JPH08119914A - シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法並びにこれを用いた非線形光学素子 - Google Patents

シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法並びにこれを用いた非線形光学素子

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JPH08119914A
JPH08119914A JP6253717A JP25371794A JPH08119914A JP H08119914 A JPH08119914 A JP H08119914A JP 6253717 A JP6253717 A JP 6253717A JP 25371794 A JP25371794 A JP 25371794A JP H08119914 A JPH08119914 A JP H08119914A
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general formula
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atom
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Yasunari Nishikata
康成 西片
Ryujun Fu
龍淳 夫
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Fuji Xerox Co Ltd
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    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used
    • G02F1/361Organic materials
    • G02F1/3611Organic materials containing Nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C225/00Compounds containing amino groups and doubly—bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton, at least one of the doubly—bound oxygen atoms not being part of a —CHO group, e.g. amino ketones
    • C07C225/20Compounds containing amino groups and doubly—bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton, at least one of the doubly—bound oxygen atoms not being part of a —CHO group, e.g. amino ketones having amino groups bound to carbon atoms of rings other than six-membered aromatic rings of the carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/04Systems containing only non-condensed rings with a four-membered ring

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな非線形光学効果を有し、化学的・熱的
安定性、透明性に優れ、かつ、溶液相若しくは溶融相か
らの結晶育成が容易で、加工し易く、実用的な有機非線
形光学素子に適した新規な化学物質及びその製造方法並
びにその材料で作製した非線形光学素子を提供しようと
するものである。 【構成】 下記一般式(I)で表されるシクロブテンジ
オン誘導体。 【化1】 (式中、X1 はハロゲン原子、X2 、X3 、X4 及びX
5 は水素原子又はハロゲン原子を表し、Rは下記の置換
基を表す。この置換基において、C* は不斉炭素原子を
表す。) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学材料として
有用性を有する、新規なシクロブテンジオン誘導体及び
その製造方法並びにそれを用いた非線形光学素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信や光情報処理の分野では、非線形
光学素子が重要な役割を果たす。非線形光学素子に使用
する非線形光学材料は、周波数の異なる2種類の入射光
の和又は差の周波数を発生させる光混合や、これらが元
の周波数とは異なる周波数の光として放射される光パラ
メトリック、また、光媒体の屈折率が変化することに起
因するポッケルス効果やカー効果、或いは、入射光の第
二次高調波(SHG)や第三次高調波(THG)への変
換、さらには、光双安定性に起因するメモリー効果など
光信号処理の上で極めて重要な作用を行う物質である。
【0003】従来、非線形光学材料としては、主に無機
化合物が使用されていた。無機系の非線形光学材料とし
ては、リン酸チタンカリウム(KTP:KTiOP
4 )やニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3 )など
の無機化合物の結晶が知られているが、上記の用途にお
いて、要求される特性を十分に満足するものではなかっ
た。
【0004】一方、有機系の非線形光学材料について
は、近年、オプトエレクトロニクス分野の新しい光学素
子材料として注目され、研究が盛んになっている。特
に、π電子共役系に電子供与性基及び電子受容性基を有
する化合物は、電磁波としてのレーザー光と分子内に偏
在するπ電子との相互作用により分子レベルでの強い光
非線形を示すことが知られている。
【0005】これまで検討されている化合物としては、
2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロアニリ
ン、N−(4−ニトロフェニル)−L−プロリノール、
4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベンゼン、
4’−ニトロベンジリデン−4−ニトロアニリンなどが
挙げられる。これらの材料は、無機系のものと同じく多
くは単結晶状態で使用されるが、これらの単結晶におい
て、二次の非線形光学効果を発現させるためには、中心
対称性を有しないものであることが必須であるが、分子
の双極子能率が大きいために、非中心対称性の結晶が熱
力学的な安定相になり難いという問題がある。
【0006】非中心対称性結晶を与えるような材料の設
計指針については、不斉中心の導入や水素結合の利用が
有用であることが知られているが、未だに一般的な手法
が見出されていない。また、有機物特有の、結晶成長の
難しさや、得られる結晶が脆弱なため、精密加工が困難
であるなどの問題があり、高効率の素子の作製に必須で
ある高性能な材料の実用化が待たれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、非線形光学素
子材料としては、光非線形性の大きさ、良好な加工性、
耐熱・耐環境安定性、光透明性、高い耐絶縁破壊電圧、
レーザ光照射時の安定性などの特性を併せ持つことが要
求されるが、従来の公知の材料は、これらの特性を満足
させるものを選択することが極めて困難であった。
【0008】本発明物等は、先に、下記一般式(IV)で
表されるシクロブテンジオン誘導体及びそれを用いた非
線形光学素子を提案した(特開平3─112950号公
報参照)。これらの誘導体は、従来知られている材料と
比較して極めて大きな光非線形性を有しているが、吸収
極大値(λmax)が約400nmと大きく、半導体レ
ーザ(発振波長700〜800nm)の2次高調波発生
には適さないという問題があり、可視光透過性のより優
れた材料が求められていた。
【0009】
【化5】
【0010】そこで、本発明は、上記の問題点を解消
し、大きな非線形光学効果を有し、化学的・熱的安定
性、透明性に優れ、かつ、溶液相若しくは溶融相からの
結晶育成が容易で、加工し易く、実用的な有機非線形光
学素子に適した新規な化学物質及びその製造方法並びに
その材料で作製した非線形光学素子を提供しようとする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、分子の双
極子能率が大きく、結晶時に中心対称性構造を形成し易
い化合物群であって、かつ、分子に適切な置換基を導入
することにより、特に、二次の非線形光学効果が大き
く、かつ可視光透過性がより優れた有機非線形光学素子
材料が得られることを見出し、以下の発明を完成した。
【0012】(1) 下記一般式(I)で表されるシクロブ
テンジオン誘導体。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、X1 はハロゲン原子、X2
3 、X4 及びX5 は水素原子又はハロゲン原子を表
し、Rは下記の置換基を表す。この置換基において、C
* は不斉炭素原子を表す。)
【0015】
【化7】
【0016】(2) 下記一般式(II)で表されるシクロブ
テンジオン誘導体。
【0017】
【化8】
【0018】(式中、Yは塩素原子、臭素原子、メトキ
シ基又はエトキシ基を表し、X1 はハロゲン原子、
2 、X3 、X4 及びX5 は水素原子又はハロゲン原子
を表す。)
【0019】(3) 上記(2) 記載の一般式(II)で表され
るシクロブテンジオン誘導体と下記一般式(III)で表さ
れる不斉1−アミノ−2−プロパノール(式中、C*
不斉炭素原子を表す)を反応させることを特徴とする上
記(1) 記載の一般式(I)で表されるシクロブテンジオ
ン誘導体の製造方法。
【0020】
【化9】
【0021】(4) 上記(1) 記載の一般式(I)で表され
るシクロブテンジオン誘導体を用いた非線形光学素子。
【0022】
【作用】本発明者等は、先に提案したシクロブテンジオ
ン誘導体を含めて、非線形光学素子に適した有機化合物
を検討する中で、上記一般式(I)で表されるシクロブ
テンジオン誘導体が、比較的大きな光非線形性を示し、
吸収が短波長域にあり、かつ、光透過性が先に提案した
シクロブテンジオン誘導体より優れていることを見出
し、本発明を完成させた。
【0023】上記一般式(I)のシクロブテンジオン誘
導体中に含まれるシクロブテンジオニル基は、下記実施
例に示す極大吸収波長(分子内電荷移動吸収帯)からも
分かるように、化合物中のπ電子との相互作用が大き
く、共鳴効果により強い電子吸引性を示す。そのため、
分子が電気的に大きく分極した構造を取り易くなり、高
い光非線形性発現のもとになっていまる。即ち、各実施
例に含まれるハロゲン原子の電子供与性は、一般に良く
知られているアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基
等と比較して小さいものの、これらの化合物が示す2次
超分子分極率は、パラニトロアニリン系材料の2次超分
子分極率の値の1.2倍と極めて大きな値を示す。
【0024】また、上記一般式(I)のシクロブテンジ
オン誘導体には、不斉炭素原子を有するアミノアルコー
ルが置換基として導入されており、この置換基がその立
体構造と水素結合により結晶中での分子の配向を制御可
能にし、双極子能率の大きな分子においても非中心対称
性の分子配向をもたらし、大きな光非線形性を示す結晶
の生成を容易にした。
【0025】上記一般式(I)のシクロブテンジオン誘
導体は、次に示す反応式によって容易に、かつ収率良く
合成することができる。
【0026】
【化10】
【0027】(式中、Yは塩素原子、臭素原子、メトキ
シ基又はエトキシ基を表し、X1 はハロゲン原子、
2 、X3 、X4 及びX5 は水素原子又はハロゲン原子
を表す。)
【0028】まず、上記一般式(II)で表されるシクロ
ブテンジオン誘導体を、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタ
ノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒に溶
解又は懸濁させる。次に、得られた溶液又は懸濁液中
に、上記のシクロブテンジオン誘導体に対して等量以上
の不斉1−アミノ−2−プロパノールを攪拌しながら徐
々に加えて反応させる。通常、反応は室温で速やかに進
行するが、必要に応じて加熱して反応を加速することも
できる。
【0029】また、上記一般式(II)のYが塩素原子又
は臭素原子の場合には、系中に、適当な酸結合剤、即
ち、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、炭酸ナ
トリウム等の塩基性化合物を共存させることにより、反
応を促進することもできる。反応の進行に伴い、生成物
が析出する場合は、これをろ別する。生成物が析出しな
い場合は、反応液の濃縮や、適当な貧溶媒の添加等によ
り生成物を析出させる。得られた結晶は、必要に応じて
アルコール、アセトン等の溶媒を用いて再結晶させる
か、昇華させることにより精製する。
【0030】上記の不斉1−アミノ−2−プロパノール
の代わりに、その酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素
塩、p−トルエンスルホン酸塩等を原料として使用し、
トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリ
ウム等の塩基性化合物の共存下、上記の方法と同様に、
上記一般式(II)で表されるシクロブテンジオン誘導体
と反応させて合成することができる。
【0031】上記一般式(II)で表されるシクロブテン
ジオン誘導体は、1,2−ジクロロシクロブテン−3,
4−ジオンを、これに対応するハロベンゼン等のフリー
デル・クラフツ溶媒(例えば、二硫化炭素、ニトロベン
ゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等)中
で、フリーデル・クラフツ反応条件下で混合攪拌する方
法や、或いは、1,2−ジヒドロキシシクロブテン−
3,4−ジオンと、これに対応するハロベンゼンを、ト
リアルキルオキソニウム塩共存下で、ハロゲン化溶媒中
で反応させる方法等により製造することができる。
【0032】本発明における上記一般式(I)で表され
る化合物は、その中に含まれるシクロブテンジオン間が
非常に強い電子吸引性を示すとともに、長い電子共役系
を持つ。即ち、これらの化合物群は、分子が電気的に大
きく分極した構造を有し、その構造が安定化され、高い
光非線形性を示す要因となっている。
【0033】また、上記一般式(I)中のRとして、不
斉炭素原子及び水素結合能力を有するアミン誘導体が導
入されていることから、基底状態において大きな双極子
モーメントを有する分子であるにもかかわらず、高い光
非線形性を有するものとなっている。さらに、本発明に
おける上記一般式(I)で表される化合物は、耐熱性、
耐候性、透明性に優れ、かつ、耐久性や加工性にも優れ
ているため、非線形光学素子材料として有用である。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕1−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−シクロブ
テン−3,4−ジオン〔構造式(II-1)〕の合成 1,2−ジクロロ−シクロブテン−3,4−ジオン15
g(約0.1 mol)を1,2−ジクロロエタン40 ml
に溶解させ、これに塩化アルミニウム13g(約0.1
mol)を加えて1.5時間加熱還流させた。次いで、系
を20℃に冷却した後、これに、フルオロベンゼン9.
5g(約0.1 mol)を滴下した。滴下終了後、室温で
3時間攪拌を継続して反応を進行させた。なお、この反
応式は次のとおりである。
【0035】
【化11】
【0036】反応終了後、系を冷却した後、冷水50 m
l を加えて約10分間攪拌し、次いで、有機相を分取
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、硫酸マグ
ネシウムをろ別し、系全量が20 ml になるまで濃縮し
た。そして、n−ヘキサンを約30ミリリットル加えて
系を−20℃に冷却し、析出した結晶をろ別、乾燥して
上記構造式(II−1)で示される1−クロロ−2−(4
−フルオロフェニル)−シクロブテン−3,4−ジオン
を4.5g得た。収率は21%であった。得られた上記
構造式(II−1)の塩化メチレン溶液の吸収極大波長
(λmax)は、322.6 nm 及び333.5 nm で
あった。 融点 :113〜115℃ 元素分析 :炭素 =56.91%(57.03%) 水素 = 2.03%(1.91%) ハロゲン=25.58%(25.86%) (カッコ内は理論値)
【0037】〔実施例2〕1−エトキシ−2−(4−フルオロフェニル)−シクロ
ブテン−3,4−ジオン〔構造式(I−2)〕の合成 実施例1に示した反応の終了時に、系を0度に冷却した
エタノール50 ml に投入し、そのまま系全体を一晩、
─20℃に保ち、析出した結晶をろ別、乾燥して下記構
造式(II−2)で示される1−エトキシ−2−(4−フ
ルオロフェニル)−シクロブテン−3,4−ジオンを1
5g得た。収率は71%であった。得られた構造式(II
−2)の物質の塩化メチレン溶液の吸収極大波長(λm
ax)は、322.3 nm 及び336.5 nm であっ
た。 融点 :126〜129℃ 元素分析 :炭素 =65.20%(65.46%) 水素 = 4.93%(4.12%) ハロゲン= 8.38%(8.63%) (カッコ内は理論値)
【0038】
【化12】
【0039】〔実施例3〜7〕出発原料として、表1、
2に記載したハロベンゼン誘導体(V−2〜6)を使用
した以外は、実施例1と同様にして表1、2に記載の中
間生成物(II−3〜7)を合成し、融点及びメタノール
溶液の吸収極大波長(λmax)を測定したところ、表
3の結果を得た。また、元素分析の結果も表3に併記し
た。
【0040】〔実施例8〜12〕出発原料として、表
1、2に記載したハロベンゼン誘導体(V−2〜6)を
使用した以外は、実施例2と同様にして表1、2に記載
の中間生成物(II−8〜12)を合成し、融点及びメタ
ノール溶液の吸収極大波長(λmax)を測定したとこ
ろ、表3の結果を得た。また、元素分析の結果も表3に
併記した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】〔実施例13〕1−(4−フルオロフェニル)−2−〔(r)−2−ヒ
ドロキシプロピルアミノ〕−シクロブテン−3,4−ジ
オン〔構造式(I−1)〕の合成 下記構造式(II−2)で示される化合物1g(4.4 m
mol)のメタノール5ml 懸濁溶液に(R)−(−)−
1−アミノ−2−プロペノール0.8g(約10 m mo
l)を滴下して反応させた。この反応式は次のとおりで
ある。
【0045】
【化13】
【0046】反応終了後、反応液を水に投入して白色結
晶を析出させ、ろ別して下記構造式(I−1)で示され
る1−(4−フルオロフェニル)−2−〔(γ)−2−
ヒドロキシプロピルアミノ〕−シクロブテン−3,4−
ジオンを0.9g得た。収率は83%であった。得られ
た結晶の元素分析の結果及び融点は下記のとおりであ
り、メタノール溶液の吸収極大波長(λmax)は33
5.5 nm 及び322.6 nm であった。 融点 :235〜237℃ 元素分析 :炭素 =62.35%(62.65%) 水素 = 4.94%(4.85%) 窒素 = 5.48%(5.62%) ハロゲン= 7.49%(7.62%) (カッコ内は理論値)
【0047】なお、この化合物は、下記構造式(II−
1)で示される化合物1g(4.4 mmol) の塩化メチ
レン溶液5 ml に、(R)−(−)−1−アミノ−2−
プロペノール0.8g(約10 m mol)を滴下して下記
反応式のように反応させた後、反応液を50℃の温水に
投入することにより、白色結晶として下記構造式(I−
1)で示される1−(4−フルオロフェニル)−2−
〔(r)−2−ヒドロキシプロピルアミノ〕−シクロブ
テン−3,4−ジオンを得ることができた。収率は7%
であった。
【0048】
【化14】
【0049】〔実施例14〜18〕中間生成物として、
表4に記載のシクロブテンジオン誘導体(II−6〜1
0)を使用した以外は、実施例1、3と同様にして表4
に記載の目的生成物(I−2〜6)を合成し、融点及び
メタノール溶液の吸収極大波長(λmax)を測定し、
元素分析を行ったところ、表5の結果を得た。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】〔実施例19〕実施例15で合成した1−
(4−ブロモフェニル)−2−〔(r)−2−ヒドロキ
シプロピルアミノ〕−シクロブテン−3,4−ジオン
〔構造式(I−3)〕の2次の超分子分極率βを測定し
た。ここで、測定法としては、K. Cray 及びA.Persons
らの提案にかかるHyper-Rayleigh散乱法〔Phys. Rev. L
ett.,66 2980,(1991)〕を用いメタノール中で測定を行
った。得られたβの値は54×10-30esuであっ
た。一方、試料としてp−ニトロアニリンを用いて同様
の測定を行ったときのβの値は34×10-30 esuで
あった。
【0053】〔実施例20〕実施例13〜18で合成し
た化合物(I−1〜6)について、実施例19と同様に
して2次の超分子分極率βを測定した。結果は上記表5
に併記した。
【0054】〔実施例21〕実施例15で合成した1−
(4−ブロモフェニル)−2−〔(r)−2−ヒドロキ
シプロピルアミノ〕−シクロブテン−3,4−ジオン
〔構造式(I−3)〕の粉末をガラスセル中に充填し、
これにNdドープYAGレーザ(波長1.064μm、
出力180mJ/パルス)を照射すると、レーザの第2
高調波である532nmの緑色散乱光を発生した。その
強度は、試料として尿素粉末を用いて同様の測定を行っ
たときの強度の30〜50倍であった。
【0055】〔実施例22〕実施例6〜8で合成した化
合物(I−2〜4)を使用して実施例9と同様にして試
料の光非線形性(SHG活性)を測定した。結果は上記
表5に併記した。なお、SHG活性の測定は、図1に示
した光学系を使用した。NdドープYAGレーザ11よ
り波長1064μmの光を試料12に照射し、試料12
から発生する波長532μmの緑色散乱光は、レンズ1
3、フィルター14及びモノクロメーター15を介して
光電子倍増管16に導入し、緑色散乱光の強度を測定し
た。そして、試料のSHG活性は、試料として尿素粉末
を用いるときの強度と比較して測定した。SHG活性が
Aとは、尿素粉末を1とするときの相対活性が10を越
えるものであり、Bとは相対活性が1〜10の範囲のも
ので、Cとは相対活性が1より低いものである。
【0056】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、高い非線形性を有し、耐熱性、耐候性、透明性、
耐久性のよび加工性に優れた非線形光学素子用材料を提
供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料の光非線形性(SHG活性)を測定するた
めの光学系のブロック図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるシクロブテ
    ンジオン誘導体。 【化1】 (式中、X1 はハロゲン原子、X2 、X3 、X4 及びX
    5 は水素原子又はハロゲン原子を表し、Rは下記の置換
    基を表す。この置換基において、C* は不斉炭素原子を
    表す。) 【化2】
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で表されるシクロブテ
    ンジオン誘導体。 【化3】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子、メトキシ基又はエト
    キシ基を表し、X1 はハロゲン原子、X2 、X3 、X4
    及びX5 は水素原子又はハロゲン原子を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項2記載の一般式(II)で表される
    シクロブテンジオン誘導体と下記一般式(III)で表され
    る不斉1−アミノ−2−プロパノール(式中、C* は不
    斉炭素原子を表す)を反応させることを特徴とする請求
    項1記載の一般式(I)で表されるシクロブテンジオン
    誘導体の製造方法。 【化4】
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    シクロブテンジオン誘導体を用いた非線形光学素子。
JP6253717A 1994-10-19 1994-10-19 シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法並びにこれを用いた非線形光学素子 Pending JPH08119914A (ja)

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