JPH04362456A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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Publication number
JPH04362456A
JPH04362456A JP13884691A JP13884691A JPH04362456A JP H04362456 A JPH04362456 A JP H04362456A JP 13884691 A JP13884691 A JP 13884691A JP 13884691 A JP13884691 A JP 13884691A JP H04362456 A JPH04362456 A JP H04362456A
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JP
Japan
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control
slip
acceleration
phase
braking force
Prior art date
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Pending
Application number
JP13884691A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Kageyama
景山 文雄
Toru Onaka
徹 尾中
Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Kazutoshi Nobumoto
信本 和俊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪への付与トルク
を制御することにより、車両の加速時等に駆動輪が大き
くスリップするのを防止する車両のスリップ制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭62−101571
号公報に示されるように、車両の加速時等に、過大な駆
動力が作用して駆動輪が大きくスリップして加速性能が
低下するのを防止するため、駆動輪のスリップ値を検出
し、このスリップ値が予め設定された基準値以上となっ
た場合に、エンジンの出力を低下させるとともに、駆動
輪に制動力を付与することにより、駆動輪の駆動トルク
を減少させてグリップ力を回復させることが行われてい
る。
【0003】そして上記駆動輪に付与される制動力を制
御する制動力制御手段は、駆動輪の加速度が増速側の所
定値を超えた場合等に、その駆動輪のブレーキ液圧を急
激に増加させて所定の増加位置で保持するとともに、上
記駆動輪の加速度が所定値に低下した時点で上記ブレー
キ液圧を徐々に減圧して制動力制御を終了するように構
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように駆動輪に
付与される制動力を制御する制動力制御手段に、ブレー
キ液圧を急激に増圧する増圧フェーズを設けた場合には
、スリップ制御の開始時点における初期スピンの発生時
等に、駆動輪のブレーキ液圧を迅速に増大させて駆動輪
のスリップ値を早期に低下させることができるという利
点がある反面、駆動輪のスリップ値がある程度低下した
時点で、制動力の制御状態を上記増圧フェーズから減圧
フェーズに移行させた後に、駆動輪のスリップ値が再度
増大し始めると、上記制動力制御手段の制御状態が減圧
フェーズから増圧フェーズに移行する。このため、上記
ブレーキ液圧が減圧状態から増圧状態に変化する等によ
り、ブレーキ液圧の制御状態が頻繁に切り替わるという
問題がある。
【0005】なお、上記ブレーキ液圧の制御状態が頻繁
に切り替わるのを防止するため、増圧フェーズの実行を
初期スピンの発生時点に限定し、それ以後に上記制動力
制御手段の制御状態が増圧フェーズに移行するのことの
ないように規制することも考えられるが、この構成では
、上記初期スピンの収束後に走行路面が変化する等によ
って駆動輪のスリップ値が急激に増大した場合に、これ
を迅速に減少させることができないという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、ブレーキ液圧の制御状態が頻繁に切
り替わるのを防止しつつ、初期スピンの発生時に駆動輪
のスリップ値を早期に低下させることができ、しかも初
期スピンの収束後における走行路の変化等に対応した適
正な制動力制御を実行することができる車両のスリップ
制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、駆動輪のスリップ値が予め設定された基準値以上
となった初期スピンの発生時に駆動輪のブレーキ液圧を
増大させる増圧フェーズと、初期スピンの収束後に上記
ブレーキ液圧を駆動輪のスリップ値に応じて増圧もしく
は減圧する増減圧フェーズとを有する車両のスリップ制
御装置であって、上記ブレーキ液圧を制御して駆動輪に
制動力を付与する制動力制御手段51と、駆動輪の加速
度を検出する加速度検出手段52と、この加速度検出手
段52によって検出された駆動輪の加速度が予め設定さ
れた基準加速度よりも大きいか否かを判別する判別手段
53とを有し、上記制動力制御手段51によって増減圧
フェーズの制御を実行している状態で、駆動輪の加速度
が上記基準加速度よりも大きいことが判別手段において
判別された場合に、制動力制御手段51を増減圧フェー
ズの制御状態から増圧フェーズの制御状態に移行させる
ように構成したものである。
【0008】
【作用】上記構成の本発明によれば、初期スピンの収束
後には、原則として増減圧フェーズによるブレーキ液圧
の比例制御が実行されるとともに、判別手段において駆
動輪の加速度が予め設定された基準加速度よりも大きい
ことが確認された場合に、上記制動力制御手段の制御状
態が増減圧フェーズから増圧フェーズに移行してブレー
キ液圧の微分制御が実行されることになる。
【0009】
【実施例】車両構成の概要 図2は、本発明に係る車両のスリップ制御装置が適用さ
れる車両のエンジンおよび車輪のブレーキ制御用油圧回
路の系統図を示している。この車両は、従動輪となる左
右の前輪1L,1Rと、駆動輪となる左右の後輪2L,
2Rとを備え、エンジン3の駆動力が自動変速機4、プ
ロペラシャフト5、ディファレンシャル6および左右の
車軸7L,7Rを介して後輪2L,2Rに伝達されるよ
うに構成されている。
【0010】自動変速機の構成 上記自動変速機4は、公知のようにトルクコンバータ8
と、多段変速歯車機構9とからなり、この多段変速歯車
機構9の油圧回路に組み込まれた複数のソレノイド10
の励磁と消磁との組み合わせを変更することにより、変
速が行われる。また、上記トルクコンバータ8は、油圧
作動式のロックアップクラッチ11を有し、その油圧回
路に組み込まれたソレノイド12の励磁と消磁とを切り
替えることにより、締結と締結解除とが行われるように
なっている。
【0011】上記ソレノイド10,12は、変速制御用
の制御ユニット(図示せず)から出力される制御信号に
応じて制御される。この変速制御用の制御ユニットは、
公知のように予め設定された変速特性およびロックアッ
プ特性と、スロットル開度センサおよび車速センサから
出力される検出信号とに基づいて所定の変速制御および
ロックアップ制御を実行するための制御信号を上記ソレ
ノイド10,12に出力するように構成されている。
【0012】ブレーキ液圧調整機構の構成また、上記前
輪1L,1Rおよび後輪2L,2Rには、それぞれブレ
ーキ15a〜15dが設けられ、各ブレーキ15a〜1
5dのキャリパ16a〜16dには、ブレーキ圧供給用
の配管17a〜17dが接続されている。 そしてブレーキペダル18の踏込み力が液圧倍力式の倍
力装置19によって倍力されてマスタシリンダ20に伝
達され、このマスタシリンダ20の第1吐出口21aか
ら配管17aを経て左前輪1Lのキャリパ16aにブレ
ーキ液圧が供給され、かつマスタシリンダ20の第2吐
出口21bから配管17bを経て右前輪1Rのキャリパ
16bにブレーキ液圧が供給されるように構成されてい
る。
【0013】上記倍力装置19には、配管22を介して
ポンプ23からの液圧が供給され、その余剰液圧はリタ
ーン用配管24を介してリザーブタンク25に戻される
ようになっている。上記配管22から分岐した分岐管2
2aが後述する配管27との合流部Gに連結され、上記
分岐管22aには電磁式の開閉弁26が設けられている
。また、上記倍力装置19において発生した倍力用液圧
は、配管27を介して上記合流部Gに供給されるように
なっており、この配管27には電磁式開閉弁28が設け
られている。そして上記配管27には、合流部G側への
ブレーキ油の流れを許容し、その逆方向の流れを阻止す
る一方向弁29が電磁式開閉弁28と並列に設けられて
いる。
【0014】上記合流部Gには、左右後輪2L,2R用
のブレーキ配管17c,17dが接続され、この配管1
7c,17dには、電磁式開閉弁29A,30Aが設け
られている。そして上記電磁式開閉弁29Aの設置部の
下流側には、電磁式開閉弁29Bを有するリリーフ通路
31Lが配設され、また電磁式開閉弁30Aの設置部の
下流側には、電磁式開閉弁30Bを有するリリーフ通路
31Rが配設されている。
【0015】上記各開閉弁26,28,29A,29B
,30A,30Bは、後輪2L,2Rの制動力制御手段
32を構成し、スリップ制御用の制御ユニットUTRに
よって制御される。そしてスリップ制御を行わないとき
には、図示のように、開閉弁26が閉じられるとともに
、開閉弁28が開かれ、かつ開閉弁29A,30Aが開
かれている。これにより、ブレーキペダル18が踏み込
まれると、後輪用ブレーキ15c,15dには、液圧倍
力装置19からの倍力液圧がブレーキ液圧として配管2
7を介して供給される。また、前輪1L,1R用のブレ
ーキ15a,15bにマスタシリンダ20からブレーキ
液圧が供給されるようになっている。
【0016】また、後輪2L,2Rのスリップ制御を行
う場合には、上記制御ユニットUTRからの制御信号に
応じて開閉弁28が閉じられるとともに、開閉弁26が
開かれる。そして、開閉弁29A,29Bおよび30A
,30Bをそれぞれデューティ制御することによってブ
レーキ液圧の保持と増圧と減圧とが行われるようになっ
ている。すなわち、開閉弁26が開いている状態で、各
開閉弁29A,29B,30A,30Bが閉じていると
きにブレーキ液圧が保持される。また、開閉弁29A,
30Aが開き、開閉弁29B,30Bが閉じているとき
にブレーキ液圧が増圧状態となり、また開閉弁29A,
30Aが閉じ、開閉弁29B,30Bが開いているとき
にブレーキ液圧が減圧状態となる。そして分岐管22a
を経たブレーキ液圧は、一方向弁29のバイパス作用に
よってブレーキペダル18の反力として作用しないよう
になっている。
【0017】なお、上記制動力制御手段32によってス
リップ制御を実行している状態において、ブレーキペダ
ル18が踏み込まれると、その踏み込みに応じて倍力装
置19からのブレーキ液圧が、一方向弁29を介して後
輪用ブレーキ15c,15dに供給される。
【0018】エンジン発生トルク調整機構の構成上記ス
リップ制御用の制御ユニットUTRは、スリップ発生時
に後輪2L,2Rへの付与トルクを低減するため、上記
のようにして後輪2L,2Rに制動力を付与して制動力
制御を実行するとともに、エンジン3の駆動トルクを低
減する出力制御を実行する。この出力制御は、エンジン
3の吸気通路33に配設されたサブスロットル開度調節
機構34によって行われる。このサブスロットル開度調
節機構34は、アクセルペダル35によって開閉操作さ
れるメインスロットル弁36の上流側に配設されたサブ
スロットル弁37と、このサブスロットル弁37を駆動
するアクチュエータ38とからなっている。そしてスリ
ップの発生時に、上記制御ユニットUTRからアクチュ
エータ38に出力される制御信号に応じ、サブスロット
ル弁37を開閉操作することにより、エンジン3の出力
を制御するように構成されている。
【0019】スリップ制御用の制御ユニットの構成上記
スリップ制御用の制御ユニットUTRには、各車輪1L
,1R,2L,2Rの回転速度を検出する車輪速センサ
39a〜39d、メインスロットル弁36の開度を検出
するスロットル弁センサ40、車速を検出する車速セン
サ41、サブスロットル弁37の開度を検出するサブス
ロットル弁センサ42、ハンドル舵角を検出する舵角セ
ンサ43、上記走行モード等をマニュアル設定する際に
使用する使用するスイッチ44およびブレーキペダル1
8が踏み込まれたことを検出するブレーキセンサ45か
らの出力信号が入力される。
【0020】スリップ制御の内容 そして上記各出力信号に応じ、上記制御ユニットUTR
において、後輪2L,2Rのスリップ値を算出し、その
算出結果に応じて図3に示すように、後輪2L,2Rの
制動力制御とエンジン3の出力制御とからなるスリップ
制御が実行される。上記第3図において、SETは後輪
2L,2Rのスリップ制御を開始すべきか否かの判断基
準となるスリップ値の基準値を示している。そして車両
の加速時において、後輪2L,2Rのスリップ値が上記
基準値SET以上に増大するA時点に至るまでの領域で
は、サブスロットル弁37が最大開放状態に維持され、
メインスロットル弁36の開度に応じて吸気通路33の
開度Tnが設定される。すなわち、アクセルペダル35
の踏み込み量に対応して開閉操作される上記メインスロ
ットル弁36の開度TH・Bに応じ、吸気通路33の開
度Tnが設定されてエンジン3の出力制御が実行される
【0021】そして後輪2L,2Rの回転速度の増大に
応じ、そのスリップ値が上記基準値SETとなった時点
Aを超えると、アクチュエータ38が作動され、サブス
ロットル弁37の開度を車両の走行状態に応じて設定さ
れた初期設定値SMだけ低下させるようにフィードフォ
ード制御が実行される。この結果、上記サブスロットル
弁37の開度がメインスロットル弁36の開度よりも小
さくなり、このサブスロットル弁37の開度に応じて吸
気通路33の開度Tnが設定される。その後、後輪2L
,2Rのスリップ状態に応じて上記サブスロットル弁3
7の開度TH・Mをフィードバック制御することにより
、後輪2L,2Rのスリップ値を上記基準値SETから
なるスリップ制御用の目標値に収束させるエンジン3の
出力制御が実行される。
【0022】また上記スリップ制御の開始時点Aから後
輪2L,2Rのスリップ値がさらに増大し、後述する制
動力制御用の目標値SBTを越えた時点Bにおいて、後
輪2L,2Rのブレーキ15c,15dに対してブレー
キ油が供給され、上記後輪2L,2Rのスリップ値が上
記目標値SBT以下となるC時点に至るまで、後輪2L
,2Rの制動力がフィードバック制御される。
【0023】スリップ制御の詳細 次に、制御ユニットUTRによるスリップ制御の詳細に
ついて、図4に示すフローチャートに基づいて説明する
。上記制御動作がスタートすると、まずステップS1お
いて、各センサおよびスイッチからの信号に基づいて各
データを入力する。次いでステップS2において、駆動
輪である後輪2L,2Rの回転速度VKから従動輪であ
る前輪1L,1Rの回転速度VJを減算することにより
、後輪2L,2Rのスリップ値Sを算出する。このスリ
ップ値Sを算出する際には、従動輪用の回転速度VJと
して左右前輪1L,1Rの回転速度の平均値を用いる。 また、駆動輪用の回転速度VKとして左右後輪2L,2
Rの回転速度のうち大きい方の値、もしくは左右後輪2
L,2Rの個々の回転速度を用いる。
【0024】次いで、ステップS3において、アクセル
が全閉状態であるか否かを判定する。そしてアクセルが
全閉状態ではなく、所定の加速状態にあることが確認さ
れた場合には、ステップS4において、スリップフラグ
SFが1であるか否か、つまり現在スリップ制御を実行
中であるか否かを判定する。この判定の結果、スリップ
制御を実行していないことが確認された場合には、ステ
ップS5において、スリップ制御を開始するか否かの判
定するための基準値SETを設定する。
【0025】すなわち、図5の実線で示すように、路面
の最大摩擦係数μmaxをパラメータとして記憶された
エンジン出力制御用の基本スリップ値STAOのマップ
から現在の走行状態に対応する基本スリップ値STAO
の値を読出す。そして図6に示す車速をパラメータとす
るゲイン係数VGのマップ、図7に示すアクセル開度を
パラメータとするゲイン係数ACPGのマップ、図8に
示す舵角をパラメータとするゲイン係数STRGのマッ
プおよび図9に示す運転者のスイッチ操作に応じて選択
される走行モードに対応したゲイン係数MODEGのテ
ーブルから各ゲイン係数を読出し、これらの値を上記基
本スリップ値STAOに掛け合わせることにより、スリ
ップ制御開始用の基準値SETを求める。
【0026】次にステップS6において、後輪2L,2
Rのスリップ値Sが上記基準値SETよりも大きいか否
かを判定する。そして上記ステップS6でYESと判定
された場合には、ステップS7において、スリップフラ
グSFを1にセットした後、ステップS8において、エ
ンジン3の出力制御を実行するとともに、ステップS9
において、後輪2L,2Rの制動力制御を実行する。
【0027】上記ステップS4でYESと判定され、現
在既にスリップ制御を実行中であることが確認された場
合には、直接ステップS8に移行してスリップ制御を継
続する。また上記ステップS3においてアクセルが全閉
状態であると判定され、あるいはステップS6において
後輪2L,2Rのスリップ値Sがスリップ制御開始用の
基準値SET以下であると判定され、スリップ制御を実
行する必要がないことが確認された場合には、ステップ
S10において、スリップフラグSFを0にセットした
後、リターンする。
【0028】次に上記エンジン3の出力制御を、図10
に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、ステ
ップS11において、現時点おいてスリップフラグSF
が0から1に変化したか否か、つまり現時点が図2に示
すスリップ制御の開始時点Aであるか否かを判定する。 この判定結果がYESであれば、ステップS12におい
て、図11に示すように、車速および路面の最大摩擦係
数μmaxをパラメータとして設定されたマップからサ
ブスロットル弁37の初期設定値、つまりスリップ制御
開始時のサブスロットル開度の急減量SMを読出した後
、ステップS13において、上記初期設定値SMに応じ
てアクチュエータ38を作動させ、サブスロットル弁3
7の開度を絞って吸気通路33の開度Tnを制御する。
【0029】また、上記ステップS11でNOと判定さ
れ、すでにスリップ制御が開始されていることが確認さ
れた場合には、ステップS14において、サブスロット
ル弁37の開度TH・M、つまり上記後輪2L,2Rの
スリップ値Sを目標値SET以下にするために必要なア
クチュエータ38の操作量を読み出した後、ステップS
13に進み、上記アクチュエータ38を作動させて吸気
通路33の開度Tnを制御する。
【0030】次いでステップS15において、後輪2L
,2Rのスリップ値Sがスリップ制御用の目標値SET
以下になったか否かを判定し、上記スリップ値Sが未だ
目標値SETよりも大きいことが確認された場合には、
そのままリターンする。また、上記ステップS15でY
ESと判定され、後輪2L,2Rのスリップ値Sがスリ
ップ制御用の目標値SET以下に収束したことが確認さ
れた場合には、ステップS16において、スリップフラ
グSFを0にセットしてエンジン3の出力制御を終了す
る。
【0031】上記後輪2L,2Rの制動力制御は、図1
2に示す比例制御を中心とした増圧フェーズの制御(フ
ェーズ0の制御)と、図13に示す微分制御を中心とし
た減圧制御(フェーズ1の制御)と、図14に示す微分
制御と比例制御とを組み合わせた増減圧フェーズの制御
(フェーズ2の制御)とからなる3種類の制御態様を有
している。上記図12に示す増圧フェーズにおいて、Z
はブレーキ液圧の保持ゾーンを示し、後輪2L,2Rの
加速度Gが減速側にある場合には、ブレーキ液圧が保持
状態となるように設定されている。そして上記増圧フェ
ーズにおいて、Nnはブレーキ液圧の増圧ゾーンを示し
、増圧側に位置する上記後輪2L,2Rの加速度Gの絶
対値が大きくなる程(nの値が大きくなる程)、ブレー
キ液圧の増圧速度が速くなるように設定されている。
【0032】また、図13に示す減圧フェーズにおいて
Pnは、減速側に位置する後輪2L,2Rの加速度Gの
絶対値が大きくなる程(nの値が大きくなる程)、上記
減圧速度が速くなるように設定されたブレーキ液圧の減
圧ゾーンを示している。また上記減圧フェーズは、後輪
2L,2Rの加速度Gが増速側にある場合に、保持ゾー
ンZに設定されてブレーキ液圧が保持状態となるように
構成されている。
【0033】上記図14に示す増減圧フェーズは、増圧
ゾーンNnと、減圧ゾーンPnと、保持ゾーンZとを備
え、ブレーキ液圧の制御状態が、後輪2Lの加速度Gと
、後輪2L,2Rの偏差速度EKとをパラメータとして
設定されたマップとして記憶されている。上記偏差速度
EKは、後輪2L,2Rのスリップ値S(後輪2L,2
Rの回転速度VKから前輪1L,1Rの回転速度VJを
減算した値)と、スリップ制御用の目標値SETとの差
に基づいて設定された値である。
【0034】上記増圧フェーズ、減圧フェーズおよび増
減圧フェーズの組合せからなる制動力制御は、図15に
示すフローチャートに基づいて実行される。なお、上記
後輪2L,2Rの制動力制御は左右独立して実行される
が、その内容は基本的に同じであるので、以下左の後輪
2Lの制御動作についてのみ説明する。
【0035】上記制御動作がスタートすると、まずステ
ップS21において、制動力制御用の目標値SBTを求
める。すなわち、図5の破線で示すように、車速および
路面の最大摩擦係数μmaxをパラメータとして設定さ
れたマップから制動力制御用の基本スリップ値STB0
を読出し、この値に第5図ないし第8図に示す各ゲイン
係数を掛け合わせることにより、制動力制御用の目標値
SBTを算出する。
【0036】次いでステップS22において、後輪2L
のスリップ値Sが上記目標値SBTよりも大きいか否か
を判定し、YESと判定された場合には、ステップS2
3において、現在既に制動力制御を実行中であるか否か
を判定する。すなわち、現時点が上記図3のB時点以後
の制動力制御状態にあるか否かを判定する。
【0037】上記ステップS23でNOと判定され、未
だ制動力制御が開始されていないことが確認された場合
には、現時点が上記B時点であると判断してステップS
24において、フェーズ0の増圧制御を開始し、初期ス
ピンの収束制御を実行するとともに、フェーズ状態を示
すフラグを0にセットして増圧フェーズ状態であること
を表示する。その後、ステップS25において、後輪2
Lのスリップ値Sが上記制動力制御用の目標値SBT以
下に収束したか否かを判定し、YESと判定された場合
には、ステップS26において、フェーズ2の増減圧制
御状態に移行するとともに、フェーズ状態を示すフラグ
を2にセットして増減圧フェーズ状態であることを表示
する。
【0038】また、上記ステップS25でNOと判定さ
れた場合には、ステップS27において、現在の後輪2
Lのスリップ値Sの偏差ENと、ピーク時のスリップ偏
差(初期スピンのピーク時における後輪2Lのスリップ
値Sと、スリップ制御用の目標値SETとの差)PEN
との比が0.7よりも小さいか否かを判定する。上記ス
テップS27の判定結果がNOであり、現在のスリップ
値Sの偏差ENが上記ピーク時のスリップ偏差PENに
近い大きな値であることが確認された場合には、上記ス
テップS24に戻り、フェーズ0の増圧制御を継続する
【0039】一方、上記ステップS27の判定結果がY
ESであり、現在のスリップ値Sの偏差ENがピーク時
のスリップ偏差PENに比べて小さくなったことが確認
された場合には、ステップS28においてフェーズ1の
減圧制御状態に移行するとともに、フェーズ状態を示す
フラグを1にセットして減圧フェーズ状態であることを
表示する。
【0040】次にステップS29において、上記のスリ
ップ値Sの偏差ENがピーク時のスリップ偏差PENよ
りも大きくなったか否かを判定するとともに、ステップ
S30において、上記偏差ENの微分値、つまり上記後
輪2Lのスリップ値Sの変化率DENRLが2.0Gよ
りも大きいか否かを判定する。そして上記ステップS2
9,30でYESと判定された場合には、それぞれステ
ップS26に進み、増減圧制御を実行する。
【0041】また、上記ステップS29,30の判定結
果が、いずれもNOである場合には、ステップS31に
おいて現在のスリップ値Sがスリップ制御目標値SET
を以下となったか否かを判定し、NOと判定された場合
には、ステップS28に戻り、フェーズ1の減圧制御を
継続する。上記ステップS31でYESと判定され、上
記スリップ値Sが適正値に収束したことが確認された場
合には、ステップS32において制動力制御を終了する
【0042】また、上記ステップS23でYESと判定
され、現時点において既に制動力制御を実行中であるこ
とが確認された場合には、ステップS33において、後
輪2Lのスリップ値Sの変化率DENが予め設定された
基準加速度3.0Gよりも大きいか否か、つまり後輪2
Lのスリップ値Sが顕著な増加傾向にあるか否かを判定
する。そして上記ステップS33でYESと判定され、
後輪2Lのスリップ値Sが顕著な増加傾向にあることが
確認された場合には、ステップS24に戻り、フェーズ
0の増減圧制御を実行する。
【0043】上記ステップS33でNOと判定され、後
輪2Lのスリップ値Sが顕著な増加傾向にないことが確
認された場合には、ステップS34において現在のスリ
ップ値Sの偏差ENがピーク時のスリップ偏差PENよ
りも大きくなったか否かを判定する。この判定結果がY
ESとなり、後輪2Lのスリップ値Sが再び増大したこ
とが確認された場合には、上記ステップS24に戻り、
フェーズ0の増圧制御状態に移行する。
【0044】上記ステップS34でNOと判定され、後
輪2Lのスリップ値Sがそれ程大きくないことが確認さ
れた場合には、ステップS35において現在のスリップ
値Sがスリップ制御用の目標値SET以下となったか否
かを判定する。上記ステップS35でNOと判定された
場合には、ステップS36においてフェーズ2の増減圧
制御を継続する。一方、上記ステップS35でYESと
判定され、上記スリップ値Sが適正値に収束したことが
確認された場合には、ステップS32に移行して制動力
制御を終了する。
【0045】このように後輪2Lのスリップ状態に応じ
てそのブレーキ液圧を微分制御するフェーズ0の増圧フ
ェーズおよびフェーズ1の減圧フェーズと、上記ブレー
キ液圧を比例制御するフェーズ2の増減圧フェーズとを
有する車両のスリップ制御装置において、初期スピンの
発生時に上記フェーズ0の増圧制御を実行して後輪2L
のブレーキ液圧を微分制御するように構成したため、上
記初期スピンの発生時におけるブレーキ液圧を迅速に増
大させて後輪2Lのスリップ値Sを早期に低下させるこ
とができる。
【0046】そして、初期スピンの収束後には、上記フ
ェーズ1の減圧制御からフェーズ2の増減圧制御状態に
移行することにより、原則として上記ブレーキ液圧を比
例制御し、かつ後輪2Lのスリップ値Sの変化率DEN
によって表示された後輪2Lの加速度が、予め設定され
た基準加速度(3.0G)以上となった場合に、例外的
にフェーズ0の増圧制御を実行して上記ブレーキ液圧を
微分制御するように構成したため、ブレーキ液圧が減圧
状態から増圧状態に頻繁に切り替わるという事態の発生
を抑制しつつ、走行路面が変化する等により、初期スピ
ンの収束後に後輪2Lのスリップ値Sが顕著に増大する
傾向が生じた場合に、そのスリップ値Sの増大を未然に
防止することができる。
【0047】また、上記実施例では、初期スピンの収束
後において、上記スリップ値Sの偏差ENがピーク時の
スリップ偏差PENよりも大きくなった場合に、上記フ
ェーズ0の増圧制御を実行して上記ブレーキ液圧を微分
制御するように構成したため、後輪2Lのスリップ値S
が徐々に増大してその偏差ENがピーク時のスリップ偏
差PENよりも大きくなったことが確認された時点で、
ブレーキ液圧を微分制御によって迅速に増大させること
により、上記スリップ値Sを適正かつ早期に低下させる
ことができるという利点がある。
【0048】なお、上記実施例では、制動力の制御態様
としてフェーズ0の増圧フェーズと、フェーズ1の減圧
フェーズと、フェーズ2の増減圧フェーズとからなる3
種類の制御態様を有する場合について説明したが、初期
スピンの発生時にフェーズ0の増圧制御を実行した後、
直接フェーズ2の増減圧制御状態に移行するようにした
スリップ制御装置においても、本発明の構成を採用する
ことができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、駆動輪
のスリップ状態に応じてそのブレーキ液圧を微分制御す
る増圧フェーズと、上記ブレーキ液圧を比例制御する増
減圧フェーズとを有する車両のスリップ制御装置におい
て、初期スピンの収束後には、原則として比例制御を実
行する増減圧フェーズによってブレーキ液圧を制御する
とともに、駆動輪の加速度が予め設定された基準加速度
よりも大きくなった場合に、微分制御を実行する増圧フ
ェーズに移行するように構成したため、ブレーキ液圧が
減圧状態から増圧状態に頻繁に切り替わるという事態の
発生を抑制しつつ、初期スピンの収束後に走行路面が変
化する等により、後輪のスリップ値が増大するのを事前
に防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のスリップ制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】上記スリップ制御装置の全体系統図である。
【図3】上記スリップ制御装置の制御動作を示すタイム
チャートである。
【図4】スリップ制御のメインの制御動作を示すフロー
チャートである。
【図5】制御用基準値の基本設定値と最大摩擦係数との
関係を示すマップである。
【図6】車速をパラメータとしたゲイン係数を示すマッ
プである。
【図7】アクセル開度をパラメータとしたゲイン係数を
示すマップである。
【図8】舵角をパラメータとしたゲイン係数を示すマッ
プである。
【図9】走行モードに対応したゲイン係数を示す図表で
ある。
【図10】エンジン出力の制御動作を示すフローチャー
トである。
【図11】サブスロットル開度の初期設定値を決定する
ためのマップである。
【図12】増圧フェーズのマップである。
【図13】減圧フェーズのマップである。
【図14】増減圧フェーズのマップである。
【図15】制動力の制御動作を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】 2  後輪(駆動輪) 51  制動力制御手段 52  加速度検出手段 53  判別手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  駆動輪のスリップ値が予め設定された
    基準値以上となった初期スピンの発生時に駆動輪のブレ
    ーキ液圧を増大させる増圧フェーズと、初期スピンの収
    束後に上記ブレーキ液圧を駆動輪のスリップ値に応じて
    増圧もしくは減圧する増減圧フェーズとを有する車両の
    スリップ制御装置であって、上記ブレーキ液圧を制御し
    て駆動輪に制動力を付与する制動力制御手段と、駆動輪
    の加速度を検出する加速度検出手段と、この加速度検出
    手段によって検出された駆動輪の加速度が予め設定され
    た基準加速度よりも大きいか否かを判別する判別手段と
    を有し、上記制動力制御手段によって増減圧フェーズの
    制御を実行している状態で、駆動輪の加速度が上記基準
    加速度よりも大きいことが判別手段において判別された
    場合に、制動力制御手段を増減圧フェーズの制御状態か
    ら増圧フェーズの制御状態に移行させるように構成した
    ことを特徴とする車両のスリップ制御装置。
JP13884691A 1991-06-11 1991-06-11 車両のスリップ制御装置 Pending JPH04362456A (ja)

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