JPH05129872A

JPH05129872A - 表面波共振子、表面波フイルタ、分波器および移動無線装置

Info

Publication number: JPH05129872A
Application number: JP29124491A
Authority: JP
Inventors: Hideo Onuki; 秀男大貫; Norio Hosaka; 憲生保坂
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1991-11-07
Filing date: 1991-11-07
Publication date: 1993-05-25

Abstract

(57)【要約】【目的】高性能な表面波共振子、表面波フィルタ、分波
器、移動無線装置を得る。【構成】１個ののすだれ状電極を中心に配置し、その両
側に対称に配置され、電気的に並列に接続した複数組の
すだれ状電極を用い、中心のすだれ状電極と並列に接続
した各組のすだれ状電極を直列に接続して１端子対表面
波共振子を構成し、該表面波共振子の中心よりその表面
波伝搬路の外側に向けて、徐々にあるいは段階的に表面
波の励振強度が弱くなるような重みつけをした。直列に
接続されるすだれ状電極の、各段ごとの静電容量をほぼ
等しくする。この共振子を用いた表面波フィルタ、分波
器および移動無線装置。【効果】電気インピーダンスが高く、かつ共振尖鋭度の
大きい表面波共振子を実現できる。小形で高性能な表面
波フィルタ、分波器と超小形の移動無線装置を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圧電基板上に形成する
表面波共振子、表面波フィルタ、移動無線機用分波器、
および移動無線装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の表面波共振子は、例えば特開昭６
０−６５６１０号公報に示されているように、複数個の
すだれ状電極を直列に接続したものが知られている。ま
た、例えば日本学術振興会弾性波素子技術第１５０委員
会第２４回研究会資料（平成２年１０月）第１から第７
ページには表面波共振子の重み付けに関する記述があ
る。また、表面波共振子を用いて表面波フィルタおよび
分波器を構成する方法に関して、例えば特開昭６３−１
３２５１５号公報が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術に示され
る表面波共振子を用いて表面波フィルタを構成する場合
に、減衰量不足や挿入損失が大きいなどの問題があっ
た。

【０００４】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
を解決し、小形で通過帯域の挿入損失が小さく、阻止帯
域の減衰量が大きい表面波フィルタを実現することにあ
る。また、本発明の他の目的は、小形の分波器を構成
し、小形で軽量な移動無線装置を実現することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、複数個のすだれ状電極を直列又は直並列
に接続して一つの音響伝搬路を形成するように構成され
た１端子対表面波共振子において、この表面波共振子の
中心より音響伝搬路の外側に向けて、徐々にあるいは段
階的に表面波の励振強度が弱くなるような重みつけをし
た。重みつけの方法として交差幅重み付け（アポダイ
ズ）あるいは間引き法あるいは抵抗重み付け法を用い
た。また、これらの表面波共振子を用いて表面波フィル
タおよび分波器を構成した。また、上記した表面波フィ
ルタおよび分波器を用いて移動無線装置を構成した。

【０００６】

【作用】複数個のすだれ状電極を直列又は直並列に接続
して表面波共振子を構成しているため、各すだれ状電極
の対数を変えるあるいは各すだれ状電極の接続方法を変
えるなど、表面波共振子の電気インピーダンス特性の設
計自由度が大きい。また、表面波共振子の中心より外側
に向けて、徐々にあるいは段階的に表面波の励振強度が
弱くなるような重みつけをしているため、表面波共振子
の音響伝搬路端部から外部に漏洩する表面波のエネルギ
ーをより小さくできるので、共振尖鋭度を大きくでき
る。一方、表面波共振子を組合せて構成する表面波フィ
ルタにおいては、フィルタの性能に応じて、共振尖鋭度
が大きくかつ種々のインピーダンス特性を有する共振子
が必要である。したがって、上記した表面波共振子を組
合せて表面波フィルタを構成することにより、より高性
能な表面波フィルタを実現できる。また、この表面波フ
ィルタを用いて、超小形の分波器や移動無線装置を実現
できる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１乃至図５
により説明する。図１に示す表面波共振子２は、図２に
示すすだれ状電極３、図３に示すすだれ状電極４、およ
び図４に示すすだれ状電極５を用いて、これらの表面波
伝搬路が直線状になるように圧電基板１上に、横方向に
配列して構成される。各すだれ状電極間の間隔、たとえ
ばすだれ状電極３の右端の電極指とすだれ状電極４の左
端の電極指との間隔は、各すだれ状電極の電極指間の間
隔と同様で良い。電気的には、すだれ状電極３と５は並
列に接続され、これがすだれ状電極４と直列に接続し、
端子６と７で外部と接続される。表面波共振子２は、そ
の全体の中心より外側に向けて、徐々に表面波の励振強
度が弱くなるようにアポダイズ法により重みづけをして
いる。また、すだれ状電極４の静電容量と、並列に接続
されているすだれ状電極３と５の静電容量の合成値とが
ほぼ等しくなるように、すだれ状電極３、４、５の各電
極指数を設定している。このような構成とすることによ
り、図６に示す従来の一般的な表面波共振子で、総電極
指数がほぼ同じ場合に比べて、その電気インピーダンス
を約４倍にすることができる。また、同時に表面波共振
子２全体の重み付けにより、その共振尖鋭度、特に***
振周波数の共振尖鋭度を大きくすることができる。図６
に示した一般的な表面波共振子では、共振周波数での共
振尖鋭度を大きくするために電極指数を多くすると、静
電容量も大きくなって電気インピ−ダンスが低くなる。
したがって、***振周波数の共振尖鋭度を大きくするた
めに重みづけをしても***振周波数における電気インピ
ーダンスを大きくすることは難しい。

【０００８】以上説明したように本実施例によれば、電
気インピーダンスが高く、かつ共振尖鋭度の大きい表面
波共振子を実現できる。また、すだれ状電極を図５に示
すように配置、接続しても全く同様の効果が得られる。
また、この実施例では並列に接続した１組のすだれ状電
極を用いたが、複数組のすだれ状電極を用いることによ
り、より電気インピーダンスが高くできる。

【０００９】次に、本発明の第２の実施例を図７乃至図
１１により説明する。図７に示す表面波共振子１２は、
図８に示すすだれ状電極１３、図９に示すすだれ状電極
１４、および図１０に示すすだれ状電極１５を用いて、
これらの表面波伝搬路が直線状になるように圧電基板１
上に、横方向に配列して構成される。各すだれ状電極間
の間隔、たとえばすだれ状電極１３の右端の電極指とす
だれ状電極１４の左端の電極指との間隔は、各すだれ状
電極の電極指間の間隔と同様で良い。電気的には、すだ
れ状電極１３と１５は並列に接続され、これがすだれ状
電極１４と直列に接続し、端子１６と１７で外部と接続
される。表面波共振子１２は、その全体の中心より外側
に向けて、徐々に表面波の励振強度が弱くなるように間
引き法により重みづけをしている。また、すだれ状電極
１４の静電容量と、並列に接続されているすだれ状電極
１３と１５の静電容量の和とがほぼ等しくなるように、
すだれ状電極１３、１４、１５の各電極指数を設定して
いる。

【００１０】以上説明したように本実施例によれば、第
一の実施例と同様に、電気インピーダンスが高く、かつ
共振尖鋭度の大きい表面波共振子を実現できる。また、
本実施例では回折に伴う損失が少なくできる利点があ
る。また、すだれ状電極を図１１に示すように配置、接
続しても全く同様の効果が得られる。

【００１１】次に、本発明の第３の実施例を図１２によ
り説明する。図１２は本発明の表面波共振子を組合せて
構成した表面波フィルタのブロック図である。図１，
５，７または図１１に示す表面波共振子３１、３２、３
３、３４の一方の電極を接地し、他方の電極間をキャパ
シターやインダクタなどの結合素子３５、３６、３７で
結合している。３８、３９、４０、４１は、整合素子
で、端子４２、４３の特性インピ−ダンスに合うように
設定する。この種のフィルタは、例えば特開昭６３−１
３２５１５号公報に記載されているように、フィルタの
仕様に応じて表面波共振子３１、３２、３３、３４の特
性や結合素子３５、３６、３７の値を定める。この実施
例の表面波共振子３１、３２、３３、３４は共振インピ
ーダンス特性の設計自由度が大きいから表面波フィルタ
の性能向上および小型化が実現できる。

【００１２】図１３は本発明の表面波共振子を組合せて
構成した表面波フィルタの他の実施例を示すブロック図
である。図１，５，７または図１１に示す表面波共振子
５１，５２の一方の電極を接地し、他方の電極間を図
１，５，７または図１１に示す表面波共振子５３で結合
している。５４，５５，５６，５７は、整合素子で、端
子５８，５９の特性インピ−ダンスに合うように設定す
る。この種のフィルタは、表面波共振子５１，５２，５
３の共振インピーダンス特性を大きく変化させる必要が
あるため、図１，５，７または図１１に示す本発明の表
面波共振子を用いることがより効果的である。また、図
１４に示すように、本発明の表面波共振子を直列に接続
して用いることにより、共振インピーダンス特性の設計
自由度がさらに大きくなる。図１４で、６１，６２，６
３，６４，６５，６６が本発明の表面波共振子、６７，
６８，６９，７０が整合素子、７１，７２が端子であ
る。また、図１２、図１３または図１４の実施例におい
て、従来の表面波共振子と組合せても良い。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電気インピーダンスが高く、かつ共振尖鋭度の大きい表
面波共振子を実現できる。また、この表面波共振子を組
合せて表面波フィルタを構成することにより、通過周波
数帯域の挿入損失が小さく、阻止周波数帯域の減衰量が
大きい小形で高性能な表面波フィルタが実現できる。ま
た、この表面波フィルタを用いて、超小形の分波器や移
動無線装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す図。

【図２】本発明の第１実施例に用いるすだれ状電極を示
す図。

【図３】本発明の第１実施例に用いるすだれ状電極を示
す図。

【図４】本発明の第１実施例に用いるすだれ状電極を示
す図。

【図５】本発明の第２の実施例を示す図。

【図６】表面波共振子の従来例を示す図。

【図７】本発明の第３の実施例を示す図。

【図８】本発明の第３実施例に用いるすだれ状電極を示
す図。

【図９】本発明の第３実施例に用いるすだれ状電極を示
す図。

【図１０】本発明の第３実施例に用いるすだれ状電極を
示す図。

【図１１】本発明の第４の実施例を示す図。

【図１２】本発明の表面波フィルタの実施例を示すブロ
ック図。

【図１３】本発明の表面波フィルタの他の実施例を示す
ブロック図。

【図１４】本発明の表面波フィルタの他の実施例を示す
ブロック図。

【符号の説明】

１・・・圧電基板２・・・表面波共振子３、４、５・・・すだれ状電極６、７・・・端子１２・・・表面波共振子１３、１４、１５・・・すだれ状電極１６、１７・・・端子３１、３２、３３、３４・・・表面波共振子３５、３６、３７・・・結合素子３８、３９、４０、４１・・・整合素子４２、４３・・・端子５１，５２、５３・・・表面波共振子５４，５５，５６，５７・・・整合素子５８，５９・・・端子６１，６２、６３、６４、６５、６６・・・表面波共振
子、６７，６８，６９，７０・・・整合素子７１，７２・・・端子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１個のすだれ状電極を中心に配置し、その
表面波伝搬路の表面波伝搬方向両端に対称に配置され、
電気的に並列に接続した複数組のすだれ状電極を用い、
中心のすだれ状電極と、電気的に並列に接続した各組の
すだれ状電極を電気的に直列に接続して、圧電基板上に
１端子対表面波共振子を構成し、該表面波共振子の中心
よりその表面波伝搬路の伝搬方向外側に向けて、徐々に
あるいは段階的に表面波の励振強度が弱くなるような重
みつけをしたことを特徴とする表面波共振子。
【請求項２】請求項１記載の表面波共振子において、表
面波励振強度重みつけを、すだれ状電極の交差幅を変え
て行なったことを特徴とする表面波共振子。
【請求項３】請求項１記載の表面波共振子において、表
面波励振強度重みつけを、すだれ状電極の電極指を間引
く、あるいはまたダミー電極を用いることによって行な
ったことを特徴とする表面波共振子。
【請求項４】請求項１または請求項２または請求項３記
載の表面波共振子において、直列に接続されるすだれ状
電極の、各段ごとの静電容量がほぼ等しいことを特徴と
する表面波フィルタ。
【請求項５】表面波共振子、インダクタンスおよびキャ
パシタンスを組合せて構成される表面波フィルタにおい
て、請求項１乃至４のいずれかに記載の表面波共振子を
用いたことを特徴とする表面波フィルタ。
【請求項６】請求項５記載の表面波フィルタを用いた移
動無線装置用分波器。
【請求項７】請求項５記載の表面波フィルタを用いた移
動無線装置。
【請求項８】請求項６記載の分波器を用いた移動無線装
置。