後からMRI診断造影装置を用い
てスキャンニングを行い、例えばドット化描画法による
表示を行うことによって実施される。本発明のMRI診
断用造影剤は、脂肪小粒子が網内系臓器、炎症部位等に
移行し、優れたコントラスト増強能を示すという特性を
有するので、肝臓、脾臓等の各種臓器、関節炎、腫瘍
部、血管等の造影に適している。従って、動脈硬化症、
糖尿病、慢性関節リウマチ、癌等の診断に有用である。
特に、アテローム性動脈硬化病及び肝臓腫瘍の診断に有
用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を製造例、参考例、実施例及び
実験例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 製造例11,3−O−ジステアロイルグリセロールの合成 1,3−ジ(ステアロイルオキシ)アセトン 1,3-ジハイドロキシアセトンダイマー4.64g(25mmol)、
ステアリン酸28.4g(100mmol)をピリジン150mlに溶解
し、ジシクロヘキシルカルボジイミド25.0g(120mmol)を
クロロホルム150mlに溶解した溶液を加え、室温にて91
時間撹拌した。アセトン再結晶により目的化合物を15.6
g(収率 50%)で得た。 1,3−O−ジステアロイルグリセロール 1,3-ジ(ステアロイルオキシ)アセトン12.5g(20mmol)
をテトラヒドロフラン200mlに懸濁し、氷冷下、BH3
1Mテトラヒドロフラン溶液を25.5ml(26mmol)滴下した
後、室温にて22時間撹拌した。アセトン再結晶により、
無色針状結晶の目的化合物を8.5g(収率 67%)で得た。
【0042】製造例22−O−(2−アミノエチル)−1,3−O−ジラウリ
ルグリセロールの合成 1,3−O−ジラウリルグリセロール ラウリルアルコール27.0ml(118.8mmol)及び水素化ナト
リウム5.27g(131.6mmol)を無水ジオキサン60mlに加えて
90℃にて30分撹拌した後、氷冷下、エピクロロヒドリン
3.1ml(39.6mmol)を加え4時間加熱還流を行い、1,3-O-
ジラウリルグリセロール及び1,2-O-ジラウリルグリセロ
ールの混合物を得た。 2−O−カルバモイルメチル−1,3−O−ジラウリ
ルグリセロール 水素化カリウム0.79g(6.9mmol)を無水テトラヒドロフラ
ン50mlに懸濁し、1,3-O-及び1,2-O-ジラウリルグリセ
ロールの混合物2.15g(5.0mmol)を無水テトラヒドロフラ
ン12mlに溶解した溶液を加え1時間加熱還流した後、室
温下、ヨード酢酸アミド2.82g(15.3mmol)を無水テトラ
ヒドロフラン10mlに溶解した溶液を加え2時間加熱還流
を行った。カラムクロマトグラム法(溶出液:ヘキサン
−酢酸エチル)にて精製を行い、白色結晶の2-O-カルバ
モイルメチル-1,3-O-ジラウリルグリセロールを得た。 2−O−(2−アミノエチル)−1,3−O−ジラウ
リルグリセロール 2-O-カルバモイルメチル-1,3-O-ジラウリルグリセロー
ル3.34g(7.0mmol)を無水テトラヒドロフラン14mlに溶解
し、氷冷下にて、10MのBH3・Me2S錯体3.5ml(35.0
mmol)を加え3時間加熱還流を行った。カラムクロマト
グラム法(溶出液:ジクロロメタン−メタノール)にて
精製を行い、無色油状の目的化合物を2.16g(収率 64.3
%)得た。
【0043】参考例1ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジアミド類の合成その
(一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=p-C81764NH−,R5=R6=O
Hの化合物、DTPA−DIOA)ジエチレントリアミ
ンペンタ酢酸二無水物2.05g(5.7mmol)を無水DMF100m
lに溶解する。この溶液に、4-オクチルアニリン2.36g(1
1.4mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を加え、室
温にて15時間撹拌する。得られる結晶を濾取し、エーテ
ルにて洗浄、再結晶(溶媒;エタノール:メタノール:ベ
ンゼン=6:1:1)を行い、目的化合物(白色アモルファス、
mp 207.0〜208.5℃)を3.64g(収率 82.7%)で得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ: 0.88
(6H, t, J=6.4Hz),1.2〜1.4 (20H, m), 1.5〜1.7(4H,
m), 2.57 (4H, t, J=7.6Hz), 3.2〜3.4(4H, m), 3.6〜
3.9 (6H, m), 4.33 (4H, s), 4.43 (4H, s), 7.16 (8H,
s) IR(KBr): 3350, 1680, 1620 cm-1
【0044】参考例2ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジアミド類の合成その
(一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=p-C61364NH−,R5=R6=O
Hの化合物、DTPA−DIHA)ジエチレントリアミ
ンペンタ酢酸二無水物2.02g(5.7mmol)を無水DMF100m
lに溶解する。この溶液に、4-ヘキシルアニリン2.02g(1
1.4mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を加え、室
温にて、15時間撹拌する。溶媒を留去し、エーテルを用
いて結晶化し、再結晶(溶媒;THF:メタノール=3:
1)を行い、目的化合物(白色アモルファス、mp 207.5〜2
09.0℃)を3.36g(収率 82.8%)で得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ: 0.88
(6H, t, J=6.2Hz),1.2〜1.4 (12H, m), 1.5〜1.7(4H,
m), 2.58 (4H, t, J=7.7Hz), 3.2〜3.4(4H, m), 3.7〜
3.9 (6H, m), 4.34 (4H, s), 4.44 (4H, s), 7.17 (8H,
s) IR(KBr): 3330, 1680, 1620 cm-1
【0045】参考例3トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸ジアミド類の合成 (一般式[I]の化合物において、m=2,R1=R2
H,R3=R4=p-C81764NH−,R5=R6=O
Hの化合物、TTHA−DIOA)トリエチレンテトラ
アミンヘキサ酢酸二無水物(トリエチレンテトラアミン
ヘキサ酢酸から、無水酢酸及び無水ピリジンを用いる常
法の脱水反応にて取得した)1.20g(2.6mmol)を無水DM
F120mlに溶解する。この溶液に、4-オクチルアニリン
1.04g(5.1mmol)を塩化メチレン10mlに溶解した溶液を加
え、室温にて、4日間撹拌する。得られる結晶を濾取
し、エーテル続いてエタノールにて洗浄、再結晶(溶
媒;THF:メタノール=3:1)を行い、目的化合物(白色
アモルファス、mp 212.5〜214.0℃)を1.55g(収率 68.0
%)で得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ: 0.88
(6H, t, J=6.4Hz),1.2〜1.4 (20H, m), 1.5〜1.7(4H,
m), 2.59 (4H, t, J=7.7Hz), 3.4〜3.8(8H, m), 3.8〜
4.1 (8H, m), 4.36 (4H, m), 4.50 (4H, m), 7.19 (8H,
s) IR(KBr): 3600〜3200, 1720, 1670 cm-1
【0046】参考例4ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノアミド類の合成そ
の1 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=p-C81764NH−,R4=R5=R6=O
Hの化合物、DTPA−OA)75℃にてジエチレントリ
アミンペンタ酢酸二無水物3.00g(8.4mmol)を無水DMF
45mlに溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下した後、前記
温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペンタ酢酸
一無水物を生成させる。この溶液に、4-オクチルアニリ
ン1.75g(8.3mmol)を滴下し、更に1時間前記温度にて撹
拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液: 40%含水メ
タノール)にて精製を行い、目的化合物(白色アモルファ
ス、mp 164.0〜167.0℃)を1.48g(収率 30.0%)で得た。1 H−NMR(CD3OD+CF3COOD)δ: 0.89
(3H, t, J=6.4Hz),1.1〜1.5 (10H, m), 1.5〜1.7(2H,
m), 2.56 (2H, t, J=7.5Hz),3.1〜3.4 (4H, m), 3.4〜
3.6 (4H, m), 3.6〜3.9 (8H, m), 4.36 (2H, s),7.13
(2H, d, J=8.4Hz), 7.49 (2H, d, J=8.4Hz) IR(KBr): 3400〜3000, 1680, 1610 cm-1
【0047】参考例5ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノアミド類の合成そ
の2 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=p-C61364NH−,R4=R5=R6=O
Hの化合物、DTPA−HA)75℃にてジエチレントリ
アミンペンタ酢酸二無水物3.00g(8.4mmol)を無水DMF
45mlに溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下した後、前記
温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペンタ酢酸
一無水物を生成させる。この溶液に、4-ヘキシルアニリ
ン1.47g(8.3mmol)を滴下し、更に1時間前記温度にて撹
拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液: 20%含水メ
タノール)にて精製を行い、目的化合物(微黄色アモルフ
ァス、mp 159.0〜160.0℃)を1.74g(収率 38.0%)で得
た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.89 (3H, t, J=6.5H
z), 1.2〜1.5 (6H, m),1.5〜1.8(2H, m), 2.55 (2H, t,
J=7.5Hz), 3.1〜3.5 (8H, m),3.60 (2H, brs), 3.68
(6H, brs), 3.79 (2H, brs),7.11 (2H, d, J=8.4Hz),
7.53 (2H, d, J=8.4Hz) IR(KBr): 3380〜3000, 1680, 1610 cm-1
【0048】参考例6ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノアミド類の合成そ
の3 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=p-C102164NH−,R4=R5=R6
OHの化合物、DTPA−DeA)75℃にてジエチレン
トリアミンペンタ酢酸二無水物3.97g(11.1mmol)を無水
DMF60mlに溶解し、水0.20ml(11.1mmol)を滴下した
後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、4-デシル
アニリン2.59g(11.1mmol)を無水塩化メチレン5mlに溶解
した溶液を滴下し、更に1時間前記温度にて撹拌する。
カラムクロマトグラム法(溶出液: 40%含水メタノール)
にて精製を行い、目的化合物(白色アモルファス、mp 16
9.0〜172.0℃)を3.06g(収率 45.3%)で得た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.89 (3H, t, J=6.3H
z), 1.2〜1.4 (14H, m),1.5〜1.7 (2H, m), 2.56 (2H,
t, J=7.5Hz), 3.1〜3.4 (8H, m),3.59 (2H, s), 3.63
(4H, s), 3.71 (2H, s), 3.73 (2H, s),7.12 (2H, d, J
=8.3Hz), 7.53 (2H, d, J=8.3Hz) IR(KBr): 3500〜3000, 1680, 1620 cm-1
【0049】参考例7ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノアミド類の合成そ
の4 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=p-C122564NH−,R4=R5=R6
OHの化合物、DTPA−DoA)75℃にてジエチレン
トリアミンペンタ酢酸二無水物3.97g(11.1mmol)を無水
DMF60mlに溶解し、水0.20ml(11.1mmol)を滴下した
後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、4-ドデシ
ルアニリン2.91g(11.1mmol)を無水塩化メチレン5mlに溶
解した溶液を滴下し、更に1時間前記温度にて撹拌す
る。カラムクロマトグラム法(溶出液: 40%含水メタノ
ール)にて精製を行い、目的化合物(白色アモルファス、
mp 171.0〜173.5℃)を2.60g(収率 36.7%)で得た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.89 (3H, t, J=6.4H
z), 1.2〜1.4 (16H, m),1.5〜1.7 (2H, m), 2.56 (2H,
t, J=7.5Hz), 3.1〜3.4 (8H, m),3.50 (2H, s), 3.61
(2H, s), 3.66 (4H, s), 3.71 (2H, s),7.11 (2H, d, J
=8.4Hz), 7.54 (2H, d, J=8.4Hz) IR(KBr): 3500〜3000, 1680, 1620 cm-1
【0050】参考例8トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸モノアミド類の合
成その1 (一般式[I]の化合物において、m=2,R1=R2
H,R3=p-C81764NH−,R4=R5=R6=O
Hの化合物、TTHA−OA)80℃にてトリエチレンテ
トラアミンヘキサ酢酸二無水物4.63g(10.1mmol)を無水
DMF55mlに溶解し、水0.18ml(10mmol)を滴下した後、
前記温度にて、30分間撹拌しトリエチレンテトラアミン
ヘキサ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、4-オク
チルアニリン2.3ml(10.1mmol)を滴下し、更に1時間前記
温度にて撹拌する。HPLC法(溶出液: 35%含水メタ
ノール)にて精製を行い、目的化合物(褐色アモルファ
ス、mp 182〜184℃)を2.28g(収率 33%)で得た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.89 (3H, t, J=6.4H
z),1.1〜1.45 (10H, m), 1.45〜1.7(2H, m), 2.56 (2H,
t, J=7.5Hz),2.9〜3.25 (6H, m), 3.25〜3.55 (10H,
m), 3.57 (2H, s), 3.65〜3.9 (6H, m),7.11 (2H, d, J
=8.4Hz), 7.55 (2H, d, J=8.4Hz) IR(KBr): 3400, 1620 cm-1
【0051】参考例9トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸モノアミド類の合
成その2 (一般式[I]の化合物において、m=2,R1=R2
H,R3=p-C61364NH−,R4=R5=R6=O
Hの化合物、TTHA−HA)80℃にてトリエチレンテ
トラアミンヘキサ酢酸二無水物500mg(1.1mmol)を無水D
MF10mlに溶解し、水0.02ml(1.1mmol)を滴下した後、
前記温度にて、1時間撹拌しトリエチレンテトラアミン
ヘキサ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、4-ヘキ
シルアニリン0.18g(1.0mmol)を滴下し、更に1時間前記
温度にて撹拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液:
20%含水メタノール)にて精製を行い、目的化合物(無色
アモルファス、mp 168.0〜170.0℃)を119mg(収率 18.0
%)で得た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.89 (3H, t, J=6.4H
z), 1.2〜1.5 (6H, m),1.5〜1.7(2H, m), 2.57 (2H, t,
J=7.5Hz), 3.0〜3.3 (6H, m),3.3〜3.5 (6H, m), 3.5
〜3.6 (4H,m), 3.61 (2H, s), 3.7〜3.9 (6H, m),7.11
(2H, d, J=8.4Hz), 7.54 (2H, d, J=8.4Hz) IR(KBr): 3380〜3000, 1680, 1610 cm-1
【0052】参考例10ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジエステル類の合成そ
の1 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=p-C4964CH2O−,R5=R6
OHの化合物)80℃にてジエチレントリアミンペンタ酢
酸二無水物1.43g(4.00mmol)を無水DMF24mlに溶解す
る。この溶液に、4-ブチルベンジルアルコール1.32g(8.
00mmol)を無水DMF12mlに溶解した溶液を加え、前記
温度にて16時間撹拌する。溶媒を留去し、再結晶(溶
媒;クロロホルム−ヘキサン)を行い、目的化合物(白色
アモルファス、mp 61.5〜63.5℃)を2.04g(収率 74.5%)
で得た。1 H−NMR(CDCl3)δ: 0.90 (6H, t, J=7.2H
z), 1.2〜1.4 (4H, m),1.5〜1.6 (4H, m), 2.56 (4H,
t, J=7.6Hz), 3.0〜3.2 (4H, m),3.3〜3.7 (12H, m),
4.0〜4.2 (2H,m), 5.02 (4H, s),7.10 (4H, d, J=8.1H
z), 7.19 (4H, d, J=8.1Hz) IR(KBr): 3400, 1730, 1620 cm-1
【0053】参考例11ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジエステル類の合成そ
の2 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=p−C132764CH2O−,R5=R
6=OHの化合物)参考例10において、4-ブチルベン
ジルアルコールの代りに4-トリデシルベンジルアルコー
ル(慣用の方法にて合成)を用い、同様の方法にて目的
化合物(淡黄色アモルファス、mp157.0〜161.0℃)を得
た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ:0.87(6
H,t,J=6.3Hz),1.2〜1.4(40H,m),1.5〜1.7(4
H,m),2.56(4H,t,J=7.4Hz),3.1〜3.9(10H,
m),4.0〜4.3(8H,m),5.12(4H,brs),7.15(8
H,m) IR(KBr):3400,1730,1700,1620cm-1
【0054】参考例12ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノエステル類の合成
その1 (一般式[I]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=p−C133764CH2O−,R4=R5=R
6=OHの化合物DTPA−TBE)参考例4におい
て、4-オクチルアニリンの代りに4-トリデシルベンジル
アルコールを用い、同様の方法にて目的化合物(淡黄色
アモルファス、mp194.0〜197.0℃)を得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ:0.88(3
H,t,J=6.6Hz),1.2〜1.4(20H,m),1.5〜1.7(2
H,m),2.61(2H,t,J=7.8Hz),3.3〜3.4(4H,
m),3.6〜3.8(4H,m),3.80(2H,s),4.26(6H,
s),4.31(2H,s),5.22(2H,s),7.21(4H,s) IR(KBr):3400,1720,1700,1630cm-1
【0055】参考例13ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノエステル類の合成
その2 [一般式[V]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=−O−CH(CH2OCOC11232,R4
5=R6=OHの化合物、DTPA−GLE]75℃にて
ジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物3.00g(8.4mm
ol)を無水DMF45mlに溶解し、水0.15ml(8.3mmol)
を滴下した後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレント
リアミンペンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液
に、1,3-O-ジラウロイルグリセロール(製造例1に準じ
て合成)3.84g(8.4mmol)を加え、さらに18時間前記温
度にて撹拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液:メ
タノール)及び再結晶(クロロホルム-メタノール)に
て精製を行い、目的化合物(無色アモルファス、mp182.
0〜184.0℃)を2.47g(収率 35.0%)で得た。1 H−NMR(CD3OD+CF3COOD)δ:0.87(6
H,t,J=6.3Hz),1.1〜1.5(32H,m),1.5〜1.8(4
H,m),2.38(4H,t,J=7.3Hz),3.0〜3.5(4H,
m),3.5〜4.0(6H,m),4.0〜4.8(12H,m),5.2〜
5.4(1H,m) IR(KBr):3400,1720,1620cm-1
【0056】参考例14ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノエステル類の合成
その3 [一般式[V]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=−O−CH(CH2OCOC17352,R4
5=R6=OHの化合物]75℃にてジエチレントリアミ
ンペンタ酢酸二無水物3.00g(8.4mmol)を無水DMF45
mlに溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下した後、前記
温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペンタ酢酸
一無水物を生成させる。この溶液に、1,3-O-ジステアロ
イルグリセロール5.25g(8.4mmol)を加え、さらに16時
間前記温度にて撹拌する。再結晶(クロロホルム-メタ
ノール)にて精製を行い、目的化合物(無色アモルファ
ス、mp188.0〜190.0℃)を4.16g(収率 50.0%)で得
た。1 H−NMR(CD3OD+CF3COOD)δ:0.88(6
H,t,J=6.7Hz),1.1〜1.5(56H,m),1.5〜1.8(4
H,m),2.41(4H,t,J=7.6Hz),3.2〜3.6(4H,
m),3.6〜4.0(6H,m),4.0〜4.5(10H,m),4.5〜
4.6(2H,m),5.2〜5.4(1H,m) IR(KBr):3400,1730,1620cm-1
【0057】参考例15ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノアミド類の合成そ
の5 [一般式[V]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=−NHCH2CH2O−CH(CH2OC
12252,R4=R5=R6=OHの化合物]80℃にてジ
エチレントリアミンペンタ酢酸二無水物0.30g(0.8mmo
l)を無水DMF60mlに溶解し、水0.015ml(0.8mmol)
を滴下した後、前記温度にて1.5時間撹拌しジエチレン
トリアミンペンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液
に、2-O-(2-アミノエチル)-1,3-O-ジラウリルグリセロ
ール(製造例2に準じて合成)0.40g(0.8mmol)を加
え、さらに1.5時間前記温度にて撹拌する。カラムクロ
マトグラム法(溶出液:メタノール)にて精製を行い、目
的化合物(白色アモルファス、mp 180.0〜184.0℃)を0.3
1g(収率 58.5%)で得た。1 H−NMR(CD3OD)δ: 0.90 (6H, t, J=6.4H
z), 1.2〜1.4 (36H, m),1.5〜1.7 (4H, m), 3.10〜3.35
(8H, m), 3.35〜3.55 (12H, m),3.55〜3.75 (11H, m) IR(KBr): 3400, 1720, 1630 cm-1
【0058】参考例16ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジエステル類の合成そ
の3 [一般式[V]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=−O−CH(CH2OCOC11232
5=R6=OHの化合物]ジエチレントリアミンペンタ
酢酸二無水物1.00g(2.8mmol)を無水DMF25mlに溶解
する。この溶液に、1,3-O-ジラウロイルグリセロール2.
56g(5.6mmol)を加え、80℃にて21時間撹拌する。フラ
ッシュカラムクロマトグラム法(溶出液:クロロホルム
-メタノール)及びクロマトグラム法(溶出液:メタノ
ール)にて精製を行い、目的化合物(黄色アモルファ
ス、mp55.0〜56.0℃)を1.30g(収率36.0%)で得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(12H,t,J=6.0H
z),1.1〜1.5(64H,m),1.5〜1.9(8H,m),2.32
(8H,t,J=7.0Hz),3.0〜3.4(4H,m),3.4〜3.9(1
2H,m),4.0〜4.6(10H,m),5.1〜5.4(2H,m) IR(CHCl3):3450,1735,1630cm-1
【0059】参考例17ジエチレントリアミンペンタ酢酸モノエステル類の合成
その4 (一般式[VII]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=−O−(3)コレステロール、R4=R5=R6
=OHの化合物、DTPA−ChE)75℃にてジエチレ
ントリアミンペンタ酢酸二無水物3.00g(8.4mmol)を無
水DMF45mlに溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下し
た後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミン
ペンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、コレス
テロール3.25g(8.4mmol)を加え、さらに15時間前記温
度にて撹拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液:30%
含水メタノールで不純物を溶出後、メタノールにて溶
出)に付した後、再結晶(クロロホルム-メタノール)
にて精製を行い、目的化合物(無色アモルファス、mp19
8.0〜200.0℃)を2.13g(収率 33.0%)で得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ:0.69(3
H,s),0.8〜0.9(9H,m),1.0(3H,s),1.1〜1.7
(20H,m),1.7〜2.2(6H,m),2.2〜2.5(2H,m),
3.1〜3.5(4H,m),3.5〜4.0(6H,m),4.0〜4.5(8
H,m),4.6〜4.9(1H,m),5.3〜5.5(1H,m) IR(KBr):3400,1720,1620cm-1
【0060】参考例18ジエチレントリアミンペンタ酢酸ジエステル類の合成そ
の4 (一般式[VII]の化合物において、m=1,R1=R2
H,R3=R4=−O−(3)コレステロール、R5=R6
=OHの化合物)ジエチレントリアミンペンタ酢酸二無
水物0.89g(2.5mmol)を無水DMF15mlに溶解する。こ
の溶液に、コレステロール1.93g(5.0mmol)を無水DM
F10mlに溶解した溶液を加え、70℃にて16時間撹拌す
る。析出した結晶を濾取し、再結晶(クロロホルム-メ
タノール)を行い、目的化合物(淡黄色アモルファス、
mp201.0〜204.0℃)を1.76g(収率 62.3%)で得た。1 H−NMR(CDCl3+CF3COOD)δ:0.69(6
H,s),0.87(12H,d,J=6.6Hz),0.92(6H,d,J=
6.3Hz),1.02(6H,s),1.1〜1.7(40H,m),1.7〜
2.1(12H,m),2.2〜2.5(4H,m),3.3〜3.5(4H,
m),3.6〜3.9(6H,m),4.23(4H,brs),4.31(4
H,brs),4.6〜4.8(2H,m),5.3〜5.4(2H,m) IR(KBr):3400,1730,1710,1640cm-1
【0061】参考例19アルキル化ジエチレントリアミンペンタ酢酸類の合成 (一般式[IX]の化合物においてR7=C1429の化合
物、DTPA−C14)ジエチレントリアミン(16.2m
l, 149mmol)の80%含水エタノール溶液9mlに、85℃に
てα-ブロモヘキサデカン酸(5.0g, 14.9mmol)のエタ
ノール溶液10mlと30%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加
え、同温度にて15時間撹拌し、2-テトラデシル-2-[2-
(2-アミノエチル)アミノエチル)]アミノ酢酸を9g得
た。本化合物を2N水酸化ナトリウム水溶液30mlに溶解
し、α-ブロモ酢酸(20.7g, 149mmol)を2N水酸化ナト
リウム水溶液80mlに溶解した溶液を加え、pHを10に保ち
ながら、90℃にて6時間加熱撹拌した。反応混合物を濃
塩酸を用いて酸性にし、析出物を濾取し、カラムクロマ
トグラム法(溶出液:40%含水メタノール)にて精製を行
い、目的化合物(無色アモルファス、mp188.0〜190.0
℃)を2.55g(収率 29.0%)で得た。1 H−NMR(D2O)δ:0.85(3H,t,J=6.3Hz),1.
05〜1.65(24H,m),1.65〜2.0(2H,m),3.0〜3.4
(6H,m),3.4〜3.65(4H,m),3.65〜3.8(3H,
m),3.8〜4.0(4H,m) IR(KBr):3400,3200,1620cm-1
【0062】実施例1 精製大豆油100gに精製卵黄リン脂質60g及びDTPA−
OA40gを加えた後、混合し、これに1750mlの蒸留水及
び44.2gのグリセリンを加え、ホモミキサーで均質化処
理を行った。次に、マントン-ガウリン型高圧ホモジナ
イザーを用いて高圧乳化を行った。これにより、DTP
A−OAを含有する平均粒子径が1μm以下の均質化され
た極めて微細な脂肪乳剤が得られた。この脂肪乳剤100m
l当り、約1.3gのGdCl3を加え、0.1N 水酸化ナトリ
ウム水溶液にてpHを7.0付近に調整し、十分に振盪混和
後、室温にて1時間放置して、Gd・DTPA−OA脂
肪乳剤を得た。得られたGd・DTPA−OA脂肪乳剤
の生理食塩水に対する浸透圧比は約2.0であった。組成
は以下の通りである。 (組成) Gd・DTPA−OA 2 W/V% 大豆油 5 W/V% 卵黄リン脂質 3 W/V% グリセリン 2.2W/V% 注射用蒸留水 適量
【0063】実施例2 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−DeA40gを用い、実施例1に準じてGd・DTP
A−DeA脂肪乳剤を得た。
【0064】実施例3 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−DoA40gを用い、実施例1に準じてGd・DTP
A−DoA脂肪乳剤を得た。
【0065】実施例4 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−TBE40gを用い、実施例1に準じてGd・DTP
A−TBE脂肪乳剤を得た。
【0066】実施例5 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−GLE40gを用い、実施例1に準じてGd・DTP
A−GLE脂肪乳剤を得た。
【0067】実施例6 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−ChE40gを用い、実施例1に準じてGd・DTP
A−ChE脂肪乳剤を得た。
【0068】実施例7 実施例1において、DTPA−OA40gの代りにDTP
A−C14 40gを用い、実施例1に準じてGd・DT
PA−C14脂肪乳剤を得た。
【0069】実施例8 実施例1において、精製卵黄リン脂質量を12gにする以
外は実施例1に準じて、目的のGd・DTPA−OA脂
肪乳剤を得た。
【0070】実施例9 実施例1の原料としてオレイン酸ナトリウム0.5g及びホ
スファチジン酸0.5gをさらに添加する以外は実施例1に
準じて行い、同様に目的の脂肪乳剤を得た。
【0071】実施例10 DTPA−OA5.8gを蒸留水800mlに溶解した水溶液
に、0.05MのGdCl3溶液200mlを徐々に加え、0.1N水
酸化ナトリウム水溶液を加えることによりpHを7.0付
近に保ちながら撹拌して、室温で約1時間反応させた。
反応後、反応液を凍結乾燥し、7.92gのGd・DTPA
−OAを得た。かくして得られたGd・DTPA−OA
2.0gと、精製大豆油5.0g、精製卵黄リン脂質3.0g、グリ
セリン1.0g及び蒸留水92.1mlとを混合し、15分間超音波
破砕器にて乳化を行った。0.1N水酸化ナトリウム水溶液
にてpHを7.0付近に調整し、平均粒子径が1μm以下の
均質化された極めて微細な脂肪乳剤を得た。
【0072】実施例11 精製大豆油30gに精製卵黄リン脂質18g(ホスファチジル
エタノールアミン20%含有)を加えた後、混合し、これ
に185mlの蒸留水を加え、ホモミキサーで均質化処理を
行った。次に、マントン-ガウリン型高圧ホモジナイザ
ーを用いて高圧乳化を行い、平均粒子径が1μm以下の均
質化された極めて微細な脂肪乳剤を得た。この乳剤20ml
に無水DTPA250mgをpH8に調整しながら添加し、1時
間室温にて撹拌した。この操作を3回繰り返し、計1000
mgの無水DTPAを添加した。得られた乳剤に1mMのG
dCl3溶液を乳剤1ml当り0.4ml添加し蒸留水に対して
透析を行い(2日間)、目的のGd・DTPA−PE脂
肪乳剤を得た。
【0073】実施例12 実施例11において、精製卵黄リン脂質18gの代りに精
製ホスファチジルコリン(卵黄由来)9g及び精製ホスフ
ァチジルエタノールアミン(卵黄由来)9gを用いて、実
施例11に準じて目的のGd・DTPA−PE脂肪乳剤
を得た。
【0074】実験例1キレート性化合物とガドリニウムとの錯化合物のミセル
限界濃度の測定 参考例4、6、7、12、13、16及び18で調製さ
れたキレート性化合物とガドリニウムとの錯化合物のミ
セル限界濃度を測定した。測定は、Corrin, M.L., Hark
ins, W. D., J. Am. Chem. Soc., 69, 679(1947)及
びHerzfeld, S.H., J. Phys. Chem., 56, 953(1952)
に準じて行った。結果を以下に示す。
【0075】 ミセル限界濃度(mM) Gd・DTPA−OA 4.1 Gd・DTPA−DeA 1.0 Gd・DTPA−DoA 0.4 Gd・DTPA−TBE 0.5 Gd・DTPA−GLE 0.4 Gd・DTPA−ChE 0.4 Gd・DTPA−C14 7.0
【0076】実験例2包埋率の測定 実施例1、2、3及び7で調製された脂肪乳剤の包埋率
を測定した。測定は以下の手順で行った。 乳剤を水で10倍に希釈したもの、及び100倍に希
釈したもの各0.5mlを限外濾過器にて遠心分離し(5000r
pm、30分)、濾液を得る。 濾過前の乳剤とこの濾液について、キレート性化合物
とガドリニウムとの錯化合物の濃度を高速液体クロマト
グラム法にて測定し、下記式から包埋率を計算する。 包埋率=(A−B)x100/A A=濾過前の乳剤のキレート性化合物とガドリニウムと
の錯化合物の濃度 B=濾液のキレー性化合物とガドリニウムとの錯化合物
の濃度 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム C18カラム 溶媒 メタノール:1%トリエチルアミン(pH 8)
=65:35 流量 1ml/分
【0077】 包埋率(%) 10倍希釈 100倍希釈 Gd・DTPA−OA脂肪乳剤 62.2 45.2 Gd・DTPA−DeA脂肪乳剤 94.1 77.2 Gd・DTPA−DoA脂肪乳剤 99.7 89.8 Gd・DTPA−C14脂肪乳剤 72.5 45.7
【0078】実験例3血中半減期の測定 実施例1で得られたGd・DTPA−OA含有脂肪乳剤
を、コレステロールを3カ月連続経口摂取させて作成し
た動脈硬化モデルウサギ(アテロームウサギ)に投与し
た。大腿静脈内にカニュレーションしたカテーテルより
6時間まで経時的に採血し、投与後の血中濃度を測定し
た。測定は、採血した血液から遠心分離にて上清を得、
エタノールにて洗浄後、高速液体クロマトグラム法(65%
メタノール、1%トリエチルアミン、pH7.0、C18カラム)
にて行った。なお、薬剤は2ml/分の速度で耳殻静脈から
200μmol/kgを持続投与した。測定結果を図1に示す。
【0079】実験例4本発明のMRI診断用造影剤を用いたアテロームの診断 動脈硬化モデルウサギを無麻酔下、背位に固定し、本発
明で得られた脂肪乳剤を2ml/分の速度で耳殻静脈から20
0μmol/kg持続投与した。投与後、5分、30分及び6時
間後にウサギを薬殺し、胸部大動脈を取り出し、大動脈
外側に付着した脂肪を慎重に取り除いた後、血管を切り
開き、動脈硬化部を切りだした。切り出した試料を、N
MR用試料管に入れ、MRI撮像を行った。MRIシス
テムは、Siemens Magnetom 1.5Tを用い、コイルはEye c
oilを使用した。撮像条件は、繰り返し時間(TR)=500m
sec、エコー時間(TE)=22msec、スライス厚=1mm、積算
回数=8回、マトリックス=128×256とした。得られた画
像には、血管内の動脈硬化部分が極めて鮮明に描き出さ
れ、投与30分後の画像は動脈硬化が進行していると思わ
れる血管壁の肥厚している部分で著明な高信号強度を示
した。下記に最大信号強度比(maxSIR)を示す。
なお、maxSIRは、同一画像での水との信号強度比
を意味する。
【0080】 maxSIR Gd・DTPA−OA脂肪乳剤 5.9 Gd・DTPA−DoA脂肪乳剤 5.0 Gd・DTPA−PE脂肪乳剤 5.0
【0081】実験例5ラット臓器内分布の測定 本発明の脂肪乳剤を尾静脈よりボーラス投与した。投与
後、所定時間経過したのちに動物をCO2ガスで屠殺後
脱血し、各臓器(肝臓、腎臓、脾臓)を取り出した。各
臓器をホモジナイズした後、エタノールを加え、遠心分
離を行い上清を得、高速液体クロマトグラム法(実験例
3参照)にて測定を行った。その結果を図2及び図3に
示す。図2はGd・DTPA−OA脂肪乳剤(投与量:
0.2mmol/kg)を、図3はGd・DTPA−DeA脂肪乳
剤(投与量:0.02mmol/kg;なお、腎臓及び脾臓分布は
省略)を投与した場合を示す。図2及び図3に示される
ように、本発明の脂肪乳剤は肝臓へ優れた集積性を示し
た。
【0082】実験例6本発明のMRI診断用造影剤を用いた肝癌の診断 Wistar系雄性ラット(体重250g前後)をsodium pentoba
rbital(50mg/kg腹腔内投与)麻酔下、背位に固定する。
腹部を剃毛後、正中線に沿って開腹し、肝臓の方形葉を
露出する。ハンクス液に懸濁したWalker 256 carcinosa
rcoma(2.5×107cell/50μl)をステンレス針(31G)で
肝臓(方形葉)の皮膜内に注入する。腫瘍移植7日後に
ウレタン麻酔(1.25g/kg、腹腔内投与)し、造影剤を尾
静脈より投与、30分静置の後、MRI撮像を行った。測
定条件はスライス厚3mmとする以外は実験例4と同一で
ある。
【0083】 信号強度 投与量 癌組織 正常組織 比 Gd・DTPA−DoA脂肪乳剤 0.01mmol/kg 330.1 385.1 0.86 〃 0.02mmol/kg 401.2 483.1 0.83 比:癌組織信号強度/正常組織信号強度
【0084】
【発明の効果】本発明の常磁性金属原子を含む脂肪乳剤
によれば、脂肪小粒子に常磁性金属原子が均一に分散さ
れているので、安定且つ均質に常磁性金属原子を含有さ
せることができる。また、本発明のMRI診断用造影剤
は、上記の特性を有する脂肪乳剤からなり、脂肪小粒子
が網内系、炎症部位、動脈硬化部位等にまで移行し、優
れたコントラスト増強能を示すという性質を有し、肝
臓、脾臓等の各種臓器、関節炎、腫瘍部、血管等の造影
を有利に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例3において、動脈硬化ウサギに本発明の
脂肪乳剤を投与したときの血中濃度の推移を示す図であ
る。
【図2】実験例5におけるラット臓器内への薬剤分布率
(投与量:0.2mmol/kg)を示す図である。
【図3】実験例5におけるラット肝臓内への薬剤分布率
(投与量:0.02mmol/kg)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 和樹 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 新留 正和 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 岡野 忠 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 大橋 孝子 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 森 文男 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 金 尚元 吹田市五月ケ丘北18−1−301 (72)発明者 丸川 太▲朗▼ 名古屋市昭和区広路本町3−1 ピア3C −4 (72)発明者 小塚 ▲隆▼弘 神戸市須磨区関守町2−3−15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常磁性金属原子を含有する脂肪乳剤。
  2. 【請求項2】 常磁性金属原子を含有する脂肪乳剤か
    らなる磁気共鳴画像診断用造影剤。
  3. 【請求項3】 常磁性金属原子と当該金属とキレート
    結合しうる化合物との錯化合物を含有する脂肪乳剤から
    なる請求項2記載の磁気共鳴画像診断用造影剤。
  4. 【請求項4】 常磁性金属原子とキレート結合しうる
    化合物が、一般式 [式中、mは1から3の整数、 R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は低級ア
    ルキル基、 R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又
    は基: (式中、nは0又は1、 Xは−NH−又は−O−、Yはアルキレン基、 Aは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハ
    ロゲン原子又はトリフルオロメチル基、Bはアルキル基
    又はアルケニル基を示す)を示す。但し、R3、R4、R
    5及びR6のうち、水酸基は2又は3個であり、水酸基が
    2個の場合にはR3及びR5が共に水酸基であるもの並び
    にR4及びR6が共に水酸基であるものを除く。]で表さ
    れる化合物又はその塩である請求項3記載の磁気共鳴画
    像診断用造影剤。
  5. 【請求項5】 常磁性金属原子とキレート結合しうる
    化合物が、一般式 [式中、mは1から3の整数、 R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は低級ア
    ルキル基、 R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又
    は基: (式中、QおよびTは、同一又は異なって、−NH−又
    は−O−、 D及びEは、同一又は異なって、炭素数6以上の脂肪酸
    残基又は炭素数6以上のアルキル基、 pは0から6の整数を示し、pが0のときはTはないも
    のとする)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のう
    ち、水酸基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合に
    はR3及びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6
    が共に水酸基であるものを除く。]で表される化合物又
    はその塩である請求項3記載の磁気共鳴画像診断用造影
    剤。
  6. 【請求項6】 常磁性金属原子とキレート結合しうる
    化合物が、一般式 [式中、mは1から3の整数、 R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は低級ア
    ルキル基、 R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又
    は基: −Q−(CH2p−T−ステロール (式中、Q及びTは、同一又は異なって、−NH−又は
    −O−、 pは0から6の整数を示し、pが0のときはTはないも
    のとし、またステロールの結合位置は3位である)を示
    す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水酸基は2又
    は3個であり、水酸基が2個の場合にはR3及びR5が共
    に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共に水酸基であ
    るものを除く。]で表される化合物又はその塩である請
    求項3記載の磁気共鳴画像診断用造影剤。
  7. 【請求項7】 常磁性金属原子とキレート結合しうる
    化合物が、一般式 (式中、mは1から3の整数、 R7は炭素数6以上のアルキル基を示す。)で表される
    化合物又はその塩である請求項3記載の磁気共鳴画像診
    断用造影剤。
  8. 【請求項8】 常磁性金属原子とキレート結合しうる
    化合物が、一般式 [式中、mは1から3の整数、 R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は低級ア
    ルキル基、 R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又
    は基: (式中、R8及びR9は、同一又は異なって、脂肪酸残基
    を示す)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、
    水酸基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合にはR
    3及びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共
    に水酸基であるものを除く。]で表される化合物又はそ
    の塩である請求項3記載の磁気共鳴画像診断用造影剤。
  9. 【請求項9】 ホスファチジルエタノールアミンを含
    有する脂肪乳剤を調製後、エチレンジアミンテトラ酢酸
    の酸無水物、ジエチレントリアミンペンタ酢酸の酸無水
    物又はトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸の酸無水物を
    反応させることを特徴とする請求項8記載の磁気共鳴画
    像診断用造影剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から8のいずれかに記載の
    磁気共鳴画像診断用造影剤からなる動脈硬化症診断剤。
  11. 【請求項11】 請求項1から8のいずれかに記載の
    磁気共鳴画像診断用造影剤からなる肝臓腫瘍診断剤。
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