JPH0431249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、種々のロールのうち、特に連続め
つきラインのめつき槽内に設置されたコンダクタ
ロールの表面を清浄にするためのロール手入れ装
置に関する。

〔従来の技術〕

金属ストリツプにめつき処理を行う連続処理ラ
インで使用されるコンダクタロールは、めつき槽
内に配設されかつ金属ストリツプを巻掛けてめつ
き液中に浸漬された状態となつている。従つてめ
つき液などから発生する腐蝕性ヒユームのためコ
ンダクタロールの表面にはスラツジが付着した
り、あるいは種々の要因で表面疵が生じたりす
る。コンダクタロールは電極を兼ねており、また
ストリツプに与える影響から、このようなロール
表面の汚損や疵は定期的に手入れを行う必要があ
る。そこで、従来は先端にポリシングペーパーを
巻付けた棒を用いて入力によりロール清浄作業を
作つていた。

しかし、このような手作業は悪環境の中でしか
も危険を伴うものであり、さらに重労働でもある
ため、自動的に手入れする装置として、(1)回転ブ
ラシローラをコンタクタロールに接触させて手入
れする装置、(2)研磨ローラに研磨紙を巻付けてロ
ールに押圧して手入れする装置等が提案されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、(1)回転ブラシローラを使用する
装置にあつては、コンダクタロール表面のスラツ
プ等がブラシローラの回転によつて飛散し、金属
ストリツプに付着してロールとの間に巻込まれ、
ストリツプに悪影響を及ぼす、(2)研磨ローラに巻
付けられた研磨紙は破れやすく、またコンダクタ
ロール表面を疵つけやすい、さらに研磨紙の目づ
まりが早期に生じる、研磨紙の交換に手間がかか
る、など種々の問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点にかんが
みてなされたものであつて、軸に貫通した研磨板
を積層して形成した研磨ローラやワイパローラを
備えた装置とすることによつて、上記問題点を解
決することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案のロール手入れ装置は、多数の円形の
研磨板を互に圧接するごとく積層しこれに軸を貫
通させて成り手入れすべきロールに押圧される研
磨ローラと、フエルト状又はゴム状等の柔軟な清
掃部材を軸に取付けて前記手入れすべきロールに
押圧されるワイパローラと、これらのローラの回
転をそれぞれ阻止する係止手段と、これらのロー
ラを手入れすべきロールにそれぞれ所要圧力で押
圧可能なローラ押圧手段とを備え、前記ワイパロ
ーラを、前記研磨ローラより前記手入れすべきロ
ールの回転方向下流近くに配置している。

〔作用〕

フエルト状又はゴム状等の柔軟なロール表面を
疵つけない清掃部材を取付けたワイパローラをロ
ーラ押圧手段によつて手入れすべきロールに押圧
すると共に、係止手段によつてワイパローラの回
転を阻止しておくと、ロールの回転に伴つてロー
ル表面に付着した汚損物やスラツジ等はある程度
払拭される。次にワイパローラによつても清掃さ
れないロールの硬い付着物はローラ押圧手段によ
つて研磨ローラをロールに押圧するとともに係止
手段によつて研磨ローラの回転を阻止すると、ロ
ールの回転に伴つてロール表面の前記固い付着物
は研磨ローラで除去され、除去された付着物はロ
ールの回転方向下流近くに設けた上記ワイパロー
ラによつて直ちに払拭される。さらにロール表面
の疵は、研磨ローラを形成する多数の研磨板の外
周部を、ローラ押圧手段により所定圧力を加えて
ロール表面に押圧することによつて研削し、ロー
ルの手入れを行う。ロール手入れが終了したら、
研磨ローラはローラ押圧手段を押圧時とは反対方
向に駆動して手入れしたロール表面から離隔させ
る。また、ワイパローラ及び研磨ローラのロール
に対する接触部位は、係止手段を解除して各ロー
ラを回動させ、更新することができる。さらに研
磨ローラは多数の研磨板をローラ軸を貫通し且つ
互いに圧接するごとく積層して形成されているた
め、ロール手入れ時には研磨板の外周がロール表
面に当接することにより研磨紙を平面的に当接さ
せたときのような目づまりや破れ等が生じること
はなく、また研磨紙のように頻繁に取替える必要
もない。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に基づいて説明する。第
１，２図はこの考案の一実施例を示す図である。
第１図は本考案に係るロール手入れ装置の側面
図、第２図は研磨ローラの断面図、手入れすべき
ロールとして、この実施例ではストリツプの連続
めつき処理ラインのめつき槽に設けられたコンダ
クタロール１を示す。２はロール手入れ装置のフ
レームである。３，３はワイパローラ４を回転可
能に支持する１対のローラアーム、５，５は研磨
ローラ６を回転可能に支持する１対のローラアー
ムであつて、いずれもフレーム２に設けられた軸
受７に回転可能に支承された軸８に取付けられて
いる。

研磨ローラ６は軸６ｂに貫通した多数の研磨板
６ａが互に圧接するごとく取付ナツト９によつて
締付けられ積層して構成されている。ワイパロー
ラ４は研磨ローラ６の研磨板６ａをコンダクタロ
ール１の表面を傷めない柔軟なフエルト板又はゴ
ム板に置換えた構造のローラであるが、フエルト
等の清掃部材の取付け方はこの実施例に限ること
なく、軸６ｂに巻付けた構成等としてもよい。

１０は止めねじであつて、ワイパローラ４，研
磨ローラ６がロール１に当接したときに、これら
のローラ４，６が回転するのを阻止するための係
止手段であり，レバー１０ａを回動することによ
つて、軸６ｂを押圧又は解除するようになつてい
る。１１，１２はローラ押付け用シリンダであつ
て、それぞれのシリンダロツド１１ａ，１２ａか
クレビス１１ｂ，１２ｂを介してそれぞれローラ
アーム３及び５と連結しており、シリンダ１１，
１２はその端部がフレーム２に固設されたブラケ
ツト１３，１４に回動可能に軸支されている。上
記部品１１，１１ａ，１１ｂ，１３及び１２，１
２ａ，１２ｂ，１４によつてローラ押圧手段を構
成している。

またワイパローラ４は研磨ローラ６に対してコ
ンダクタロール１の回転方向下流側となるように
設けられている。各ローラ４，６の胴長はコンダ
クタロール１の胴長より短くないように形成され
る。

次に作動を説明する。

ローラ押付用シリンダ１１を駆動しローラアー
ム３を介してワイパローラ４を所要圧力でコンダ
クタロール１に押圧するとともに止めねじ１０を
締込んでワイパローラ４が回転しないようにして
おくと、ロール１の回転に伴つてロール表面に付
着する汚損物やスラツジ等が回転せずに押圧され
たワイパローラ４によつてある程度払拭される。
そして操業中は、ワイパローラ４は常にロール１
に押付けられた状態とする。次にワイパローラ４
によつても清掃されないロール１表面の固い付着
物は、ローラ押付用シリンダ１２を駆動し、ロー
ラアーム５を介して研磨ローラ６をロール１に押
付けるとともに、止めねじ１０によつて研磨ロー
ラ６が回転しないようにすると、上記固い付着物
は研磨ローラ６で除去され、除去された付着物は
ロール１の回転方向下流に位置するワイパローラ
４によつて払拭される。またロール１表面に疵の
ある場合は、前記シリンダ１２により研磨ローラ
６に所要圧力を加えてロール１に押付けることに
よつて研削し、ロール１の手入れを行う。そし
て、手入れが終了したら、前記シリンダ１２をロ
ーラ押圧時とは逆方向に駆動して研磨ローラ６を
ロール１表面から離隔させる。

また、研磨ローラ６を構成する多数の研磨板６
ａの外周は、ロール１への接触部位が次第に摩耗
するので、適時、止めねじ１０を緩めて研磨ロー
ラ６を回転させ、ロール１との接触部位を変えて
ローラの偏摩耗を防ぐ。このことによつて従来の
研磨紙をローラ表面に巻付けた場合のように、外
周を１周したらローラ寿命が終わるということは
なく、研磨ローラ６の外径がその軸６ｂの径に近
く摩耗するまで使用できるので、その寿命は従来
に比べて飛躍的に延長でき、かつ研磨紙のような
目詰まりが生じない。

ワイパローラ４も研磨ロール６と同様に、適時
ロール１との接触部位を変えて使用される。

この実施例における研磨板６ａは板厚が１０mm
で耐水性を有する＃80程度のものが用いられる
が、砥粒の大きさは研磨条件によつて適宜選択す
ればよい。

また、ローラ押圧手段として、実施例ではエア
又は油圧作動によるシリンダ１１，１２を使用し
たが、押付け圧力の制御が可能ならば、他の手段
を用いてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、手入
れすべきロールに対し、これを払拭するワイパロ
ーラと、これを研磨する研磨ローラとを用いて、
ロール表面の軽度の付着物は払拭ワイパローラに
よつて除去し、ロール表面の固い付着物は研磨ロ
ーラによつて除去するとともに、この除去された
付着物をワイパローラによつて直ちに払拭するか
ら、付着物の性状に対応した的確な除去を行うこ
とができるし、いずれの場合にもワイパローラで
付着物を払拭するから、付着物がロール表面に残
留しないため圧延対象のストリツプに悪影響を及
ぼさない。

また、研磨ローラは、多数の円形の研磨板を互
に圧接するごとく積層しこれに軸を貫通させてな
るものであるから、ロールの手入れ時には円形の
研磨板の外周がロール表面に接することになるた
め、研磨紙の表面をロール表面に面接触させたと
きのような目づまりや破れを防止することができ
るし、この研磨ローラは一定の研磨時間経過ごと
に少しの角度だけ回転させることによつて、ロー
ル表面との接触部位を変化させることができるか
ら、研磨ローラの偏摩耗を防止することができる
し且つ寿命を延長して頻繁な交換を不要とすると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る実施例の側面図、第２図
は研磨ローラ及びローラアーム部の断面図であ
る。 １……手入れすべきロール（コンダクタロー
ル）、４……ワイパローラ、６……研磨ローラ、
６ａ……研磨板、６ｂ……軸、１０……止めねじ
（係止手段）；ローラ押圧手段、１１，１２……ロ
ール押付用シリンダ、１１ａ，１２ａ……シリン
ダロツド、１１ｂ，１２ｂ……クレビス、３，５
……ローラアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の円形の研磨板を互に圧接するごとく積層
   しこれに軸を貫通させて成り手入れすべきロール
   に押圧される研磨ローラと、フエルト状又はゴム
   状等の柔軟な清掃部材を軸に取付けて前記手入れ
   すべきロールに押圧されるワイパローラと、これ
   らのローラの回転をそれぞれ阻止する係止手段
   と、これらのローラを手入れすべきロールにそれ
   ぞれ所要圧力で押圧可能なローラ押圧手段とを備
   え，前記ワイパローラを、前記研磨ローラより前
   記手入れすべきロールの回転方向下流近くに配置
   したことを特徴とするロール手入れ装置。