JPH0517535A - シリル基を有する含フツ素共重合体及び塗料用組成物 - Google Patents

シリル基を有する含フツ素共重合体及び塗料用組成物

Info

Publication number
JPH0517535A
JPH0517535A JP19585191A JP19585191A JPH0517535A JP H0517535 A JPH0517535 A JP H0517535A JP 19585191 A JP19585191 A JP 19585191A JP 19585191 A JP19585191 A JP 19585191A JP H0517535 A JPH0517535 A JP H0517535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
fluorine
weight
parts
containing copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19585191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3093345B2 (ja
Inventor
Toru Ishida
徹 石田
Shunichi Kodama
俊一 児玉
Nobuyuki Miyazaki
信幸 宮崎
Kazunori Chiba
和典 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP03195851A priority Critical patent/JP3093345B2/ja
Publication of JPH0517535A publication Critical patent/JPH0517535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3093345B2 publication Critical patent/JP3093345B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐候性に優れ、高い撥水性が長期にわたって持
続され、かつ着氷防止性、貼紙防止性などに優れた塗膜
を与える含フッ素共重合体および塗料用組成物を提供す
る。 【構成】テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフ
ィン系単量体と、ビニロキシシラン、アリロキシシラン
またはイソプロペノキシシランなどのシラン系単量体に
基づく重合単位を必須単位とし、必要により、炭化水素
系単量体および硬化反応性部位を有する単量体に基づく
単位を有する重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリル基を有する含フ
ッ素共重合体及び塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開昭57-34107号、特開昭
58-136662 号公報に示されるように、フルオロオレフィ
ン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル共重合体
が、メラミン、イソシアネート等の硬化剤により、室温
及び焼付け硬化が可能であり、光沢に富む耐溶剤性、耐
薬品性、撥水性に優れた耐候性塗膜を与えることを既に
見いだしている。しかしながら上記共重合体の溶剤型塗
料としての応用を進めた結果、例えば自動車の上塗り塗
料などの用途においては、より高度な美観の追求がなさ
れると、上記の含フッ素樹脂共重合体は必ずしも撥水性
が十分でない。
【0003】また、この点を補うために、上記含フッ素
共重合体100 重量部当り、該含フッ素共重合体と共架橋
可能なパーフルオロアルキル基含有重合体0.1 〜30重量
部が配合された塗料用樹脂組成物が提案されている(特
開昭61ー152771 号公報参照)。しかしながら、該塗料用
組成物から得られる塗膜は比較的良い初期撥水性を示す
ものの、ワックスをかけた状態と比較するとまだ見劣り
がし、その持続性も十分とは言えない。また、パーフル
オロアルキル基を含有するため撥油性も高く、塗膜のハ
ジキ等の欠陥が生じやすいなどの欠点があった。
【0004】更に、後述の式b´)で表されるシリル基
を含有するビニル系単量体を単独で重合して得られる重
合体、及びフルオロオレフィン以外のビニル系単量体と
共重合して得られる共重合体は、容易に加水分解してし
まうため、撥水性は高いものの、塗料用樹脂として使用
することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた前述のような欠点を解決し、塗膜外観及び塗
膜性能(例えば耐候性、撥水性、着氷防止性、貼紙防止
性など)に優れた塗膜を与える塗料用組成物に使用され
る、シリル基を有する含フッ素共重合体および塗料用組
成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明のシリル基を有
する含フッ素共重合体が配合された塗料用組成物から得
られる塗膜は、優れた撥水性、特に高い後退接触角を示
し、かつ、その持続性も長期にわたるため、自動車用上
塗り塗料、着氷防止用塗料、貼紙防止用塗料として好適
である。特に、自動車用上塗り塗料として用いる場合に
は、パーフルオロアルキル基を含有する他の撥水性塗料
と比較して、塗膜形成時のハジキなどの欠陥が生じにく
いなどの利点を有する。
【0007】本発明において、高い撥水性を実現するた
めの鍵となる技術は、以下に示される式b)で表される
シリル基を含有する重合単位と式a)で表されるフルオ
ロオレフィン系重合単位とを含有するという点にある。
【0008】後述の式b´)のシリル基を含有するビニ
ル系単量体は、単独で重合して得られる重合体、及びフ
ルオロオレフィン以外のビニル系単量体と共重合して得
られる共重合体が、容易に加水分解してしまうことが知
られており(S.Murahashi,S.Nozakura et al.,J.Polyme
r Sci.(B),3,245(1965) )、塗料用の樹脂としては使用
できなかったが、この単量体とフルオロオレフィンとの
共重合体が、意外なことに非常に加水分解しにくく、特
開昭57-34107号、特開昭58-136662 号公報に示されるよ
うな、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエー
テル、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル共重合体に代表される含フッ素共重合体と
同等の耐酸性、耐アルカリ性、その他の耐薬品性を有す
ることが、実施例に示される実験により発見された。
【0009】また、このシリル基を有する含フッ素共重
合体を配合してなる塗料用組成物から得られる塗膜は、
耐候性、高い撥水性、耐溶剤性、耐薬品性を有すること
を知った。
【0010】本発明における、シリル基を有する含フッ
素共重合体は、式a)で表されるフルオロオレフィン系
重合単位を40〜60モル%、式b)で表されるシリル基を
含有する重合単位を0.5 〜60モル%、式c)で表される
ビニル系重合単位を0 〜55モル%、式d)で表される硬
化反応性部位を有する重合単位を0 〜55モル%含有する
ものである。(ただし、式a)、式b)、式c)および
式d)において、Xはフッ素、塩素、炭素数1〜8のパ
ーフルオロアルキル基または炭素数1〜8のパーフルオ
ロアルコキシ基を表す。R1 は水素またはメチル基を表
す。R2 は1価の炭化水素基を表す。Yはオルガノシロ
キシ基またはフルオロアルキル基を表す。kは0または
1を表す。mは0〜3の整数を表す。R3は水素または
メチル基を表す。R4 は炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数2〜1
0のフルオロアルキル基を表す。pは0または1を表
す。qは0または1を表す。R5 は水素またはメチル基
を表す。R6 は2価の有機基を表す。rは0または1を
表す。Zは硬化反応性部位を表す。)
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】本発明のシリル基を有する含フッ素共重合
体は、次の式a´)、式b´)、式c´)および式d
´)で表わされる単量体を共重合することにより得るこ
とができる。また、必要により、各単量体の一部を保護
した後重合し、重合後その保護を解除してもよい。
【0016】式a´) CF2 =CFX (ただし、X
はフッ素、塩素、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル
基または炭素数1〜8のパーフルオロアルコキシ基を表
す。)
【0017】式b´) CH2 =CR1 (CH2k
Si (R2m(3-m) (ただし、R1 は水素または
メチル基を表す。R2 は1価の炭化水素基を表す。Yは
オルガノシロキシ基またはフルオロアルキル基を表す。
kは0または1を表す。mは0〜3の整数を表す。)
【0018】式c´) CH2 =CR3 (CH2p
(C=O)q4 (ただし、R3は水素またはメチル
基を表す。R4 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数
3〜12のシクロアルキル基または炭素数2〜10のフ
ルオロアルキル基を表す。pは0または1を表す。qは
0または1を表す。)
【0019】式d´) CH2 =CR5 (CH2r
6 Z (ただし、R5 は水素またはメチル基を表す。
6 は2価の有機基を表す。rは0または1を表す。Z
は硬化反応性部位を表す。)
【0020】ここで、式a)で表されるフルオロオレフ
ィン系重合単位が上記範囲よりも少ない場合には、塗料
ベースとして使用した場合に、十分な耐候性が得られ
ず、好ましくない。また、多すぎると、各種溶剤に対す
る溶解性が低下し、塗料ベースまたは塗料添加剤として
の使用が難しくなる。
【0021】ここで、式a´)で表されるフルオロオレ
フィン系単量体としては、テトラフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフ
ルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程度のフルオロオ
レフィンや、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パ
ーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキシルビニルエ
ーテルのごとき、Xが炭素数1〜8程度で、直鎖状、分
岐状または環状のパーフルオロビニルエーテルが挙げら
れる。
【0022】また、式b)で表されるシリル基を含有す
る重合単位が上記範囲より少ない場合には、塗膜の撥水
性が十分なものが得られず、また多すぎると十分な耐候
性が得られず、好ましくない。式b)で表されるシリル
基を含有する重合単位の特に好ましい範囲は、5〜40
モル%である。
【0023】ここで、式b´)で表されるシリル基を含
有するビニル系単量体としては、R2 が1種または2種
以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基また
はアラルキル基のものが好ましい。特に、R2 が炭素数
1〜6程度のアルキル基、シクロアルキル基またはアリ
ール基のものが好ましい。
【0024】式b´)で表されるシリル基を含有するビ
ニル系単量体として好適な化合物として、ビニロキシト
リメチルシラン、ビニロキシエチルジメチルシラン、ビ
ニロキシヘキシルジメチルシラン、ビニロキシシクロヘ
キシルジメチルシラン、ビニロキシフェニルジメチルシ
ラン、イソプロペノキシトリメチルシラン、イソプロペ
ノキシエチルジメチルシラン、イソプロペノキシヘキシ
ルジメチルシラン、イソプロペノキシシクロヘキシルジ
メチルシラン、イソプロペノキシフェニルジメチルシラ
ンなどの、ケイ素原子上にビニロキシ基またはイソプロ
ペノキシ基とアルキル基、またはフェニル基を有するも
のや、ビニロキシペンタメチルジシロキサン、ビニロキ
シヘプタメチルトリシロキサン、イソプロペノキシペン
タメチルジシロキサン、イソプロペノキシヘプタメチル
トリシロキサンなどの、ケイ素原子上にビニロキシ基ま
たはイソプロペノキシ基と(ポリ)オルガノシロキシ基
を有するもの、1H,1H,2H,2H −パーフルオロデシルジメ
チルシリルビニルエーテル、1H,1H,2H,2H −パーフルオ
ロデシルジメチルシリルイソプロペニルエーテルなど
の、ビニロキシ基またはイソプロペノキシ基とポリフル
オロアルキル基を含有するシラン化合物、また、トリメ
チルシリルアリルエーテルなどの、アリルシリルエーテ
ル類などが挙げられる。
【0025】中でも、特にビニロキシトリメチルシラ
ン、イソプロペノキシトリメチルシランは、原料が安価
で、合成法も容易(例えば、P.Cazeau et al, Tetrahed
oron Vol.43, No.9, pp.2075 (1987) に記載の方法)で
ある上、撥水性も高いので好適である。
【0026】また、式c)で表されるビニル系重合単位
が上記範囲よりも少ないと塗膜の性質が十分なものとな
らず、多すぎると、塗膜の耐候性などが低下することが
あり、好ましくない。式c)で表されるビニル系重合単
位の特に好適な範囲は、5〜35モル%である。
【0027】式c´)で表されるビニル系単量体として
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテル、などのビニルエーテル類;メ
チルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニルエ
ーテル、プロピルイソプロペニルエーテル、ブチルイソ
プロペニルエーテル、シクロヘキシルイソプロペニルエ
ーテル、などのイソプロペニルエーテル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸イソ
プロペニル、プロピオン酸イソプロペニル、酪酸イソプ
ロペニルなどの直鎖状のカルボン酸ビニルまたはカルボ
ン酸イソペニル類;エチルアリルエーテル、プロピルア
リルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリ
ルエーテルなどのアリルエーテル類;エチルアリルエス
テル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステ
ル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリル
エステルなどのアルキルアリルエステル類などが挙げら
れる。
【0028】中でも、特にビニルエーテル類、イソプロ
ぺニルエーテル類がフルオロオレフィンとの交互共重合
性が良く、好ましい。
【0029】また、式d)で表される硬化反応性部位を
有する重合単位が上記範囲よりも少ない場合には、塗料
ベースとして使用した場合に硬化塗膜の耐溶剤性が低下
することがあり、好ましくない。また、多すぎる場合に
は、硬化塗膜が固く、脆いものになったり、硬化塗膜中
に残存する水酸基が撥水性を低下させる原因になったり
することがあり、好ましくない。式d)で表される硬化
反応性部位を有する重合単位の特に好適な範囲として
は、5〜20モル%である。
【0030】式d´)で表される硬化反応性部位を有す
るビニル系単量体の硬化反応性部位としては、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、酸アミド基、アミノ基、メル
カプト基、β−ケトエステル基、シラノール基などの活
性水素基や、エポキシ基、炭素−炭素不飽和基、臭素、
ヨウ素などの活性ハロゲン基、アルコキシシリル基など
の加水分解性シリル基などが挙げられる。
【0031】これらのうち、活性水素含有基は通常硬化
剤として使用されるイソシアネート系硬化剤、アミノプ
ラスト系硬化剤などとの反応性に優れるという点におい
て好ましく、特にヒドロキシル基が好適である。ただ
し、活性水素基は、式b´)で表されるシリル基を含有
するビニル系単量体と反応してしまうので、式d´)で
表される単量体をシリル基などで保護してから共重合
し、重合後、脱保護する必要がある。
【0032】また、式d´)で表される硬化反応性部位
を有するビニル系単量体の、R6 としては、アルキレン
基、シクロアルキレン基、アリーレン基、(ポリ)オキ
シアルキレン基、(ポリ)エステル鎖、(ポリ)シロキ
シ基が好適である。また、R6 の鎖長を長くすると、柔
軟な塗膜を得ることができるが、長くなり過ぎると耐候
性や塗膜硬度が低下することがあり好ましくない。ま
た、短か過ぎると硬化反応性部位の反応性が低くなり硬
化塗膜を得難くなることがあるので注意を要する。好適
には、R6 の鎖を1〜20、特には、2〜12の原子の
結合にすることが好ましい。
【0033】かかる硬化反応性部位を有するビニル系単
量体としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニル
エーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチ
ルシクロヘキサン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエー
テル類;2−ヒドロキシエチルイソプロペニルエーテ
ル、3−ヒドロキシプロピルイソプロペニルエーテル、
4−ヒドロキシブチルイソプロペニルエーテル、9−ヒ
ドロキシノニルイソプロペニルエーテル、1−ヒドロキ
シメチル−4−イソプロペノキシメチルシクロヘキサ
ン、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピルイソプロペニ
ルエーテルなどのヒドロキシアルキルイソプロペニルエ
ーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテルなどの
ヒドロキシアルキルアリルエーテル類;化9、化10、
化11、化12などの片末端にビニロキシ基またはイソ
プロペノキシ基またはアリルオキシ基と、他端にヒドロ
キシル基とを有するポリエーテルマクロモノマー類;
【0034】
【化9】
【0035】(化9におけるR1 は水素またはメチル
基、kは 1〜10、mは 1〜4 、nは 2〜20の整数)
【0036】
【化10】
【0037】(化10におけるkは 1〜10、mは 1〜4
、nは 2〜20の整数)
【0038】
【化11】
【0039】(化11におけるR1 は水素またはメチル
基、kは1〜10、mは 1〜4 、nは0〜20の整数であり、
オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はブロッ
ク、ランダムのいずれの型で配列されていてもよい)
【0040】
【化12】
【0041】(化12におけるkは 1〜10、mは 1〜4
、nは0 〜20の整数であり、オキシエチレン単位及び
オキシプロピレン単位はブロック、ランダムのいずれの
型で配列されていてもよい)
【0042】化13などの片末端にビニロキシ基または
イソプロペノキシ基と、他端にヒドロキシル基とを有す
るポリエステルマクロモノマー類;
【0043】
【化13】
【0044】(化13におけるR1 は水素またはメチル
基、kは1〜10、mは 3〜5 、nは1〜5 の整数)
【0045】化14などの片末端にビニロキシ基または
イソプロペノキシ基と、他端にヒドロキシル基とを有す
るポリシロキサンマクロモノマー類;
【0046】
【化14】
【0047】(化14におけるR1 は水素またはメチル
基、kは1〜10、mは 1〜20)
【0048】化15などの片末端にビニロキシ基または
イソプロペノキシ基と、他端にカルボキシル基とを有す
る単量体;
【0049】
【化15】
【0050】(化15におけるR1 は水素またはメチル
基、R2 は炭素数 1〜10のアルキル基または炭素数 3〜
10のシクロアルキル基、kは 1〜10の整数)
【0051】化16などの片末端にビニロキシ基または
イソプロペノキシ基と、他端にβ−ケトエステル基とを
有する単量体;などの活性水素を有するビニル系単量体
が挙げられる。
【0052】
【化16】
【0053】(化16におけるR1 は水素またはメチル
基、R2 は炭素数 1〜10のアルキル基または炭素数 3〜
10のシクロアルキル基、kは 1〜10の整数)
【0054】これらの活性水素はトリアルキルシリル基
などの保護基で置換され、重合時に、上記式b)で表さ
れるシリル基を含有するビニル系単量体との反応から保
護される必要があり、重合後、1級アルコールなどの添
加により脱保護して再び活性水素とすることができる。
【0055】また、活性水素以外の硬化反応性部位を有
するビニル系単量体としては、化17、化18、化19
などの、鎖状または脂環式のエポキシまたはグリシジル
基と、ビニロキシ基またはイソプロペノキシ基とを有す
る単量体;
【0056】
【化17】
【0057】(化17におけるR1 は水素またはメチル
基、R2 は炭素数 1〜10のアルキル基、kは 1〜 10の
整数)
【0058】
【化18】
【0059】(化18におけるR1 は水素またはメチル
基、kは1〜10の整数)
【0060】
【化19】
【0061】(化19におけるR1 は水素またはメチル
基、kは1〜10の整数)
【0062】または2−ビニロキシエチルトリメトキシ
シランなどの加水分解性シリル基を有するビニル系単量
体などが挙げられる。
【0063】これらの、式a´)〜d´)で表される単
量体は、それぞれ、単独で使用されていてもよく、複数
種が併用されていても良い。
【0064】また、本発明の含フッ素共重合体を塗料ベ
ースとして使用する場合には、未架橋状態でテトラヒド
ロフラン中30℃における固有粘度(以下、[η]とい
う)が、0.05〜2.0 dl/g のものが好ましい。[η]が
上記範囲より小さいものは、塗膜の強度が得られ難く、
また大きいものは、塗料化、塗装作業性等が悪く、好ま
しくない。特に、[η]が0.1 〜1.5 dl/g のものが好
ましい。
【0065】上記のごとき共重合体は、所定割合の単量
体混合物に重合触媒の共存下、あるいは非共存下に、重
合開始剤あるいは電離性放射線などの重合開始源を作用
せしめて共重合反応を行わしめることによって製造可能
である。
【0066】ここで、重合開始剤としては、重合形式あ
るいは重合媒体に応じて、水溶性のものあるいは油溶性
のものが適宜使用可能である。
【0067】具体的には、水溶性開始剤としては、過硫
酸カリウムのごとき過硫酸塩、過酸化水素あるいはこれ
らと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのごと
き還元剤からなるレドックス開始剤、さらにはこれらに
少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた系等の無機
系開始剤、またはジコハク酸パーオキシド、ジグルタル
酸パーオキシド、モノコハク酸パーオキシドのごとき二
塩基酸酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩基酸塩
等の有機系開始剤が、また、油溶性開始剤としては、t
−ブチルパーオキシアセテートのごときパーオキシエス
テル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ートのごときジアルキルパーオキシジカーボネート、ベ
ンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等
が例示される。
【0068】重合開始剤の使用量は、種類、共重合反応
条件に応じて適宜変更可能であるが、通常は共重合され
るべき単量体全量に対して、0.05〜0.5 重量%程度が採
用される。
【0069】上記共重合反応に際して、反応形式として
は特に限定されることはなく、塊状重合、懸濁重合、乳
化重合、溶液重合等が採用しうるが、重合操作の安定
性、生成共重合体の分離の容易性等から、水性媒体中で
の乳化重合あるいはt−ブタノール等のアルコール類、
エステル類、1個以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン
化炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素等を溶媒と
する溶液重合等が好ましく採用される。なお、水性媒体
中で共重合反応を行わせる場合には、塩基性緩衝剤を添
加して、重合中の液のpH値が4、好ましくは6を下回ら
ないようにすることが好ましい。溶液重合による場合に
も塩基性物質の添加は有効である。
【0070】また、これらの方法は回分式、半連続式、
連続式等の操作によって行い得ることはもちろんであ
る。かかる共重合反応に際して、共重合反応温度は−30
℃〜+150 ℃の範囲内で重合開始剤、重合媒体等の種類
等に応じて、適宜最適値が選定されるが、水性媒体中で
共重合反応を行わせる場合には、0 ℃〜+100 ℃、好ま
しくは10℃〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力
は、適宜選定可能であるが、通常は、1 〜100 kg /cm
2 、特に、2 〜50 kg /cm2 程度を採用するのが望まし
い。
【0071】また、生成共重合体の[η]を前記範囲に
抑えるために、連鎖移動定数の比較的大きい反応媒体を
使用したり、適宜連鎖移動剤の共存下に共重合反応を行
わしめることが好ましい。
【0072】本発明の含フッ素共重合体は、耐候性、撥
水性、防汚性、耐薬品性、非粘着性を有する塗膜を与え
る塗料ベースまたは塗料添加剤として有用である。
【0073】本発明の含フッ素共重合体を塗料ベースと
して使用する場合には、硬化剤などを配合して塗料用組
成物とすることが好ましい。ここで、硬化剤としては、
本発明の含フッ素共重合体の硬化反応部位と反応し得る
基を有し、良好な硬化体を与えるものが採用される。か
かる硬化剤としては、ポリイソシアネート系、アミノプ
ラスト、多塩基酸無水物、金属アルコキシドなどを挙げ
ることができる。
【0074】ポリイソシアネート系としては、ヘキサメ
チレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート
などのポリイソシアネート化合物、メチルシリルトリイ
ソシアネートなどのシリルイソシアネート化合物や、こ
れらの部分縮合物、多量体や、イソシアネート基をフェ
ノールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリ
イソシアネート化合物などが例示される。特に無黄変タ
イプのものが好ましく採用される。
【0075】アミノプラストとしては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、尿素樹脂などが採用される。中でもメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
の低級アルコールの1種または2種以上により少なくと
も部分的にエーテル化されたメチロールメラミンが採用
される。
【0076】多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、
無水ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸無水物
や無水マレイン酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カル
ボン酸などが例示される。
【0077】本発明において、各成分の配合量は適宜選
定することが可能であるが、耐候性など本発明の含フッ
素共重合体のもつ優れた塗膜性能を損なわないために
は、上記含フッ素共重合体100 部当り、硬化剤が 0.5〜
300 重量部程度の量が採用される。特に、含フッ素共重
合体100 部当り、硬化剤を5.0 〜100 重量部程度とする
ことが好ましい。
【0078】本発明の塗料用組成物は、上記2成分の他
に必要に応じ各種添加剤などが含まれていてもよい。か
かる添加剤としては、溶剤、合成樹脂、硬化触媒、熱安
定剤、レベリング剤、滑剤、顔料、染料、粘度調節剤、
分散安定剤、紫外線吸収剤、ゲル化防止剤などが挙げら
れる。
【0079】特に、紫外線吸収剤が添加されていると、
透明な塗膜としたときにも基材の保護効果が十分に発揮
され好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、通常塗料
に配合され得る紫外線吸収剤の全てが使用可能であり、
例えば、フェニルサリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤が使用可能で
ある。また、反応性を有する紫外線吸収剤を用いること
により、その効果を長期にわたって発揮させることも可
能である。紫外線吸収剤は、含フッ素共重合体100 部当
り、0.01〜50重量部程度、特に、0.1 〜30重量部程度の
範囲で使用することが好ましい。
【0080】また、本発明の含フッ素共重合体を有機溶
剤に溶解または分散する場合、かかる溶剤としては、キ
シレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、n−ブタノ
ールなどのアルコール類、酢酸ブチルなどのエステル
類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エチルセ
ルソルブグリコールエーテル類などに加えて市販の各種
シンナーも採用可能であり、これらを種々の割合で混合
して使用することも可能である。
【0081】また、本発明の含フッ素共重合体を他の合
成樹脂に添加した場合、本発明の含フッ素共重合体は塗
膜表面に配向する傾向があるため、表面層に本発明の含
フッ素共重合体に基づく塗膜層が形成されることにな
る。従って、本発明の含フッ素共重合体は、合成樹脂塗
料に少量添加した場合であっても、優れた耐候性、撥水
性、防汚性、耐薬品性、非粘着性などの塗膜物性を達成
することができる。
【0082】合成樹脂塗料に本発明の含フッ素共重合体
を添加して使用する場合、塗膜形成性樹脂成分 100重量
部当り本発明の含フッ素共重合体を 1〜80重量部程度、
特に、 5〜50重量部程度配合して塗料用組成物とするこ
とが好ましい。本発明の含フッ素共重合体の配合量があ
まりにも少ないと、塗膜に優れた諸性能を付与すること
ができず、また多すぎてもコストアップ等経済的に不利
な場合もある。
【0083】ここで、合成樹脂塗料としては、アクリル
系、ウレタン系、フッ素系、フェノール系、エポキシ
系、シリコーン系などの一般の合成樹脂塗料が採用され
る。
【0084】本発明の塗料用組成物の調合に際しては、
ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ニーダー、三
本ロール、ペイントシェーカーなどの通常樹脂組成物の
調合等に用いられる種々の調合機を用いることができ
る。
【0085】また、上記のごとき本発明の含フッ素共重
合体が塗料ベース、または塗料添加剤として使用された
塗料用組成物による上塗り塗装が施された鋼板は自動車
外板としてきわめて有用である。
【0086】通常このような自動車鋼板は、意匠性等の
ため、合成樹脂塗料により、中塗り塗装が施されてい
る。本発明の含フッ素共重合体の配合された塗料組成物
による上塗り塗装は、中塗り塗料の乾燥・硬化前の塗
装、いわゆるウエット・オン・ウエット塗装でもよく、
中塗り塗料の乾燥・硬化後の塗装、いわゆるドライ・オ
ン・ウエット塗装でもよい。さらに、合成樹脂塗料が塗
装されて、使用されているものに上塗り塗装してもよ
い。
【0087】本発明の含フッ素共重合体が配合された塗
料による上塗り塗装が施された自動車用外板は、耐候
性、撥水性、防汚性、耐薬品性、非粘着性などの優れた
塗膜性能が長期にわたって持続するため、洗浄、ワック
スがけといった作業を軽減せしめることができる。
【0088】また、本発明の含フッ素共重合体が配合さ
れた塗料用組成物は、かかる組成物による塗膜が、長期
にわたって氷結防止性能を保持するため、着氷防止塗料
用組成物として有用である。この用途に用いる場合、本
発明の含フッ素共重合体 100重量部に対して、ポリイソ
シアネート、またはブロック化されたポリイソシアネー
トが 5〜50重量部された塗料用組成物が使用される。硬
化剤としてポリイソシアネートを用いれば、2液型の塗
料として使用でき、またブロック化されたポリイソシア
ネートを用いれば、1液型とすることができる。
【0089】更に、必要に応じて本発明の着氷防止塗料
用組成物に、通常塗料に用いられている顔料、染料等を
樹脂固形分 100重量部に対し、120重量部以下程度の範
囲で添加することができる。その他、着氷防止の持続性
の改良と、氷−塗膜界面におけるせん断破壊力を低下さ
せるため、流動パラフィンのようなパラフィン物質を配
合せしめてもよい。その他界面活性剤や添加剤も適宜加
えることができる。
【0090】また、本発明の含フッ素共重合体が配合さ
れた塗料用組成物は、非粘着性を有するので、貼紙防止
用塗料として有用である。この用途に用いる場合、市販
のアクリル、ウレタン、エポキシ、フッ素樹脂 100重量
部に対し、本発明の含フッ素共重合体を 5〜60重量部配
合して塗料用組成物とすることができる。更に、適宜必
要に応じて、塗膜形成樹脂成分 100重量部当り、5 〜30
重量部程度の硬化剤を用いることとし、また、可塑剤等
の種々の添加剤も適宜加えることができる。
【0091】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を具
体的に説明するが、かかる実施例・比較例によって、本
発明は何ら限定されるものではない。
【0092】実施例1(シリル基を有する含フッ素共重
合体(SF−1)の合成) 内容積 200 cc のステンレス製撹拌機付きオートクレー
ブにキシレン50.7g、t−ブチルアルコール50.7g、及
び表1に示した割合のイソプロペノキシトリメチルシラ
ン(以下、IPSEという)、シクロヘキシルビニルエ
ーテル(以下、CHVEという)、エチルビニルエーテ
ル(以下、EVEという)、4−トリメチルシロキシブ
チルビニルエーテル(以下、S−HBVEという)及
び、t−ブチルパーオキシピパレート 0.1g、炭酸カリ
ウム 0.8gを仕込み、液体窒素による固化・脱気によ
り、溶存酸素を除去した。
【0093】しかるのち、表1に示した割合のクロロト
リフルオロエチレン(以下、CTFEという)をオート
クレーブ中に導入し、徐々に昇温した。オートクレーブ
中の温度が 65 ℃に達した後、24時間撹拌下に反応を続
け、更にエタノール10gを導入して、2時間撹拌を続け
た後、オートクレーブを氷冷し、反応を停止した。室温
に達した後、未反応の単量体をパージし、オートクレー
ブを開放した。
【0094】得られた重合体を水/メタノール(1:
1)中に投入し、上澄み液を除去した後 60 ℃に加熱
し、1mmHgの減圧下で 24 時間かけて乾燥した後、
衝撃式ハンマーで粉砕し、シリル基を有する含フッ素共
重合体(SF−1)を得た。得られた共重合体の[η]
の値は 0.10 dl/gであった。また、IRスペクトルによ
りS−HBVEに基づく重合単位が全てヒドロキシブチ
ルビニルエーテル(以下、HBVEという)に基づく重
合単位に変換されていることが確認された。IRスペク
トルの図を図1に示し、13C−NMRスペクトルによる
共重合体組成の測定結果を表2に示す。
【0095】実施例2〜4(シリル基を有する含フッ素
共重合体(SF−2〜4)の合成) 単量体の割合が表1に示す割合である他はすべて実施例
1と同様に行った。13C−NMRスペクトルによる共重
合体組成および[η]の測定結果を表2に示す。
【0096】比較例1〜2(従来のフッ素樹脂共重合体
(F−1〜2)の合成) 単量体の割合が表1に示す割合である他はすべて実施例
1と同様に行った。13C−NMRスペクトルによる共重
合体組成および[η]の測定結果を表2に示す。
【0097】
【表1】
【0098】TFE:テトラフルオロエチレン PPVE: パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) VEOVA:バーサチック酸ビニル
【0099】
【表2】
【0100】比較例3 三口フラスコ中にアゾビスイソブチロニトリル 0.1gと
酢酸エチル50gをとり、80℃に加熱しながら1H,1H,2H,2
H-パーフルオロオクチルメタクリレートを10.3g、メタ
クリル酸n−ブチルを12.0g、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルを 2.7g、メタクリル酸を 0.6g、ドデシル
メルカプタンを 0.5g、アゾビスイソブチロニトリルを
0.1g、酢酸エチル20gからなる溶液を3時間で滴下し
た。その後同温度で2時間撹拌し、樹脂固形分49%、
数平均分子量7000のアクリル樹脂(以下、PFMAとい
う)の溶液を調製した。比較例1で得られた共重合体
(F−1)100 重量部に対し、上記PFMA 5重量部を
添加して塗料用樹脂(F−3)が得られた。
【0101】塗料用組成物製造例1 上記実施例1で得られたシリル基を有する含フッ素共重
合体(SF−1)のキシレン溶液(65%)を用いて、
下記に示す組成でクリアーコート用塗料を製造した。配
合量は重量部で示した。また、SF−2〜4、比較例1
〜3で得られたF−1〜3についても同様の方法で製造
した。次いで、ソルベッソ 150 (商標名:エクソン社
製)で粘度25秒(フォードカップ 4/20℃)となるよう
に希釈し、スプレーガンでの塗装に供した。
【0102】 SF−1(65%キシレン溶液) 154部 ユーバン20SE 注1) 50部 n−ブチルアルコール 10部 チヌビン 900 (10%キシレン) 注2) 24部 チヌビン 144 (10%キシレン) 注3) 8部 BYK300 注4) 0.5部
【0103】注1)ブチル化メラミン系硬化剤:三井東
圧(株)社製。注2)紫外線吸収剤:チバガイギー社
製。注3)光安定剤:チバガイギー社製。注4)表面調
節剤:BYKケミー社製。
【0104】試験板の作製及び塗膜性能試験1 リン酸亜鉛で化成処理した厚さ 0.8mm のダル鋼板に、
自動車用カチオン電着塗料を膜厚25μになるように塗装
し、170 ℃で30分加熱硬化させた。次に自動車用中塗り
塗料を塗装し、140 ℃で30分焼き付けた後、600 番のサ
ンドペーパーで水研ぎし、乾燥させた後ホワイトガソリ
ンで脱脂し、試験用の素材とした。
【0105】この素材上に、ベースコート用塗料を粘度
13.5秒に調整した後、エアースプレーガンW−61(イ
ワタカップ社製)を用いて、乾燥膜厚で18μとなるよう
に塗装し、室温で3 分間放置後、上記SF−1を用いた
クリアーコート用塗料を、エアースプレーガンW−61
を用いて、乾燥膜厚で30μの厚さにウエット・オン・ウ
エット塗装し、室温で10分間放置後熱風乾燥炉で140 ℃
で30分間焼付けて、試験板を作製した。
【0106】このようにして得られた各試験板につい
て、各種塗膜性能を評価した結果を表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】1) スガ試験機(株)社製デジタル変角光
沢計 UGV-4D を用いて測定 2) 三菱鉛筆(株)社製ユニを用いて硬度を測定 3) 10%硫酸 0.3ccを塗面にスポットし、20℃で24時間
放置した後水洗し塗面を観察 4) 10%NaOH 0.3ccを塗面にスポットし、20℃で24時間
放置した後水洗し塗面を観察 5) レギュラーガソリン(日本石油(株)社製)に室温
で24時間浸漬後、外観を目視評価 6) 協和界面科学(株)社製 FACE 接触角計 (CA-D型)
を用いて水の接触角を測定 7) デューパネル光コントロールウェザーメーター(ス
ガ試験機(株)社製)4000時間暴露試験後、60°光沢保
持率、色差ΔE及び撥水性を測定
【0109】塗料用組成物製造例2 上記実施例1で得られたシリル基を有する含フッ素共重
合体(SF−1)のキシレン溶液(65%)とヘキサメ
チレンジイソシアネート(コロネート2906:日本ポリウ
レタン(株)社製)からなる2液型塗料を、固形分比で
82/18 の割合に配合して着氷防止用塗料を製造した。配
合量は重量部で示した。
【0110】また、SF−2〜4、比較例1〜3で得ら
れたF−1〜3についても同様の方法で製造した。
【0111】試験板の作製及び塗膜性能試験2 上記SF−1を用いた着氷防止用塗料を、リン酸クロム
処理したアルミニウム板に、乾燥膜厚が約25μとなるよ
うアプリケーターで塗装し、120℃で30分間乾燥させて
着氷力試験用の試験板を作製した。また、SF−2〜4
についても同様の方法で試験板を作製した。
【0112】また、比較例4としてポリテトラフルオロ
エチレンフィルム(日本バルカー(株)社製)をラミネ
ートしたもの(CH−1)、比較例5としてポリフッ化
ビニルフィルム(テドラー:デュポン社製)をラミネー
トしたもの(CH−2)を試験板とした。
【0113】これらの試験板について、初期、屋外暴露
3ヶ月後及び流水浸漬後の着氷せん断破壊強度の測定結
果及び、物性試験の結果を表4に示した。
【0114】
【表4】
【0115】1) 着氷せん断破壊強度試験方法:上記
の、着氷防止用塗料を塗装したアルミニウム板の上に、
ステンレス製リング(内面積5cm2)を置き、このものを
−10℃の冷凍試験恒温槽の中にいれ、90分間予備冷却す
る。ついで、5 ℃に保たれた蒸留脱イオン水2ml をリン
グ中に注ぎ氷結させることにより、試験体表面に接着し
た氷が得られる。−10℃で2時間この状態に放置した
後、ロードセルに連結させ、金属製作動棒によってリン
グに衝撃を与えて氷を剥離させるせん断破壊強度を測定
した。
【0116】2) 物性試験における評価基準は、次に示
す5点法で行った。 5点:試験部位での塗膜の剥離が全くない 4点:試験部位での塗膜の剥離面積が1/20以下 3点:試験部位での塗膜の剥離面積が1/20〜1/5 以下 2点:試験部位での塗膜の剥離面積が1/5 〜1/2 以下 1点:試験部位での塗膜の剥離面積が1/2 以上
【0117】3) 塗膜にカッターナイフを用いて、1mm
間隔で100 個のゴバン目をつくり、セロハン粘着テープ
(ニチバン(株)社製)による引き剥しを行う。
【0118】4) デュポン衝撃試験機により、撃心径1/
2 インチ、錘の重量500g、落錘高さ50cmの条件で、試験
板の未塗装方向から衝撃を加えた後、衝撃部にセロハン
粘着テープによる引き剥しを行う。
【0119】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のシリル基を
有する含フッ素共重合体及び塗料用組成物は、塗膜外観
及び塗膜性能(耐候性、撥水性、着氷防止性、貼紙防止
性など)に優れた塗膜を与えるという効果を有するもの
である。このような効果によって、本発明のシリル基を
有する含フッ素共重合体及び塗料用組成物は自動車用塗
料、着氷防止塗料および貼紙防止塗料に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合体のIRスペクトルの図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 和典 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式a)で表されるフルオロオレフィン系重
    合単位を40〜60モル%、式b)で表されるシリル基を含
    有する重合単位を0.5 〜60モル%、式c)で表されるビ
    ニル系重合単位を0 〜55モル%、式d)で表される硬化
    反応性部位を有する重合単位を0 〜55モル%含有する、
    シリル基を有する含フッ素共重合体。(ただし、式
    a)、式b)、式c)および式d)において、Xはフッ
    素、塩素、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基また
    は炭素数1〜8のパーフルオロアルコキシ基を表す。R
    1 は水素またはメチル基を表す。R2 は1価の炭化水素
    基を表す。Yはオルガノシロキシ基またはフルオロアル
    キル基を表す。kは0または1を表す。mは0〜3の整
    数を表す。R3 は水素またはメチル基を表す。R4 は炭
    素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロア
    ルキル基または炭素数2〜10のフルオロアルキル基を
    表す。pは0または1を表す。qは0または1を表す。
    5 は水素またはメチル基を表す。R6 は2価の有機基
    を表す。rは0または1を表す。Zは硬化反応性部位を
    表す。) 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】式b)で表されるシリル基を含有する重合
    単位が、イソプロペノキシトリアルキルシランに基づく
    重合単位である、請求項1の含フッ素共重合体。
  3. 【請求項3】式b)で表されるシリル基を含有する重合
    単位が、ビニロキシトリアルキルシランに基づく重合単
    位である、請求項1の含フッ素共重合体。
  4. 【請求項4】未架橋状態で有機溶剤に可溶であり、テト
    ラヒドロフラン中30℃における固有粘度が0.05〜2.0dl
    /g である請求項1の含フッ素共重合体。
  5. 【請求項5】請求項1の含フッ素共重合体および硬化剤
    が含まれる塗料用組成物。
  6. 【請求項6】請求項1の含フッ素共重合体100 重量部当
    り、硬化剤が0.5 〜300 重量部の割合で含まれる塗料用
    組成物。
  7. 【請求項7】請求項1の含フッ素共重合体、硬化剤およ
    び紫外線吸収剤が含まれる塗料用組成物。
  8. 【請求項8】請求項1の含フッ素共重合体100 重量部当
    り、紫外線吸収剤が0.01〜50重量部、硬化剤が0.5 〜30
    0 重量部の割合で含まれる塗料用組成物。
  9. 【請求項9】塗膜形成性樹脂成分100 重量部当り、請求
    項1の含フッ素共重合体が1 〜80重量部配合された塗料
    用組成物。
  10. 【請求項10】合成樹脂塗料により形成された中間塗膜
    上に、請求項1の含フッ素共重合体100 重量部当り、紫
    外線吸収剤が0.01〜50重量部、硬化剤が0.5 〜300 重量
    部の割合で含まれる塗料組成による上塗り塗装が施され
    た自動車外板。
  11. 【請求項11】合成樹脂塗料により形成された中間塗膜
    上に、塗膜形成性樹脂成分100 重量部当り、請求項1の
    含フッ素共重合体が1 〜80重量部配合された塗料組成に
    よる上塗り塗装が施された自動車外板。
  12. 【請求項12】請求項1の含フッ素共重合体を必須の成
    分として含むことを特徴とする着氷防止塗料用組成物。
  13. 【請求項13】請求項1の含フッ素共重合体を必須の成
    分として含むことを特徴とする貼紙防止塗料用組成物。
JP03195851A 1991-07-10 1991-07-10 シリル基を有する含フッ素共重合体を含有する塗料用組成物 Expired - Lifetime JP3093345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03195851A JP3093345B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 シリル基を有する含フッ素共重合体を含有する塗料用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03195851A JP3093345B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 シリル基を有する含フッ素共重合体を含有する塗料用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0517535A true JPH0517535A (ja) 1993-01-26
JP3093345B2 JP3093345B2 (ja) 2000-10-03

Family

ID=16348066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03195851A Expired - Lifetime JP3093345B2 (ja) 1991-07-10 1991-07-10 シリル基を有する含フッ素共重合体を含有する塗料用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3093345B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148327A (ja) * 1991-11-28 1993-06-15 Central Glass Co Ltd 塗料用樹脂組成物
US6614353B2 (en) 2002-01-14 2003-09-02 Smc Kabushiki Kaisha Constant-temperature liquid circulating device having a proportional valve based predictive system for pre-estimating a need for maintenance
US6749016B2 (en) 2002-01-14 2004-06-15 Smc Kabushiki Kaisha Brine temperature control apparatus using a three-way proportional valve
WO2006027958A1 (ja) * 2004-09-09 2006-03-16 Daikin Industries, Ltd. 加水分解性金属アルコキシド部位を有する含フッ素化合物、該化合物から得られる硬化性含フッ素ポリマーおよび該ポリマーを含む硬化性含フッ素樹脂組成物
JP2011219653A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Asahi Glass Co Ltd 風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物、ならびに風力発電機のブレードおよびその製造方法
CN102812059A (zh) * 2010-04-08 2012-12-05 旭硝子株式会社 含氟烯烃/乙烯醇共聚物及其制造方法
JP2017165958A (ja) * 2016-03-10 2017-09-21 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
JP2018052524A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 Jfeコンテイナー株式会社 金属製ドラム缶

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148327A (ja) * 1991-11-28 1993-06-15 Central Glass Co Ltd 塗料用樹脂組成物
US6614353B2 (en) 2002-01-14 2003-09-02 Smc Kabushiki Kaisha Constant-temperature liquid circulating device having a proportional valve based predictive system for pre-estimating a need for maintenance
US6749016B2 (en) 2002-01-14 2004-06-15 Smc Kabushiki Kaisha Brine temperature control apparatus using a three-way proportional valve
USRE44096E1 (en) 2004-09-09 2013-03-19 Daikin Industries, Ltd. Fluorine-containing compound having hydrolyzable metal alkoxide moiety, curable fluorine-containing polymer prepared from the same compound, and curable fluorine-containing resin composition comprising the same polymer
JPWO2006027958A1 (ja) * 2004-09-09 2008-05-08 ダイキン工業株式会社 加水分解性金属アルコキシド部位を有する含フッ素化合物、該化合物から得られる硬化性含フッ素ポリマーおよび該ポリマーを含む硬化性含フッ素樹脂組成物
US7585926B2 (en) 2004-09-09 2009-09-08 Daikin Industries, Ltd. Fluorine-containing compound having hydrolyzable metal alkoxide moiety, curable fluorine-containing polymer prepared from the same compound, and curable fluorine-containing resin composition comprising the same polymer
JP5012025B2 (ja) * 2004-09-09 2012-08-29 ダイキン工業株式会社 加水分解性金属アルコキシド部位を有する含フッ素化合物、該化合物から得られる硬化性含フッ素ポリマーおよび該ポリマーを含む硬化性含フッ素樹脂組成物
WO2006027958A1 (ja) * 2004-09-09 2006-03-16 Daikin Industries, Ltd. 加水分解性金属アルコキシド部位を有する含フッ素化合物、該化合物から得られる硬化性含フッ素ポリマーおよび該ポリマーを含む硬化性含フッ素樹脂組成物
CN102812059A (zh) * 2010-04-08 2012-12-05 旭硝子株式会社 含氟烯烃/乙烯醇共聚物及其制造方法
JP5796571B2 (ja) * 2010-04-08 2015-10-21 旭硝子株式会社 含フッ素オレフィン/ビニルアルコール共重合体の製造方法
US9290595B2 (en) 2010-04-08 2016-03-22 Asahi Glass Company, Limited Process for the production of a flouroolefin/vinyl alcohol copolymer
JP2011219653A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Asahi Glass Co Ltd 風力発電機のブレードの表面塗布用塗料組成物、ならびに風力発電機のブレードおよびその製造方法
JP2017165958A (ja) * 2016-03-10 2017-09-21 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
JP2017190461A (ja) * 2016-03-10 2017-10-19 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
JP2018052524A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 Jfeコンテイナー株式会社 金属製ドラム缶

Also Published As

Publication number Publication date
JP3093345B2 (ja) 2000-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5348126B2 (ja) コーティング剤用組成物
KR100714328B1 (ko) 도료 조성물
CN103429627B (zh) 含氟共聚物
KR20140067149A (ko) 수성 분산체 및 그 제조 방법
JP6432509B2 (ja) 水性塗料用組成物、水性塗料用キットおよび塗膜を有する物品
JPH0517535A (ja) シリル基を有する含フツ素共重合体及び塗料用組成物
JP2004307666A (ja) 塗料用含フッ素共重合体、塗料用組成物および塗料
IE68775B1 (en) Cross-linkable fluorinated copolymer process for its manufacture and its application in paints and varnishes
JP3716946B2 (ja) 熱硬化性粉体塗料用樹脂組成物
JP6323320B2 (ja) 塗料用組成物および塗装物品
WO2010101146A1 (ja) コーティング剤組成物
JPH06122730A (ja) 含フッ素共重合体および該共重合体を主成分とする塗料用組成物
JPH05255451A (ja) オルガノシリルオキシ基を有する含フッ素共重合体の製造方法
KR100464721B1 (ko) 수지 조성물
JPH073201A (ja) 塗料用の硬化性樹脂組成物
JPH07286126A (ja) 無機・有機複合被覆剤用バインダー
JPH09137113A (ja) フッ素樹脂塗料用組成物
JP3033151B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH06306323A (ja) 塗料用組成物
JP4830298B2 (ja) 積雪地用硬化型含フッ素塗料用組成物
JPH0841415A (ja) 樹脂組成物
JPH073202A (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物
JP3107198B2 (ja) プレコートメタル用塗料組成物
JP2000212501A (ja) フッ素系塗料用組成物
JPH06287507A (ja) 含フッ素ブロック共重合体及び塗料用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080728

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080728

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

EXPY Cancellation because of completion of term