JPH05112656A - ブロー成形体 - Google Patents

ブロー成形体

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Publication number
JPH05112656A
JPH05112656A JP27413291A JP27413291A JPH05112656A JP H05112656 A JPH05112656 A JP H05112656A JP 27413291 A JP27413291 A JP 27413291A JP 27413291 A JP27413291 A JP 27413291A JP H05112656 A JPH05112656 A JP H05112656A
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JP
Japan
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cyclic olefin
resin
group
blow
ring
Prior art date
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Application number
JP27413291A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Aso
曽 宏 貴 阿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP27413291A priority Critical patent/JPH05112656A/ja
Publication of JPH05112656A publication Critical patent/JPH05112656A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明のブロー成形体は、(A)ポリアミド樹
脂と、(B)(B-ii)エチレンと特定の環状オレフィンと
の付加重合である環状オレフィン系ランダム共重合体、
(B-ii)上記特定の環状オレフィンの開環重合体および(B
-iii)該開環重合体の水添物よりなる群から選ばれる環
状オレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸またはその誘導
体で変性した極限粘度が0.05〜10dl/gの範囲内に
ある変性環状オレフィン系樹脂とを2/98〜98/2
の重量比で含有する樹脂組成物から形成されたブロー成
形体である。 【効果】本発明によりポリアミド樹脂を用いて表面平滑
性のよいブロー成形体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ブロー成形体に関し、さ
らに詳しくは本発明はポリアミド樹脂と環状オレフィン
系樹脂から形成される高温剛性、表面光沢および表面平
滑性に優れたブロー成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミド樹脂からなる成形体
は、高温剛性が高く、実用的な衝撃強度を有していると
共に、塗装性も良好なことから多くの製品に使用されて
いる。しかし、ポリアミド樹脂から形成される成形体
は、インジェクション成形により製造されることが多
く、ブロー成形により製造される成形体は少ない。これ
は、ポリアミド樹脂自体の溶融張力(メルトテンショ
ン)がブロー成形に必要な程度にまで高くないので、ポ
リアミド樹脂を用いたブロー成形が困難であるとの理由
による。
【0003】そこで、ポリアミドからブロー成形体を製
造するに際しては、ポリアミド樹脂に変性ポリエチレ
ン、変性ポリプロピレンゴム等を配合してメルトテンシ
ョンを向上させた樹脂組成物が使用されているが、これ
らの変性ポリオレフィンを配合することによりポリアミ
ド樹脂が有している高温剛性が低下する。この高温剛性
の低下を補うために無機フィラーを配合する試みもなさ
れているが、無機フィラーを配合することにより、得ら
れるブロー成形体の表面の平滑性および表面光沢が低下
する。こうした表面性を有するブロー成形体は、非塗装
の状態で外観が悪くなることは勿論、このブロー成形体
の表面に塗装を施しても良好な外観を有するブロー成形
体は得られにくい。
【0004】
【発明の目的】本発明は、ポリアミド樹脂を用いて高温
剛性、表面光沢性を有するブロー成形体を提供すること
を目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明のブロー成形体は、 (A)ポリアミド樹脂と、 (B)(B-i) エチレンと下記式[I]で表される少な
くとも1種の環状オレフィンとを付加重合させることに
より調製されるた環状オレフィン系ランダム共重合体、
(B-ii) 下記式[I]で表わされる少なくとも1種の環
状オレフィンを開環重合させることにより調製される環
状オレフィン系開環重合体、および(B-iii)該開環重合
体の水添物、 よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂を不飽和
カルボン酸またはその誘導体で変性した、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/
gの範囲内にある変性環状オレフィン系樹脂とを2/9
8〜98/2の重量比で含有する樹脂組成物から形成さ
れることを特徴としている。
【0006】
【化2】
【0007】…[I] ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
群から選ばれる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、
互いに結合して単環または多環の基を形成していてもよ
く、かつ該単環または多環の基が二重結合を有していて
もよく、また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。
【0008】
【発明の具体的説明】次に本発明のブロー成形体につい
て具体的に説明する。本発明のブロー成形体は、ポリア
ミド樹脂(A)と変性環状オレフィン系樹脂(B)とか
らなる樹脂組成物から形成されている。
【0009】本発明で使用されるポリアミド樹脂(A)
には、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合により形成さ
れるポリアミド、ラクタム類の開環重合により形成され
るポリアミドおよびジカルボン酸とジアミンとラクタム
類とから形成されるポリアミドがある。
【0010】このようなポリアミド樹脂(A)は、次式
[II]または[III]で表される繰り返し単位を有す
る。
【0011】
【化3】
【0012】・・・[II] 上記式[II]において、RaおよびRbはそれぞれ独立に
二価の脂肪族炭化水素基、二価の脂環族炭化水素基また
は二価の芳香族炭化水素基のいずれかを表し、pは正の
整数である。
【0013】
【化4】
【0014】・・・[III] 上記式[III]において、RCは二価の脂肪族炭化水素
基、二価の脂環族炭化水素基または二価の芳香族炭化水
素基のいずれかを表し、qは正の整数である。
【0015】このようなポリアミド樹脂としては、具体
的には環状アミドであるラムタム類の開環重合体(例え
ばε-カプロラクタムより製造されるナイロン6)、ア
ミノカルボン酸の重縮合体(例えばω-アミノウンデカ
ン酸より製造されるナイロン11、ω-アミノドデカン
酸より製造されるナイロン12)、ジカルボン酸類とジ
アミン類との重縮合体(例えばアジピン酸とヘキサメチ
レンジアミンとから製造されるナイロン66、セバシン
酸とヘキサメチレンジアミンとから製造されるナイロン
610、ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとから
製造されるナイロン612)等を挙げることができる。
これらのポリアミドは単独であるいは組み合わせて使用
することができる。
【0016】このポリアミド樹脂の極限粘度[η](3
0℃の濃硫酸中で測定した値)は、通常は0.3〜4dl/
g、好ましくは0.4〜3dl/gの範囲内にある。本発明で
使用される変性環状オレフィン系樹脂(B)は、(B-i)
エチレンと式[I]で表される少なくとも1種の環状
オレフィンとを付加重合させることにより調製されるた
環状オレフィン系ランダム共重合体、(B-ii) 式[I]
で表わされる少なくとも1種の環状オレフィンを開環重
合させることにより調製される環状オレフィン系開環重
合体、および(B-iii)該開環重合体の水添物、よりなる
群から選ばれる環状オレフィン系樹脂を不飽和カルボン
酸またはその誘導体で変性した変性環状オレフィン系樹
脂である。
【0017】ここで使用される環状オレフィン系ランダ
ム共重合体(B-i)は、エチレンと次式[I]で表される環
状オレフィンとを付加重合させることにより調製される
共重合体である。
【0018】
【化5】
【0019】・・・[I] ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
る。なお、qが0の場合このqで規定される結合は単結
合になり、従ってここで形成される環は5員環である。
【0020】また、上記式[I]において、R1〜R18
並びにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原
子もしくは基を表す。ここで、ハロゲン原子としては、
例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素
原子を挙げることができる。また、炭化水素基として
は、それぞれ独立に、通常は、炭素原子数1〜20のア
ルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル
基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および芳香
族炭化水素基を挙げることができ、アルキル基の具体的
な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基およびオクタデシル基を挙げることが
でき、ハロゲン化アルキルの具体的な例としては、上記
のようなアルキル基を形成している水素原子の少なくと
も一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子で置換された基を挙げることができる。また、シク
ロアルキル基の具体的な例としては、シクロヘキシル基
を挙げることができ、芳香族炭化水素基の具体的な例と
してはフェニル基およびナフチル基を挙げることがで
き、これらの基は低級アルキル基を有していてもよい。
さらに、上記式[I]において、R15とR16とが、R17
とR18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15
18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して
(互いに共同して)、単環または多環の基を形成してい
てもよく、しかも、このようにして形成された単環また
は多環の基が二重結合を有していてもよい。
【0021】ここで単環または多環の基の例としては、
以下に記載する基を挙げることができる。
【0022】
【化6】
【0023】なお、上記の例示した基において、1およ
び2の番号を賦した炭素原子は、式[I]において、R
15〜R18で表される基が結合している脂環構造の炭素原
子を表す。
【0024】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキ
リデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な
例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソ
プロピリデン基を挙げることができる。
【0025】式[I]で表される環状オレフィンの例と
しては、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン誘導体、テト
ラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン誘導体、ヘ
キサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプ
タデンセン誘導体、オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,1
11.18,113.16,03.8,012.17]-5-ドコセン誘導体、ペン
タシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]-4-ヘキサデセン誘
導体、ヘプタシクロ-5-イコセン誘導体、ヘプタシクロ-
5-ヘンエイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン
誘導体、ペンタシクロ[8,4,0,12.3,19.12,08.13]-3-ヘ
キサデセン誘導体、ペンタシクロ[7,4,0,12.5,19.12,0
8.13]-3-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ
[8,7,0,1,3,6,110.17,112.15,02.7,011.16]-4-エイコセ
ン誘導体、ペンタシクロ[8,8,0,14.7,111.18,113.16,0
3.8,012.17]-5-ヘンエイコセン誘導体、ペンタシクロペ
ンタデカジエン誘導体、トリシクロ[4,3,0,12.5]-3-
デセン誘導体、トリシクロ[4,3,0,12.5]-3-ウンデセ
ン誘導体、および、ノナシクロ[9.10.1.1.4.7.03,8.0
2,10.012,21.113,20.014,19.115,18]-5-ペンタコセン誘
導体を挙げることができる。
【0026】以下にこのような環状オレフィンの具体的
な例を示す。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】上記式[I]で表される環状オレフィン
は、シクロペンタジエン類と対応するオレフィン類と
を、ディールズ・アルダー反応させることにより製造す
ることができる。
【0040】環状オレフィン系ランダム共重合体(B-i)
において、上記式[I]で表わされる環状オレフィンと
エチレンとはランダムに付加重合している。この環状オ
レフィン系ランダム共重合体(B-i)中のおけるエチレン
から誘導される繰り返し単位の含有率は、通常は40〜
90モル%、好ましくは50〜80モル%の範囲内にあ
り、環状オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有
率は、通常は10〜60モル%、好ましくは20〜50
モル%の範囲内にある。
【0041】この環状オレフィン系ランダム共重合体(B
-i)は、例えば、エチレンと環状オレフィンとを、炭化
水素媒体中、炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハ
ロゲン含有有機アルミニウム化合物とから形成される触
媒の存在下で重合させることにより製造することができ
る。
【0042】ここで用いられる炭化水素溶媒としては、
たとえばヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび灯油等の
脂肪族炭化水素;シクロヘキサンおよびメチルシクロヘ
キサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよび
キシレン等の芳香族炭化水素を挙げることができる。さ
らに共重合体の調製の際に使用できる重合性不飽和単量
体のうちで反応温度において液体である化合物を反応溶
媒として用いることもできる。これらの溶媒は単独で、
あるいは組合わせて使用することができる。
【0043】上記のエチレンと式[I]で表わされる環
状オレフィンとの反応の際に用いられる触媒としては、
反応溶媒として用いる炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を挙
げることができる。
【0044】ここで触媒として用いられるバナジウム化
合物としては、式 VO(OR)ab、若しくは、式
V(OR)cdで表わされる化合物を挙げることができ
る。ただし、上記の式において、Rは炭化水素基であ
り、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c
≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4の関係を有する。
【0045】さらにバナジウム化合物は、上記式で表わ
されるバナジウム化合物の電子供与体付加物であっても
よい。上記バナジウム化合物と付加物を形成する電子供
与体の例としては、炭素原子数1〜18のアルコール
類、炭素原子数6〜20のフェノール類(これらのフェ
ノール類は、低級アルキル基を有してよい)、炭素原子
数3〜15のケトン類、炭素原子数2〜15のアルデヒ
ド類、炭素原子数2〜30の有機酸エステル類、炭素原
子数2〜15の酸ハライド類、炭素原子数2〜20のエ
ーテル類、アミン類、ニトリル類およびアルコキシシラ
ン類を挙げることができる。これらの電子供与体は、単
独であるいは組合わせて使用することができる。
【0046】バナジウム化合物の具体的な例としては、
VOCl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC25
2Cl、VO(O-iso-C37)Cl2、VO(O-n-C4
9)Cl2、VO(OC253、VOBr2、VCl4
VOCl2、VO(O-n-C4 93およびVCl3・2
(OC817OH)を挙げることができる。これらのバ
ナジウム化合物は単独で、あるいは組合わせて使用する
ことができる。
【0047】有機アルミニウム化合物としては、分子内
に少なくとも1個のAl-炭素結合を有する化合物を用
いることができる。ここで有機アルミニウム化合物の例
としては、(i)式R1 mAl(OR2npq (ここ
でR1およびR2は炭素原子数が、通常は1〜15、好ま
しくは1〜4の炭化水素基で、これらは互いに同一でも
異なっていてもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦3、
nは0≦n<3、pは0≦n<3、qは0≦q<3の数
であって、しかもm+n+p+q=3である)で表わさ
れる有機アルミニウム化合物、(ii)式M1AlR1 4
(ここでM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ
意味である)で表わされる第I族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物を挙げることができる。
【0048】前記の式(i)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物の例としては、具体的には以下に記載する化
合物を挙げることができる。 式 R1 mAl(OR23-m (ここでR1およびR2は前
記と同じ意味であり、mは好ましくは1.5≦m<3の
数である)で表わされる化合物。
【0049】式 R1 mAlX3-m (ここでR1は前記と
同じ意味であり、Xはハロゲン、mは好ましくは0<m
<3である)で表わされる化合物。 式 R1 mAlH3-m (ここでR1は前記と同じ意味であ
り、mは好ましくは2≦m<3である)で表わされる化
合物。
【0050】式 R1 mAl(OR2nq (ここでR1
およびR2は前記と同じ意味である。Xはハロゲン、0
<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3
である)で表わされる化合物。
【0051】上記式(ii)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、トリアルキルアルミニ
ウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニ
ウムアルコキシド、アルキルアルミニウムセスキアルコ
キシド、式R1 2.5Al(OR20.5等で表わされる平均
組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアル
ミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドのように部分的にハロゲン化されたアルキルア
ルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキ
ルアルミニウムジヒドリドのように部分的に水素化され
たアルキルアルミニウムならびに部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムを挙げる
ことができる。
【0052】前記の式(ii)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物の例としては、LiAl(C254および
LiAl(C7154を挙げることができる。これらの
中では、特にアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミウムジハライドまたはこれらの混合物を用いるの
が好ましい。
【0053】有機アルミニウム化合物は、例えば酸素原
子あるいは窒素原子を介して、2以上のアルミニウムが
結合した有機アルミニウム化合物のように式(ii)で表
わされる化合物に類似する化合物であってもよい。この
化合物の具体的な例としては、(C252AlOAl
(C252、(C492AlOAl(C492およ
び(C252AlN(C65)Al(C252を挙げ
ることができる。
【0054】上記のバナジウム化合物の使用量は、バナ
ジウム原子として、通常は0.01〜5グラム原子/リ
ットル、好ましくは0.05〜3グラム原子/リットル
の範囲内にある。また、有機アルミニウム化合物の使用
量は、重合反応系内のバナジウム原子に対するアルミニ
ウム原子の比(Al/V)として表わすと、通常は2以
上、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範
囲内にある。
【0055】このような重合方法自体はすでに公知であ
り、重合に際しては、例えば特開昭60-168708号、同61-
120816号、同61-115912号、同61-115916号、同61-27130
8号、同61-272216号、同62-252406号および同62-252407
号などの公報に提案されている方法を利用することがで
きる。
【0056】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体中において、例えば上記式[I]で表わされる環状
オレフィンの少なくとも一部は、次式[I-A]で表わさ
れる構造を有してエチレンから誘導される繰り返し単位
とランダムに結合しているものと考えられる。
【0057】
【化19】
【0058】・・・[I-A] ただし、上記式[I-A]において、R1〜R18並びにq、
mおよびnは、式[I]におけるのと同じ意味である。
【0059】環状オレフィン系ランダム共重合体(B-i)
中において、エチレンから誘導される繰り返し単位と、
環状オレフィンから誘導される繰り返し単位とは、ラン
ダムに、かつ実質上線状に配列されている。この環状オ
レフィン系ランダム共重合体が、実質上線状であり、か
つゲル状物を形成する架橋構造を有していないことは、
この共重合体が、135℃のデカリンに完全に溶解する
ことにより確認することができる。
【0060】本発明で使用される上記環状オレフィン系
ランダム共重合体(A)においては、重合体の性質を損
なわない範囲で環状オレフィンとエチレンの他に、α-
オレフィン(第3モノマー)および/または上記式
[I]で表わされる環状オレフィン以外の環状オレフィ
ン(他の環状オレフィン)を加えて付加重合させること
により得られる共重合体を使用することもできる。
【0061】ここで使用されるα-オレフィンは、直鎖
状であっても分岐鎖状であってもよく、このようなα-
オレフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、4-メ
チル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセ
ン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-
オクタデセンおよび1-エイコセンのような炭素原子数3
〜20のα-オレフィンを挙げることができる。これら
の中でも、炭素原子数3〜15、特に3〜10のα-オ
レフィンを使用することが好ましい。
【0062】また、「他の環状オレフィン」は、式
[I]で表わされる環状オレフィンを除く、不飽和多環
式炭化水素化合物を含む広い概念で用いられる。より具
体的には、他の環状オレフィンの例としては、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチル
シクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチ
ルブチル)-1-シクロヘキセン、スチレン、α-メチルス
チレンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-
インデン、芳香族環を有するビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-
エン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフル
オレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒ
ドロアントラセン誘導体およびシクロペンタジエン-ア
セナフチレン付加物などを挙げることができる。
【0063】環状オレフィン系ランダム共重合体中に上
記α-オレフィンから誘導される繰り返し単位は、0〜
50モル%、他の環状オレフィンから誘導される繰り返
し単位は、0〜50モル%の量で含有させることができ
る。共重合体の軟化温度は、これらの繰り返し単位の含
有率を調整することによっても制御することができる。
【0064】なお、他の環状オレフィンが、分子内に二
個以上の二重結合を有している場合には付加重合に寄与
せずに共重合体中に残存している二重結合を水素添加す
ることもできる。
【0065】上記のようにして付加重合を行った後、必
要により水素添加を行うことにより、本発明で使用され
る環状オレフィン系ランダム共重合体の沃素価を通常5
以下、多くの場合1以下にすることができる。
【0066】環状オレフィン系ランダム共重合体(B-i)
中において、原料として使用された環状オレフィンが、
例えば上記式[I-A]で示す構造を有することは、この
環状オレフィン系ランダム共重合体についての13C−N
MRの測定結果から確認することができる。環状オレフ
ィン系ランダム共重合体における上記のような構造は化
学的な安定性が高い。
【0067】次に、本発明で環状オレフィン系樹脂とし
て使用される環状オレフィン開環重合体(B-ii)および水
素化開環重合体(B-iii)について説明する。環状オレフ
ィン系樹脂のうち、環状オレフィン開環重合体(B-ii)
は、上記式[I]で表される環状オレフィンを、例え
ば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
インジウム、あるいは白金などの金属のハロゲン化物、
硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒;チタン、パラジウム、ジルコニウム、あるい
はモリブデン等の金属のハロゲン化物またはアセチルア
セトン化合物と、有機アルミニウムとからなる触媒の存
在下に開環させながら(共)重合させることにより製造
することができる。
【0068】この環状オレフィン開環重合体中において
式[I]で表される環状オレフィンで表される環状オレ
フィンの少なくとも一部は[I-B]で表される構造を有
していると考えられる。
【0069】
【化20】
【0070】・・・[I-B] なお、上記式[I-B]において、R1〜R18、Raおよび
b、並びにm、nおよびqは式[I]におけるのと同じ
意味である。
【0071】また、この開環重合体の水添物(水素化開
環重合体)(B-iii)は、上記のようにして得られた環状
オレフィン開環重合体(B-ii)を、水素添加触媒の存在下
に水素で還元することにより製造することができる。
【0072】ここで使用される水素添加触媒としては、
オレフィン類の水素添加の際に通常使用されている触媒
を使用することができる。このような水素添加触媒には
不均一触媒と均一触媒とがある。ここで使用される不均
一触媒の具体的な例としては、ニッケル、パラジウムお
よび白金などの金属、またはこれらの金属をカーボン、
シリカ、ケイ藻土、アルミナあるいは酸化チタン等の担
体に担持された固体触媒を挙げることができる。こうし
た担体担持型固体触媒の代表的な例としては、ニッケル
/シリカ、ニッケル/ケイ藻土、パラジウム/カーボ
ン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイ藻土および
パラジウム/アルミナを挙げることができる。また、均
一系触媒は、一般には周期律表第VIII族金属を基体とす
る触媒であり、具体的な例としては、ナフテン酸ニッケ
ル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n-
ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセトネート/トリ
エチルアルミニウムのようにNi化合物あるいはCo化
合物と周期律表第I〜III族金属の有機金属化合物とか
らなる触媒およびRh化合物を含む触媒を挙げることが
できる。
【0073】環状オレフィン開環重合体の水素添加反応
に際して反応条件は種々設定することができるが、通常
は1〜150気圧の水素圧下で、反応温度を通常は0〜
180℃、好ましくは20〜150℃の範囲内に設定し
て反応させる。水素添加率は、水素圧、反応温度、反応
時間、触媒濃度等を考慮して調整することができるが、
本発明においては、開環重合体の主鎖が有している二重
結合の50モル%以上、好ましくは80モル%以上、特
に好ましくは90モル%以上が水素添加された添物(B-i
ii)を使用することにより本発明のブロー成形体を耐熱
性および耐熱老化性が特に良好になる。
【0074】この開環重合体の水添物(B-iii)中におい
て式[I]で表される環状オレフィンで表される環状オ
レフィンの少なくとも一部は[I-C]で表される構造を
有していると考えられる。
【0075】
【化21】
【0076】・・・[I-C] なお、上記式[I-C]において、R1〜R18、Raおよび
b、並びにm、nおよびqは式[I]におけるのと同じ
意味である。
【0077】本発明で使用される変性環状オレフィン系
樹脂(B)は、上記環状オレフィン系樹脂(B-i)、(B-i
i)および(B-iii)を不飽和カルボン酸またはその誘導体
で変性することにより調製される。
【0078】ここで使用される不飽和カルボン酸の例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、ナ
ジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エ
ン-2,3-ジカルボン酸)を挙げることができる。さら
に、上記の不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和
カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和
カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽
和カルボン酸のエステル化合物を挙げることができる。
このような誘導体の具体的な例としては、塩化マレニ
ル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジ
ルマレエート、グリシジルアクリレートおよびグリシジ
ルメタクリレートを挙げることができる。
【0079】これらのグラフトモノマーは、単独で使用
することもできるし、組み合わせて使用することもでき
る。上記のようなグラフトモノマーのうちでは、不飽和
ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、さらにマ
レイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物、ある
いはグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
トが特に好ましく、さらに具体的な化合物としては無水
マレイン酸が最も好ましい。
【0080】本発明で使用されるグラフト変性環状オレ
フィン系樹脂は、例えば上記のようなグラフトモノマー
と環状オレフィンとを、従来公知の種々の方法を採用し
て変性することにより製造することができる。たとえ
ば、前記環状オレフィンを溶融させ、グラフトモノマー
を添加してグラフト重合させる方法、あるいは溶媒に溶
解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させ
る方法がある。さらに、グラフト変性環状オレフィン系
樹脂を製造する方法としては、未変性の環状オレフィン
系樹脂を所望のグラフト変性率になるようにグラフトモ
ノマーを配合して変性する方法、予め高グラフト変性率
のグラフト変性環状オレフィン系樹脂を調製し、この高
変性率の環状オレフィン系樹脂を未変性の環状オレフィ
ン系樹脂で希釈して所望の変性率のグラフト変性環状オ
レフィン系樹脂を製造する方法がある。本発明において
は、いずれの方法により製造したグラフト変性環状オレ
フィン系樹脂を使用することもできる。そして、本発明
においてはグラフト変性環状オレフィン系樹脂として
は、変性率が、通常は0.001〜5重量%、好ましく
は0.05〜4重量%、特に好ましくは0.1〜2重量
%の範囲内にあるグラフト変性共重合体が使用される。
【0081】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカ
ル開始剤の使用割合は、未変性環状オレフィン系樹脂1
00重量部に対して通常0.001〜5重量部の範囲で
ある。
【0082】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく使用され、このような
ラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメ
チル-2,5-ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-
3、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルア
セテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペルベンゾエート、t
ert-ブチルペルフェニルアセテート、tert-ブチルペル
イソブチレート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、
tert-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートお
よびtert-ブチルペルジエチルアセテートを挙げること
ができる。さらに本発明においてはラジカル開始剤とし
てアゾ化合物を使用することもでき、このアゾ化合物の
具体的な例としては、アゾビスイソブチロニトリルおよ
びジメチルアゾイソブチレートを挙げることができる。
【0083】これらのうちでは、ラジカル開始剤とし
て、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t
ert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5
-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(te
rt-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジア
ルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0084】こうして得られるグラフト変性環状オレフ
ィン系樹脂(B)は、単独で使用することもできるし、
組み合わせて使用することもできる。本発明で使用され
るグラフト変性環状オレフィン系樹脂(B)は、135
℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜
10dl/gであることが必要であり、さらにこの極限粘度
[η]が0.08〜5dl/gの範囲内にあるグラフト変性
環状オレフィン系樹脂(B)を使用することが好まし
い。極限粘度が上記の範囲内にあるグラフト変性環状オ
レフィン系樹脂(B)を使用することにより、ブロー成
形を効率よく行うことができる。
【0085】また、本発明で使用されるグラフト変性環
状オレフィン系樹脂(B)についてサーモ・メカニカル
・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)は、通常
は70℃以上、好ましくは90〜250℃の範囲内、さ
らに好ましくは100〜200℃の範囲内にある。さら
に、ガラス転移温度(Tg)は、通常は50〜230
℃、好ましくは70〜210℃の範囲内にあり、またX
線回折法により測定した結晶化度は、通常は0〜10
%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範
囲内にある。
【0086】本発明のブロー成形体は、上記のようなポ
リアミド樹脂(A)とグラフト変性環状オレフィン系樹
脂(B)とを98/2〜2/98の重量比、好ましくは
95/5〜5/95の重量比で含有する組成物から製造
される。
【0087】この組成物には、本発明のブロー成形体の
特性を損なわない範囲内で、他の成分を配合することが
できる。他の成分の例としては、無水マレイン酸をグラ
フト共重合体エチレンプロピレンランダム共重合体のよ
うな不飽和カルボン酸またはどの誘導体がグラフト重合
した樹脂、衝撃強度を向上させるために配合されるゴム
成分。耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックス等を挙げることができ
る。任意成分として配合される安定剤の例としては、テ
トラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエス
テルおよび2,2'-オキザミドビス[エチル-3(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフ
ェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウムおよび12-ヒドロキシステアリン酸カルシ
ウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、
グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレー
ト、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエ
リスリトールジステアレートおよびペンタエリスリトー
ルトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル
などを挙げることができる。これらは単独であるいは組
合わせて使用することができる。この組合わせの例とし
ては、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリ
ン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組合わせな
どがある。また、ブロー成形体の表面平滑性を損なわな
い範囲内で、上記組成物には充填材を配合することがで
きる。ここで使用される充填材の例としては、ケイ酸粉
(シリカ)、ケイ藻土、酸化チタン、アルミナ、酸化マ
グネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウ
ム、ドロマイト、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タ
ルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラ
スフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモ
リロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミウニ
ウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪素繊維、
ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、アタバルジャイ
ト、カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄、水酸
化マグネシウム、スレート粉、セリサイト、石英粉、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、長石粉、バライト、
ロウ石クレー、石膏、ガラスバルーン、シラスバルーン
および熱硬化性樹脂粉などのフィラーあるいは強化材を
挙げることができる。
【0088】上記の成分を混合し、混練することにより
本発明のブロー成形体の製造に使用される樹脂組成物を
得ることができる。本発明のブロー成形体には、上記の
ような樹脂組成物を用いて、エクストルージョンブロー
成形法により製造される成形体、インジェクションブロ
ー成形法により製造される成形体および二段ブロー成形
法により製造される成形体がある。これらのブロー成形
法を採用して成形体を製造するに際しては、従来の成形
条件を採用することができる。すなわち、ポリアミド樹
脂に特定のグラフト変性環状オレフィン系樹脂を配合す
ることにより、従来からブロー成形が困難であったポリ
アミド樹脂から、従来のブロー方法を利用してブロー成
形体を製造することができる。
【0089】本発明のブロー成形体は、例えば自動車内
装品(例えばインストゥルメントパネル、自動車外装品
(例えばバンパーフェンダー、ボンネットスポイラー、
トランクテールゲート等)、その他自動車部品(ダク
ト、ホース、パイプ等)、事務器、工具、家電ハウジン
グ各種容器、浮子等の各種玩具、各種のレジャー用品、
レジャー用車輌の部品及び風呂あるいは台所の日用部品
などとして使用することができる。
【0090】
【発明の効果】本発明のブロー成形体は、ポリアミド樹
脂(A)と特定のグラフト変性環状オレフィン系樹脂
(B)とを配合した樹脂組成物から形成されており、こ
の樹脂組成物はポリアミド樹脂(A)と比較すると溶融
張力が大幅に増大するので、ポリアミド樹脂(A)だけ
を用いたのでは製造することが出来ないブロー成形体を
得ることができる。そして、ポリアミド樹脂と変性ポリ
エチレンとからなる樹脂組成物を用いたのでは高温剛性
が大幅に低下し、この高温剛性を補填するために無機フ
ィラーを配合すると、高温剛性は向上するが、ブロー成
形品の表面平滑性(ブロス)が大幅に低下し、外観を損
ねるのに対して、上記特定のグラフト変性環状オレフィ
ン系樹脂(B)を用いることにより高温構成の向上と表
面平滑性の両者を同時に満足するブロー成形体を得るこ
とができる。
【0091】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、本発明における各種物性値の測定方法および
評価方法を次に示した。
【0092】(1)溶融張力 260℃に加熱して溶融した実施例で得られた組成物を
メルトテンションテスター(東洋精機製、ノズル長=8
mm、ノズル径=2mm)を用いて押出し、押出されたスト
ランドを15mm/分の速度で引取った時のフィラメント
に掛かる張力(溶融張力)を測定した。
【0093】(2)曲げ試験 実施例で得られたブロー成形体から試験片を切り出し、
ASTM D790に準じて行った。 試験片形状:1
2.5×7.5×2tmm、スパン間距離51mm 試験速度:20mm/min 試験温度:80℃ (3)グロス 実施例で得られたブロー成形体から試験片を切り出し、
この試験片について、角度を60℃に設定して、AST
M D523に準じて測定した。
【0094】
【実施例1】変性環状オレフィン付加重合体(B)であ
る無水マレイン酸変性樹脂は下記の方法にて調製した。
【0095】13C−NMRで測定したエチレン含有量が
62モル%、MFR260 o Cが35g/10分、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.47dl/g 、TM
Aが170℃、Tgが159℃であるエチレンと1,4,5,
8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン(即ち、テトラシクロ[4,4,0,12.517.10]-3-ドデセ
ン、以下「DMON」と略記することもある)とのラン
ダム共重合体(エチレン・DMONランダム共重合体)
のペレット10kgに、アセトン60gに溶解させた無水
マレイン酸50g、有機過酸化物(日本油脂(株)製、
パーヘキシン25B、商標)10gを加え充分混合した
後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45)を
用いてシリンダー温度250℃で溶融して反応させ、引
き続きペレタイザーを用いてペレット化した。
【0096】得られた無水マレイン酸変性樹脂中におけ
る無水マレイン酸含有量は0.4重量%(酸無水基含有
量として0.3重量%)であった。次に(A)成分とし
てポリアミド樹脂(東レ(株)製、6ナイロンCM10
41LO、商標)のペレット6.0kg、および[B]成
分として前記の方法で調製した無水マレイン酸変性樹脂
のペレツト4.0kgを充分混合した後、二軸押出器(前
記と同じ)によりシリンダ温度250℃で溶融ブレンド
し、ペレタイザーにてぺレット化した。
【0097】得られたペレツトを用いて前記の溶融張力
の測定を行うと共に、ブロー成形体を作製し、前記の方
法に従ってブロー成形体の物性を評価した。結果を表1
に示す。
【0098】
【実施例2】実施例1において、(A)成分と(B)成
分との配合量を表1に記載したように以外は同様の操作
してペレットを調製し、このペレットからブロー成形体
を製造し、実施例1と同様にしてその物性を評価した。
結果を表1に示す。
【0099】
【比較例1】実施例1および2で(A)成分として用い
た6ナイロンCM1041LOのみを用い、グラフト変
性環状オレフィン系樹脂を使用しなかった以外は実施例
1と同様に溶融張力の測定を行った。結果を表1に示
す。
【0100】この組成物は、ドローダウンが大きく、ブ
ロー成形体が得られず、ブロー成形体の物性は評価でき
なかった。
【0101】
【比較例2,3】実施例1において、(B)成分である
グラフト変性環状オレフィン系樹脂の代わりに、ポリプ
ロピレン樹脂(三井石油化学工業(株)製 B200,
商標)、ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業(株)製
8000F,商標)を各々実施例1と同様に無水マレ
イン酸を用いて変性した。
【0102】こうして得られた無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン[C]成分(比較例2)、無水マレイン酸変
性ポリエチレン[D]成分(比較例3)を(B)成分で
あるグラフト変性環状オレフィン系樹脂の代わりに用い
た以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、この組
成物からブロー成形体を製造し、この組成物およびブロ
ー成形体の物性を測定した。結果を表1に示す。
【0103】
【比較例4】比較例3において、タルク(松村産業
(株)、ハイフィラー15DS 商標)を20重量部配
合した以外は同様にして組成物を調製し、この組成物か
らブロー成形体を製造し、この組成物およびブロー成形
体の物性を測定した。結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00 4F C08L 77:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂と、 (B)(B-i) エチレンと下記式[I]で表される少な
    くとも1種の環状オレフィンとを付加重合させることに
    より調製されるた環状オレフィン系ランダム共重合体、 (B-ii) 下記式[I]で表わされる少なくとも1種の環
    状オレフィンを開環重合させることにより調製される環
    状オレフィン系開環重合体、および (B-iii)該開環重合体の水添物、 よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂を不飽和
    カルボン酸またはその誘導体で変性した、135℃のデ
    カリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/
    gの範囲内にある変性環状オレフィン系樹脂とを2/9
    8〜98/2の重量比で含有する樹脂組成物から形成さ
    れるブロー成形体; 【化1】 …[I] (ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
    り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
    り、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、
    互いに結合して単環または多環の基を形成していてもよ
    く、かつ該単環または多環の基が二重結合を有していて
    もよく、また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
    アルキリデン基を形成していてもよい)。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011256290A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Unitika Ltd 芳香族ポリアミド樹脂組成物およびその発泡体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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