JPH0511291A - 有機非線形光学材料およびそれを用いた非線形光学素子 - Google Patents

有機非線形光学材料およびそれを用いた非線形光学素子

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JPH0511291A
JPH0511291A JP16677991A JP16677991A JPH0511291A JP H0511291 A JPH0511291 A JP H0511291A JP 16677991 A JP16677991 A JP 16677991A JP 16677991 A JP16677991 A JP 16677991A JP H0511291 A JPH0511291 A JP H0511291A
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Hiroyuki Kagawa
博之 香川
Yuzo Ito
雄三 伊藤
Yasuo Imanishi
泰雄 今西
Hiroshi Terao
寺尾  弘
Tomoyuki Hamada
智之 浜田
Masakazu Sagawa
雅一 佐川
Shintaro Hattori
服部紳太郎
Atsushi Tsunoda
角田  敦
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】結晶が反転対称中心を持たず、かつ長波長領域
に吸収のないSHG活性の大きな有機非線形光学材料の
提供。 【構成】式〔1〕で表わされる化合物、例えばトリベン
ズアミドからなる有機非線形光学材料。〔但し、Ar1
〜Ar3は互いに異なっていてもよいπ電子共役構造を
有する原子団であり、有機置換基により置換されていて
もよい。〕 【化12】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機非線形光学材料お
よびそれを用いた非線形光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非線形光学材料は、電磁場により
2次、3次の非線形応答を示す材料であり、高調波発
生、光混合、光パラメトリック発振、光変調、光スイッ
チなどの素子機能を有することから注目されている。
【0003】従来、非線形光学材料としては、ニオブ酸
リチウム(LiNbO3)、リン酸二水素カリウム(K
2PO4)、砒素化ガリウム(GaAs)などの無機結
晶材料や半導体材料が主に検討されてきた。しかし、無
機結晶材料は化合物の修飾が困難であること、結晶が潮
解し易く取扱い難いこと、ピコ秒以下の高速応答性のも
のを得ることが困難であること、など多くの問題点があ
る。
【0004】一方、有機非線形材料は分子の修飾が容易
でかつ非線形光学定数が大きく、光応答速度の速い材料
が得られる可能性が高い。
【0005】こうした状況下において近年、無機材料に
比べて非線形光学特性に優れ、光応答速度も非常に速い
有機非線形光学材料が発見され、それらを利用した非線
形光学素子の開発が盛んとなってきた(特開平1−26
8669号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機非線形光学
材料の開発においては、分子の双極子モーメントを大き
くするために、分子内にπ電子共役系を有し、様々な電
子供与基や電子吸引基を導入した材料の設計や合成が行
われてきた。しかし、上記の分子設計の方法は、2次の
非線形性発現のために必要な条件である第2高調波発生
領域に吸収を持たないことや、結晶構造が反転対称中心
を持たないことなどとトレードオフの関係にある。即
ち、有機非線形光学材料の開発には、超分子分極率を大
きくするだけでなく、第2高調波発生領域における透過
率や、結晶構造をも十分考慮する必要がある。
【0007】有機材料は、分子の修飾が容易である反
面、2次の非線形光学効果発現のために必要な反転対称
中心を持たない結晶を得ることや、吸収波長端を下げた
ものを得ることなど困難な点が多い。例えば、パラニト
ロアニリンは、分子自体の超分子分極率はある程度大き
いが結晶としては非線形性を発現しない。これは、パラ
ニトロアニリンの結晶が反転対称中心を持つためであ
る。この様な例は、そのほかにオルトニトロアニリン、
4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベン、パラニ
トロ−N−オキサイドピリジンなど多くの例がある。
【0008】また、第2高調波発生領域に非線形材料が
吸収を有すると第2高調波発生(SHG)効率が著しく
低下する。現在の半導体レーザの出力光の波長が約85
0〜750nmであることから、非線形材料の吸収波長
端は450nm以下であることが望ましい。つまり、よ
り有効な有機非線形光学材料を得るためには、2次の超
分子分極率が大きく、かつ、その分子が非対称中心構造
の結晶構造をとることが必要である。また、その吸収波
長端は450nm以下であることが望ましい。
【0009】本発明の目的は、結晶が反転対称中心を持
たず、かつ長波長領域に吸収のないSHG活性の大きな
有機非線形光学材料を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記有機非線形光学
材料を用いた非線形光学素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、トリアミド系化合物を設計、合成し、その非線形性
の評価を行った。その結果、半導体レーザー光源、レン
ズ、非線形光学媒体からなる半導体レーザー波長変換素
子において、下記式〔1〕に示されるトリアミド系化合
物を非線形光学媒体として用いることにより半導体レー
ザーの波長変換を効率良く行えることを見出し本発明に
到達した。本発明の要旨次のとおりである。
【0012】(1)式〔1〕〜〔3〕で表される化合物
からなることを特徴とする有機非線形光学材料。
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】〔但し、Ar1〜Ar3はπ電子共役構造を
有する原子団で互いに異なっていてもよく、有機性置換
基により置換されていてもよい。〕前記式〔1〕におい
て、Ar1〜Ar3が、ベンゼン環,ナフタレン環,アン
トラセン環,ベンゾキノン環,ナフトキノン環,アント
ラキノン環,ピロール環,イミダゾール環,インドール
環,キノリン環,フェナジン環およびシンナミル基から
選ばれたπ共役原子団で示される化合物である。
【0017】また、Ar1〜Ar3が、ニトロ基,シアノ
基,イソシアネート基,カルボキシ基,アリル基,アリ
ルオキシ基,アリルスルホニル基,アリルスルフィニル
基,アリルオキシスルホニル基,アリルオキシカルボニ
ル基,アリルチオ基,アシルアミノ基,アシルオキシ
基,カルバモイル基,スルファモイル基,炭素数1〜8
のアルキル基,同アルキルオキシカルボニル基,同アル
キルスルホニル基,同アルキルスルフィニル基,同アル
キルオキシスルホニル基,同アルキルチオ基,炭素数1
〜8のアルコキシ基,ヒドロキシ基,チオール基,ハロ
ゲン原子子より選ばれた置換基により置換されている化
合物である。
【0018】(2)式〔4〕で表される化合物からなる
ことを特徴とする有機非線形光学材料。
【0019】
【化9】
【0020】〔但し、A1〜A5,B1〜B5,C1〜C
が、水素原子、ニトロ基,シアノ基,イソシアネート
基,カルボキシ基,アリル基,アリルオキシ基,アリル
スルホニル基,アリルスルフィニル基,アリルオキシス
ルホニル基,アリルオキシカルボニル基,アリルチオ
基,アシルアミノ基,アシルオキシ基,カルバモイル
基,スルファモイル基,炭素数1〜8のアルキル基,同
アルキルオキシカルボニル基,同アルキルスルホニル
基,同アルキルスルフィニル基,同アルキルオキシスル
ホニル基,同アルキルチオ基,炭素数1〜8のアルコキ
シ基,ヒドロキシ基,チオール基,ハロゲン原子より選
ばれた置換基を有する化合物である。
【0021】(3)式〔5〕で表される化合物からなる
ことを特徴とする有機非線形光学材料。
【0022】
【化10】
【0023】〔但し、R1〜R3は水素原子、ニトロ基,
シアノ基,イソシアネート基,カルボキシ基,アリル
基,アリルオキシ基,アリルスルホニル基,アリルスル
フィニル基,アリルオキシスルホニル基,アリルオキシ
カルボニル基,アリルチオ基,アシルアミノ基,アシル
オキシ基,カルバモイル基,スルファモイル基,炭素数
1〜8のアルキル基,同アルキルオキシカルボニル基,
同アルキルスルホニル基,同アルキルスルフィニル基,
同アルキルオキシスルホニル基,同アルキルチオ基,炭
素数1〜8のアルコキシ基,ヒドロキシ基,チオール
基,ハロゲン原子より選ばれ、互いに異なっていてもよ
い。〕 (4)前記式〔1〕〜〔5〕に示される有機非線形光学
材料が1mm角以上の単結晶または有機非線形光学材料
が透明高分子重合体中に分散され強電界中で配向させた
フィルムからなり、光の共振器中に保持されてなること
を特徴とする非線形光学素子である。
【0024】(5) 光源と、該光源からの光を集光す
る集光手段と、該集光手段により集光された光を受けて
第2高調波を発生する高調波発生手段を有する光波長変
換装置であって、前記第2高調波発生手段は、前記式
〔1〕〜〔5〕に示される有機非線形光学材料の単結晶
またはその高分子分散体を光路内に備えたことを特徴と
する光波長変換装置である。
【0025】前記有機非線形光学材料を分散させる透明
高分子重合体としては、アクリル酸、メチルアクリレー
ト,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,メタク
リル酸,メチルメタクリレート,エチルメタクリレー
ト,シクロヘキシルメタクリレート,フェニルメタクリ
レート,スチレンなどに代表されるモノマーを重合させ
た透明高分子重合体が用いられる。特に該重合体は40
0nm以上に吸収を持たない重合体であることが望まし
い。そして、上記分散体を強電界下で配向させたもので
ある。また、該分散体は、あらかじめモノマー中に非線
形媒体を分散させ、強電界下において非線形材料を配向
させながら前記モノマーを重合させることによって得る
ことができる。また、前記非線形材料を分散させたモノ
マーを重合させた後に該高分子重合体のガラス転移温度
以上に加熱し、強電界下で徐冷することによって得るこ
ともできる。
【0026】さらに本発明の有機非線形光学材料の単結
晶もしくはその高分子分散体をコアとし、該コアがクラ
ッド層に囲まれた光導波路を備えた非線形光学素子とし
て用いられる。
【0027】図1は、本発明の非線形光学素子を応用し
た光波長変換装置の模式図を示す。前記有機非線形材料
の単結晶またはその高分子分散体のコアとそれを囲むク
ラッド層を備えたSHG素子5に、レーザーダイオード
1からのレーザー光6(GaAlAs半導体レーザー
光;波長0.88〜0.75μm)をコリメータ2、アナ
モルフィックプリズムペア3および集光レンズ4を介し
て透過させることにより、青色光(波長0.44〜0.3
7μm)の第2次高調波を得ることができる。本発明の
SHG素子5を用いることにより、カットオフ波長が短
かく、耐レーザー光性に優れた光波長変換装置が得られ
る。
【0028】本発明のトリアミド系化合物の代表的な例
としては、トリベンズアミド、4−メチルトリベンズア
ミド、トリナフチルアミド、4,4’−ジメトキシトリ
ナフチルアミド、トリアンスリルアミド、トリス−3−
ブロモアンスリルアミド、トリベンゾキノイルアミド、
4−(N,N−ジメチルアミノ)トリベンゾキノイルア
ミド、トリナフトキノイルアミド、6−ニトロトリナフ
トキノイルアミド、トリアントラキノイルアミド、6,
6’−ジシアノトリアントラキノイルアミド、トリピロ
リルアミド、5−クロロトリピロリルアミド、トリイン
ドリルアミド、5−ヒドロキシトリインドリルアミド、
トリキノリノリニルアミド、6−フェニルトリキノリノ
リニルアミド、トリフェナジニルアミド、3,3’−ジ
メチルチオトリフェナジニルアミド、ジベンズナフチル
アミド、ベンズジシンナミルアミドが挙げられる。
【0029】次に、前記トリアミド系化合物の合成方法
について説明する。該トリアミド系化合物は、その無置
換トリアミドに化学反応により置換基を導入する方法
か、もしくは、式〔6〕に示す方法によって容易に合成
することができる。
【0030】
【化11】
【0031】式中、Xはハロゲン原子に代表されるよう
な非常に高い脱離能を有する置換基である。また、Ar
はπ電子共役構造を有する原子団を表す。用いる塩基と
しては、トリエチルアミン、ピリジンなどに代表される
有機塩基、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピ
ルアミドに代表される有機金属塩基、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどに代表される無機塩基などが挙げ
られる。
【0032】また溶媒としては、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドなど
に代表されるような高極性溶媒、n−ヘキサンに代表さ
れるような低極性溶媒などが用いられる。また、その際
の反応温度は、−80℃〜+150℃が望ましい。
【0033】なお、本願の有機非線形光学材料の合成方
法は、上記以外に公知の合成方法によっても行うことが
できる。
【0034】
【作用】本発明のトリアミド系化合物の有機非線形光学
特性ついて、分子単独の超分極率、最低励起エネルギー
および分子間相互作用の計算による結晶構造の予測など
種々の検討を行った。
【0035】その結果、本発明の有機非線形光学材料が
優れた非線形特性を示すのは、分子単独の非線形光学特
性を表す超分極率が波長変換素子のような非線形光学素
子に用いるに十分な非線形特性を有し、さらに結晶構造
も2次の非線形特性の発現に必要である対称中心を持ち
難い構造のためである。また、その吸収波長端も半導体
レーザの波長変換素子用として十分な特性を有している
ことが分かった。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきその合成法、
評価法も含め詳細に説明する。
【0037】〔実施例 1〕トリベンズアミド(A)の合成 ベンズアミド(2.0g)、トリエチレンジアミン(4.
1g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(24ml)
とベンゾイルクロライド(5.6g)とをテトラヒドロ
フラン(THF)中で攪拌しながら2時間還流した後、
反応溶液中に水20mlを加え、生じた生成物を濾過、
精製することにより目的のトリベンズアミド(A)を得
た。〔該化合物の赤外線スペクトル分析(IR)の結果
は3060,1698cm~1である。〕 〔実施例 2〕4−メトキシトリベンズアミド(B)の合成 パラメトキシベンズアミド(0.5g)、トリエチレン
ジアミン(0.8g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶
液(5.0ml)とベンゾイルクロライド(1.1g)と
を実施例1と同様に反応、濾過、精製することにより目
的の4−メトキシトリベンズアミド(B)を得た。〔I
R:2917,1698,1244,1034cm~1〕 〔実施例 3〕4,4’−ジメトキシトリベンズアミド(C)の合成 ベンズアミド(0.5g)、トリエチレンジアミン(1.
0g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(6.6m
l)とパラメトキシベンゾイルクロライド(1.7g)
とを、実施例1と同様に反応,濾過,精製することによ
り目的の4、4’−ジメトキシトリベンズアミド(C)
を得た。〔IR:2933,1694,1246,10
28cm~1〕 〔実施例 4〕トリスパラメトキシベンズアミド(D)の合成 パラメトキシベンズアミド(0.5g)、トリエチレン
ジアミン(0.8g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶
液(5.0ml)とパラメトキシベンゾイルクロライド
(1.4g)とを実施例1と同様にして、目的のトリス
パラメトキシベンズアミド(D)を得た。〔IR:29
82,1694,1246,1030cm~1〕 〔実施例 5〕4−メチルトリベンズアミド(E)の合成 パラメチルベンズアミド(0.5g)、トリエチレンジ
アミン(0.9g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(5.4ml)とベンゾイルクロライド(1.3g)とを
実施例1と同様にして、目的の4−メチルトリベンズア
ミド(E)を得た。〔IR:2925,1701cm
~1〕 〔実施例 6〕4,4’−ジメチルトリベンズアミド(F)の合成 ベンズアミド(0.5g)、トリエチレンジアミン(1.
0g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(6.6m
l)とパラメチルベンゾイルクロライド(1.5g)と
を、実施例1と同様にして、目的の4、4’−ジメチル
トリベンズアミド(F)を得た。〔IR:2925,1
700cm~1〕 〔実施例 7〕トリスパラメチルベンズアミド(G)の合成 パラメチルベンズアミド(0.5g)、トリエチレンジ
アミン(0.9g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(5.4ml)とパラメチルベンゾイルクロライド(1.
4g)とを実施例1と同様にして、目的のトリスパラメ
チルベンズアミド(G)を得た。〔IR:2923,1
698cm~1〕。
【0038】〔実施例 8〕4,4’−ジメチル−4’’−メトキシベンズアミドの
(H)合成 パラメトキシベンズアミド(0.5g)、トリエチレン
ジアミン(0.8g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶
液(5.0ml)とパラメチルベンゾイルクロライド
(1.2g)とを実施例1と同様にして、目的の4,
4’−ジメチル−4’’−メトキシベンズアミド(H)
を得た。〔1H−NMR:7.87(d,2H),7.7
9(d,4H),7.23(d,4H),6.91(d,
2H),3.85(s,3H),2.39(d,6H)〕 〔実施例 9〕4,4’−ジメトキシ−4’’−メチルトリベンズアミ
ド(I)の合成 パラメチルベンズアミド(0.5g)、トリエチレンジ
アミン(0.9g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(5.4ml)とパラメトキシベンゾイルクロライド
(1.5g)とを実施例1と同様にして、目的の4、
4’−ジメトキシ−4’’−メチルトリベンズアミド
(I)を得た。〔1H−NMR:7.87(d,4H),
7.79(d,2H),7.23(d,2H),6.91
(d,4H),6.06(s,6H),3.00(s,3
H)〕 〔実施例 10〕4−メチル−4’−メトキシトリベンズアミド(J)の
合成 ベンズアミド(1.0g)、トリエチレンジアミン(2.
0g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(12ml)
とパラメトキシベンゾイルクロライド(1.7g)とを
THF中で撹拌しながら1時間還流した後、パラメチル
ベンゾイルクロライド(1.5g)を加え、更に1時間
還流し、反応溶液中に水20mlを加えて生じた生成物
を濾過、精製することにより目的の4−メチル−4’−
メトキシトリベンズアミド(J)を得た。〔1H−NM
R:7.90(d,2H),7.87(d,2H),7.
56(t,2H),7.43(dd,2H),7.24
(d,2H),6.92(d,2H),3.84(s,3
H),2.39(s,3H)〕 〔実施例 11〕トリスメタメトキシベンズアミド(K)の合成 メタメトキシベンズアミド(0.5g)、トリエチレン
ジアミン(0.8g)、n−ブチルリチウムヘキサン溶
液(5.0ml)とメタメトキシベンゾイルクロライド
(1.4g)とを、実施例1と同様にして、目的のトリ
スメタメトキシベンズアミド(K)を得た。〔元素分
析:C;68.87%、H;4.88%、N;3.37
%〕 〔実施例 12〕4−ブロモトリベンズアミド(L)の合成 ベンゾイルクロライド(1.17g)のクロロホルム溶
液を−60℃に冷却し、ピリジン(1.7ml)を加え
る。この溶液中に、パラブロモベンズアミド(0.83
g)を加え、30時間撹拌する。エタノール(2ml)
を加えた後、反応溶液を1規定の塩酸、0.5規定の水
酸化ナトリウム溶液、水で洗う。溶媒を留去後、目的の
4−ブロモトリベンズアミド(L)を得た。〔IR:2
925,1692cm~1〕 〔実施例 13〕4,4’−ジブロモトリベンズアミド(M)の合成 パラブロモベンゾイルクロライド(1.0g)、ピリジ
ン(1ml)、ベンズアミド(0.30g)とを、実施
例12と同様にして、反応、精製することにより目的の
4,4’−ジブロモトリベンズアミド(M)を得る。
〔IR:2921,1694cm~1〕 〔実施例 14〕トリスパラブロモベンズアミド(N)の合成 パラブロモベンゾイルクロライド(1.0g)、ピリジ
ン(1ml)、パラブロモベンズアミド(0.50g)
とを、実施例12と同様にして、目的のトリスパラブロ
モベンズアミド(N)を得る。〔元素分析:C;44.
70%、H;1.91%、N;2.52%〕 〔実施例 15〕4−クロロトリベンズアミド(O)の合成 ベンゾイルクロライド(7.1g),ピリジン(5m
l),パラクロロベンズアミド(3.8g)とを、実施
例12と同様にして、目的の4−クロロトリベンズアミ
ド(O)を得た。〔元素分析:N;3.84%〕 〔実施例 16〕トリスパラクロロベンズアミド(P)の合成 パラクロロベンゾイルクロライド(2.5g)、ピリジ
ン(3ml)、パラクロロベンズアミド(1.0g)と
を、実施例12と同様にして、目的のトリスパラクロロ
ベンズアミド(P)を得た。〔元素分析:C;58.1
5%、H;2.68%、N;3.20%〕 〔実施例 17〕トリスパラヨードベンズアミド(Q)の合成 パラヨードベンゾイルクロライド(3.3g)、ピリジ
ン(4ml)、パラヨードベンズアミド(1.6g)と
を、実施例12と同様にして、目的のトリスパラヨード
ベンズアミド(Q)を得た。〔元素分析:C;35.3
8%、H;1.54%、N;2.13%〕 〔実施例 18〕トリスメタブロモベンズアミド(R)の合成 メタブロモベンゾイルクロライド(1.0g)、ピリジ
ン(1ml)、メタブロモベンズアミド(0.50g)
とを、実施例12と同様にして、目的のトリスメタブロ
モベンズアミド(R)を得た。〔元素分析:C;44.
70%、H;2.17%、N;2.45%〕 〔実施例 19〕 3−ニトロトリベンズアミド(S)の合成 実施例1で合成したトリベンズアミド(0.5g)とニ
トロニウムテトラフルオロボレート(0.32g)とを
スルホラン中で反応させ、反応終了後、反応液を氷水に
注ぎ生成物を濾過、精製することにより目的の3−ニト
ロトリベンズアミド(S)を得る。〔IR:2930,
1696,1520,1352cm~1〕 〔実施例 20〕 3、3’−ジニトロトリベンズアミド(T)の合成 実施例1で合成したトリベンズアミド(0.5g)とニ
トロニウムテトラフルオロボレート(0.64g)とを
スルホラン中で、実施例11と同様に反応、後処理、濾
過、精製することにより目的の3、3’−ジニトロトリ
ベンズアミド(T)を得る。〔IR:2926,169
5,1518,1349cm~1〕 〔実施例 21〕トリスメタニトロベンズアミド(U)の合成 実施例1で合成したトリベンズアミド(0.5g)とニ
トロニウムテトラフルオロボレート(0.96g)とを
スルホラン中で、実施例11と同様にして、目的のトリ
スメタニトロベンズアミド(U)を得る。〔IR:29
23,1963,1522,1355cm~1〕 〔実施例 22〕トリス−2−ナフスアミド(V)の合成 ナフトイルクロライド(0.95g)、ピリジン(1m
l)、ナフスアミド(0.43g)とを、実施例12と
同様にして、目的のトリス−2−ナフスアミド(V)を
得た。〔元素分析:C;82.53%、H;4.42%、
N;3.04%〕 〔実施例 23〕ベンズジシンナムアミド(W)の合成 ベンズアミド(0.6g)、トリエチレンジアミン(1.
1g)、n−ブチルリシウムヘキサン溶液(7.9m
l)とシンナモイルクロライド(1.8g)とを実施例
1と同様にして、目的のベンズジシンナムアミド(W)
を得た。〔IR:1650,1300,962cm~1〕 〔実施例 24〕 上記(A)〜(W)のトリアミド系化合物の超分極率β
をAb initio法により計算した。さらに、それらの化合
物のカットオフ波長をメタノール飽和溶液中で測定し
た。計算結果および測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す計算結果から、本発明の化合物
が零でない超分極率βを有し、非線形光学材料として使
用できることを示している。
【0041】さらに、実施例1の化合物(A)につい
て、第2高調波発生を粉末法により測定した結果、尿素
の2倍のSHG活性を有していることが分かった。ま
た、カットオフ波長も表1から明らかなように、吸収波
長端が350nm以下で非常に短い。
【0042】本発明の前記化合物は、単結晶もしくは下
記実施例25のように透明高分子中に分散させ強電界下
で配向させることによって、波長変換装置の非線形光学
素子用材料として用いることができる。
【0043】〔実施例 25〕前記実施例4で得られた
トリスパラメトキシベンズアミド(D)をメタクリル酸
メチルモノマーと混合し、加熱重合させた。該ポリマー
をクロロホルムに溶かしたものをスピンコートしてフィ
ルムを作製し、該フィルムのコロナポーリングを行っ
た。なお、上記コロナポーリングは、電極間距離を1c
mとし印加電圧7kV、110℃で1時間加熱した後、
電圧を印加したまゝ室温まで冷却した。
【0044】上記の非線形光学材料を用いて、波長変換
装置の非線形光学素子を形成したところ、前記単結晶を
用いた場合と同様な第2高調波が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の有機非線形材料は優れた非線形
特性を有している。
【0046】また、該有機非線形材料を用い、半導体レ
ーザーと組合せることにより、可視領域に波長を有する
レーザービームを得ることができる。
【0047】更にまた、該有機非線形光学材料を用いた
半導体レーザー波長変換装置、光スイッチなどの光機能
素子は効率的に動作し、優れた非線形特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物を用いた波長変換装置の一実施
例の模式構成図である。
【符号の説明】
1…レーザーダイオード、2…コリメーター、3…アナ
モルフィックプリズムペア、4…集光レンズ、5…SH
G素子、6…レーザー光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺尾 弘 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 浜田 智之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐川 雅一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 服部紳太郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 角田 敦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔1〕で表される化合物からなることを
    特徴とする有機非線形光学材料。 【化1】 〔但し、Ar1〜Ar3はπ電子共役構造を有する原子団
    で互いに異なっていてもよく、有機性置換基により置換
    されていてもよい。〕
  2. 【請求項2】前記式〔1〕において、Ar1〜Ar3が、
    ベンゼン環,ナフタレン環,アントラセン環,ベンゾキ
    ノン環,ナフトキノン環,アントラキノン環,ピロール
    環,イミダゾール環,インドール環,キノリン環,フェ
    ナジン環およびシンナミル基から選ばれたπ共役原子団
    からなることを特徴とする請求項1に記載の有機非線形
    光学材料。
  3. 【請求項3】前記式〔1〕において、Ar1〜Ar3が、
    ニトロ基,シアノ基,イソシアネート基,カルボキシ
    基,アリル基,アリルオキシ基,アリルスルホニル基,
    アリルスルフィニル基,アリルオキシスルホニル基,ア
    リルオキシカルボニル基,アリルチオ基,アシルアミノ
    基,アシルオキシ基,カルバモイル基,スルファモイル
    基,炭素数1〜8のアルキル基,同アルキルオキシカル
    ボニル基,同アルキルスルホニル基,同アルキルスルフ
    ィニル基,同アルキルオキシスルホニル基,同アルキル
    チオ基,炭素数1〜8のアルコキシ基,ヒドロキシ基,
    チオール基,ハロゲン原子より選ばれた置換基により置
    換されていることを特徴とする請求項2に記載の有機非
    線形光学材料。
  4. 【請求項4】式〔2〕で表される化合物からなることを
    特徴とする有機非線形光学材料。 【化2】 〔但し、Ar1,Ar2はπ電子共役構造を有する原子団
    で互いに異なっていてもよく、有機性置換基により置換
    されていてもよい。A1〜A5はHおよび有機性置換基で
    互いに異なっていてもよい。〕
  5. 【請求項5】式〔3〕で表される化合物からなることを
    特徴とする有機非線形光学材料。 【化3】 〔但し、Ar1はπ電子共役構造を有する原子団で有機
    性置換基により置換されていてもよい。A1〜A5,B1
    〜B5はHおよび有機性置換基で互いに異なっていても
    よい。〕
  6. 【請求項6】式〔4〕で表される化合物からなることを
    特徴とする有機非線形光学材料。 【化4】 〔但し、A1〜A5,B1〜B5,C1〜C5はHおよび有機
    性置換基で互いに異なっていてもよい。〕
  7. 【請求項7】前記式〔2〕〔3〕または〔4〕におい
    て、A1〜A5,B1〜B5,C1〜Cが、水素原子、ニト
    ロ基,シアノ基,イソシアネート基,カルボキシ基,ア
    リル基,アリルオキシ基,アリルスルホニル基,アリル
    スルフィニル基,アリルオキシスルホニル基,アリルオ
    キシカルボニル基,アリルチオ基,アシルアミノ基,ア
    シルオキシ基,カルバモイル基,スルファモイル基,炭
    素数1〜8のアルキル基,同アルキルオキシカルボニル
    基,同アルキルスルホニル基,同アルキルスルフィニル
    基,同アルキルオキシスルホニル基,同アルキルチオ
    基,炭素数1〜8のアルコキシ基,ヒドロキシ基,チオ
    ール基,ハロゲン原子より選ばれた置換基であることを
    特徴とする請求項4,5または6に記載の有機非線形光
    学材料。
  8. 【請求項8】式〔5〕で表される化合物からなることを
    特徴とする有機非線形光学材料。 【化5】 〔但し、R1〜R3は水素原子、ニトロ基,シアノ基,イ
    ソシアネート基,カルボキシ基,アリル基,アリルオキ
    シ基,アリルスルホニル基,アリルスルフィニル基,ア
    リルオキシスルホニル基,アリルオキシカルボニル基,
    アリルチオ基,アシルアミノ基,アシルオキシ基,カル
    バモイル基,スルファモイル基,炭素数1〜8のアルキ
    ル基,同アルキルオキシカルボニル基,同アルキルスル
    ホニル基,同アルキルスルフィニル基,同アルキルオキ
    シスルホニル基,同アルキルチオ基,炭素数1〜8のア
    ルコキシ基,ヒドロキシ基,チオール基,ハロゲン原子
    より選ばれ、互いに異なっていてもよい。〕
  9. 【請求項9】前記式〔1〕〜〔5〕に示される有機非線
    形光学材料が1mm角以上の単結晶、または前記有機非
    線形光学材料が透明高分子重合体中に分散され強電界中
    で配向させたフィルムからなり、これが光の共振器中に
    保持されてなることを特徴とする非線形光学素子。
  10. 【請求項10】前記有機非線形光学材料を分散する透明
    高分子重合体が400nm以上に吸収を持たない重合体
    であることを特徴とする請求項9記載の非線形光学素
    子。
  11. 【請求項11】光源と、該光源からの光を集光する集光
    手段と、該集光手段により集光された光を受けて第2高
    調波を発生する高調波発生手段を有する光波長変換装置
    であって、 前記第2高調波発生手段は、前記式〔1〕〜〔5〕に示
    される有機非線形光学材料の単結晶またはその高分子分
    散体を光路内に備えたことを特徴とする光波長変換装
    置。
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