JP2904959B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP2904959B2 JP15680291A JP15680291A JP2904959B2 JP 2904959 B2 JP2904959 B2 JP 2904959B2 JP 15680291 A JP15680291 A JP 15680291A JP 15680291 A JP15680291 A JP 15680291A JP 2904959 B2 JP2904959 B2 JP 2904959B2
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  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のスリップ制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のスリップ制御装置は、車両の加速
時等に駆動輪が過大駆動トルクによりスリップして加速
性が低下することを防止するために、駆動輪のスリップ
量を検出し、この駆動輪のスリップ量が路面の摩擦係数
に対応する目標スリップ量となるように、エンジン出力
や車輪制動力を制御する(エンジン出力を低下させる、
若しくはブレーキ力を増大させる)ものとして、一般に
知られている。
【0003】そして、かかるスリップ制御装置におい
て、スリップ制御中に車速が所定車速以下になったとき
には、上記エンジン出力の制御を中止させて、運転フィ
ーリングの向上を図るという提案はある(特開昭64−
12961号公報参照)。
【0004】また、一般に、スリップ制御は、上述のス
リップ量が目標スリップ量に収束もしくはそれ以下にな
ったとき、アクセルペダルの踏込が解除されたとき、ブ
レーキペダルが踏み込まれたときに、終了するようにさ
れているのが通常である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如き終
了条件の設定のみでは、車両が例えば路面の摩擦係数
(以下、必要に応じて単にμという)が低い雪道から、
雪のない高μ路面(舗装路)に進んだとき、通常の高μ
路面の走行時に得られるような加速フィーリングが得ら
れない。
【0006】すなわち、低μ路面の走行時にはスリップ
を生じ易いから、例えばアクセルペダルは大きく踏み込
まれていても、スロットルは絞られてエンジン出力の低
減制御がなされている。その状態から高μ路面に移行す
ると、スリップし難くなるから、上記低減制御が解除さ
れていく。しかし、この解除は、例えば従動輪の加速度
に基いて路面μを推定し、そのμに基いてスリップの収
束状態をみながらスロットル開度を徐々に大きくしてい
くという制御になるため、その解除に時間がかかるもの
である。その結果、低μ路面から高μ路面に移っても運
転者が真に要求するエンジン出力に直にはならず、加速
フィーリグが得られないものである。
【0007】そこで、本発明は、上述の低μ路面から高
μ路面へ移行した場合のように、スリップ制御が不要に
なったら、制御の引きずりをなくして加速性を高めるこ
とができるようにするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、スリップ制御中であっても、車両の加速度
が所定値を越えたら、エンジン制御を終了できるように
するものである。
【0009】すなわち、そのための具体的な手段は、駆
動輪の路面に対するスリップ量が所定の閾値を越えたと
きに、このスリップ量が目標スリップ量となるようにエ
ンジンの出力を制御する制御手段を備えた車両のスリッ
プ制御装置であって、車両の加速度を検出する加速度検
出手段と、上記制御手段によるエンジン出力の制御中に
おいて、上記加速度検出手段により検出される車両の加
速度が所定の上限加速度を越えたときに上記制御手段に
よる制御を終了せしめる制御終了手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0010】この場合、好ましい手段は、上限加速度
を、車速が高くなるにつれて低くなるように設定するよ
うにしたものである。
【0011】他の好ましい手段は、上限加速度を、圧雪
路で発生する最高加速度よりも高い値に設定するように
したものである。
【0012】また、他の好ましい手段は、制御終了手段
が、車両の加速度が所定の上限加速度を越えた状態が設
定時間経過したときに制御手段による制御を終了せしめ
るものである。
【0013】さらに、上述の如き手段は、エンジンのス
ロットル開度を調節してエンジンの出力を制御する制御
手段を備えたものに適用することが好ましい。
【0014】
【作用】上記各手段においては、加速度検出手段によ
り、車両がタイヤに路面からの大きな反力が得られるよ
うになった状態にあるか否か、つまり、エンジン出力の
低減制御は不要になっている(車両が低μ路面から高μ
路面に移行してスリップを生じ難くなっている)状態か
否かをみるものである。そして、上記加速度検出手段に
よって検出される車両の加速度が所定の上限加速度を越
えると、制御手段によるエンジン制御が制御終了手段に
よって終了されるから、上述の如き、エンジン出力低減
制御が不要になったにも拘らず、制御をいつまでも引き
ずる、という事態を回避できる。すなわち、スリップが
生じ難くなった際には、エンジン制御を直に終了して運
転者によりマニュアルに設定されるエンジン出力にする
ことができ、その結果、運転者の要求する加速フィーリ
ングが得られることになる。
【0015】また、上記上限加速度を、車速が高くなる
につれて低くなるように設定する手段においては、車両
の加速性は車速によって異なるから、エンジン制御を終
了するに相応しい上限加速度の設定を行なうことができ
る。
【0016】また、上記上限加速度を、圧雪路で発生す
る最高加速度よりも高い値に設定するようにした手段に
おいては、この程度の加速度がでるということは路面μ
の変化が比較的大きいとみることができるから、路面μ
の変化が少ないのに不用意にエンジン制御が終了されて
しまうことを避けることができる。
【0017】また、制御終了手段が、車両の加速度が所
定の上限加速度を越えた状態が設定時間経過したときに
エンジン制御を終了せしめるように手段においては、路
面μが一時的に変化したのでないことを確認することが
でき、真にエンジン制御の必要でない状態になったとき
に当該制御を終了することができる。
【0018】さらに、エンジンのスロットル開度を調節
してエンジンの出力を制御する制御手段を備えた手段に
おいては、一般にスロットルを絞った状態から運転者が
要求する開度にまで戻しても、それがエンジン出力に反
映されるまでに時間がかかり易く、このように応答性が
良くないことが上述の如き制御の引きずりと相俟って加
速性の点で不利になるが、車両の加速度に基いてエンジ
ン制御の終了を決定すると、上記応答性が良くない点を
カバーすることができる。
【0019】
【発明の効果】従って、本発明によれば、エンジン出力
の制御中において、加速度検出手段により検出される車
両の加速度が所定の上限加速度を越えたときに上記エン
ジン制御を終了せしめる制御終了手段を備えているか
ら、路面状況の変化によってスリップ制御が不要になっ
たにも拘らず、制御をいつまでも引きずることを防止し
て、加速性の向上を図ることができる。
【0020】また、上限加速度を車速が高くなるにつれ
て低くなるように設定するようにしたものによれば、車
速に相応しい最適な時期にエンジン制御を終了して加速
性の向上を図ることができる。
【0021】また、上限加速度を圧雪路で発生する最高
加速度よりも高い値に設定するようにしたものによれ
ば、路面μの変化が少ないのに不用意にエンジン制御が
終了されてしまうことを避けることができる。
【0022】また、制御終了手段が、車両の加速度が所
定の上限加速度を越えた状態が設定時間経過したときに
制御手段による制御を終了せしめるものによれば、真に
エンジン制御の必要でない状態になったときに当該制御
を終了させることができ、エンジン制御を終了後に、直
にスリップを生ずるというう事態を避けることができ
る。
【0023】さらに、エンジンのスロットル開度を調節
してエンジンの出力を制御する制御手段を備えたものに
よれば、スロットル制御の応答性が良くない点をカバー
して、加速フィーリングの向上を図ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】図1は車両のスリップ制御装置の全体構成
を示し、この車両は、左右の前輪2FL,2FRが従動
輪とされ、左右の後輪2RL,2RRが駆動輪とされて
いて、駆動輪2RL,2RRの駆動を制御してスリップ
量をコントロールするために、ブレーキ制御とエンジン
制御と変速制御用のATコントローラ60を介したロッ
クアップ制御とを行なうスリップ制御手段70を備えて
いる。そして、この車両には、スリップ制御中であって
も、車両の加速度が所定値を越えたら、上記エンジン制
御を終了させるための制御開始終了手段80が設けられ
ている。
【0026】まず、上記車両は、車体前部にエンジン1
が搭載されており、該エンジン1の発生トルクが、流体
式自動変速機3、プロペラシャフト4およびデファレン
シャルギア5を経た後、左駆動軸6Lを介して左後輪2
RLに、右駆動軸6Rを介して右後輪2RRにそれぞれ
伝達されるようになっている。
【0027】上記自動変速機3は、流体トルクコンバー
タ11と多段変速歯車機構12とから構成されている。
この変速歯車機構12は、既知のように油圧作動式とさ
れて、実施例では、前進4段、後進1段用とされてい
る。すなわち、その油圧回路に組込まれた複数のソレノ
イド13aの励磁と消磁との組合わせを変更することに
より変速が行われる。また、トルクコンバータ11は、
油圧作動式のロックアップクラッチ11aを有し、その
油圧回路に組込まれたソレノイド13bの励磁と消磁と
を切換えることにより、締結と締結解除とが行われる。
【0028】上記ソレノイド13a,13bは、自動変
速機3の変速制御用のATコントローラ60によって制
御される。該ATコントローラ60は、変速特性とロッ
クアップ特性とを予め記憶しており、これに基いて変速
制御とロックアップ制御とを行なう。このため、ATコ
ントローラ60には、メインスロットル弁43の開度を
検出するメインスロットル開度センサ61及びサブスロ
ットル弁45の開度を検出するサブスロットル開度セン
サ62からの各スロットル開度信号と、車速を検出する
車速センサ63からの車速信号(実施例ではプロペラシ
ャフト4の回転数信号)とが入力される。
【0029】−制動力調節機構− 各車輪2FL,2FR,2RL,2RRには、上記ブレ
ーキ制御のためのブレーキ21FL〜21RRが設けら
れている。該各ブレーキ21FL〜21RRのキャリパ
(ホイールシリンダ)22FL〜22RRには、それぞ
れ配管23FL〜23RRを介してブレーキ液圧が供給
されている。このブレーキ液圧の供給のための構成は、
次のようになっている。
【0030】先ず、ブレーキペダル25の踏込力が、液
圧倍力式の倍力装置26によって倍力されて、タンデム
型のマスタシリンダ27に伝達される。該マスタシリン
ダ27の第1の吐出口27aには左前輪用のブレーキ配
管23FLが接続され、マスタシリンダ27の第2の吐
出口27bには右前輪用のブレーキ配管23FRが接続
されている。
【0031】上記倍力装置26には、配管28を介して
ポンプ29からの液圧が供給され、余剰液圧はリターン
用配管30を介してリザーバタンク31へ戻される。上
記配管28から分岐した分岐管28aは、後述する合流
部aに連なっており、この分岐管28aには電磁式の開
閉弁32が介設されている。また、倍力装置26で発生
される倍力用液圧は、配管33を介して上記合流部aへ
と供給されるようになっており、この配管33にも電磁
式の開閉弁34が介設されている。そして、上記配管3
3には、開閉弁34と並列に、合流部aへ向けての流れ
のみを許容する一方向弁35が設けられている。
【0032】上記合流部aには、左右後輪用のブレーキ
配管23RL,23RRが接続されている。この配管2
3RL,23RRには、電磁式の開閉弁36Aまたは3
7Aが介設されていると共に、該開閉弁36A,37A
の下流に接続されたリリーフ通路38Lまたは38Rに
対して、電磁式の開閉弁36Bあるいは37Bが接続さ
れている。
【0033】上記各開閉弁32,34,36A,37
A,36B,37Bは、スリップ制御手段70によって
制御される。すなわち、スリップ制御(ブレーキ制御)
を行わないときには、図示のように開閉弁32が閉じ、
開閉弁34が開かれ、かつ開閉弁36B,37Bが閉
じ、開閉弁36A,37Aが開かれる。これにより、ブ
レーキペダル25が踏込まれると、前輪用ブレーキ21
FL,21FRに対してはマスタシリンダ27を介して
ブレーキ液圧が供給される。また、後輪用ブレーキ21
RL,21RRに対しては、液圧倍力装置26からのブ
レーキペダル25の踏込み力に応じた倍力用液圧が、ブ
レーキ液圧として配管33を介して供給される。
【0034】また、後述するように、駆動輪としての後
輪2RL、2RRの路面に対するスリップ量が大きくな
ってスリップ制御を行うときには、開閉弁34が閉じら
れ、開閉弁32が開かれる。そして、開閉弁36A,3
6B(37A,37B)のデューティ制御によって、ブ
レーキ液圧の保持と昇圧と降圧とが行われる。より具体
的には、開閉弁32が開いていることを前提として、各
開閉弁36A,36B,37A,37Bが閉じていると
きにブレーキ液圧の保持となり、開閉弁36A(37
A)が開き、開閉弁36B(37B)が閉じているとき
に昇圧となり、開閉弁36A(37A)が閉じ、開閉弁
36B(37B)が開いているときに降圧となる。そし
て、分岐管28aを経たブレーキ液圧は、一方向弁35
の作用によって、ブレーキペダル25に対する反力とし
て作用しないようになっている。
【0035】このようなスリップ制御を行っているとき
にブレーキペダル25が踏込まれると、この踏込みに応
じた倍力装置26からのブレーキ液圧が、一方向弁35
を介して後輪用ブレーキ21RL,21RRに供給され
る。
【0036】−エンジン出力調節機構− 上記スリップ制御手段70は、駆動輪2RL、2RRの
駆動トルクを低減するために、駆動輪2RL、2RRに
対するブレーキ制御を行うと共に、駆動輪2RL、2R
Rに伝達される駆動力、つまりはエンジン1の出力(発
生トルク)の低減をも行う。このため、エンジン1の吸
気通路41には、アクセルペダル42に連結された上述
のメインスロットル弁43と、スロットル開度調節用ア
クチュエータ44に連結された上述のサブスロットル弁
45とが配設され、サブスロットル弁45を上記スリッ
プ制御手段70により上記アクチュエータ44を介して
制御するようになっている。
【0037】−スリップ制御手段70− スリップ制御手段70には、スロットル開度センサ6
1、62および車速センサ63からの信号が入力される
他、各車輪2FL〜2RRの速度を検出する車輪速セン
サ66FL〜66RRからの車輪速信号、マニュアル操
作されるスイッチ71からのモード信号、制御開始終了
手段80からのスリップ制御の開始・終了信号等が入力
される。
【0038】また、上記スリップ制御手段70は、上記
各センサからの信号を受け入れる入力インターフェイス
と、CPUとROMとRAMとからなるマイクロコンピ
ュータと、出力インターフェイスと、弁32、36A、
37A、36B、37B及びアクチュエータ44を駆動
する駆動回路とを備えており、ROMにはスリップ制御
に必要な制御プログラム、各種マップ等が設けられ、ま
たRAMには制御を実行するのに必要な各種メモリが設
けられている。
【0039】<スリップ制御手段70の具体的構成>ス
リップ制御手段70は、図2に示すように、スリップ検
出手段72、目標スリップ量(閾値)設定手段73、路
面摩擦係数算出手段74、スリップ判定手段75及び制
御量演算手段76を備えている。
【0040】(スリップ検出手段72について)駆動輪
のスリップ量は、車輪速センサ66FR,66FL,6
6RR,66RLからの検出信号に基いて検出される。
すなわち、スリップ検出手段72は、駆動輪の速度から
従動輪の速度を差し引くことによりスリップ量を算出す
るものである。なお、このスリップ量の算出にあたって
は、エンジン制御用の場合、駆動輪の速度は左右駆動輪
のうちの大きい方が選択され、従動輪の速度は左右従動
輪の平均値が用いられる。ブレーキ制御用の場合、従動
輪の速度はエンジン制御用と同じであるが、駆動輪の速
度は左右駆動輪への制動力を互いに独立して制御する場
合には左右駆動輪の速度がそれぞれ用いられる。
【0041】(目標スリップ量設定手段73について)
図3はエンジン制御用の目標スリップ量SET及びブレ
ーキ制御用の目標スリップ量SBTを決定する回路をブ
ロック図的に示しものであり、決定パラメータとして
は、車速と、アクセル踏込量と、ハンドル舵角と、モー
ドスイッチ71の操作状態と、路面摩擦係数μとがあ
る。なお、SBT>SETである。
【0042】すなわち、同図において、SETの基本値
STA0と、SBTの基本値STB0とが、路面摩擦係
数μをパラメータとして、マップ81に記憶されてい
る。この場合、路面摩擦係数μが大きくなるに従って上
記基本値STAO及びSTBOは大きくなる(STB0
>STA0)。そして、この基本値STB0、STA0
に、それぞれ補正ゲイン係数KDを掛け合わせることに
より、SETおよびSBTが得られる。
【0043】上記補正ゲイン係数KDは、各ゲイン係数
VGとACPGとSTRGとMODEGとを掛け合わせ
ることにより得られる。上記ゲイン係数VGは、車速を
パラメータとするもので、マップ82として記憶されて
いる。また、ゲイン係数ACPGは、アクセル開度をパ
ラメータとするもので、マップ83として記憶されてい
る。ゲイン係数STRGは、ハンドル舵角をパラメータ
とするもので、マップ84として記憶されている。ゲイ
ン係数MODEGは、運転者にマニュアル選択されるも
ので、テーブル85に記憶されている。このテーブル8
5では、スポーツモードとノーマルモードとセーフティ
モードとの三種類が設けられている。
【0044】後述する下限制限値SMは、図4に示すよ
うに、車速と路面摩擦係数μとをパラメータとして、マ
ップ91として記憶されている。なお、図4において、
μ=1が摩擦係数最小であり、μ=5が摩擦係数最大で
ある。
【0045】(路面摩擦係数算出手段74について)タ
イヤと路面との間の摩擦係数である路面摩擦係数μは、
車体速Vrと車体加速度VG とに基いて算出される。
【0046】すなわち、車体加速度VG の演算には、タ
イマA(100msecカウント)と、タイマB(500ms
ecカウント)とを用いる。すなわち、車体加速度VG
は、スリップ制御開始から500msec経過まで(車体加
速度が十分に大きくない)は、100msec毎に100ms
ec間の車体速Vr(本例の場合は前輪2FL,2FRの
両車輪速のうち速い方の車輪速、単位;km/h)の変化
に基いて次の(1) 式により求め、500msec経過後(車
体加速度が十分に発達)は100msec毎に500msec間
の車体速Vrの変化に基いて次の(2)式により求める。
【0047】−(1) 式− VG =Gk1×{Vr(k) −Vr(k-100) } −(2) 式− VG =Gk2×{Vr(k) −Vr(k-500) } 上記Gk1及びGk2は係数である。また、Vr(k) は現時
点、Vr(k-100) は100msec前、Vr(k-500) は50
0msec前の各車体速である。
【0048】そして、上述の如くして算出された車体加
速度VG と車体速Vrとから次の表1により3次元補間
によって路面摩擦係数μを求める。
【0049】
【表1】
【0050】(スリップ判定手段75について)スリッ
プ判定手段75によるスリップ判定は、上記スリップ検
出手段72による検出スリップ量と目標スリップ量SE
T及びSBTとの比較により行なわれる。すなわち、検
出スリップ量がSETよりも大のときエンジン制御要と
判定するとともに、スリップフラグSFLを1とし、上
記検出スリップ量がSBTよりも大のときブレーキ制御
要と判定する。
【0051】(制御量演算手段76について)制御量演
算手段76による制御量の演算は、上記検出スリップ量
と目標スリップ量SET,SBTとの差に基いて行なわ
れる。すなわち、目標スリップ量SETとするのに必要
な目標スロットル開度(サブスロットル弁45の開度)
TH・Sが例えばPI−PD制御によって決定され、目
標スリップ量SBTとするのに必要なブレーキ力Pn
(弁32,34、36A,36B、あるいは37A,3
7Bの操作量=デューティ比)が例えばI−PD制御に
より決定される。
【0052】<エンジン制御の開始終了手段>制御開始
終了手段80は、図2に示すように、アクセルペダル4
2の踏込を検出するアクセルセンサ67、ブレーキペダ
ル25の踏込を検出するブレーキセンサ68、スリップ
制御手段70にスリップ制御を行なわせるか否かを選択
すべく運転者によりマニュアル操作されるTRCスイッ
チ69、上述のスリップ判定手段75、制御量演算手段
76、並びに加速度検出手段77からの各信号が入力さ
れ、上記スリップ制御手段70に、制御開始及び継続信
号CFL=1及び制御終了信号CFL=0を出力するも
のである。
【0053】この場合、加速度検出手段77は、上述の
従動輪2FR,2FLの車輪速に基いて、この両者の平
均値の変化率から車両の加速度Gを検出するものであ
り、上記制御開始終了手段80は、上限加速度G(L) を
設定する上限加速度設定手段78と、上記加速度Gと上
限加速度G(L) とに基いてスリップ制御(エンジン制
御)を終了すべきか否かを判定する加速度判定手段7
9、開始終了判定手段96とを備えている。
【0054】すなわち、上記上限加速度設定手段78
は、上記従動輪車輪速の平均値と、自動変速機3のギヤ
ホジションとに基いて、次のマップ(表2)から上限加
速度G(L) を演算する。この場合の上限加速度G(L)
は、車両が圧雪路を走行する場合に通常得られる最大加
速度に安全率α(1.01程度)を乗じた値である。そ
うして、上記加速度判定手段79は、上記実際の加速度
Gが上限加速度G(L) よりも大きいときに、加速度フラ
グGFL=1を出力し、そうでないときGFL=0を出
力する。
【0055】
【表2】
【0056】上記開始終了判定手段96は、上記アクセ
ルセンサ67等からの信号に基いて、制御の開始終了の
判定を行なうものであり、その具体的な構成は図5に示
されている。すなわち、同図において、95は制御手段
70に制御開始信号及び制御終了信号を出力するフリッ
プフロップ、86はフリップフロップ95にセット信号
を出力するためのセット用AND回路、87はフリップ
フロップ95にリセット信号を出力するためのリセット
用OR回路である。また、このリセット用OR回路87
のために、第1AND回路88、第2AND回路89、
OR回路90、第3AND回路92、第1タイマ93並
びに第2タイマ94が設けられている。
【0057】上記セット用AND回路86は、アクセル
センサ67のオン信号ACP=1、TRCスイッチ69
のオン信号TRC=1、スリップフラグSFL=1、及
びブレーキセンサ68からのオフ信号BFL=0が共に
出力されているとき、上記フリップフロップ95にセッ
ト信号を出力する。
【0058】上記リセット用OR回路87についてみれ
ば、第1AND回路88は、加速度フラグGFL=1の
信号と制御フラグの前回値CFL(K-1) =1(スリップ
制御中を意味する)との両信号が入力されるとき、出力
が1となる。第2AND回路89は、制御量演算手段7
6からサブスロットル開度STHOが全開の95%以上
というの開度信号を受け且つ上記CFL(K-1) =1の信
号を受けるとき、出力が1となる。OR回路90は、ア
クセルセンサ67のオフ信号ACP=0及び上記第2A
ND回路89からの出力1の信号のいずれか一方が入力
されるときに、出力が1となる。第3AND回路92
は、スリップフラグSFL=0の信号と上記OR回路9
0からの出力1の信号とが共に入力されるとき、出力が
1となる。第1タイマ93は、上記第1AND回路から
の出力1の信号を所定時間T1 継続して入力したとき、
出力が1となり、また、第2タイマ94は、上記第3A
ND回路からの出力1の信号を所定時間T2 継続して入
力したとき、その出力が1となる。
【0059】そうして、リセット用OR回路87は、ブ
レーキセンサ68からのオン信号BFL=1、上記第1
タイマ93からの出力1の信号、及び第2タイマ94か
らの出力1の信号のいずれか一つが入力されるとき、フ
リップフロップ85にリセット信号を出力する。
【0060】図6は上記制御開始・終了制御の流れを示
すものであり、各種データが入力され、エンジン制御中
(CFL=1)でなければ、アクセルオン(ACP=
1)、ブレーキオフ(BFL≠1)、スリップフラグS
FL=1の全ての条件が成立するとき、制御開始信号
(CFL=1)が出力される(ステップS1〜S6)。
【0061】スリップ制御中(CFL=1)のとき、車
両の加速度Gが上限加速度G(L) よりも大きいときは、
その状態が設定時間T1 継続すれば、制御終了信号(C
FL=0)が出力される(ステップS2,S7〜S1
1)。ステップS7の判断がNoのときは、第1タイマ
93はリセットされる(ステップS12)。次に、ブレ
ーキオン(BFL=1)であれば、制御終了信号が出力
される(ステップS13,S11)。また、アクセルオ
フ(ACP≠1)もしくはサブスロットル開度が95%
以上(STHO>95)で且つスリップフラグSFL=
1のとき、その状態が設定時間T2 継続すれば、制御終
了信号が出力され、そうでないときには第2タイマ94
がリセットされる(ステップS14〜S19)。
【0062】−スリップ制御の内容− 上記スリップ制御手段70によるスリップ制御の内容
を、エンジン制御とブレーキ制御とに着目して示したの
が図7である。
【0063】t時点前までは、駆動輪に大きなスリッ
プが生じていないので、エンジン制御は行われておら
ず、従ってサブスロットル弁45は全開であって、スロ
ットル開度Tn(両スロットル弁43,45の合成開度
であって、開度の小さな方のスロットル弁の開度に一致
する)は、アクセル踏込量に対応したメインスロットル
開度TH・Mである。
【0064】t時点では、駆動輪のスリップ量が、エ
ンジン用目標スリップ量SETとなった大きなスリップ
発生時となる。この状態はアクセルペダル42が踏まれ
ている状態であり、上記踏込が解除ないしはブレーキペ
ダル25が踏まれない限り、スリップ制御が開始され
る。そして、このt時点で、スロットル開度が下限制
御値SMにまで一挙に低下される(フィードフォワード
制御)。そして、一旦SMとした後は、駆動輪のスリッ
プ量がエンジン用目標スリップ量SETとなるように、
サブスロットル弁45の開度がフィードバック制御され
る。このとき、スロットル開度Tnはサブスロットル弁
開度TH・Sとなる。
【0065】t時点では、駆動輪のスリップ量がブレ
ーキ目標スリップ量SBT以上となったときであり、こ
のときは、駆動輪のブレーキ21RL,21RRに対し
てブレーキ液圧が供給され、エンジン制御とブレーキ制
御の両方によるスリップ制御の開始される。ブレーキ液
圧は、駆動輪のスリップ量がブレーキ用目標スリップ量
SBTとなるようにフィードバック制御される。
【0066】t時点では、駆動輪のスリップ量がブレ
ーキ用目標スリップ量SBT未満となったときであり、
これによって、ブレーキ液圧が徐々に低下され、やがて
ブレーキ液圧は零となる。ただし、エンジン制御は、な
おも継続される。
【0067】しかして、上記スリップ制御中であって
も、車両の加速度Gが上限加速度G(L) よりも大きい状
態が設定時間T1 継続すれば、エンジン制御は終了され
る(ブレーキ制御は必要に応じて継続させるようにして
もよい)。また、ブレーキペダル25が踏まれれば、無
条件で制御が終了される。また、アクセルペダル42の
踏込が解除されたり、あるいはサブスロットル開度が9
5%以上になったときは、SET以上のスリップが発生
していない状態が設定時間T2 継続すれば、スリップ制
御は終了されることになる。
【0068】従って、上記スリップ制御においては、車
両が低μ路面から高μ路面に移行した場合のように、車
両の加速度Gが大きくなれば、設定時間が経過すると、
エンジン制御が終了されるから、エンジン制御をいつま
でも引きずることがなく、直にメインスロットルバルブ
43によってエンジン出力が調節されることになり、運
転者の期待する加速フィーリングが得られることにな
る。
【0069】なお、上記エンジン制御は、サブスロット
ルバルブに変えて、もしくはこれと共に点火時期のリタ
ード制御、燃料カット制御によって実行するようにして
もよい。
【0070】また、上記実施例において、第1タイマ9
3の設定時間T1 は、第2タイマ94設定時間T2 と同
じにすることができるが、それよりも短くすることが好
ましい。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示す。
【図1】車両のスリップ制御装置の全体構成図
【図2】制御系のブロック図
【図3】目標スリップ量を決定するための回路図
【図4】下限制限値SMの設定のためのマップ図
【図5】制御開始終了手段の構成図
【図6】制御開始・終了のフロー図
【図7】スリップ制御のタイムチャート図
【符号の説明】
2RL,2RR 駆動輪 66FR〜66RL 車輪速センサ 70 スリップ制御手段 72 スリップ検出手段 73 目標スリップ量(閾値)設定手段 74 路面摩擦係数算出手段 75 スリップ判定手段 76 制御量演算手段 77 加速度検出手段 80 制御開始終了手段
フロントページの続き (72)発明者 川村 誠 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−151537(JP,A) 特開 平4−187838(JP,A) 特開 平3−114968(JP,A) 特開 平2−151541(JP,A) 特開 昭60−189666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 311 F02D 41/04 310 F02D 45/00 345

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の路面に対するスリップ量が所定の
    閾値を越えたときに、このスリップ量が目標スリップ量
    となるようにエンジンの出力を制御する制御手段を備え
    た車両のスリップ制御装置において、車両の加速度を検
    出する加速度検出手段と、上記制御手段によるエンジン
    出力の制御中において、上記加速度検出手段により検出
    される車両の加速度が所定の上限加速度を越えたときに
    上記制御手段による制御を終了せしめる制御終了手段と
    を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】上限加速度は、車速が高くなるにつれて低
    くなるように設定される請求項1に記載の車両のスリッ
    プ制御装置。
  3. 【請求項3】上限加速度は、圧雪路で発生する最高加速
    度よりも高い値に設定される請求項1に記載の車両のス
    リップ制御装置。
  4. 【請求項4】制御終了手段は、車両の加速度が所定の上
    限加速度を越えた状態が設定時間経過したときに制御手
    段による制御を終了せしめる請求項1に記載の車両のス
    リップ制御装置。
  5. 【請求項5】制御手段は、エンジンのスロットル開度を
    調節してエンジンの出力を制御するものである請求項1
    に記載の車両のスリップ制御装置。
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