JPH047425B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は屋上外断熱構造に関し、特に、建物の
躯体上面に断熱材ボードを縦横に配列して敷きつ
めるとともに該断熱材ボードの上側に空間を設け
てルーフ用パネルを縦横に配列して敷きつめる形
式の屋上外断熱構造の改良に関する。

室内における体感温度は室温の他に天井面から
の輻射熱によつて影響を受ける。このため、特
に、コンクリート製建物では、その屋上上面に断
熱材ボードを敷きつめる形式の屋上外断熱構造が
提案されている。この断熱構造によれば、建物全
体を保温し、特に早朝の冷込みを緩和するととも
に、真夏には直射日光を遮り適度な換気と日陰効
果を利用して屋根スラブの蓄熱を防ぎ、ほてりに
よる夜間のむし暑さを解消することができる。

この屋上外断熱構造は、一般に、取付け及び撤
去を容易化するとともに新築の建物のみならず既
存の建物にも容易に施工できるようユニツト化構
造を有し、建物躯体上面に空間（下部空気層）を
設けて断熱材ボードを縦横に配列して敷きつめる
とともに該断熱材ボードの上側に空間（上部空気
層）を設けてルーフ用パネルを縦横に配列して敷
き、隣接するパネルの角隅部をセンタージヨイナ
ー及びジヨイナーキヤツプで締結するとともに該
パネルの層の周辺部にはエンドブロツクを設けて
組立てる構造を有している。

このような屋上外断熱構造では、建物躯体上面
に空間を設けて断熱材ボードを敷きつめるので、
空気層と断熱材ボードからなる二重断熱構造によ
り断熱効果を高めることができ、又、雨や雪等で
断熱材ボードに水が浸入した場合でも前記空気層
の存在により自然換気で乾燥回復させ断熱性能を
多期間にわたつて高く維持できるという利点があ
る。

しかし、従来のこの種の屋上外断熱構造にあつ
ては、断熱材ボードの上側に敷きつめる各ルーフ
用パネル（通常コンクリートで作られる）は、台
風等強い風が生じた場合、パネル上下に生じる圧
力差すなわち上面の高速気流によつて生じる負圧
吸引力により上方へ吸引され剥がれたり飛散する
というおそれがある。このようなパネルの剥がれ
は、安全性の見地からも確実に防止する必要があ
る。

本発明の目的は、強風時におけるパネル上下間
の圧力差を低減することにより、パネルの剥がれ
或は飛散の可能性をなくしうる屋上外断熱構造を
提供することである。

本発明の特徴は、ルーフ用パネルの層の周辺部
に設けられたエンドブロツクに、パネル下側の空
間と外部とを連通する開口を形成し、強風時にお
けるパネル上下の圧力差の低減を図ることにより
上記目的を達成することである。

すなわち、本発明によれば、建物躯体上面に断
熱材ボードを縦横に配列して敷くとともに該断熱
材ボードの上側に空間を設けてルーフ用パネルを
縦横に配列して敷き、隣接するパネルの角隅部を
センタージヨイナーおよびジヨイナーキヤツプで
締結するとともに該パネルの層の周辺部にエンド
ブロツクを設けて構成される屋上外断熱構造にお
いて、前記エンドブロツクに前記ルーフ用パネル
下側の空間と外部とを連通する開口を形成するこ
とにより、強風時におけるルーフ用パネル上下の
圧力差の低減を図ることを特徴とする屋上外断熱
構造が提供される。

以下第１図〜第４図を参照して本発明の実施例
を説明する。

第１図〜第３図は本発明の一実施例を示す図で
ある。

これらの図面において、コンクリート建物の屋
上スラブを形成する建物躯体１の上面には防水層
２が設けられ、この防水層の上側には空間（下部
空気層）３を設けて複数枚の断熱材ボード４が縦
横に配列して敷きつめられ、さらにその上側に空
間（上部空気層）５を設けて複数枚のルーフ用パ
ネル６が縦横に配列して敷きつめられている。

前記断熱材ボード４は例えば硬質ウレタンフオ
ーム等のプラスチツク発泡体で作られ、その寸法
は例えば縦横80cmで厚みが２〜５cmのユニツトボ
ードとして形成される。

前記ルーフ用パネル６は、例えば、縦横40cmで
厚みが４〜６cm程度のコンクリートで作られる。
ただし、図示の例では前記断熱材ボード４として
このパネル６と同じ縦横寸法（広さ）のものが使
用されている。

各断熱材ボード４はその角隅部（ルーフ用パネ
ルより広い場合は中央部においても）をセンター
ジヨイナー７（第２図参照）で支持され、この断
熱層（断熱材ボード４を敷きつめた層）の周辺部
はコンクリート製のエンドブロツク８で支持され
ている。

各ルーフ用パネル６は、その角隅部で隣接する
ルーフ用パネルとともに前記センタージヨイナー
７およびジヨイナーキヤツプ９により相互に結合
され、この層（ルーフ用パネル６を敷きつめた
層）の周辺部にはエンドブロツク８が設けられ、
該エンドブロツクにより上側から押え付けた状態
または浮上阻止の状態で支持されている。

前記センタージヨイナー７は建物躯体（図示の
例では建物躯体上面に設けられた防水層２）１の
上面に載置され、そのパネル支持面は上下調節可
能になつており、建物躯体１の上面に凹凸がある
場合でも各パネル６を同一高さに敷きつめうるよ
うになつている。

前記エンドブロツク６は、図示の例では、パネ
ル６の辺の長さと略一致する長さのものを鉄筋１
０で連結した構造を示し、このエンドブロツクに
は、前記パネル６の下側の空間すなわち上部空気
層５と外部とを連通する開口１１が形成されてい
る。なお、前記鉄筋１０は、場合によつてはこれ
を省略してエンドブロツク８を設置することもで
きる。

この開口１１は、強風時に風がルーフ用パネル
６の上面のみならず下面にも流通させうるよう配
置されるものであり、図示の例では周囲のエンド
ブロツク８の所定間隔ごとの位置に窓状に形成さ
れている。開口１１の外側開口周辺は彎曲形状と
しラツプ状にすることもできる。

ルーフ用パネル６の上面を強い風が通過する
と、高速気流で生じる負圧吸引力により該パネル
６が上方へ吸引され剥がれたり飛散したりする可
能性が生じるが、図示の構造によればエンドブロ
ツク８に開口１１を形成することにより強風時に
おけるパネル６の上下面間の圧力差を低減させる
ことができ、これによつてパネルの剥れや飛散を
確実に防止することができる。開口１１の総面
積、形状および配列などは、前記圧力差の解消ま
たは低減の程度を考慮して適正に決められる。

なお、第１図中の符号１２は、防水層２（また
は建物躯体１の上面）上に溜つた水を排出するた
めの排水口を示す。

以上説明した実施例によれば、エンドブロツク
８に外部とルーフ用パネル下側の空間とを連通す
る開口１１を設けたので、強風時においてもパネ
ル上下の圧力差をなくすか小さくすることがで
き、これによつて台風などの場合のパネル６の浮
き上がり、剥がれあるいは飛散を防止することが
でき、信頼性および安全性にすぐれた屋上外断熱
構造が得られる。

第４図は本発明の他の実施例を示す図である。

この実施例では、エンドブロツク８として断面
が略字状のものを使用し、その内側壁部に開口
１１が形成されている。すなわち、エンドブロツ
ク８の形状および構造が前述の実施例のものと相
異しており、その他の部分は実質上同じである。
したがつて、対応する部分をそれぞれ同一符号で
表示し、その詳細な説明を省略する。

本実施例によれば、パネル６の下側の空間（上
部空気層）５はエンドブロツク８の開口１１およ
び上端開放溝部を介して外部に連通されているの
で、前述の実施例の場合と同様、強風時における
パネル上下面間の圧力差を低減することができ
る。したがつて、前述の実施例の場合と同様、パ
ネル６の浮上がり、剥がれあるいは飛散を防止す
ることができ、信頼性および安全性にすぐれた屋
上外断熱構造を得ることができる。

本実施例における開口１１においても、その
数、総面積、形状および配置等は、圧力差の解消
または低減の程度を考慮して適正に決定出来る。

なお、以上の各実施例では、エンドブロツク８
として比較的短かいユニツトを鉄筋１０で連結し
た構造のものを使用したが、これは長くて比較的
重いものを使用することもでき、その場合は鉄筋
１０を省略することもできる。

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれ
ば、ルーフ用パネルの剥がれや飛散を防止するこ
とができ、信頼性および安全性にすぐれた屋上外
断熱構造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による屋上外断熱構造の一実施
例を示す部分断面斜視図、第２図は第１図中の線
−に沿つた縦断面図、第３図は第１図中のル
ーフ用パネルを示す斜視図、第４図は本発明によ
る屋上外断熱構造の他の実施例を示す部分断面斜
視図である。 １…建物躯体（コンクリート建物の屋上スラ
ブ）、２…防水層、３…空間（下部空気層）、４…
断熱材ボード、５…空間（上部空気層）、６…ル
ーフ用パネル、７…センタージヨイナー、８…エ
ンドブロツク、９…ジヨイナーキヤツプ、１０…
鉄筋、１１…開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建物躯体上面に断熱材ボードを縦横に配列し
   て敷くとともに該断熱材ボードの上側に空間を設
   けてルーフ用パネルを縦横に配列して敷き隣接す
   るパネルの角隅部をセンタージヨイナーおよびジ
   ヨイナーキヤツプで締結するとともに該パネルの
   層の周辺部にエンドブロツクを配置して構成され
   る屋上外断熱構造において、前記エンドブロツク
   に前記ルーフ用パネル下側の空間と外部とを連通
   する開口を形成することにより、強風時における
   ルーフ用パネル上下の圧力差の低減を図ることを
   特徴とする屋上外断熱構造。